JP3695283B2 - コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器、電子機器、音響機器の電子回路などに用いるコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、機器の小型化、薄型化、軽量化および電気機器回路の高密度化、デジタル化に伴い、電子部品に対する小型化、高性能化高信頼性化の要望がますます高まってきている。そのような情勢の中で、コンデンサも同様の小型で大容量を有し、かつ高周波領域でのインピ−ダンスの低いものが要求されている。
【0003】
高周波領域でのインピ−ダンスの低いコンデンサにはセラミックスを誘電体としたセラミックコンデンサや有機高分子フィルムを誘電体としたフィルムコンデンサがある。
【0004】
一方、アルミニウムやタンタルの酸化皮膜を誘電体とした電解コンデンサでは、テトラシアノキノジメタン錯体やポリピロ−ルなどの固体材料を用いたものが実用化されている。陰極材料に導電性化合物を採用することによりコンデンサの等価直列抵抗(ESR)が低くなったために、高周波特性が格段に向上した。
【0005】
また、フィルムコンデンサの開発分野においても、有機高分子膜の優れた誘電体特性を維持しつつ、小型・大容量化する試みが近年盛んに行われるようになってきた。
【0006】
例えば、特開平4−87312号公報に示すように、大きな表面積を有するエッチドアルミ箔表面上に有機溶剤系ポリアミック酸溶液を用いて電着法によりポリイミド薄膜の誘電体層を形成し、さらにその表面上に導電性高分子層を形成させた新しいタイプの小型・大容量フィルムコンデンサの製造方法も提供されている。
【0007】
さらに、特開平10−79326号公報に示すように、エッチドアルミ箔表面上にポリカルボン酸系樹脂(アクリル酸系樹脂)を含む水溶液を用いて電着法によりポリアクリル酸薄膜の誘電体層を形成し、さらにその表面上に導電性高分子層を形成させた新しいタイプの小型・大容量フィルムコンデンサの製造方法も提供されている。
【0008】
さらに、特開平11−97277号公報に示すように、エッチドアルミ箔表面上に電着により高分子膜を形成する際、酸化物層も同時に形成され、コンデンサに極性が生じるのを防ぐために、エッチドアルミ箔と高分子膜の間に化学重合により導電性高分子層を配する新しいタイプの小型・大容量フィルムコンデンサの製造方法も提供されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エッチドアルミ箔表面上にその場化学重合により導電性高分子層を形成する場合、導電性高分子層の被覆性と緻密性が低く、導電性高分子層の上に電着により高分子膜を形成する際に少なからず酸化物層も形成されるために、極性が生じるという課題を抱えていた。また、弁金属でない例えば銅を用いた場合、銅の上にその場化学重合により導電性高分子層を形成し、その導電性高分子層の上に電着により高分子膜を形成する際に、銅の溶け出しが生じるために、漏れ電流の低いコンデンサが得られないという課題を抱えていた。
【0010】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するもので、極性が少なく、漏れ電流特性の優れたコンデンサを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するもので、本発明のコンデンサの製造方法は、可溶性導電性高分子が溶解された溶液組成物、または導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物にバインダ−を添加した導電性組成物前駆体を用意する工程と、銅の表面上に前記導電性組成物前駆体を塗布する工程と、前記導電性組成物前駆体から媒体を除去して、後に行う電着の際の前記銅の溶け出しを防ぐ導電性組成物層を形成する工程と、前記導電性組成物層上に前記電着により高分子膜からなる誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に導電体層を形成する工程とを備えた構成である。
【0012】
可溶性導電性高分子が溶解された溶液組成物、または導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物にバインダ−を添加した導電性組成物前駆体を塗布した後、媒体を除去して導電性組成物層を形成することにより、被覆性と緻密性の高い導電性組成物層が得られる。導電性組成物層の被覆性と緻密性が高いために、電着の際、酸化物層の形成や金属の溶け出しが生じないので、極性が少なく、漏れ電流特性の優れたコンデンサが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、可溶性導電性高分子が媒体中に溶解された溶液組成物にバインダ−を添加して導電性組成物前駆体を用意する工程と、銅の表面上に前記導電性組成物前駆体を塗布する工程と、前記導電性組成物前駆体から前記媒体を除去して、後に行う電着の際の前記銅の溶け出しを防ぐ導電性組成物層を形成する工程と、前記導電性組成物層上に前記電着により誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に導電体層を形成する工程とを有するコンデンサの製造方法であり、可溶性導電性高分子が溶解された溶液組成物にバインダ−を添加した導電性組成物前駆体を塗布した後、媒体を除去して導電性組成物層を形成することにより、被覆性と緻密性の高い導電性組成物層が得られる。導電性組成物層の被覆性と緻密性が高いために、電着の際、酸化物層の形成や銅の溶け出しが生じないので、極性が少なく、漏れ電流特性の優れたコンデンサを実現できる。
【0014】
本発明の請求項2記載の発明は、導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物にバインダ−を添加して導電性組成物前駆体を用意する工程と、銅の表面上に前記導電性組成物前駆体を塗布する工程と、前記導電性組成物前駆体から前記分散媒を除去して、後に行う電着の際の前記銅の溶け出しを防ぐ導電性組成物層を形成する工程と、前記導電性組成物層上に前記電着により誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に導電体層を形成する工程とを有するコンデンサの製造方法であり、導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物にバインダ−を添加した導電性組成物前駆体を塗布した後、分散媒を除去して導電性組成物層を形成することにより、被覆性と緻密性の高い導電性組成物層が得られる。導電性組成物層の被覆性と緻密性が高いために、電着の際、酸化物層の形成や銅の溶け出しが生じないので、極性が少なく、漏れ電流特性の優れたコンデンサを実現できる。
【0015】
ここで、請求項3記載のように、誘電体層が高分子膜であることが好適である。
【0016】
さらに、請求項4記載のように、高分子膜がポリカルボン酸系樹脂、ポリイミド系樹脂またはポリアミン系樹脂のいずれかであることが好適である。
【0017】
また、可溶性導電性高分子溶液または導電性高分子微粒子分散液の製造方法が種々開示されており、それらを用いて容易に製造することができる。
【0018】
例えば、ポリピロール類については、特開平6−206986号公報およびケミストリーオブマテリアル誌(アメリカンケミカルソサイアティ1989年発行)1巻6号650頁に記載されている方法で作製することができる。
【0019】
例えばポリチオフェン類については、シンシテックメタルズ誌(エルゼビア発行)26巻267頁およびシンシテックメタルズ誌(エルゼビア発行)85巻1397頁に開示されている。
【0020】
また例えばポリアニリン溶液の作製法については、米国特許5232631号公報およびシンシテックメタルズ誌(エルゼビア発行)85巻1337頁に記載されている。また、ポリアニリン溶液は三菱レイヨン社より、アクアセーブという商品名で市販されている。
【0021】
また、バインダ−には媒体に分散する高分子や結着剤が用いうる。例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ−ル、水溶性ポリエステル、水溶性アクリル樹脂、カルボキシメチルセルロ−ス、ポリビニルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルコキシシラン等が上げられる。
【0022】
また、導電性組成物前駆体を塗布する方法としては浸漬塗布、刷毛塗り、スピンコ−ト、スプレ−塗布等が用いうる。
【0023】
また、導電体層としては化学重合や電解重合により形成された導電性高分子層、及び蒸着やメッキにより形成された金属薄膜が用いられる。その導電性高分子には、ポリチオフェン、ポリピロ−ル、ポリアニリンまたは、それらの誘導体が用いられる。
【0024】
以下、本発明の各実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
以下、本発明第1の実施の形態について図1を用いて説明する。同図において、(a)は本実施の形態におけるコンデンサ素子の外観図、(b)は断面図を示す。
【0026】
本実施の形態では、まず、シンシテックメタルズ誌(エルゼビア発行)85巻1337頁に開示されている方法で、約5重量%の可溶性導電性高分子が溶解されたスルホン化ポリアニリン水溶液組成物を作製した。スルホン化ポリアニリン水溶液組成物に、バインダ−としての水溶性アクリル樹脂を約10重量%添加して、導電性組成物前駆体を作製した。
【0027】
次に、縦8mm×横3.3mmの弁金属であるアルミニウムエッチド箔1を、4mmと3mmの部分に仕切るように、両面に渡って、幅1mmのポリイミドテープ2を貼付けた。
【0028】
次に、アルミニウムエッチド箔1の4mm×3.3mmの部分に、導電性組成物前駆体を塗布後、50℃で60分、さらに150℃で10分加熱して媒体を除去し、ポリアニリンとバインダ−からなる導電性組成物層3を形成した。
【0029】
次に、アルミニウムエッチド箔1の3mm×3.3mmの部分にリード線8を取り付けた。
【0030】
次に、導電性組成物層3の上に電着によってポリカルボン酸系樹脂からなる高分子膜4を形成する。まず、用いた電着液組成は、固形分10重量%、脱イオン水86重量%、ブチルセロソルブ4重量%である。その中の固形分は、分子量約3万のアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体とベンゾグアナミンを7対3で混合し、電着液中に分散させるため、カルボン酸基の50%をトリメチルアミンにより中和したものを用いた。
【0031】
この電着液にアルミニウムエッチド箔1の導電性組成物層3が設けられた部分を浸漬し、アルミニウムエッチド箔1が陽極側となるように、リ−ド線8と隔離して設けた電極との間に電圧を印加し、0.3mA/cm2の電流密度で13Vに達するまで定電流電着を行い、さらに13Vで15分間定電圧電着を行った。
【0032】
次に、脱イオン水による洗浄を20分間行ってから、80℃20分間と180℃30分間熱処理することにより、ベンゾグアナミンとの間で架橋反応させて、ポリカルボン酸系樹脂からなる高分子膜4を形成した。上記のようにして、高分子膜4からなる誘電体層が形成された。この構成をコンデンサと見立て、アジピン酸アンモニウム水溶液中の容量を測定したところ、11μFであった。
【0033】
次に、重合性モノマ−である3,4−エチレンジオキシチオフェン1mol/lと酸化剤のナフタレンスルホン酸第二鉄0.2mol/lを、エタノ−ルの溶媒により溶解した混合溶液を用意した。混合溶液の中にアルミニウムエッチド箔1の高分子膜4が設けられた部分を1分浸漬してから引き上げ、溶媒の沸点より高い120℃のオ−ブン中に入れて速やかに加熱し、20分放置した。加熱によって溶媒が速やかに蒸発し、化学重合反応が進行して高分子膜4の上にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)からなる化学重合膜5を形成した。
【0034】
次に、有機溶剤のエタノ−ルの中にアルミニウムエッチド箔1を10分浸漬して洗浄を行った。続けて脱イオン水の中にアルミニウムエッチド箔1を10分浸漬して洗浄を行った。そして、オ−ブン中に入れて105℃で10分乾燥した。化学重合膜5が所定の厚さになるまで、浸漬塗布から乾燥までの一連の工程を3回繰り返した。
【0035】
次に、重合性モノマ−であるピロ−ル0.5mol/lと、アニオン系界面活性剤であるアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量338)0.1mol/lを脱イオン水の中に入れ、スタ−ラで撹拌して電解液を用意した。電解液の中に化学重合膜5まで形成したアルミニウムエッチド箔1を浸漬し、不図示のステンレス製の電解重合用電極を化学重合膜5に近接するようにポリイミドテ−プ2に接触させ、電解重合用電極と隔離して設けた不図示の電解重合用第二電極との間に3Vを10分印加して、電解重合により化学重合膜5の上にポリピロ−ルからなる電解重合膜6を形成した。上記のようにして、化学重合膜5と電解重合膜6からなる導電体層を形成した。
【0036】
次に、脱イオン水の中にアルミニウムエッチド箔1を10分浸漬して洗浄を行った。そして、オ−ブン中に入れて105℃で10分乾燥した。
【0037】
次に、電解重合膜6の上に、カ−ボン層と銀ペイント層で集電体層7を形成するとともに、リ−ド線9を取り付けた。
【0038】
さらに、エポキシ樹脂を用いて外装してからエ−ジング処理を行い、合計で10個のコンデンサを完成させた。
【0039】
これら10個のコンデンサについて、1kHzにおける容量、正電圧と逆電圧を7V印加したときの漏れ電流を測定した。それらの平均値を以下の(表1)に示す。
【0040】
【表1】
本実施の形態によれば、可溶性導電性高分子が溶解された溶液組成物にバインダ−を添加した導電性組成物前駆体を塗布した後、媒体を除去して導電性組成物層を形成することにより、被覆性と緻密性の高い導電性組成物層が得られる。導電性組成物層の被覆性と緻密性が高いために、電着の際、酸化物層の形成が生じないので、(表1)に示すように極性の少ない特性の優れたコンデンサを得ることができる。
【0041】
(比較例1)
比較例1として、導電性組成物層に替えて、化学重合によりポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)からなる導電性高分子層を形成した以外、第1の実施の形態と同様にしてコンデンサを作製した。なお、導電性高分子層は、第1の実施の形態における化学重合膜と同様にして形成した。高分子膜を形成した後に測定した液中容量は10.8μFであった。
【0042】
特性を測定した結果を前述の(表1)に示す。
【0043】
比較例1では、エッチドアルミ箔表面上にその場化学重合により導電性高分子層を形成する場合、導電性高分子層の被覆性と緻密性が低く、導電性高分子層の上に電着により高分子膜を形成する際に少なからず酸化物層も形成されるために、(表1)に示すように極性が生じ、特性の優れたコンデンサを得ることができない。
【0044】
(実施の形態2)
以下、本発明第2の実施の形態について図2を用いて説明する。同図において、(a)は本実施の形態におけるコンデンサ素子の外観図、(b)は断面図を示す。
【0045】
本実施の形態では、まず、約0.8重量%のコロイド状ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)微粒子が含まれる水分散液状組成物を用意した。これは、シンシテックメタルズ誌(エルゼビア発行)85巻1397頁に開示されている方法に準じて作製した。この水分散液状組成物に、バインダ−としての水溶性ポリエステルを約10重量%添加して、導電性組成物前駆体を作製した。
【0046】
次に、縦8mm×横3.3mmの金属である銅箔11を、4mmと3mmの部分に仕切るように、両面に渡って、幅1mmのポリイミドテープ12を貼付けた。
【0047】
次に、銅箔11の4mm×3.3mmの部分に、導電性組成物前駆体を塗布後、50℃で60分、さらに150℃で10分加熱して媒体を除去し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とバインダ−からなる導電性組成物層13を形成した。
【0048】
次に、銅箔11の3mm×3.3mmの部分にリード線16を取り付けた。
【0049】
次に、導電性組成物層13の上に、第1の実施の形態と同様にして電着によってポリカルボン酸系樹脂からなる高分子膜14を形成した。高分子膜14からなる誘電体層が形成された。
【0050】
次に、高分子膜14の上に、銅を蒸着して金属薄膜15を形成した。金属薄膜15からなる導電体層が形成された。
【0051】
次に、金属薄膜15に、リ−ド線17を取り付けた。
【0052】
さらに、エポキシ樹脂を用いて外装してからエ−ジング処理を行い、合計で10個のコンデンサを完成させた。
【0053】
これら10個のコンデンサについて、1kHzにおける容量、正電圧と逆電圧を7V印加したときの漏れ電流を測定した。それらの平均値を以下の(表1)に示す。
【0054】
本実施の形態によれば、導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物にバインダ−を添加した導電性組成物前駆体を塗布した後、媒体を除去して導電性組成物層を形成することにより、被覆性と緻密性の高い導電性組成物層が得られる。導電性組成物層の被覆性と緻密性が高いために、電着の際、銅の溶け出しが生じないので、高分子膜が均一に形成され、(表1)に示すように漏れ電流が小さく、特性の優れたコンデンサを得ることができる。
【0055】
(比較例2)
比較例2として、導電性組成物層に替えて、化学重合によりポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)からなる導電性高分子層を形成した以外、第2の実施の形態と同様にしてコンデンサを作製した。なお、導電性高分子層は、第1の実施の形態における化学重合膜と同様にして形成した。
【0056】
特性を測定した結果を前述の(表1)に示す。
【0057】
比較例2では、銅箔表面上にその場化学重合により導電性高分子層を形成する場合、導電性高分子層の被覆性と緻密性が低く、導電性高分子層の上に電着により高分子膜を形成する際に銅の溶け出しが生じ、高分子膜が均一に形成されないために、(表1)に示すように漏れ電流が大きく、特性の優れたコンデンサを得ることができない。
【0058】
なお、実施の形態では可溶性導電性高分子としてスルホン化ポリアニリンを、導電性高分子微粒子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を用いたが、可溶性の、あるいは分散可能な導電性高分子であればそれ以外の材料も用いることもでき、本発明はその種類に限定されない。
【0059】
また、実施の形態ではバインダ−として水溶性アクリル樹脂と水溶性ポリエステルを用いたが、媒体に分散可能な高分子や結着剤であればそれ以外の材料も用いることもでき、本発明はその種類に限定されない。
【0060】
また、実施の形態では導電性組成物前駆体を一回塗布する場合について述べたが、繰り返し塗布して導電性組成物層を形成することもできる。
【0061】
また、実施の形態では、高分子膜として、ポリカルボン酸系樹脂を用いたが、本発明はポリイミド系樹脂、ポリアミン系樹脂などの電着により薄膜を形成できる高分子材料であれば用いることもでき、本発明はその種類に限定されない。
【0062】
また、実施の形態では、高分子膜として熱硬化型樹脂を用いたが本発明は紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂でも良いことは言うまでもない。
【0063】
また、実施の形態では、誘電体層として高分子膜を用いたが、これに限られるものではない。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、可溶性導電性高分子が溶解された溶液組成物、または導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物にバインダ−を添加した導電性組成物前駆体を塗布した後、媒体を除去して導電性組成物層を形成することにより、被覆性と緻密性の高い導電性組成物層が得られる。導電性組成物層の被覆性と緻密性が高いために、電着の際、酸化物層の形成や金属の溶け出しが生じないので、極性が少なく、漏れ電流特性の優れたコンデンサを得ることができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施の形態におけるコンデンサ素子を示す図
【図2】本発明第2の実施の形態におけるコンデンサ素子を示す図
【符号の説明】
1 アルミニウムエッチド箔
2、12 ポリイミドテープ
3、13 導電性組成物層
4、14 高分子膜
5 化学重合膜
6 電解重合膜
7 集電体層
8、9、16、17 リ−ド線
15 金属薄膜
Claims (4)
- 可溶性導電性高分子が媒体中に溶解された溶液組成物にバインダ−を添加して導電性組成物前駆体を用意する工程と、銅の表面上に前記導電性組成物前駆体を塗布する工程と、前記導電性組成物前駆体から前記媒体を除去して、後に行う電着の際の前記銅の溶け出しを防ぐ導電性組成物層を形成する工程と、前記導電性組成物層上に前記電着により誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に導電体層を形成する工程とを有するコンデンサの製造方法。
- 導電性高分子微粒子が分散媒中に分散された分散液状組成物にバインダ−を添加して導電性組成物前駆体を用意する工程と、銅の表面上に前記導電性組成物前駆体を塗布する工程と、前記導電性組成物前駆体から前記分散媒を除去して、後に行う電着の際の前記銅の溶け出しを防ぐ導電性組成物層を形成する工程と、前記導電性組成物層上に前記電着により誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に導電体層を形成する工程とを有するコンデンサの製造方法。
- 誘電体層が高分子膜である請求項1又は2記載のコンデンサの製造方法。
- 高分子膜がポリカルボン酸系樹脂、ポリイミド系樹脂又はポリアミン系樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項3記載のコンデンサの製造方法。
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