JP3694432B2 - 双方向光通信器及び双方向光通信装置 - Google Patents

双方向光通信器及び双方向光通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、双方向に光信号を送受信することのできる双方向光通信器及び光通信装置に関し、より詳しくはプラスチック光ファイバ等のマルチモード光ファイバを伝送媒体として、家庭内通信や電子機器間通信、LAN(Local Area Network)等に使用することのできる双方向光通信器及び光通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報化社会の進展に伴い、光ファイバネットワークが注目されている。従来、光ファイバを伝送媒体として信号光の送受信を行う光通信器においては、光モジュール部分の構成がレンズ等の組み合わせによるマイクロオプティックス構造が用いられており、高コストであるという問題があった。
【0003】
そこで、低コスト化のために一本のプラスチック光ファイバ(以下POF)を用いて、双方向の光通信を行う、いわゆる単心双方向光通信モジュールが数多く提案されている。プラスチック光ファイバとしては、低コストであるPMMAなどのPOFがあるが、これらは、直径がφ0.2〜1mmとガラスファイバの直径(数μm)と比較して大きく、光学素子と結合させやすい反面、損失が大きく、マルチモードであるため、送信、受信時の結合損失を小さくしなければ通信モジュールとしては使用できない。このため、一本の光ファイバにより送受信を行う双方向通信モジュールにおいては、送信光と受信光を分離して光ファイバと結合させる方法が課題となっている。
【0004】
これを解決する手段として、従来より提案されている代表的な方式としてはハーフミラーを介して送受信光を分離する方法が特開平10−115732号公報に開示されている。この例を図8を基に説明する。
【0005】
図8において、光ファイバ302の光学経路の延長上に集光レンズ及び二つのミラーが配置されており、光ファイバ近端にハーフミラー312、そして遠端に反射ミラー313が配置される。基板308上に置かれた端面発光型の発光素子306から放射された送信光は45度で形成されているマイクロミラー314で上方に反射され、さらにハーフミラー312により反射されることで光ファイバ302に結合される。一方、光ファイバ302を伝搬してきた受信光は集光レンズ315により集光されて、反射ミラー313で反射され、そして下側にある受光素子307に結合される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開平10−115732号公報に開示されている方式では、送受信の分離を、ハーフミラーで行っている。すなわち、送信光は、ハーフミラーでの反射光をファイバに送信し、ファイバからの受信光をハーフミラーで透過させたもののみを受光して、小型の双方向通信装置を形成している。
【0007】
しかしながら、特開平10−115732号公報のハーフミラーを用いて双方向通信装置を得る場合、送信光の透過光及び受信光の反射光は使用することなく、それぞれ約3dBの損失が生じてしまい、効率的な光の使用が行えないという問題があった。また、送受信光の分離のための高価なハーフミラーが必要であり、コストが高くなるという問題があった(ホログラムの使用の場合も同様の問題がある)。
【0008】
ところで、光信号を分岐・結合する光ファイバカプラとして、アパーチャを使用することが、実開昭63−26810号公報において提案されている。この方式を図9を基に説明する。
【0009】
図9において、光ファイバ202aを伝搬してきた光は、ロッドレンズ206aによってコリメートされて平行光となり、一部は光分岐結合素子208の開口部209を通過し、ロッドレンズ206bにより集光されて、光ファイバ202bに結合する。また、光分岐結合素子209の開口部209以外の部分に照射された光は、反射されて、ロッドレンズ206cで集光され、光ファイバ202cに結合する。平行光の径と光分岐結合素子208の開口部209の径を変化させることにより、分岐効率を変化させることができる。
【0010】
このように、実開昭63−26810号公報の方式では、送受信の分離をアパーチャで行っている。すなわち光を平行光にし、アパーチャで不必要な光を遮光し分離している形態をとっている。
【0011】
この光ファイバカプラの、光ファイバ202b、202cの替わりに、それぞれ、送信素子、受信素子を配置することにより、送受信光の分岐が可能となり、双方向光通信器として用いることができる。
【0012】
しかしながら、上記のように双方向通信に適応した場合には、送受信光はほぼ平行光であり、回折による送信光のビーム形状の拡大や組立時の送信光と光軸の不一致によって、送信光がロッドレンズ端面あるいは光ファイバ端面で反射、あるいは光ファイバの遠端で反射され、受光素子に結合してしまうため、送信光と受信光の分離が行えず、SNが低下するといった問題がある。
【0013】
本発明は、これらの課題を鑑みてなされたものであり、一本の光ファイバにより全二重の双方向通信が可能であり、送信および受信共に光の損失が少なく、SNを高くするのが可能であり、また、特にPOFのように大口径の光ファイバとも高効率で結合させるのに適した、簡単な構造で安価で小型の双方向通信装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の双方向光通信器は、一本の光ファイバにより送受信を行う双方向光通信器において、前記光ファイバに送信光を収束して入射させる送信手段と、前記光ファイバからの受信光を受光する受光手段と、前記送信手段が配置された送信空間と前記受光手段が配置された受信空間とを光学的に分離するとともに、前記送信手段から前記光ファイバへの光路中に配置され前記送信光を通過させる第1開口部と、前記光ファイバの端面により反射されるとともに収束する送信光の全てを通過させて前記送信空間に導く第2開口部を有する光分離手段と、を備えて、前記第1開口部および第2開口部は前記光分離手段における光ファイバからの受信光の照射領域の一部に設けられるとともに、前記第1開口部および第2開口部の面積は前記受光手段の受光面積よりも小さく設定されており、第1開口部と第2開口部は同一の開口からなり、前記受光手段は、前記光分離手段の前記光ファイバ側に前記光分離手段にハイブリッドに設けられていることを特徴とする。
【0015】
第2の発明の双方向光通信器は、第1の発明の双方向光通信器において、前記送信手段は、送信光を収束するレンズを有しており、前記光ファイバにより反射された光は、前記レンズにおける前記送信光が通過しない領域に入射することを特徴とする。
【0016】
第3の発明の双方向光通信器は、第2の発明の双方向光通信器において、前記レンズにおける前記送信光が通過しない領域に、光吸収体が設けられていることを特徴とする。
【0017】
第4の発明の双方向光通信器は、第2の発明の双向光通信器において、前記レンズにおける前記送信光が通過しない領域に、前記光ファイバにより反射された光を前記受光空間には入射しない方向に反射させる特異面が形成されていることを特徴とする。
【0018】
第5の発明の双方向光通信器は、第2の発明の双方向光通信器において、前記レンズに入射する前記送信光のスポット形状が楕円形状であり、前記光ファイバにより反射された光は、前記レンズにおける前記送信光の入射領域に対して、前記楕円の短軸方向にずれた位置に入射することを特徴とする。
【0019】
第6の発明の双方向光通信器は、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの双方向光通信器において、第1開口部における前記送信光の断面積が、第2開口部における前記反射された送信光の断面積よりも大きいことを特徴とする。
【0020】
第7の発明の双方向光通信器は、第1の発明乃至第6の発明のいずれかの双方向光通信器において、前記光分離手段における、前記反射された送信光が導かれる空間とは反対側の面に、光吸収体が設けられていることを特徴とする。
【0021】
第8の発明の双方向光通信装置は、第1の発明乃至第7の発明のいずれかの双方向光通信器と、該双方向光通信器に光を送受信する光ファイバとを備えたことを特徴とする。
【0022】
第9の発明の双方向光通信装置は、第8の発明の双方向光通信装置において、前記光ファイバは、その端面が光軸に対して傾けられていることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の形態について、まず図1、図2および図3に基づいて説明する。
【0024】
図1は、双方向光通信装置の構成を示す概略図である。双方向光通信装置11は、伝送するデータ信号に基づく、伝送に適した変調光を双方向に伝送するための光ファイバ2と、光ファイバ2の両端に光学的に結合するように、それぞれ接続された双方向光通信モジュール(双方向光通信器)1aおよび1bを備えている。ここで、双方光通信モジュール1aおよび1bは同様の構造を有しており、それぞれデータ信号に基づく変調光を生成する発光素子を有する送信部3と光ファイバ2からの変調光を受光してデータ信号を生成するための受光素子を有する受光部4を備えた構成となっている。
【0025】
第1の双方向光通信モジュール1aの送信部3aから出射された送信光Sは光ファイバ2を通過し第2の双方向光通信モジュール1bの受信部4bに伝送される。しかし、受信部4a,4bには送信光Sとファイバ端面での反射光S1(近端反射)あるいはS2(遠端反射)が入射してしまうため混信してしまい、全二重双方向光通信に必要なSNが得られない問題があり、本発明に至った。
【0026】
本発明は、以下に示す具体的な実施の形態にあるように、1つの双方向光通信モジュールにおいて、収束した送信光を光ファイバに入射するとともに、光ファイバ端面で反射された送信光が入射する領域と受光部とを開口部を有する光分離手段で分離したものである。これにより、ファイバ端面での反射光を受光部4の外において吸収することができ、上記反射光の受光部4への混信を抑制することが可能となる。また、収束光を用いるため、組み立て公差等に対する信頼性が向上する。
【0027】
なお、本発明の実施の形態において、送信光、受信光等の光束については、それらの光束の光軸に垂直な方向において、最大強度の1/e2以上の強度を有する領域までを指すものとする。
【0028】
以下、具体的実施の形態について説明する。なお、ここでは片方の双方向光通信モジュール1について説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図2は、本発明における双方向通信モジュール(双方向光通信器)の概略斜視図であり、図3はこの概略断面図を示している。これらを基に本発明の一例を説明する。
【0030】
双方向光通信モジュール1は、データ信号に基づく変調光を生成する発光素子6を有する送信空間16と、光ファイバ2からの変調光を受光してデータ信号を生成するための受光素子(受光手段)7を有する受信空間17とを分離するための光分離部材(光分離手段)8とを有している。
【0031】
光分離部材8は、受信空間17と送信空間16を、光ファイバ2の略光軸に垂直な方向に分離しており(もちろん垂直でなくても良い)、開口部8aと遮光部8bを有し、開口部8aの他の部分を介しては送信空間16と受信空間17との間で光が行き来できないようになっている。この光分離部材8上には受光素子7がハイブリッドに形成されている。
【0032】
開口部8aは数百ミクロン以下の大きさに形成される。例えば、ガラスあるいはプラスチックなどの光透過性基板における、厚さ数ミクロン程度の黒体塗料(光吸収体)を塗布、乾燥することで形成できる。この場合、黒体塗料の塗布がなされていない部分で且つ受光素子7が搭載されない領域が開口部8aとなる。なお、通常は、受光素子7の面積を開口部8aの面積より大きく設定して、受信効率を向上させるように構成することが望ましい。
【0033】
送信空間16には上述の発光素子7の他に、発光素子6からの送信光Sを集光する(NAを変換する)レンズ5を備えている。このレンズ5には、少なくとも送信光Sが通過する領域5aの外の領域(領域5b)に、黒体塗料(光吸収体)が塗布されている。なお、このレンズ5と発光素子6により送信手段が構成されている。
【0034】
また、光ファイバ2の端面はファイバ光軸に対しほぼ垂直にであり、送信光Sの光軸は光ファイバ2の光軸に対して若干傾けている。
【0035】
このような構成において、発光素子6からの送信光Sは、レンズ5によってNAが変換されて収束光となり、光分離部材8の開口部8aを通って、光ファイバ2に結合する。
【0036】
一方、光ファイバ2を通じて送られてきた変調された受信光Zは、光ファイバ2のNAにしたがって、放射状に発散し、光分離部材8上にハイブリッドに形成された受光素子7に結合し、電気信号に変換され、その後、図示していない復調回路にて復調される。ここで、伝送速度により光ファイバ2の直径、及びNA、受光素子7の直径などが決定されるが、高速伝送の場合には光ファイバ2と受光素子7の間にレンズを挿入することで、小径のフォトダイオードにも対応可能となる。
【0037】
次に、光ファイバ2によって反射された送信光(反射送信光と記す)S1について詳細に説明する。
【0038】
発光素子6からの送信光Sは収束光として光ファイバ2に入射するが、一部はその端面にて反射される。そして、この反射送信光S1は送信光Sが通過した開口部8aに入射し、そこを通過して送信空間16へと戻る。すなわち、反射送信光S1は光分離部材8の黒体塗料8bを塗布した領域や受光素子7には入射せず、受光空間17から出る。
【0039】
図2の構成では、光ファイバ2の端面をファイバ光軸に対し垂直に設定するとともに、送信光Sの光軸を光ファイバ2の光軸に対して若干傾けており、上記した開口部8aを通過した反射送信光S1は、レンズ5における送信光Sが透過しない部分に集光されるようになっている。ここで、図2に示すように、レンズ5における送信光Sが透過しない部分5bには、光分離部材8と同様に黒体塗料が塗布してあり、この部分に入射した反射送信光S1は黒体塗料に吸収されることになる。
【0040】
このような構成とすることで反射した送信光S1が送信空間16内で、吸収すなわち熱変換され、再び光ファイバに結合されることなく、混信を防止できる。このため、光ファイバからの反射光が直接受光素子に結合することをより確実に防止できる。
【0041】
また、本構成では、光分離部材8を反射体とはしておらず、光分離部材8上に受光素子7を設けるとともに、開口部8aの外部に吸収体を設けているため、受信空間17内での迷光の反射を軽減でき、それに起因するノイズの発生を防止できる。
【0042】
なお、ここでは、反射した送信光S1をレンズ5表面上に集光するような構成としたが、レンズ5における送信光Sの照射領域外に反射した送信光S1が入射すればよく、焦点がレンズ5の表面上にある必要はない。
【0043】
但し、光分離部材8の位置における送信光Sの断面積Saを、同じく光分離部材8の位置における反射送信光S1の光束断面積Sbよりも大きくすれば(すなわち、Sb<Saとすれば)、光ファイバ2や発光素子、光分離部材8等の光学素子の設計時や組立時の公差が存在する場合でも、反射送信光S1を開口部8aに導くことができる。特に、開口部8a付近に反射送信光S1の集光点がくるように設計すれば、上述の公差をより緩和できる。なお、上述のようなSb<Saを実現するには、レンズ5による送信光Sの焦点位置が光ファイバ2の内部にあり、且つ、光分離部材8の位置における送信光Sの断面積Saが、光ファイバ2の端面における断面積Scよりも大きければ良い(Sc<Sa)。また、受光素子7による受信効率を向上させるには開口部8aは小さい方が良く、当然であるが、上記Saは光ファイバ2の断面積Sfよりも小さいことが必要である(Sa<Sf)。
【0044】
以上に説明した方法で、光ファイバ2の端面反射、すなわち近端反射が少なくなる。しかし、上記方法を用いてもSNが満足しない場合は、光ファイバの端面を光ファイバ光軸に対し10度程度傾斜させれば良い(図3における光ファイバの破線)。ファイバ端面を傾斜させることで、遠端面に達した送信光Sの反射送信光S2は光ファイバのNAによって規定される臨界角より大きな角度をもった光線になり、全反射条件を満足する光が少なくなる。したがって、遠端反射を減らすことができる。
【0045】
さらに、SNの低下となる原因は受光素子7、すなわちフォトダイオードに入射した送信光が反射し光ファイバ2内に戻ってくることにも原因がある。この場合フォトダイオードの表面を粗にすることや、反射防止膜を形成すること、さらには上記近端反射と遠端反射の防止方法で説明したファイバ端面とフォトダイオード面を10度程度ずらし、さらに光ファイバ端面を光ファイバ光軸に対し傾斜させる方法を採用することが有効な手段である。
【0046】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0047】
(変形例1)
上述した図2及び図3の双方向光通信モジュールでは、レンズ5表面に形成した黒体塗料上に反射送信光S1を入射させることで、反射送信光S1の影響を除去したが、本変形例では、図4に示す構成により反射送信光S1の影響を除去する。
【0048】
すなわち、図4に示すように、反射送信光S1が照射される領域5cのレンズ面を傾斜させ(すなわち、特異面5cを形成しておき)、そのレンズ面に金属を蒸着した構成としている。このような構成とすることで、反射送信光S1を光分離部材8の開口部8aの他の領域に導いて、光ファイバ2に結合しないようにすることができる。
【0049】
(変形例2)
本変形例では、発光素子6が半導体レーザである場合について述べる。図5は、反射送信光S1のレンズ5への照射位置について説明する図である。図5(a)はレンズ5上面図であり、送信光Sのレンズ照射領域P1、反射送信光S1のレンズ5への照射領域P2を示している。なお、ここで用いている半導体レーザはGaInAlPを材料とし、650nmの波長であり、半値幅放射角は8度、30度の楕円形状である。
【0050】
図5に示すように、反射送信光S1のレンズ5への照射領域P2をレーザの短軸方向、すなわちこのレーザでは8度方向にすることで、最も有効にレンズ領域を使用でき、設計時、組立時の公差の緩和が図れる。
【0051】
図5(b)は送信光Sの光出力を示している。当然のことながら、ガウスビーム波であり、送信光Sの利用効率に規定のない場合は、送信光のレンズ照射領域Sと反射送信光S1のレンズ5への照射領域Pは重なっていても構わない。
【0052】
(変形例3)
上述した図2及び図3の双方向光通信モジュールでは、反射送信光S1は送信光Sが通過するものと同一の開口部8aを通過して送信空間16に入射したが、ここでは、上記開口部8aと異なる開口部を通過して送信空間へ入射する例について述べる。
【0053】
図6はその双方向光通信モジュールについて説明する図である。光ファイバ2やそれぞれの光学素子の大きさ、配置、光学特性などの設計により、送信光Sの開口部8a位置に反射送信光S1が入射できない場合がある。その場合、光分離部材の他の位置に開口部8cを設ける構成とし、その送信空間16内部の反射送信光S1の照射位置に散乱部材あるいは光吸収部材を配置することで、上記説明と同様に反射送信光S1の受光素子7への入射が著しく低減させることができ、SNを高くすることが可能になる。
【0054】
上記説明したような構成では、レンズ5への反射送信光S1到達面に黒色塗料を塗布したが、全ての反射送信光を吸収する点で、送受信に不必要な散乱光が到達する面には全て黒色塗料を塗布する方がよいことは明らかである。
【0055】
以上のような発光素子や受光素子などの光学素子、光分離素子、レンズの構成とすることで、光ファイバと光学素子との結合効率が高く、送信光と受信光の混信を防止できる双方向光通信モジュールが得られる。
【0056】
(実施の形態2)
図7は、本発明における双方向通信モジュールの実施の形態2の概略断面図を示している。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の部分については同一符号を用い、説明を省略または簡略化する。
【0057】
実施の形態1では、送信空間16と受信空間17を光ファイバ2の光軸延長上に設けた構成としたが、ここでは送信光Sを受光素子7と同一のステム13上に設けられたミラー12により光路を変換し、光ファイバ2の傾斜端面で反射した送信光S1を直接送信空間16に導き、その送信空間16で光吸収あるいは光散乱させた構成となっている。このように構成することで、実施の形態1で示した構成に比べ、より一層コンパクトにすることができる。
【0058】
なお、本実施の形態で示した構成は一例であり、もちろんその一部を変更した構成によっても同様の効果を得ることが可能である。
【0059】
次に、以上説明した実施の形態1,2における光ファイバ2、発光素子6、受光素子7の具体例について説明する。
【0060】
光ファイバ2としては、例えばPOF等のマルチモード光ファイバを用いることが好ましい。POFはコアがPMMA(PolymethylMethaAcrylate)やポリカーボネート等の光透過性に優れたプラスチックからなり、クラッドは上記のコアより屈折率の低いプラスチックで構成されている。このような光ファイバ2では、石英光ファイバに比べそのコアの径を約200μmから約1mmと大きくすることが容易であることから、双方向光通信モジュール1との結合調整が容易であり、安価な双方向光通信装置11(図1)を得ることができる。
【0061】
また、コアが石英ガラスよりなり、クラッドがポリマーで構成されたPCFを用いても良い。PCFはPOFに比べると価格が高いが、伝送損失が小さく、伝送帯域が広いという特徴がある。このため、PCFを伝送媒体とすることにより長距離での通信やより高速での通信を行うことができる双方向光通信装置11(図1)を得ることができる。
【0062】
発光素子6としては、例えば、GaAlAsやGaInAlP等を材料とする半導体レーザ(LD)や、発光ダイオード(LED)を用いることができる。
【0063】
受光素子7としては、受光した変調光の強弱を電気信号に変換し、発光素子6の波長域で感度の高いフォトダイオードを使用し、例えば、シリコンを材料とするPINフォトダイオードや、アバランシェフォトダイオード等を用いる。
【0064】
なお、本発明における開口部は、光分離手段における光を透過させない部材(実施の形態では光吸収体)の光ファイバ側の表面(平面または曲面)と同一平面または曲面での開口を指している。したがって、例えば光分離手段を光吸収体を形成した光透過性基板で構成した場合には、開口部は上記光吸収体表面と同一の平面での開口を指しており、その開口下の光透過性基板内は送信空間に含まれる。よって、例えば上記光透過性基板に実施の形態1におけるレンズが一体に形成されているもの等も本発明に含まれる。
【0065】
また、以上の実施の形態1,2では光分離手段により送信空間と受信空間を分離し、反射送信光を光分離手段に設けた開口部を介して送信空間に導く構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、光分離手段により受信手段の配置された受信空間とは異なる空間(送信手段が含まれていない空間)を形成し、その空間に、光分離手段に設けた開口部を介して反射送信光を導く構成であっても良い。但し、この場合においても、送信手段からの送信光が直接または壁面での反射を経て受信手段に入射することを防止するために、送信手段と受信手段は別個の空間に配置しておくことが望ましい。
【0066】
【発明の効果】
本発明の双方向光通信器及び双方向光通信装置によれば、送信および受信共に光の損失が少なく、且つ、光ファイバ端面で反射した送信光が受光素子に入射することを防止して混信を抑制できる。特にPOFのように大口径の光ファイバとも高効率で結合させるのに適した、簡単な構造で安価で小型の双方向通信モジュール得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の双方向光通信装置の構成を説明する概略図である。
【図2】 実施の形態1における双方向光通信モジュールの構成を説明する概略斜視図である。
【図3】 実施の形態1における双方向光通信モジュールの構成を説明する概略断面図である。
【図4】 実施の形態1の双方向光通信モジュールの変形例1を説明する概略断面図である。
【図5】 実施の形態1の双方向光通信モジュールの変形例2を説明する概略断面図である。
【図6】 実施の形態1の双方向光通信モジュールの変形例3を説明する概略断面図である。
【図7】 実施の形態2の双方向光通信モジュールの構成を説明する概略断面図である。
【図8】 従来の光通信器の構成を示す説明図である。
【図9】従来の光通信器の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 双方向光通信装置
2 光ファイバ
5 レンズ
6 発光素子
7 受光素子
8 光分離部材
12 ミラー
16 送信空間
17 受信空間
S 送信光
S1 光ファイバ端面で反射した送信光(反射送信光)

Claims (9)

  1. 一本の光ファイバにより送受信を行う双方向光通信器において、
    前記光ファイバに送信光を収束して入射させる送信手段と、
    前記光ファイバからの受信光を受光する受光手段と、
    前記送信手段が配置された送信空間と、前記受光手段が配置された受信空間とを光学的に分離するとともに、前記送信手段から前記光ファイバへの光路中に配置され前記送信光を通過させる第1開口部と、前記光ファイバの端面により反射されるとともに収束する送信光の全てを通過させて前記送信空間に導く第2開口部を有する光分離手段と、
    を備えて、
    前記第1開口部および第2開口部は前記光分離手段における光ファイバからの受信光の照射領域の一部に設けられるとともに、前記第1開口部および第2開口部の面積は前記受光手段の受光面積よりも小さく設定されており、
    第1開口部と第2開口部は同一の開口からなり、
    前記受光手段は、前記光分離手段の前記光ファイバ側に前記光分離手段にハイブリッドに設けられている
    ことを特徴とする双方向光通信器。
  2. 請求項1に記載の双方向光通信器において、
    前記送信手段は、送信光を収束するレンズを有しており、
    前記光ファイバにより反射された光は、前記レンズにおける前記送信光が通過しない領域に入射することを特徴とする双方向光通信器。
  3. 請求項2に記載の双方向光通信器において、
    前記レンズにおける前記送信光が通過しない領域に、光吸収体が設けられていることを特徴とする双方向光通信器。
  4. 請求項2に記載の双方向光通信器において、
    前記レンズにおける前記送信光が通過しない領域に、前記光ファイバにより反射された光を前記受光空間には入射しない方向に反射させる特異面が形成されていることを特徴とする双方向光通信器。
  5. 請求項2に記載の双方向光通信器において、
    前記レンズに入射する前記送信光のスポット形状が楕円形状であり、
    前記光ファイバにより反射された光は、前記レンズにおける前記送信光の入射領域に対して、前記楕円の短軸方向にずれた位置に入射する
    ことを特徴とする双方向光通信器。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の双方向光通信器において、
    第1開口部における前記送信光の断面積が、第2開口部における前記反射された送信光の断面積よりも大きいことを特徴とする双方向光通信器。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の双方向光通信器において、
    前記光分離手段における、前記反射された送信光が導かれる空間とは反対側の面に、光吸収体が設けられていることを特徴とする双方向光通信器。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の双方向光通信器と、
    該双方向光通信器に光を送受信する光ファイバと
    を備えたことを特徴とする双方向光通信装置。
  9. 請求項8に記載の双方向光通信装置において、
    前記光ファイバは、その端面が光軸に対して傾けられていることを特徴とする双方向光通信装置。
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