JP2007336299A - 導波管の接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体基板と金属導波管基板に反りなどがあり、貫通孔と導波管基板に隙間が生じた場合でも、電磁波の反射、通過損失、漏洩を小さくできる導波管の接続構造を得ること。
【解決手段】電磁波を伝送するために内壁に導体12を形成した貫通孔5を有する誘電体基板2と、導波管穴7を有する金属で形成された導波管基板3とを備える導波管の接続構造において、導波管穴7の周囲にチョーク溝8を設けるとともに、誘電体基板2の導波管基板3に対向する表面であって貫通孔5の周囲に、貫通孔5の内壁の導体層12に接続され、かつ周りを露出された誘電体で囲まれた、チョーク溝8の上部全体を覆うことができるランド6を形成した。
【選択図】 図7

Description

この発明は、有機誘電体基板と金属の導波管基板に設けられた電磁波を伝送する導波管の接続構造に関するものである。
従来の導波管の接続構造では、有機誘電体基板(接続部材)に設けられた電磁波の伝送する導波管(貫通孔)と金属導波管基板に設けられた導波管の接続構造において、接続部での電磁波の反射、通過損失、漏洩を防止するために、貫通孔の導体と金属導波管基板を電気的に接続し、同電位に保つようにしている(例えば特許文献1)。
特開2001−267814号公報(段落「0028」、図1)
このような従来の導波管の接続構造にあっては、有機誘電体基板の反りと金属導波管基板のそりなどによって貫通孔の導体層と導波管基板の間に隙間が生じる。その結果、接続部において、電磁波の反射、通過損失、漏洩が発生するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、有機誘電体基板と金属導波管基板に反りなどがあり、貫通孔と導波管基板に隙間が生じた場合でも、電磁波の反射、通過損失、漏洩を小さくできる導波管の接続構造を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電磁波を伝送するために内壁に導体を形成した貫通孔を有する誘電体基板と、導波管穴を有する金属で形成された導波管基板とを備える導波管の接続構造において、前記誘電体基板の前記導波管基板に対向する表面であって前記貫通孔の周囲に、前記貫通孔の内壁の導体層に接続され、かつ周りを露出された誘電体で囲まれた所定幅の導体層のランドを形成したことを特徴とする。
また、この発明では、電磁波を伝送するために内壁に導体を形成した貫通孔を有する誘電体基板と、導波管穴を有する金属で形成された導波管基板とを備える導波管の接続構造において、前記導波管穴の周囲にチョーク溝を設けるとともに、前記誘電体基板の前記導波管基板に対向する表面であって前記貫通孔の周囲に、前記貫通孔の内壁の導体層に接続され、かつ周りを露出された誘電体で囲まれた、前記チョーク溝の上部全体を覆うことができるランドを形成したことを特徴とする。
この発明によれば、貫通孔の周囲にランドを形成するようにしたので、誘電体基板と導波管基板の間に隙間が発生した場合でも、漏洩した電磁波の並行平板モードによる伝搬経路をランド端で断ち切り、電磁波の漏洩を小さくすることができ、貫通孔と導波管穴との接続部の損失を小さくすることができ、これにより他の貫通孔と導波管穴の接続部への電磁波の漏れこみを小さくする効果がある。
また、この発明では、導波管穴の周囲にチョーク溝を形成し、かつこのチョーク溝に蓋をするようにランドを形成するようにしたので、誘電体基板と導波管基板の間に隙間が発生した場合でも、このチョーク溝の外側には、電磁波がより漏洩し難くなり、貫通孔と導波管穴との接続部の損失をより小さくすることができ、これにより他の貫通孔と導波管穴の接続部への電磁波の漏れこみをより小さくする効果がある。
以下に、本発明にかかる導波管の接続構造の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1〜図6に従って、この発明の実施の形態1について説明する。図1は実施の形態1にかかる導波管接続構造を示す断面図である。図2は、ランド部を平面視した断面図である。この実施の形態1は、例えば、FM/CWレーダなどのミリ波あるいはマイクロ波レーダなどに適用される。この実施の形態1の接続構造は、ミリ波レーダに適用した場合、電磁波の電力が比較的弱い受信ポート側の導波管に適用したほうが好ましい。
図1において、高周波モジュール1は、レーダ装置に用いられる電圧制御発振器、電力分配器、逓倍器、増幅器などの送信あるいは受信にかかる各種高周波半導体素子を搭載しており、本導波管接続構造を介して送信波を送信アンテナ(図示せず)に出力するとともに、本導波管接続構造を介して受信アンテナ(図示せず)から受信波を受信する。この高周波モジュール1は、半田あるいは導電性接着材などの導電性接続材によって有機誘電体基板2上に、接合される。
有機誘電体基板2には、図2にも示すように、内壁に導体層12が形成された断面方形状の貫通孔5が形成されており、この貫通孔5によって高周波モジュール1から導波管基板3の導波管7に出力される電磁波(送信波)あるいは導波管基板3から高周波モジュール1に入力される電磁波(受信波)を伝送する。また、有機誘電体基板2の高周波モジュール1と対向する面には、ベタの接地導体13が形成されており、このベタ接地導体13と貫通孔5の内壁に形成された導体層12とは、接続されている。
また、有機誘電体基板2の下側には、電磁波を伝送するための断面方形状の導波管穴7を設けた金属の導波管基板3が設けられており、有機誘電体基板2は、図示しない位置決めピンによって導波管基板3上に位置決めされ、ねじ4によって導波管基板3上に固定されている。上記位置決め固定により、有機誘電体基板2の貫通孔5の中心軸oと、導波管基板3の導波管穴7の中心軸が一致するように、両基板2,3が固定される。導波管穴7と貫通孔5の寸法はほぼ同じである。例えば、導波管穴7の短辺、長辺の寸法比を1:2とすると、インピーダンス変成のために、貫通孔5の短辺、長辺の寸法比は1:略2.5としている。
有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面には、図2にも示すように、方形の貫通孔5の周囲に導体層のランド6が形成されており、このランド6は貫通孔5の内壁に形成された導体層12と接続されている。ランド6の周囲には、図2に示すように、誘電体基板2の誘電体が露出されており、ランド幅tは、高周波半導体素子で使用する高周波信号の実効波長λの1/12〜1/8とすることが望ましい。例えば、高周波信号の周波数を76GHzとすると、その実行波長λは約4mmとなるが、この場合のランド幅tは、0.33mm(λ/12)〜0.5mm(λ/8)の範囲の値となる。
図3は、図1に示す隣接する2つの貫通孔5,5を双方とも受信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体としてシミュレーションを行った場合の通過特性(破線)、反射特性(一点鎖線)および結合度(漏洩)特性(実線)を示すものであり、図4は、同様に図1に示す隣接する2つの貫通孔5,5を双方とも受信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面の貫通孔5の周囲に幅t=0.35mmのランド6を形成してシミュレーションを行った場合の通過特性(破線)、反射特性(一点鎖線)および結合度(漏洩)特性(実線)を示すものである。図3および図4においては、貫通孔5の寸法は、2.50mm×0.94mmとし、有機誘電体基板2と導波管基板3の隙間は0.2mm、貫通孔5,5の間隔は1.0mmに設定した。なお、貫通孔5の寸法としては、2.50mm×1.27mmを採用しても良い。これらの図3、図4を比較すれば明らかなように、貫通孔5の周囲に誘電体によって分離されたランド6を形成することで、アイソレーション特性が大幅に改善される(伝送周波数76GHzでは、約15dB)。すなわち、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体とした場合は、有機誘電体基板2と導波管基板3との間に隙間が生じた場合、その隙間を漏洩した電磁波が平行平板モードで伝送することになり、他の受信ポートに漏れ込むことなるが、ランド6によって導体層を誘電体で分離するようにした場合は、有機誘電体基板2と導波管基板3との間の隙間を平行平板モードで伝送する漏洩した電磁波をランド6の先端部で遮断することにより、他の受信ポートへの漏れ込みを防止することができるようになる。
図5は、伝送周波数を76GHzとしたとき、ランド幅tを変化させたときのアイソレーション値の変化のシミュレーション結果を示すものである。図5においては、有機誘電体基板2の導波管基板3の隙間は0.2mm、貫通孔5,5の間隔は1.5mmに設定した。図5によれば、特に、ランド幅t=0.35mm〜0.4mmで最適値が存在し、これらの最適値を採用すれば、アイソレーションが顕著に改善されていることが判る。なお、図5において、破線は有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体とした場合のアイソレーション値を示すものである。
図6は、図1に示す隣接する2つの貫通孔5,5を双方とも受信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体として実測した場合の結合度特性(破線)と、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面の貫通孔5の周囲に幅t=0.35mmのランド6を形成して実測した場合の結合度特性(実線)を示すものである。この図6からも判るように、貫通孔5の周囲に誘電体によって分離されたランド6を形成することで、アイソレーション特性が大幅に改善される(伝送周波数76GHzでは、約22dB)。
このように、実施の形態1によれば、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面側であって貫通孔5の周囲に、所定の幅を有する導体層のランド6を形成するようにしたので、ランド6の先端部で導体層が誘電体で分離されることになる。したがって、有機誘電体基板2と導波管基板3との間に隙間が生じて、その隙間を漏洩した電磁波が平行平板モードで伝送したとしても、隙間を平行平板モードで伝送する漏洩した電磁波の経路をランド6の先端部で遮断することで、電磁波の漏洩を抑制することができる。
実施の形態2.
つぎに、図7〜図12に従って、この発明の実施の形態2について説明する。図7は実施の形態2にかかる導波管接続構造を示す断面図である。図8は、ランド部を平面視した断面図、図9は、導波管穴7およびチョーク溝8を平面視した断面図である。この実施の形態2の接続構造は、ミリ波レーダに適用した場合、電磁波の電力が比較的強い送信ポート側の導波管に適用したほうが好ましい。
この実施の形態2においては、導波管基板3の導波管穴7の周囲にチョーク溝8を形成するとともに、このチョーク溝8を覆うような幅を有するランド6を有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面側であって貫通孔5の周囲に形成するようにしている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
導波管穴7の外側には、図9にも示すように、方形導波管7の中心点oを中心とし、導波管穴7の長辺となる磁界面(H面)に垂直な方向に、導波管穴7の長辺内壁から伝送する電磁波の実効波長λの約1/4だけ離れた点を通過する円を内径としたチョーク溝8が設けられており、このチョーク溝の深さDは伝送する電磁波の実効波長λの約1/4としている。チョーク溝8の幅寸法は、特に規定しないが、例えば伝送する電磁波の実効波長λの約1/4程度とする。
さらに、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面の貫通孔5の周囲に形成されたランド6は、この場合、図8にも示すように、導波管基板3に設けられたチョーク溝8の外径とほぼ等しいか若干大きい円形を呈しており、ランド6は、チョーク溝8の特性を発揮させるためチョーク溝8の蓋の役割をするものである。そのため、ランド6は、チョーク溝8の上部全体を覆うことが可能な寸法であれば良いが、不用意に大きくすると、その領域まで平行平板モードで漏洩した電磁波が伝播するため、できるだけ最小限の領域にとどめることが望ましい。したがって、ランド6は、有機誘電体基板2のパターン形成精度および導波管基板3との組立て誤差が生じても、チョーク溝8の上部全体を覆うことができるような大きさとすればよい。
このように、実施の形態2では、導波管基板3の導波管穴7の全周にチョーク溝8を設け、さらに有機誘電体基板2のチョーク溝8の上部に蓋の役割をするランド6を形成するようにしているので、誘電体基板と導波管基板の間に隙間が発生した場合でも、このチョーク溝の外側には、電磁波がより漏洩し難くなり、貫通孔と導波管穴との接続部の損失をより小さくすることができ、これにより他の貫通孔と導波管穴の接続部への電磁波の漏れこみをより小さくすることができる。また、この場合、導波管穴7の長辺からチョーク溝8までの寸法、およびチョーク溝8の深さDを、伝送電磁波の実効波長の約1/4の寸法としたので、チョーク溝8の底面は伝送する電磁波にとって短絡端となるため、この点から伝送する電磁波の実効波長の約1/2の距離にある導波管穴7のH面は、実質的に短絡端となる。したがって、有機誘電体基板2と導波管基板3に隙間が生じても、その隙間の影響を小さくでき、接続部の電気的整合が保たれ、伝送する電磁波の貫通孔5と導波管穴7の接続部での電磁波の反射、通過損失、漏洩をさらに小さくすることができる。
また、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する表面の導体層を表面全体に形成するのではなく、ランド6のような独立した導体層とすることで、そりなどによって有機誘電体基板2と導波管基板3の間に隙間が生じた場合でも、その隙間を平行平板モードで伝搬する漏洩した電磁波の経路をランド端で断ち切ることによって、その伝搬を遮断でき、複数の貫通孔5および導波管穴7が存在する場合には、他の貫通孔5および導波管穴7に漏洩する電磁波を少なくすることができるといった効果もある。
なお、チョーク溝8は、図9に示したように、導波管穴7の全周に形成してもよいが、図10に示すように、導波管穴7の周りの一部に形成するようにしてもよい。例えば、チョーク溝8を間に挟んで、円形部3aを外側周囲部3bで囲むように構成し、円形部3aと外側周囲部3bとの間を、2箇所の接続部3cで接続するように構成する。この際、接続部3cは、導波管穴7の短絡周辺に設けることにより、チョーク溝8としての電気的機能が維持される。このように、チョーク溝8を導波管穴7の周りの一部に形成したほうが、これらチョーク溝8、導波管穴7などの加工が容易となる。例えば、導波管穴7とチョーク溝8を有した金属板Aと、導波管穴7を有しチョーク溝8を有さない金属板Bとを上下に積層し、両金属板A,Bをろう付けや拡散接合により接合して、導波管基板3を構成することによって、導波管基板3に容易にチョーク溝を設けることができる。また、この場合、チョーク溝8あるいはランド6としては、円形を採用したが、チョーク溝8あるいはランド6として楕円、繭型、方形などを採用するようにしてもよい。
図11は、図7に示す隣接する2つの導波管穴7,7を双方とも送信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体とし、かつチョーク溝8を設けない構成でシミュレーションを行った場合の通過特性(破線)、反射特性(一点鎖線)および結合度(漏洩)特性(実線)を示すものであり、図12は、同様に図7に示す隣接する2つの貫通孔5,5を双方とも送信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面の貫通孔5の周囲に幅t=0.35mmのランド6を形成しかつ前述のチョーク溝8を形成した構成でシミュレーションを行った場合の通過特性(破線)、反射特性(一点鎖線)および結合度(漏洩)特性(実線)を示すものである。図11および図12においては、貫通孔5の寸法は、2.50mm×0.94mmとし、有機誘電体基板2と導波管基板3の隙間は0.2mm、導波管穴7,7の間隔はチョーク溝8が形成できるように3.0mmに設定した。これらの図11、図12を比較すれば明らかなように、チョーク溝8を形成し、このチョーク溝8をランド6で蓋することによって、アイソレーション特性が大幅に改善される(伝送周波数76GHzでは、約30dB)。
実施の形態3.
つぎに、図13〜図17に従って、この発明の実施の形態3について説明する。図13は実施の形態3にかかる導波管接続構造を示す断面図である。この実施の形態3の接続構造は、ミリ波レーダに適用した場合、一方の貫通孔5aおよび導波管穴7aを受信ポート側に適用し、これに隣接する他方の貫通孔5bおよび導波管穴7bを送信ポートに適用したほうが好ましい。
図13に示すように、受信ポートとして利用される導波管穴7aに対向する貫通孔5aの周囲の有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面には、先の実施の形態1に示したような、λ/12〜λ/8の幅tを有する導体層のランド6aが形成されており、また導波管穴7aの周囲には、チョーク溝8は形成されていない。一方、送信ポートとして利用される導波管穴7bの周囲には、先の実施の形態2で示したチョーク溝8が形成されかつ有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面には、チョーク溝8に蓋をすることが可能な大きさのランド6bが形成されている。
この実施の形態3によれば、送信ポート側の導波管構造では、チョーク溝8を形成し、このチョーク溝8に蓋をするランド6を設けるようにしているので、実施の形態2と同様の効果がある。また、受信ポート側の導波管構造では、所定幅tのランド6を形成しているので、実施の形態1と同様の効果がある。
図14は、隣接する2つの導波管穴のうちの一方を受信ポートとし他方を送信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体とし、かつチョーク溝8を設けない構成でシミュレーションを行った場合の通過特性(破線)、反射特性(一点鎖線)および結合度(漏洩)特性(実線)を示すものであり、図15は、同様に隣接する2つの導波管穴の一方を受信ポートとし他方を送信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体とし、かつチョーク溝8を設けた構成でシミュレーションを行った場合の通過特性(破線)、反射特性(一点鎖線)および結合度(漏洩)特性(実線)を示すものであり、図16は、同様に隣接する2つの導波管穴の一方を受信ポートとし他方を送信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面の貫通孔5の周囲に幅t=0.35mmのランド6を形成しかつ前述のチョーク溝8を形成した構成でシミュレーションを行った場合の通過特性(破線)、反射特性(一点鎖線)および結合度(漏洩)特性(実線)を示すものである。これらにおいて、貫通孔5の寸法は、2.50mm×0.94mmとし、有機誘電体基板2と導波管基板3の隙間は0.2mm、導波管穴7,7の間隔はチョーク溝が形成されるように3.0mmに設定した。これらの図11、図12を比較すれば明らかなように、チョーク溝8を形成し、さらにこのチョーク溝8をランド6で蓋することによって、アイソレーション特性が大幅に改善される。伝送周波数76GHzでは、アイソレーション特性は、チョーク溝8を形成することよって16dB程改善され(図14→図15)、さらにチョーク溝8をランド6で蓋することによって、6dB程改善される(図15→図16)。
図17は、隣接する2つの導波管穴のうちの一方を受信ポートとし他方を送信ポートとして、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面をベタの接地導体としかつチョーク溝8を形成した構成で実測した場合の結合度特性(破線)と、有機誘電体基板2の導波管基板3に対向する面の貫通孔5の周囲に幅t=0.35mmのランド6を形成してかつチョーク溝8を形成した構成で実測した場合の結合度特性(実線)を示すものである。この図17からも判るように、チョーク溝8を分離されたランド6で蓋することによって、アイソレーション特性が大幅に改善される(伝送周波数76GHzでは、約20dB)。
以上のように、本発明にかかる導波管の接続構造は、電磁波を伝送するために内壁に導体を形成した貫通孔を有する誘電体基板と、導波管穴を有する金属で形成された導波管基板との接続構造に有用である。
本発明の実施の形態1による導波管の接続構造を示す断面図である。 実施の形態1によるランド形状を示す平面視断面図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面をベタの接地導体としてシミュレーションを行った場合の受信−受信特性を示す図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面にランドを形成してシミュレーションを行った場合の受信−受信特性を示す図である。 ランド幅とアイショレーションとの関係を示す図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面をベタの接地導体とした場合とランドを形成した場合の実測による結合度特性を示す図である。 本発明の実施の形態2による導波管の接続構造を示す断面図である。 実施の形態2によるランド形状を示す平面視断面図である。 実施の形態2による導波管穴およびチョーク溝形状を示す平面視断面図である。 他のチョーク溝形状を示す平面視断面図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面をベタの接地導体としかつチョーク溝を形成しない構成でシミュレーションを行った場合の送信−送信特性を示す図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面にランドを形成しかつチョーク溝を形成した構成でシミュレーションを行った場合の送信−送信特性を示す図である。 本発明の実施の形態3による導波管の接続構造を示す断面図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面をベタの接地導体としてシミュレーションを行った場合の送信−受信特性を示す図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面にランドを形成してシミュレーションを行った場合の送信−受信特性を示す図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面にランドを形成し、かつ導波管基板にチョーク溝を形成した構成でシミュレーションを行った場合の送信−受信特性を示す図である。 有機誘電体基板の導波管基板に対向する面をベタの接地導体としかつ導波管基板にチョーク溝を形成した場合と、有機誘電体基板の導波管基板に対向する面ランドを形成してかつ導波管基板にチョーク溝を形成した場合との実測による結合度特性を示す図である。
符号の説明
1 高周波モジュール
2 有機誘電体基板
3 導波管基板
5,5a,5b 貫通孔
6,6a,6b ランド
7,7a,7b 導波管穴
8 チョーク溝
12 導体層
13 ベタ接地導体

Claims (4)

  1. 電磁波を伝送するために内壁に導体を形成した貫通孔を有する誘電体基板と、導波管穴を有する金属で形成された導波管基板とを備える導波管の接続構造において、
    前記誘電体基板の前記導波管基板に対向する表面であって前記貫通孔の周囲に、前記貫通孔の内壁の導体層に接続され、かつ周りを露出された誘電体で囲まれた所定幅の導体層のランドを形成したことを特徴とする導波管の接続構造。
  2. 前記ランドの幅を伝送電磁波の実効波長の1/12〜1/8とすることを特徴とする請求項1に記載の導波管の接続構造。
  3. 電磁波を伝送するために内壁に導体を形成した貫通孔を有する誘電体基板と、導波管穴を有する金属で形成された導波管基板とを備える導波管の接続構造において、
    前記導波管穴の周囲にチョーク溝を設けるとともに、
    前記誘電体基板の前記導波管基板に対向する表面であって前記貫通孔の周囲に、前記貫通孔の内壁の導体層に接続され、かつ周りを露出された誘電体で囲まれた、前記チョーク溝の上部全体を覆うことができるランドを形成したことを特徴とする導波管の接続構造。
  4. 前記導波管穴は方形であり、前記導波管穴の長辺からチョーク溝までの寸法、およびチョーク溝の深さを、伝送電磁波の実効波長の約1/4の寸法としたことを特徴とする請求項3に記載の導波管の接続構造。
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