JP2004100725A - ハイブリッド車両の油圧供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械駆動式の油圧ポンプ21を車両停止時などに補助電動モータ20により駆動できるようにして、油圧回路の簡略化を図る。
【解決手段】油圧ポンプ21の入力軸42は、チェーンを介して走行用モータジェネレータの回転軸に連動しており、エンジンを停止したモータ走行であっても車両走行時には機械的に駆動される。車両の後退走行は、走行用モータジェネレータが逆転することで実現されるが、入力軸42と油圧ポンプ21との間に、遊星歯車機構とワンウェイクラッチ56,59とを用いた逆転防止機構40が設けられていて、後退走行時にも正転方向に駆動される。車両停止時や低速走行時の油圧確保のために補助電動モータ20が設けられており、2つのワンウェイクラッチ61,62からなるポンプ駆動切換機構60によって、相対的に回転数が高い方の部材によりロータ21aが回転駆動される。
【選択図】 図3
【解決手段】油圧ポンプ21の入力軸42は、チェーンを介して走行用モータジェネレータの回転軸に連動しており、エンジンを停止したモータ走行であっても車両走行時には機械的に駆動される。車両の後退走行は、走行用モータジェネレータが逆転することで実現されるが、入力軸42と油圧ポンプ21との間に、遊星歯車機構とワンウェイクラッチ56,59とを用いた逆転防止機構40が設けられていて、後退走行時にも正転方向に駆動される。車両停止時や低速走行時の油圧確保のために補助電動モータ20が設けられており、2つのワンウェイクラッチ61,62からなるポンプ駆動切換機構60によって、相対的に回転数が高い方の部材によりロータ21aが回転駆動される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の運転状態のときにエンジンを停止して電動モータによる走行を行うハイブリッド車両に関し、特に、その変速機の変速作動に必要な油圧を供給する油圧供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の運転状態に応じて、エンジンの自動的な停止および再始動を行うハイブリッド車両においては、変速機で必要となる油圧を常時確保するために、一般に、エンジンにより駆動される機械駆動式油圧ポンプのほかに、電動モータにて駆動される電動式油圧ポンプを備える必要がある。特に、変速機として、ベルト式無段変速機(CVT)を用いる場合には、ベルトを締め付けるピストンを作動させるために、高い油圧が要求されるので、その油圧の確保は、この種のハイブリッド車両の実用化の上で大きな課題となっている。
【0003】
例えば、特開2001−200920号公報に開示されたベルト式無段変速機を用いたハイブリッド車両においては、エンジンと変速機との間で駆動力の伝達、遮断を行うクラッチよりもエンジン側に機械駆動式油圧ポンプが配設されており、エンジンの回転に連動する形で駆動されるようになっている。従って、エンジンを停止して走行用モータにて走行するときには、上記クラッチが断状態となることから、エンジン停止に伴って油圧ポンプも停止する。そのため、第2の油圧ポンプとして電動式油圧ポンプが設けられており、エンジン停止時には、この電動式油圧ポンプによって、変速機の変速作動部へ油圧が供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の構成においては、エンジン停止時には、常に、必要な油圧の全体を電動式油圧ポンプによって供給するようになっている。そのため、大型の電動式油圧ポンプが必要となり、一般に、インバータ方式による高電圧交流モータを用いた大型のシステムとなってしまう。
【0005】
また、機械式油圧ポンプと電動式油圧ポンプとの2つのポンプが必要であることから、車両への搭載性や重量ならびにコストの点で好ましくないのは勿論のこと、特に、2つのポンプが存在することに起因して、油圧回路が複雑となる不具合がある。
【0006】
この発明は、1つのポンプでもってモータ走行時さらには車両停止時においても所期の作動油の圧送が可能なハイブリッド車両の油圧供給装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1のように、クラッチの入力軸にエンジンが接続されるとともに、該クラッチの出力軸に変速機の入力軸および走行用モータが接続され、かつ上記変速機の出力軸から駆動輪に駆動力が伝達されるように構成された車両推進機構と、上記走行用モータの回転によって駆動され、上記変速機の変速作動部に作動油を供給する機械駆動式の油圧ポンプと、を備えたハイブリッド車両の油圧供給装置に関する。従って、エンジンがクラッチを介して駆動輪を駆動している状態では、このエンジンの出力によって走行用モータとともに油圧ポンプが駆動され、また、エンジンが停止し、走行用モータによって前進方向へ走行しているときにも、油圧ポンプは同様に機械的に駆動される。
【0008】
そして、本発明では、車両停止時に上記油圧ポンプを駆動するための補助電動モータと、上記走行用モータによって回転する第1入力回転部材と上記補助電動モータによって回転する第2入力回転部材とのいずれか回転数が高い方の回転部材から上記油圧ポンプのロータへ回転トルクを伝達するポンプ駆動切換機構と、を備えている。すなわち、1つの油圧ポンプが、機械的に駆動されると同時に、電動式油圧ポンプとして機能するように補助電動モータによる駆動が可能となっている。
【0009】
上記のエンジンもしくは走行用モータによる機械的な駆動が不十分となる運転状態、例えば車両停止時や低車速時には、上記補助電動モータが回転するが、上記ポンプ駆動切換機構の作用によって、エンジンもしくは走行用モータによる機械的な駆動と、補助電動モータによる駆動と、が自動的に切り換えられる。すなわち、補助電動モータが起動されても、エンジンもしくは走行用モータによる回転数が十分に高いときには、エンジンもしくは走行用モータによって機械的に駆動される。そして、これらの回転数が低下していくと、補助電動モータによる駆動に切り換えられ、必要な油圧供給が継続される。
【0010】
また、本発明の油圧供給装置は、望ましくは、上記走行用モータの正転時および逆転時の双方で、上記第1入力回転部材に同方向に回転力を伝達する逆転防止機構をさらに備えている。この構成によれば、上記ハイブリッド車両が、上記クラッチの解放状態で上記走行用モータの逆転によって後退走行を行う場合でも、油圧ポンプを正転方向に機械的に駆動することが可能である。
【0011】
【発明の効果】
この発明に係るハイブリッド車両の油圧供給装置によれば、1つの油圧ポンプによって、エンジン走行時、モータ走行時および車両停止中の油圧供給が可能となり、2つの油圧ポンプを併用する構成に比べて、装置の小型軽量化が図れるのは勿論のこと、油圧回路の構成が簡単となる利点がある。また、エンジンを停止したモータ走行時にも、機械的な駆動による油圧供給が可能であることから、補助電動モータによる油圧供給に要求される能力ないし性能を軽減でき、そのため、補助電動モータの小型化が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明に係る油圧供給装置が用いられるハイブリッド車両の車両推進機構の構成を示している。この推進機構は、例えばガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンなどからなるエンジン1と、このエンジン1の回転を変速するベルト式無段変速機(以下、CVTと略記する)2と、上記エンジン1と上記CVT2との間で駆動力の伝達,遮断を行うクラッチ3と、エンジン1停止中をも含め、車両の走行を行うための走行用モータつまり走行用モータジェネレータ4と、から大略構成されている。また、この実施例では、主にエンジン走行中に発電を行うとともにエンジン1の再始動の際のクランキングを行う発電用モータジェネレータ5をさらに備えている。
【0014】
上記クラッチ3は、例えば油圧多板式クラッチからなり、その入力軸3aは、エンジン1のクランクシャフト1aに実質的に直結されている。そして、この入力軸3aに上記発電用モータジェネレータ5のロータ(図示せず)が固定されている。なお、上記発電用モータジェネレータ5および走行用モータジェネレータ4は、いずれも交流モータジェネレータであり、公知のインバータ回路によって、駆動側および発電側の双方で制御される。
【0015】
上記CVT2は、駆動側となるプライマリプーリ11と従動側となるセカンダリプーリ12と両者間に巻き掛けられた金属製ベルト13とを備えるものであって、上記プライマリプーリ11のプーリ幅が図示せぬ油圧機構によって調整可能となっており、かつこれに応じてセカンダリプーリ12のプーリ幅が変化し、無段階に変速がなされるものである。上記プライマリプーリ11を備えた変速機入力軸11aは、上記クラッチ3の出力軸3bに実質的に直結されている。また同時に、上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが上記変速機入力軸11aに接続されている。なお、この走行用モータジェネレータ4の回転軸4aと変速機入力軸11aとの間には、後述するように減速歯車機構が介在している。上記セカンダリプーリ12を備えた変速機出力軸12aは、ファイナルギア列14と、ディファレンシャルギア17と、を介してアクスルシャフト18に接続され、駆動輪19へ動力を伝達するようになっている。
【0016】
一方、油圧供給装置として、例えば内接歯車型ポンプからなる油圧ポンプ21が設けられており、巻き掛け伝動機構例えばチェーン22を介して上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aによって機械的に駆動されるようになっている。また、この機械的な駆動によるポンプ回転数が不十分となるときに、油圧ポンプ21を補助的に駆動するために、補機用の車載のバッテリで駆動可能な低電圧直流モータからなる補助電動モータ20が油圧ポンプ21と一体に取り付けられている。ここで、上記チェーン22により駆動されるスプロケットと上記油圧ポンプ21との間には、後述するように、走行用モータジェネレータ4の逆転時にも油圧ポンプ21を正転方向へ駆動する逆転防止機構40が介在しており、さらに、油圧ポンプ21の駆動源を走行用モータジェネレータ4と補助電動モータ20との間で自動的に切り換えるポンプ駆動切換機構60が後述するように設けられている。なお、上記油圧ポンプ21は、上記CVT2の作動油溜まりから該CVT2の変速作動部などへ作動油を圧送するものであって、上記変速作動部は、例えば調圧弁や油圧制御弁を含んで構成され、上記の油圧ポンプ21から供給された油圧を利用して任意の制御油圧を生成し、CVT2の変速比を可変制御している。
【0017】
図2は、上記ハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図である。図示するように、この制御システムは、オイルポンプ用DCモータつまり上記補助電動モータ20を制御するオイルポンプ用DCモータ制御部32と、エンジン1の種々の制御を行うエンジン制御部33と、インバータ回路を介して走行用モータジェネレータ4および発電用モータジェネレータ5の制御を行うモータジェネレータ制御部34と、油圧制御弁を介してクラッチ3の制御を行うクラッチ制御部35と、CVT2の変速比等の制御を行うCVT制御部36と、を備えており、これらのシステム全体がハイブリッドシステム制御部31によって統合的に制御されている。
【0018】
このハイブリッド車両全体の制御を簡単に説明すると、例えば中車速以上での定常走行においては、エンジン1が燃焼運転しているとともにクラッチ3が接続状態となって、エンジン1の駆動力により車両が走行する。このとき、発電用モータジェネレータ5では発電が行われる。走行状態から車両が減速していくと、走行用モータジェネレータ4により減速エネルギの回生つまり発電が行われ、かつ車両停止前にクラッチ3が切断されてエンジン1が停止状態となる。そして、車両停止状態から発進する際には、クラッチ3が切断状態に保たれ、かつ走行用モータジェネレータ4が駆動されて、車両が発進し始める。その後、車速が所定の低車速以上になると、発電用モータジェネレータ5によるクランキングが行われてエンジン1が再始動される。このエンジン1の再始動に伴って、クラッチ3を徐々に接続し、かつ走行用モータジェネレータ4を制御して、エンジン1による走行へ移行する。
【0019】
一方、この実施例の構成では、車両推進機構は、前後進切換機構を具備しておらず、エンジン1による走行としては、前進走行のみが可能となっている。従って、後退走行は、クラッチ3を切断状態として、走行用モータジェネレータ4を逆転させることによって実現される。つまり、後退走行のまま長時間走行することは一般に考えられないので、エンジン1は停止状態として、走行用モータジェネレータ4によって後進するようにし、変速機構の簡素化を図っている。
【0020】
基本的に機械駆動される油圧ポンプ21は、上記のようにクラッチ3よりも下流つまり変速機入力軸11a側に設けられているので、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、車両が走行していれば、これに伴って機械的に駆動される。そして、後述する逆転防止機構40の作用により、前進走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが正転するときも、後退走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが逆転するときも、油圧ポンプ21のロータが同じ方向つまりポンプとして所期の回転方向に駆動されるようになっている。さらに、走行用モータジェネレータ4の回転軸4aの回転数が低くなる低車速時ならびに車両停止時には、上記補助電動モータ20によるポンプ駆動に切り換えられ、必要な油圧の確保が継続される。
【0021】
次に、ポンプ駆動切換機構60ならびに逆転防止機構40の一実施例を図3に基づいて説明する。
【0022】
この実施例では、ワンウェイクラッチを用いたポンプ駆動切換機構60と遊星歯車機構を用いた逆転防止機構40とが、一端部に油圧ポンプ21を備えた同じケーシング44内に収容されており、かつ、油圧ポンプ21の背面側に、補助電動モータ20が配置されている。つまり、油圧ポンプ21のロータ21aの回転中心と、スプロケット41を端部に備えた入力軸42と、補助電動モータ20の回転軸20aと、が互いに同軸上に配置されている。上記入力軸42と上記回転軸20aとは、直列に並んで配置され、かつそれぞれの端部がブッシュ43を介して互いに回転自在に嵌合している。また、上記入力軸42のスプロケット41側の端部は、ベアリング45を介して上記ケーシング44に回転自在に支持されている。
【0023】
逆転防止機構40を構成する遊星歯車機構は、上記入力軸42の外周に同軸上に配置された円環状のサンギア51と、このサンギア51の外周に同軸上に配置されたリングギア52と、これらのサンギア51とリングギア52との間に位置するとともに、それぞれと噛み合った複数個のプラネタリギア53と、を備えている。上記サンギア51は、段付状の略円筒形をなすサンギアサポート54によって支持されており、このサンギアサポート54がブッシュ55を介して入力軸42上に回転自在に支持されている。また、上記サンギアサポート54と入力軸42とは、サンギア用ワンウェイクラッチ56によって接続されている。このサンギア用ワンウェイクラッチ56は、上記入力軸42が正転方向(前進走行時の回転方向)に回転した場合にのみ、その回転力がサンギア51へ伝達され、入力軸42の逆転方向(後退走行時の回転方向)の回転力はサンギア51へ伝達されない方向に構成されている。
【0024】
上記リングギア52は、円板状をなすリングギアサポート57の外周部に取り付けられており、かつこのリングギアサポート57が上記入力軸42に固定されている。つまり、リングギア52は入力軸42と一体に回転する。また、上記プラネタリギア53は、断面略L字形の環状をなすキャリア58にそれぞれ回転自在に支持されている。このキャリア58は、サンギア51およびリングギア52と同軸上に回転可能なものであって、固定部となる上記ケーシング44とこのキャリア58の外周側の円筒部とが、キャリア用ワンウェイクラッチ59によって接続されている。このキャリア用ワンウェイクラッチ59は、キャリア58が上記入力軸42の正転方向と同方向に回転することを許容し、かつ逆方向の回転を阻止する構成となっている。
【0025】
次に、ポンプ駆動切換機構60について説明する。この実施例では、上記サンギアサポート54が、走行用モータジェネレータ4の回転に伴って回転する第1入力回転部材に相当し、補助電動モータ20の回転軸20aが、該補助電動モータ20の回転に伴って回転する第2入力回転部材に相当する。ポンプ駆動切換機構60は、第1入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する機械駆動用ワンウェイクラッチ61と、第2入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する電動用ワンウェイクラッチ62と、から構成されている。上記ロータ21aは、略円筒状をなすポンプ駆動部材63に連結固定されており、このポンプ駆動部材63の端部と上記サンギアサポート54とが、上記機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介して接続されている。また、ポンプ駆動部材63は、内周側に折れ曲がった延長部を有し、この延長部と上記回転軸20aとが、上記電動用ワンウェイクラッチ62を介して接続されている。従って、これらの2つのワンウェイクラッチ61,62の作用により、第1入力回転部材となるサンギアサポート54と第2入力回転部材となる補助電動モータ20の回転軸20aとの中で、いずれか回転数が高い方からロータ21aへ回転トルクが伝達されることになる。
【0026】
次に、上記逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を、図4のスケルトン図を併せて説明する。なお、理解を容易にするために、以下の説明では、全ての部材について、車両前進走行時のスプロケット41の回転方向と同じ回転方向を「正転方向」と呼び、逆の回転方向を「逆転方向」と呼ぶものとする。
【0027】
図4の(a)は、車両が十分な速度で前進走行し、スプロケット41を備えた入力軸42が正転方向に回転しているときの状態を示す。この正転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56は締結状態となり、入力軸42の回転がサンギアサポート54に伝達される。なお、このときリングギア52も入力軸42と一体に回転し、これに伴ってキャリア58も正転方向に回転する。キャリア用ワンウェイクラッチ59は、いわゆるフリー状態となり、キャリア58の回転が許容される。また、補助電動モータ20は停止しているので、機械駆動用ワンウェイクラッチ61が締結状態となり、サンギアサポート54の回転が油圧ポンプ21のロータ21aに伝達される。つまり、ロータ21aは、正転方向に機械的に駆動される。なお、電動用ワンウェイクラッチ62はフリー状態となり、補助電動モータ20は停止状態を保つ。従って、車両の前進走行時は、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、油圧ポンプ21は、所期の回転方向である正転方向に機械的に駆動される。このとき、ロータ21aの回転数は、入力軸42の回転数と等しく、つまり車速とCVT2の変速比とで定まるポンプ回転数でもって駆動される。
【0028】
図4の(b)は、車両が十分な速度で後退走行し、走行用モータジェネレータ4の逆転に伴って入力軸42が逆転方向に回転しているときの状態を示す。なお、補助電動モータ20はやはり停止している。この逆転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56はフリー状態となる。リングギア52はリングギアサポート57を介して入力軸42と一体に逆転方向に回転するが、キャリア58の逆転方向への回転は、キャリア用ワンウェイクラッチ59が締結状態となって阻止されるため、プラネタリギア53を介して、サンギア51が正転方向に駆動される。これにより、サンギアサポート54から機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介してロータ21aが正転方向に回転する。従って、走行用モータジェネレータ4による後退走行時に、油圧ポンプ21は、前進走行時と同じく、所期の回転方向である正転方向に駆動されることになる。このとき、ロータ21aの回転数は、サンギア51とリングギア52との歯数の比に応じて、入力軸42の回転数に対し増速される。つまり車速およびCVT2の変速比が同じであれば、前進走行時に比べて後退走行時の方が油圧ポンプ21の回転数が高く得られる。後退走行は、一般に徐行運転として低い車速でなされ、走行用モータジェネレータ4の回転数が比較的低いものとなるが、このような増速作用によって、十分な油圧を確保することができる。
【0029】
図4の(c)は、車両が停止しているときの状態、ならびに、ごく低速で走行(前進もしくは後退)しているときの状態を示す。このときには、補助電動モータ20がサンギアサポート54の回転数よりも相対的に高い回転数で正転方向に回転しているので、電動用ワンウェイクラッチ62が締結状態となって、補助電動モータ20の回転軸20aによりロータ21aが正転方向に駆動される。このとき、機械駆動用ワンウェイクラッチ61はフリー状態となり、サンギアサポート54へのトルク伝達は阻止される。なお、サンギア用ワンウェイクラッチ56およびキャリア用ワンウェイクラッチ59は、いずれもいわゆる連れ回りを伴うものの、トルク伝達はなされずに実質的にフリー状態となる。
【0030】
なお、上記実施例とは逆に、リングギア52側を第1入力回転部材としてロータ21aに接続可能にするとともにワンウェイクラッチを介して入力軸42に接続し、かつサンギア51側を入力軸42と一体に回転するように構成することも可能である。また、本発明の逆転防止機構20は、この実施例の遊星歯車機構に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0031】
次に図5は、上記の実施例において、車両が前進走行から後退走行へ移行するときの油圧ポンプ21の作動および油圧変化を説明する説明図である。具体的には、運転者が前進走行中に車両を減速して停車し、変速機(CVT2)のシフトレバーを前進走行用のDレンジから後退走行用のRレンジに切り換えた後、後進を開始するまでの様子を示している。なお、破線がサンギア51(サンギアサポート54)の回転数、点線が補助電動モータ20の回転数、細実線が入力軸42の回転数、太実線が油圧、をそれぞれ示す。
【0032】
前述したように、油圧ポンプ21は、前進走行時には正転方向に機械的に駆動されているが、車速の低下に伴って回転数が低下し、これにより、発生油圧も低下していく。そして、この油圧が所定油圧(これは最低必要油圧よりも僅かに高く設定される)まで低下したとき(あるいは入力軸42回転数が所定回転数未満となったとき)に、補助電動モータ20が起動される。そして、補助電動モータ20の回転数に対してサンギア51の回転数が相対的に低くなると、前述したように、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、入力軸42による機械的な駆動から補助電動モータ20による駆動に自動的に切り換えられる。これにより、変速作動部などへ圧送される作動油の油圧は、最低必要油圧以上に確保される。車両の停車中は、補助電動モータ20による駆動が継続し、必要な油圧が与えられる。なお、この間の補助電動モータ20の回転数は、一定値に制御される。そして、後退走行が開始すると、前述した逆転防止機構40によってサンギア51が正転方向に増速されつつ回転する。このサンギア51の回転数が補助電動モータ20の回転数を上回ると、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、補助電動モータ20による駆動から入力軸42による機械的な駆動に自動的に切り換えられる。この切換により補助電動モータ20が無負荷となったとき、あるいはサンギア51の回転数が所定回転数以上となったときに、補助電動モータ20が停止される。従って、瞬間的な油圧低下などを伴わずに、前進→停止→後退の切換の間も円滑に油圧供給を継続することができる。
【0033】
次に、上記油圧ポンプ21のより具体的なレイアウトについて説明する。図6は、上述のクラッチ3以降の機構を、トランスアクスル装置71として一体的に構成した具体的構成を示している。このトランスアクスル装置71は、エンジン1の後端に取り付けられ、エンジン1とともに車両のパワートレインを構成する。図中、前述した図1,図3の各部と等価な箇所には同一符号を付してある。なお、このトランスアクスル装置71は、エンジン1とともに車両にいわゆる横置形式に搭載されるものであって、プライマリプーリ11の後方にアクスルシャフト18が位置するとともに、前方に走行用モータジェネレータ4が位置し、かつアクスルシャフト18の上方にセカンダリプーリ12が位置しているが、図6は、それぞれの軸中心を通る面に沿った展開図となっている。
【0034】
図6に示すように、このトランスアクスル装置71は、分割面72に沿って分割された第1ハウジング73と第2ハウジング74とを主体としたハウジング内に全体が収容されているものであって、上記第2ハウジング74の開口部はさらにサイドカバー75によって覆われている。このハウジング内に、プライマリプーリ11を備えた変速機入力軸11aと、セカンダリプーリ12を備えた変速機出力軸12aと、走行用モータジェネレータ4の回転軸4aと、中間シャフト76と、が互いに平行に配置されており、かつディファンレンシャルギア17に接続されるアクスルシャフト18が、これらと平行な方向に沿って延びたものとなる。
【0035】
上記走行用モータジェネレータ4は、ハウジング側に固定されたステータ81と、回転軸4aに固定されたロータ82と、から構成されており、回転軸4aの端部に固定された走行用モータドライビングギア83と、変速機入力軸11aの端部に固定された走行用モータドリブンギア84とが、2段に構成された第1,第2中間ギア85,86を介して、互いに連動している。また、変速機出力軸12aには、ピニオン87が固定されており、ファイナルギア列14として、中間シャフト76上のリダクションドリブンギア88およびファイナルドライビングギア89を介して、ファイナルドリブンギア90に、上記変速機出力軸12aの回転が伝達されている。
【0036】
セカンダリプーリ12は、変速機出力軸12aに一体に形成された固定シーブ91と、プーリ幅の変更のために軸方向に移動可能な可動シーブ92と、を有し、両者間で金属製ベルト13を挟持している。上記可動シーブ92は、軸方向に一体に動くピストン93を備え、このピストン93によって、円筒状のシリンダ94内にセカンダリ油圧室95が形成されている。このセカンダリ油圧室95には、プーリ幅を狭める方向に作用するリターンスプリング96が配置されている。
【0037】
同様に、プライマリプーリ11は、変速機入力軸11aに一体に形成された固定シーブ101と、プーリ幅の変更のために軸方向に移動可能な可動シーブ102と、を有し、両者間で金属製ベルト13を挟持している。上記可動シーブ102は、軸方向に一体に動くピストン103を備え、このピストン103によって、円筒状のシリンダ104内にプライマリ油圧室105が形成されている。なお、セカンダリプーリ12ではエンジン1から遠い方のシーブが固定シーブ51となっているのに対し、プライマリプーリ11ではエンジン1に近い方のシーブが固定シーブ101となっている。上記のプライマリ油圧室105に導入される油圧は、運転条件に応じて制御され、これによってプーリ幅ひいては変速比が変化する。つまり、プライマリ油圧室105内の油圧を高くすると、プライマリプーリ11のプーリ幅が狭くなってベルト半径が大となり、逆に油圧を低くすると、プーリ幅が拡大してベルト半径が小となる。一方、セカンダリ油圧室95に導入される油圧は、プライマリプーリ11のプーリ幅変化に対応して、常に適切なベルト張力が発生するように制御される。
【0038】
上記変速機入力軸11aは、ケーシング全体の軸方向寸法に比べて短いものであり、走行用モータドリブンギア84と反対側となる端部に連続するような形でもって、クラッチ入力軸3aが直列に配置されている。そして、上記変速機入力軸11aと上記クラッチ入力軸3aとの間に、油圧多板式のクラッチ3が設けられている。また、上記クラッチ入力軸3aの反対側の端部は、第1ハウジング73からエンジン1側に突出し、かつこの端部に、接線方向に沿ったコイルスプリングを具備した円盤状をなすトーショナルダンパ100が取り付けられており、このトーショナルダンパ100を介して、エンジン1のクランクシャフト後端が連結されるようになっている。さらに、軸方向に見て、上記クラッチ3と上記トーショナルダンパ100との間に、発電用モータジェネレータ5が配置されている。この発電用モータジェネレータ5は、ハウジング側に固定されたステータ111と、このステータ111内周に位置するロータ112と、から構成されている。
【0039】
一方、前述した補助電動モータ20を一体に備えた油圧ポンプ21は、図示するように、トランスアクスル装置71のハウジングの外部に図示せぬブラケット等を介して取り付けられており、その入力軸42と走行用モータジェネレータ4の回転軸4aとが互いに並行に配置され、かつ前述したように、チェーン22によって連動している。なお、23は、走行用モータジェネレータ4側のスプロケットである。
【0040】
次に、図7に示す実施例は、逆転防止機構40とポンプ駆動切換機構60とをそれぞれ分離独立させ、ポンプ駆動切換機構60を前述の実施例と同様に油圧ポンプ21と一体のケーシング44内に配置するとともに、逆転防止機構40をトランスアクスル装置71のハウジング内に収容した構成となっている。これは、特に、走行用モータジェネレータ4のステータ81のコイル部分の内周に生じる空間を利用して逆転防止機構40を配置することで、トランスアクスル装置71の外部に設けられる油圧ポンプ21のケーシング44の小型化を図ったものである。そして、本実施例では、このようにケーシング44の軸方向寸法に余裕が生じることから、油圧ポンプ21として、それぞれベーンポンプからなる低圧用ポンプ部21Aと高圧用ポンプ部21Bとを直列に備えたいわゆるタンデム型油圧ポンプ21を用いている。
【0041】
図8は、この実施例における逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の構成を示したものである。なお、前述した第1の実施例と機能的に等価な箇所には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。この実施例では、上記油圧ポンプ21の各ポンプ部21A,21Bは、共通のポンプ駆動シャフト121によって同時に駆動されるようになっており、このポンプ駆動シャフト121の前端に、ポンプ駆動切換機構60の一部をなす機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介して従動側のスプロケット122が取り付けられている。上記ポンプ駆動シャフト121は、補助電動モータ20の回転軸20aと同軸上に配置されており、両者が、電動用ワンウェイクラッチ62を介して互いに接続されている。つまり、この実施例では、スプロケット122が第1入力回転部材に相当し、このスプロケット122と、第2入力回転部材に相当する補助電動モータ20の回転軸20aと、のいずれか高速回転している方からポンプ駆動シャフト121に回転トルクが伝達される。
【0042】
また、逆転防止機構40においては、入力軸42が走行用モータジェネレータ4の回転軸4aに直列に連結されて一体に回転するようになっており、かつこの入力軸42にサンギア51が固定されている。また、リングギアサポート57と入力軸42とがリングギア用ワンウェイクラッチ56’を介して接続されており、入力軸42が正転方向へ回転するときにのみリングギアサポート57へ回転力を伝達するようになっている。上記リングギアサポート57には、駆動側のスプロケット123が固定されており、チェーン22を介して上記の従動側スプロケット122に連動している。プラネタリギア53を支持した回転自在なキャリア58は、キャリア用ワンウェイクラッチ59を介して、固定部(例えばトランスアクスル装置71のハウジング)に接続されている。なお、このキャリア58は、スラストメタル124によって軸方向に位置決めされている。
【0043】
次に、上記実施例における逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を、図9のスケルトン図を併せて説明する。なお、図4と同様に、全ての部材について、車両前進走行時の入力軸42の回転方向と同じ回転方向を「正転方向」と呼び、逆の回転方向を「逆転方向」と呼ぶものとする。
【0044】
図9の(a)は、車両が十分な速度で前進走行し、入力軸42が正転方向に回転しているときの状態を示す。この正転時には、リングギア用ワンウェイクラッチ56’は締結状態となり、入力軸42の回転がリングギアサポート57ひいてはスプロケット123に伝達される。なお、このときサンギア51およびリングギア52も入力軸42と一体に回転し、これに伴ってキャリア58も正転方向に回転する。キャリア用ワンウェイクラッチ59は、いわゆるフリー状態となり、キャリア58の回転が許容される。また、補助電動モータ20は停止しているので、機械駆動用ワンウェイクラッチ61が締結状態となり、スプロケット122の回転が油圧ポンプ21のポンプ駆動シャフト121に伝達される。つまり、ポンプ駆動シャフト121は、正転方向に機械的に駆動される。なお、電動用ワンウェイクラッチ62はフリー状態となり、補助電動モータ20は停止状態を保つ。従って、車両の前進走行時は、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、油圧ポンプ21は、所期の回転方向である正転方向に機械的に駆動される。
【0045】
図9の(b)は、車両が十分な速度で後退走行し、走行用モータジェネレータ4の逆転に伴って入力軸42が逆転方向に回転しているときの状態を示す。なお、補助電動モータ20はやはり停止している。この逆転時には、リングギア用ワンウェイクラッチ56’はフリー状態となる。サンギア51は入力軸42と一体に逆転方向に回転するが、キャリア58の逆転方向への回転は、キャリア用ワンウェイクラッチ59が締結状態となって阻止されるため、プラネタリギア53を介して、リングギア52が正転方向に駆動される。これにより、リングギアサポート57およびスプロケット123が正転方向に回転し、スプロケット122および機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介してポンプ駆動シャフト121が正転方向に回転する。従って、走行用モータジェネレータ4による後退走行時に、油圧ポンプ21は、前進走行時と同じく、所期の回転方向である正転方向に駆動されることになる。
【0046】
図9の(c)は、車両が停止しているときの状態、ならびに、ごく低速で走行(前進もしくは後退)しているときの状態を示す。このときには、補助電動モータ20がスプロケット122の回転数よりも相対的に高い回転数で正転方向に回転しているので、電動用ワンウェイクラッチ62が締結状態となって、補助電動モータ20の回転軸20aによりポンプ駆動シャフト121が正転方向に駆動される。このとき、機械駆動用ワンウェイクラッチ61はフリー状態となり、スプロケット122やチェーン22へのトルク伝達が阻止される。
【0047】
次に、図10は、上記の第2の実施例に類似した第3の実施例を示している。この実施例は、油圧ポンプ21として、タンデム型油圧ポンプではなく、第1の実施例と同じく内接歯車型ポンプを用いたものであり、そのロータ21aがポンプ駆動シャフト121によって駆動されるようになっている。図11は、この実施例における逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を示したものであり、前述した図9と同様の作用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るハイブリッド車両の車両推進機構の構成説明図。
【図2】このハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図。
【図3】補助電動モータ等を一体に備えた油圧ポンプの構成を示す断面図。
【図4】逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【図5】前進走行から後退走行へ移行するときの油圧変化等を示す説明図。
【図6】具体的なトランスアクスル装置の断面図。
【図7】第2の実施例を示すトランスアクスル装置の断面図。
【図8】この第2の実施例における要部の断面図。
【図9】この第2の実施例における逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【図10】第3の実施例を示す要部の断面図。
【図11】この第3の実施例における逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【符号の説明】
1…エンジン
2…CVT
3…クラッチ
4…走行用モータジェネレータ
20…補助電動モータ
21…油圧ポンプ
40…逆転防止機構
60…ポンプ駆動切換機構
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の運転状態のときにエンジンを停止して電動モータによる走行を行うハイブリッド車両に関し、特に、その変速機の変速作動に必要な油圧を供給する油圧供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の運転状態に応じて、エンジンの自動的な停止および再始動を行うハイブリッド車両においては、変速機で必要となる油圧を常時確保するために、一般に、エンジンにより駆動される機械駆動式油圧ポンプのほかに、電動モータにて駆動される電動式油圧ポンプを備える必要がある。特に、変速機として、ベルト式無段変速機(CVT)を用いる場合には、ベルトを締め付けるピストンを作動させるために、高い油圧が要求されるので、その油圧の確保は、この種のハイブリッド車両の実用化の上で大きな課題となっている。
【0003】
例えば、特開2001−200920号公報に開示されたベルト式無段変速機を用いたハイブリッド車両においては、エンジンと変速機との間で駆動力の伝達、遮断を行うクラッチよりもエンジン側に機械駆動式油圧ポンプが配設されており、エンジンの回転に連動する形で駆動されるようになっている。従って、エンジンを停止して走行用モータにて走行するときには、上記クラッチが断状態となることから、エンジン停止に伴って油圧ポンプも停止する。そのため、第2の油圧ポンプとして電動式油圧ポンプが設けられており、エンジン停止時には、この電動式油圧ポンプによって、変速機の変速作動部へ油圧が供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の構成においては、エンジン停止時には、常に、必要な油圧の全体を電動式油圧ポンプによって供給するようになっている。そのため、大型の電動式油圧ポンプが必要となり、一般に、インバータ方式による高電圧交流モータを用いた大型のシステムとなってしまう。
【0005】
また、機械式油圧ポンプと電動式油圧ポンプとの2つのポンプが必要であることから、車両への搭載性や重量ならびにコストの点で好ましくないのは勿論のこと、特に、2つのポンプが存在することに起因して、油圧回路が複雑となる不具合がある。
【0006】
この発明は、1つのポンプでもってモータ走行時さらには車両停止時においても所期の作動油の圧送が可能なハイブリッド車両の油圧供給装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1のように、クラッチの入力軸にエンジンが接続されるとともに、該クラッチの出力軸に変速機の入力軸および走行用モータが接続され、かつ上記変速機の出力軸から駆動輪に駆動力が伝達されるように構成された車両推進機構と、上記走行用モータの回転によって駆動され、上記変速機の変速作動部に作動油を供給する機械駆動式の油圧ポンプと、を備えたハイブリッド車両の油圧供給装置に関する。従って、エンジンがクラッチを介して駆動輪を駆動している状態では、このエンジンの出力によって走行用モータとともに油圧ポンプが駆動され、また、エンジンが停止し、走行用モータによって前進方向へ走行しているときにも、油圧ポンプは同様に機械的に駆動される。
【0008】
そして、本発明では、車両停止時に上記油圧ポンプを駆動するための補助電動モータと、上記走行用モータによって回転する第1入力回転部材と上記補助電動モータによって回転する第2入力回転部材とのいずれか回転数が高い方の回転部材から上記油圧ポンプのロータへ回転トルクを伝達するポンプ駆動切換機構と、を備えている。すなわち、1つの油圧ポンプが、機械的に駆動されると同時に、電動式油圧ポンプとして機能するように補助電動モータによる駆動が可能となっている。
【0009】
上記のエンジンもしくは走行用モータによる機械的な駆動が不十分となる運転状態、例えば車両停止時や低車速時には、上記補助電動モータが回転するが、上記ポンプ駆動切換機構の作用によって、エンジンもしくは走行用モータによる機械的な駆動と、補助電動モータによる駆動と、が自動的に切り換えられる。すなわち、補助電動モータが起動されても、エンジンもしくは走行用モータによる回転数が十分に高いときには、エンジンもしくは走行用モータによって機械的に駆動される。そして、これらの回転数が低下していくと、補助電動モータによる駆動に切り換えられ、必要な油圧供給が継続される。
【0010】
また、本発明の油圧供給装置は、望ましくは、上記走行用モータの正転時および逆転時の双方で、上記第1入力回転部材に同方向に回転力を伝達する逆転防止機構をさらに備えている。この構成によれば、上記ハイブリッド車両が、上記クラッチの解放状態で上記走行用モータの逆転によって後退走行を行う場合でも、油圧ポンプを正転方向に機械的に駆動することが可能である。
【0011】
【発明の効果】
この発明に係るハイブリッド車両の油圧供給装置によれば、1つの油圧ポンプによって、エンジン走行時、モータ走行時および車両停止中の油圧供給が可能となり、2つの油圧ポンプを併用する構成に比べて、装置の小型軽量化が図れるのは勿論のこと、油圧回路の構成が簡単となる利点がある。また、エンジンを停止したモータ走行時にも、機械的な駆動による油圧供給が可能であることから、補助電動モータによる油圧供給に要求される能力ないし性能を軽減でき、そのため、補助電動モータの小型化が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明に係る油圧供給装置が用いられるハイブリッド車両の車両推進機構の構成を示している。この推進機構は、例えばガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンなどからなるエンジン1と、このエンジン1の回転を変速するベルト式無段変速機(以下、CVTと略記する)2と、上記エンジン1と上記CVT2との間で駆動力の伝達,遮断を行うクラッチ3と、エンジン1停止中をも含め、車両の走行を行うための走行用モータつまり走行用モータジェネレータ4と、から大略構成されている。また、この実施例では、主にエンジン走行中に発電を行うとともにエンジン1の再始動の際のクランキングを行う発電用モータジェネレータ5をさらに備えている。
【0014】
上記クラッチ3は、例えば油圧多板式クラッチからなり、その入力軸3aは、エンジン1のクランクシャフト1aに実質的に直結されている。そして、この入力軸3aに上記発電用モータジェネレータ5のロータ(図示せず)が固定されている。なお、上記発電用モータジェネレータ5および走行用モータジェネレータ4は、いずれも交流モータジェネレータであり、公知のインバータ回路によって、駆動側および発電側の双方で制御される。
【0015】
上記CVT2は、駆動側となるプライマリプーリ11と従動側となるセカンダリプーリ12と両者間に巻き掛けられた金属製ベルト13とを備えるものであって、上記プライマリプーリ11のプーリ幅が図示せぬ油圧機構によって調整可能となっており、かつこれに応じてセカンダリプーリ12のプーリ幅が変化し、無段階に変速がなされるものである。上記プライマリプーリ11を備えた変速機入力軸11aは、上記クラッチ3の出力軸3bに実質的に直結されている。また同時に、上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが上記変速機入力軸11aに接続されている。なお、この走行用モータジェネレータ4の回転軸4aと変速機入力軸11aとの間には、後述するように減速歯車機構が介在している。上記セカンダリプーリ12を備えた変速機出力軸12aは、ファイナルギア列14と、ディファレンシャルギア17と、を介してアクスルシャフト18に接続され、駆動輪19へ動力を伝達するようになっている。
【0016】
一方、油圧供給装置として、例えば内接歯車型ポンプからなる油圧ポンプ21が設けられており、巻き掛け伝動機構例えばチェーン22を介して上記走行用モータジェネレータ4の回転軸4aによって機械的に駆動されるようになっている。また、この機械的な駆動によるポンプ回転数が不十分となるときに、油圧ポンプ21を補助的に駆動するために、補機用の車載のバッテリで駆動可能な低電圧直流モータからなる補助電動モータ20が油圧ポンプ21と一体に取り付けられている。ここで、上記チェーン22により駆動されるスプロケットと上記油圧ポンプ21との間には、後述するように、走行用モータジェネレータ4の逆転時にも油圧ポンプ21を正転方向へ駆動する逆転防止機構40が介在しており、さらに、油圧ポンプ21の駆動源を走行用モータジェネレータ4と補助電動モータ20との間で自動的に切り換えるポンプ駆動切換機構60が後述するように設けられている。なお、上記油圧ポンプ21は、上記CVT2の作動油溜まりから該CVT2の変速作動部などへ作動油を圧送するものであって、上記変速作動部は、例えば調圧弁や油圧制御弁を含んで構成され、上記の油圧ポンプ21から供給された油圧を利用して任意の制御油圧を生成し、CVT2の変速比を可変制御している。
【0017】
図2は、上記ハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図である。図示するように、この制御システムは、オイルポンプ用DCモータつまり上記補助電動モータ20を制御するオイルポンプ用DCモータ制御部32と、エンジン1の種々の制御を行うエンジン制御部33と、インバータ回路を介して走行用モータジェネレータ4および発電用モータジェネレータ5の制御を行うモータジェネレータ制御部34と、油圧制御弁を介してクラッチ3の制御を行うクラッチ制御部35と、CVT2の変速比等の制御を行うCVT制御部36と、を備えており、これらのシステム全体がハイブリッドシステム制御部31によって統合的に制御されている。
【0018】
このハイブリッド車両全体の制御を簡単に説明すると、例えば中車速以上での定常走行においては、エンジン1が燃焼運転しているとともにクラッチ3が接続状態となって、エンジン1の駆動力により車両が走行する。このとき、発電用モータジェネレータ5では発電が行われる。走行状態から車両が減速していくと、走行用モータジェネレータ4により減速エネルギの回生つまり発電が行われ、かつ車両停止前にクラッチ3が切断されてエンジン1が停止状態となる。そして、車両停止状態から発進する際には、クラッチ3が切断状態に保たれ、かつ走行用モータジェネレータ4が駆動されて、車両が発進し始める。その後、車速が所定の低車速以上になると、発電用モータジェネレータ5によるクランキングが行われてエンジン1が再始動される。このエンジン1の再始動に伴って、クラッチ3を徐々に接続し、かつ走行用モータジェネレータ4を制御して、エンジン1による走行へ移行する。
【0019】
一方、この実施例の構成では、車両推進機構は、前後進切換機構を具備しておらず、エンジン1による走行としては、前進走行のみが可能となっている。従って、後退走行は、クラッチ3を切断状態として、走行用モータジェネレータ4を逆転させることによって実現される。つまり、後退走行のまま長時間走行することは一般に考えられないので、エンジン1は停止状態として、走行用モータジェネレータ4によって後進するようにし、変速機構の簡素化を図っている。
【0020】
基本的に機械駆動される油圧ポンプ21は、上記のようにクラッチ3よりも下流つまり変速機入力軸11a側に設けられているので、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、車両が走行していれば、これに伴って機械的に駆動される。そして、後述する逆転防止機構40の作用により、前進走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが正転するときも、後退走行つまり走行用モータジェネレータ4の回転軸4aが逆転するときも、油圧ポンプ21のロータが同じ方向つまりポンプとして所期の回転方向に駆動されるようになっている。さらに、走行用モータジェネレータ4の回転軸4aの回転数が低くなる低車速時ならびに車両停止時には、上記補助電動モータ20によるポンプ駆動に切り換えられ、必要な油圧の確保が継続される。
【0021】
次に、ポンプ駆動切換機構60ならびに逆転防止機構40の一実施例を図3に基づいて説明する。
【0022】
この実施例では、ワンウェイクラッチを用いたポンプ駆動切換機構60と遊星歯車機構を用いた逆転防止機構40とが、一端部に油圧ポンプ21を備えた同じケーシング44内に収容されており、かつ、油圧ポンプ21の背面側に、補助電動モータ20が配置されている。つまり、油圧ポンプ21のロータ21aの回転中心と、スプロケット41を端部に備えた入力軸42と、補助電動モータ20の回転軸20aと、が互いに同軸上に配置されている。上記入力軸42と上記回転軸20aとは、直列に並んで配置され、かつそれぞれの端部がブッシュ43を介して互いに回転自在に嵌合している。また、上記入力軸42のスプロケット41側の端部は、ベアリング45を介して上記ケーシング44に回転自在に支持されている。
【0023】
逆転防止機構40を構成する遊星歯車機構は、上記入力軸42の外周に同軸上に配置された円環状のサンギア51と、このサンギア51の外周に同軸上に配置されたリングギア52と、これらのサンギア51とリングギア52との間に位置するとともに、それぞれと噛み合った複数個のプラネタリギア53と、を備えている。上記サンギア51は、段付状の略円筒形をなすサンギアサポート54によって支持されており、このサンギアサポート54がブッシュ55を介して入力軸42上に回転自在に支持されている。また、上記サンギアサポート54と入力軸42とは、サンギア用ワンウェイクラッチ56によって接続されている。このサンギア用ワンウェイクラッチ56は、上記入力軸42が正転方向(前進走行時の回転方向)に回転した場合にのみ、その回転力がサンギア51へ伝達され、入力軸42の逆転方向(後退走行時の回転方向)の回転力はサンギア51へ伝達されない方向に構成されている。
【0024】
上記リングギア52は、円板状をなすリングギアサポート57の外周部に取り付けられており、かつこのリングギアサポート57が上記入力軸42に固定されている。つまり、リングギア52は入力軸42と一体に回転する。また、上記プラネタリギア53は、断面略L字形の環状をなすキャリア58にそれぞれ回転自在に支持されている。このキャリア58は、サンギア51およびリングギア52と同軸上に回転可能なものであって、固定部となる上記ケーシング44とこのキャリア58の外周側の円筒部とが、キャリア用ワンウェイクラッチ59によって接続されている。このキャリア用ワンウェイクラッチ59は、キャリア58が上記入力軸42の正転方向と同方向に回転することを許容し、かつ逆方向の回転を阻止する構成となっている。
【0025】
次に、ポンプ駆動切換機構60について説明する。この実施例では、上記サンギアサポート54が、走行用モータジェネレータ4の回転に伴って回転する第1入力回転部材に相当し、補助電動モータ20の回転軸20aが、該補助電動モータ20の回転に伴って回転する第2入力回転部材に相当する。ポンプ駆動切換機構60は、第1入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する機械駆動用ワンウェイクラッチ61と、第2入力回転部材から油圧ポンプ21のロータ21aへ回転トルクを伝達する電動用ワンウェイクラッチ62と、から構成されている。上記ロータ21aは、略円筒状をなすポンプ駆動部材63に連結固定されており、このポンプ駆動部材63の端部と上記サンギアサポート54とが、上記機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介して接続されている。また、ポンプ駆動部材63は、内周側に折れ曲がった延長部を有し、この延長部と上記回転軸20aとが、上記電動用ワンウェイクラッチ62を介して接続されている。従って、これらの2つのワンウェイクラッチ61,62の作用により、第1入力回転部材となるサンギアサポート54と第2入力回転部材となる補助電動モータ20の回転軸20aとの中で、いずれか回転数が高い方からロータ21aへ回転トルクが伝達されることになる。
【0026】
次に、上記逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を、図4のスケルトン図を併せて説明する。なお、理解を容易にするために、以下の説明では、全ての部材について、車両前進走行時のスプロケット41の回転方向と同じ回転方向を「正転方向」と呼び、逆の回転方向を「逆転方向」と呼ぶものとする。
【0027】
図4の(a)は、車両が十分な速度で前進走行し、スプロケット41を備えた入力軸42が正転方向に回転しているときの状態を示す。この正転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56は締結状態となり、入力軸42の回転がサンギアサポート54に伝達される。なお、このときリングギア52も入力軸42と一体に回転し、これに伴ってキャリア58も正転方向に回転する。キャリア用ワンウェイクラッチ59は、いわゆるフリー状態となり、キャリア58の回転が許容される。また、補助電動モータ20は停止しているので、機械駆動用ワンウェイクラッチ61が締結状態となり、サンギアサポート54の回転が油圧ポンプ21のロータ21aに伝達される。つまり、ロータ21aは、正転方向に機械的に駆動される。なお、電動用ワンウェイクラッチ62はフリー状態となり、補助電動モータ20は停止状態を保つ。従って、車両の前進走行時は、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、油圧ポンプ21は、所期の回転方向である正転方向に機械的に駆動される。このとき、ロータ21aの回転数は、入力軸42の回転数と等しく、つまり車速とCVT2の変速比とで定まるポンプ回転数でもって駆動される。
【0028】
図4の(b)は、車両が十分な速度で後退走行し、走行用モータジェネレータ4の逆転に伴って入力軸42が逆転方向に回転しているときの状態を示す。なお、補助電動モータ20はやはり停止している。この逆転時には、サンギア用ワンウェイクラッチ56はフリー状態となる。リングギア52はリングギアサポート57を介して入力軸42と一体に逆転方向に回転するが、キャリア58の逆転方向への回転は、キャリア用ワンウェイクラッチ59が締結状態となって阻止されるため、プラネタリギア53を介して、サンギア51が正転方向に駆動される。これにより、サンギアサポート54から機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介してロータ21aが正転方向に回転する。従って、走行用モータジェネレータ4による後退走行時に、油圧ポンプ21は、前進走行時と同じく、所期の回転方向である正転方向に駆動されることになる。このとき、ロータ21aの回転数は、サンギア51とリングギア52との歯数の比に応じて、入力軸42の回転数に対し増速される。つまり車速およびCVT2の変速比が同じであれば、前進走行時に比べて後退走行時の方が油圧ポンプ21の回転数が高く得られる。後退走行は、一般に徐行運転として低い車速でなされ、走行用モータジェネレータ4の回転数が比較的低いものとなるが、このような増速作用によって、十分な油圧を確保することができる。
【0029】
図4の(c)は、車両が停止しているときの状態、ならびに、ごく低速で走行(前進もしくは後退)しているときの状態を示す。このときには、補助電動モータ20がサンギアサポート54の回転数よりも相対的に高い回転数で正転方向に回転しているので、電動用ワンウェイクラッチ62が締結状態となって、補助電動モータ20の回転軸20aによりロータ21aが正転方向に駆動される。このとき、機械駆動用ワンウェイクラッチ61はフリー状態となり、サンギアサポート54へのトルク伝達は阻止される。なお、サンギア用ワンウェイクラッチ56およびキャリア用ワンウェイクラッチ59は、いずれもいわゆる連れ回りを伴うものの、トルク伝達はなされずに実質的にフリー状態となる。
【0030】
なお、上記実施例とは逆に、リングギア52側を第1入力回転部材としてロータ21aに接続可能にするとともにワンウェイクラッチを介して入力軸42に接続し、かつサンギア51側を入力軸42と一体に回転するように構成することも可能である。また、本発明の逆転防止機構20は、この実施例の遊星歯車機構に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0031】
次に図5は、上記の実施例において、車両が前進走行から後退走行へ移行するときの油圧ポンプ21の作動および油圧変化を説明する説明図である。具体的には、運転者が前進走行中に車両を減速して停車し、変速機(CVT2)のシフトレバーを前進走行用のDレンジから後退走行用のRレンジに切り換えた後、後進を開始するまでの様子を示している。なお、破線がサンギア51(サンギアサポート54)の回転数、点線が補助電動モータ20の回転数、細実線が入力軸42の回転数、太実線が油圧、をそれぞれ示す。
【0032】
前述したように、油圧ポンプ21は、前進走行時には正転方向に機械的に駆動されているが、車速の低下に伴って回転数が低下し、これにより、発生油圧も低下していく。そして、この油圧が所定油圧(これは最低必要油圧よりも僅かに高く設定される)まで低下したとき(あるいは入力軸42回転数が所定回転数未満となったとき)に、補助電動モータ20が起動される。そして、補助電動モータ20の回転数に対してサンギア51の回転数が相対的に低くなると、前述したように、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、入力軸42による機械的な駆動から補助電動モータ20による駆動に自動的に切り換えられる。これにより、変速作動部などへ圧送される作動油の油圧は、最低必要油圧以上に確保される。車両の停車中は、補助電動モータ20による駆動が継続し、必要な油圧が与えられる。なお、この間の補助電動モータ20の回転数は、一定値に制御される。そして、後退走行が開始すると、前述した逆転防止機構40によってサンギア51が正転方向に増速されつつ回転する。このサンギア51の回転数が補助電動モータ20の回転数を上回ると、ワンウェイクラッチ61,62の作用により、補助電動モータ20による駆動から入力軸42による機械的な駆動に自動的に切り換えられる。この切換により補助電動モータ20が無負荷となったとき、あるいはサンギア51の回転数が所定回転数以上となったときに、補助電動モータ20が停止される。従って、瞬間的な油圧低下などを伴わずに、前進→停止→後退の切換の間も円滑に油圧供給を継続することができる。
【0033】
次に、上記油圧ポンプ21のより具体的なレイアウトについて説明する。図6は、上述のクラッチ3以降の機構を、トランスアクスル装置71として一体的に構成した具体的構成を示している。このトランスアクスル装置71は、エンジン1の後端に取り付けられ、エンジン1とともに車両のパワートレインを構成する。図中、前述した図1,図3の各部と等価な箇所には同一符号を付してある。なお、このトランスアクスル装置71は、エンジン1とともに車両にいわゆる横置形式に搭載されるものであって、プライマリプーリ11の後方にアクスルシャフト18が位置するとともに、前方に走行用モータジェネレータ4が位置し、かつアクスルシャフト18の上方にセカンダリプーリ12が位置しているが、図6は、それぞれの軸中心を通る面に沿った展開図となっている。
【0034】
図6に示すように、このトランスアクスル装置71は、分割面72に沿って分割された第1ハウジング73と第2ハウジング74とを主体としたハウジング内に全体が収容されているものであって、上記第2ハウジング74の開口部はさらにサイドカバー75によって覆われている。このハウジング内に、プライマリプーリ11を備えた変速機入力軸11aと、セカンダリプーリ12を備えた変速機出力軸12aと、走行用モータジェネレータ4の回転軸4aと、中間シャフト76と、が互いに平行に配置されており、かつディファンレンシャルギア17に接続されるアクスルシャフト18が、これらと平行な方向に沿って延びたものとなる。
【0035】
上記走行用モータジェネレータ4は、ハウジング側に固定されたステータ81と、回転軸4aに固定されたロータ82と、から構成されており、回転軸4aの端部に固定された走行用モータドライビングギア83と、変速機入力軸11aの端部に固定された走行用モータドリブンギア84とが、2段に構成された第1,第2中間ギア85,86を介して、互いに連動している。また、変速機出力軸12aには、ピニオン87が固定されており、ファイナルギア列14として、中間シャフト76上のリダクションドリブンギア88およびファイナルドライビングギア89を介して、ファイナルドリブンギア90に、上記変速機出力軸12aの回転が伝達されている。
【0036】
セカンダリプーリ12は、変速機出力軸12aに一体に形成された固定シーブ91と、プーリ幅の変更のために軸方向に移動可能な可動シーブ92と、を有し、両者間で金属製ベルト13を挟持している。上記可動シーブ92は、軸方向に一体に動くピストン93を備え、このピストン93によって、円筒状のシリンダ94内にセカンダリ油圧室95が形成されている。このセカンダリ油圧室95には、プーリ幅を狭める方向に作用するリターンスプリング96が配置されている。
【0037】
同様に、プライマリプーリ11は、変速機入力軸11aに一体に形成された固定シーブ101と、プーリ幅の変更のために軸方向に移動可能な可動シーブ102と、を有し、両者間で金属製ベルト13を挟持している。上記可動シーブ102は、軸方向に一体に動くピストン103を備え、このピストン103によって、円筒状のシリンダ104内にプライマリ油圧室105が形成されている。なお、セカンダリプーリ12ではエンジン1から遠い方のシーブが固定シーブ51となっているのに対し、プライマリプーリ11ではエンジン1に近い方のシーブが固定シーブ101となっている。上記のプライマリ油圧室105に導入される油圧は、運転条件に応じて制御され、これによってプーリ幅ひいては変速比が変化する。つまり、プライマリ油圧室105内の油圧を高くすると、プライマリプーリ11のプーリ幅が狭くなってベルト半径が大となり、逆に油圧を低くすると、プーリ幅が拡大してベルト半径が小となる。一方、セカンダリ油圧室95に導入される油圧は、プライマリプーリ11のプーリ幅変化に対応して、常に適切なベルト張力が発生するように制御される。
【0038】
上記変速機入力軸11aは、ケーシング全体の軸方向寸法に比べて短いものであり、走行用モータドリブンギア84と反対側となる端部に連続するような形でもって、クラッチ入力軸3aが直列に配置されている。そして、上記変速機入力軸11aと上記クラッチ入力軸3aとの間に、油圧多板式のクラッチ3が設けられている。また、上記クラッチ入力軸3aの反対側の端部は、第1ハウジング73からエンジン1側に突出し、かつこの端部に、接線方向に沿ったコイルスプリングを具備した円盤状をなすトーショナルダンパ100が取り付けられており、このトーショナルダンパ100を介して、エンジン1のクランクシャフト後端が連結されるようになっている。さらに、軸方向に見て、上記クラッチ3と上記トーショナルダンパ100との間に、発電用モータジェネレータ5が配置されている。この発電用モータジェネレータ5は、ハウジング側に固定されたステータ111と、このステータ111内周に位置するロータ112と、から構成されている。
【0039】
一方、前述した補助電動モータ20を一体に備えた油圧ポンプ21は、図示するように、トランスアクスル装置71のハウジングの外部に図示せぬブラケット等を介して取り付けられており、その入力軸42と走行用モータジェネレータ4の回転軸4aとが互いに並行に配置され、かつ前述したように、チェーン22によって連動している。なお、23は、走行用モータジェネレータ4側のスプロケットである。
【0040】
次に、図7に示す実施例は、逆転防止機構40とポンプ駆動切換機構60とをそれぞれ分離独立させ、ポンプ駆動切換機構60を前述の実施例と同様に油圧ポンプ21と一体のケーシング44内に配置するとともに、逆転防止機構40をトランスアクスル装置71のハウジング内に収容した構成となっている。これは、特に、走行用モータジェネレータ4のステータ81のコイル部分の内周に生じる空間を利用して逆転防止機構40を配置することで、トランスアクスル装置71の外部に設けられる油圧ポンプ21のケーシング44の小型化を図ったものである。そして、本実施例では、このようにケーシング44の軸方向寸法に余裕が生じることから、油圧ポンプ21として、それぞれベーンポンプからなる低圧用ポンプ部21Aと高圧用ポンプ部21Bとを直列に備えたいわゆるタンデム型油圧ポンプ21を用いている。
【0041】
図8は、この実施例における逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の構成を示したものである。なお、前述した第1の実施例と機能的に等価な箇所には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。この実施例では、上記油圧ポンプ21の各ポンプ部21A,21Bは、共通のポンプ駆動シャフト121によって同時に駆動されるようになっており、このポンプ駆動シャフト121の前端に、ポンプ駆動切換機構60の一部をなす機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介して従動側のスプロケット122が取り付けられている。上記ポンプ駆動シャフト121は、補助電動モータ20の回転軸20aと同軸上に配置されており、両者が、電動用ワンウェイクラッチ62を介して互いに接続されている。つまり、この実施例では、スプロケット122が第1入力回転部材に相当し、このスプロケット122と、第2入力回転部材に相当する補助電動モータ20の回転軸20aと、のいずれか高速回転している方からポンプ駆動シャフト121に回転トルクが伝達される。
【0042】
また、逆転防止機構40においては、入力軸42が走行用モータジェネレータ4の回転軸4aに直列に連結されて一体に回転するようになっており、かつこの入力軸42にサンギア51が固定されている。また、リングギアサポート57と入力軸42とがリングギア用ワンウェイクラッチ56’を介して接続されており、入力軸42が正転方向へ回転するときにのみリングギアサポート57へ回転力を伝達するようになっている。上記リングギアサポート57には、駆動側のスプロケット123が固定されており、チェーン22を介して上記の従動側スプロケット122に連動している。プラネタリギア53を支持した回転自在なキャリア58は、キャリア用ワンウェイクラッチ59を介して、固定部(例えばトランスアクスル装置71のハウジング)に接続されている。なお、このキャリア58は、スラストメタル124によって軸方向に位置決めされている。
【0043】
次に、上記実施例における逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を、図9のスケルトン図を併せて説明する。なお、図4と同様に、全ての部材について、車両前進走行時の入力軸42の回転方向と同じ回転方向を「正転方向」と呼び、逆の回転方向を「逆転方向」と呼ぶものとする。
【0044】
図9の(a)は、車両が十分な速度で前進走行し、入力軸42が正転方向に回転しているときの状態を示す。この正転時には、リングギア用ワンウェイクラッチ56’は締結状態となり、入力軸42の回転がリングギアサポート57ひいてはスプロケット123に伝達される。なお、このときサンギア51およびリングギア52も入力軸42と一体に回転し、これに伴ってキャリア58も正転方向に回転する。キャリア用ワンウェイクラッチ59は、いわゆるフリー状態となり、キャリア58の回転が許容される。また、補助電動モータ20は停止しているので、機械駆動用ワンウェイクラッチ61が締結状態となり、スプロケット122の回転が油圧ポンプ21のポンプ駆動シャフト121に伝達される。つまり、ポンプ駆動シャフト121は、正転方向に機械的に駆動される。なお、電動用ワンウェイクラッチ62はフリー状態となり、補助電動モータ20は停止状態を保つ。従って、車両の前進走行時は、エンジン1による走行であっても走行用モータジェネレータ4による走行であっても、油圧ポンプ21は、所期の回転方向である正転方向に機械的に駆動される。
【0045】
図9の(b)は、車両が十分な速度で後退走行し、走行用モータジェネレータ4の逆転に伴って入力軸42が逆転方向に回転しているときの状態を示す。なお、補助電動モータ20はやはり停止している。この逆転時には、リングギア用ワンウェイクラッチ56’はフリー状態となる。サンギア51は入力軸42と一体に逆転方向に回転するが、キャリア58の逆転方向への回転は、キャリア用ワンウェイクラッチ59が締結状態となって阻止されるため、プラネタリギア53を介して、リングギア52が正転方向に駆動される。これにより、リングギアサポート57およびスプロケット123が正転方向に回転し、スプロケット122および機械駆動用ワンウェイクラッチ61を介してポンプ駆動シャフト121が正転方向に回転する。従って、走行用モータジェネレータ4による後退走行時に、油圧ポンプ21は、前進走行時と同じく、所期の回転方向である正転方向に駆動されることになる。
【0046】
図9の(c)は、車両が停止しているときの状態、ならびに、ごく低速で走行(前進もしくは後退)しているときの状態を示す。このときには、補助電動モータ20がスプロケット122の回転数よりも相対的に高い回転数で正転方向に回転しているので、電動用ワンウェイクラッチ62が締結状態となって、補助電動モータ20の回転軸20aによりポンプ駆動シャフト121が正転方向に駆動される。このとき、機械駆動用ワンウェイクラッチ61はフリー状態となり、スプロケット122やチェーン22へのトルク伝達が阻止される。
【0047】
次に、図10は、上記の第2の実施例に類似した第3の実施例を示している。この実施例は、油圧ポンプ21として、タンデム型油圧ポンプではなく、第1の実施例と同じく内接歯車型ポンプを用いたものであり、そのロータ21aがポンプ駆動シャフト121によって駆動されるようになっている。図11は、この実施例における逆転防止機構40およびポンプ駆動切換機構60の作用を示したものであり、前述した図9と同様の作用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るハイブリッド車両の車両推進機構の構成説明図。
【図2】このハイブリッド車両の制御システムの概要を示すブロック図。
【図3】補助電動モータ等を一体に備えた油圧ポンプの構成を示す断面図。
【図4】逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【図5】前進走行から後退走行へ移行するときの油圧変化等を示す説明図。
【図6】具体的なトランスアクスル装置の断面図。
【図7】第2の実施例を示すトランスアクスル装置の断面図。
【図8】この第2の実施例における要部の断面図。
【図9】この第2の実施例における逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【図10】第3の実施例を示す要部の断面図。
【図11】この第3の実施例における逆転防止機構およびポンプ駆動切換機構の作用を示す説明図。
【符号の説明】
1…エンジン
2…CVT
3…クラッチ
4…走行用モータジェネレータ
20…補助電動モータ
21…油圧ポンプ
40…逆転防止機構
60…ポンプ駆動切換機構
Claims (10)
- クラッチの入力軸にエンジンが接続されるとともに、該クラッチの出力軸に変速機の入力軸および走行用モータが接続され、かつ上記変速機の出力軸から駆動輪に駆動力が伝達されるように構成された車両推進機構と、
上記走行用モータの回転によって駆動され、上記変速機の変速作動部に作動油を供給する機械駆動式の油圧ポンプと、
を備えたハイブリッド車両の油圧供給装置において、
車両停止時に上記油圧ポンプを駆動するための補助電動モータと、
上記走行用モータによって回転する第1入力回転部材と上記補助電動モータによって回転する第2入力回転部材とのいずれか回転数が高い方の回転部材から上記油圧ポンプのロータへ回転トルクを伝達するポンプ駆動切換機構と、
を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の油圧供給装置。 - 上記ポンプ駆動切換機構は、上記ロータと上記第1入力回転部材との間、上記ロータと上記第2入力回転部材との間、にそれぞれ介装されたワンウェイクラッチから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。
- 上記油圧ポンプは、その回転軸が上記走行用モータの回転軸に対し並行に配置されているとともに、上記補助電動モータの回転軸と同軸上に配置され、かつ上記走行用モータとの間に巻き掛け伝動機構が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。
- 上記補助電動モータは、車速低下時に、上記第1入力回転部材の回転数が所定値未満となったときに起動されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。
- 上記補助電動モータは、車両走行開始時に、上記第1入力回転部材の回転数が所定値以上となったときに停止されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。
- 上記補助電動モータは、車両走行開始時に、無負荷となったときに停止されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。
- 上記補助電動モータは、上記油圧ポンプに要求される最低必要油圧に対応した一定回転数で駆動されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。
- 上記ハイブリッド車両が、上記クラッチの解放状態で上記走行用モータの逆転によって後退走行を行うように構成されており、
上記走行用モータの正転時および逆転時の双方で、上記第1入力回転部材に同方向に回転力を伝達する逆転防止機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。 - 上記逆転防止機構は、サンギア、リングギアおよびプラネタリギアを有する遊星歯車機構からなり、
サンギアおよびリングギアのいずれか一方のギアが上記走行用モータの回転軸に接続され、
他方のギアが、上記第1入力回転部材に接続されるとともに、上記走行用モータの回転軸に、該回転軸の正転方向の回転のみを伝達可能なワンウェイクラッチを介して接続され、
上記プラネタリギアを支持するキャリアが、上記サンギアおよびリングギアと同軸上に回転可能であるとともに、上記正転方向の回転のみを許容するワンウェイクラッチを介して固定部に接続されていることを特徴とする請求項8に記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。 - 上記リングギアが上記走行用モータの回転軸に接続されるギアであり、上記サンギアが上記第1入力回転部材に接続されるギアであることを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド車両の油圧供給装置。
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