JP3904985B2 - 光通信モジュールおよび光通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号を受信する光通信モジュールおよび光通信システムに関するものであり、より詳細には、例えばプラスチック光ファイバのようなマルチモード光ファイバを伝送媒体とした家庭内通信、電子機器間通信、LAN(Local Area Network)等に使用することのできる一芯光ファイバに対応した光通信モジュールおよび光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber to the Home)、CATV(cable television)などの普及に伴い、多チャンネル動画データの配信等が可能となっている。このため、家庭内においても、これまでの低速な機器間伝送ではなく、高速かつ長距離にわたる伝送能力を持つ機器間伝送やネットワークが必要となってきている。
【0003】
このように、高速かつ長距離にわたる伝送が可能な方法として、光ファイバによる通信が有力視されている。特に、家庭内における通信のために、使い勝手やコスト面を考慮して、プラスチックファイバを用いた光ファイバ通信の研究が盛んとなっている。伝送方式としては、二本の光ファイバを用いた伝送方式や、一本の光ファイバを用いて、一方向への伝送中には逆方向の伝送をしないという半二重方式ではなく、一本の光ファイバを用いて両方向から同時に伝送を行う全二重方式が有力視されている。
【0004】
光ファイバを介した、高速の伝送かつ全二重の通信方式に用いられる光通信モジュールにおいては、伝送信号の高速応答性や、信号対ノイズ比(signal-to-noise ratio:S/N)の確保が重要となってくる。特にS/Nの確保においては、光信号と電気信号のそれぞれについて、S/Nを確保するような光通信モジュールが必要となる。
【0005】
従来の光通信モジュールの構成について、図10に基づいて説明する。
【0006】
光ファイバFによって接続された光通信モジュール21・22は、光ファイバFを介して変調光を双方向に伝送して、双方向通信リンクを実現している。なお、この変調光は伝送するデータ信号に基づいて作成されるものである。データ信号は、例えば光通信モジュール21・22に接続される、図示しない周辺機器から入力されるようになっている。
【0007】
光通信モジュール21は、受信モジュール23と送信モジュール24とを備えている。光通信モジュール22は、送信モジュール25と受信モジュール26とを備えている。
【0008】
データ伝送の際には、例えば光通信モジュール22の送信モジュール25から送信される送信光L3が光ファイバFを介して伝送され、光通信モジュール21の受信モジュール23にて受信される。また、例えば、逆に、光通信モジュール21の送信モジュール24から送信される送信光L4が光ファイバFを介して伝送され、光通信モジュール22の受信モジュール26にて受信される。
【0009】
データ伝送の際に、光通信モジュール21および22から、同時に光ファイバFを介して光信号を送信し、それぞれ相手方にて受信することによって、全二重の双方向通信を行うことができる。
【0010】
このような双方向通信を行うには、先に述べたように、信号対ノイズ比であるS/Nを確保することが重要である。
【0011】
図10に示す構成において、光通信モジュール22から光通信モジュール21へと伝送する場合には、信号である送信光L3は送信モジュール25から光ファイバFを介して受信モジュール23にて受信される。
【0012】
ここで、この信号に対するノイズとしては、種々の要因が考えられる。主たるノイズとして、例えば、送信モジュール24から光ファイバFを介して受信モジュール26へと送信される送信光L4のうち、受信モジュール26において反射され、受信モジュール23にて受信される反射光L5を挙げることができる。
【0013】
このようなノイズは、例えば送信モジュールの発光素子として半導体レーザを用いる場合に、半導体レーザの発振劣化を招く虞れがある。
【0014】
また、例えばその他に、送信光L3・L4などについて、光ファイバFの両端面において発生する、図示しない反射光もノイズの原因となりうる。しかし、このようなノイズは、光ファイバFの端面形状を例えば斜めや球状にすることによって低減できる。
【0015】
そこで、受信モジュール26における反射によって生ずる、上述の主たるノイズである反射光L5を生じさせないために、受信モジュール26の受光素子表面による反射光が光ファイバFに戻らず、反射光L5とならないような対策がなされている。例えば、受信モジュールの受光素子による反射戻り光を生じさせないように、プリズムのような光路変換手段を用いて受信モジュール26の受光素子に対して送信光L4を斜めに入射させて、生じた反射光が光ファイバFには戻らないようにしている。これによってS/Nを確保するようになっていた。
【0016】
ここで、受光素子とは、受光した変調光の強弱を電気信号に変換する機能を有するものであり、例えばフォトダイオードのような素子である。
【0017】
また、上述の構成に加えて、光信号だけでなく、電気信号のS/Nをも向上させるために、以下のような対策がなされている。
【0018】
例えば、光通信モジュールの受信モジュールにおいては、高速伝送及びS/Nの確保を行うために、受光素子とプリアンプとをパッケージしたモジュールが用いられている。
【0019】
この構成において、光ファイバFを介して伝送された送信光が受光素子において受信される。光信号は受光素子によって電気信号に変換され、この電気信号はプリアンプによって増幅されて光通信モジュールの外部へと出力される。
【0020】
ここで、受光素子によって光信号から変換された電気信号は微弱な信号であるため、ワイヤやリードフレームなどによる伝送路が長くなると、伝播中に雑音が入りやすくなる。
【0021】
特に、高速伝送を行う場合に、信号を形成する高周波は細い伝送路によるインダクタンス成分の影響を受けるため、歪んだ信号となる。
【0022】
そこで、電気信号に雑音が入ることによる信号の歪みをできるだけ抑えるために、入射光を受信して電気信号へ変換する受光素子と変換された電気信号を増幅するプリアンプとの間の伝送路を、できるだけ短くする必要がある。このため、上述のように、受光素子とプリアンプとを近付けて同一パッケージとした構成をとることが多い。
【0023】
以上のように近付けて配置した受光素子とプリアンプとについて、それぞれの電極間を例えばAuワイヤによってできるだけ短く接続して雑音の混入を防ぎ、S/N及び高速応答性を確保することができる。
【0024】
すなわち、従来の一方向通信においては、例えばプリズムなどの光路変換手段を用いて反射戻り光を抑制していた。これによって、光信号を発生させるレーザの発振を安定にさせていた。しかし、図10のように一本の光ファイバを用いて双方向通信リンクをする場合には、レーザの発振の安定性だけでなく、光信号におけるS/Nの確保が重要になるという新たな課題が生じてくる。
【0025】
さらに、光ファイバFとして、プラスチック光ファイバなどのコア径の大きい光ファイバを用いた場合、石英光ファイバでは影響しなかった受光素子の配置などが影響してくるという新たな課題が生じてくる。
【0026】
上述のような、高速応答性及びS/Nの確保をするための条件を考慮した光通信モジュールとして、日本国の公開特許公報「特開平5−53033号公報(公開日:1993年3月5日)」に開示された光通信モジュール(光受信器)がある。
【0027】
上記光通信モジュールの構成について、図11に基づいて説明する。
【0028】
光通信モジュール21は、図11に示すように、受信モジュール23のパッケージ内に、受光素子27、プリズム28、プリアンプ29、Auワイヤ31、リード端子32および基板33を含んでいる。なお、上述した図10に示す光通信モジュールと同様の部材については、簡単のため同じ符号を付して説明している。
【0029】
受信モジュール23のパッケージは、受信モジュール23の筐体である。受光素子27は、受信した光信号を電気信号に変換するものである。プリズム28は、入射光の光路を変換するためのものである。プリアンプ29は、入力される電気信号を増幅して出力する。Auワイヤ31は、受光素子27とプリアンプ29、またはプリアンプ29とリード端子32とを接続するためのものである。リード端子32は、バイアスの入力及び信号の出力を行うものである。基板33は、受光素子27およびプリアンプ29を搭載するためのものである。
【0030】
なお、図11(b)に示す受光面27aは、入射光の照射領域に相当し、入射光を受光する面である。電極30は、受光素子27から信号を出力するための電極である。
【0031】
上記構成において、入射光が伝送される光ファイバFから、入射光Lが出射され、プリズム28を介して受光素子27にて受信される。また、入射光Lの一部は受光素子27にて反射されて、反射光Rとなる。
【0032】
受光面27aにて受光した入射光Lは受光素子27で電気信号に変換され、プリアンプ29へと出力される。プリアンプ29へ出力された電気信号は増幅されてリード端子32に出力される。
【0033】
なお、受光素子27の電源電圧は、受信モジュール23のパッケージの外からリード端子32を介して供給される。また、プリアンプ29の電源電圧も同様にしてリード端子32を介して供給される。
【0034】
また、図11(a)に示すように、プリズム28を用いて光ファイバFからの入射光Lの光路を変換すれば、受光素子27の受光面27aと光ファイバFの光軸とをほぼ平行に配置して、薄型の光受信モジュールを得ることができる。
【0035】
また、入射光Lを受光素子27に対して斜めに入射させるので、受光素子27にて反射した反射光Rが光ファイバFには戻りにくいような構成となっている。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の構成においては、受光素子27における反射光Rの一部が光ファイバFに戻って、ノイズを生ずる虞れがある。
【0037】
すなわち、図12に示すように、受光素子27に対して斜めに入射した入射光Lは、例えば受光面27aにて反射され反射光Rとなる。このとき、一部の反射光Rは、受光素子27の電極30にボンディングされたAuワイヤ31でさらに反射され、入射光Lとほぼ同じ光路で光ファイバFまで戻り、ノイズを生じてしまう。
【0038】
例えば、受光素子27及びプリアンプ29を、太さ20μmのAuワイヤ31により接続した場合、電極30上にはワイヤボンディングによって、底面約φ90μm、高さ約25μm程度のほぼボール状の形状が形成される。
【0039】
さらに、受光素子27とプリアンプ29との接続のように間隔が狭い場合は、Auワイヤ31の断線を防止するために、ボール状の形成物の上に約90μm程度の直線状のワイヤを伸ばして接続する必要がある。
【0040】
したがって、反射率が約98%程度であるAuワイヤ31による形成物は、反射光Rを遮るとともに、ほぼ全反射させて、入射光Lとほぼ同じ光路を介した反射戻り光としてしまう。
【0041】
また、一般に、光通信モジュールにおいて高速伝送を実現するためには、受光面の大きさを小さくして、高速伝送に影響を与える容量成分を小さくする必要がある。ここで、小さな受光面27aに照射するために入射光Lを集光すると、反射光Rの強度を強めることになり、上述のようなAuワイヤ31の影響を強めてしまう。したがって、反射光Rによって、レーザの発振の安定性や光信号のS/Nにも大きく影響するという問題があった。
【0042】
また、上記公報記載の構成に限らず、他の光路変換手段を有する光通信モジュールにおいても、受光素子の配置が図12と同様の配置である場合には、一定の反射戻り光量が発生するという問題がある。
【0043】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイバへの戻り光量を抑制した光通信モジュールおよび光通信システムを提供することにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光通信モジュールは、上記課題を解決するために、マルチモード光ファイバを介して伝送されて入射する入射光を光路変換手段によって、受光素子の表面に設けられた受光面に対して斜めに入射させ、上記受光素子が受光して得た電気信号を、上記受光素子の表面に設けられた電極からボンディングワイヤを介して、上記電気信号を増幅するプリアンプへと出力する光通信モジュールにおいて、上記電極は、上記受光素子に入射する上記入射光の入射光軸と上記入射光に対する反射光の反射光軸とを含む平面に垂直な方向に沿って上記受光面に隣接して配置されており、上記プリアンプは、上記平面に垂直な方向に沿って上記受光素子に隣接して配置されていることを特徴としている。
【0045】
ここで、受光素子とは、受光した変調光の強弱を電気信号に変換する機能を有するものであり、例えばフォトダイオードのような素子である。
【0046】
また、入射光軸とは、入射光の放射角度特性において例えば最も強度が大きい線のような、受光素子への入射に支配的な光線を代表する直線に相当する。
【0047】
また、反射光軸とは、反射光の放射角度特性において例えば最も強度が大きいような、受光素子からの反射に支配的な光線を代表する直線に相当する。なお、入射光に対する反射光とは、例えば入射光が受光素子にて反射して生ずる反射光を含む。
【0048】
そして、光路変換手段とは、入射される光を異なる方向へと出射するものであって、例えばミラーやプリズムを含む。
【0049】
受光素子は入射光を受光すると、入射光を変換して得た電気信号を、電極からプリアンプへと出力する。プリアンプによって増幅された信号によって、送信された情報を再生することができる。
【0050】
上記構成によれば、電極は、上記受光素子に入射する上記入射光の入射光軸と上記入射光に対する反射光の反射光軸とを含む平面に垂直な方向に沿って上記受光面に隣接して配置され、プリアンプは、上記平面に垂直な方向に沿って上記受光素子に隣接して配置されるので、入射光または反射光のうちの支配的な光線は、電極または例えばその上に伸びるボンディングワイヤに入射しない。したがって、電極またはその上に伸びるボンディングワイヤにおける反射によって生ずる反射戻り光を抑制できる。
【0051】
また、電極は、上記受光素子に入射する上記入射光の入射光軸と上記入射光に対する反 射光の反射光軸とを含む平面に垂直な方向に沿って上記受光面に隣接して配置され、プリアンプは、上記平面に垂直な方向に沿って上記受光素子に隣接して配置されるので、入射光軸または反射光軸から外れた入射光または反射光の一部を、電極またはその上に伸びるボンディングワイヤによって反射する場合であっても、この反射光を上記平面の外で進行させる。すなわち、反射光は、例えば上記平面とは離れる方向に進行して、光ファイバへは戻らない。
【0052】
したがって、反射戻り光を抑制した光通信モジュールを提供することができる。
【0053】
また、上記構成によれば、光路変換手段を介して入射光を受光素子へと導くので、光ファイバと受光素子の配置の自由度を増すことができる。したがって、光通信モジュールの設計を容易にできる。
【0054】
そして、光路変換手段を用いて入射光を所望の角度で受光素子へと導いて、反射戻り光を抑制する構成を簡単に実現することができる。
【0055】
また、本発明に係る光通信モジュールは、上記電極は、上記入射光による照射領域外に配置されることを特徴としている。
【0056】
上記構成によれば、受光素子の電極は、入射光による照射領域外に配置されるので、電極が入射光を反射することはない。
【0057】
したがって、受光素子の電極による反射戻り光を抑制した光通信モジュールを提供することができる。
【0058】
また、本発明に係る光通信モジュールは、上記構成において、上記光路変換手段は、上記マルチモード光ファイバの端面を斜めに形成した斜め端面を含むことを特徴としている。
【0059】
上記構成によれば、光ファイバを介して伝送された入射光は、斜め端面において屈折して、光ファイバ内部とは異なる方向へと出射するので、斜め端面によって簡単に光路変換手段を含む構成を実現できる。
【0060】
本発明に係る光通信モジュールは、上記課題を解決するために、上記構成において、上記光路変換手段は、反射面を有するミラーを含むことを特徴としている。
【0061】
上記構成において、入射光を反射面にて所望の方向へと反射させて、簡単な構成で光路変換手段を含む構成を実現できる。
【0062】
また、上記ミラーを、プラスチック成型した部材に金属膜を蒸着した構成とすれば、安価に光路変換手段を含む構成を実現できる。
【0063】
本発明に係る光通信モジュールは、上記課題を解決するために、上記構成において、上記光路変換手段は、プリズムを含むことを特徴としている。
【0064】
上記構成において、入射光をプリズムにて屈折させて所望の方向へと出射すれば、簡単な構成で光路変換手段を含む構成を実現できる。
【0065】
また、上記プリズムを、プラスチック成型した部材を用いた構成とすれば、安価に光路変換手段を含む構成を実現できる。
【0066】
本発明に係る光通信システムは、上記課題を解決するために、上述のいずれかの光通信モジュールへ、上記マルチモード光ファイバを介して光信号を伝送する光通信システムである。
【0067】
したがって、光通信モジュールの受光素子による反射戻り光を抑制して、ノイズが抑制された情報の伝送を行う光通信システムを実現できる。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。
【0069】
本発明に係る光通信システムSは、図2に示すように、例えば光通信モジュール2から、光ファイバFを介して、本発明の一実施形態の光通信モジュール1へと光信号を伝送する光通信システムである。
【0070】
光通信モジュール1は、受信モジュール3と送信モジュール4とを備えている。光通信モジュール2は、送信モジュール5と受信モジュール6とを備えている。
【0071】
データ伝送の際には、光ファイバFを介して変調光を双方向に伝送して、双方向通信リンクを実現している。例えば光通信モジュール2の送信モジュール5から送信される送信光L1が光ファイバFを介して伝送され、光通信モジュール1の受信モジュール3にて受信される。また、例えば、逆に、光通信モジュール1の送信モジュール4から送信される送信光L2が光ファイバFを介して伝送され、光通信モジュール2の受信モジュール6にて受信される。
【0072】
なお、上述の変調光は、伝送するためのデータ信号に基づいて作成されるものである。データ信号は、例えば、光通信モジュール1・2に接続される、図示しない周辺機器から入力される。
【0073】
上記受信モジュール3の構成について、図3に基づいて説明する。
【0074】
受信モジュール3は、受光素子7、ミラー(光路変換手段)8、プリアンプ(他の素子)9、電極10、Auワイヤ(ボンディングワイヤ)11およびリード端子12を備えている。
【0075】
受光素子7は、受光した変調光の強弱を電気信号に変換する機能を有するものである。受光素子7は、例えば受光面7aで入射光Lを受光して得た電気信号を、プリアンプ9へと出力する。受光素子7は、例えば入射光Lの波長域で感度の高いフォトダイオードを用いる。発光素子として波長650nmの発光素子を用いる場合には、受光素子7として、例えばシリコンを材料とするPINフォトダイオードやアバランシェフォトダイオードを用いる。
【0076】
ミラー8は、入射される光を異なる方向へと出射するためのものである。すなわち、光路変換手段としてのミラー8は、光ファイバFからの入射光Lを反射面8rにて反射して光路を変換させ、受光素子7の受光面7aに対して垂直でない所望の角度で入射させるためのものである。したがって、ミラー8は、入射光Lが受光素子7で反射された後に再び光ファイバFに戻ることを防止している。
【0077】
本実施形態のミラー8は、曲面ミラーである。この曲面ミラーは、例えば、ガラス研磨又はポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)のようなプラスチックの成型により作製され、曲面部に金属膜を蒸着することによって形成される。
【0078】
なお、光路変換手段として、本実施形態のように反射面8rを形成したミラー8を用いる場合には、反射面8rには反射率の高いAl又はAuなどの金属膜を蒸着する。これによって、反射面8rにおける損失を無視できて、入射光Lを全反射する光路変換手段としてのミラー8を得ることができる。
【0079】
また、曲面ミラーであるミラー8を光路変換手段として用いたのは、光路を変換するだけでなく、高速伝送のために直径を小さくした受光面7aに入射光Lを集光するためである。これによって、小さい受光面7aに効率よく入射光Lを集光できる。すなわち、光ファイバFとしてプラスチック光ファイバを用いた場合には、典型的な受光素子7の大きさは光ファイバFに対して半分以下程度になるので、上記構成によって確実に受信できるようにしてもよい。また、上記構成によって、受光素子7の受光面7aを小さくし、高速伝送に影響を与える容量成分を小さくすれば、安定して高速伝送を行うことができる。
【0080】
なお、曲面ミラーとしてのミラー8の形状は、反射光Rが光ファイバFから離れた方向に反射され、光ファイバFへと戻らないように最適化された設計となっている。
【0081】
なお、光路変換手段の構成としては、本実施形態のように、曲面ミラーを用いる構成に限るものでなく、例えば図4に示す平面状のミラー8aを用いる構成であってもよい。
【0082】
また、光路変換手段はミラーに限るものではなく、例えば図5のプリズム8bのように、入射光Lを屈折、透過させて光路を変換する構成であってもよい。また、例えばレンズを用いて、入射光Lを屈折、透過させて光路を変換する構成であってもよい。
【0083】
いずれの光路変換手段においても、例えばプラスチックで成型された部材を用いることにより、安価な光通信モジュールを得ることができる。
【0084】
プリアンプ9は、受光素子7において受信された光信号から変換して得られた電気信号を、増幅して光通信モジュールの外部へと出力するためのものである。プリアンプ9は、受光素子7の電極10からAuワイヤ11を介して受光素子7と結合されている。
【0085】
リード端子12は、バイアスの入力及び信号の出力を行うものである。
【0086】
また、プリアンプ9は、受光素子7の電極10側に並列して配置し、それぞれのチップの電極を近付けて、最短距離でAuワイヤ10によって接続を行うようになっている。
【0087】
このため、図3(b)に示すように、受光素子7とプリアンプ9の配置および接続の方向が、入射光軸に対して垂直な方向とすることが望ましい。
【0088】
また、電極10は、図3(a)(b)に示すように、受光素子7に入射する入射光Lの入射光軸と入射光Lに対する反射光Rの反射光軸とを含む平面の外に配置されている。
【0089】
ここで、入射光軸とは、入射光Lの放射角度特性において例えば最も強度が大きい線のような、受光素子7への入射に支配的な光線を代表する直線に相当する。
【0090】
また、反射光軸とは、反射光Rの放射角度特性において例えば最も強度が大きいような、受光素子7からの反射に支配的な光線を代表する直線に相当する。
【0091】
また、電極10は、入射光Lが照射される受光素子7の面(被照射面)上の、入射光Lの照射中心から入射光軸と垂直方向に隔たった位置に配置されている。
【0092】
ここで、入射光Lの照射中心とは、入射光Lが照射される受光素子7の被照射面における入射光軸の位置に相当する。この照射中心は、通常は受光面7aの中心に配置される。
【0093】
上記構成によれば、電極10またはAuワイヤ11による、入射光Lまたは反射光Rのうちの支配的な光線に対する反射光を生じさせず、反射戻り光を生じさせない。
【0094】
また、入射光Lまたは反射光Rのうちの一部を、電極10またはAuワイヤ11によって反射したとしても、この反射光は例えば入射光軸と反射光軸とを含む平面から離れる方向に進行して、光ファイバFに戻ることはない。
【0095】
ここで図2に戻って、光ファイバFおよび送信モジュール4について説明する。
【0096】
光通信モジュール1と接続される本実施形態の光ファイバFは、主としてプラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber)である。また、このPOFは、例えばマルチモード光ファイバを用いることが想定されている。POFは、コアがポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC:polycarbonate)等の光透過性に優れたプラスチックからなり、クラッドは上記のコアより屈折率の低いプラスチックで構成されている。このような光ファイバでは、石英光ファイバに比べそのコア径を約200μmから約1mmと大きくすることが容易であることから、光通信モジュールとの結合調整が容易であり、安価な双方向通信リンクを得ることができる。
【0097】
また、光ファイバFは、POFに限るものではなく、コアが石英ガラスよりなり、クラッドがポリマーで構成されたPCF(Plastic Clad Fiber)や石英光ファイバを用いても良い。PCFや石英ファイバはPOFに比べると価格が高いが、伝送損失が小さく、伝送帯域が広いという特徴がある。このため、PCFや石英光ファイバを伝送媒体とすることにより、長距離での通信やより高速での通信を行うことができる双方向通信リンクを得ることができる。
【0098】
また、光通信モジュール1の送信モジュール4は、光ファイバFを介して情報の伝送を行う光信号の光源としての発光素子を備えている。
【0099】
すなわち、光信号の光源として、例えばGaAlAsやGaInAlP等を材料とする半導体レーザ又は発光ダイオード(LED)のような発光素子を備えている。また、光源として、その他のLED等の面発光型の発光素子を用いてもよい。
【0100】
なお、発光素子としては、プラスチック光ファイバである光ファイバFに対して伝送損失が小さい、一般にDVD等に使用されている波長約650nm程度の波長の光を出力する発光素子を用いることが望ましい。また、光ファイバFとしてPCFや石英光ファイバを用いる際も、光ファイバF中の伝播損失が小さくなるような波長を持つ発光素子を光源として用いるのが良い。
【0101】
なお、光通信モジュール2の送信モジュール5および受信モジュール6の構成はどのようなものであってもよく、例えば上述の送信モジュール4および受信モジュール3と同様の構成であってもよいし、または従来の送信モジュールおよび受信モジュールと同様の構成であってもよい。
【0102】
上記構成の光通信モジュール1には、光通信モジュール2の送信モジュール5から光ファイバFを介して入射光L1が入射するようになっている。
【0103】
光通信モジュール1の受信モジュール3においては、例えば図3に示すように、光ファイバFから入射光Lが出射される。上記構成の受信モジュール3は、光ファイバ3から出射された入射光Lを、ミラー8を介して受光素子7の受光面7aにて受信する。光通信モジュール1は、受信モジュール3を備えているので、伝送された光信号を反射させることなく受信できる。
【0104】
この反射戻り光量の抑制について、以下で図1に基づいて説明する。なお、図1においては、ミラー8は省略している。
【0105】
受信モジュール3の電極10は、図1(a)に示すように、光ファイバFから照射された入射光Lの入射光軸と入射光Lが受光素子7にて反射された反射光Rの反射光軸とを含む平面の外に配置されている。すなわち、電極10は、入射光軸と反射光軸とを含む平面に接触しない位置の、受光素子7の被照射面上に配置されている。
【0106】
また、電極10は、上述の被照射面上に、入射光Lの照射中心から入射光軸と垂直方向に離れた位置、すなわち略90度回転された位置に配置されている。
【0107】
Auワイヤ11についても、電極10から図示しないプリアンプ9へと、入射光軸と反射光軸とを含む平面に対して垂直方向に伸びて接続されている。すなわち、受光面7aの中心に対して略90度回転された方向へ伸びてプリアンプ9へと接続されている。
【0108】
上記構成において、光ファイバFより出射した入射光Lのほとんどは受光面7aに入射される。しかしながら、一部の入射光Lは受光面7aの周囲、すなわち受光素子7の受光面7aの外部に入射される。
【0109】
すなわち、光信号に用いられるレーザ光は、指向性が高いため、その光強度は、入射光軸または反射光軸などの近傍に集中しているが、それ以外の領域にも一部は照射される。
【0110】
受光面7aに入射する入射光Lは、受光素子7によって受光され、電気信号に変換されてプリアンプ9へ出力される。一方、この入射光Lは、図1(a)に示すように、その一部が反射光Rとして反射される。例えば、受光面7には主にSiN等の保護膜が蒸着されており、その反射率は約5%程度である。受光面7aに入射し、受光面7aにて反射した反射光Rは、図1(a)に示すように、入射光Lとほぼ逆の方向に反射される。
【0111】
ここで、本実施形態の上述の構成においては、反射率の高い部材として、例えばAuワイヤ11を、入射光軸と反射光軸とを含む平面の外に配置しているので、反射光Rのうちの支配的な光線に対するAuワイヤ11による反射光を生じさせず、光ファイバFへの反射戻り光を生じさせない。すなわち、例えば、支配的な光線の光路である反射光軸の位置をシミュレーション等により確認し、光路を遮る部材を無くせば、反射光Rは光ファイバFに戻らないので、戻り光量を抑制することができる。
【0112】
また、図1(a)に示すように、そもそも電極10とAuワイヤ11とを、入射光軸と反射光軸とを含む平面の外に配置しているので、支配的な光線としての入射光Lを反射することがなく、反射戻り光量を生じさせない。
【0113】
一方、入射光Lが、受光面7aの周囲に入射した場合について、図1(b)に基づいて説明する。
【0114】
この入射光Lは、上述したような指向性が十分でないことによる入射光軸または反射光軸などの近傍よりも外側の領域への光であってもよいし、または、例えば光通信モジュール2に備えられる受信モジュール6の受光素子表面において反射されて生じたノイズであってもよい。
【0115】
受光面7aの外の領域に入射した入射光Lの一部は、例えば電極10に接続されたAuワイヤ11によって反射される。
【0116】
ここで、電極10およびAuワイヤ11は、図1(b)に示すように、入射光軸と反射光軸とのなす平面から垂直方向に隔たった位置に配置されているので、入射光Lまたは反射光Rのうちの一部を、電極10とAuワイヤ11とによって反射したとしても、この反射光は上述の平面から離れる方向に進行して、光ファイバに戻ることはない。したがって、ノイズの生成を確実に防ぐことができる。
【0117】
一方、ここで、例えば電極10が入射光軸と反射光軸とを含む平面に接触する位置にある場合には、電極10に入射しなくても、Auワイヤ11に直接光が入射してしまう虞れもある。Auワイヤ11は反射率98%であるため、Auワイヤ11に直接入射した入射光Lは、ほとんどが全反射されてしまう。このため、反射戻り光を生じてノイズを生じる虞れがある。
【0118】
また、受光素子7の入射光Lの側、つまり光ファイバFに近い側に電極10を配置した場合には、電極10の位置が入射光Lおよび反射光Rの照射領域外であっても、入射光Lが受光素子7に入射するまでに一部の入射光Lが直接Auワイヤ11で反射され、戻り光となる場合もある。
【0119】
また、入射光Lが直接Auワイヤ11に入射しなくとも、受光面7aで反射した反射光Rの方向、すなわち反射光Rの照射領域に、Auワイヤ11が配置される虞もある。反射光RがAuワイヤ11に入射すると、この光がAuワイヤ11、受光面7aと順次反射され、入射光Lと平行でほぼ逆の経路を通って光ファイバFに入射して、ノイズを生じる虞れもある。
【0120】
したがって、電極10の位置は、本実施形態のように、入射光軸と反射光軸とを含む平面に接触しない、上記の平面の外の位置であることが好ましい。さらには、反射戻り光を抑制する最大の効果を得るために、上記の平面において、電極10の位置は、受光面7aの中心から略90度回転させた位置とすることが望ましい。
【0121】
また、以上の説明においては、電極10およびAuワイヤ11の配置について、入射光軸と反射光軸とから、受光面7aの中心に対して略90度回転させた位置に電極10を配置した構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、上記の入射光軸と反射光軸とによる平面に含まれない位置であって、略45度などの位置に受光素子7の電極10が設けられる構成であってもほぼ同様の効果を得ることができる。ただし、後述するように、本実施形態のようにほぼ90度回転させた位置の場合に、最も確実に反射戻り光を抑制することができる。
【0122】
次に、上記構成の受信モジュール3を用いて、反射戻り光を測定した結果について、図6および図7に基づいて説明する。
【0123】
図6には、受信モジュール3において、入射光Lおよび受光面7aに対して、電極10の位置を変化させた様子を示す。
【0124】
受光面7aの周辺で、入射光Lに近い側に電極13aを配置した場合を、電極位置の0度とする。また、それぞれ、電極13bの位置を45度、電極13cの位置を90度、電極13dの位置を135度、電極13eの位置を180度とする。電極13aと電極13eとは、入射光軸と反射光軸とからなる平面に接触した配置である。
【0125】
上記の電極13a〜13eの配置において、光ファイバFへの反射戻り光量を測定した結果を図7に示す。横軸に電極位置、縦軸に各位置における入射光Lに対する反射戻り光の割合を示す。図6の電極13cに示す電極位置が90度の配置が、図7に示すように、最も反射戻り光が低減された配置である。この場合、電極の位置が0度、180度の場合に比べて、反射戻り光が4分の1から5分の1にまで低減されている。
【0126】
また、電極位置が90度でなくても、すなわち入射光軸と反射光軸とを含む平面と垂直方向でなくても、電極の位置が0度や180度以外の位置に配置すれば、少なくとも0度および180度の位置と比較して、反射戻り光を低減できる。すなわち、入射光軸と反射光軸とを含む平面の外に電極を配置すれば、入射光軸と反射光軸とを含む平面内に電極を配置する場合と比べて、反射戻り光を低減することができる。
【0127】
以上のように、本実施形態の光通信モジュール1は、受光素子7上の電極10を、入射光Lの入射光軸と反射光Rの反射光軸とを含む平面の外に配置した構成である。
【0128】
これによって、上述のように、反射戻り光を抑制することができる。
【0129】
ここで、上述の従来の構成においては、図12に示すように、電極30と電極30から上に伸びるAuワイヤ31とは、入射光軸と反射光軸とを含む平面に配置されていた。このため、上述のような反射戻り光を生じている。
【0130】
一方、上述の本発明に係る構成によれば、電極を、入射光軸と反射光軸とを含む平面の外に配置するので、入射または反射に支配的な光線を、例えば電極またはその上に伸びるボンディングワイヤによって反射させることがない。
【0131】
すなわち、図12に示すように、受光素子27に入射される入射光Lまたはそこからの反射光Rが、さらにもう一度反射されて光ファイバに戻る場合には、その光は、入射光Lとほぼ平行の光路で戻ることになる。このような、光ファイバに戻る入射光Lとほぼ平行の光路は、入射光軸と反射光軸とを含む平面に含まれる。したがって、本発明のように、入射光軸と反射光軸とを含む平面内に、反射率が高い電極およびボンディングワイヤが配置されない構成とすれば、反射を生じさせない。よって、S/Nを確保できる。
【0132】
また、本実施形態の光通信システムSは、光ファイバFを介して上述の光通信モジュール1へと光信号を伝送するので、光通信モジュール1の受光素子7による反射戻り光が抑制されて、ノイズが抑制された情報の伝送を行うことができる。
【0133】
本発明の他の実施の形態について図8(a)(b)に基づいて説明すると以下の通りである。
【0134】
なお、以下においては、上述の実施の形態と同じ働きをする部材については、同じ符号で参照して説明を省略する。
【0135】
本発明は、図8(a)に示すように、光ファイバFの斜め端面8cを光路変換手段として用いる構成であってもよい。すなわち、光路変換手段としての上述のミラー8などを用いない構成であっても、斜め端面8cによって入射光Lの光路を変換して、受光素子7へと入射させる構成であってもよい。
【0136】
また、受光素子7の配置を、図8(a)に示すように、受光素子7による反射光Rが入射光Lと異なる方向となるように配置するので、反射光Rを光ファイバFへの戻り光とさせない。このため、例えば、上述のように光ファイバFに斜め端面8cを設ける一方、受光素子7の受光面7aを光ファイバFの軸と垂直になるように配置してもよい。そうすれば、受光素子7による反射光Rが入射光Lと異なる方向となる。
【0137】
また、受光素子7上の図示しない電極10およびAuワイヤ11についても、上述の実施の形態と同様に、入射光Lの入射光軸と反射光Rの反射光軸とからなる平面と接触しない位置に配置されているので、反射戻り光量における電極10上のAuワイヤ11の影響を低減できる。
【0138】
本発明は、図8(b)に示すように、受光素子7を斜めに傾斜させることによって、光路変換手段としての受光素子8dを実現する構成であってもよい。すなわち、この構成によって、受光素子7の配置を、受光素子7による反射光Rが入射光Lと異なる方向となるように配置すれば、反射光Rを光ファイバFへの戻り光とさせない。
【0139】
また、受光素子7上の図示しない電極10およびAuワイヤ11についても、上述の実施の形態と同様に、入射光Lの入射光軸と反射光Rの反射光軸とからなる平面と接触しない位置に配置されているので、反射戻り光量における電極10上のAuワイヤ11の影響を低減できる。
【0140】
以上のように、光路変換手段としてプリズムやミラーなどを光ファイバFと受光素子7との間に挿入する構成ではなく、光ファイバFの斜め端面や、受光素子7の斜め配置によって光路変換手段を実現したとしても、受光素子7の電極10の配置を好ましいものとすれば、発光素子の発振劣化やS/Nの悪化を防止できる光受信モジュールを得ることができる。
【0141】
本発明のさらに他の実施の形態について図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0142】
なお、以下においては、上述の実施の形態と同じ働きをする部材については、同じ符号で参照して説明を省略する。
【0143】
これまでに記載した実施の形態においては、光路変換手段により変換された入射光の入射光軸と、入射光が受光素子から反射する反射光軸とを含む平面と接触しない位置に、受光素子7の電極10を配置する構成について説明したが、例えば入射光Lが受光面7a以外の領域にも多く入射する構成の場合には、図9に示すように、受光素子7上に電極10aを受光面7aから離して配置して、そもそも入射光Lが電極10に入射しない構成としてもよい。すなわち、電極10aを、入射光による照射領域外に配置する構成であってもよい。この構成でも上述と同様の効果を得ることができる。
【0144】
例えば、コア径が1mmと大きいプラスチックの光ファイバFから出射した入射光Lを直径0.4mmの受光素子7の受光面7aに集光する場合、入射光7は完全には受光面7aに集光できず、一部の入射光Lは受光面7aの周辺に到達する場合もある。したがって、図9に示すように、電極10aを受光面7aから離して、入射光Lの照射領域外に配置すれば、反射光Rを低減することができる。
【0145】
なお、一般に、受光素子において電極は受光面に近傍した配置としているが、上述のように電極10aを受光面7aから離した場合においては、受光面7aと電極10aとの間の容量及びインダクタンスが増加して、高速伝送が制限されることもある。
【0146】
逆に広すぎる帯域を狭くする場合には、必要とする伝送速度に応じて受光面10aと電極10aとの間を離したり、あるいは受光面7aを大きくしたりする等の対応をすることにより同様の効果を得ることができる。
【0147】
なお、上述の実施の形態においては、双方向通信リンクに用いられる、光の送信および受信を行う光通信モジュールについて説明したが、本発明は受信素子を有する受信モジュールのみを備える片方向伝送の光通信モジュールであってもよい。
【0148】
この構成の光通信モジュールは、上述のように光ファイバFへの戻り光を生じさせないので、ノイズを生じさせない。
【0149】
ここで、発光素子として半導体レーザを用いて光通信モジュールへ光信号を伝送した場合に、伝送先の受信モジュールにおいて反射戻り光が生じて、その光が送信元の半導体レーザまで戻ると、半導体レーザの発振に対して影響を及ぼし、発振劣化をまねく虞れがある。このため、高速伝送を行うことができなくなる。
【0150】
一方、本発明の構成によれば、受信モジュールが反射戻り光を生じさせないので、受信モジュールへの安定した情報の伝送を行うことができ、高速伝送を安定して行うことができる。
【0151】
また、本発明に係る光通信システムは、光ファイバを介して、本発明に係る上述のいずれかの光通信モジュールへ光信号を伝送する光通信システムであるので、光通信モジュールの受光素子による反射戻り光を抑制して、ノイズが抑制された情報の伝送を行う光通信システムを実現できる。
【0152】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0153】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0154】
【発明の効果】
本発明に係る光通信モジュールは、以上のように、電極は、上記受光素子に入射する上記入射光の入射光軸と上記入射光に対する反射光の反射光軸とを含む平面に垂直な方向に沿って上記受光面に隣接して配置されており、上記プリアンプは、上記平面に垂直な方向に沿って上記受光素子に隣接して配置されている構成である。
【0155】
それゆえ、入射光または反射光のうちの支配的な光線を、電極または例えばその上に伸びるボンディングワイヤに入射させず、反射戻り光を抑制できるという効果を奏する。
【0156】
また、入射光または反射光の一部を、電極またはその上に伸びるボンディングワイヤによって反射する場合であっても、この反射光を光ファイバと離れる方向に進行させて、反射戻り光を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る光通信モジュールの一実施形態の一部を示す概略の平面図であり、(b)は(a)とは出射された光の状態が異なる場合の平面図である。
【図2】 上記光通信モジュールを含む光通信システムの一実施形態を示す概略の断面図である。
【図3】 (a)は上記光通信モジュールの受信モジュールの概略の断面図であり、(b)は上記受信モジュールを上方からみた概略の断面図である。
【図4】 上記光通信モジュールの変形例を示す概略の断面図である。
【図5】 上記光通信モジュールの他の変形例を示す概略の断面図である。
【図6】 図3に示す光通信モジュールにおいて反射戻り光を測定する構成を示す概略の平面図である。
【図7】 図6の構成における反射戻り光の測定結果を示すグラフである。
【図8】 (a)は本発明に係る光通信モジュールの他の実施形態を示す概略の断面図であり、(b)は本発明に係る光通信モジュールのさらに他の実施形態を示す概略の断面図である。
【図9】 本発明に係る光通信モジュールのさらに他の実施形態を示す概略の平面図である。
【図10】 従来の光通信モジュールを備えた光通信システムの構成を示す概略の断面図である。
【図11】 (a)は上記光通信モジュールの概略の断面図であり、(b)は上記光通信モジュールを上方からみた断面図である。
【図12】 図11(b)に示す線A−Aによる上記光通信モジュールの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2 光通信モジュール
7 受光素子
8、8a ミラー(光路変換手段)
8b プリズム(光路変換手段)
8c 斜め端面(光路変換手段)
8d 受光素子(光路変換手段)
8r 反射面
9 プリアンプ(他の素子)
10、10a 電極
11 Auワイヤ(ボンディングワイヤ)
F 光ファイバ
L、L1、L2 入射光
R 反射光
S 光通信システム
Claims (6)
- マルチモード光ファイバを介して伝送されて入射する入射光を光路変換手段によって、受光素子の表面に設けられた受光面に対して斜めに入射させ、上記受光素子が受光して得た電気信号を、上記受光素子の表面に設けられた電極からボンディングワイヤを介して、上記電気信号を増幅するプリアンプへと出力する光通信モジュールにおいて、
上記電極は、上記受光素子に入射する上記入射光の入射光軸と上記入射光に対する反射光の反射光軸とを含む平面に垂直な方向に沿って上記受光面に隣接して配置されており、
上記プリアンプは、上記平面に垂直な方向に沿って上記受光素子に隣接して配置されていることを特徴とする光通信モジュール。 - 上記電極は、上記入射光による照射領域外に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光通信モジュール。
- 上記光路変換手段は、上記マルチモード光ファイバの端面を斜めに形成した斜め端面を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光通信モジュール。
- 上記光路変換手段は、反射面を有するミラーを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光通信モジュール。
- 上記光路変換手段は、プリズムを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光通信モジュール。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光通信モジュールへ、上記マルチモード光ファイバを介して光信号を伝送する光通信システム。
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