JP3693743B2 - 動圧軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、潤滑剤の洩れを防止する構造を有する動圧軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動圧軸受としては、図5に示すように、光・磁気ディスク駆動装置等の記録ディスクの回転駆動を行うスピンドルモータに組み込まれたものがある。例えばステンレス鋼製軸101と例えば銅基合金製スリーブ102とが上記動圧軸受を構成している。そして、スリーブ102にはマグネット103が固定されており、軸101の根元部105は例えばアルミ合金製円板部材106に嵌合されて固定されている。この円板部材106にはマグネット103に対向するように磁気コイル107が固定されている。
【0003】
上記軸101は、軸方向の一端に形成された小径部110とこの小径部110に隣接するフランジ部111とこのフランジ部111に隣接する大径部112とを有している。この大径部112の外周面には周方向に並ぶようにV字形状,ヘリングボーン形状あるいはダブルヘリカル形状の動圧溝113が形成されている。上記軸101の小径部110には、スリーブ102の蓋部(スラストカバー)115が対向しており、軸101の大径部112には、スリーブ102の内筒部116が対向している。上記スリーブ102の蓋部(スラストカバー)115と内筒部116とは、軸101のフランジ部111を挟んで対向している。そして、フランジ部111の軸方向面111Aにはアキシャル支持用の動圧溝117が形成されている。
【0004】
上記スピンドルモータは、上記磁気コイル107が発生する回転磁界によってマグネット103とスリーブ102とが一体に回転する。すると、軸101の大径部112に形成された動圧溝113が潤滑流体としての油に径方向の動圧を発生させて、軸101に対してスリーブ102を径方向に支持する。一方、軸101のフランジ部111に形成された動圧溝117は潤滑流体に軸方向の動圧を発生させて、軸101に対してスリーブ102を軸方向に支持する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記動圧軸受は、蓋部115の貫通孔120に小径部111を嵌入させて、上部に蓋を設けていない構造にしているから、軸方向寸法が小さくて済む。
【0006】
ところが、この貫通孔120が外部に開放しているために、この貫通孔120から潤滑流体としての油が外部に漏れ出す恐れがある。例えば、動圧軸受の組み立て時やモータ回転時に動圧軸受の油に空気が混入することがある。こうした場合、動圧軸受部位の温度上昇や、動圧軸受部位に対してモータ外部等が低圧になると、大幅に上記空気が膨張して、動圧軸受から外部へ油が押し出されて、油漏れが発生する。また一方で、何等かの理由により、モータ外部から衝撃荷重や遠心力がモータに加わることがある。この場合も、動圧軸受部で保持しきれなくなった油が飛散して油漏れを起こす原因となる。
【0007】
油漏れが発生すると、流体動圧軸受に保持される油量が減少して、精度良く、かつ、安定した軸受支持が困難となり、しかも軸受寿命を著しく低下させる。加えて、モータ外部へ漏出した油がディスク収容室を汚染してディスクの読み書き障害を引き起こす要因となる。本発明は、従来技術に存した上記のような問題点に鑑み行われたものであって、その課題とするところは、モータ内外部の気圧差やモータ外部から加わる荷重等に起因した潤滑流体の漏出を、簡単な構成によって解消できる動圧軸受を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の動圧軸受は、軸方向の一端面から他端面に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられたフランジ部を有する軸と、この軸の一端部が嵌入する貫通孔を有するスリーブとを備え、このスリーブが回転する動圧軸受において、
軸方向の一方を向いた上記フランジ部の軸方向面もしくはこの軸方向面に対向しているスリーブの軸受面に形成されたアキシャル支持用の動圧溝と、このアキシャル支持用の動圧溝に対向しているスリーブの軸受面もしくはフランジ部の軸方向面とが構成するアキシャル支持部と、
上記フランジ部の一端側に隣接した軸の周面と、この周面に対向するスリーブの内周面とが構成する環状細路と、
上記環状細路の軸方向の一方側に隣接していて径方向外方に窪んでおり、軸方向の一端に向かって先細りのスリーブの円錐台状内周面が構成する潤滑剤溜まりとを備えたことを特徴としている。
【0009】
この請求項1の発明によれば、スリーブが回転すると、アキシャル支持部の動圧溝が、フランジ部の軸方向面とスリーブの軸受面との間に存する潤滑剤に軸方向の動圧を発生させて、スリーブを軸に対して軸方向に支持する。
【0010】
このとき、上記アキシャル支持部に隣接する環状細路が、上記アキシャル支持部からの潤滑剤の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路を通過して、潤滑剤溜まりに達した潤滑剤は、スリーブの回転による遠心力を受けて、スリーブの円錐状内周面に沿ってアキシャル支持部に向かって移動させられる。したがって、潤滑剤が潤滑剤溜まりから軸方向外側に漏れることを防止できる。したがって、請求項1の発明によれば、スリーブの貫通孔から潤滑剤が漏れ出すことを防止できる。
【0011】
また、請求項2の発明は、軸方向の一端面から他端面に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられたフランジ部を有する軸と、この軸の一端部が嵌入する貫通孔を有するスリーブとを備え、このスリーブが回転する動圧軸受において、
軸方向の一方を向いた上記フランジ部の軸方向面もしくはこの軸方向面に対向しているスリーブの軸受面に形成されたアキシャル支持用の動圧溝と、このアキシャル支持用の動圧溝に対向しているスリーブの軸受面もしくはフランジ部の軸方向面とが構成するアキシャル支持部と、
上記フランジ部の一端側に隣接した軸の周面と、この周面に対向するスリーブの内周面とが構成する環状細路と、
上記環状細路の軸方向の一方側に隣接していて径方向外方に窪んでいる潤滑剤溜まりと、
上記環状細路の径方向外方で上記潤滑剤溜まりから上記スリーブの軸受面に貫通していて、上記潤滑剤溜まりから上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔とを備えていることを特徴としている。
【0012】
この請求項2の発明によれば、スリーブが回転すると、アキシャル支持部の動圧溝が、フランジ部の軸方向面とスリーブの軸受面との間に存する潤滑剤に軸方向の動圧を発生させて、スリーブを軸に対して軸方向に支持する。
【0013】
このとき、上記アキシャル支持部に隣接する環状細路が、上記アキシャル支持部からの潤滑剤の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路を通過して、潤滑剤溜まりに達した潤滑剤は、スリーブの回転による遠心力を受けて、上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔を通ってアキシャル支持部に向かって戻される。したがって、潤滑剤が潤滑剤溜まりから軸方向外側に漏れることを防止できる。したがって、請求項2の発明によれば、スリーブの貫通孔から潤滑流体が漏れ出すことを防止できる。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の動圧軸受において、上記環状細路の径方向外方で上記潤滑剤溜まりから上記スリーブの軸受面に貫通していて、上記潤滑剤溜まりから上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔とを備えていることを特徴としている。
【0015】
この請求項3の発明によれば、アキシャル支持部に隣接する環状細路がアキシャル支持部からの潤滑剤のもれを防ぐ。万一、この環状細路を通過して潤滑剤溜まりに達した潤滑剤は、スリーブの回転による遠心力を受けてスリーブの円錐台状内周面に沿ってアキシャル支持部に向かって移動させられて、上記傾斜貫通孔を通ってアキシャル支持部に戻される。したがって、請求項3の発明によれば、万一、環状細路を通過した潤滑剤を遠心力を利用して、アキシャル支持部に戻すことができ、潤滑剤の漏れを一層確実に防止することができる。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の動圧軸受において、
上記軸の一端部の周面と上記スリーブの貫通孔の周面とが形成する筒状細路を備えたことを特徴としている。
【0017】
したがって、この請求項4の発明によれば、上記環状細路が、上記潤滑剤溜まりから潤滑剤が軸方向外側に漏れ出そうとするのを防ぐから、潤滑剤の漏れを一層確実に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0019】
〔第1の実施の形態〕
図1にこの発明の動圧軸受の第1の実施の形態の要部断面を示す。この実施の形態は、フランジ部1を有する軸2と、この軸2の一端部2Aが嵌入する貫通孔3を有するスリーブ5とを備えている。上記フランジ部1は軸2の軸方向の一端から他端に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられている。
【0020】
上記フランジ部1の軸方向の一方を向いた軸方向面1Aにはアキシャル支持用のヘリンボーンタイプの動圧溝6が形成されている。そして、このフランジ部1の動圧溝6には、スリーブ5の軸受面7が対向している(対向すきまは5〜20μm)。この軸受面7と上記軸方向面1Aとがアキシャル支持部9を構成しており、軸受面7と軸方向面1Aとの間には潤滑剤8が充填されている。
【0021】
また、上記フランジ部1の一端側に隣接した軸2の周面10Aと、この周面10Aに対向するスリーブ5の内周面11とが環状細路12(間隙寸法は30〜70μm)を構成している。また、この環状細路12の軸方向の一方側に隣接して、スリーブ5に円錐台状内周面13が形成されている。この円錐台状内周面13は、径方向外方に窪んでおり、軸方向の一端に向かって先細りになっている。軸心に対する勾配は10〜45度の範囲であり、最大間隙寸法は約2mmである。この円錐台状内周面13が潤滑剤溜まり14を構成している。
【0022】
また、この実施の形態は、上記軸1の周面10Bと上記スリーブ5の貫通孔3の周面15とが形成する筒状細路16を有している。
【0023】
なお、図1において、上記フランジ部1の軸方向の中心を通っている面17よりも下の部分は、面17よりも上の図に示されている部分と対称な形状になっていてもよいし、従来の図5に示したフランジの下の部分と同様の構造になっていてもよい。さらに、スリーブ貫通孔3あるいはそれに対向する軸周面10Bのいずれかに撥油剤を塗布すれば油漏出防止の点でより望ましい。
【0024】
上記構成の動圧軸受は、軸1の中心軸を中心にして、スリーブ5が回転すると、アキシャル支持部9の動圧溝6が、フランジ部1の軸方向面1Aとスリーブ5の軸受面7との間に存する潤滑剤8に軸方向の動圧を発生させて、スリーブ5を軸1に対して軸方向に支持する。
【0025】
このとき、上記アキシャル支持部9に隣接する環状細路12が、上記アキシャル支持部9からの潤滑剤8の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路12を通過して、潤滑剤溜まり14に達した潤滑剤8は、スリーブ5の回転による遠心力を受けて、スリーブ5の円錐台状内周面13に沿ってアキシャル支持部9に向かって移動させられる。したがって、潤滑剤8が潤滑剤溜まり14から軸方向外側に漏れることを防止できる。したがって、この実施の形態によれば、スリーブ5の貫通孔3から潤滑剤8が漏れ出すことを防止できる。
【0026】
また、この実施の形態は、上記潤滑剤溜まり14に隣接した最も外側の筒状細路16を有しているから、この環状細路16が、潤滑剤溜まり14から潤滑剤8が軸方向外側に漏れ出そうとするのを防ぐ。したがって、潤滑剤8の漏れを一層確実に防止することができる。
【0027】
〔第2の実施の形態〕
次に、図2に、第2の実施の形態を示す。この実施の形態は、フランジ部21を有する軸22と、この軸22の一端部22Aが嵌入する貫通孔23を有するスリーブ25とを備えている。上記フランジ部21は軸22の軸方向の一端から他端に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられている。
【0028】
上記フランジ部21の軸方向の一方を向いた軸方向面21Aにはアキシャル支持用のヘリンボーンタイプの動圧溝26が形成されている。そして、このフランジ部21の動圧溝26には、スリーブ25の軸受面27が対向している。この軸受面27と軸方向面1Aとがアキシャル支持部24を構成しており、軸受面27と軸方向面1Aとの間には潤滑剤28が充填されている。
【0029】
また、上記フランジ部21の一端側に隣接した軸22の周面30Aと、この周面30に対向するスリーブ25の内周面31とが環状細路32を構成している。また、この環状細路32の軸方向の一方側に隣接して、内周面31よりも大径の円筒形状の内周面33がスリーブ25に形成されている。内周面33の最大間隙寸法は0.5〜1mmに設定される。この内周面33は、上記貫通孔23に連なっており、貫通孔23と同径である。この内周面33と貫通孔23とが潤滑剤溜まり35を構成している。
【0030】
また、この実施の形態は、上記環状細路32の径方向外方で上記潤滑剤溜まり35から軸受面27に貫通している傾斜貫通孔36を有している。この傾斜貫通孔36は上記潤滑剤溜まり35の径方向の最も外側かつ軸方向の最も内側の箇所から径方向外方かつ軸方向内方に向かって斜めに延びている。
【0031】
なお、図2において、上記フランジ部21の軸方向の中心を通っている面37よりも下の部分は、面37よりも上の図に示されている部分と対称な形状になっていてもよいし、従来の図5に示したフランジの下の部分と同様の構造になっていてもよい。
【0032】
上記構成の動圧軸受は、スリーブ25が軸22の中心軸を中心にして回転すると、アキシャル支持部24の動圧溝26が、フランジ部21の軸方向面21Aとスリーブ25の軸受面27との間に存する潤滑剤28に軸方向の動圧を発生させて、スリーブ25を軸22に対して軸方向に支持する。
【0033】
このとき、上記アキシャル支持部24に隣接する環状細路32が、アキシャル支持部24からの潤滑剤28の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路32を通過して、潤滑剤溜まり35に達した潤滑剤は、スリーブ25の回転による遠心力を受けて、上記軸受面27に向かって径方向外方に斜めに延びている傾斜貫通孔36を通ってアキシャル支持部24に向かって戻される。したがって、潤滑剤28が潤滑剤溜まり35から軸方向外側に漏れることを防止できる。したがって、この実施の形態によれば、スリーブ25の貫通孔23から潤滑剤28が漏れ出すことを防止できる。
【0034】
〔第3の実施の形態〕
次に、図3に、この発明の第3の実施の形態の要部断面を示す。この実施の形態は、フランジ部41を有する軸42と、この軸42の一端部42Aが嵌入する貫通孔43を有するスリーブ45とを備えている。上記フランジ部41は軸42の軸方向の一端から他端に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられている。
【0035】
上記フランジ部41の軸方向の一方を向いた軸方向面41Aにはアキシャル支持用のヘリンボーンタイプの動圧溝46が形成されている。そして、このフランジ部41の動圧溝46には、スリーブ45の軸受面47が対向している。この軸受面47と軸方向面41Aとがアキシャル支持部44を構成している。上記軸受面47と軸方向面41Aとの間には潤滑剤48が充填されている。
【0036】
また、上記フランジ部41の一端側に隣接した軸42の周面50Aと、この周面50Aに対向するスリーブ45の内周面51とが環状細路52を構成している。また、この環状細路52の軸方向の一方側に隣接して、内周面51よりも大径で、円錐台形状の内周面53がスリーブ45に形成されている。この内周面53は潤滑剤溜まり55を構成している。
【0037】
また、この実施の形態は、上記環状細路52の径方向外方で上記潤滑剤溜まり55から軸受面47に貫通している傾斜貫通孔56を有している。この傾斜貫通孔56は上記潤滑剤溜まり55の径方向の最も外側かつ軸方向の最も内側の箇所から径方向外方かつ軸方向内方に向かって斜めに延びている。
【0038】
なお、図3において、上記フランジ部41の軸方向の中心を通っている面57よりも下の部分は、面57よりも上の図に示されている部分と対称な形状になっていてもよいし、従来の図5に示したフランジの下の部分と同様の構造になっていてもよい。
【0039】
上記構成の動圧軸受は、軸41の中心軸を中心にして、スリーブ45が回転すると、アキシャル支持部44の動圧溝46が、フランジ部41の軸方向面41Aとスリーブ45の軸受面47との間に存する潤滑剤48に軸方向の動圧を発生させて、スリーブ45を軸41に対して軸方向に支持する。
【0040】
このとき、上記アキシャル支持部44に隣接する環状細路52が、上記アキシャル支持部44からの潤滑剤48の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路52を通過して、潤滑剤溜まり55に達した潤滑剤48は、スリーブ45の回転による遠心力を受けて、スリーブ45の円錐台状内周面53に沿ってアキシャル支持部44に向かって移動させられる。そしてさらに、上記潤滑剤48は、軸受面27に向かって斜めに延びている傾斜貫通孔56を通ってアキシャル支持部44に向かって戻される。したがって、この実施の形態によれば、潤滑剤溜まり55の軸方向外側の貫通孔43から潤滑剤48が漏れ出すことを、遠心力を利用して確実に防止できる。
【0041】
また、上記傾斜貫通孔56は、上記円錐台形状の内周面53に連なっていて傾斜角度が同じだから、傾斜貫通孔56の作製が容易であるという利点がある。
【0042】
〔第4の実施の形態〕
次に、図4に、この発明の動圧軸受の第4の実施の形態の要部断面を示す。この実施の形態は、フランジ部61を有する軸62と、この軸62の一端部62Aが嵌入する貫通孔63を有するスリーブ65とを備えている。スリーブ65はスリーブ本体65Aとこの本体65Aの軸方向の一端面65A‐1に固定された蓋部65Bとを有している。そして、上記貫通孔63は上記蓋部65Bに形成されている。
【0043】
また、上記フランジ部61は軸62の軸方向の一端から他端に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられている。上記フランジ部61の軸方向の一方を向いた軸方向面61Aにはアキシャル支持用のヘリンボーンタイプの動圧溝66が形成されている。そして、このフランジ部61の動圧溝66には、スリーブ65の軸受面67が対向している。この軸受面67と軸方向面61Aとがアキシャル支持部64を構成している。上記軸受面67と軸方向面61Aとの間には潤滑剤68が充填されている。
【0044】
また、上記フランジ部61の一端側に隣接した軸62の周面70Aと、この周面70Aに対向するスリーブ65の内周面71とが環状細路72を構成している。また、この環状細路72の軸方向の一方側に隣接して、内周面71よりも大径で、円錐台形状の内周面73がスリーブ65に形成されている。この内周面73は潤滑剤溜まり75を構成している。
【0045】
また、この実施の形態は、上記環状細路72の径方向外方で上記潤滑剤溜まり75から軸受面67に貫通している傾斜貫通孔76を有している。この傾斜貫通孔76は上記潤滑剤溜まり75の径方向の最も外側かつ軸方向の最も内側の箇所から径方向外方かつ軸方向内方に向かって斜めに延びている。
【0046】
また、この実施の形態は、上記軸62の周面70Bと上記スリーブ65の蓋部65Bの貫通孔63の周面63Aとが形成する筒状細路77を有している。細路77の間隙寸法は30〜70μmに設定される。
【0047】
なお、図4において、上記フランジ部61の軸方向の中心を通っている面78よりも下の部分は、面78よりも上の図に示されている部分と対称な形状になっていてもよいし、従来の図5に示したフランジの下の部分と同様の構造になっていてもよい。
【0048】
上記構成の動圧軸受は、軸62の中心軸を中心にして、スリーブ65が回転すると、アキシャル支持部64の動圧溝66が、フランジ部61の軸方向面61Aとスリーブ65の軸受面67との間に存する潤滑剤68に軸方向の動圧を発生させて、スリーブ65を軸62に対して軸方向に支持する。
【0049】
このとき、上記アキシャル支持部64に隣接する環状細路72が、上記アキシャル支持部64からの潤滑剤68の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路72を通過して、潤滑剤溜まり75に達した潤滑剤68は、スリーブ65の回転による遠心力を受けて、スリーブ65の円錐台状内周面73に沿ってアキシャル支持部64に向かって移動させられる。そしてさらに、上記潤滑剤68は、軸受面67に向かって斜めに延びている傾斜貫通孔76を通ってアキシャル支持部64に向かって戻される。したがって、この実施の形態によれば、潤滑剤溜まり75の軸方向外側の貫通孔63から潤滑剤68が漏れ出すことを、遠心力を利用して確実に防止できる。
【0050】
さらには、上記潤滑剤溜まり75から軸方向外側に漏れ出そうとする潤滑剤68は、上記蓋部65Bの周面63Aと軸62の周面70とが構成する筒状細路77でもって外部への漏れ出しが防止される。
【0051】
なお、上記第1〜第4の実施の形態では、軸のフランジ部の軸方向面に動圧溝を形成したが、フランジ部の軸方向面に対向するスリーブの軸受面に動圧溝が形成されていてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の動圧軸受は、軸方向の一端面から他端面に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられたフランジ部を有する軸と、この軸の一端部が嵌入する貫通孔を有するスリーブとを備え、このスリーブが回転する動圧軸受において、軸方向の一方を向いた上記フランジ部の軸方向面もしくはこの軸方向面に対向しているスリーブの軸受面に形成されたアキシャル支持用の動圧溝と、このアキシャル支持用の動圧溝に対向しているスリーブの軸受面もしくはフランジ部の軸方向面とが構成するアキシャル支持部と、上記フランジ部の一端側に隣接した軸の周面と、この周面に対向するスリーブの内周面とが構成する環状細路と、上記環状細路の軸方向の一方側に隣接していて径方向外方に窪んでおり、軸方向の一端に向かって先細りのスリーブの円錐台状内周面が構成する潤滑剤溜まりとを備えている。
【0053】
この請求項1の発明によれば、上記アキシャル支持部に隣接する環状細路が、上記アキシャル支持部からの潤滑剤の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路を通過して、潤滑剤溜まりに達した潤滑剤は、スリーブの回転による遠心力を受けて、スリーブの円錐状内周面に沿ってアキシャル支持部に向かって移動させられる。したがって、潤滑剤が潤滑剤溜まりから軸方向外側に漏れることを防止できる。したがって、請求項1の発明によれば、スリーブの貫通孔から潤滑剤が漏れ出すことを防止できる。
【0054】
また、請求項2の発明は、軸方向の一端面から他端面に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられたフランジ部を有する軸と、この軸の一端部が嵌入する貫通孔を有するスリーブとを備え、このスリーブが回転する動圧軸受において、軸方向の一方を向いた上記フランジ部の軸方向面もしくはこの軸方向面に対向しているスリーブの軸受面に形成されたアキシャル支持用の動圧溝と、このアキシャル支持用の動圧溝に対向しているスリーブの軸受面もしくはフランジ部の軸方向面とが構成するアキシャル支持部と、上記フランジ部の一端側に隣接した軸の周面と、この周面に対向するスリーブの内周面とが構成する環状細路と、上記環状細路の軸方向の一方側に隣接していて径方向外方に窪んでいる潤滑剤溜まりと、上記環状細路の径方向外方で上記潤滑剤溜まりから上記スリーブの軸受面に貫通していて、上記潤滑剤溜まりから上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔とを備えている。
【0055】
この請求項2の発明によれば、上記アキシャル支持部に隣接する環状細路が、上記アキシャル支持部からの潤滑剤の漏れを防ぐ。また、万一、この環状細路を通過して、潤滑剤溜まりに達した潤滑剤は、スリーブの回転による遠心力を受けて、上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔を通ってアキシャル支持部に向かって戻される。したがって、潤滑剤が潤滑剤溜まりから軸方向外側に漏れることを防止できる。したがって、請求項2の発明によれば、スリーブの貫通孔から潤滑流体が漏れ出すことを防止できる。
【0056】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の動圧軸受において、上記環状細路の径方向外方で上記潤滑剤溜まりから上記スリーブの軸受面に貫通していて、上記潤滑剤溜まりから上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔とを備えている。
【0057】
この請求項3の発明によれば、アキシャル支持部に隣接する環状細路がアキシャル支持部からの潤滑剤のもれを防ぐ。万一、この環状細路を通過して潤滑剤溜まりに達した潤滑剤は、スリーブの回転による遠心力を受けてスリーブの円錐台状内周面に沿ってアキシャル支持部に向かって移動させられて、上記傾斜貫通孔を通ってアキシャル支持部に戻される。したがって、請求項3の発明によれば、万一、環状細路を通過した潤滑剤を遠心力を利用して、アキシャル支持部に戻すことができ、潤滑剤の漏れを一層確実に防止することができる。
【0058】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の動圧軸受において、軸の一端部の周面と上記スリーブの貫通孔の周面とが形成する筒状細路を備えている。
【0059】
したがって、この請求項4の発明によれば、上記環状細路が、上記潤滑剤溜まりから潤滑剤が軸方向外側に漏れ出そうとするのを防ぐから、潤滑剤の漏れを一層確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の動圧軸受の第1の実施の形態の要部断面図である。
【図2】 この発明の動圧軸受の第2の実施の形態の要部断面図である。
【図3】 この発明の動圧軸受の第3の実施の形態の要部断面図である。
【図4】 この発明の動圧軸受の第4の実施の形態の要部断面図である。
【図5】 従来の動圧軸受の要部断面図である。
【符号の説明】
1,21,41,61…フランジ部、1A,21A,41A,61A…軸方向面、
2,22,42,62…軸、2A,22A,42A,62A…一端部、
3,23,43,63…貫通孔、5,25,45,65…スリーブ、
6,26,46,66…動圧溝、7,27,47,67…軸受面、
8,28,48,68…潤滑剤、9,24,44,64…アキシャル支持部、
10A,10B,30A,30B,50A,70A,70B…周面、
11,33,51,71…内周面、12,32,52,72…環状細路、
13,53,73…円錐台状内周面、14,55,75…潤滑剤溜まり、
15…周面、16,77…筒状細路、17,37,57,78…面、
36,56,76…傾斜貫通孔。

Claims (4)

  1. 軸方向の一端面から他端面に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられたフランジ部を有する軸と、この軸の一端部が嵌入する貫通孔を有するスリーブとを備え、このスリーブが回転する動圧軸受において、
    軸方向の一方を向いた上記フランジ部の軸方向面もしくはこの軸方向面に対向しているスリーブの軸受面に形成されたアキシャル支持用の動圧溝と、このアキシャル支持用の動圧溝に対向しているスリーブの軸受面もしくはフランジ部の軸方向面とが構成するアキシャル支持部と、
    上記フランジ部の一端側に隣接した軸の周面と、この周面に対向するスリーブの内周面とが構成する環状細路と、
    上記環状細路の軸方向の一方側に隣接していて径方向外方に窪んでおり、軸方向の一端に向かって先細りのスリーブの円錐台状内周面が構成する潤滑剤溜まりとを備えたことを特徴とする動圧軸受。
  2. 軸方向の一端面から他端面に向かって所定寸法だけ離隔した位置に設けられたフランジ部を有する軸と、この軸の一端部が嵌入する貫通孔を有するスリーブとを備え、このスリーブが回転する動圧軸受において、
    軸方向の一方を向いた上記フランジ部の軸方向面もしくはこの軸方向面に対向しているスリーブの軸受面に形成されたアキシャル支持用の動圧溝と、このアキシャル支持用の動圧溝に対向しているスリーブの軸受面もしくはフランジ部の軸方向面とが構成するアキシャル支持部と、
    上記フランジ部の一端側に隣接した軸の周面と、この周面に対向するスリーブの内周面とが構成する環状細路と、
    上記環状細路の軸方向の一方側に隣接していて径方向外方に窪んでいる潤滑剤溜まりと、
    上記環状細路の径方向外方で上記潤滑剤溜まりから上記スリーブの軸受面に貫通していて、上記潤滑剤溜まりから上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔とを備えていることを特徴とする動圧軸受。
  3. 請求項1に記載の動圧軸受において、
    上記環状細路の径方向外方で上記潤滑剤溜まりから上記スリーブの軸受面に貫通していて、上記潤滑剤溜まりから上記軸受面に向かって径方向外方に延びている傾斜貫通孔とを備えていることを特徴とする動圧軸受。
  4. 請求項1に記載の動圧軸受において、
    上記軸の一端部の周面と上記スリーブの貫通孔の周面とが形成する筒状細路を備えたことを特徴とする動圧軸受。
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