JP3540996B2 - ハイブリッド車両の走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン及び電動モータを動力源として備え、走行装置を駆動する走行用駆動力を変更調整自在な駆動手段と、その駆動手段を制御する制御手段とが設けられ、その制御手段は、アクセル操作量を含む走行駆動力調整情報に基づいて求められる目標走行駆動力を、前記エンジンを運転する場合には、前記エンジンを高効率運転状態で運転し且つエンジンが出力する走行駆動力では前記目標走行駆動力に対して不足する走行駆動力を前記電動モータにて出力させる形態で、かつ、前記エンジンの停止状態では、前記目標走行駆動力を前記電動モータにて出力させる形態で、前記駆動手段にて出力させるように、前記エンジンの運転及び前記電動モータの運転を制御する運転処理を実行するように構成されたハイブリッド車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成のハイブリッド車両の走行制御装置は、前記運転処理を実行することによって、エンジンの燃料消費量を抑制するようにしながら、前記目標走行駆動力を出力することができるようにしたものである。因みに、この種のハイブリッド車両においては、エンジンと電動モータとを併用して運転しながら走行装置を駆動する形態が一般的であるが、例えば、低速状態で走行している場合や、バッテリーが十分充電されて走行負荷が少ないような場合等において、電動モータのみにより走行装置を駆動する場合もある。
【0003】
ところで、このようなハイブリッド車両の走行制御装置において、従来では、前記運転処理において、エンジンを運転する場合、エンジンを常に前記高効率運転状態で運転するように構成されていた。
ちなみに、前記高効率運転状態で運転するための具体例としては、例えば、次のような構成のものがある。つまり、エンジンの運転効率の高い点に沿うように、エンジンの回転速度に対する目標スロットル開度の変化特性、すなわち、最適燃費ラインを、例えば図5に示すように予め設定し、前記目標走行駆動力や車速の情報から、そのときのエンジンの目標回転速度を求めるとともに、その求めた目標回転速度と前記最適燃費ラインとから、そのときの目標スロットル開度を求める。そして、実際のスロットル開度が目標スロットル開度になるようにスロットル開度を自動調節する。又、吸入空気量とエンジン回転速度に対応する燃料噴射量も合わせて求められ、対応する燃料噴射量になるように自動調節されることになる。
【0004】
又、上記構成のハイブリッド車両の走行制御装置においては、燃料消費量を抑制したり、振動を抑制することを目的として、自動的に、エンジンを一時的に停止させた後に、エンジンを再度始動させるような場合がある。例えば、車速が設定車速以下になるとエンジンを一時的に停止させ、車速が設定車速を越えると自動的にエンジンを始動させるといった制御を行うことがある。尚、エンジンが始動した後においては前記運転処理を実行することになる。
【0005】
そして、従来では、上記したようなエンジンの始動時において、始動用スロットル開度でエンジン始動を開始し、エンジンが起動確認回転状態、例えば、出力トルクが一定量以上出力されている状態で回転することが設定時間継続すると起動完了と判断して、エンジンにて走行駆動力を出力する状態に移行するように制御する構成となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、エンジンを始動するときに、エンジンが起動確認回転状態で回転することが設定時間継続した後に起動完了と判断しているので、次のような不利があった。
【0007】
すなわち、エンジンが停止している状態から、高出力が要求される状態でエンジンが始動された場合、前記目標走行駆動力が大きな値になるにもかかわらず、エンジンが前記起動確認回転状態で回転することが設定時間継続するまでの間は、エンジンのスロットル開度は始動用スロットル開度に維持されてエンジンの出力が低くなるので、要求される目標走行駆動力を出力するために、電動モータによる走行駆動力を大にする必要がある。
そうすると、この電動モータを駆動するためにバッテリーを流れる電流が一時的にバッテリーの許容値を越えるような過大な値になることがあり、そのことに起因して、バッテリーの出力電圧が一時的に低下してバッテリーから電力供給している他の電気機器に対して悪影響を与えたり、バッテリーの耐久性が低下するおそれがある等の不利があった。
【0009】
尚、このようなハイブリッド車両として、特に、軽自動車等の小型の車両にあっては、配置スペースに制約があり大型で大容量のバッテリーを搭載することが難しく、小型小容量のバッテリーにて対応する必要があるが、このように小型小容量のバッテリーにおいては上記したような不都合が顕著に現れやすいものとなる。
【0010】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、高出力が要求された場合に電動モータにて大きな走行駆動力を出力させることにより生じる不都合を極力回避させることが可能となるハイブリッド車両の走行制御装置を提供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、上記構成のハイブリッド車両の走行制御装置において、前記制御手段は、前記運転処理において、前記エンジンの停止状態にてエンジン始動条件が成立すると、始動用スロットル開度で前記エンジンの始動を開始して、エンジンが起動確認回転状態で回転することが設定時間継続すると起動完了とするエンジン始動処理を実行するように構成され、そのエンジン始動処理において、前記走行駆動力調整情報に基づいて高出力の要求を判別した場合には、前記始動用スロットル開度で前記エンジンの始動を開始したのち前記起動確認回転状態で回転することが確認されると、その時点で起動完了とするように構成されている点を特徴とする。
【0012】
すなわち、エンジンが停止している状態から高出力が要求される状態でエンジンが始動される場合には、エンジン始動用モータを用いて始動用スロットル開度でエンジンの始動を開始したのち前記起動確認回転状態で回転することが確認されると、従来のように、起動確認回転状態で回転することが設定時間継続することを待つことなく、その時点で起動完了とするのである。つまり、起動完了と判断して、エンジンにて走行駆動力を出力する状態に移行することになる。
尚、前記設定時間継続することを待つことなく起動完了と判断して、エンジンにて走行駆動力を出力する状態に移行した後には、アクセル開度を含む走行駆動力調整情報に基づいて求められる目標走行駆動力を出力するように、エンジン及び電動モータの運転が制御されるが、このときは、高出力が要求されて目標走行駆動力が大きくなるのでエンジン出力も増大するように制御されるから、エンジンが停止するおそれは少ない。
上記したように起動確認回転状態で回転することが確認されるとすぐにエンジンにて走行駆動力を出力する状態に移行するので、従来のように、高出力が要求された場合に、前記設定時間が継続する間にバッテリーから電動モータに一時的に許容値を越えるような過電流が供給されるといったことがない。従って、バッテリーの出力電圧が一時的に低下して、バッテリーから電力供給している他の電気機器に対して悪影響を与えたり、バッテリーの耐久性が低下するおそれがある等の不利を極力回避させることが可能となる。
【0013】
その結果、高出力が要求された場合に電動モータにて大きな走行駆動力を出力させることにより生じる不都合を極力回避させることが可能となるハイブリッド車両の走行制御装置を提供できるに至った。
【0019】
請求項によれば、請求項1記載のハイブリッド車両の走行制御装置において、前記制御手段は、前記運転処理において、前記エンジンを運転する場合には、前記走行駆動力調整情報に基づいて高出力の要求を判別すると、前記エンジンを前記高効率運転状態に替えて高出力運転状態で運転させるように、前記エンジンの運転を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0020】
この請求項によれば、請求項による上記作用効果を奏することは勿論であるが、それに加えて、次のような作用効果を奏する。
【0021】
すなわち、エンジンが停止している状態から高出力が要求される状態でエンジンが始動されると、起動確認回転状態で回転することが確認されるとすぐにエンジンにて走行駆動力を出力する状態に移行することになり、エンジンが始動した後においても高出力が要求される状態が継続している場合には、エンジンにて走行駆動力を出力する状態に移行した後において、エンジンを高出力運転状態で運転することになるので、大きい走行駆動力がエンジンから出力されることになる。
【0022】
そうすると、例えば、エンジンが停止している車両の走行停止状態から急加速によって車両を急発進させるような場合において、エンジンの起動の判別が素早く行われるとともに、エンジンにて走行駆動力を出力する状態に移行した後においては、すぐに高出力運転状態にて運転する状態になる。
その結果、エンジン停止状態から急加速にて発進したような場合に、極力迅速に、エンジンが大きい走行駆動力を出力して走行する状態に移行させることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るハイブリッド車両の走行駆動制御装置について図面に基づいて説明する。
図1に、ハイブリッド車両のシステム構成を示している。このハイブリッド車両は、後述するような遊星ギア機構1、エンジン2、発電機3、及び、電動モータ4等が一体的に組み付けられた駆動ユニットKが設けられ、この駆動ユニットKが、走行装置としての左右の前輪5を駆動する走行用駆動力を発生するように構成されている。
【0024】
次に駆動ユニットKの構成について説明する。
図2に示すように、エンジン2、電動モータ4、及び、発電機3は夫々、遊星ギア機構1を介して機械的に結合されており、遊星ギア機構1は、中央軸芯周りで回転するサンギア18、サンギア18の外周を係合して自転しながら中央軸芯周りで公転する3個の遊星ピニオンギア19、さらにその外周で各遊星ピニオンギア19に係合しながら回転するリングギア20が備えられ、前記3個の遊星ピニオンギア19はキャリア21にて軸支され一体的に中央軸芯周りで公転するように構成されている。
この遊星ギア機構1に対して、エンジン2の出力軸2aがキャリア21に結合され、発電機3の駆動軸3aがサンギア18に結合され、電動モータ4の駆動軸4aがカウンタギア22を介してリングギア20に結合されている。又、前記電動モータ4の駆動軸4aはカウンターギア22及びディファレンシャルギア23を介して左右の前輪5に結合されている。つまり、電動モータ4と各前輪5とは連動連結される状態であり常に同期して回転する状態となっている。
【0025】
上記構成の遊星ギア機構1では、前記各ギアに夫々結合されている3つの軸、つまり、エンジン2の出力軸2a、発電機3の駆動軸3a、及び、電動モータ4の駆動軸4aのうち、2つの軸の回転状態(回転速度や回転トルク等)が定まると、残りの1つの軸の回転状態は一義的に定まる特性を有している。
これらの間での回転速度の関係は、図4に示すような共線図で表すことができる。前記各ギアが停止している状態(速度ゼロ)であれば、図の特性線L1で示す状態となる。そして、エンジン2が停止している状態で電動モータ4のみにより走行駆動させるモータ走行状態では、図の特性線L2で示すように電動モータ4を前進方向側に回転駆動する。このとき、エンジン2は停止しており、発電機3は自由回転状態となる。
前記モータ走行状態においてエンジン2を始動させるときには、図の特性線L3で示すように、発電機3を始動用モータとして機能させて設定回転速度で駆動させてエンジン2を始動させる。エンジン2が始動すると、図の特性線L4で示すように、発電機3は回転速度をゼロに調整して図示しないクラッチ機構により機械的に回転停止状態に維持され、その後はエンジン2の動力と電動モータ4の動力により走行駆動される。バッテリー17の充電が必要なときは、図の特性線L5で示すようにエンジン2の回転速度を上げて発電機3を駆動して発電させることができる。
【0026】
このように、エンジン2の出力軸、発電機3の駆動軸、及び、電動モータ4の駆動軸の夫々の回転速度の関係は共線図上で常に一直線として規定されることになる。発電機3及び電動モータ4は、夫々、交流同期式の電動機で構成され、これらに対する駆動電流の供給方向と電流値を調節して回転方向や回転速度を制御することが可能であり、駆動ユニットKは無段階に走行速度を変更させることができる構成となっている。
【0027】
次に、このハイブリッド車両における駆動ユニットKに対する制御構成について説明する。
図3にも示すように、車両全体の動作を統括して管理する車両制御部6、この車両制御部6からの制御情報に基づいて前記電動モータ4の動作を制御するモータ制御部7、車両制御部6からの制御情報に基づいて前記発電機3の動作を制御する発電機制御部8、車両制御部6からの制御情報に基づいて前記エンジン2の出力調節部9の動作状態を自動調整するエンジン制御部10夫々が備えられ、アクセル操作具11の操作量を検出するアクセル操作量検出センサS1、ブレーキ操作具13の操作量(操作圧)を検出するブレーキ操作量検出センサS2、シフトポジションレバー15の位置を検出するシフトポジションセンサS3等による各種の検出情報が車両制御部6に入力される構成となっている。又、前輪5の車軸の回転速度に基づいて車速を検出する車速センサS4、及び、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転センサS5の夫々の検出情報もエンジン制御部10に入力される構成となっている。
【0028】
尚、図示はしないが、前記エンジン2の出力調節部9は、エンジン2の燃焼室への吸気量を変更調節すべくスロットル開度を変更調節自在な電子スロットル弁と、燃焼室へ供給するための燃料を噴射するとともに、その燃料噴射量を変更調節自在なインジェクターとを備えて構成されている。そして、エンジン制御部10は、電子スロットル弁のスロットル開度と、インジェクターによる燃料噴射量とを夫々調節制御することにより、エンジン2の出力を変更調節するようになっている。
【0029】
前記シフトポジションレバー15の位置としては、「P」(駐車位置)、「R」(後進走行位置)、「N」(中立位置)、「D」(前進走行位置)、「B」(制動力が大きめに作用する前進走行位置)があり、運転者により運転状況に応じて適宜、切り換え操作されることになる。
前記電動モータ4、発電機3並びに前記各制御部に対する駆動電力は、バッテリー17から供給され、このバッテリー17は後述するように発電機3や電動モータ4からの発電電力によって充電される構成となっている。
【0030】
そして、前記車両制御部6が、アクセル操作具11の操作量の情報、ブレーキ操作具13の操作量の情報、シフトポジションレバー15の位置の情報、車速検出情報等の走行駆動力調整情報に基づいて、駆動ユニットKに対する目標走行駆動力としての要求駆動力を求めて、駆動ユニットKの走行駆動力が上述したようにして求めた要求駆動力になるように自動調節すべく、モータ制御部7、発電機制御部8、及び、エンジン制御部10に制御情報を出力して、エンジン2、発電機3及び電動モータ4の出力を制御するようになっている。
【0031】
詳述すると、例えば、シフトポジションレバー15が「D」位置にあるときの車速の変化に対する駆動ユニットKの要求駆動力の変化特性が、図6に示すような特性として予め設定されており、前記車両制御部6がこの特性に基づいて要求駆動力を求める構成となっている。図6(イ)に示されるラインq1はアクセル操作量が最大(全開)になったときの値に対応する車速の変化に対する要求駆動力の変化を示しており、アクセル操作量が変化した場合の要求駆動力の変化割合が図6(ロ)に示すような特性として予め設定されている。そして、これらの特性から、そのときの車速に対応する要求駆動力は、図6(イ)に示されるラインq1から求められる車速に対する値と、アクセル操作量の検出値に基づく変化割合(%)との積により求められることになる。
【0032】
図6に示す特性において、正(+)側は、前進走行用の駆動力であることを示し、図において上側ほど前進走行用の駆動力が大となる。負(−)側は、前進走行用の駆動方向とは逆向きの駆動力であることを示しており、図において下側ほど逆向きの駆動力が大となる。そして、図6のラインq2はアクセル操作量が最小(全閉)で且つブレーキ操作量が最小になったときの要求駆動力の変化特性を示しており、又、図6のラインq3はブレーキ操作量が最大になったときの要求駆動力の変化特性を示している。
【0033】
アクセル操作具11並びにブレーキ操作具13が操作されていないときには、このラインq2を用いて要求駆動力が求められることになる。上記ラインq2より明らかなように、車速が設定車速より大でありアクセルが全閉であるとき負(−)側の駆動力があるのは、指示されている進行方向とは逆向きの駆動力が発生することを示しており、ラインq2及びラインq3より明らかなように、ブレーキ操作量が大であるほど負(−)側の駆動力が大になるように設定されている。
【0034】
上記したような逆向き駆動力の変更調節は、モータ制御部7が電動モータ4に通流する電流値を変更調節することにより、電動モータ4の走行駆動力を変更調節することによって行う。例えば、車両が高速で走行している場合には、エンジンにて駆動力が出力されて走行駆動されている状態で電動モータ4が回生制動力により前記逆向き駆動力を発生する状態になり、回生制動によって発生した電力がバッテリー17に充電されるようになっており、その電流を変更調節することで回生制動力の大きさを調節する構成となっている。このようにして、回生制動力により図示しない油圧式の摩擦ブレーキを補助する構成となっている。
【0035】
又、上記ラインq2より明らかなように、車速が設定速度よりも低い低速状態において、アクセル操作量が最小であってもクリープ走行用の走行駆動力TCRを出力させる形態で要求駆動力が設定される構成となっている。これは、例えば、停止している状態から車両を微速で発進させたい場合等に対応できるようにして操作性を向上させたものである。車速が低速で要求される駆動力が小さい場合には、エンジン2を停止させた状態で電動モータ4の駆動力のみにより車輪を駆動するように構成してあり、上記したようなクリープ走行用の走行駆動力TCRも電動モータ4にて出力する構成となっている。
【0036】
以下、車両が停車している状態から発進して走行し、その後、減速して停止するまでの各操作段階での夫々の運転モードにおける制御内容について簡単に説明する。
エンジン2、電動モータ4、及び、発電機3が回転を停止している停止状態(図4の特性線L1に対応)から、アクセルが踏み込み操作されると、先ず、エンジン2を停止した状態で電動モータ4に前進走行用の駆動トルクを発生させて車両を発進させる(図4の特性線L2に対応)。具体的には、車両制御部6がアクセル操作量の情報等に基づいて要求駆動力を求めるとともに、その要求駆動力に対応する出力を発生するための制御情報を求め、モータ制御部7にその制御情報を指令する。モータ制御部7は対応する駆動力になるように電動モータ4に対する供給電流値を制御する。このとき発電機3は無負荷状態である。
【0037】
エンジン2を始動させる必要がある場合には、発電機3を始動用モータとして利用して回転駆動させてエンジン2を始動させる(図4の特性線L3に対応)。つまり、車両制御部6がエンジン2の始動に必要な発電機3の目標回転速度を求め、その目標回転速度の指令情報を発電機制御部8に指令し、発電機制御部8が、対応する目標回転速度になるように発電機3に対する駆動用の供給電流値を制御する。そして、発電機制御部8により発電機3の駆動トルクが正から負に切り換わり、後述するようにエンジン2の始動が確認されると、その後は発電機3の回転を停止させて機械的に制動をかけて停止状態を維持するようになっている(図4の特性線L4に対応)。バッテリー17の充電状態が低下して充電が必要であると判断されると、エンジン2の動力により発電機3を駆動して発電してバッテリー17を充電するようになっている(図4の特性線L5に対応)。
【0038】
エンジン2が始動した後において、エンジン2に対するスロットル開度及び燃料噴射量は、エンジンの回転速度の変化に対して運転効率が最も大きくなるような最適燃費ラインに沿って変化するように前記出力調節部9における電子スロットル弁やインジェクターを自動調節する構成となっている。
説明を加えると、図5に、エンジン2の運転効率の高い点に沿うように予め設定されたエンジン2の回転速度に対する目標スロットル開度の変化特性、すなわち、最適燃費ラインが示されており、前記要求駆動力や車速の情報からエンジンの目標回転速度を求めて、その目標回転速度とこの最適燃費ラインとからそのときの目標スロットル開度を求め、実際のスロットル開度が目標スロットル開度になるように電子スロットル弁を自動調節するようになっている。尚、図示はしないが、目標スロットル開度に対応する燃料噴射量も合わせて求められ、対応する燃料噴射量になるようにインジェクターによる燃料噴射量を自動調節することになる。このようなエンジン2の出力調整処理がエンジン2を高効率運転状態で運転することに対応する。尚、詳細については後述するが、高出力の要求を判別した場合には、前記高効率運転状態に替えて高出力運転状態で運転するようになっている。
【0039】
そして、上記したような最適燃費ラインに基づくエンジン2の駆動力では要求駆動力に不足する走行駆動力を電動モータ4により出力するようになっている。又、アクセル操作が解除されてアクセル操作量が最小になる状態では、図6(イ)のラインq2に示すように要求駆動力が負(−)側、すなわち、指示されている進行方向とは逆向きの要求駆動力となる。
車速が高速であれば、要求駆動力に対応する回生制動力を発生するための目標電流値を求めて、電動モータ4からバッテリー17に供給される電流が目標電流値になるように電流量を調整制御する。このとき、電動モータ4は発電機として機能し発電した電力はバッテリ17に蓄電される構成となっている。
車速が低速になり、要求駆動力に対する回生制動力が充分でないときは、前記逆向きの要求駆動力を発生するための目標電流値を求めて、バッテリー17から電動モータ4へ供給される電流が目標電流値になるように電流量を調整制御することになる。このとき、電動モータ4は走行駆動力を発生する駆動源として機能する状態となっている。
【0040】
車両を停止させるためにブレーキ操作が行われると、指示されている進行方向とは逆向きの要求駆動力が発生するように、電動モータ4の電流値を調節するとともに、ブレーキ操作量が大であるほど逆向き駆動力が大になるように電流値を変更調節するようになっている。又、車速がクリープ車速以下にまで減速すると、アクセル操作量が最小であっても上記したような前進走行用のクリープ走行用の走行駆動力を出力すべく電動モータ4の電流値を変更調節するようになっている。
【0041】
シフトポジションレバー15が「D」位置にある場合について説明したが、それ以外の指令位置、例えば、「B」位置にある場合や「R」位置にある場合であっても、同じような処理を実行することになる。但し、このように走行用の指令位置が異なると、車速の変化に対する要求駆動力の変化特性として異なる特性が用いられることになる。例えば、「B」位置では、「D」位置に比べて、アクセルが全閉であるときの逆向き走行駆動力が大きめの値が設定されることになるが、それらの詳細については説明は省略する。
【0042】
上述したような駆動ユニットKに対する走行駆動力の調整処理が運転処理に対応しており、車両制御部6、モータ制御部7、発電機制御部8、エンジン制御部10の夫々により運転処理を実行する制御手段Hが構成される。
この制御手段Hの制御内容について図面を参照しながら説明を加えると、図7に示すように、先ず、アクセル操作量検出センサS1にて検出されるアクセル操作具11の操作量の情報、ブレーキ操作量検出センサS2にて検出されるブレーキ操作具13の操作量の情報、シフトポジションセンサS3にて検出されるシフトポジションレバー15の位置の情報、車速センサS4にて検出される車速検出情報、エンジン回転センサS5にて検出されるエンジン2の回転速度の情報等の夫々を取り込み、それらの各種の情報に基づいて、現在の車両の走行状態が上述したような各種の運転モードのうちのいずれの運転モードにあるかを判断する処理や、上記各種の検出情報に基づいて、駆動ユニットKが出力すべき要求駆動力を求める処理、及び、エンジン2を始動させたり、停止させたりする必要があるか否かの判断処理等を含む演算処理を実行する。
【0043】
そして、前記演算処理にて演算された結果に基づいて、エンジン2を始動させるエンジン始動処理、エンジン2の出力を調整するエンジン出力処理、運転モードに応じて必要とされる運転状態になるように電動モータ4の出力を調整するモータ出力処理、及び、運転モードに応じて必要とされる運転状態になるように発電機3の出力を調整する発電機出力処理の夫々を実行するように構成されている。これらの一連の処理が運転処理に対応する。
【0044】
前記制御手段Hは、前記エンジン始動処理において、エンジン始動条件が成立すると、エンジン始動用モータの一例である発電機3を用いて、例えばアイドリング状態に対応する始動用スロットル開度でエンジン2の始動を開始して、エンジン2が起動確認回転状態で回転することが設定時間継続すると起動完了とする処理を実行するように構成され、そのエンジン始動処理において、走行駆動力調整情報に基づいて高出力の要求を判別した場合には、始動用スロットル開度でエンジン2の始動を開始したのち、起動確認回転状態で回転することが確認されると、その時点で起動完了とするように構成されている。
【0045】
次に、図8に示すフローチャートに基づいて制御手段Hによるエンジン始動処理の具体的な制御動作について説明する。
先ず、前記演算処理の結果に基づいて、エンジン2を始動する必要があるか否かを判別して(ステップ1)、始動する必要があると判別すると、エンジン2を始動させる(ステップ2)。すなわち、前記演算処理において、例えば、エンジンが停止している状態で車速が設定速度を越えると、エンジンを始動する必要があると判断されるが、ステップ1にて、その判断結果が判別されるのである。
エンジンを始動させる処理は、エンジン2を回転させる方向に発電機3が回転するように駆動電流を供給して駆動トルクを発生させてエンジン2を始動させるとともに、始動用のスロットル開度と始動用の燃料噴射量になるように調節する。具体的には、エンジン2の始動に適正となる前記発電機3の目標回転速度を求め、その目標回転速度の指令情報を発電機制御部8に指令するとともに、スロットル開度が始動用スロットル開度になり、それに対応した始動用の燃料噴射量になるように、エンジン制御部10に指令情報を指令する。そうすると、前記発電機出力処理において、発電機制御部8が、発電機3に対する駆動用の供給電流値を制御してエンジン2を回転させる方向に発電機3を目標回転速度で回転させる。又、エンジン出力処理において、スロットル開度が始動用スロットル開度になり、それに対応した始動用の燃料噴射量になるように、エンジン制御部10が電子スロットル弁とインジェクターとを制御する。そして、燃料カットモードとして処理すべき予め設定されている動作異常が発生していれば、その後の処理を中止する(ステップ3)。尚、この燃料カットモードであれば、エンジン出力処理においてエンジンを停止させる処理を実行することになる。
【0046】
燃料カットモードでなければ、エンジン回転センサS5にて検出されるエンジン回転速度(設定時間当たりの回転数)が設定値以上にまで上昇し、且つ、エンジン2が設定値以上のトルクを発生している起動確認回転状態で回転しているか否かが判別される(ステップ3、4、5)。エンジン2が設定値以上のトルクを発生しているか否かの判別について説明を加えると、発電機制御部8により前記目標回転速度で駆動回転している発電機3の駆動トルクが正から負に変化したことを判別してエンジンの動力により駆動されている状態になったことが判断され、且つ、発電機3の出力からエンジン2が設定値以上のトルクを発生しているか否かを判別することになる。
【0047】
前記起動確認回転状態で回転していることが判別されると、そのときのアクセル操作量検出センサS1の検出値に基づいて、高出力が要求されているか否かが判断される。具体的には、アクセル操作量検出センサS1の検出値が設定量以上であれば高出力要求状態であることの判断条件を満たしていると判断し、アクセル操作量検出センサS1の検出値が設定量未満であれば高出力要求状態であることの判断条件を満たしていないと判断する(ステップ6)。
【0048】
そして、アクセル操作量検出センサS1の検出値が設定量未満であれば、起動確認回転状態で回転することが設定時間(数秒間)継続するとエンジン始動が完了したと判断して、エンジン始動処理を終了して、エンジン2にて走行駆動力を出力するエンジンパワーモードを設定する(ステップ7、8)。
アクセル操作量検出センサS1の検出値が設定量以上であれば、前記起動確認回転状態で回転することが確認されると、ステップ7の前記設定時間待つ処理を実行することなく、その時点でエンジン始動が完了したものと判断して、エンジン始動処理を終了して、エンジン2にて走行駆動力を出力するエンジンパワーモードを設定する(ステップ6、8)。
【0049】
このようにして、高出力が要求される場合には、前記起動確認回転状態で回転することが確認されてから設定時間経過するまでの間、待機することがなく、すぐに、エンジン2により走行駆動力を出力する状態に移行するので、電動モータ4にて出力すべき要求駆動力をそれだけ少ないもので済ませることができ、電動モータを駆動するためにバッテリーを流れる電流が一時的にバッテリーの許容値を越えるような過大な値になるおそれが少ないものとなる。
【0050】
更に、前記制御手段Hは、前記エンジン出力処理において、通常では、上述したように前記最適燃費ラインに基づいてエンジン2の出力が調整される高効率運転状態でエンジン2を運転する制御状態となるように構成され、後述するように、高出力が要求されていると判別した場合には、前記高効率運転状態に替えて高出力運転状態でエンジン2を運転する制御状態となるように構成されている。この高出力運転状態とは、高効率運転状態にて運転する場合に比べて大きい走行駆動力を出力する運転状態である。
前記高効率運転状態でエンジン2を運転する場合だけでなく、前記高出力運転状態でエンジン2を運転する場合であっても、エンジン2が出力する走行駆動力では要求駆動力に対して不足するときは、モータ出力処理において、その不足する走行駆動力を電動モータ4にて出力させることになる。
【0051】
このエンジン出力処理は、次のような処理を実行することになる。先ず、スロットル開度の制御目標値を設定するためのスロットル開度の制御目標値設定処理を実行し、実際のスロットル開度が設定された制御目標値になるように電子スロットル弁の動作を制御するスロットル調節処理を実行し、且つ吸入空気量とエンジン回転速度に対応する燃料噴射量も合わせて求められ、対応する燃料噴射量になるように自動調節されることになる。
【0052】
次に、スロットル開度の制御目標値設定処理について、図9のフローチャートに基づいて具体的に説明する。
このスロットル開度の制御目標値設定処理を実行するに際して、最適燃費ラインとは別に、図10に示すように、アクセル操作量検出センサS1にて検出されるアクセル操作量に対する高出力用の目標スロットル開度の変化特性、すなわち、高出力ラインが予め設定されて記憶されており、この高出力ラインでは、アクセル操作量が設定開度a以上の大側の操作域(図中にてB1で示す)に至ると、エンジン2のスロットル開度を全開とする運転状態となるように高出力用の目標スロットル開度が設定されている。尚、この高出力ラインでは、アクセル操作量が前記設定量よりも小側の操作域(図中にてB2で示す)では、アクセル操作量が大になるほどスロットル開度が大になる比例関係で変化する特性となっており、後述するように、最適燃費ラインによる目標スロットル開度に代えて、この高出力ラインによる目標スロットル開度にて制御される状態に切り換わっても、この高出力ラインのうち図中にてB2で示すラインに沿って変化させるようにして、小さめの開度から急激にスロットル開度を全開とさせるような変化を抑制して、エンジンの耐久性を低下させる等の不利を回避させるようにしている。
【0053】
そして、スロットル開度の制御目標値設定処理においては、高出力ラインに基づいて求められる目標スロットル開度と、最適燃費ラインに基づいて求められる目標スロットル開度とを大小比較することにより、高出力が要求されているか否かを判別して、高出力が要求されていると、高出力ラインに基づいて求められる目標スロットル開度になるようにスロットル開度を制御し、高出力が要求されていなければ、最適燃費ラインに基づいて求められる目標スロットル開度になるようにスロットル開度を制御するようにしている。
【0054】
つまり、最適燃費ラインに基づいて求められる目標スロットル開度になるようにスロットル開度を制御することが、エンジンを高効率運転状態で運転することに対応し、高出力ラインに基づいて求められる目標スロットル開度になるようにスロットル開度を制御することが、エンジンを高出力運転状態で運転することに対応する。
【0055】
具体的な処理動作について説明すると、エンジン2にて走行駆動力を出力するエンジンパワー運転を実行すべきエンジンパワーモードであるか否かを判断し、エンジンパワーモードであれば以下の処理を実行し、エンジンパワーモードでなければ、以後の処理を実行することなく当該処理を終了する(ステップ11)。エンジンパワーモードであれば、上述したような最適燃費ラインに基づいて目標スロットル開度を求め、その求めた値をスロットル開度Xとする(ステップ12)。説明を加えると、上記したように各種の走行駆動力調整情報に基づいて求められる要求駆動力及びそのときの車速の情報からエンジン2の目標回転速度を求め、図5で示す最適燃費ラインと、前記目標回転速度とから求めた値をスロットル開度Xとするのである。
【0056】
次に、前記高出力ラインに基づいて目標スロットル開度Yを求める(ステップ13)。説明を加えると、そのときのアクセル操作量検出センサS1の検出値を読み込むとともに、その検出値すなわちアクセル操作量と、図10に示す高出力ラインとから求めた値を目標スロットル開度Yとするのである。
【0057】
次に、前記スロットル開度Xとスロットル開度Yとの大きさを比較して、スロットル開度Xがスロットル開度Yより大きい場合、すなわち、そのときのアクセル開度が設定値以下であって高出力が要求されていないと判別される場合には、スロットル開度Xを電子スロットル弁に対する制御目標値として設定する(ステップ14、15)。このようにスロットル開度の制御目標値が設定されてエンジン2が運転される状態が高効率運転状態に対応する。
スロットル開度Xがスロットル開度Yより小さい場合、すなわち、そのときのアクセル操作量が設定値よりも大であって高出力が要求されているものと判別される場合には、スロットル開度Yを電子スロットル弁に対する制御目標値として設定する(ステップ16)。このようにスロットル開度の制御目標値が設定されてエンジン2が運転される状態が高出力運転状態にて運転される状態に対応する。
尚、図示はしないが、吸入空気量とエンジン回転速度に対応する燃料噴射量も合わせて求められ、対応する燃料噴射量になるように自動調節されることになる。
【0058】
従って、高出力が要求される場合には、エンジン2のスロットル開度を全開とする高出力運転状態でエンジン2が駆動されることになり、電動モータ4にて出力すべき走行駆動力をそれだけ少ないもので済ませることができ、電動モータを駆動するためにバッテリーを流れる電流が一時的にバッテリーの許容値を越えるような過大な値になるおそれが少ないものとなる。又、高出力が要求されて前記高出力運転状態でエンジン2が駆動されている状態から、高出力の要求が解除されて、アクセル開度が設定値よりも小さくなると、スロットル開度Xがスロットル開度Yより大きくなり、高効率運転状態に移行することになる。
【0059】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0060】
(1)上記実施形態では、前記エンジン出力処理において、前記スロットル開度Xとスロットル開度Yとの大きさを比較して、スロットル開度Xがスロットル開度Yより大きく高出力が要求されない状態であれば直ちに高効率運転状態に移行し、スロットル開度Xがスロットル開度Yより小さく高出力が要求される状態であれば直ちに高出力運転状態に移行するような構成としたが、このような構成に限らず、次のように構成してもよい。
例えば、高出力運転状態への移行は時間遅れなく直ちに実行するが、高出力運転状態から高効率運転状態への移行は、スロットル開度を漸減させるように切り換えるような構成としてもよい。例えば、設定単位時間毎に設定量づつスロットル開度を減少させて高効率運転状態へ移行するような構成としてもよい。このように構成すると、高出力の要求に対する応答性が良好であり、しかも、高出力状態から通常の走行状態に復帰するときに急激なスロットル開度の変化がなく、エンジン回転の急変化による走行安定性の低下を極力防止できる。
又、高出力が要求される状態から高出力が要求されない状態に切り換わっても、その高出力が要求されない状態が設定時間継続してから、高効率運転状態に移行するような構成としてもよい。
【0061】
(2)上記実施形態では、前記エンジン始動処理において、前記走行駆動力調整情報に基づいて高出力の要求を判別した場合には、前記起動確認回転状態で回転することが確認されるとその時点で起動完了とする構成とし、更に、前記エンジン出力処理において、高出力の要求を判別した場合に、前記エンジンを前記高効率運転状態に替えて前記高出力運転状態で運転する構成としたが、このような構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
(イ)前記エンジン出力処理において高出力の要求を判別した場合に、前記エンジンを前記高効率運転状態に替えて前記高出力運転状態で運転する構成のみを採用し、前記エンジン始動処理においては、常に、前記起動確認回転状態で回転することが設定時間継続すると起動完了とするように構成する。
(ロ)前記エンジン始動処理において高出力の要求を判別した場合には、前記起動確認回転状態で回転することが確認されるとその時点で起動完了とする構成のみを採用し、前記エンジン出力処理においては、エンジンは常に高効率運転状態にて運転するような制御を行う構成とする。
【0062】
(3)上記実施形態では、高出力の要求を判別する構成として、前記エンジン始動処理においては、アクセル開度が設定値以上になっていれば高出力の要求があると判別する構成とし、制御目標値設定処理においては、前記最適燃費ラインから求めた高効率運転用のスロットル開度と、高出力用の目標スロットル開度とを比較してそれらの判別結果から、高出力用の目標スロットル開度が大きければ高出力の要求があると判別する構成としたが、これらの構成に限らず、次の(a)〜(d)に例示するような各種の形態で実施することができる。
(a)アクセル開度の変化率が設定値以上であり、且つ、設定時間内におけるアクセル開度の変化量が設定値以上であるときに、高出力が要求されていると判別する構成。
(b)アクセル開度の変化率が設定値以上の状態が設定時間以上継続したときに、高出力が要求されていると判別する構成。
(c)アクセル開度の連続的な変化量が設定量以上であるときに、高出力が要求されていると判別する構成。
(d)アクセル開度の大きさとその変化率とを用いて、予め設定されるファジールールに基づくファジー推論により、高出力が要求される状態であるか否かを判断する構成。
【0063】
(4)上記実施形態では、前記エンジンの高出力運転状態として、前記エンジンのスロットル開度を全開とする運転状態とする構成としたが、エンジンの開度を予め設定された大きめのスロットル開度とするようにしてもよく、あるいは、エンジンが最大トルクを発生するようなスロットル開度であってもよく、要するに、高効率運転状態に比べて高出力の運転状態であればよい。
【0064】
(5)上記実施形態では、車速が設定速度以下になるとエンジン2は停止状態となり、車速が設定速度を越えるとエンジンを始動する構成を例示したが、このような構成に限らず、車速が設定速度を越える状態であっても、走行負荷が軽く電動モータによる回生制動状態が設定時間以上継続するような場合、例えば、長い坂道を下り走行しているような場合に、エンジンを停止状態にさせ、その後、登り坂に差し掛かって走行負荷が大きくなると、エンジンを始動させる構成としてもよい。
【0065】
(6)上記実施形態では、駆動手段が前輪を駆動する構成としたが、これに限らず、後輪を駆動する構成や、4 輪すべてを駆動する構成でもよく、又、駆動手段として遊星ギア機構を備える構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、各種の伝動機構を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】概略構成図
【図2】駆動ユニットを示す図
【図3】制御ブロック図
【図4】駆動ユニットの動作状態を示す共線図
【図5】最適燃費ラインを示す図
【図6】要求駆動力を示す図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】高出力運転状態の目標スロットル開度の変化を示す図
【符号の説明】
2 エンジン
4 電動モータ
K 駆動手段
H 制御手段

Claims (2)

  1. エンジン及び電動モータを動力源として備え、走行装置を駆動する走行用駆動力を変更調整自在な駆動手段と、
    その駆動手段を制御する制御手段とが設けられ、
    その制御手段は、アクセル操作量を含む走行駆動力調整情報に基づいて求められる目標走行駆動力を、前記エンジンを運転する場合には、前記エンジンを高効率運転状態で運転し且つエンジンが出力する走行駆動力では前記目標走行駆動力に対して不足する走行駆動力を前記電動モータにて出力させる形態で、かつ、前記エンジンの停止状態では、前記目標走行駆動力を前記電動モータにて出力させる形態で、前記駆動手段にて出力させるように、前記エンジンの運転及び前記電動モータの運転を制御する運転処理を実行するように構成されたハイブリッド車両の走行制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記運転処理において、前記エンジンの停止状態にてエンジン始動条件が成立すると、始動用スロットル開度で前記エンジンの始動を開始して、エンジンが起動確認回転状態で回転することが設定時間継続すると起動完了とするエンジン始動処理を実行するように構成され、
    そのエンジン始動処理において、前記走行駆動力調整情報に基づいて高出力の要求を判別した場合には、前記始動用スロットル開度で前記エンジンの始動を開始したのち前記起動確認回転状態で回転することが確認されると、その時点で起動完了とするように構成されているハイブリッド車両の走行制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記運転処理において、前記エンジンを運転する場合には、前記走行駆動力調整情報に基づいて高出力の要求を判別すると、前記エンジンを前記高効率運転状態に替えて高出力運転状態で運転させるように、前記エンジンの運転を制御するように構成されている請求項1記載のハイブリッド車両の走行制御装置。
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