JP2004096970A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械駆動式の油圧ポンプを車両停止時などに補助電動モータにより駆動できるようにすると同時に、切換時の車両のトルク段差を防止する。
【解決手段】油圧ポンプは、走行用モータジェネレータの回転軸に接続されており、エンジンを停止したモータ走行であっても車両走行時には機械的に駆動される。車両停止時や低速走行時の油圧確保のために補助電動モータが設けられており、2つのワンウェイクラッチからなるポンプ駆動切換機構によって、相対的に回転数が高い方により駆動される。補助電動モータでの駆動状態から走行用モータジェネレータの回転数が上昇してポンプ駆動が切り換えられたときに、補助電動モータのモータ電流Iopmの変化から切換が検出され、そのモータトルクTopmの分だけ走行用モータジェネレータのトルク指令値が高く与えられる。これによりトルク段差の発生が回避される。
【選択図】 図6
【解決手段】油圧ポンプは、走行用モータジェネレータの回転軸に接続されており、エンジンを停止したモータ走行であっても車両走行時には機械的に駆動される。車両停止時や低速走行時の油圧確保のために補助電動モータが設けられており、2つのワンウェイクラッチからなるポンプ駆動切換機構によって、相対的に回転数が高い方により駆動される。補助電動モータでの駆動状態から走行用モータジェネレータの回転数が上昇してポンプ駆動が切り換えられたときに、補助電動モータのモータ電流Iopmの変化から切換が検出され、そのモータトルクTopmの分だけ走行用モータジェネレータのトルク指令値が高く与えられる。これによりトルク段差の発生が回避される。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の運転状態のときにエンジンを停止して電動モータによる走行を行うハイブリッド車両の制御装置に関し、特に、変速機の変速作動に必要な油圧を供給する油圧供給装置に関連したトルク変動を補償する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の運転状態に応じて、エンジンの自動的な停止および再始動を行うハイブリッド車両においては、変速機で必要となる油圧を常時確保するために、一般に、エンジンにより駆動される機械駆動式油圧ポンプのほかに、電動モータにて駆動される電動式油圧ポンプを備える必要がある。特に、変速機として、ベルト式無段変速機(CVT)を用いる場合には、ベルトを締め付けるピストンを作動させるために、高い油圧が要求されるので、その油圧の確保は、この種のハイブリッド車両の実用化の上で大きな課題となっている。
【0003】
例えば、特開2001−200920号公報に開示されたベルト式無段変速機を用いたハイブリッド車両においては、エンジンと変速機との間で駆動力の伝達、遮断を行うクラッチよりもエンジン側に機械駆動式油圧ポンプが配設されており、エンジンの回転に連動する形で駆動されるようになっている。従って、エンジンを停止して走行用モータにて走行するときには、上記クラッチが断状態となることから、エンジン停止に伴って油圧ポンプも停止する。そのため、第2の油圧ポンプとして電動式油圧ポンプが設けられており、エンジン停止時には、この電動式油圧ポンプによって、変速機の変速作動部へ油圧が供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の構成においては、エンジン停止時には、常に、必要な油圧の全体を電動式油圧ポンプによって供給するようになっている。そのため、大型の電動式油圧ポンプが必要となり、一般に、インバータ方式による高電圧交流モータを用いた大型のシステムとなってしまう。また、機械式油圧ポンプと電動式油圧ポンプとの2つのポンプが併存するので、油圧回路が複雑となる。
【0005】
この発明は、補助電動モータを設けることにより1つの油圧ポンプでもってモータ走行時さらには車両停止時においても所期の作動油の圧送が可能な構成とし、かつ同時に、走行中の油圧ポンプ駆動源の切換に伴うトルク変動によるトルク段差感の発生を回避することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1のように、クラッチの入力軸にエンジンが接続されるとともに、該クラッチの出力軸に変速機の入力軸および走行用モータが接続され、かつ上記変速機の出力軸から駆動輪に駆動力が伝達されるように構成された車両推進機構と、上記走行用モータの回転によって駆動され、上記変速機の変速作動部に作動油を供給する機械駆動式の油圧ポンプと、を備えたハイブリッド車両を前提とする。従って、エンジンがクラッチを介して駆動輪を駆動している状態では、このエンジンの出力によって走行用モータとともに油圧ポンプが駆動され、また、エンジンが停止し、走行用モータによって走行しているときにも、油圧ポンプは同様に機械的に駆動される。
【0007】
そして、本発明では、車両停止時ならびに低車速時に上記油圧ポンプを駆動するための補助電動モータと、上記走行用モータによって回転する第1入力回転部材と上記補助電動モータによって回転する第2入力回転部材とのいずれか回転数が高い方の回転部材から上記油圧ポンプのロータへ回転トルクを伝達するポンプ駆動切換機構と、を備えている。すなわち、1つの油圧ポンプが、機械的に駆動されると同時に、電動式油圧ポンプとして機能するように補助電動モータによる駆動が可能となっている。上記ポンプ駆動切換機構は、例えば、上記ロータと上記第1入力回転部材との間、上記ロータと上記第2入力回転部材との間、にそれぞれ介装されたワンウェイクラッチから構成することができる。
【0008】
上記の走行用モータによる機械的な駆動が不十分となる運転状態、つまり車両停止時や低車速時には、上記補助電動モータが回転するが、上記ポンプ駆動切換機構の作用によって、エンジンもしくは走行用モータによる機械的な駆動と、補助電動モータによる駆動と、が自動的に切り換えられる。すなわち、補助電動モータが起動されても、走行用モータによる回転数が十分に高いときには、走行用モータによって機械的に駆動される。そして、車速が低下して走行用モータの回転数が低下していくと、補助電動モータによる駆動に切り換えられ、必要な油圧供給が継続される。逆に、補助電動モータで駆動されている状態で、車速増加により走行用モータの回転数が高くなると、走行用モータによる駆動に切り換えられる。
【0009】
ここで、本発明では、上記のような切換に伴う車両軸トルクの変化を抑制するために、上記の切換の際に、上記油圧ポンプの駆動トルクに相当する正もしくは負の補償トルクを加えたトルク指令値を上記走行用モータに与えるとともに、上記補償トルクを徐々に0に収束させるようにしている。これにより、走行中のトルク段差感の発生が回避される。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、1つの油圧ポンプによって、エンジン走行時、モータ走行時および車両停止中の油圧供給が可能となり、2つの油圧ポンプを併用する構成に比べて、装置の小型軽量化が図れるのは勿論のこと、油圧回路の構成が簡単となる利点がある。
【0011】
そして、走行用モータによる機械的な駆動と補助電動モータによる駆動との切換に伴う走行中のトルク段差感の発生を回避することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明に係る制御装置を備えたハイブリッド車両の車両推進機構の構成を示している。この推進機構は、例えばガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンなどからなるエンジン1と、このエンジン1の回転を変速するベルト式無段変速機(以下、CVTと略記する)2と、上記エンジン1と上記CVT2との間で駆動力の伝達,遮断を行うクラッチ3と、エンジン1停止中をも含め、車両の走行を行うための走行用モータつまり走行用モータジェネレータ4と、から大略構成されている。また、この実施例では、主にエンジン走行中に発電を行うとともにエンジン1の再始動の際のクランキングを行う発電用モータジェネレータ5をさらに備えている。
【0014】
上記クラッチ3は、例えば油圧多板式クラッチからなり、その入力軸3aは、エンジン1のクランクシャフト1aに実質的に直結されている。そして、この入力軸3aに上記発電用モータジェネレータ5のロータ(図示せず)が固定されている。なお、上記発電用モータジェネレータ5および走行用モータジェネレータ4は、いずれも交流モータジェネレータであり、公知のインバータ回路によって、駆動側および発電側の双方で制御される。
【0015】
上記CVT2は、駆動側となるプライマリプーリ11と従動側となるセカンダリプーリ12と両者間に巻き掛けられた金属製ベルト13とを備えるものであって、上記プライマリプーリ11のプーリ幅が図示せぬ油圧機構によって調整可能となっており、かつこれに応じてセカンダリプーリ12のプーリ幅が変化し、無段階に変速がなされるものである。上記プライマリプーリ11を備えた変速機入力軸11aは、上記クラッチ3の出力軸3bに実質的に直結されている。また同時に、上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが上記変速機入力軸11aに接続されている。なお、この走行用モータジェネレータ4の回転軸4aと変速機入力軸11aとの間には、図示せぬ減速歯車機構が介在している。上記セカンダリプーリ12を備えた変速機出力軸12aは、例えばファイナルドライブギア15およびファイナルドリブンギア16からなるファイナルギア14と、ディファレンシャルギア17と、を介してアクスルシャフト18に接続され、駆動輪19へ動力を伝達するようになっている。
【0016】
一方、油圧供給装置として、例えば内接歯車型ポンプからなる油圧ポンプ21が設けられており、チェーン22を介して上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aによって機械的に駆動されるようになっている。また、この機械的な駆動によるポンプ回転数が不十分となるときに、油圧ポンプ21を補助的に駆動するために、補機用の車載のバッテリで駆動可能な低電圧直流モータからなる補助電動モータ20が油圧ポンプ21と一体に取り付けられている。ここで、上記チェーン22により駆動されるスプロケットと上記油圧ポンプ21との間には、後述するように、走行用モータジェネレータ4の逆転時にも油圧ポンプ21を正転方向へ駆動する逆転防止機構40が介在しており、さらに、油圧ポンプ21の駆動源を走行用モータジェネレータ4と補助電動モータ20との間で自動的に切り換えるポンプ駆動切換機構60が後述するように設けられている。なお、上記油圧ポンプ21は、上記CVT2の作動油溜まりから該CVT2の変速作動部などへ作動油を圧送するものであって、上記変速作動部は、例えば調圧弁や油圧制御弁を含んで構成され、上記の油圧ポンプ21から供給された油圧を利用して任意の制御油圧を生成し、CVT2の変速比を可変制御している。
【0017】
図2は、上記ハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図である。図示するように、この制御システムは、オイルポンプDCモータつまり上記補助電動モータ20を制御するオイルポンプDCモータ制御部32と、エンジン1の種々の制御を行うエンジン制御部33と、インバータ回路を介して走行用モータジェネレータ4および発電用モータジェネレータ5の制御を行うモータジェネレータ制御部34と、油圧制御弁を介してクラッチ3の制御を行うクラッチ制御部35と、CVT2の変速比等の制御を行うCVT制御部36と、を備えており、これらのシステム全体がハイブリッドシステム制御部31によって統合的に制御されている。ここで、上記補助電動モータ20の駆動回路は、モータ電流を検出するDCモータ電流検出部を備えており、上記オイルポンプDCモータ制御部32は、補助電動モータ20の制御と同時に、そのモータ電流の監視つまりモニタを行っている。また、走行用モータジェネレータ4および発電用モータジェネレータ5は、それぞれ回転数センサを具備しており、モータジェネレータ制御部34によって、それぞれの回転数が検出される。
【0018】
このハイブリッド車両全体の制御を簡単に説明すると、例えば中車速以上での定常走行においては、エンジン1が燃焼運転しているとともにクラッチ3が接続状態となって、エンジン1の駆動力により車両が走行する。このとき、発電用モータジェネレータ5では発電が行われる。走行状態から車両が減速していくと、走行用モータジェネレータ4により減速エネルギの回生つまり発電が行われ、かつ車両停止前にクラッチ3が切断されてエンジン1が停止状態となる。そして、車両停止状態から発進する際には、クラッチ3が切断状態に保たれ、かつ走行用モータジェネレータ4が駆動されて、車両が発進し始める。その後、車速が所定の低車速以上になると、発電用モータジェネレータ5によるクランキングが行われてエンジン1が再始動される。このエンジン1の再始動に伴って、クラッチ3を徐々に接続し、かつ走行用モータジェネレータ4を制御して、エンジン1による走行へ移行する。
【0019】
一方、この実施例の構成では、車両推進機構は、前後進切換機構を具備しておらず、エンジン1による走行としては、前進走行のみが可能となっている。従って、後退走行は、クラッチ3を切断状態として、走行用モータジェネレータ4を逆転させることによって実現される。つまり、後退走行のまま長時間走行することは一般に考えられないので、エンジン1は停止状態として、走行用モータジェネレータ4によって後進するようにし、変速機構の簡素化を図っている。
【0020】
基本的に機械駆動される油圧ポンプ21は、上記のようにクラッチ3よりも下流つまり変速機入力軸11a側に設けられているので、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、車両が走行していれば、これに伴って機械的に駆動される。そして、後述する逆転防止機構40の作用により、前進走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが正転するときも、後退走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが逆転するときも、油圧ポンプ21のロータが同じ方向つまりポンプとして所期の回転方向に駆動されるようになっている。さらに、走行用モータジェネレータ4の回転軸4aの回転数が低くなる低車速時ならびに車両停止時には、上記補助電動モータ20によるポンプ駆動に切り換えられ、必要な油圧の確保が継続される。
【0021】
次に、ポンプ駆動切換機構60ならびに逆転防止機構40の一実施例を図3に基づいて説明する。
【0022】
この実施例では、ワンウェイクラッチを用いたポンプ駆動切換機構60と遊星歯車機構を用いた逆転防止機構40とが、一端部に油圧ポンプ21を備えた同じケーシング44内に収容されており、かつ、油圧ポンプ21の背面側に、補助電動モータ20が配置されている。つまり、油圧ポンプ21のロータ21aの回転中心と、スプロケット41を端部に備えた入力軸42と、補助電動モータ20の回転軸20aと、が互いに同軸上に配置されている。上記入力軸42と上記回転軸20aとは、直列に並んで配置され、かつそれぞれの端部がブッシュ43を介して互いに回転自在に嵌合している。また、上記入力軸42のスプロケット41側の端部は、ベアリング45を介して上記ケーシング44に回転自在に支持されている。
【0023】
逆転防止機構40を構成する遊星歯車機構は、上記入力軸42の外周に同軸上に配置された円環状のサンギア51と、このサンギア51の外周に同軸上に配置されたリングギア52と、これらのサンギア51とリングギア52との間に位置するとともに、それぞれと噛み合った複数個のプラネタリギア53と、を備えている。上記サンギア51は、段付状の略円筒形をなすサンギアサポート54によって支持されており、このサンギアサポート54がブッシュ55を介して入力軸42上に回転自在に支持されている。また、上記サンギアサポート54と入力軸42とは、サンギア用ワンウェイクラッチ56によって接続されている。このサンギア用ワンウェイクラッチ56は、上記入力軸42が正転方向(前進走行時の回転方向)に回転した場合にのみ、その回転力がサンギア51へ伝達され、入力軸42の逆転方向(後退走行時の回転方向)の回転力はサンギア51へ伝達されない方向に構成されている。
【0024】
上記リングギア52は、円板状をなすリングギアサポート57の外周部に取り付けられており、かつこのリングギアサポート57が上記入力軸42に固定されている。つまり、リングギア52は入力軸42と一体に回転する。また、上記プラネタリギア53は、断面略L字形の環状をなすキャリア58にそれぞれ回転自在に支持されている。このキャリア58は、サンギア51およびリングギア52と同軸上に回転可能なものであって、固定部となる上記ケーシング44とこのキャリア58の外周側の円筒部とが、キャリア用ワンウェイクラッチ59によって接続されている。このキャリア用ワンウェイクラッチ59は、キャリア58が上記入力軸42の正転方向と同方向に回転することを許容し、かつ逆方向の回転を阻止する構成となっている。
【0025】
次に、ポンプ駆動切換機構60について説明する。この実施例では、上記サンギアサポート54が、走行用モータジェネレータ4の回転に伴って回転する第1入力回転部材に相当し、補助電動モータ20の回転軸20aが、該補助電動モータ20の回転に伴って回転する第2入力回転部材に相当する。ポンプ駆動切換機構60は、第1入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する機械駆動用ワンウェイクラッチ61と、第2入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する電動用ワンウェイクラッチ62と、から構成されている。上記ロータ21aは、略円筒状をなすポンプ駆動部材63に連結固定されており、このポンプ駆動部材63の端部と上記サンギアサポート54とが、上記機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介して接続されている。また、ポンプ駆動部材63は、内周側に折れ曲がった延長部を有し、この延長部と上記回転軸20aとが、上記電動用ワンウェイクラッチ62を介して接続されている。従って、これらの2つのワンウェイクラッチ61,62の作用により、第1入力回転部材となるサンギアサポート54と第2入力回転部材となる補助電動モータ20の回転軸20aとの中で、いずれか回転数が高い方からロータ21aへ回転トルクが伝達されることになる。
【0026】
次に、上記逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を、図4のスケルトン図を併せて説明する。なお、理解を容易にするために、以下の説明では、全ての部材について、車両前進走行時のスプロケット41の回転方向と同じ回転方向を「正転方向」と呼び、逆の回転方向を「逆転方向」と呼ぶものとする。
【0027】
図4の(a)は、車両が十分な速度で前進走行し、スプロケット41を備えた入力軸42が正転方向に回転しているときの状態を示す。この正転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56は締結状態となり、入力軸42の回転がサンギアサポート54に伝達される。なお、このときリングギア52も入力軸42と一体に回転し、これに伴ってキャリア58も正転方向に回転する。キャリア用ワンウェイクラッチ59は、いわゆるフリー状態となり、キャリア58の回転が許容される。また、補助電動モータ20は停止しているので、機械駆動用ワンウェイクラッチ61が締結状態となり、サンギアサポート54の回転が油圧ポンプ21のロータ21aに伝達される。つまり、ロータ21aは、正転方向に機械的に駆動される。なお、電動用ワンウェイクラッチ62はフリー状態となり、補助電動モータ20は停止状態を保つ。従って、車両の前進走行時は、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、油圧ポンプ21は、所期の回転方向である正転方向に機械的に駆動される。このとき、ロータ21aの回転数は、入力軸42の回転数と等しく、つまり車速とCVT2の変速比とで定まるポンプ回転数でもって駆動される。
【0028】
図4の(b)は、車両が十分な速度で後退走行し、走行用モータジェネレータ4の逆転に伴って入力軸42が逆転方向に回転しているときの状態を示す。なお、補助電動モータ20はやはり停止している。この逆転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56はフリー状態となる。リングギア52はリングギアサポート57を介して入力軸42と一体に逆転方向に回転するが、キャリア58の逆転方向への回転は、キャリア用ワンウェイクラッチ59が締結状態となって阻止されるため、プラネタリギア53を介して、サンギア51が正転方向に駆動される。これにより、サンギアサポート54から機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介してロータ21aが正転方向に回転する。従って、走行用モータジェネレータ4による後退走行時に、油圧ポンプ21は、前進走行時と同じく、所期の回転方向である正転方向に駆動されることになる。このとき、ロータ21aの回転数は、サンギア51とリングギア52との歯数の比に応じて、入力軸42の回転数に対し増速される。つまり車速およびCVT2の変速比が同じであれば、前進走行時に比べて後退走行時の方が油圧ポンプ21の回転数が高く得られる。後退走行は、一般に徐行運転として低い車速でなされ、走行用モータジェネレータ4の回転数が比較的低いものとなるが、このような増速作用によって、十分な油圧を確保することができる。
【0029】
図4の(c)は、車両が停止しているときの状態、ならびに、ごく低速で走行(前進もしくは後退)しているときの状態を示す。このときには、補助電動モータ20がサンギアサポート54の回転数よりも相対的に高い回転数で正転方向に回転しているので、電動用ワンウェイクラッチ62が締結状態となって、補助電動モータ20の回転軸20aによりロータ21aが正転方向に駆動される。このとき、機械駆動用ワンウェイクラッチ61はフリー状態となり、サンギアサポート54へのトルク伝達は阻止される。なお、サンギア用ワンウェイクラッチ56およびキャリア用ワンウェイクラッチ59は、いずれもいわゆる連れ回りを伴うものの、トルク伝達はなされずに実質的にフリー状態となる。
【0030】
図5は、上記の実施例において、車両が前進走行から後退走行へ移行するときの油圧ポンプ21の作動および油圧変化を説明する説明図である。具体的には、運転者が前進走行中に車両を減速して停車し、変速機(CVT2)のシフトレバーを前進走行用のDレンジから後退走行用のRレンジに切り換えた後、後進を開始するまでの様子を示している。なお、破線がサンギア51(サンギアサポート54)の回転数、点線が補助電動モータ20の回転数、細実線が入力軸42の回転数、太実線が油圧、をそれぞれ示す。
【0031】
前述したように、油圧ポンプ21は、前進走行時には正転方向に機械的に駆動されているが、車速の低下に伴って回転数が低下し、これにより、発生油圧も低下していく。そして、この油圧が所定油圧(これは最低必要油圧よりも僅かに高く設定される)まで低下したとき(あるいは入力軸42回転数が所定回転数未満となったとき)に、補助電動モータ20が起動される。そして、補助電動モータ20の回転数に対してサンギア51の回転数が相対的に低くなると、前述したように、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、入力軸42による機械的な駆動から補助電動モータ20による駆動に自動的に切り換えられる。これにより、変速作動部などへ圧送される作動油の油圧は、最低必要油圧以上に確保される。車両の停車中は、補助電動モータ20による駆動が継続し、必要な油圧が与えられる。なお、この間の補助電動モータ20の回転数は、一定値に制御される。そして、後退走行が開始すると、前述した逆転防止機構40によってサンギア51が正転方向に増速されつつ回転する。このサンギア51の回転数が補助電動モータ20の回転数を上回ると、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、補助電動モータ20による駆動から入力軸42による機械的な駆動に自動的に切り換えられる。この切換により補助電動モータ20が無負荷となったとき、あるいはサンギア51の回転数が所定回転数以上となったときに、補助電動モータ20が停止される。従って、瞬間的な油圧低下などを伴わずに、前進→停止→後退の切換の間も円滑に油圧供給を継続することができる。なお、補助電動モータ20による駆動との切換が行われるような低車速領域では、エンジン1は停止しており、走行用モータジェネレータ4によって車両が走行している。
【0032】
上記のように、ポンプ駆動切換機構60は、2系統の駆動源の回転数の関係によって自動的に切換を行うので、走行用モータジェネレータ4による走行中に、ポンプ駆動トルク分の増減変化が生じ、トルク段差感が発生する虞がある。特に、ワンウェイクラッチ61,62の締結は滑りを伴わずに急激に噛み合う形となるので、比較的小さなトルク変化であっても、大きなショックを生じ易い。そこで、本発明では、切換時にポンプ駆動トルクの補償制御を実行する。
【0033】
図6は、補助電動モータ20によって油圧ポンプ21が駆動されている状態から走行用モータジェネレータ4の回転数が上昇して該走行用モータジェネレータ4による駆動へと切り換えられるときのトルク補償制御を説明するもので、図の(a)は走行用モータジェネレータ4および補助電動モータ20の回転数(厳密には前述した第1,第2入力回転部材の回転数)、(b)は補助電動モータ20のトルクTopm、(c)は走行用モータジェネレータ4のトルクTm1、(d)はCVT2のプライマリプーリ11の軸トルクTpri、(e)は補助電動モータ20のモータ電流Iopm、をそれぞれ示している。
【0034】
図示するように、走行用モータジェネレータ4の回転数が相対的に低い段階では、補助電動モータ20によって油圧ポンプ21が駆動されており、補助電動モータ20のトルクTopmおよびモータ電流Iopmは、大きい。なお、直流モータからなる補助電動モータ20においては、図8に示すように、トルクTopmがモータ電流Iopmに応じて直線的に変化する関係にあり、モータ電流IopmによってトルクTopmの推定が可能である。
【0035】
この状態から走行用モータジェネレータ4の回転数が上昇して補助電動モータ20の回転数を追い越すと、その瞬間にワンウェイクラッチ61,62の作用により走行用モータジェネレータ4による駆動に切り換えられる。これによって、補助電動モータ20のトルクTopmひいてはモータ電流Iopmが急減するので、OFF判定値Ioffとの比較により、切換が行われたことが検知される。この切換を検知したら、(c)に示すように、走行用モータジェネレータ4の要求トルク(破線)に対し、油圧ポンプ21の駆動トルクに相当する正の補償トルクを加えて、走行用モータジェネレータ4のトルク指令値とする。そして、上記補償トルクを徐々に小さくし、所定の制御終了時間tend(例えば1〜2秒程度に設定される)の経過時点で0に収束するようにする。このように、走行用モータジェネレータ4のトルク補償を行うことで、プライマリプーリ11の軸トルクTpriは、(d)に示すように滑らかに変化し、トルク段差感の発生が回避される。なお、(d)の破線は、このようなトルク補償を行わない場合の軸トルクTpriの急激な変化を示しており、このトルク変化は、加速中の減速ショックとなって現れる。
【0036】
図7は、逆に、走行用モータジェネレータ4によって油圧ポンプ21が駆動されている状態から該走行用モータジェネレータ4の回転数が低下して補助電動モータ20による駆動へと切り換えられるときのトルク補償制御を説明するものである。前述したように、走行用モータジェネレータ4の回転数がある程度低下した段階で、補助電動モータ20が起動されているが、走行用モータジェネレータ4の回転数が相対的に高い段階では、切換はなされず、走行用モータジェネレータ4によって油圧ポンプ21が駆動されている。従って、この段階では、補助電動モータ20のトルクTopmおよびモータ電流Iopmは、小さい。
【0037】
この状態から走行用モータジェネレータ4の回転数が低下して補助電動モータ20の回転数を下回ると、その瞬間にワンウェイクラッチ61,62の作用により補助電動モータ20による駆動に切り換えられる。これによって、補助電動モータ20のトルクTopmひいてはモータ電流Iopmが急増するので、ON判定値Ionとの比較により、切換が行われたことが検知される。この切換を検知したら、(c)に示すように、走行用モータジェネレータ4の回生側の要求トルク(破線)に対し、油圧ポンプ21の駆動トルクに相当する負の補償トルクを加えて、走行用モータジェネレータ4のトルク(回生トルク)指令値とする。そして、上記補償トルクを徐々に小さくし、所定の制御終了時間tend(例えば1〜2秒程度に設定される)の経過時点で0に収束するようにする。このように、走行用モータジェネレータ4のトルク補償を行うことで、プライマリプーリ11の軸トルクTpriは、(d)に示すように滑らかに変化し、トルク段差感の発生が回避される。なお、(d)の破線は、このようなトルク補償を行わない場合の軸トルクTpriの急激な変化を示しており、このトルク変化は、減速中の制動力低下となって現れる。
【0038】
次に、図9〜図11のフローチャートに基づいて、上記トルク補償制御の処理の流れを説明する。なお、この制御の処理は、上記のハイブリッドシステム制御部31、オイルポンプDCモータ制御部32およびモータジェネレータ制御部34において主に実行される。
【0039】
図9は、メインフローチャートであって、ステップ1では、それまで油圧ポンプ21が補助電動モータ20で駆動されていたか否かを所定のフラグに基づいて判定し、YESであればステップ2以降へ、NOであればステップ10以降へ進む。なお、ステップ2以降の処理は図6の切換に対応し、ステップ10以降の処理は図7の切換に対応する。
【0040】
ステップ2では、モータ電流IopmがOFF判定値Ioffを下回ったか判定し、NOであれば、切換は実行されていないので、このルーチンを終了する。一方、YESであれば、切換実行後であることを意味し、ステップ3へ進んで制御経過時間タイマtc1が0であるか判定する。これは、切換実行後の初回は0であるので、ステップ4へ進み、該タイマtc1のカウントを開始する。次のステップ5では、オイルポンプDCモータ制御部32において、前回(つまり切換直前)のモータ電流Iopmの値から、補助電動モータ20の駆動トルクTopmを求める。そして、ステップ6で、オイルポンプDCモータ制御部32からハイブリッドシステム制御部31へ上記の駆動トルクTopmの値を送信する。ステップ7では、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ、走行用モータジェネレータ4のトルク指令値Tm1*として、そのときのトルク要求値Tm1に上記のTopmの値を加えた値、つまりTm1*=Tm1+Topmを送信する。これによって、切換後の初回のトルク補償がなされる。2回目以降は、タイマtc1の値が0でないことから、ステップ3からステップ9へ進む。
【0041】
図10は、ステップ9の処理の詳細を示すもので、ステップ21で、タイマtc1が制御終了時間tend未満であるかを判定する。制御終了時間tend未満であれば、ステップ22へ進み、トルク指令値Tm1*を、Tm1*=Tm1+Topm×(1−tc1/tend)として求め、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ送信する。従って、タイマtc1の値が大きくなるに従って、トルク指令値Tm1*は、トルク要求値Tm1に徐々に収束し、制御終了時間tendの時点では、トルク要求値Tm1に一致する。また、制御終了時間tendに達したら、ステップ21からステップ23へ進み、Tm1*=Tm1とする。そして、ステップ24で、タイマtc1をリセットする。なお、後述するタイマtc2も同時にリセットする。
【0042】
一方、ステップ10では、モータ電流IopmがON判定値Ionを上回ったか判定し、NOであれば、切換は実行されていないので、このルーチンを終了する。これに対し、YESであれば、切換実行後であることを意味し、ステップ11へ進んで制御経過時間タイマtc2が0であるか判定する。これは、切換実行後の初回は0であるので、ステップ12へ進み、該タイマtc2のカウントを開始する。次のステップ13では、オイルポンプDCモータ制御部32において、今回(つまり切換直後)のモータ電流Iopmの値から、補助電動モータ20の駆動トルクTopmを求める。そして、ステップ14で、オイルポンプDCモータ制御部32からハイブリッドシステム制御部31へ上記の駆動トルクTopmの値を送信する。ステップ15では、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ、走行用モータジェネレータ4のトルク指令値Tm1*として、そのときのトルク要求値Tm1に上記のTopmの値を負として加えた値、つまりTm1*=Tm1−Topmを送信する。これによって、切換後の初回のトルク補償がなされる。2回目以降は、タイマtc2の値が0でないことから、ステップ11からステップ17へ進む。
【0043】
図11は、ステップ17の処理の詳細を示すもので、ステップ31で、タイマtc2が制御終了時間tend未満であるかを判定する。制御終了時間tend未満であれば、ステップ32へ進み、トルク指令値Tm1*を、Tm1*=Tm1−Topm×(1−tc2/tend)として求め、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ送信する。従って、タイマtc2の値が大きくなるに従って、トルク指令値Tm1*は、トルク要求値Tm1に徐々に収束し、制御終了時間tendの時点では、トルク要求値Tm1に一致する。また、制御終了時間tendに達したら、ステップ31からステップ33へ進み、Tm1*=Tm1とする。そして、ステップ34で、タイマtc2をタイマtc1とともにリセットする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るハイブリッド車両の車両推進機構の構成説明図。
【図2】このハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図。
【図3】補助電動モータ等を一体に備えた油圧ポンプの構成を示す断面図。
【図4】逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【図5】前進走行から後退走行へ移行するときの油圧変化等を示す説明図。
【図6】補助電動モータによるポンプ駆動から走行用モータジェネレータによる駆動に切り換えられるときの作用を示すタイムチャート。
【図7】走行用モータジェネレータによるポンプ駆動から補助電動モータによる駆動に切り換えられるときの作用を示すタイムチャート。
【図8】補助電動モータのトルクTopmとモータ電流Iopmとの関係を示す特性図。
【図9】トルク補償制御の流れを示すメインフローチャート。
【図10】ステップ9の詳細を示すフローチャート。
【図11】ステップ17の詳細を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン
2…CVT
3…クラッチ
4…走行用モータジェネレータ
20…補助電動モータ
21…油圧ポンプ
31…ハイブリッドシステム制御部
32…オイルポンプDCモータ制御部
34…モータジェネレータ制御部
40…逆転防止機構
60…ポンプ駆動切換機構
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の運転状態のときにエンジンを停止して電動モータによる走行を行うハイブリッド車両の制御装置に関し、特に、変速機の変速作動に必要な油圧を供給する油圧供給装置に関連したトルク変動を補償する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の運転状態に応じて、エンジンの自動的な停止および再始動を行うハイブリッド車両においては、変速機で必要となる油圧を常時確保するために、一般に、エンジンにより駆動される機械駆動式油圧ポンプのほかに、電動モータにて駆動される電動式油圧ポンプを備える必要がある。特に、変速機として、ベルト式無段変速機(CVT)を用いる場合には、ベルトを締め付けるピストンを作動させるために、高い油圧が要求されるので、その油圧の確保は、この種のハイブリッド車両の実用化の上で大きな課題となっている。
【0003】
例えば、特開2001−200920号公報に開示されたベルト式無段変速機を用いたハイブリッド車両においては、エンジンと変速機との間で駆動力の伝達、遮断を行うクラッチよりもエンジン側に機械駆動式油圧ポンプが配設されており、エンジンの回転に連動する形で駆動されるようになっている。従って、エンジンを停止して走行用モータにて走行するときには、上記クラッチが断状態となることから、エンジン停止に伴って油圧ポンプも停止する。そのため、第2の油圧ポンプとして電動式油圧ポンプが設けられており、エンジン停止時には、この電動式油圧ポンプによって、変速機の変速作動部へ油圧が供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の構成においては、エンジン停止時には、常に、必要な油圧の全体を電動式油圧ポンプによって供給するようになっている。そのため、大型の電動式油圧ポンプが必要となり、一般に、インバータ方式による高電圧交流モータを用いた大型のシステムとなってしまう。また、機械式油圧ポンプと電動式油圧ポンプとの2つのポンプが併存するので、油圧回路が複雑となる。
【0005】
この発明は、補助電動モータを設けることにより1つの油圧ポンプでもってモータ走行時さらには車両停止時においても所期の作動油の圧送が可能な構成とし、かつ同時に、走行中の油圧ポンプ駆動源の切換に伴うトルク変動によるトルク段差感の発生を回避することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1のように、クラッチの入力軸にエンジンが接続されるとともに、該クラッチの出力軸に変速機の入力軸および走行用モータが接続され、かつ上記変速機の出力軸から駆動輪に駆動力が伝達されるように構成された車両推進機構と、上記走行用モータの回転によって駆動され、上記変速機の変速作動部に作動油を供給する機械駆動式の油圧ポンプと、を備えたハイブリッド車両を前提とする。従って、エンジンがクラッチを介して駆動輪を駆動している状態では、このエンジンの出力によって走行用モータとともに油圧ポンプが駆動され、また、エンジンが停止し、走行用モータによって走行しているときにも、油圧ポンプは同様に機械的に駆動される。
【0007】
そして、本発明では、車両停止時ならびに低車速時に上記油圧ポンプを駆動するための補助電動モータと、上記走行用モータによって回転する第1入力回転部材と上記補助電動モータによって回転する第2入力回転部材とのいずれか回転数が高い方の回転部材から上記油圧ポンプのロータへ回転トルクを伝達するポンプ駆動切換機構と、を備えている。すなわち、1つの油圧ポンプが、機械的に駆動されると同時に、電動式油圧ポンプとして機能するように補助電動モータによる駆動が可能となっている。上記ポンプ駆動切換機構は、例えば、上記ロータと上記第1入力回転部材との間、上記ロータと上記第2入力回転部材との間、にそれぞれ介装されたワンウェイクラッチから構成することができる。
【0008】
上記の走行用モータによる機械的な駆動が不十分となる運転状態、つまり車両停止時や低車速時には、上記補助電動モータが回転するが、上記ポンプ駆動切換機構の作用によって、エンジンもしくは走行用モータによる機械的な駆動と、補助電動モータによる駆動と、が自動的に切り換えられる。すなわち、補助電動モータが起動されても、走行用モータによる回転数が十分に高いときには、走行用モータによって機械的に駆動される。そして、車速が低下して走行用モータの回転数が低下していくと、補助電動モータによる駆動に切り換えられ、必要な油圧供給が継続される。逆に、補助電動モータで駆動されている状態で、車速増加により走行用モータの回転数が高くなると、走行用モータによる駆動に切り換えられる。
【0009】
ここで、本発明では、上記のような切換に伴う車両軸トルクの変化を抑制するために、上記の切換の際に、上記油圧ポンプの駆動トルクに相当する正もしくは負の補償トルクを加えたトルク指令値を上記走行用モータに与えるとともに、上記補償トルクを徐々に0に収束させるようにしている。これにより、走行中のトルク段差感の発生が回避される。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、1つの油圧ポンプによって、エンジン走行時、モータ走行時および車両停止中の油圧供給が可能となり、2つの油圧ポンプを併用する構成に比べて、装置の小型軽量化が図れるのは勿論のこと、油圧回路の構成が簡単となる利点がある。
【0011】
そして、走行用モータによる機械的な駆動と補助電動モータによる駆動との切換に伴う走行中のトルク段差感の発生を回避することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明に係る制御装置を備えたハイブリッド車両の車両推進機構の構成を示している。この推進機構は、例えばガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンなどからなるエンジン1と、このエンジン1の回転を変速するベルト式無段変速機(以下、CVTと略記する)2と、上記エンジン1と上記CVT2との間で駆動力の伝達,遮断を行うクラッチ3と、エンジン1停止中をも含め、車両の走行を行うための走行用モータつまり走行用モータジェネレータ4と、から大略構成されている。また、この実施例では、主にエンジン走行中に発電を行うとともにエンジン1の再始動の際のクランキングを行う発電用モータジェネレータ5をさらに備えている。
【0014】
上記クラッチ3は、例えば油圧多板式クラッチからなり、その入力軸3aは、エンジン1のクランクシャフト1aに実質的に直結されている。そして、この入力軸3aに上記発電用モータジェネレータ5のロータ(図示せず)が固定されている。なお、上記発電用モータジェネレータ5および走行用モータジェネレータ4は、いずれも交流モータジェネレータであり、公知のインバータ回路によって、駆動側および発電側の双方で制御される。
【0015】
上記CVT2は、駆動側となるプライマリプーリ11と従動側となるセカンダリプーリ12と両者間に巻き掛けられた金属製ベルト13とを備えるものであって、上記プライマリプーリ11のプーリ幅が図示せぬ油圧機構によって調整可能となっており、かつこれに応じてセカンダリプーリ12のプーリ幅が変化し、無段階に変速がなされるものである。上記プライマリプーリ11を備えた変速機入力軸11aは、上記クラッチ3の出力軸3bに実質的に直結されている。また同時に、上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが上記変速機入力軸11aに接続されている。なお、この走行用モータジェネレータ4の回転軸4aと変速機入力軸11aとの間には、図示せぬ減速歯車機構が介在している。上記セカンダリプーリ12を備えた変速機出力軸12aは、例えばファイナルドライブギア15およびファイナルドリブンギア16からなるファイナルギア14と、ディファレンシャルギア17と、を介してアクスルシャフト18に接続され、駆動輪19へ動力を伝達するようになっている。
【0016】
一方、油圧供給装置として、例えば内接歯車型ポンプからなる油圧ポンプ21が設けられており、チェーン22を介して上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aによって機械的に駆動されるようになっている。また、この機械的な駆動によるポンプ回転数が不十分となるときに、油圧ポンプ21を補助的に駆動するために、補機用の車載のバッテリで駆動可能な低電圧直流モータからなる補助電動モータ20が油圧ポンプ21と一体に取り付けられている。ここで、上記チェーン22により駆動されるスプロケットと上記油圧ポンプ21との間には、後述するように、走行用モータジェネレータ4の逆転時にも油圧ポンプ21を正転方向へ駆動する逆転防止機構40が介在しており、さらに、油圧ポンプ21の駆動源を走行用モータジェネレータ4と補助電動モータ20との間で自動的に切り換えるポンプ駆動切換機構60が後述するように設けられている。なお、上記油圧ポンプ21は、上記CVT2の作動油溜まりから該CVT2の変速作動部などへ作動油を圧送するものであって、上記変速作動部は、例えば調圧弁や油圧制御弁を含んで構成され、上記の油圧ポンプ21から供給された油圧を利用して任意の制御油圧を生成し、CVT2の変速比を可変制御している。
【0017】
図2は、上記ハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図である。図示するように、この制御システムは、オイルポンプDCモータつまり上記補助電動モータ20を制御するオイルポンプDCモータ制御部32と、エンジン1の種々の制御を行うエンジン制御部33と、インバータ回路を介して走行用モータジェネレータ4および発電用モータジェネレータ5の制御を行うモータジェネレータ制御部34と、油圧制御弁を介してクラッチ3の制御を行うクラッチ制御部35と、CVT2の変速比等の制御を行うCVT制御部36と、を備えており、これらのシステム全体がハイブリッドシステム制御部31によって統合的に制御されている。ここで、上記補助電動モータ20の駆動回路は、モータ電流を検出するDCモータ電流検出部を備えており、上記オイルポンプDCモータ制御部32は、補助電動モータ20の制御と同時に、そのモータ電流の監視つまりモニタを行っている。また、走行用モータジェネレータ4および発電用モータジェネレータ5は、それぞれ回転数センサを具備しており、モータジェネレータ制御部34によって、それぞれの回転数が検出される。
【0018】
このハイブリッド車両全体の制御を簡単に説明すると、例えば中車速以上での定常走行においては、エンジン1が燃焼運転しているとともにクラッチ3が接続状態となって、エンジン1の駆動力により車両が走行する。このとき、発電用モータジェネレータ5では発電が行われる。走行状態から車両が減速していくと、走行用モータジェネレータ4により減速エネルギの回生つまり発電が行われ、かつ車両停止前にクラッチ3が切断されてエンジン1が停止状態となる。そして、車両停止状態から発進する際には、クラッチ3が切断状態に保たれ、かつ走行用モータジェネレータ4が駆動されて、車両が発進し始める。その後、車速が所定の低車速以上になると、発電用モータジェネレータ5によるクランキングが行われてエンジン1が再始動される。このエンジン1の再始動に伴って、クラッチ3を徐々に接続し、かつ走行用モータジェネレータ4を制御して、エンジン1による走行へ移行する。
【0019】
一方、この実施例の構成では、車両推進機構は、前後進切換機構を具備しておらず、エンジン1による走行としては、前進走行のみが可能となっている。従って、後退走行は、クラッチ3を切断状態として、走行用モータジェネレータ4を逆転させることによって実現される。つまり、後退走行のまま長時間走行することは一般に考えられないので、エンジン1は停止状態として、走行用モータジェネレータ4によって後進するようにし、変速機構の簡素化を図っている。
【0020】
基本的に機械駆動される油圧ポンプ21は、上記のようにクラッチ3よりも下流つまり変速機入力軸11a側に設けられているので、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、車両が走行していれば、これに伴って機械的に駆動される。そして、後述する逆転防止機構40の作用により、前進走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが正転するときも、後退走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが逆転するときも、油圧ポンプ21のロータが同じ方向つまりポンプとして所期の回転方向に駆動されるようになっている。さらに、走行用モータジェネレータ4の回転軸4aの回転数が低くなる低車速時ならびに車両停止時には、上記補助電動モータ20によるポンプ駆動に切り換えられ、必要な油圧の確保が継続される。
【0021】
次に、ポンプ駆動切換機構60ならびに逆転防止機構40の一実施例を図3に基づいて説明する。
【0022】
この実施例では、ワンウェイクラッチを用いたポンプ駆動切換機構60と遊星歯車機構を用いた逆転防止機構40とが、一端部に油圧ポンプ21を備えた同じケーシング44内に収容されており、かつ、油圧ポンプ21の背面側に、補助電動モータ20が配置されている。つまり、油圧ポンプ21のロータ21aの回転中心と、スプロケット41を端部に備えた入力軸42と、補助電動モータ20の回転軸20aと、が互いに同軸上に配置されている。上記入力軸42と上記回転軸20aとは、直列に並んで配置され、かつそれぞれの端部がブッシュ43を介して互いに回転自在に嵌合している。また、上記入力軸42のスプロケット41側の端部は、ベアリング45を介して上記ケーシング44に回転自在に支持されている。
【0023】
逆転防止機構40を構成する遊星歯車機構は、上記入力軸42の外周に同軸上に配置された円環状のサンギア51と、このサンギア51の外周に同軸上に配置されたリングギア52と、これらのサンギア51とリングギア52との間に位置するとともに、それぞれと噛み合った複数個のプラネタリギア53と、を備えている。上記サンギア51は、段付状の略円筒形をなすサンギアサポート54によって支持されており、このサンギアサポート54がブッシュ55を介して入力軸42上に回転自在に支持されている。また、上記サンギアサポート54と入力軸42とは、サンギア用ワンウェイクラッチ56によって接続されている。このサンギア用ワンウェイクラッチ56は、上記入力軸42が正転方向(前進走行時の回転方向)に回転した場合にのみ、その回転力がサンギア51へ伝達され、入力軸42の逆転方向(後退走行時の回転方向)の回転力はサンギア51へ伝達されない方向に構成されている。
【0024】
上記リングギア52は、円板状をなすリングギアサポート57の外周部に取り付けられており、かつこのリングギアサポート57が上記入力軸42に固定されている。つまり、リングギア52は入力軸42と一体に回転する。また、上記プラネタリギア53は、断面略L字形の環状をなすキャリア58にそれぞれ回転自在に支持されている。このキャリア58は、サンギア51およびリングギア52と同軸上に回転可能なものであって、固定部となる上記ケーシング44とこのキャリア58の外周側の円筒部とが、キャリア用ワンウェイクラッチ59によって接続されている。このキャリア用ワンウェイクラッチ59は、キャリア58が上記入力軸42の正転方向と同方向に回転することを許容し、かつ逆方向の回転を阻止する構成となっている。
【0025】
次に、ポンプ駆動切換機構60について説明する。この実施例では、上記サンギアサポート54が、走行用モータジェネレータ4の回転に伴って回転する第1入力回転部材に相当し、補助電動モータ20の回転軸20aが、該補助電動モータ20の回転に伴って回転する第2入力回転部材に相当する。ポンプ駆動切換機構60は、第1入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する機械駆動用ワンウェイクラッチ61と、第2入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する電動用ワンウェイクラッチ62と、から構成されている。上記ロータ21aは、略円筒状をなすポンプ駆動部材63に連結固定されており、このポンプ駆動部材63の端部と上記サンギアサポート54とが、上記機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介して接続されている。また、ポンプ駆動部材63は、内周側に折れ曲がった延長部を有し、この延長部と上記回転軸20aとが、上記電動用ワンウェイクラッチ62を介して接続されている。従って、これらの2つのワンウェイクラッチ61,62の作用により、第1入力回転部材となるサンギアサポート54と第2入力回転部材となる補助電動モータ20の回転軸20aとの中で、いずれか回転数が高い方からロータ21aへ回転トルクが伝達されることになる。
【0026】
次に、上記逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を、図4のスケルトン図を併せて説明する。なお、理解を容易にするために、以下の説明では、全ての部材について、車両前進走行時のスプロケット41の回転方向と同じ回転方向を「正転方向」と呼び、逆の回転方向を「逆転方向」と呼ぶものとする。
【0027】
図4の(a)は、車両が十分な速度で前進走行し、スプロケット41を備えた入力軸42が正転方向に回転しているときの状態を示す。この正転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56は締結状態となり、入力軸42の回転がサンギアサポート54に伝達される。なお、このときリングギア52も入力軸42と一体に回転し、これに伴ってキャリア58も正転方向に回転する。キャリア用ワンウェイクラッチ59は、いわゆるフリー状態となり、キャリア58の回転が許容される。また、補助電動モータ20は停止しているので、機械駆動用ワンウェイクラッチ61が締結状態となり、サンギアサポート54の回転が油圧ポンプ21のロータ21aに伝達される。つまり、ロータ21aは、正転方向に機械的に駆動される。なお、電動用ワンウェイクラッチ62はフリー状態となり、補助電動モータ20は停止状態を保つ。従って、車両の前進走行時は、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、油圧ポンプ21は、所期の回転方向である正転方向に機械的に駆動される。このとき、ロータ21aの回転数は、入力軸42の回転数と等しく、つまり車速とCVT2の変速比とで定まるポンプ回転数でもって駆動される。
【0028】
図4の(b)は、車両が十分な速度で後退走行し、走行用モータジェネレータ4の逆転に伴って入力軸42が逆転方向に回転しているときの状態を示す。なお、補助電動モータ20はやはり停止している。この逆転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56はフリー状態となる。リングギア52はリングギアサポート57を介して入力軸42と一体に逆転方向に回転するが、キャリア58の逆転方向への回転は、キャリア用ワンウェイクラッチ59が締結状態となって阻止されるため、プラネタリギア53を介して、サンギア51が正転方向に駆動される。これにより、サンギアサポート54から機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介してロータ21aが正転方向に回転する。従って、走行用モータジェネレータ4による後退走行時に、油圧ポンプ21は、前進走行時と同じく、所期の回転方向である正転方向に駆動されることになる。このとき、ロータ21aの回転数は、サンギア51とリングギア52との歯数の比に応じて、入力軸42の回転数に対し増速される。つまり車速およびCVT2の変速比が同じであれば、前進走行時に比べて後退走行時の方が油圧ポンプ21の回転数が高く得られる。後退走行は、一般に徐行運転として低い車速でなされ、走行用モータジェネレータ4の回転数が比較的低いものとなるが、このような増速作用によって、十分な油圧を確保することができる。
【0029】
図4の(c)は、車両が停止しているときの状態、ならびに、ごく低速で走行(前進もしくは後退)しているときの状態を示す。このときには、補助電動モータ20がサンギアサポート54の回転数よりも相対的に高い回転数で正転方向に回転しているので、電動用ワンウェイクラッチ62が締結状態となって、補助電動モータ20の回転軸20aによりロータ21aが正転方向に駆動される。このとき、機械駆動用ワンウェイクラッチ61はフリー状態となり、サンギアサポート54へのトルク伝達は阻止される。なお、サンギア用ワンウェイクラッチ56およびキャリア用ワンウェイクラッチ59は、いずれもいわゆる連れ回りを伴うものの、トルク伝達はなされずに実質的にフリー状態となる。
【0030】
図5は、上記の実施例において、車両が前進走行から後退走行へ移行するときの油圧ポンプ21の作動および油圧変化を説明する説明図である。具体的には、運転者が前進走行中に車両を減速して停車し、変速機(CVT2)のシフトレバーを前進走行用のDレンジから後退走行用のRレンジに切り換えた後、後進を開始するまでの様子を示している。なお、破線がサンギア51(サンギアサポート54)の回転数、点線が補助電動モータ20の回転数、細実線が入力軸42の回転数、太実線が油圧、をそれぞれ示す。
【0031】
前述したように、油圧ポンプ21は、前進走行時には正転方向に機械的に駆動されているが、車速の低下に伴って回転数が低下し、これにより、発生油圧も低下していく。そして、この油圧が所定油圧(これは最低必要油圧よりも僅かに高く設定される)まで低下したとき(あるいは入力軸42回転数が所定回転数未満となったとき)に、補助電動モータ20が起動される。そして、補助電動モータ20の回転数に対してサンギア51の回転数が相対的に低くなると、前述したように、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、入力軸42による機械的な駆動から補助電動モータ20による駆動に自動的に切り換えられる。これにより、変速作動部などへ圧送される作動油の油圧は、最低必要油圧以上に確保される。車両の停車中は、補助電動モータ20による駆動が継続し、必要な油圧が与えられる。なお、この間の補助電動モータ20の回転数は、一定値に制御される。そして、後退走行が開始すると、前述した逆転防止機構40によってサンギア51が正転方向に増速されつつ回転する。このサンギア51の回転数が補助電動モータ20の回転数を上回ると、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、補助電動モータ20による駆動から入力軸42による機械的な駆動に自動的に切り換えられる。この切換により補助電動モータ20が無負荷となったとき、あるいはサンギア51の回転数が所定回転数以上となったときに、補助電動モータ20が停止される。従って、瞬間的な油圧低下などを伴わずに、前進→停止→後退の切換の間も円滑に油圧供給を継続することができる。なお、補助電動モータ20による駆動との切換が行われるような低車速領域では、エンジン1は停止しており、走行用モータジェネレータ4によって車両が走行している。
【0032】
上記のように、ポンプ駆動切換機構60は、2系統の駆動源の回転数の関係によって自動的に切換を行うので、走行用モータジェネレータ4による走行中に、ポンプ駆動トルク分の増減変化が生じ、トルク段差感が発生する虞がある。特に、ワンウェイクラッチ61,62の締結は滑りを伴わずに急激に噛み合う形となるので、比較的小さなトルク変化であっても、大きなショックを生じ易い。そこで、本発明では、切換時にポンプ駆動トルクの補償制御を実行する。
【0033】
図6は、補助電動モータ20によって油圧ポンプ21が駆動されている状態から走行用モータジェネレータ4の回転数が上昇して該走行用モータジェネレータ4による駆動へと切り換えられるときのトルク補償制御を説明するもので、図の(a)は走行用モータジェネレータ4および補助電動モータ20の回転数(厳密には前述した第1,第2入力回転部材の回転数)、(b)は補助電動モータ20のトルクTopm、(c)は走行用モータジェネレータ4のトルクTm1、(d)はCVT2のプライマリプーリ11の軸トルクTpri、(e)は補助電動モータ20のモータ電流Iopm、をそれぞれ示している。
【0034】
図示するように、走行用モータジェネレータ4の回転数が相対的に低い段階では、補助電動モータ20によって油圧ポンプ21が駆動されており、補助電動モータ20のトルクTopmおよびモータ電流Iopmは、大きい。なお、直流モータからなる補助電動モータ20においては、図8に示すように、トルクTopmがモータ電流Iopmに応じて直線的に変化する関係にあり、モータ電流IopmによってトルクTopmの推定が可能である。
【0035】
この状態から走行用モータジェネレータ4の回転数が上昇して補助電動モータ20の回転数を追い越すと、その瞬間にワンウェイクラッチ61,62の作用により走行用モータジェネレータ4による駆動に切り換えられる。これによって、補助電動モータ20のトルクTopmひいてはモータ電流Iopmが急減するので、OFF判定値Ioffとの比較により、切換が行われたことが検知される。この切換を検知したら、(c)に示すように、走行用モータジェネレータ4の要求トルク(破線)に対し、油圧ポンプ21の駆動トルクに相当する正の補償トルクを加えて、走行用モータジェネレータ4のトルク指令値とする。そして、上記補償トルクを徐々に小さくし、所定の制御終了時間tend(例えば1〜2秒程度に設定される)の経過時点で0に収束するようにする。このように、走行用モータジェネレータ4のトルク補償を行うことで、プライマリプーリ11の軸トルクTpriは、(d)に示すように滑らかに変化し、トルク段差感の発生が回避される。なお、(d)の破線は、このようなトルク補償を行わない場合の軸トルクTpriの急激な変化を示しており、このトルク変化は、加速中の減速ショックとなって現れる。
【0036】
図7は、逆に、走行用モータジェネレータ4によって油圧ポンプ21が駆動されている状態から該走行用モータジェネレータ4の回転数が低下して補助電動モータ20による駆動へと切り換えられるときのトルク補償制御を説明するものである。前述したように、走行用モータジェネレータ4の回転数がある程度低下した段階で、補助電動モータ20が起動されているが、走行用モータジェネレータ4の回転数が相対的に高い段階では、切換はなされず、走行用モータジェネレータ4によって油圧ポンプ21が駆動されている。従って、この段階では、補助電動モータ20のトルクTopmおよびモータ電流Iopmは、小さい。
【0037】
この状態から走行用モータジェネレータ4の回転数が低下して補助電動モータ20の回転数を下回ると、その瞬間にワンウェイクラッチ61,62の作用により補助電動モータ20による駆動に切り換えられる。これによって、補助電動モータ20のトルクTopmひいてはモータ電流Iopmが急増するので、ON判定値Ionとの比較により、切換が行われたことが検知される。この切換を検知したら、(c)に示すように、走行用モータジェネレータ4の回生側の要求トルク(破線)に対し、油圧ポンプ21の駆動トルクに相当する負の補償トルクを加えて、走行用モータジェネレータ4のトルク(回生トルク)指令値とする。そして、上記補償トルクを徐々に小さくし、所定の制御終了時間tend(例えば1〜2秒程度に設定される)の経過時点で0に収束するようにする。このように、走行用モータジェネレータ4のトルク補償を行うことで、プライマリプーリ11の軸トルクTpriは、(d)に示すように滑らかに変化し、トルク段差感の発生が回避される。なお、(d)の破線は、このようなトルク補償を行わない場合の軸トルクTpriの急激な変化を示しており、このトルク変化は、減速中の制動力低下となって現れる。
【0038】
次に、図9〜図11のフローチャートに基づいて、上記トルク補償制御の処理の流れを説明する。なお、この制御の処理は、上記のハイブリッドシステム制御部31、オイルポンプDCモータ制御部32およびモータジェネレータ制御部34において主に実行される。
【0039】
図9は、メインフローチャートであって、ステップ1では、それまで油圧ポンプ21が補助電動モータ20で駆動されていたか否かを所定のフラグに基づいて判定し、YESであればステップ2以降へ、NOであればステップ10以降へ進む。なお、ステップ2以降の処理は図6の切換に対応し、ステップ10以降の処理は図7の切換に対応する。
【0040】
ステップ2では、モータ電流IopmがOFF判定値Ioffを下回ったか判定し、NOであれば、切換は実行されていないので、このルーチンを終了する。一方、YESであれば、切換実行後であることを意味し、ステップ3へ進んで制御経過時間タイマtc1が0であるか判定する。これは、切換実行後の初回は0であるので、ステップ4へ進み、該タイマtc1のカウントを開始する。次のステップ5では、オイルポンプDCモータ制御部32において、前回(つまり切換直前)のモータ電流Iopmの値から、補助電動モータ20の駆動トルクTopmを求める。そして、ステップ6で、オイルポンプDCモータ制御部32からハイブリッドシステム制御部31へ上記の駆動トルクTopmの値を送信する。ステップ7では、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ、走行用モータジェネレータ4のトルク指令値Tm1*として、そのときのトルク要求値Tm1に上記のTopmの値を加えた値、つまりTm1*=Tm1+Topmを送信する。これによって、切換後の初回のトルク補償がなされる。2回目以降は、タイマtc1の値が0でないことから、ステップ3からステップ9へ進む。
【0041】
図10は、ステップ9の処理の詳細を示すもので、ステップ21で、タイマtc1が制御終了時間tend未満であるかを判定する。制御終了時間tend未満であれば、ステップ22へ進み、トルク指令値Tm1*を、Tm1*=Tm1+Topm×(1−tc1/tend)として求め、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ送信する。従って、タイマtc1の値が大きくなるに従って、トルク指令値Tm1*は、トルク要求値Tm1に徐々に収束し、制御終了時間tendの時点では、トルク要求値Tm1に一致する。また、制御終了時間tendに達したら、ステップ21からステップ23へ進み、Tm1*=Tm1とする。そして、ステップ24で、タイマtc1をリセットする。なお、後述するタイマtc2も同時にリセットする。
【0042】
一方、ステップ10では、モータ電流IopmがON判定値Ionを上回ったか判定し、NOであれば、切換は実行されていないので、このルーチンを終了する。これに対し、YESであれば、切換実行後であることを意味し、ステップ11へ進んで制御経過時間タイマtc2が0であるか判定する。これは、切換実行後の初回は0であるので、ステップ12へ進み、該タイマtc2のカウントを開始する。次のステップ13では、オイルポンプDCモータ制御部32において、今回(つまり切換直後)のモータ電流Iopmの値から、補助電動モータ20の駆動トルクTopmを求める。そして、ステップ14で、オイルポンプDCモータ制御部32からハイブリッドシステム制御部31へ上記の駆動トルクTopmの値を送信する。ステップ15では、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ、走行用モータジェネレータ4のトルク指令値Tm1*として、そのときのトルク要求値Tm1に上記のTopmの値を負として加えた値、つまりTm1*=Tm1−Topmを送信する。これによって、切換後の初回のトルク補償がなされる。2回目以降は、タイマtc2の値が0でないことから、ステップ11からステップ17へ進む。
【0043】
図11は、ステップ17の処理の詳細を示すもので、ステップ31で、タイマtc2が制御終了時間tend未満であるかを判定する。制御終了時間tend未満であれば、ステップ32へ進み、トルク指令値Tm1*を、Tm1*=Tm1−Topm×(1−tc2/tend)として求め、ハイブリッドシステム制御部31からモータジェネレータ制御部34へ送信する。従って、タイマtc2の値が大きくなるに従って、トルク指令値Tm1*は、トルク要求値Tm1に徐々に収束し、制御終了時間tendの時点では、トルク要求値Tm1に一致する。また、制御終了時間tendに達したら、ステップ31からステップ33へ進み、Tm1*=Tm1とする。そして、ステップ34で、タイマtc2をタイマtc1とともにリセットする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るハイブリッド車両の車両推進機構の構成説明図。
【図2】このハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図。
【図3】補助電動モータ等を一体に備えた油圧ポンプの構成を示す断面図。
【図4】逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【図5】前進走行から後退走行へ移行するときの油圧変化等を示す説明図。
【図6】補助電動モータによるポンプ駆動から走行用モータジェネレータによる駆動に切り換えられるときの作用を示すタイムチャート。
【図7】走行用モータジェネレータによるポンプ駆動から補助電動モータによる駆動に切り換えられるときの作用を示すタイムチャート。
【図8】補助電動モータのトルクTopmとモータ電流Iopmとの関係を示す特性図。
【図9】トルク補償制御の流れを示すメインフローチャート。
【図10】ステップ9の詳細を示すフローチャート。
【図11】ステップ17の詳細を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン
2…CVT
3…クラッチ
4…走行用モータジェネレータ
20…補助電動モータ
21…油圧ポンプ
31…ハイブリッドシステム制御部
32…オイルポンプDCモータ制御部
34…モータジェネレータ制御部
40…逆転防止機構
60…ポンプ駆動切換機構
Claims (9)
- クラッチの入力軸にエンジンが接続されるとともに、該クラッチの出力軸に変速機の入力軸および走行用モータが接続され、かつ上記変速機の出力軸から駆動輪に駆動力が伝達されるように構成された車両推進機構と、
上記走行用モータの回転によって駆動され、上記変速機の変速作動部に作動油を供給する機械駆動式の油圧ポンプと、
車両停止時ならびに低車速時に上記油圧ポンプを駆動するための補助電動モータと、
上記走行用モータによって回転する第1入力回転部材と上記補助電動モータによって回転する第2入力回転部材とのいずれか回転数が高い方の回転部材から上記油圧ポンプのロータへ回転トルクを伝達するポンプ駆動切換機構と、
を備えてなるハイブリッド車両の制御装置であって、
上記ポンプ駆動切換機構の切換の際に、上記油圧ポンプの駆動トルクに相当する正もしくは負の補償トルクを加えたトルク指令値を上記走行用モータに与えるとともに、上記補償トルクを徐々に0に収束させることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 上記補助電動モータのモータ電流を監視し、このモータ電流の変化からポンプ駆動切換機構の切換を検知することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 上記補助電動モータのモータ電流を検出し、このモータ電流から上記油圧ポンプの駆動トルクを推定することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 上記走行用モータが、減速エネルギの回生が可能なモータジェネレータとして構成されており、上記ポンプ駆動切換機構が走行用モータによる駆動から補助電動モータによる駆動に切り換えられるときに、上記トルク指令値が、負の補償トルクを加えた回生側の値として与えられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 上記ポンプ駆動切換機構は、上記ロータと上記第1入力回転部材との間、上記ロータと上記第2入力回転部材との間、にそれぞれ介装されたワンウェイクラッチから構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 上記補助電動モータは、車速低下時に、上記第1入力回転部材の回転数が所定値未満となったときに起動されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 上記補助電動モータは、車両走行開始時に、上記第1入力回転部材の回転数が所定値以上となったときに停止されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 上記補助電動モータは、車両走行開始時に、無負荷となったときに停止されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 上記補助電動モータは、上記油圧ポンプに要求される最低必要油圧に対応した一定回転数で駆動されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
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- 2002-09-04 JP JP2002258666A patent/JP2004096970A/ja active Pending
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