JPS6128998Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオーガ式製氷機における洗浄装置に関
し、特に、氷を氷結形成する冷凍ケーシングから
貯氷庫までの氷の移動経路を洗浄する洗浄装置に
関するものである。

従来のオーガ式製氷機における洗浄は冷凍ケー
シング内の汚れや氷あかの防止のために行なわれ
ている。そしてこの洗浄の際には、製氷機の運転
を停止し、水抜き洗浄（水の入れ替え）方式を用
いて、冷凍ケーシング下部から給水するのである
が、この給水はケーシングと連通しているフロー
トタンクから供給されるためにケーシング内への
水圧が低く、またフロートタンク内の水と同水位
にあるケーシング内の水位以下の部位しか洗浄で
きず、洗浄効果の点で不十分であつた。また別の
従来の製氷機では、洗浄水回路（洗浄水が流れる
経路）が製氷用水の回路とは別個に設けられてい
るので、冷凍ケーシング内へ向かう洗浄水の水圧
を上げようとすると、ポンプ等の高価な部品を追
加することが必要となり、これらを設置するスペ
ースも必要となり、さらに別の従来のオーガ式製
氷機においては、洗浄水が洗浄水回路内を何回も
循環するために洗浄装置が非衛生的になり、これ
を一回限りの循環に代えようとすると、洗浄装置
も制御回路も一層複雑になるといつた種々の欠点
があつた。

本考案は上述の欠点を解消するためになされた
考案であつて、冷凍ケーシングから貯氷庫までの
氷の移動経路を効果的且つ衛生的に洗浄し、また
ポンプ等の高価な部品やそのためのスペースも不
要とした洗浄装置を提供することを主な目的とし
ている。

この目的を考慮して本考案は、製氷水タンク
と、該タンクと連通した冷凍シリンダと、該シリ
ンダ内に配設され、冷凍シリンダ内壁面で形成さ
れた氷を削り取りながら上方へ案内するスクリユ
ウ刃を有するスクリユウ軸と、冷凍ケーシング上
方に配設され、スクリユウ刃により送られた氷を
貯留する貯氷庫とを備えたオーガ式製氷機におい
て、前記製氷水タンクと冷凍シリンダとの連通経
路に設けられた三方コツクと、一端が給水口に接
続され、他端が三方コツクに接続された第１洗浄
水管とを備えていることを特徴とするものであ
る。

次に本考案の洗浄装置を図面に従つて説明す
る。

第１図は本考案の洗浄装置を含むオーガ式製氷
機の配置図を示している。１は氷を内壁面に氷結
形成するための冷凍ケーシングで、これの回りに
は該ケーシングを冷却するための蒸発器が巻装さ
れている。冷凍ケーシング１の冷却は、冷媒回
路、即ち、圧縮機冷却フアンFM₃を備えた圧縮機
CM、凝縮器フアンFM₁，FM₂を備えた凝縮器
３、脱水器４、凝縮された冷媒を膨張する定圧式
膨張弁５、蒸発器２そして前記圧縮機CMといつ
た順序で送られる冷媒閉回路により行なわれる。
この冷媒閉回路の蒸発器２により、冷凍ケーシン
グ１の内壁面に形成された薄氷層は、ギヤードモ
ータGMにより回転駆動されるスクリユウ軸のス
クリユウ刃６により削り取られながら上方に案内
されるようになつている。

スクリユウ刃６の上には、スクリユウ刃６から
の削氷を受け入れて圧縮し柱状氷にするための押
圧頭７が配設されている。この押圧頭７の上に
は、貯氷槽８が配設され該押圧頭からの柱状氷を
貯留するようになつている。この貯氷槽８内に
は、スクリユウ軸と共に回転し、押圧頭７からの
柱状氷を折断するリング状凸部９及び貯氷槽８内
の氷を撹拌するための撹拌棒１０と、貯氷槽８の
底部に設けられ、槽内の氷をその上に保持し且つ
該氷の融解水を貯氷槽８の底部の排水口１２を介
して排水するための複数の穴を有するスノコ１１
と、槽内上部に配設され槽内の氷が所定レベルに
達するとこれを検知するための検知板１３とが配
設されている。検知板１３は貯氷槽８の上部に配
設された貯氷スイツチS₅と連動するようになつて
おり、槽内の氷が所定レベルに達すると検知板１
３を上方に押し上げて前記貯氷スイツチS₅を閉路
して製氷運転を停止するようになつている。この
検知板１３は円形の平板で、その外周は貯氷槽８
の側壁に隣接するように配設されている。

貯氷槽８の前面の下方部位には槽内の氷を放出
シユート１４に向けて放出可能とするための遮蔽
板１５が設けられ、この遮蔽板１５は氷放出動作
に伴なう氷放出装置１６により開閉動作するよう
になつている。

前記冷凍ケーシング１内への製氷用水の供給制
御は、該ケーシング底部と三方コツクＶを介して
連続している製氷水タンク１９により行なわれ
る。この製氷水タンク１９には、該タンク内の水
位を一定に保持するための水位保持装置２０及び
所定水位以上の水を排出させるためのオーバーフ
ロー管２１が備えられている。前記三方コツクＶ
には、冷凍ケーシング１から貯氷庫８までを洗浄
するための第１洗浄水管２２の一端が接続され、
他端は水道の蛇口に通ずる給水口（図示せず）に
接続されている。従つて水道水は製氷水タンク１
９及び第１洗浄水管２２へ供給される。前記三方
コツクＶは電磁弁からなり、前記水道水の製氷水
タンク１９から冷凍ケーシング１への供給又は第
１洗浄水管２２から該ケーシングへの供給の経路
の切り換えができるようになつている。尚、１８
は水位ゲージ管である。

第２図は第１図のオーガ式製氷機の電気回路図
である。並列接続された圧縮機CM、凝縮器フア
ンFM₁，FM₂、及び圧縮機冷却フアンFM₃は、時
間T₁（15秒）の時間遅延を行なうサーマルタイ
マTM₂の常閉接点の一端に直列接続されてい
る。時間T₂（90秒）の時間遅延を行なうサーマ
ルタイマTM₁の常閉接点はギヤードモータGMの
駆動制御を行ない、同タイマTM₁の常開接点は
三方コツクＶの電磁弁を切換制御するようこれに
直列接続されている。前記サーマルタイマ
TM₁，TM₂は、並列接続されたリレーX₄の常開
接点、貯氷スイツチS₅及び製氷運転を制御する製
氷スイツチS₁に直列接続されている。洗浄スイツ
チPBはリレーX₄の常開接点と並列接続してい
て、該スイツチPBの一端は時間T₃（５分）の時
間遅延を行なうタイマTM₃及びこれの常閉接点
を介してリレーX₄の一端に接続されている。
尚、S₂は氷放出スイツチ、FS₂は給水スイツチ、
X₁，X₂はリレー、X₃は電磁接触器、L₁は製氷ラ
ンプ、WV₁，WV₂は給水弁である。

次に本考案の洗浄装置の動作について説明す
る。

製氷機の洗浄動作を行なう場合には、洗浄スイ
ツチPBを動作してその接点を閉路する。これに
よりサーマルタイマTM₃の５分の時間遅延が開
始すると共にその常閉接点を介してリレーX₄が
通電する。そしてこのリレーX₄の通電によりタ
イマTM₃に一端が接続されているリレーX₄の常
開接点が閉路して該リレーX₄を自己保持する。
またリレーX₄の通電により、サーマルタイマ
TM₁，TM₂に直列接続しているリレーX₄の常開
接点も閉路して前記タイマTM₁，TM₂の各々90
秒、15秒の時間遅延を開始させる。尚、この場
合、タイマTM₁，TM₂の時間遅延の開始は、貯
水完了検知に伴なう貯氷スイツチS₅の接点の閉路
動作又は製氷完了検知に伴なう製氷スイツチS₁の
接点のタイマTM₁，TM₂側への閉路動作によつ
ても行なわれるが、以下の説明では貯氷スイツチ
S₅は開路し且つ製氷スイツチS₁は製氷ランプL₁側
（製氷中）に通電しているものとする。

前述のように、サーマルタイマTM₁，TM₂の
時間遅延が開始すると、まず最初に15秒の遅延時
間後にタイマTM₂がタイムアウトしてその常閉
接点を開路する。これにより、この常閉接点に接
続された圧縮機CM、圧縮機冷却フアンFM₃、凝
縮器フアンFM₁，FM₂の作動が停止して冷凍サイ
クルが停止する。次に90秒の遅延時間後（即ち、
タイマTM₂がタイムアウトしてから75秒後）に
は、サーマルタイマTM₁がタイムアウトしてこ
の常閉接点を開路し且つ三方コツクＶの電磁弁に
接続された常開接点を閉じる。

ここで、断水スイツチFS₁は断水していない場
合は閉路しており、これによりリレーX₁に通電
しこれの常開接点を閉路している。一方タイマ
TM₁の常閉接点が閉路しているときには電磁接
触器X₃に通電しこの常開接点を閉路し、これに
よりギヤードモータGMは回転駆動している。従
つて、サーマルタイマTM₁の常閉接点が開路す
るとギヤードモータGMの回転駆動は停止し、冷
凍ケーシング１内のスクリユウ軸の回転が停止す
る。従つて、冷凍ケーシング内の氷は冷凍サイク
ルが停止してから75秒の間に貯氷槽８内に完全に
放出されることになる。またこれと同時に、三方
コツクＶの電磁弁に接続されたタイマTM₁の常
開接点が閉路するので、該電磁弁が作動して製氷
水タンク１９から冷凍ケーシング１内への製氷水
供給路が遮断され、代つて、第１洗浄水管２２か
ら冷凍ケーシング１内への洗浄水供給路が開く。
これにより、水道圧で圧送された水道水が給水口
を通り第１洗浄水管２２へ供給される（このと
き、製氷水タンク１９の給水栓２３は閉じてい
る）。従つて、水道水が冷凍ケーシング１内を洗
浄すると共に、水道圧によりケーシング内上部の
押圧頭７を通つて貯氷槽８内に圧送され、スノコ
１１及び貯氷槽８内底面を洗浄する（槽内の汚れ
は該底面及びスノコ１１が殆んどである）。こう
して、冷凍ケーシング１内から貯氷槽８内底面を
洗浄した洗浄水は排水口１２を通つて機外へ排出
される。この水道水による洗浄は、タイマ
TM₁，TM₂に接続されたリレーX₄の常開接点が
開路するまで、即ち、タイマTM₃の遅延時間T₃
（５分）が経過するまで行なわれる。従つて、洗
浄時間は、タイマTM₃の遅延時間T₃（５分）か
らタイマTM₁の遅延時間T₁（90秒）を引いた時
間、即ち、T₃−T₁（３分30秒）である。こうし
てタイマの遅延時間５分が経過すると、タイマ
TM₃の常閉接点が開路してリレーX₄の通電が停
止しその常開接点を開路する。これにより、サー
マルタイマTM₁，TM₂の通電を停止し、それら
の常開接点は開路し常閉接点は閉路するといつた
初期状態に戻り、再び製氷運転が開始される。

以上の構成では、冷凍ケーシング１内から貯氷
槽８内底面を洗浄する構成を示したが、該ケーシ
ング１内から貯氷槽８の内壁までを洗浄する場合
には、第３図で示されているような構成にすれば
よい。即ち、第３図では、第１図の三方コツクＶ
から冷凍ケーシング１までの水回路に、第２洗浄
水管２４を分岐させたものである。この第２洗浄
水管２４の他端は貯氷槽８の上壁を貫通して検知
板１３に向けられている。他の構成は第１図のも
のと同様である。この構成によれば、洗浄時にお
いて、第２洗浄水管２４からの水道水が検知板１
３に当たりこの検知板１３を伝つて貯氷槽の内壁
を洗浄しながら流下し、槽内底部の排水口１２を
通つて排水され、一方冷凍ケーシング底部から上
方に圧送される水道水は、第１図と同様該ケーシ
ング１内から貯氷槽８内底面を洗浄するので、冷
凍ケーシング１内から貯氷槽８の内壁までの洗浄
が可能となる。

第２図の電気回路図において、洗浄を行なう場
合、洗浄動作開始と同時にギヤードモータGMの
回転駆動を停止していたが、このギヤードモータ
GMを洗浄動作中回転駆動させてスクリユウ軸を
回転させ、洗浄効果を高めることもできる。第４
図にはこの動作を行なうための電気回路図が示さ
れている。第４図では、第２図においてギヤード
モータGMに接続されたリレーX₁の常開接点と電
磁接触器X₃の常開接点の接続点と、電源の一端
子との間をリレーX₄の常開接点を介して接続し
たものであり、これ以外は第２図と同じ構成であ
る。この第４図の回路構成によれば、第２図の場
合のように、サーマルタイマTM₁が動作してT₁
（90秒）の遅延時間が経過してこの常閉接点が開
路しても、第４図で追加されたリレーX₄の常開
接点が閉路しているのでギヤードモータGMは通
電状態を維持し続ける。従つて、第１図及び第２
図において説明したように、三方コツクＶの電磁
弁が動作して洗浄動作が開始されても、スクリユ
ウ軸は回転を維持し、冷凍ケーシング１内の洗浄
効果を高めることができる。

前述した洗浄ボタンPBの接点の開閉動作は手
動で行なうように構成されているが、これを24時
間タイマの接点による自動的な開閉動作にしても
よい。即ち、この24時間タイマを用いて定期的に
この接点を閉路するように構成すれば、洗浄動作
を定期的且つ自動的に行なうことが可能となる。
従つて、製氷機の製氷除氷運転及び洗浄運転がす
べて無人で制御することが可能となる。

以上のように、本考案の製氷機の洗浄装置にお
いては、製氷水タンクと冷凍ケーシングとを連通
する導管の１箇所に三方コツクを設け、該三方コ
ツクに一端が水道の蛇口に直結された給水口に接
続された第１洗浄水管の他端を接続しているの
で、冷凍ケーシング内から貯氷庫内底面及びスノ
コの洗浄が可能となり、また前記三方コツクと冷
凍ケーシングとを接続する導管から分岐し、貯氷
槽上壁を貫通し且つ案内板に向けられた第２洗浄
水管を設ければ、さらに庫内壁面の洗浄も可能と
なる。また、洗浄ボタンの代りに24時間タイマを
用いれば、製氷機の無人化運転が可能となり自動
販売機等に使用することができ、さらに、定期的
な洗浄が可能となるため機械の保守回数を減少し
製品寿命を伸ばし製氷効率を常に最良に近い状態
で保つ事ができる。さらに、三方コツク及び第１
洗浄水管を従来の製氷機に付加するか、あるいは
これにさらに第２洗浄水管を追加するだけでよい
ので大きなスペース及びコストを必要としない
で、水道直結で水圧が高く且つ洗浄水が何回も循
環することのない（一回限りの）衛生的な水道水
で洗浄できる、といつた種々の利点が得られる。

尚、サーマルタイマTM₁，TM₂の遅延時間
T₁，T₂及びタイマTM₃の遅延時間T₃は、実施例
においては、15秒、90秒及び５分と設定されてい
るが、これらの設定時間は状況に応じて変更でき
ることはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の洗浄装置を含むオーガ式製氷
機の配置図、第２図は第１図の電気回路図、第３
図は本考案の洗浄装置の別の実施例を示した第１
図と同様の配置図、第４図は洗浄動作中もギヤー
ドモータを回転駆動させるための電気回路図であ
る。 １……冷凍ケーシング、６……スクリユウ刃、
８……貯氷庫、１０……撹拌棒、１１……スノ
コ、１２……排水口、１３……検知板、１９……
製氷水タンク、２２……第１洗浄水管、２４……
第２洗浄水管、GM……ギヤードモータ、Ｖ……
三方コツク、TM₁，TM₂……サーマルタイマ、
TM₃……タイマ、PB……洗浄スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 製氷水タンクと、該タンクと連通した冷凍シリ
   ンダと、該シリンダ内に配設され、冷凍シリンダ
   内壁面で形成された氷を削り取りながら上方へ案
   内するスクリユウ刃を有するスクリユウ軸と、冷
   凍ケーシング上方に配設され、スクリユウ刃によ
   り送られた氷を貯留する貯氷庫とを備えたオーガ
   式製氷機において、前記製氷水タンクと冷凍シリ
   ンダとの連通経路に設けられた三方コツクと、一
   端が給水口に接続され、他端が三方コツクに接続
   された第１洗浄水管とを備えていることを特徴と
   するオーガ式製氷機の洗浄装置。