JP3690978B2 - ハイブリッド車両の走行駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン及び電動モータを動力源として備え、走行装置を駆動する走行用駆動力を変更調整自在な駆動手段と、アクセル開度を含む走行駆動力調整情報に基づいて、アクセル開度が全閉であっても少なくとも前記電動モータにてクリープ走行用の走行駆動力を出力させる形態で、前記駆動手段の走行駆動力を自動調整する走行駆動力調整処理を実行する制御手段とが設けられ、その制御手段は、走行駆動指令が指令されると前記走行駆動力調整処理を実行し、非走行駆動指令が指令されると前記駆動手段の走行駆動力を零に自動調整する走行駆動力停止処理を実行するように構成されているハイブリッド車両の走行駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成のハイブリッド車両の走行駆動制御装置では、例えば、運転者によりシフトポジションレバーが「D」(前進走行位置)、「B」(制動力が大きめに作用する前進走行位置)、「R」(後進走行位置)等に操作されることによって、走行駆動指令が指令されると、制御手段が、アクセル開度を含む走行駆動力調整情報、例えば、アクセル開度の情報、ブレーキ操作量の情報、車速の情報等に基づいて、前記駆動手段の走行駆動力を自動調整するのであるが、このとき、アクセル開度が全閉であっても少なくとも電動モータによりクリープ走行用の走行駆動力を出力させる構成となっている。又、例えば、運転者により前記シフトポジションレバーが「N」(中立位置)や「P」(駐車位置)に操作されることにより、非走行駆動指令が指令されると、駆動手段の走行駆動力を零に自動調整するようになっている。
【0003】
このようなハイブリッド車両の走行駆動制御装置において、従来では、前記走行駆動指令が指令されている状態から前記非走行駆動指令が指令される状態になると、直ちに走行装置の走行駆動力を零になるように走行装置の走行駆動力を調整する構成となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、次のような不利な面があり、改善の余地があった。例えば、前記シフトポジションレバーが「D」(前進走行位置)に操作されて前記走行駆動指令が指令されている状態で、アクセル操作を停止してブレーキを操作して走行を停止させたとき、上述したように制御手段は駆動手段によりクリープ走行用の走行駆動力を出力させることになる。
このような停止状態で、例えば、前記シフトポジションレバーが「D」(前進走行位置)から「N」(中立位置)に切り換え操作されることによって制御手段に非走行駆動指令が指令されると、直ちに、クリープ走行用の走行駆動力を発生する状態から走行装置の走行駆動力が零になるように、駆動手段の走行駆動力が調整されることになる。
【0005】
ところで、この種の車両においては、走行中にエンジンや電動モータ等の振動が運転者に伝わらないように、一般に、例えば図11に示すように、駆動手段Kをゴムやバネ等を用いて構成される複数の弾性体Eを介して車体フレームFに支持する構成となっているが、上記したようにブレーキ操作により車両の走行が停止している状態で、駆動手段Kによりクリープ走行用の走行駆動力が出力されると、例えば、図11(イ)に示すように、駆動手段Kによる走行駆動力の反力を受止める弾性体Eが圧縮変形した状態となっている。この状態において、上記したように非走行駆動指令が指令されてクリープ走行用の走行駆動力が一気に零になると、圧縮変形している弾性体の弾性復元力によって、駆動手段Kが変位していた方向と反対側に移動して図11(ロ)に示すような元の状態に復帰しようとするが、そのとき、駆動手段Kの慣性力によって引き続き大きく移動することがあり、その移動が反対側の弾性体により受止められることに起因して振動が発生したり、場合によっては、弾性体Eの弾性変形限界を規定するために設けられているストッパーstの衝突音が発生するおそれもあった。
特に、ハイブリッド車両における駆動手段は、エンジンと電動モータとが動力伝達機構等を介して一体的にユニット状に組み付けられて、そのユニット状に組み付けられた駆動手段を弾性支持する構成を採用することが多く、このような構成においては、駆動手段は重量の大きなユニットとなるから、通常のエンジンだけの駆動手段を備える車両に比べて、特に、上記したような車体の振動の発生や衝突音の発生が現れ易いものである。
【0006】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、上記したように、走行駆動指令が指令される状態から非走行駆動指令が指令される状態になるときに車体が振動したり騒音が発生する等の不利を解消することが可能となるハイブリッド車両の走行駆動制御装置を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の特徴構成によれば、エンジン及び電動モータを動力源として備え、走行装置を駆動する走行用駆動力を変更調整自在な駆動手段と、アクセル開度を含む走行駆動力調整情報に基づいて、アクセル開度が全閉であっても少なくとも前記電動モータにてクリープ走行用の走行駆動力を出力させる形態で、前記駆動手段の走行駆動力を自動調整する走行駆動力調整処理を実行する制御手段とが設けられ、その制御手段は、運転者により走行駆動指令が指令されると前記走行駆動力調整処理を実行し、運転者により非走行駆動指令が指令されると前記駆動手段の走行駆動力を零に自動調整する走行駆動力停止処理を実行するように構成されているハイブリッド車両の走行駆動制御装置であって、前記制御手段は、前記走行駆動力停止処理において、初期における漸減速度よりも終期における漸減速度の方を低くする形態で、前記走行駆動力を漸減させるように前記電動モータの出力調整を行うように構成されている。
【0008】
制御手段は、非走行駆動指令が指令されると走行装置の走行駆動力を零に自動調整する走行駆動力停止処理を実行するのであるが、その走行駆動力停止処理において走行駆動力を漸減させるように電動モータの出力調整を行うようになっている。つまり、制御手段は、走行駆動指令が指令されて前記走行駆動力調整処理を実行しており、アクセル開度が全閉で少なくとも電動モータにてクリープ走行用の走行駆動力を出力させている状態で、例えばブレーキ操作により走行を停止している状態等においては、例えば、図11(イ)に示すように、駆動手段Kによる走行駆動力の反力を受止める弾性体Eが圧縮変形した状態となっているが、この状態から非走行駆動指令が指令されても走行駆動力を漸減させるように電動モータの出力調整を行うので、圧縮変形している弾性体Eの弾性復元力によって、駆動手段が変位していた方向と反対側に移動して図11(ロ)に示すような元の状態に復帰しようとするが、そのとき、駆動手段の走行駆動力がクリープ走行用の走行駆動力から一気に零になるのではなく漸減することから、駆動手段が慣性力によって図11(ロ)に示すような元の状態よりも更に引き続いて大きく移動することを抑制でき、反対側の弾性体に受止められるときに振動が発生したり、ストッパーstの衝突音が発生する等のおそれも回避できるものとなる。
【0011】
前記走行駆動力停止処理において、上記したような車体の振動等を抑制する状態で走行駆動力を漸減させる場合、一定の漸減速度で緩やかに減少させることも考えられるが、このように構成した場合には、走行駆動力を零にするまでの所要時間が長くかかる不利があるとともに、制御手段に非走行駆動指令が指令されているにも拘わらず、比較的長い時間にわたり大きめの値の走行駆動力が残存していることになり、運転者が違和感を感じたりするおそれがある。
【0012】
そこで、前記走行駆動力停止処理の初期においては漸減速度が高く、言い換えると、単位時間あたりの変化量が大になり、終期における漸減速度の方が初期よりも低く、言い換えると、単位時間あたりの変化量が小になる形態で走行駆動力を漸減させるようにしている。このように構成すると、走行駆動力停止処理が開始されると、その初期において急に走行駆動力が減少することになるので、上記したように一定の漸減速度で比較的緩やかに減少させる構成に比べて、走行駆動力を零にするまでの所要時間を短くすることができる。
【0013】
前記走行駆動力停止処理の初期の漸減処理が終了した時点においては、走行駆動力が未だ残っており前記弾性体が圧縮変形している状態が維持されているので、走行駆動力停止処理の初期において漸減速度を高くさせても、上記したような振動や騒音を起こすおそれは少ないのであり、走行駆動力停止処理の終期においては漸減速度が低くなるから緩やかに走行駆動力が減少することになり、圧縮変形している弾性体に対する反力が緩やかに減少することから、駆動手段がその慣性力により図11(ロ)に示すような元の状態にまで復帰した後にも引き続いて大きく移動することを確実に抑制できることになる。
【0014】
従って、走行駆動指令が指令される状態から非走行駆動指令が指令される状態になるときに、駆動手段の振動により車体が振動したり騒音が発生する等の不利を解消することが可能となり、しかも、走行駆動力を零にするまでの所要時間が長くかかる不利や、制御手段に非走行駆動指令が指令されているにも拘わらず比較的長い時間にわたり大きめの値の走行駆動力が残存するといった不利を回避しながら、車体が振動したり騒音が発生する等の不利を解消することが可能となるハイブリッド車両の走行駆動制御装置を提供できるに至った。
【0015】
請求項2に記載の特徴構成によれば、請求項1において、前記制御手段は、前記走行駆動力停止処理において、処理開始から設定時間経過した処理終了時点まで設定漸減速度で前記走行駆動力を漸減させ、且つ、前記処理終了時点にて走行駆動力が残存している場合には、前記処理終了時点において残存する走行駆動力を零に急減させる形態で、前記走行駆動力を漸減させるように構成されている。
【0016】
つまり、前記走行駆動力停止処理を開始してから設定時間経過した処理終了時点までは、設定漸減速度で前記走行駆動力を漸減させることになる。そして、前記処理終了時点にて走行駆動力が残存している場合には、設定時間経過した処理終了時点において残存する走行駆動力を零に急減させるのである。
このように走行駆動力停止処理を開始してから設定時間経過した処理終了時点までは設定漸減速度で前記走行駆動力を漸減させるので、駆動手段の振動により車体が振動したり騒音が発生することを的確に回避させることができるのであり、前記処理終了時点においては、駆動手段の走行駆動力は十分小さい値にまで減少しているので、例えば、処理開始時点における駆動手段による走行駆動力が大きめの値になっているような場合等において処理終了時点にて残存している走行駆動力を零に急減させても、上記したような振動や騒音の発生のおそれは少ないのである。
従って、上述したような駆動手段の振動により車体が振動したり騒音が発生する不利を回避させることが可能なものでありながら、例えば、処理開始時点における駆動手段による走行駆動力が大きめの値になっているような場合であっても、走行駆動力を漸減させる処理を設定時間内に終了させることで、走行駆動力が残存する状態が必要以上に長い時間にわたり継続することを防止できるものとなり、請求項1を実施するのに好適な手段が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るハイブリッド車両の走行駆動制御装置について図面に基づいて説明する。
図1に、ハイブリッド車両のシステム構成を示している。このハイブリッド車両は、後述するような遊星ギア機構1、エンジン2、発電機3、及び、電動モータ4等が一体的に組み付けられた駆動ユニットKが設けられ、この駆動ユニットKが、走行装置としての左右の前輪5を駆動する走行用駆動力を発生するように構成されている。
【0018】
次に駆動ユニットKの構成について説明する。
図2に示すように、エンジン2、電動モータ4、及び、発電機3は夫々、遊星ギア機構1を介して機械的に結合されており、遊星ギア機構1は、中央軸芯周りで回転するサンギア18、サンギア18の外周を係合して自転しながら中央軸芯周りで公転する3個の遊星ピニオンギア19、さらにその外周で各遊星ピニオンギア19に係合しながら回転するリングギア20が備えられ、前記3個の遊星ピニオンギア19はキャリア21にて軸支され一体的に中央軸芯周りで公転するように構成されている。
この遊星ギア機構1に対して、エンジン2の出力軸2aがキャリア21に結合され、発電機3の駆動軸3aがサンギア18に結合され、電動モータ4の駆動軸4aがカウンタギア22を介してリングギア20に結合されている。又、前記電動モータ4の駆動軸4aはカウンターギア22及びディファレンシャルギア23を介して左右の前輪5に結合されている。つまり、電動モータ4と各前輪5とは連動連結される状態であり常に同期して回転する状態となっている。
【0019】
上記構成の遊星ギア機構1では、前記各ギアに夫々結合されている3つの軸、つまり、エンジン2の出力軸2a、発電機3の駆動軸3a、及び、電動モータ4の駆動軸4aのうち、2つの軸の回転状態(回転速度や回転トルク等)が定まると、残りの1つの軸の回転状態は一義的に定まる特性を有している。
これらの間での回転速度の関係は、図4に示すような共線図で表すことができる。前記各ギアが停止している状態(速度ゼロ)であれば、図の特性線L1で示す状態となる。そして、エンジン2が停止している状態で電動モータ4のみにより走行駆動させるモータ走行状態では、図の特性線L2で示すように電動モータ4を前進方向側に回転駆動する。このとき、エンジン2は停止しており、発電機3は発電方向とは逆向きの自由回転状態となる。
前記モータ走行状態においてエンジン2を始動させるときには、図の特性線L3で示すように、発電機3を電動モータとして機能させて設定回転速度で駆動させてエンジン2を始動させる。エンジン2が始動すると、図の特性線L4で示すように、発電機3は回転速度をゼロに調整して図示しないクラッチ機構により機械的に回転停止状態に維持され、その後はエンジン2の動力と電動モータ4の動力により走行駆動される。バッテリー17の充電が必要なときは、図の特性線L5で示すようにエンジン2の回転速度を上げて発電機3を駆動して発電させることができる。
【0020】
このように、エンジン2の出力軸、発電機3の駆動軸、及び、電動モータ4の駆動軸の夫々の回転速度の関係は共線図上で常に一直線として規定されることになる。発電機3及び電動モータ4は、夫々、交流同期式の電動機で構成され、これらに対する駆動電流の供給方向と電流値を調節して回転方向や回転速度を制御することが可能であり、駆動ユニットKは無段階に走行速度を変更させることができる構成となっている。
【0021】
又、この駆動ユニットKは、図11に示すように、ゴムやバネ等を用いて構成される複数の弾性体Eを介して車体フレームFに弾性支持する構成として、エンジン2、発電機3、電動モータ4等の振動が運転席に伝わり難い構成としている。
【0022】
次に、このハイブリッド車両における駆動ユニットKに対する制御構成について説明する。
図3にも示すように、車両全体の動作を統括して管理する車両制御部6、この車両制御部6からの制御情報に基づいて前記電動モータ4の動作を制御するモータ制御部7、車両制御部6からの制御情報に基づいて前記発電機3の動作を制御する発電機制御部8、車両制御部6からの制御情報に基づいて前記エンジン2の出力、具体的には、電子スロットル弁9のスロットル開度及びインジェクタ(図示せず)の燃料噴射量を自動調節するエンジン制御部10夫々が備えられ、アクセル操作具11の操作量を検出するアクセル操作量検出センサS1、ブレーキ操作具13の操作量(操作圧)を検出するブレーキ操作量検出センサS2、シフトポジションレバー15の位置を検出するシフトポジションセンサS3、及び、前輪5の車軸の回転速度に基づいて車速を検出する車速センサS4等による各種の検出情報が車両制御部6に入力される構成となっている。
前記シフトポジションレバー15の位置としては、「P」(駐車位置)、「R」(後進走行位置)、「N」(中立位置)、「D」(前進走行位置)、「B」(制動力が大きめに作用する前進走行位置)があり、運転者により運転状況に応じて適宜、切り換え操作されることになる。
前記電動モータ4、発電機3並びに前記各制御部に対する駆動電力は、バッテリー17から供給され、このバッテリー17は後述するように発電機3や電動モータ4からの発電電力によって充電される構成となっている。
【0023】
そして、前記車両制御部6が、アクセル操作具11の操作量の情報、ブレーキ操作具13の操作量の情報、シフトポジションレバー15の位置の情報、車速検出情報等の走行駆動力調整情報に基づいて、駆動ユニットKにて出力すべき実目標駆動方向及び実目標走行駆動力を求めて、駆動ユニットKの駆動方向が実目標駆動方向にて走行駆動力が実目標走行駆動力になるように自動調節すべく、モータ制御部7、発電機制御部8、及び、エンジン制御部10に制御情報を出力して、エンジン2、発電機3及び電動モータ4の出力を制御するようになっている。
【0024】
詳述すると、例えば、シフトポジションレバー15が「D」位置にあるときの車速の変化に対する駆動ユニットKに要求される要求駆動力の変化特性が、図6に示すような特性として予め設定されており、車両制御部6は先ず、この特性に基づいて駆動ユニットKに要求される要求駆動力を求める。図6(イ)に示されるラインq1はアクセル操作量が最大(全開)になったときの値に対応する車速の変化に対する要求駆動力の変化を示しており、アクセル操作量が変化した場合の要求駆動力の変化割合が図6(ロ)に示すような特性として予め設定されている。そして、これらの特性から、そのときの車速に対応する要求駆動力は、図6(イ)に示されるラインq1から求められる車速に対する値と、アクセル操作量の検出値に基づく変化割合(%)との積により求められることになる。
【0025】
図6に示す特性において、正(+)側は、前進走行用の駆動力であることを示し、図において上側ほど前進走行用の駆動力が大となる。負(−)側は、前進走行用の駆動方向とは逆向きの駆動力であることを示しており、図において下側ほど逆向きの駆動力が大となる。そして、図6のラインq2はアクセル操作量が最小(全閉)で且つブレーキ操作量が最小になったときの要求駆動力の変化特性を示しており、又、図6のラインq3はブレーキ操作量が最大になったときの要求駆動力の変化特性を示している。
【0026】
アクセル並びにブレーキが操作されていないときには、このラインq2を用いて要求駆動力が求められることになる。上記ラインq2より明らかなように、車速が設定車速より大でありアクセルが全閉であるとき負(−)側の駆動力があるのは、指示されている進行方向とは逆向きの駆動力が発生することを示しており、ラインq2及びラインq3より明らかなように、ブレーキ操作量が大であるほど負(−)側の駆動力が大になるように設定されている。
【0027】
そして、前記車両制御部6は、上記したように、アクセル開度やブレーキ操作量等の走行駆動力調整情報に基づいて求められる要求駆動力から、駆動ユニットKが出力すべき目標駆動方向及び目標走行駆動力を演算にて求める目標値演算処理を実行し、更には、その求めた目標駆動方向及び目標走行駆動力に応じて、駆動ユニットKにて実際に出力させるための実目標駆動方向及び実目標走行駆動力を、その変化を低く規制する形態で求める実制御値演算処理を実行する。
これは、上記したような走行駆動力調整情報に基づいて求められる目標駆動方向及び目標走行駆動力に対して敏感に応答しながら制御を実行する構成とすると、例えば、アクセル操作やブレーキ操作が頻繁に繰り返されたり、これらの操作量が急激に変化するような場合等において、駆動手段の駆動状態の変化が急激となり、車両の走行状態が急に変化して運転者等の搭乗者に違和感を与えたり、駆動騒音が発生したりするおそれがあることから、駆動手段にて実際に出力させるための実目標駆動方向及び実目標走行駆動力を、その変化を低く規制する形態で求めるようにして、このような不利を回避しながら走行駆動力を自動調整するようにしているのである。
【0028】
そして、駆動ユニットKの駆動方向が実目標駆動方向にて走行駆動力が実目標走行駆動力になるように自動調節すべく、モータ制御部7、発電機制御部8、及び、エンジン制御部10に制御情報を出力して、エンジン2、発電機3及び電動モータ4の出力を制御するのである。
【0029】
尚、逆向き駆動力の変更調節は、モータ制御部7が電動モータ4に通流する電流値を変更調節することにより、電動モータ4の走行駆動力を変更調節することによって行う。例えば、車両が高速で走行している場合には、エンジンにて駆動力が出力されて走行駆動されている状態で電動モータ4が回生制動力により前記逆向き駆動力を発生する状態になり、回生制動によって発生した電力がバッテリー17に充電されるようになっており、その電流を変更調節することで回生制動力の大きさを調節する構成となっている。このようにして回生制動力により油圧式の摩擦ブレーキを補助する構成となっている。
【0030】
又、上記ラインq2より明らかなように、車速が設定速度よりも低い低速状態において、アクセル開度が全閉であってもクリープ走行用の走行駆動力TCRを出力させる形態で要求駆動力が設定される構成となっている。これは、例えば、停止している状態から車両を微速で発進させたい場合等に対応できるようにして操作性を向上させたものである。車速が低速で要求される駆動力が小さい場合には、通常の場合、エンジン2を停止させた状態で電動モータ4の駆動力のみにより車輪を駆動するように構成してあり、上記したようなクリープ走行用の走行駆動力TCRも電動モータ4にて出力する構成となっている。尚、車速が走行停止していたり設定車速以下の低速状態であっても、バッテリーの充電状態が低下して充電が必要であると判断されると、エンジン2を始動させて発電機3を駆動してバッテリー17を充電させる動作を実行することもある。このときは、クリープ走行用の走行駆動力TCRは、電動モータの出力だけでなくエンジンの動力により出力されることになる。
【0031】
以下、車両が停車している状態から発進して走行し、その後、減速して停止するまでの各操作段階での夫々の運転モードにおける制御内容について簡単に説明する。
エンジン2、電動モータ4、及び、発電機3が回転を停止している停止状態(図4の特性線L1に対応)から、アクセルが踏み込み操作されると、先ず、エンジン2を停止した状態で電動モータ4に前進走行用の駆動トルクを発生させて車両を発進させる(図4の特性線L2に対応)。具体的には、車両制御部6がアクセル操作量の情報等に基づいて要求駆動力を求め、その要求駆動力に対応する出力を発生するための制御情報を求め、モータ制御部7にその制御情報を指令する。モータ制御部7は対応する駆動力になるように電動モータ4に対する供給電流値を制御する。このとき発電機3は無負荷状態である。
【0032】
要求駆動力が設定値よりも大きくエンジン2の駆動力を必要とするような場合には、走行速度が設定速度まで上昇すると発電機3を回転駆動させてエンジン2を始動させる(図4の特性線L3に対応)。つまり、車両制御部6がエンジン2の始動に必要な目標回転速度を求め、その目標回転速度の指令情報を発電機制御部8に指令し、発電機制御部8が、対応する目標回転速度になるように発電機3に対する駆動用の供給電流値を制御する。
発電機制御部8により発電機3が駆動トルクを生じている状態から回生制動トルクを発生している状態になったことが判断されることにより、エンジン2の始動が確認されると、その後は発電機3の回転を停止させて機械的に制動をかけて停止状態を維持するようになっている(図4の特性線L4に対応)。
【0033】
尚、車両走行中においてバッテリー17の充電状態が低下して充電が必要であると判断されると、エンジン2の動力により発電機3を駆動して発電してバッテリー17を充電する(図4の特性線L5に対応)。又、図示はしないが、車両走行停止中、すなわち、電動モータ4が駆動停止しているときに、バッテリー17の充電が必要であると判断されると、エンジン2を始動してエンジン2の動力により発電機3を駆動して発電することもある。
【0034】
エンジン2が始動した後において、エンジン2に対するスロットル開度及び燃料噴射量は、エンジンの回転速度の変化に対して運転効率が最も大きくなるような最適燃費ラインに沿って変化するように電子スロットル弁9やインジェクタを自動調節する構成となっている。
説明を加えると、図5に、エンジン2の運転効率の高い点に沿うように予め設定されたエンジン2の回転速度に対する目標スロットル開度の変化特性、すなわち、最適燃費ラインが示されており、前記要求駆動力や車速の情報からエンジンの目標回転速度を求めて、その目標回転速度とこの最適燃費ラインとからそのときの目標スロットル開度を求め、実際のスロットル開度が目標スロットル開度になるように電子スロットル弁9を自動調節するようになっている。尚、図示はしないが、吸入空気量とエンジン回転速度に対応する燃料噴射量も合わせて求められ、対応する燃料噴射量になるように自動調節されることになる。
【0035】
そして、上記したような最適燃費ラインに基づくエンジンの駆動力では要求される駆動力に不足する走行駆動力を電動モータ4により出力するようになっている。又、アクセル操作が解除されてアクセル開度が全閉になる状態では、図6(イ)のラインq2に示すように要求駆動力が負(−)側、すなわち、指示されている進行方向とは逆向きの要求駆動力となる。
車速が高速であれば、要求駆動力に対応する回生制動力を発生するための目標電流値を求めて、電動モータ4からバッテリー17に供給される電流が目標電流値になるように電流量を調整制御する。このとき、電動モータ4は発電機として機能し発電した電力はバッテリ17に蓄電される構成となっている。
【0036】
車両を停止させるためにブレーキ操作が行われると、上記したように指示されている進行方向とは逆向きの走行駆動力が発生するように、電動モータ4の電流値を調節するとともに、ブレーキ操作が大であるほど逆向き駆動力が大になるように電流値を変更調節するようになっている。又、車両が設定車速としてのクリープ車速以下にまで減速するか又は移動停止した後は、アクセル開度が全閉であっても上記したような前進走行用のクリープ走行用の走行駆動力を出力すべく、少なくとも電動モータ4により出力する走行駆動力を変更調節するようになっている。尚、バッテリー17の充電を行うときには、エンジン2及び電動モータ4の両方の出力による走行駆動力を変更調節することになる。
【0037】
シフトポジションレバー15が「D」位置にある場合について説明したが、それ以外の指令位置、例えば、「B」位置にある場合や「R」位置にある場合であっても、同じような処理を実行することになる。但し、このように走行用の指令位置が異なると、車速の変化に対する要求駆動力の変化特性等として異なる特性が用いられることになる。例えば、「B」位置では、「D」位置に比べて、アクセルが全閉であるときの逆向き走行駆動力が大きめの値が設定されることになるが、それらの詳細については説明は省略する。
【0038】
上述したような駆動ユニットKに対する走行駆動力の調整処理が走行駆動力調整処理に対応しており、車両制御部6、モータ制御部7、発電機制御部8、エンジン制御部10の夫々により、走行駆動力調整処理を実行する制御手段Hが構成される。
この制御手段Hの制御内容について図面を参照しながら説明を加えると、図7に示すように、先ず、アクセル操作量検出センサS1にて検出されるアクセル操作具11の操作量の情報、ブレーキ操作量検出センサS2にて検出されるブレーキ操作具13の操作量の情報、シフトポジションセンサS3にて検出されるシフトポジションレバー15の位置の情報、車速センサS4にて検出される車速検出情報の夫々を取り込み、それらの各種の情報に基づいて、現在の車両の走行状態が上述したような各種の運転モードのうちのいずれの運転モードにあるかを判断する処理、上記各種の検出情報に基づいて、前記要求駆動力から前記目標駆動方向及び目標走行駆動力を演算にて求める目標値演算処理、及び、駆動ユニットKにて実際に出力させるための実目標駆動方向及び実目標走行駆動力を求める実制御値演算処理、及び、エンジンを始動させたり、停止させたりする必要があるか否かの判断処理等を含む演算処理を実行する。
【0039】
そして、前記演算処理にて演算された結果に基づいて、エンジン2を始動させるエンジン始動処理、上記したような各運転モードに応じて必要とされる駆動力になるように上記したような最適燃費ラインに従ってスロットル開度が調整される状態で、エンジン2の出力を調整するエンジン出力処理、上記したような各運転モードに応じて必要とされる運転状態になるように電動モータ4の出力を調整するモータ出力処理、及び、運転モードに応じて必要とされる運転状態になるように発電機3の出力を調整する発電機出力処理の夫々を実行するように構成されている。これらの一連の処理が走行駆動力調整処理に対応する。
【0040】
そして、前記制御手段Hは、前記モータ出力処理において、運転者によりシフトポジションレバー15が「D」(前進走行位置)、「B」(制動力が大きめに作用する前進走行位置)、又は、「R」(後進走行位置)のいずれかに操作されることにより、走行駆動指令が指令されると前記走行駆動力調整処理を実行し、運転者によりシフトポジションレバー15が「N」(中立位置)、又は「P」(駐車位置)に操作されることにより、非走行駆動指令が指令されると、前記駆動ユニットKの走行駆動力を零に自動調整する走行駆動力停止処理を実行するように構成され、前記走行駆動力停止処理において、走行駆動力を漸減させるように電動モータ4の出力調整を行うように構成されている。
【0041】
走行駆動力停止処理について説明を加えると、その処理の初期における漸減速度よりも終期における漸減速度の方を低くする形態で前記走行駆動力を漸減させるように構成され、更には、処理開始から設定時間経過した処理終了時点まで設定漸減速度で前記走行駆動力を漸減させ、且つ、前記処理終了時点にて走行駆動力が残存している場合には、前記処理終了時点において残存する走行駆動力を零に急減させる形態で、前記走行駆動力を漸減させるように構成されている。
【0042】
すなわち、制御手段Hは、前記モータ出力処理において、シフトポジションレバー15の位置が前記「D」位置、「B」位置、又は、「R」位置のいずれかに操作されて走行駆動指令が指令されると、電動モータ4による走行駆動力が演算処理にて求められる走行駆動力になるように供給電流値を変更調節する。そのとき、アクセル開度が全閉であればクリープ走行用の走行駆動力を出力するように制御される。
そして、運転者によりシフトポジションレバー15が「N」位置、又は「P」位置に操作されることにより非走行駆動指令が指令されると、駆動ユニットKによる要求駆動力は零になるが、このとき、前記走行駆動力停止処理を実行する。つまり、図8に示すように、シフトポジションレバー15の切り換えが行われた時点から走行駆動力がクリープ走行用の走行駆動力から予め設定されている設定駆動力Tsに低下するまでの処理時間に対応する初期段階においては、漸減速度が高い状態、言い換えると、単位時間当たりの減少量(低下率)が大きめの一定の値となる初期設定漸減速度で、駆動ユニットKに対する走行駆動力を漸減させるように供給電流値を変更調節して電動モータ4による走行駆動力を調節するように制御する。
そして、初期段階が終了した後の終期段階においては、漸減速度が前記初期設定漸減速度よりも低い状態、つまり、単位時間当たりの減少量(低下率)が小さめの一定の値となる終期設定漸減速度で、駆動ユニットKに対する走行駆動力を漸減させて、処理が開始されてから設定時間が経過した処理終了時点では走行駆動力がほぼゼロにまで低下するように電動モータ4による走行駆動力を調節するように制御する。尚、処理開始から設定時間経過した処理終了時点にて走行駆動力が残存している場合には、走行駆動力が急激に零になるように供給電流値を変更調節して電動モータ4による走行駆動力を調節するように制御するのである。このような処理が走行駆動力停止処理に対応する。
【0043】
上記したようなシフトポジションレバー15の「N」位置、又は「P」位置への切り換えは、車両の走行が停止している状態で行われることになるが、このとき、駆動ユニットKによりクリープ走行用の走行駆動力TCRが出力されるが、ブレーキ操作により停止していると、図11(イ)に示すように、駆動ユニットKによる走行駆動力の反力を受止める弾性体Eが圧縮変形した状態となっている。この状態において、上記したように非走行駆動指令が指令されてクリープ走行用の走行駆動力が一気に零になると、圧縮変形している弾性体の弾性復元力によって、駆動手段Kが変位していた方向と反対側に移動して図11(ロ)に示すような元の状態に復帰しようとするが、そのとき、駆動手段Kの慣性力によって引き続き大きく移動することがあり、その移動が反対側の弾性体により受止められることに起因して振動を発生するおそれがあるので、上記したように走行駆動力を漸減させるのである。
従って、駆動ユニットKの走行駆動力がクリープ走行用の走行駆動力から一気に零になるのではなく漸減することから、上記したように圧縮変形している弾性体に対する反力が漸減することになり駆動ユニットKが慣性力によって図11(ロ)に示すような元の状態よりも更に引き続いて大きく移動することを抑制でき、反対側の弾性体に受止められるときに振動が発生したり、ストッパーstの衝突音が発生する等のおそれも回避できる。
【0044】
上記したようなシフトポジションレバー15の「N」位置、又は「P」位置への切り換えは、車両の走行が停止している状態で行われるので、切換え前の走行駆動力は、通常、クリープ走行用の走行駆動力TCRと考えることができるが、例えば、低速走行しているときに切換え操作したような場合においては、図8に一点鎖線で示すように、切換え時点での走行駆動力がクリープ走行用の走行駆動力TCRよりも大きくなることがある。このような場合でも、上記したような前記初期設定漸減速度及び終期設定漸減速度で走行駆動力を漸減させることになるから、前記設定時間が経過した後においても、図8に示すように、走行駆動力が残存することになるが、この残存する走行駆動力を零に急減させるのである。
【0045】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0046】
(1)上記実施形態では、前記走行駆動力停止処理において、処理の初期においては初期設定漸減速度で、処理の終期においては終期設定漸減速度で走行駆動力を漸減させるように制御する、すなわち、処理開始から設定時間経過した処理終了時点まで設定漸減速度で走行駆動力を漸減させる構成とし、処理終了時点にて走行駆動力が残存している場合には、処理終了時点において残存する走行駆動力を零に急減させる形態で、走行駆動力を漸減させる構成としたが、このような構成に限らず、下記の(a)〜(c)に示すような各種の形態で実施するものでもよい。
(a)図9に一点鎖線で示すように、切換え時点での走行駆動力がクリープ走行用の走行駆動力TCRよりも大きくなる場合、処理の初期において、走行駆動力がクリープ走行用の走行駆動力から前記設定駆動力Tsに低下するように、初期設定漸減速度よりも大きい漸減速度で走行駆動力を漸減させ、処理の終期においては、上記実施形態と同様に前記終期設定漸減速度で走行駆動力を漸減させるように制御する構成としてもよい。
(b)図10に示すように、処理の初期においては単位時間当たりの減少量(低下率)が大きめとなり、時間が経過するに伴って、前記低下率が小さく変化するような曲線状の変化特性で漸減させる構成としてもよい。
(c)図9や図10に示すように、前記走行駆動力停止処理の処理開始から設定時間経過した時点でも走行駆動力を常に残存させるように走行駆動力を漸減させる形態として、設定時間経過した時点で残存する走行駆動力を零に急減させる構成としてもよい。
【0047】
(2)上記実施形態では、制御手段に、走行駆動指令及び非走行駆動指令を指令する構成として、シフトポジションレバーの操作位置の変更にて実施する構成としたが、このような構成に限らず、例えば、運転者により操作される走行指令スイッチにて走行駆動指令を指令し且つ運転者により操作される停止スイッチにて非走行駆動指令を指令する構成、運転者の音声により走行駆動指令及び非走行駆動指令を切換え指令する構成等、各種の形態で実施してもよい。
【0048】
(3)上記実施形態では、車両が走行停止したり、設定車速以下の低速走行状態では、通常の状態においてはエンジンを停止させて電動モータによりクリープ走行用の走行駆動力を出力させる構成としたが、このような構成に限らず、車両が走行停止したり、設定車速以下の低速走行状態であっても、エンジンを停止させずに、常に、エンジンと電動モータにてクリープ走行用の走行駆動力を出力する構成としてもよい。
【0049】
(4)上記実施形態では、ハイブリッド車両として、エンジン及び電動モータ双方の動力を車軸に伝達可能な所謂、パラレルハイブリッド方式の車両を例示したが、本発明は、この構成に限らず、エンジンは発電のみ行い電動モータにて車軸を駆動するシリーズハイブリッド方式の車両にも適用できる。
【0050】
(5)上記実施形態では、駆動手段が前輪を駆動する構成としたが、これに限らず、後輪を駆動する構成や、4 輪すべてを駆動する構成でもよく、又、駆動手段として遊星ギア機構を備える構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、各種の伝動機構を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】概略構成図
【図2】駆動ユニットを示す図
【図3】制御ブロック図
【図4】駆動ユニットの動作状態を示す共線図
【図5】最適燃費ラインを示す図
【図6】要求駆動力を示す図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】駆動力の変化状態を示す図
【図9】別実施形態の駆動力の変化状態を示す図
【図10】別実施形態の駆動力の変化状態を示す図
【図11】駆動ユニットの支持構造を示す図
【符号の説明】
2 エンジン
4 電動モータ
K 駆動手段
H 制御手段

Claims (2)

  1. エンジン及び電動モータを動力源として備え、走行装置を駆動する走行用駆動力を変更調整自在な駆動手段と、
    アクセル開度を含む走行駆動力調整情報に基づいて、アクセル開度が全閉であっても少なくとも前記電動モータにてクリープ走行用の走行駆動力を出力させる形態で、前記駆動手段の走行駆動力を自動調整する走行駆動力調整処理を実行する制御手段とが設けられ、
    その制御手段は、運転者により走行駆動指令が指令されると前記走行駆動力調整処理を実行し、運転者により非走行駆動指令が指令されると前記駆動手段の走行駆動力を零に自動調整する走行駆動力停止処理を実行するように構成されているハイブリッド車両の走行駆動制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記走行駆動力停止処理において、初期における漸減速度よりも終期における漸減速度の方を低くする形態で、前記走行駆動力を漸減させるように前記電動モータの出力調整を行うように構成されているハイブリッド車両の走行駆動制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記走行駆動力停止処理において、処理開始から設定時間経過した処理終了時点まで設定漸減速度で前記走行駆動力を漸減させ、且つ、前記処理終了時点にて走行駆動力が残存している場合には、前記処理終了時点において残存する走行駆動力を零に急減させる形態で、前記走行駆動力を漸減させるように構成されている請求項1記載のハイブリッド車両の走行駆動制御装置。
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