JP3693963B2 - デジタル復調回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信システムあるいは衛星通信システムにおいて使用するデジタル復調回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、例えば特開平10−285232号公報に記載された従来の直交検波回路を適用したPM変調波を復調する従来のデジタル復調回路を示すブロック図である。図6において、1は人工衛星の追跡管制でよく用いられるPM変調波信号を受信する受信信号入力端子である。2は受信信号入力端子1からの受信信号を制御信号に応じて出力するオンオフスイッチである。3はDCオフセット量を抽出する校正モード時にスイッチ2をオフとしそれ以外のときはオンとする制御信号の入力端子である。4はスイッチ2からの受信信号およびD/A変換器44からの再生キャリア信号が入力されてIチャネル受信ベースバンド信号およびQチャネル受信ベースバンド信号を出力するIQ直交位相検波器である。5はIチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高調波雑音が除去されたIチャネル受信ベースバンド信号を出力するアナログ低域通過フィルタ(アナログLPF)であり、25はQチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高調波雑音が除去されたQチャネル受信ベースバンド信号を出力するアナログ低域通過フィルタ(アナログLPF)である。
【0003】
6は高調波雑音が除去されたIチャネル受信ベースバンド信号が入力されてデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号を出力するA/D変換器であり、26は高調波雑音が除去されたQチャネル受信ベースバンド信号が入力されてデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号を出力するA/D変換器である。7はデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたIチャネルのオフセットを出力するオフセット抽出部であり、27はデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたQチャネルのオフセットを出力するオフセット抽出部である。8はデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号が入力されて制御信号に応じてデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号を出力するスイッチであり、28はデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号が入力されて制御信号に応じてデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号を出力するスイッチである。
【0004】
9はDCオフセットを抽出する校正モード時にスイッチ8をオンとしそれ以外のときオフとするスイッチ8への制御信号の入力端子であり、29はDCオフセットを抽出する校正モード時にスイッチ28をオンとしそれ以外のときオフとするスイッチ28への制御信号の入力端子である。10はデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたIチャネルのオフセットを出力するデジタル低域通過フィルタ(デジタルLPF)であり、30はデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたQチャネルのオフセットを出力するデジタル低域通過フィルタ(デジタルLPF)である。
【0005】
11はA/D変換器6からのデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号およびオフセット抽出部7からのIチャネルのオフセットが入力されて補正されたIチャネル受信ベースバンド信号を出力する加算器であり、31はA/D変換器26からのデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号およびオフセット抽出部27からのQチャネルのオフセットが入力されて補正されたQチャネル受信ベースバンド信号を出力する加算器である。12は補正されたIチャネル受信ベースバンド信号が入力されて復調データを出力するデータ復調器であり、13は復調データの出力端子である。41は補正されたIチャネル受信ベースバンド信号および補正されたQチャネル受信ベースバンド信号が入力されて位相誤差θe を出力する位相誤差検出(ATAN)回路41である。
【0006】
42は位相誤差θe が入力されて制御電圧を出力するループフィルタであり、43は制御電圧が入力されてデジタルの再生キャリア信号を出力するDCO(Digitally Controlled Osillator)である。44はデジタルの再生キャリア信号が入力されてアナログの再生キャリア信号を出力するD/A変換器である。
【0007】
次に、動作について説明する。
例えば、人工衛星の追跡管制システムにおいては、地上の追跡管制局と人工衛星の間の通信には、PM変調方式(位相変調方式)がよく用いられる。PM変調方式は残留搬送波(キャリア)成分が存在する変調方式である(これに比し、BPSK、QPSKなどのPSK変調方式は、残留搬送波成分が存在しない)。図6において、入力端子1に入力された受信PM変調波信号はIQ位相検波器4を用いて、D/A変換器44から出力される再生キャリア信号により同期検波される。このとき、IQ位相検波器4の出力には、検波後の所望の受信ベースバンド信号だけではなく、DCオフセット電圧が発生する。特に近年、小型安価のIC化されたIQ位相検波器が使用されるようになり、DCオフセット発生が顕著な現象となっている。このようなDCオフセット電圧は、搬送波(キャリア)再生ループに影響して、再生搬送波(再生キャリア)の位相誤差を発生し、またデータの復調回路の動作にも大きな影響を与える。その結果デジタル無線通信ではさらに重要なビットエラー特性(BER特性)が劣化し、通信品質の劣化を生じる。しかも、このようなDCオフセット特性は、周囲温度の変化ならびに経年によって、劣化するため、常にDCオフセット量を抽出し、補正する手段が必要である。
【0008】
図6に示す従来のデジタル復調回路は、このようなDCオフセットの抽出および補正に関するものである。しかしながら、従来、このようなDCオフセット量を抽出する場合、PM変調波が入力し、キャリア再生ループ(図6のIQ位相検波器4−ATAN41−ループフィルタ42−IQ位相検波器4のループ)がPM変調波の残留搬送波にロックオンしている状態、すなわちキャリア再生ループによって生成された再生キャリア信号の周波数および位相がPM変調波の残留搬送波の周波数および位相に一致している状態では、IQ位相検波器4の出力には、IQ位相検波器4によるDCオフセットに加えてキャリア再生ループを制御するDC成分も現れる。そして、キャリア再生ループを制御するDC成分から分離した形でDCオフセットのみを抽出する事が困難である。したがって、図6の従来例においては、DCオフセットを抽出する校正モード時のみスイッチ2をオフとし、それ以外はオンとするようなスイッチ回路2および制御信号入力端子3を設けている。校正モード時には、キャリア再生ループに信号を入力しないようにすることで、IQ位相検波器4の出力にはDCオフセットのみが現れるようにして、これを抽出して補正するようにしている。図6において、同期検波後のIチャネルおよびQチャネルの受信ベースバンド信号(IQ位相検波器の出力)の処理については、IチャネルおよびQチャネルで同一であるため、以下では、簡略化のため、Iチャネルについてのみ説明する。
【0009】
検波後のIチャネル受信ベースバンド信号はアナログLPF5により高周波成分、雑音を除去された後、A/D変換器6により、デジタル変換される。オフセット抽出部7内のスイッチ8は入力端子9からの制御信号によりオンオフし、DCオフセットを抽出する校正モード時のみオン、それ以外はオフとなる。デジタルLPF10はスイッチ8がオンのときには入力信号(Iチャネル受信ベースバンド信号)の雑音成分を除去してDCオフセットを抽出して出力し、スイッチ8がオフになるとスイッチ8がオンであったときのDCオフセットの値をホールドして出力する。加算器11はA/D変換器6の出力であるIチャネル受信ベースバンド信号からオフセット抽出部7で抽出したDCオフセットを減算することにより、受信信号(Iチャネル受信ベースバンド信号)が補正される。キャリア再生ループがロックオンした状態では、加算器11の出力にPM復調されたデータが現れるので、データ復調器12でクロック再生、データ復調が行われ、復調データとして、出力端子13より出力される。QチャネルのDCオフセット抽出、減算、データ復調についても、上記のIチャネルの場合と同様である。
【0010】
位相誤差検出(ATAN)回路41では、加算器11および加算器31でDCオフセットが補正されたIチャネル受信ベースバンド信号およびQチャネル受信ベースバンド信号の振幅を用いて、PM変調波信号の残留搬送波(キャリア)の位相誤差θe が計算される。ループフィルタ42では、搬送波再生のために、雑音、高周波成分の平滑化を行った後、出力正弦波信号(再生キャリア信号)の位相および周波数を制御するためのデジタルの制御電圧を出力する。DCO43では、ループフィルタ42からの制御電圧に応じて位相および周波数が制御されたデジタルの再生キャリア信号を生成して出力する。D/A変換器44では、DCO43からのデジタルの再生キャリア信号をアナログ信号に変換して再生キャリア信号として出力する。このアナログの再生キャリア信号は、IQ位相検波器2のローカル信号となって、IチャネルおよびQチャネルの同期検波を行うために用いられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタル復調回路は以上のように構成されているので、IQ位相検波器のDCオフセットを抽出し補正するためには、一度人工衛星からの信号の受信を断として校正モードにする必要があり、その間、人工衛星との通信ができないという課題があった。
【0012】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、キャリア再生ループがロックオンし、データを復調、受信している時でも、IQ位相検波器のDCオフセットを抽出・補正でき、常にBER(ビットエラーレート)特性の良好なデジタル復調器を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器と、アナログのIQ位相検波器のIチャネル出力およびQチャネル出力の高周波成分を除去するアナログローパスフィルタと、アナログローパスフィルタのIチャネル出力およびQチャネル出力をそれぞれA/D変換する手段と、A/D変換後のIチャネル受信ベースバンド信号をデジタル低域通過フイルタで高周波成分を除去してIチャネルのオフセット成分を抽出する手段およびA/D変換後のQチャネル受信ベースバンド信号をデジタル低域通過フイルタで高周波成分を除去してQチャネルのオフセット成分を抽出する手段と、IチャネルおよびQチャネルそれぞれにおいて、抽出したDCオフセット成分をA/D変換手段の出力から減算する手段と、減算する手段のIチャネルおよびQチャネルの出力をある一定の周波数でデジタル的に位相回転する手段と、位相回転する手段の出力のIチャネル振幅およびQチャネル振幅から、アナログのIQ位相検波器に入力するデジタル変調波の搬送波と再生キャリアの間の位相差を検出する位相差検出手段と、位相差検出手段の出力から再生キャリア信号を生成するフィードバックループとを有するものである。
【0014】
この発明に係るデジタル復調回路は、フィードバックループの再生キャリア信号をアナログのIQ位相検波器のローカル信号として供給するものである。
【0015】
この発明に係るデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段の出力の雑音成分を除去するループフィルタと、ループフィルタの出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成するデジタル制御発振器と、デジタル制御発振器の出力をD/A変換し、再生キャリア信号とするD/A変換器とを有するものである。
【0016】
この発明に係るデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段の出力をD/A変換するD/A変換器と、D/A変換器の出力の雑音成分を除去するアナログループフィルタと、アナログループフィルタの出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器とを有するものである。
【0017】
この発明に係るデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段の出力の雑音成分を除去するループフィルタと、ループフィルタの出力をD/A変換するD/A変換器と、D/A変換器の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器とを有するものである。
【0018】
この発明に係るデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器のローカル信号を供給するローカル発振器と、受信変調波信号を周波数変換するミキサと、ミキサの出力を高調波成分を制限するBPFとをさらに有し、フィードバックループの再生キャリア信号をミキサのローカル信号として供給し、BPFの出力をアナログのIQ位相検波器の入力として供給するものである。
【0019】
この発明に係るデジタル復調回路は、位相回転する手段のIチャネルの出力から復調データを生成する復調器をさらに有するものである。
【0020】
この発明に係るデジタル復調回路は、位相回転する手段のIチャネルの出力からIチャネル復調データを生成するIチャネル復調器と、位相回転する手段のQチャネルの出力からQチャネル復調データを生成するQチャネル復調器とをさらに有するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるデジタル復調回路を示す構成図である。図1において、7はデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたIチャネルのオフセットを出力するオフセット抽出部であり、27はデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたQチャネルのオフセットを出力するオフセット抽出部である。10はデジタル変換されたIチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたIチャネルのオフセットを出力するデジタル低域通過フィルタ(デジタルLPF)であり、30はデジタル変換されたQチャネル受信ベースバンド信号が入力されて高周波成分を除去して部分的に抽出されたQチャネルのオフセットを出力するデジタル低域通過フィルタ(デジタルLPF)である。この実施の形態1のオフセット抽出部7およびオフセット抽出部27は、図6に示す従来のオフセット抽出部7およびオフセット抽出部27と異なり、各々、デジタル低域通過フィルタ10およびデジタル低域通過フィルタ30のみから構成されている。
【0022】
51は加算器11からのIチャネルの補正された受信信号および加算器31からのQチャネルの補正された受信信号が入力されてIチャネルの位相回転された受信信号およびQチャネルの位相回転された受信信号を出力する位相回転部である。その他の構成要素は、図6に示す従来のデジタル復調回路の構成要素と等しい。この実施の形態1では、ループフィルタ42、DCO43、およびD/A変換器44がフィードバックループを形成している。
【0023】
次に動作について説明する。
受信信号入力端子1に入力される受信信号として、例えば、以下の式に示すPCMデータでPM変調されたPM変調波を考える。
PM変調波=Asin[ωc t+Δm・d(t)+θc ] (1)
ここで、Aは搬送波の振幅、ωc は搬送波の角周波数(rad/秒)、Δmは変調度(一般的に1.5rad以下)、θc は搬送波の位相(rad)である。また、d(t)はデータ変調成分で、PCMデータが0のとき−1、PCMデータが1のとき+1の値をとる。
【0024】
D/A変換器44を介してDCO43からIQ位相検波器4に供給される再生キャリア信号をcos(ωc t+θ0 )とおくと、再生キャリア信号により受信したPM変調波を同期検波したIQ位相検波器4の出力信号(受信ベースバンド信号)は、以下のようになる。
<Iチャネル出力>
<Qチャネル出力>
【0025】
なお、上記の2つの式では、θe =θc −θ0 とおいており、ここにθe はPM変調波の残留搬送波の位相と再生キャリア信号の位相との差を表している。
【0026】
式(2)および式(3)の中で、2ωc の項は図1のLPF5およびLPF25により除去される。また、データ変調成分であるAcosθe sin[Δm・d(t)]=Ad(t)cosθe sinΔmはd(t)は、ランダムな信号でありDC成分がなく、キャリア再生ループ内のATAN回路41の直前にIチャネル側、およびQチャネル側にそれぞれ設置された、図1に明示されていないLPFによってこのデータ変調成分は除去される。一方、このデータ変調成分は、図1のデータ復調器12で取り出されて、復調データd(t)として出力される。式(2)および式(3)で得られたIチャネルおよびQチャネルの値が「キャリア再生ループを制御するDC成分」に相当する。
【0027】
A/D変換器6およびA/D変換器26は、各々、Iチャネル受信ベースバンド信号およびQチャネル受信ベースバンド信号をアナログ値からデジタル値へ変換する。
【0028】
前述のように、IチャネルおよびQチャネルの出力には、「キャリア再生ループを制御するDC成分」として、
Iチャネルの出力=Asinθe cosΔm (4)
Qチャネルの出力=Acosθe cosΔm (5)
が現れる。
【0029】
次に、IQ位相検波器4の特性から発生するDCオフセットを、IチャネルのDCオフセットおよびQチャネルのDCオフセットを、それぞれΔVI、ΔVQとすると、これらのDCオフセットが上記の式(4)および式(5)で示されたIチャネルの出力およびQチャネルの出力に加えられるので、
Iチャネルの出力=Asinθe cosΔm+ΔVI (6)
Qチャネルの出力=Acosθe cosΔm+ΔVQ (7)
となる。
【0030】
位相回転部51では、以下のような処理を行い、強制的なループ内の位相回転により、IチャネルとQチャネルの出力に、以下の式で表されるビート信号を発生させる。
Iチャネルの出力=Asin(2πΔft+Δθb )・cosΔm+ΔVI(8)
Qチャネルの出力=Acos(2πΔft+Δθb )・cosΔm+ΔVQ(9)
ここで、Δθb はt=0のときの初期位相分の回転量を表し、2πΔftは時間t(秒)が経過したときの位相の回転量を表す。
【0031】
オフセット抽出部7およびオフセット抽出部27は、各々、上記式(8)および式(9)で示されたIチャネルの出力およびQチャネルの出力を時間的に平均する。すると、上記式(8)および式(9)の右辺第一項が0となり、キャリア再生ループがロックオンした状態で、ΔVIおよびΔVQがLPF10およびLPF30の出力として検出される。加算器11および加算器31では、これらのDCオフセットΔVIおよびΔVQをIQ位相検波器のIチャネルの出力およびQチャネルの出力から減算することにより、DCオフセットの補正がされた出力を得る。なお、上式のようなビート信号を発生させても、キャリア再生ループとしては、ATAN41の出力の位相誤差(Δθb −Δθ)が0となるようにループが閉じる。
【0032】
ATAN41は、arc tan(Q/I)を演算し、θe の値を出力する。キャリア再生ループは、このθe =θc −θ0 が0となるように制御されるので、ロックオン状態では入力PM変調波の残留搬送波の位相θc に再生キャリアの位相θ0 が等しくなって、キャリア(搬送波)が再生されたことになる。
【0033】
以上のように、この実施の形態1のデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器4と、アナログのIQ位相検波器4のIチャネル出力およびQチャネル出力の高周波成分を除去するアナログローパスフィルタ5,25と、アナログローパスフィルタ5,25のIチャネル出力およびQチャネル出力をそれぞれA/D変換する手段6,26と、A/D変換後のIチャネルおよびQチャネルデジタルデータのそれぞれからDCオフセット成分を抽出する手段7,27と、IチャネルおよびQチャネルそれぞれにおいて、抽出したDCオフセット成分をA/D変換手段6,26の出力から減算する手段11,31と、減算する手段11,31のIチャネルおよびQチャネルの出力をある一定の周波数でデジタル的に位相回転する手段51と、位相回転する手段51の出力のIチャネル振幅およびQチャネル振幅から、アナログのIQ位相検波器4に入力するデジタル変調波の搬送波と再生キャリアの間の位相差を検出する位相差検出手段41と、位相差検出手段41の出力から再生キャリア信号を生成するフィードバックループとを有する。
【0034】
この実施の形態1のデジタル復調回路は、フィードバックループの再生キャリア信号をアナログのIQ位相検波器4のローカル信号として供給する。
【0035】
この実施の形態1のデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段41の出力の雑音成分を除去するループフィルタ42と、ループフィルタ42の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成するデジタル制御発振器43と、デジタル制御発振器43の出力をD/A変換し、再生キャリア信号とするD/A変換器44とを有する。
【0036】
この実施の形態1のデジタル復調回路は、位相回転する手段51のIチャネルの出力から復調データを生成する復調器12をさらに有する。
【0037】
以上のように、この実施の形態1によれば、デジタル処理により、受信信号の位相を一定の周波数で強制的に回転させ、その結果、IQ位相検波器のベースバンド出力には、ループがロックオン時、正弦波状のビート信号が現れるように構成したので、ループがロックオンしデータを復調している最中でも、IQ位相検波器の出力のDCオフセットを抽出して補正する事ができるので、IQ位相検波器のDCオフセットによる影響を少なくし、ループが安定で誤り率特性の劣化をなくすことができる効果が得られる。
【0038】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2によるデジタル復調回路を示す構成図である。図2において、52はQPSK変調信号を受信する受信信号入力端子である。53は位相回転部51からのIチャネル出力が入力されてIチャネル復調データを出力するIチャネルデータ復調器であり、54はIチャネル復調データの出力端子である。55は位相回転部51からのQチャネル出力が入力されてQチャネル復調データを出力するQチャネルデータ復調器であり、56はQチャネル復調データの出力端子である。その他の構成要素は、図1に示す実施の形態1のデジタル復調回路の構成要素と等しい。この実施の形態2では、ループフィルタ42、DCO43、およびD/A変換器44がフィードバックループを形成している。
【0039】
次に動作について説明する。
実施の形態1と比較してこの実施の形態2の復調回路では、Iチャネルの復調器53およびQチャネルの復調器55を用いて、IチャネルおよびQチャネルのベースバンド信号を復調していること以外は、実施の形態1の復調回路と同様に動作する。
【0040】
実施の形態1はPM変調波の復調回路であるが、この実施の形態2はQPSK変調波の復調回路である。実施の形態1で復調されるPM変調波では、常に残留搬送波成分(無変調の正弦波状の波)が存在し、搬送波再生ループはこの残留搬送波を追尾するため、再生ループがロックオン時、IQ位相検波器の出力には常に位相誤差としてDC成分が現れ、DCカットができないという特徴がある。したがって、DCドリフトがダイレクトに搬送波再生ループに影響するので、実施の形態1がPM変調については常に有効となる。
【0041】
これに対して、QPSK変調波は搬送波残留成分が無く、データ変調の1と0の出現確率が同じであれば、データ変調により平均化されるため、IQ位相検波器の出力にDC成分が現れず、DCカットできるので、この場合、実施の形態1の復調回路を必要としない。しかしながら、QPSK変調波のアプリケーションでは、常にデータ変調の1と0の出現確率が同じでない場合もあり、特にバースト状の信号をやり取りするTDMA(時分割多元接続方式)通信方式では、バースト状の信号の先頭に、同期時間を早めるためのプリアンプルとして、例えば、1が連続する無変調のデータを挿入するので、このような場合には、IQ位相検波器の出力でDCカットできないので、実施の形態1の復調回路をQPSK変調波に対して用いたこの実施の形態2の復調回路が有効となる。
【0042】
以上のように、この実施の形態2のデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器4と、アナログのIQ位相検波器4のIチャネル出力およびQチャネル出力の高周波成分を除去するアナログローパスフィルタ5,25と、アナログローパスフィルタ5,25のIチャネル出力およびQチャネル出力をそれぞれA/D変換する手段6,26と、A/D変換後のIチャネルおよびQチャネルデジタルデータのそれぞれからDCオフセット成分を抽出する手段7,27と、IチャネルおよびQチャネルそれぞれにおいて、抽出したDCオフセット成分をA/D変換手段6,26の出力から減算する手段11,31と、減算する手段11,31のIチャネルおよびQチャネルの出力をある一定の周波数でデジタル的に位相回転する手段51と、位相回転する手段51の出力のIチャネル振幅およびQチャネル振幅から、アナログのIQ位相検波器4に入力するデジタル変調波の搬送波と再生キャリアの間の位相差を検出する位相差検出手段41と、位相差検出手段41の出力から再生キャリア信号を生成するフィードバックループとを有する。
【0043】
この実施の形態2のデジタル復調回路は、フィードバックループの再生キャリア信号をアナログのIQ位相検波器4のローカル信号として供給する。
【0044】
この実施の形態2のデジタル復調回路は、位相回転する手段51のIチャネルの出力からIチャネル復調データを生成するIチャネル復調器53と、位相回転する手段51のQチャネルの出力からQチャネル復調データを生成するQチャネル復調器55とをさらに有する。
【0045】
以上のように、この実施の形態2によれば、デジタル処理により、受信信号の位相を一定の周波数で強制的に回転させ、その結果、IQ位相検波器のベースバンド出力には、ループがロックオン時、正弦波状のビート信号が現れるように構成したので、QPSK変調波のアプリケーションでデータ変調の1と0の出現確率が同じでない場合に、ループがロックオンしデータを復調している最中でも、IQ位相検波器の出力のDCオフセットを抽出して補正する事ができるので、IQ位相検波器のDCオフセットによる影響を少なくし、ループが安定で誤り率特性の劣化をなくすことができる効果が得られる。
【0046】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3によるデジタル復調回路を示す構成図である。図3において、61はATAN41からのデジタルの位相誤差θe が入力されてアナログの位相誤差θe を出力するD/A変換器である。62はアナログの位相誤差θe が入力されて制御電圧を出力するアナログループフィルタである。63は制御電圧が入力されてアナログの再生キャリア信号を出力するアナログ電圧制御発振器である。その他の構成要素は、図1に示す実施の形態1のデジタル復調回路の構成要素と等しい。この実施の形態3では、D/A変換器61、アナログループフィルタ62、およびアナログ電圧制御発振器63がフィードバックループを形成している。
【0047】
次に動作について説明する。
実施の形態1の復調回路がループフィルタおよびデジタル制御発振器をデジタル回路で構成するものであるのに対して、この実施の形態3の復調回路では、図3に示すように、位相誤差検出回路41の出力にD/A変換器61を設けて、ループフィルタおよび電圧制御発振器をアナログ回路で構成した。この構成の相違以外はこの実施の形態3の復調回路は実施の形態1の復調回路と同様に動作する。この実施の形態3の復調回路では、IQ位相検波器4のローカル周波数(再生キャリア信号の周波数)を、実施の形態1の復調回路よりも高い周波数に設定できる。
【0048】
この実施の形態3は実施の形態1のデジタル復調回路に対して、フィードバックループをD/A変換器61、アナログループフィルタ62、およびアナログ電圧制御発振器63で構成するような変更を行なったものであるが、実施の形態2のデジタル復調回路に対しても同様の変更を行なうこともできる。
【0049】
以上のように、この実施の形態3のデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器4と、アナログのIQ位相検波器4のIチャネル出力およびQチャネル出力の高周波成分を除去するアナログローパスフィルタ5,25と、アナログローパスフィルタ5,25のIチャネル出力およびQチャネル出力をそれぞれA/D変換する手段6,26と、A/D変換後のIチャネルおよびQチャネルデジタルデータのそれぞれからDCオフセット成分を抽出する手段7,27と、IチャネルおよびQチャネルそれぞれにおいて、抽出したDCオフセット成分をA/D変換手段6,26の出力から減算する手段11,31と、減算する手段11,31のIチャネルおよびQチャネルの出力をある一定の周波数でデジタル的に位相回転する手段51と、位相回転する手段51の出力のIチャネル振幅およびQチャネル振幅から、アナログのIQ位相検波器4に入力するデジタル変調波の搬送波と再生キャリアの間の位相差を検出する位相差検出手段41と、位相差検出手段41の出力から再生キャリア信号を生成するフィードバックループとを有する。
【0050】
この実施の形態3のデジタル復調回路は、フィードバックループの再生キャリア信号をアナログのIQ位相検波器4のローカル信号として供給する。
【0051】
この実施の形態3のデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段41の出力をD/A変換するD/A変換器61と、D/A変換器61の出力の雑音成分を除去するアナログループフィルタ62と、アナログループフィルタ62の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器63とを有する。
【0052】
この実施の形態3のデジタル復調回路は、位相回転する手段51のIチャネルの出力から復調データを生成する復調器12をさらに有する。
【0053】
以上のように、この実施の形態3によれば、位相誤差検出回路41の出力にD/A変換器61を設けて、ループフィルタおよび電圧制御発振器をアナログ回路で構成したので、IQ位相検波器4のローカル周波数(再生キャリア信号の周波数)を、実施の形態1の復調回路よりも高い周波数に設定できる効果が得られる。
【0054】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4によるデジタル復調回路を示す構成図である。図4において、42はATAN41からのデジタルの位相誤差θe が入力されてデジタルの制御電圧を出力するループフィルタである。44はデジタルの制御電圧が入力されてアナログの制御電圧を出力するD/A変換器である。63はアナログの制御電圧が入力されてアナログの再生キャリア信号を出力するアナログ電圧制御発振器である。その他の構成要素は、図1に示す実施の形態1のデジタル復調回路の構成要素と等しい。この実施の形態3では、ループフィルタ42、D/A変換器44、およびアナログ電圧制御発振器63がフィードバックループを形成している。
【0055】
次に動作について説明する。
実施の形態1の復調回路がループフィルタおよびデジタル制御発振器をデジタル回路で構成するものであるのに対して、この実施の形態4の復調回路では、図4に示すように、デジタルのループフィルタ42の出力にD/A変換器44を設けて、電圧制御発振器をアナログ回路で構成した。この構成の相違以外はこの実施の形態4の復調回路は実施の形態1の復調回路と同様に動作する。この実施の形態4も、実施形態3と同様に、IQ位相検波器4のローカル周波数(再生キャリア信号の周波数)を、実施の形態1よりも高い周波数に設定できる。
【0056】
この実施の形態4は実施の形態1のデジタル復調回路に対して、フィードバックループをループフィルタ42、D/A変換器44、およびアナログ電圧制御発振器63で構成するような変更を行なったものであるが、実施の形態2のデジタル復調回路に対しても同様の変更を行なうこともできる。
【0057】
以上のように、この実施の形態4のデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器4と、アナログのIQ位相検波器4のIチャネル出力およびQチャネル出力の高周波成分を除去するアナログローパスフィルタ5,25と、アナログローパスフィルタ5,25のIチャネル出力およびQチャネル出力をそれぞれA/D変換する手段6,26と、A/D変換後のIチャネルおよびQチャネルデジタルデータのそれぞれからDCオフセット成分を抽出する手段7,27と、IチャネルおよびQチャネルそれぞれにおいて、抽出したDCオフセット成分をA/D変換手段6,26の出力から減算する手段11,31と、減算する手段11,31のIチャネルおよびQチャネルの出力をある一定の周波数でデジタル的に位相回転する手段51と、位相回転する手段51の出力のIチャネル振幅およびQチャネル振幅から、アナログのIQ位相検波器4に入力するデジタル変調波の搬送波と再生キャリアの間の位相差を検出する位相差検出手段41と、位相差検出手段41の出力から再生キャリア信号を生成するフィードバックループとを有する。
【0058】
この実施の形態4のデジタル復調回路は、フィードバックループの再生キャリア信号をアナログのIQ位相検波器4のローカル信号として供給する。
【0059】
この実施の形態4のデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段41の出力の雑音成分を除去するループフィルタ42と、ループフィルタ42の出力をD/A変換するD/A変換器44と、D/A変換器44の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器63とを有する。
【0060】
この実施の形態4のデジタル復調回路は、位相回転する手段51のIチャネルの出力から復調データを生成する復調器12をさらに有する。
【0061】
以上のように、この実施の形態4によれば、デジタルのループフィルタ42の出力にD/A変換器44を設けて、電圧制御発振器をアナログ回路で構成したので、IQ位相検波器4のローカル周波数(再生キャリア信号の周波数)を、実施の形態1よりも高い周波数に設定できる効果が得られる。
【0062】
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5によるデジタル復調回路を示す構成図である。図5において、71はIQ位相検波器4へのローカル信号を出力するローカル発振器である。72は受信信号入力端子からのPM変調信号とD/A変換器44からの再生キャリア信号とが入力されて、周波数変換されたPM変調信号を出力するミキサである。73は周波数変換されたPM変調信号が入力されて帯域が制限されたPM変調信号を出力する帯域通過フィルタ(BPF)である。その他の構成要素は、図1に示す実施の形態1のデジタル復調回路の構成要素と等しい。
【0063】
次に動作について説明する。
実施の形態1では、IQ位相検波器4のローカル信号としてD/A変換器44の出力信号を用いたが、この実施の形態5では、図5に示すようにIQ位相検波器4のローカル信号としてローカル発振器71の出力信号を用い、受信PM変調波信号をIF帯でミキサ72により周波数変換してからBPF73を介してIQ位相検波器に入力した。この構成の相違以外はこの実施の形態5の復調回路は実施の形態1の復調回路と同様に動作する。上記発明の実施の形態1と同様の効果を奏する。このような実施の形態5の構成により、IQ位相検波器4への入力信号の周波数を最適化できる。
【0064】
この実施の形態5は、実施の形態1の復調回路に対して、IQ位相検波器4へのローカル信号をローカル発振器71から供給し、受信変調波信号を周波数変換するミキサ72へのローカル信号としてフィードバックループの出力信号であるD/A変換器44の出力信号を供給し、ミキサ72の出力信号をBPF73を介してIQ位相検波器4へ供給するような変更を行なったものである。同様の変更を実施の形態2、実施の形態3、および実施の形態4の復調回路に行なうこともできる。
【0065】
以上のように、この実施の形態5のデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器4と、アナログのIQ位相検波器4のIチャネル出力およびQチャネル出力の高周波成分を除去するアナログローパスフィルタ5,25と、アナログローパスフィルタ5,25のIチャネル出力およびQチャネル出力をそれぞれA/D変換する手段6,26と、A/D変換後のIチャネルおよびQチャネルデジタルデータのそれぞれからDCオフセット成分を抽出する手段7,27と、IチャネルおよびQチャネルそれぞれにおいて、抽出したDCオフセット成分をA/D変換手段6,26の出力から減算する手段11,31と、減算する手段11,31のIチャネルおよびQチャネルの出力をある一定の周波数でデジタル的に位相回転する手段51と、位相回転する手段51の出力のIチャネル振幅およびQチャネル振幅から、アナログのIQ位相検波器4に入力するデジタル変調波の搬送波と再生キャリアの間の位相差を検出する位相差検出手段41と、位相差検出手段41の出力から再生キャリア信号を生成するフィードバックループとを有する。
【0066】
この実施の形態5のデジタル復調回路は、アナログのIQ位相検波器4のローカル信号を供給するローカル発振器71と、受信変調波信号を周波数変換するミキサ72と、ミキサ72の出力を高調波成分を制限するBPF73とをさらに有し、フィードバックループの再生キャリア信号をミキサ72のローカル信号として供給し、BPF73の出力をアナログのIQ位相検波器4の入力として供給する。
【0067】
この実施の形態5のデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段41の出力の雑音成分を除去するループフィルタ42と、ループフィルタ42の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成するデジタル制御発振器43と、デジタル制御発振器43の出力をD/A変換し、再生キャリア信号とするD/A変換器44とを有する。
【0068】
この実施の形態5のデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段41の出力をD/A変換するD/A変換器61と、D/A変換器61の出力の雑音成分を除去するアナログループフィルタ62と、アナログループフィルタ62の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器63とを有する。
【0069】
この実施の形態5のデジタル復調回路は、フィードバックループが、位相差検出手段41の出力の雑音成分を除去するループフィルタ42と、ループフィルタ42の出力をD/A変換するD/A変換器44と、D/A変換器44の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器63とを有する。
【0070】
この実施の形態5のデジタル復調回路は、位相回転する手段51のIチャネルの出力から復調データを生成する復調器12をさらに有する。
【0071】
この実施の形態5のデジタル復調回路は、位相回転する手段51のIチャネルの出力からIチャネル復調データを生成するIチャネル復調器53と、位相回転する手段51のQチャネルの出力からQチャネル復調データを生成するQチャネル復調器55とをさらに有する。
【0072】
以上のように、この実施の形態5によれば、IQ位相検波器4のローカル信号としてローカル発振器71の出力信号を用い、受信PM変調波信号をIF帯でミキサ72により周波数変換してからBPF73を介してIQ位相検波器に入力するように構成したので、IQ位相検波器4への入力信号の周波数を最適化できる効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、デジタル処理により、受信信号の位相を一定の周波数で強制的に回転させ、その結果、IQ位相検波器のベースバンド出力には、ループがロックオン時、正弦波状のビート信号が現れるように構成したので、ループがロックオンしデータを復調している最中でも、IQ位相検波器の出力のDCオフセットを抽出して補正する事ができるので、IQ位相検波器のDCオフセットによる影響を少なくし、ループが安定で誤り率特性の劣化をなくすことができる効果がある。
【0074】
この発明によれば、デジタル処理により、受信信号の位相を一定の周波数で強制的に回転させ、その結果、IQ位相検波器のベースバンド出力には、ループがロックオン時、正弦波状のビート信号が現れるように構成したので、QPSK変調波のアプリケーションでデータ変調の1と0の出現確率が同じでない場合に、ループがロックオンしデータを復調している最中でも、IQ位相検波器の出力のDCオフセットを抽出して補正する事ができるので、IQ位相検波器のDCオフセットによる影響を少なくし、ループが安定で誤り率特性の劣化をなくすことができる効果がある。
【0075】
この発明によれば、位相誤差検出回路の出力にD/A変換器を設けて、ループフィルタおよび電圧制御発振器をアナログ回路で構成したので、IQ位相検波器のローカル周波数(再生キャリア信号の周波数)をより高い周波数に設定できる効果がある。
【0076】
この発明によれば、デジタルのループフィルタの出力にD/A変換器を設けて、電圧制御発振器をアナログ回路で構成したので、IQ位相検波器のローカル周波数(再生キャリア信号の周波数)をより高い周波数に設定できる効果がある。
【0077】
この発明によれば、IQ位相検波器のローカル信号としてローカル発振器の出力信号を用い、受信PM変調波信号をIF帯でミキサにより周波数変換してからBPFを介してIQ位相検波器に入力するように構成したので、IQ位相検波器への入力信号の周波数を最適化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるデジタル復調回路を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2によるデジタル復調回路を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態3によるデジタル復調回路を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態4によるデジタル復調回路を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態5によるデジタル復調回路を示す構成図である。
【図6】 従来のデジタル復調回路を示す構成図である。
【符号の説明】
1 受信信号入力端子、2 スイッチ、3 入力端子、4 IQ位相検波器、5 LPF、6 A/D変換器、7 オフセット抽出部、8 スイッチ、9 入力端子、10 LPF、11 加算器、12 データ復調器、13 出力端子、25 LPF、26 A/D変換器、27 オフセット抽出部、28 スイッチ、30 LPF、31 加算器、41 ATAN、42 ループフィルタ、43DCO、44 D/A変換器、51 位相回転部、52 受信信号入力端子、53 Iチャネルデータ復調器、54 出力端子、55 Qチャネルデータ復調器、56 出力端子、61 D/A変換器、62 アナログループフィルタ、63 アナログ電圧制御発振器、71 ローカル発振器、72 ミキサ、73 BPF。
Claims (11)
- アナログのIQ位相検波器と、
上記アナログのIQ位相検波器のIチャネル出力およびQチャネル出力の高周波成分を除去するアナログローパスフィルタと、
上記アナログローパスフィルタのIチャネル出力およびQチャネル出力をそれぞれA/D変換する手段と、
A/D変換後のIチャネル受信ベースバンド信号をデジタル低域通過フイルタで高周波成分を除去してIチャネルのオフセット成分を抽出する手段およびA/D変換後のQチャネル受信ベースバンド信号をデジタル低域通過フイルタで高周波成分を除去してQチャネルのオフセット成分を抽出する手段と、
IチャネルおよびQチャネルそれぞれにおいて、抽出したDCオフセット成分を上記A/D変換手段の出力から減算する手段と、
上記減算する手段のIチャネルおよびQチャネルの出力をある一定の周波数でデジタル的に位相回転する手段と、
上記位相回転する手段の出力のIチャネル振幅およびQチャネル振幅から、上記アナログのIQ位相検波器に入力するデジタル変調波の搬送波と再生キャリアの間の位相差を検出する位相差検出手段と、
上記位相差検出手段の出力から再生キャリア信号を生成するフィードバックループとを有することを特徴とするデジタル復調回路。 - フィードバックループの再生キャリア信号をアナログのIQ位相検波器のローカル信号として供給することを特徴とする請求項1記載のデジタル復調回路。
- フィードバックループが、
位相差検出手段の出力の雑音成分を除去するループフィルタと、
上記ループフィルタの出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成するデジタル制御発振器と、
上記デジタル制御発振器の出力をD/A変換し、再生キャリア信号とするD/A変換器とを有することを特徴とする請求項2記載のデジタル復調回路。 - フィードバックループが、
位相差検出手段の出力をD/A変換するD/A変換器と、
上記D/A変換器の出力の雑音成分を除去するアナログループフィルタと、
上記アナログループフィルタの出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器とを有することを特徴とする請求項2記載のデジタル復調回路。 - フィードバックループが、
位相差検出手段の出力の雑音成分を除去するループフィルタと、
上記ループフィルタの出力をD/A変換するD/A変換器と、
上記D/A変換器の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器とを有することを特徴とする請求項2記載のデジタル復調回路。 - アナログのIQ位相検波器のローカル信号を供給するローカル発振器と、
受信変調波信号を周波数変換するミキサと、
上記ミキサの出力を高調波成分を制限するBPFとをさらに有し、
フィードバックループの再生キャリア信号を上記ミキサのローカル信号として供給し、
上記BPFの出力を上記アナログのIQ位相検波器の入力として供給することを特徴とする請求項1記載のデジタル復調回路。 - フィードバックループが、
位相差検出手段の出力の雑音成分を除去するループフィルタと、
上記ループフィルタの出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成するデジタル制御発振器と、
上記デジタル制御発振器の出力をD/A変換し、再生キャリア信号とするD/A変換器とを有することを特徴とする請求項6記載のデジタル復調回路。 - フィードバックループが、
位相差検出手段の出力をD/A変換するD/A変換器と、
上記D/A変換器の出力の雑音成分を除去するアナログループフィルタと、
上記アナログループフィルタの出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器とを有することを特徴とする請求項6記載のデジタル復調回路。 - フィードバックループが、
位相差検出手段の出力の雑音成分を除去するループフィルタと、
上記ループフィルタの出力をD/A変換するD/A変換器と、
上記D/A変換器の出力に応じて、発振周波数および位相が制御される出力を生成して再生キャリア信号として出力するアナログ電圧制御発振器とを有することを特徴とする請求項6記載のデジタル復調回路。 - 位相回転する手段のIチャネルの出力から復調データを生成する復調器をさらに有することを特徴とする請求項3から請求項9のうちのいずれか1項記載のデジタル復調回路。
- 位相回転する手段のIチャネルの出力からIチャネル復調データを生成するIチャネル復調器と、
上記位相回転する手段のQチャネルの出力からQチャネル復調データを生成するQチャネル復調器とをさらに有することを特徴とする請求項3から請求項9のうちのいずれか1項記載のデジタル復調回路。
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