JP2007051720A - 車両用パワーユニットのオイルポンプ駆動装置 - Google Patents

車両用パワーユニットのオイルポンプ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動モータを用いることなく、オイルポンプの吐出量を運転状態に応じて可変設定することができるようにする。
【解決手段】エンジン1のクランク軸1aと、クランク軸1aの回転を変速して駆動輪19に伝達する無段変速機4と無段変速機4に対して作動油を供給するオイルポンプ30とを備え、プラネタリ式差動機構35のリングギヤ39にオイルポンプ30を連設し、プラネタリキャリア42をトルクコンバータ2のインペラ6で回転させ、又サンギヤ37を無段変速機4のセカンダリ軸14で回転させる。リングギヤ39はプラネタリキャリア42とサンギヤ37との差回転に応じて回転するため、変速比が大きい発進時はポンプ回転数がエンジン回転数よりも高くなり、変速比の小さい高速走行時はポンプ回転数が相対的にエンジン回転数よりも低くなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイル吐出量をエンジンの運転状態に応じて可変設定する車両用パワーユニットのオイルポンプ駆動装置に関する。
従来から、多段式自動変速機や無段変速機などに作動油を供給するオイルポンプとして、エンジン駆動式のものが多く採用されている。エンジン駆動式オイルポンプは、クランク軸などの駆動軸からの駆動力で駆動されるため、エンジン回転数に比例した回転となる。
従って、アイドル運転などのエンジン回転数の低い領域ではオイルポンプの回転数が低くなるため、オイルの吐出量も少なくなる。一方、エンジン回転数が高回転のときはオイルポンプの回転数も高くなるため、オイルの吐出量も多くなる。
一般に、オイルポンプの容量は、エンジン回転数が最も低い回転数(アイドル回転数)における必要吐出量を基準に設定される。そのため、エンジン回転数が高回転側では、オイルポンプの吐出量が過大となり余剰分が増加するので、動力損失が増加する。
そのため、本出願人は、特許文献1(特開平2001−289315号公報)において、オイルポンプを、エンジンと一体回転するトルクコンバータのポンプインぺラーと電動モータとに遊星歯車機構を介して連設し、アイドル運転時などエンジンが低回転のときは電動モータの回転を上昇させることで、オイルポンプの回転数を上昇させて必要なオイル吐出量を確保し、又、エンジン回転数が高いときは電動モータの回転数を低くし、或いは逆転させることで、オイルポンプの回転数を減速させて、オイル吐出量を減少させる技術を提案した。
特開平2001−289315号公報
しかし、上述した文献に開示されている技術では、オイルポンプの回転数を制御するために電動モータを必要とするので、この電動モータ以外にも、電動モータに対して電力を供給するための電力供給手段、及び電力供給手段を制御する制御手段が別途必要となる。
従って、その分、部品点数が増加するばかりでなく、構造が複雑化し、装置全体の重量が増すと共に、大型化してしまう不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、電動モータなどの外部駆動機器を必要とせず、従って、電力供給手段や制御手段などの周辺機器が不要で、オイルポンプの吐出量を運転状態に応じて可変設定することができ、エンジン回転数が低回転の場合には充分なオイル吐出量を確保することができ、又、エンジン回転数が高回転のときは過大なオイル吐出量の発生を抑制して動力損失を低減し、燃費改善を図ることのできる車両用パワーユニットのオイルポンプ駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明による車両用パワーユニットのオイルポンプ駆動装置は、エンジン出力軸と、該エンジン出力軸の回転を変速して駆動輪に伝達する変速機と該変速機に対して差動油を供給するオイルポンプとを備える車両用パワーユニットにおいて、第1〜第3の回転要素を有する差動機構を有し、上記各回転要素が上記オイルポンプと上記エンジン出力軸と上記変速機に設けられている変速機出力軸とに各々連設され、上記オイルポンプに連設する上記第1の回転要素が、上記エンジン出力軸に連設する上記第2の回転要素と上記変速機出力軸に連設する第3の回転要素との差回転に応じて回転動作されることを特徴とする。
本発明によれば、オイルポンプをエンジン回転数と変速機出力軸の回転数との差回転に応じて回転動作させるようにしたので、オイルポンプの吐出量を運転状態に応じて可変設定することができる。その結果、エンジン回転数が低回転の場合には充分なオイル吐出量を確保することができ、又、エンジン回転数が高回転のときは過大なオイル吐出量の発生を抑制して動力損失を低減し、燃費改善を図ることができる。
又、オイルポンプの回転数を制御するのに、パワーユニットの回転のみを利用しているので、電動モータなどの外部駆動機器が不要となり、従って、電力供給手段や制御手段などの周辺機器も不要となり、構造の簡素化、及び製品コストの低減を実現することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一形態を説明する。図1は車両用パワーユニットの駆動系を示す全体構成図である。尚、本形態では、自動変速機として、ベルト式無段変速機(CVT)が採用されている。
同図の符号1はエンジンで、このエンジン1から延出する、エンジン出力軸としてのクランク軸1aの回転が、発進装置としてのトルクコンバータ2に設けられているインペラ6に伝達され、このインペラ6の回転が流体を介してタービン7に伝達されて回転し、このタービン7の回転がタービン軸8から前後進切換装置3を介して無段変速機4に伝達される。
又、トルクコンバータ2はロックアップクラッチ5を有しており、このロックアップクラッチ5が締結されると、クランク軸1aとタービン軸8とが直結され、クランク軸1aの回転がタービン軸8に直接伝達される。更に、クランク軸1aと常時一体回転するインペラ6にインペラ軸9が設けられている。
前後進切換装置3には、例えば遊星歯車機構が内装されており、前進走行時は図示しないフォワードクラッチを締結動作させて遊星歯車機構を一体回転させ、タービン軸8からの回転を無段変速機4へそのまま正転状態で伝達する。後進走行時は、図示しないリバースブレーキを締結動作させて遊星歯車機構を逆転させ、タービン軸8からの回転を逆転させると共に減速させて無段変速機4へ伝達する。
無段変速機4は前後進切換装置3に連結されるプライマリ軸13と、これと平行に配設されている、変速機出力軸としてのセカンダリ軸14とを有している。プライマリ軸13にはプライマリプーリ15が設けられており、又、セカンダリ軸14にはセカンダリプーリ16が設けられている。
プライマリプーリ15はプライマリ軸13に固定された固定プーリ15aと、プライマリ軸13にボールスプラインなどを介して軸方向へ摺動自在に支持された可動プーリ15bとを有している。又、セカンダリプーリ16はセカンダリ軸14に固定された固定プーリ16aと、セカンダリ軸14にボールスプラインなどを介して軸方向へ摺動自在に支持された可動プーリ16bとを有している。
プライマリプーリ15とセカンダリプーリ16との間にはベルト17が巻き掛けられており、セカンダリプーリ16とプライマリプーリ15とのプーリ溝幅を、反比例状態で可変制御することで変速比(=プーリ比:セカンダリプーリ巻き掛け径/ブライマリプーリ巻き掛け径)εが無段階に設定される。
セカンダリ軸14の回転は減速歯車、及びディファレンシャル装置18を有する歯車列を介して両駆動輪19に伝達される。尚、この駆動輪19は、前輪駆動車の場合には前輪となる。
又、プライマリ軸13の可動プーリ15b側に、プライマリプランジャ21が固定され、このプライマリプランジャ21の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ22が可動プーリ15bに固定されており、プライマリプランジャ21と可動プーリ15bとの間にプライマリ駆動油室23が形成されている。
一方、セカンダリ軸14の可動プーリ16b側に、セカンダリプランジャ26が固定され、このセカンダリプランジャ26の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ27が可動プーリ16bに固定されており、セカンダリプランジャ26と可動プーリ16bとの間にセカンダリ駆動油室28が形成されている。
又、前後進切換装置3および無段変速機4はトランスミッションケース29内に組み込まれており、このトランスミッションケース29内にポンプユニット20が設けられている。このポンプユニット20は、無段変速機4に設けられた駆動油室23,28、及び、前後進切換装置3のフォワードクラッチやリバースブレーキなどに作動油を供給するものである。
図2にポンプユニット20の拡大図を示す。同図に示すように、ポンプユニット20は、オイルポンプ30と、このオイルポンプ30の回転数(以下「ポンプ回転数」と称する)を可変動作させるプラネタリ式差動機構35とを備えている。
本形態では、オイルポンプ30としてトロコイドポンプを採用しており、このオイルポンプ30のポンプハウジング32が、トランスミッションケース29に固定されたリヤカバー31aに取り付けられている。又、このポンプハウジング32に、互いに偏心した状態で噛合するアウタロータ33とインナロータ34とが内装されている。
又、差動機構35はギヤハウジング40に収容されており、このギヤハウジング40がポンプハウジング32に固設されている。本形態では、差動機構35として遊星歯車機構を採用しており、第2の回転要素としてのサンギヤ37の外周にプラネタリピニオン43を介して、第1の回転要素としてのリングギヤ39が配設されている。図3に示すように、差動機構35は、プラネタリピニオン43がサンギヤ37とリングギヤ39との双方に噛合されている、いわゆるシングルプラネタリギヤ列を構成している。
又、このリングギヤ39がリングハウジング41に一体形成されている。このリングハウジング41は、サンギヤ37、プラネタリピニオン43を覆う袋状に形成されており、その一側の回転中心にボス部41aが突設され、このボス部41aの外周がギヤハウジング40に軸受けを介して回動自在に支持されている。又、リングハウジング41の他側の回転中心にポンプ駆動軸41bが一体形成されている。このポンプ駆動軸41bがオイルポンプ30側へ延出されて、インナロータ34の回転中心に軸着されている。従って、このインナロータ34はリングギヤ39と一体に回転する。
更に、サンギヤ37を軸着、或いは一体形成するサンギヤ軸36の一端がリングハウジング41に突設されているボス部41aの内周に軸受けを介して相対回動自在に支持されている。又、サンギヤ軸36の他端が、オイルポンプ30のインナロータ34の軸芯を貫通して、トルクコンバータ2側へ延出されている。
更に、サンギヤ37に噛合するプラネタリピニオン43を回動自在に支持する、第2の回転要素としてのプラネタリキャリア42の軸部(以下、「キャリア軸部」と称する)42aが、サンギヤ軸36と同方向へ延出されており、このキャリア軸部42aの外周がポンプ駆動軸41bとリヤカバー31aとに軸受けを介して回動自在に支持されている。
キャリア軸部42aとサンギヤ軸36との軸端部が、リヤカバー31aの背面に突出されていると共に、サンギヤ軸36の軸端がキャリア軸部42aの軸端から更に突出されている。この両軸42a,36の軸端部に第1、第2従動スプロケット45a,45bが各々軸着されている。
又、インペラ6から延出するインペラ軸9に第1駆動スプロケット44aが固定或いは一体形成されている。この第1駆動スプロケット44aと第1従動スプロケット45aとが同一平面上に配設されていると共に、両スプロケット44a,45a間に第1チェーン46aが巻き掛けられている。
尚、本形態では、便宜的に各スプロケット44a,44b,45a,45bのピッチ円直径は同一とする。
又、セカンダリ軸14に第2駆動スプロケット44bが軸着されており、この第2駆動スプロケット44bが第2従動スプロケット45bと同一平面上に配設されていると共に、両スプロケット44b,45b間に第2チェーン46bが巻き掛けられている。尚、各スプロケット44a,44b,45aが、リヤカバー31aの背面に固定されるフロントカバー31bで覆われている。又、このフロントカバー31bの周壁には、第2チェーン46bの出入を許容する孔が開口されている。
従って、サンギヤ37がセカンダリ軸14にて回転駆動され、又、プラネタリキャリア42がクランク軸1aによって回転駆動される。その結果、リングギヤ39に連設するオイルポンプ30のインナロータ34は、サンギヤ37とプラネタリキャリア42との差回転に応じた回転数で回転駆動される。
シングルプラネタリギヤ列の速度関係式は下式で表すことができる。
ωr・Zr+ωs・Zs=ωc・(Zr+Zs)
∴ωr・Zr=ωc・(Zr+Zs)−ωs・Zs …(1)
ここで、ωrはリングギヤ39の回転数(以下「リングギヤ回転数」と称する)、ωsはサンギヤ37の回転数(以下「サンギヤ回転数」と称する)、ωcはプラネタリキャリア42の回転数(以下「キャリア回転数」と称する)、Zrはリングギヤ39の歯数、Zsはサンギヤ37の歯数である。
例えば、エンジン回転数の最も低い、停車時におけるアイドル回転数では、サンギヤ回転数ωsが0であるため、(1)式は、
ωr・Zr=ωc・(Zr+Zs) …(2)
∴ωr=ωc・(Zr+Zs)/Zr …(3)
となり、リングギヤ回転数ωrは、キャリア回転数ωcが、リングギヤ39とサンギヤ37との歯数で決定されるギヤ比((Zr+Zs)/Zr)分だけ増速されて伝達される。
又、走行時において、発進直後の変速比(プーリ比)εが、例えばε=2.00に設定される場合、この変速比εが、そのままキャリア回転数ωcとサンギヤ回転数ωsとに反映されるので、ωc=2.0ωsとなる。(1)式は、リングギヤ回転数ωrについて解くと、
ωr=ωc+Zs(ωc−ωs)/Zr
となり、この場合、ωc=2.0ωsであるため、(ωc−ωs)=(2.0ωs−ωs)となり、
∴ωr=ωc+ωs(Zs/Zr) …(4)
となる。このことから、リングギヤ回転数ωrは、サンギヤ回転数ωsの上昇に従って次第に高くなることが解る。
一方、定速走行時において、変速比εが例えばε=1.0になり、この変速比εが、上述と同様、そのままキャリア回転数ωcとサンギヤ回転数ωsとに反映されるので、(1)式のωcにωsを代入すると、
ωr・Zr=ωs・(Zr+Zs)−ωs・Zs
∴ωr=ωs …(5)
すなわち、リングギヤ39とサンギヤ37との差回転が0となり、差動機構35は一体回転する。その後、変速比εが小さくなり、サンギヤ回転数ωsがキャリア回転数ωcよりも大きくなると、両回転数ωs,ωcの差回転に応じてリングギヤ回転数ωrの上昇が次第に抑制される。
次に、このような構成によるポンプユニット20の動作について説明する。図示しないスタータを用いてエンジン1を始動させると、エンジン1の回転がクランク軸1aを介してトルクコンバータ2のインペラ6に伝達され、このインぺラ6に一体のインペラ軸9が、クランク軸1aと一体回転する。
その結果、インペラ軸9に一体形成されている第1駆動スプロケット44aに巻き掛けられている第1チェーン46aを介して第1従動スプロケット45aが回転する。この第1従動スプロケット45aは、ポンプユニット20に設けられている差動機構35のプラネタリキャリア42に一体形成されているため、このプラネタリキャリア42が回転する。尚、本形態では、両スプロケット44a,45aのピッチ円直径が同一に設定されているため、キャリア軸部42aはクランク軸1aと同一の速度で回転される。
一方、エンジン始動時の車両は停止しているため、無段変速機4は回転しておらず、この無段変速機4のセカンダリ軸14に一体形成されている第2駆動スプロケット44bの回転も停止している。従って、この第2駆動スプロケット44bに第2チェーン46bを介して連設する第2従動スプロケット45bを一体に有する差動機構35のサンギヤ軸36の回転が停止されている。
その結果、サンギヤ37は回転が停止しているので、リングギヤ回転数ωrは、上述した(3)式から、キャリア回転数ωcに対し、リングギヤ39とサンギヤ37との歯数で決定されるギヤ比((Zr+Zs)/Zr)分だけ増速された回転数となる。尚、本形態ではクランク軸1aとプラネタリキャリア42とが同一回転数で回転するので、クランク軸1aの回転数(エンジン回転数)とキャリア回転数ωcとは等しいため、以下においては、エンジン回転数にもωcの符号を付して説明を簡略化する。
その結果、このリングギヤ39に連設するポンプ駆動軸41bに軸着されているオイルポンプ30のインナロータ34がエンジン回転数ωcよりも高い回転数で回転してオイルを吐出させる。従って、エンジン回転数ωcの最も低い回転数域であるアイドル運転領域であっても、充分なオイル吐出量を確保することができる。
その後、車両を発進させると、セカンダリプーリ16を軸着するセカンダリ軸14が回転するため、この回転が第2駆動スプロケット44b、第2チェーン46b、第2従動スプロケット45bを介してサンギヤ軸36に伝達されて、サンギヤ37が回転する。発進時の変速比(プーリ比)εは大きいため、セカンダリ軸14の回転数は低く、従って、サンギヤ37が低速で回転する。
サンギヤ37が回転すると、リングギヤ回転数(=ポンプ回転数)ωrは、上述した(4)式から明らかなように、サンギヤ回転数ωsの上昇に従って増速される。尚、オイルポンプ30のインナロータ34はリングギヤ39と一体のポンプ駆動軸41bに軸着されているので、リングギヤ回転数ωrはポンプ回転数と等しいため、以下においては、ポンプ回転数にもωrの符号を付して説明を簡略化する。
その結果、本形態では、一般にオイルポンプ30の吐出量が不足しがちな発進時において、ポンプ回転数ωrがエンジン回転数ωcよりも高くなり、その結果、低速時においてはオイル吐出量が増量されるので、容量の小さなオイルポンプ30であっても、充分なオイル吐出量を得ることができる。従って、相対的に、オイルポンプ30の小型化を実現することができる。
その後、車速が次第に上昇し、それに従い、無段変速機4の変速比εが徐々に小さくなり、ε=1.0になると、上述した(5)式に示すように、リングギヤ回転数ωrとサンギヤ回転数ωsとの差回転が0となり、その結果、プラネタリピニオン43の回転(自転)が停止し、差動機構35は一体回転する。従って、ポンプ回転数ωrは、エンジン回転数ωcと等しくなる。
そして、変速比εが1.0未満(ε<1.0)の高速運転、例えば変速比εがε=0.7の場合、(1)式をリングギヤ回転数ωrについて解くと、ωc=0.7ωsであるため、
ωr=ωc−0.3ωs(Zs/Zr) …(4’)
となり、高速走行時のポンプ回転数ωrは、変速比εが低くなるに従い、エンジン回転数ωcよりも次第に低い値となる。その結果、高速走行においては、ポンプ回転数ωrの上昇が抑制され、従って、オイル吐出量が過大とならず、その分、動力損失が低減され、相対的に燃費向上を実現することができる。
このように、本形態では、ポンプ回転数ωrを、無段変速機4のセカンダリ軸14からの回転により回転されるサンギヤ37の回転数ωsとエンジン回転数ωcとの差回転に応じて回転動作させるようにしたので、オイルポンプ30の吐出量を運転状態に応じて可変設定することができる。その結果、発進時など、無段変速機4の変速比εが大きい状態ではエンジン回転数がセカンダリ軸14の回転数よりも高くなるため、ポンプ回転数ωrが増速され充分なオイル吐出量を確保することができる。一方、高速走行では、無段変速機4の変速比εが小さく、エンジン回転数がセカンダリ軸14の回転数よりも相対的に低くなるため、ポンプ回転数ωrの上昇が抑制され、オイル吐出量が過大とならず、その分動力損失を低減することができ、燃費改善を実現することができる。
更に、本形態では、オイルポンプ30をクランク軸1aと無段変速機4のセカンダリ軸14との差回転に応じて回転制御させるようにしたので、電動モータなどの外部駆動機器が不要となり、従って、電動モータは勿論のこと、電動モータに給電する電力供給手段や、回転数を制御する制御手段などの周辺機器も不要となり構造の簡素化、軽量化を実現することができ、更に、製造が容易となり、製品コストの低減を実現することができる。
図4にポンプ回転数ωrとエンジン回転数ωcとの関係を例示する。同図においては、発進から一定加速度で車速Vを上昇させるに際し、時間t1までは、変速比εを固定してエンジン回転数ωcの上昇により加速し、時間t1後は、エンジン回転数ωcを固定し、変速比εを低下させることで加速させるように変速制御するものとする。
車速Vが0の停車時は、上述した(3)式に示すように、ポンプ回転数ωrが、リングギヤ39とサンギヤ37との歯数で決定されるギヤ比((Zr+Zs)/Zr)分だけ増速される。
その後、発進から時間t1までは、変速比εが高い値(例えばε=2.0)で固定されているため、このときのポンプ回転数ωrは、(4)式に示すように、エンジン回転数ωcにサンギヤ回転数ωsの上昇分が加算されてオイル吐出量が増量される。
そして、時間t1後、エンジン回転数ωcを固定し、変速比εを小さくすることで車速Vを増速させると、ポンプ回転数ωrは、変速比εが小さくなるに従い次第に低下し、変速比εがε=1.0、すなわち、リングギヤ39とサンギヤ37との差回転が0となったとき(時間t2)、差動機構35の差動が停止し、ポンプ回転数ωrはエンジン回転数ωcと等しくなる。
その後、変速比εが更に小さくなると(ε<1.0)、(4’)式に示すように、両回転数ωs,ωrの差回転(ωs−ωc)に応じ、ポンプ回転数ωrがエンジン回転数ωcよりも徐々に低くなり、その分、ポンプ回転数ωrの上昇が抑制される。
又、図5に本発明の第2形態による車両用パワーユニットの概略構成図を示す。尚、第1形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
上述した第1形態では、発進装置としてトルクコンバータ2を備えているが、本形態では、トルクコンバータ2に代えて、電磁クラッチ(メインクラッチ)51を設けたものである。メインクラッチ51はクランク軸1aとプライマリ軸13との間に介装されており、第1駆動スプロケット44aがクランク軸1aに一体形成されている。尚、停車中のニュートラル状態は、前後進切換装置のフォワードクラッチとリバースブレーキとを共に解放することで設定することができる。
停車中、及び発進後におけるポンプ回転数ωrの変動特性は、第1形態と同様であるため説明を省略する。
尚、本発明は上述した各形態に限るものではなく、例えば各スプロケット44a,44b.45a,45bのピッチ円直径は、エンジンの特性に合わせて異なる値に設定されていても良い。更に、変速機は無段変速機に限らず多段式変速機であっても良く、この場合、自動変速機ばかりでなく手動変速機に適用することもできる。
第1形態による車両用パワーユニットの駆動系を示す全体構成図 同、オイルポンプ駆動装置の拡大断面図 同、図2のIII-III断面図 同、変速比の変化に伴うポンプ回転数とエンジン回転数との関係を示すタイムチャート 第2形態による車両用パワーユニットの駆動系を示す概略構成図
符号の説明
1…エンジン、
1a…クランク軸、
4…無段変速機
13…プライマリ軸、
14…セカンダリ軸、
15…プライマリプーリ、
16…セカンダリプーリ、
20…ポンプユニット、
30…オイルポンプ、
32…ポンプハウジング、
35…差動機構、
36…サンギヤ軸、
37…サンギヤ、
39…リングギヤ、
40…ギヤハウジング、
41…リングハウジング、
41b…ポンプ駆動軸、
42…プラネタリキャリア、
42a…キャリア軸部、
43…プラネタリピニオン、
44a…第1駆動スプロケット、
44b…第2駆動スプロケット、
45a…第1従動スプロケット、
45b…第2従動スプロケット、
46a…第1チェーン、
46b…第2チェーン、
ε…変速比、
ωc…キャリア回転数(エンジン回転数)、
ωr…リングギヤ回転数(ポンプ回転数)、
ωs…サンギヤ回転数

Claims (2)

  1. エンジン出力軸と、該エンジン出力軸の回転を変速して駆動輪に伝達する変速機と該変速機に対して作動油を供給するオイルポンプとを備える車両用パワーユニットにおいて、
    第1〜第3の回転要素を有する差動機構を有し、
    上記各回転要素が上記オイルポンプと上記エンジン出力軸と上記変速機に設けられている変速機出力軸とに各々連設され、
    上記オイルポンプに連設する上記第1の回転要素が、上記エンジン出力軸に連設する上記第2の回転要素と上記変速機出力軸に連設する第3の回転要素との差回転に応じて回転動作される
    ことを特徴とする車両用パワーユニットのオイルポンプ駆動装置。
  2. 上記差動機構がプラネタリ式差動機構であり、
    上記第1の回転要素がリングギヤ、上記第2の回転要素がプラネタリキャリア、上記第3の回転要素がサンギヤである
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットのオイルポンプ駆動装置。
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