JP3694217B2 - 自動製氷機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、連続製氷を行う自動製氷機、オーガ式製氷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に、従来のオーガ式製氷機の構成を示す。
円筒状部材からなる冷凍ケーシング1の内部には、螺旋刃を備えたオーガ6が設けられ、上部軸受7と下部軸受8によって回転可能に支持されている。また、オーガ6は下端で減速機9を介してギヤドモータ(GM)10に連結されている。冷凍ケーシング1の外周面には蒸発器としての冷却パイプ5が巻回され、冷却パイプ5に凝縮器4、圧縮機(CM)2等が接続され、冷凍回路が形成されている。また、凝縮器4に対向して凝縮器4を空冷するファンモータ3が設けられている。
【0003】
冷凍ケーシング1の内壁には、製氷水が供給され氷を製造する製氷部22が形成されている。冷凍ケーシング1の下部には、給水管16及び排水管20のそれぞれ一端が製氷部22に接続されている。排水管20には、排水バルブ21が設けられている。給水管16の他端は製氷水タンク15の底部に開口している。
製氷水タンク15内には、製氷水タンク15内の製氷水の下限水位を検出する下限水位センサ28および上限水位を検出する上限水位センサ29が設けられている。
また、製氷水タンク15の上部には、製氷水を製氷水タンク15に導くための外部給水管17が設けられている。外部給水管17には、給水バルブ19が設けられている。
さらに、冷凍ケーシング1の上部には押圧頭11が形成され、押圧頭11は氷搬送管12を介して貯氷タンク13に接続されている。貯氷タンク13には、貯氷タンク13が氷で満杯になったことを検知する貯氷センサ14が設けられている。
【0004】
給水バルブ19が開くと外部給水管17から製氷水タンク15に製氷水となる水が供給される。製氷水タンク15に蓄えられた製氷水は給水管16から冷凍ケーシング1に供給され、冷凍ケーシング1の製氷部22にて氷が生成され、その氷がオーガ6によって削り取られた後、押圧頭11に向けて移送される。押圧頭11では氷が圧縮され、圧縮された氷は氷搬送管12を通って貯氷タンク13に送出される。貯氷タンク13が満氷になって貯氷センサ14が作動すると、製氷運転を一時中断すべく、冷凍回路内の冷媒の循環及びオーガ6の回転が停止される。
【0005】
このようなオーガ式製氷機は、長時間運転していると、製氷中に、製氷部22の製氷水に含まれているカルシウム、マグネシウムおよびシリカ等の不純物の濃度が高くなり、これらの不純物がスケールとして析出しやすくなる。析出したスケールのために上部軸受7および下部軸受8の摩耗が顕著に増加する。その結果、オーガ6、ギヤドモータ10および冷凍ケーシング1が損傷を受けることがある。
また、スケールが冷凍ケーシング1の内面に付着すると、冷凍ケーシング1の内面に施されている溝がスケールによって埋まってしまい、異常音の発生や氷詰まりの原因になる。さらに、冷凍ケーシング1での熱交換が悪くなり、冷凍能力が低下してしまう。
このため、従来はオーガ式製氷機の電源を入れた後、機械式のカムタイマにより一定時間ごとに排水バルブ21を開いて製氷部22に残存している製氷水を排出することが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オーガ式製氷機を設置した地域によってオーガ式製氷機に供給される水質が異なるため、機械式のカムタイマにより一定時間ごとに排水を行ったのでは、水質に応じて排水時期を変更することができないという問題点がある。とくに、カルシウム、マグネシウムおよびシリカ等不純物の含有率の高い地域では、排水時期を短くしてスケールの析出を防止する必要がある。
【0007】
従って、この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、製氷機の設置地域によらず製氷水に含まれている不純物がスケールとして析出しないように製氷機内の排水を効果的に行い得る自動製氷機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る自動製氷機は、製氷水タンクから供給された製氷水を製氷部にて連続的に製氷する自動製氷機において、製氷部に残存する製氷水を排出する排水バルブと、切替スイッチを有すると共に排水バルブの開弁を開始する第1の時期を定めた第1の排水動作開始時間を予め記憶する制御回路とを備え、制御回路に外部から接続され排水バルブの開弁を開始する第2の時期を定めた第2の排水動作開始時間を任意に定められる外部タイマーを接続可能であり、制御回路が切替スイッチの状態に基づいて、第1あるいは第2の排水動作開始時間を選択して、排水バルブの開弁を指示するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の実施の形態に係る自動製氷機の構成を示す。
円筒状部材からなる冷凍ケーシング1の内部には、螺旋刃を備えたオーガ6が設けられ、上部軸受7と下部軸受8によって回転可能に支持されている。また、オーガ6は下端で減速機9を介してギヤドモータ(GM)10に連結されている。冷凍ケーシング1の外周面には蒸発器としての冷却パイプ5が巻回され、冷却パイプ5に凝縮器4、圧縮機(CM)2等が接続され、冷凍回路が形成されている。また、凝縮器4に対向して凝縮器4を空冷するファンモータ3が設けられている。
【0010】
冷凍ケーシング1の内壁には、製氷水が供給され氷を製造する製氷部22が形成されている。冷凍ケーシング1の下部には、給水管16及び排水管20のそれぞれ一端が製氷部22に接続されている。排水管20には排水バルブ21が設けられ、排水バルブ21に制御回路101が接続されている。給水管16の他端は、製氷水タンク15の底部に開口している。
製氷水タンク15内には、製氷水タンク15内の製氷水の下限水位を検出する下限水位センサ28および上限水位を検出する上限水位センサ29が設けられている。下限水位センサ28および上限水位センサ29は制御回路101に接続されている。
また、製氷水タンク15の上部には、製氷水を製氷水タンク15に導くための外部給水管17が設けられている。外部給水管17には給水バルブ19が設けられ、給水バルブ19は制御回路101に接続されている。
また、冷凍ケーシング1の上部には押圧頭11が形成され、押圧頭11は氷搬送管12を介して貯氷タンク13に接続されている。
貯氷タンク13には、貯氷タンク13が氷で満杯になったことを検知する貯氷センサ14が設けられている。
【0011】
制御回路101には、排水バルブ21の開弁を開始する時期を定めた第1の排水動作開始時間を設定時間T1(例えば、12h)として予め記憶するとともに、排水動作開始時間を切り替えるための切替スイッチとしてディップスイッチ102が設けられている。このディップスイッチ102は、操作者がディップスイッチ102をオン(ON)あるいはオフ(OFF)の位置に切り替えることができるように構成されている。また、制御回路101には、第2の排水動作開始時間を任意の設定時間TNに設定できる外部タイマー103が接続されている。また、制御回路101には、圧縮機2、ファンモータ3およびギヤドモータ10が接続されている。
【0012】
次に、実施の形態に係る自動製氷機の作用を説明する。
制御回路101は、製氷開始時には、下限水位センサ28および上限水位センサ29が検出した製氷水タンク15の上限水位Hおよび下限水位Lを判断して、製氷水が上限水位Hになるまで給水バルブ19を開く。製氷水タンク15が上限水位Hになると、上限水位センサ29からの信号をもとに、制御回路101は、圧縮機2を作動させた後にギヤドモータ10を作動させて製氷運転を開始する。製氷運転中、制御回路101は、製氷水タンク15の製氷水が下限水位Lになると、下限水位センサ28からの信号をもとに、給水バルブ19を開いて製氷水を上限水位Hになるまで補給する。
製氷水タンク15に蓄えられた製氷水は、給水管16から冷凍ケーシング1に供給され、冷凍ケーシング1の製氷部22にて氷が生成され、その氷がオーガ6によって削り取られた後、押圧頭11に向けて移送される。押圧頭11では、氷が圧縮され、圧縮された氷は氷搬送管12を通って貯氷タンク13に送出される。
【0013】
製氷中、制御回路101は、排水バルブ21を開いて排水を行うために、製氷中の経過時間Tを計測する。
ここで、ディップスイッチ102がオンの位置にある場合、制御回路101は、設定時間T1と経過時間Tとを比較して、経過時間Tが設定時間T1と一致したら排水バルブ21を開いて排水を行う。一方、ディップスイッチ102がオフの位置にある場合、制御回路101は、設定時間TNと経過時間Tとを比較して、経過時間Tが設定時間TNと一致したら、排水バルブ21を開いて排水を行う。
なお、経過時間Tは連続して製氷中カウントアップされるが、貯氷センサ14が満氷を検知してギヤドモータ10の運転が停止し製氷が中断された場合や、給水バルブ19が開いても製氷水タンク15の製氷水の水位が上昇しない断水状態になった場合は、経過時間Tのカウントアップは中断する。
【0014】
このように、制御回路101に記憶された排水動作開始時間T1と、外部タイマー103に任意に定められた排水動作開始時間TNとを、切替スイッチ102の状態に基づいて、制御回路101が選択して排水時期を定めることができる。従って、外部タイマー103を設けて制御回路101に接続するだけで、オーガ式製氷機の設置地域に応じた排水時期を定めることができるので、オーガ式製氷機に供給される水質に応じて排水時期を変更でき、不純物の含有率の高い地域では排水時期を短くしてスケールの析出を防止できる。また、水質が特異な地域向けのオーガ式製氷機の特別注文に対して、外部タイマー103の設置とディップスイッチ102の切替のみで応じることができる。
【0015】
なお、上述した実施の形態においては、ディップスイッチ102を1つのみ用いたが、これを複数用いるとともに、制御回路には2つの排水動作開始時間T1(例えば、12h)およびT2(例えば、6h)が予め記憶され、ディップスイッチの状態の組み合わせにより設定時間T1、T2及びTNのいずれかの排水動作開始時間に基づいて、制御回路が排水バルブの開弁を指示してもよい。
また、外部タイマー103を設けずに、制御回路には、少なくとも2つ以上、例えば、4つの排水動作開始時間T1(例えば、12h)、T2(例えば、6h)、T3(例えば、4h)、T4(例えば、2h)が予め記憶され、ディップスイッチの状態の組み合わせにより設定時間T1、T2、T3及びT4のいずれかの排水動作開始時間に基づいて、制御回路が排水バルブの開弁を指示してもよい。
【0016】
また、断水状態を制御回路101は次のようにして判定することができる。
給水バルブ19が動作してから60秒以内に下限水位センサ28が作動しない場合である下限水位センサ条件、給水バルブ19が動作してから90秒以内に上限水位センサ29が作動しない場合である上限水位センサ条件のいずれかが成立した場合、制御回路101は、断水状態と判定し経過時間Tのカウントアップを中断するとともに、給水バルブ19を5分間隔で作動させる等の断水状態時の制御を行う。
このように、制御回路101は、下限水位センサ条件および上限水位センサ条件の2つの条件を用いて断水状態を判定している。
仮に、上限水位センサ条件のみで断水を検知した場合は、給水バルブ19が動作してから90秒後に断水を検知するまでの間に、製氷部22に残存していた水は、新たな製氷水が製氷部22に供給されない状態ですなわち冷凍負荷が少ない状態ですべて製氷されてしまい、冷凍ケーシング1から異常音が発生したり、冷凍回路に液バック現象が発生し圧縮機2が損傷する。しかしながら、この実施の形態では、下限水位センサ条件でも断水を検知しているので、断水を検知するまでの時間が短くなり、冷凍負荷が少ない状態で製氷されにくくなり、冷凍ケーシング1から異常音の発生や冷凍回路の液バック現象の発生を防止できる。
また、給水バルブ19が動作してから経過時間を90秒より短くして上限水位センサ条件のみで断水を検知した場合のように、製氷タンク15へ供給される製氷水の水圧が低く製氷タンク15内の製氷水の水位が上昇が遅いときであっても、制御回路101が断水と誤判定することがない。
さらに、下限水位センサ条件のみで断水を検知した場合のように、製氷水タンク15内の製氷水の水位が下限水位Lと上限水位Hとの間にあるときに製氷水の供給が停止した場合であっても、上限水位センサ条件で断水を検知できる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、制御回路に切替スイッチを設け、制御回路は、切替スイッチの状態に基づいて、制御回路に記憶された第1の排水動作開始時間と外部タイマーに任意に定められた第2の排水動作開始時間とを選択して、排水バルブの開弁を指示するので、製氷機の設置地域によらず製氷水に含まれている不純物がスケールとして析出しないように製氷機内の排水を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態に係る自動製氷機の構成を示す図である。
【図2】 従来の自動製氷機の構成を示す図である。
【符号の説明】
15…製氷水タンク、21…排水バルブ、28…下限水位センサ、29…上限水位センサ、22…製氷部、101…制御回路、102…ディップスイッチ、103…外部タイマー。
Claims (1)
- 製氷水タンクから供給された製氷水を製氷部にて連続的に製氷する自動製氷機において、
製氷部に残存する製氷水を排出する排水バルブと、
切替スイッチを有すると共に、排水バルブの開弁を開始する第1の時期を定めた第1の排水動作開始時間を予め記憶する制御回路と、
を備え、
制御回路に外部から接続され、排水バルブの開弁を開始する第2の時期を定めた第2の排水動作開始時間を任意に定められる外部タイマーを接続可能であり、
制御回路は、切替スイッチの状態に基づいて、第1あるいは第2の排水動作開始時間を選択して、排水バルブの開弁を指示することを特徴とした自動製氷機。
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