JP3690078B2 - 火花点火エンジン - Google Patents

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    • Y02T10/40Engine management systems

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は少なくとも一部の運転領域において自己着火燃焼を行う火花点火エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一部の運転領域において自己着火燃焼を行う火花点火エンジンが知られている(本田技研工業株式会社出版 Honda R&D Tacnical Review 1994.7.1発行)。
【0003】
これは2サイクル火花点火エンジンにおいて、主として低負荷時に排気ポートを部分的に絞ることで、シリンダ内の残留ガス濃度を高め、圧縮行程開始時のシリンダ内温度を高めることにより、圧縮自着火燃焼(AR燃焼)を実現したものである。
【0004】
このように燃焼時期が制御された自己着火を意図的に起こすAR燃焼により、2サイクルエンジンに固有の部分負荷時の燃焼不安定を解消し、HCの排出を低減している。なお、このエンジンにあっても、高負荷域などでは通常の火花点火により燃焼時期が制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのエンジンでは排気ポートの絞弁によって、シリンダ内の残留ガス量を高める構成のため、2サイクルエンジンにあっては比較的十分な残留ガス量が得られるものの、4サイクルエンジンにおいては、排気弁とピストンによる強制的な排気作用が行われるため、たとえ排気絞りを行っても、AR燃焼を発生させるだけの十分な残留ガス量が確保できない。
【0006】
この結果、圧縮行程開始時の筒内温度、圧力を十分に高めることができず、燃焼時期が制御された自己着火燃焼を発生させることが難しく、AR燃焼を4サイクルエンジンに適用することには困難があった。
【0007】
本発明はこのような問題を解決することを目的し、吸気温度を圧縮自着火燃焼が可能な程度まで高めることで安定したAR燃焼を実現するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、火花点火エンジンにおいて、運転状態を検出する手段と、エンジンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸気温度を高める吸気加熱手段と、エンジンのノッキングを判定する手段と、少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱して圧縮自着火燃焼させると共にノッキングを判定しながら吸気温度をフィードバック制御する手段とを備える。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、ノッキングを検出したらノッキング状態に応じて吸気加熱手段による吸気の加熱を減らして吸気温度を下げる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記吸気加熱手段は、排気熱を利用した熱交換器と、この熱交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパス通路と、吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成され、吸気加熱時には切換バルブを介して熱交換器に吸気を導き、ノッキングを検出したら前記切換バルブの開度を変化させて加熱吸気量を変化させ吸気温度を低下させる。
【0011】
第4の発明は、火花点火エンジンにおいて、運転状態を検出する手段と、混合気の空燃比を制御する手段と、エンジンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸気温度を高める吸気加熱手段と、エンジンのノッキングを判定する手段と、少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱して圧縮自着火燃焼させると共にノッキングを判定しながら空燃比をフィードバック制御する手段とを備える。
【0012】
第5の発明は、第4の発明において、ノッキングを検出したら吸気加熱を継続しながらノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御する。
【0013】
第6の発明は、第5の発明において、前記吸気加熱手段は、排気熱を利用した熱交換器と、この熱交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパス通路と、吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成され、吸気加熱時には切換バルブを所定の切換開度に維持して熱交換器に導く吸気量を一定に保ち、ノッキングを検出したらノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御する。
【0014】
【作用】
第1の発明において、エンジンの部分負荷運転域など、吸気加熱を行って吸気温度を圧縮自着火する程度まで高めることにより、圧縮行程開始時のシリンダ内圧力、温度が上昇し、圧縮上死点付近において混合気が自己着火し、比較的穏やかな自着火燃焼(AR燃焼)が行われる。これにより、部分負荷域での燃焼が改善され、燃費が良好となり、HCの排出量も低減する。
【0015】
一方、圧縮自着火領域にあっては、わずかな負荷変動などで急激な圧縮自着火燃焼であるノッキング燃焼も生じやすく、このノッキングはエンジンの耐久性を著しく損なうなど、非常に好ましくない。しかし、この吸気加熱時にはノッキング状態を判定し、ノッキングが起きたときには直ちに吸気加熱量を減らし、吸気温度を下げ、ノッキングを回避する。これにより、ノッキングを確実に避けつつ、好ましい自着火燃焼であるAR燃焼での安定運転領域を拡大し、燃費や排気組成の改善効果をなお一層高められる。
【0016】
第2の発明では、ノッキング状態に応じて吸気の加熱を減らすので、過剰に吸気温度を下げたりすることがなく、安定したAR燃焼を維持し、燃費や排気組成の向上が図れる。
【0017】
第3の発明では、ノッキングを検出したら切換バルブの開度を調整し、熱交換器に導く吸気量を変化させ、吸気温度を制御するので、吸気温度を要求に応じて過不足なく低下させられる。
【0018】
第4の発明においては、第1の発明と同じように、部分負荷域で吸気加熱を行い比較的穏やかな圧縮自着火燃焼を実現するのであるが、ノッキングの発生に対しては空燃比を制御することによりノッキングを回避している。空燃比を変化させると直ちに応答よくノッキングが回避でき、過渡的に運転状態が変化したときなどに起こりがちな過度なノッキングを確実に防止しつつ、AR燃焼領域の維持、拡大が図れる。
【0019】
第5の発明では、ノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御するので、不必要に燃焼を悪化させることなく、かつ安定したAR燃焼の運転領域の拡大が図れる。
【0020】
第6の発明では、吸気加熱時には常に熱交換器に導く吸気量を一定に保ちながら、ノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御するので、AR燃焼の維持領域を狭めることなく、確実にノッキングが回避できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図面に基づいて本発明の最良の実施形態を説明する。
【0022】
図1において、1は火花点火エンジン(2サイクルまたは4サイクルエンジン)、2はその吸気通路、3は吸気コレクタ、4は排気通路を示す。
【0023】
排気通路4には熱交換器5が設けられ、吸気コレクタ3の上流の吸気ダクト7から分岐したバイパス通路6a,6bが熱交換器5と接続される。
【0024】
熱交換器5は排気通路4を流れる排気の熱を利用して吸気を加熱するもので、バイパス通路6bの吸気ダクト7への接続部には切換バルブ8が設けられ、この切換バルブ8が吸気ダクト7を閉じると、吸気は上流のバイパス通路6aから熱交換器5に流れて加熱され、下流のバイパス通路6bから吸気コレクタ3に導入される吸気温度を高める。
【0025】
切換バルブ8はコントローラ10からの信号により作動するアクチュエータ9によって切換作動する。コントローラ10にはノックセンサ11からの信号が入力し、さらに図示はしないが、エンジン回転数センサ、アクセル開度センサ、吸入空気量センサ、エンジン冷却水温センサ等からの信号も入力し、これらに基づいて、後述するように、主としてエンジン部分負荷運転時に圧縮自着火燃焼が行われる程度まで吸気温度を高めるように切換バルブ8の開度を制御する。
【0026】
部分負荷運転時など切換バルブ8を切換え、加熱されて温度上昇した吸気を火花点火エンジン1に導入することで、圧縮行程開始時におけるシリンダ内温度、圧力が高められ、これにより圧縮上死点の近傍で混合気に自己着火を起こさせ、燃費、排気組成の良好なAR燃焼を実現する。
【0027】
ただし、このAR燃焼が生じているときは、同じく自己着火燃焼である急速なノッキング燃焼も起きやすく、燃焼時期が制御された比較的緩やかな燃焼であるAR燃焼は好ましいが、ノッキングはエンジンにとって望ましくない。自着火燃焼中にエンジン負荷が変化し、とくに低回転域で負荷が増加すると、ノッキングが発生しやすくなる。
【0028】
そこでノックセンサ11からの出力を検出しながら、ノッキングの発生を判断したときには、加熱されない温度の低い外気を導入するように切換バルブ8を切換えてノッキングを回避したり、あるいは吸気加熱は継続しながら混合気をノッキングを生じない範囲にリーン化(希薄化)するようにフィードバック制御するのであり、これによって安定したAR燃焼の運転領域を狭めることなくノッキングを確実に回避できる。
【0029】
図2はノッキング回避に切換バルブの開度をフィードバック制御する制御内容を示すフローチャートである。
【0030】
ステップ1ではエンジン冷却水温が規定値によりも大きいとき、すなわち暖機が終了した状態にあることを判定したら、ステップ2に進み、運転条件が吸気加熱運転領域にあるかどうかを判断する。この吸気加熱運転領域は、エンジン回転数と負荷(アクセル開度)等に基づいて決定され、エンジン回転数、アクセル開度がそれぞれ規定値以下の部分負荷運転域とする(後述の図3参照)。
【0031】
ステップ3ではエンジン回転数と負荷から決まる切換バルブ8の開度を読み込み、切換バルブ8をその開度に作動する。切換バルブ8が吸気ダクト7を完全に閉じれば吸気の全量が加熱されるし、その途中にあれば一部が熱交換器5を通って加熱され、残りは加熱されることなく、吸気ダクト7からそのまま吸気コレクタ3に流入する。これにより、自着火燃焼にとってそのときの運転条件での最適な吸気温度を維持する。
【0032】
これに対して吸気加熱運転領域ではないと判断されたときは、ステップ4に移行し、切換バルブ8がバイパス通路6bを閉じ、これにより冷気(外気)がそのまま吸気コレクタ3へと流入する。
【0033】
吸気加熱中はステップ5において、ノックセンサ11からの信号を所定のノッキングレベルと比較し、ノッキングが発生していないと判断したときは、そのまま吸気加熱を続けるが、ノッキングが発生している判断したときは、ステップ6に進んで切換バルブ8を所定量だけ冷気導入側へと開度を変化させ、冷気の導入量を増やす。これにより燃焼時期が制御不能な異常燃焼であるノッキング状態を回避する。
【0034】
図3は吸気加熱時のノッキング回避を空燃比のリーン化により実行する制御内容を示すフローチャートである。
【0035】
この場合、ステップ3で吸気加熱運転領域が判断されたときは、ステップ4において切換バルブ8を吸気ダクト7を全閉するまで作動させ、吸気の全量を熱交換器5に流す。
【0036】
そして、ステップ5においてノッキングが判定されたときは、ステップ6に移り、所定量だけ混合気をリーン化(希薄化)し、ノッキングの発生を抑制する。ノッキングは理論空燃比の混合気など燃焼条件が良いときに起きやすく、リーン化することで燃焼が抑制され、ノッキングが回避できる。
【0037】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0038】
まず、図4に示すように、エンジンの全運転領域のうち、圧縮自着火燃焼を適用できる範囲と適用できない範囲とがある。
【0039】
一般にエンジンの負荷が低負荷となるほど混合気中の燃料量が少なくなり、燃焼し難くなることから、吸気加熱をしても圧縮自着火しにくくなる。また、エンジン回転数が高回転になるほど、サイクル当たりの絶対時間が短くなり、自着火に至るまでの時間、つまり混合気が高温となり分子が解離して自着火するまでの時間がとれず、圧縮自着火は起こりにくくなる。
【0040】
したがって、このような高回転低負荷域を中心として圧縮自着火しない領域については、火花点火により燃焼を制御する。ただし、このような高回転低負荷域でも吸気加熱を行うことにより、エンジンの体積効率を高められ、エンジンのポンプ損失を低減できる。
【0041】
また、エンジンの全負荷域においては、最大トルクを発生させるために吸気充填効率を高める必要があり、このときには吸気加熱を止め、単位回転当たりの吸入空気量(重量流量)を増やし、火花点火により燃焼を行う。
【0042】
これらの運転領域を除いた領域が、火花点火によらなくても自己着火が起きる領域となる。この中でも低回転高負荷域は急速なノッキング燃焼となり、ノッキング音を発生し、エンジン熱負荷も大きくなり、耐久性を損なうので、この領域での自己着火を利用することはできない。したがって、この領域についても吸気加熱を止め、通常の火花点火を行う。
【0043】
したがって、比較的緩やかな自己着火燃焼が行われるのは、これ以外の領域である、低負荷低中速域となり、この領域において吸気加熱を行い、圧縮行程開始時におけるシリンダ内圧力、温度を高め、火花点火によらずに自己着火によるAR燃焼を行う。
【0044】
このため、この運転領域において、切換バルブ8を切換えて熱交換器5に吸気を流して吸気加熱を行い、圧縮自着火燃焼を行い、燃費やHCの改善を図る。
【0045】
ただし、この運転領域にあっても、わずかな負荷変動など運転条件の変化によりノッキングも起きやすくなり、このノッキングによりエンジンの耐久性が損なわれる。そこで、ノックセンサ11によりノッキング振動を検出し、ノッキングレベルが所定値を越えたときには、切換バルブ8の開度を調整して吸気加熱量を減らし、吸気温度を下げるか、または吸気加熱はそのままとして混合気をリーン化し、これらによりノッキングを回避しつつ、安定したAR燃焼を維持する。
【0046】
いま、図5に、エンジン低回転時における軸トルクと吸気温度に対しての燃焼形態の変化を示す。これからも分かるように、軸トルクが大きく吸気温度が高い領域ほど自着火現象が起きやすく、このうちでも軸トルクの高い領域は、急速な自着火燃焼となるノッキング領域のため実用はできない。
【0047】
なお、図中の排気温度と吸気温度とは、切換バルブ8を全閉し、吸気の全量を加熱したときの温度特性であり、吸気温度は排気温度にほぼ比例し、軸トルクの大きい領域で高温となり、AR燃焼領域を通りこしてノッキング領域に入ってしまう。
【0048】
したがって、切換バルブ8を軸トルクの関数として制御すると、高負荷域に移行するのに伴い切換バルブ8を開き、吸気加熱を少なくし、吸気温度を下げることで、可能な限りAR燃焼の利用領域を拡大することができる。
【0049】
このような制御を示したが、図6であり、前述した図2のフローチャートにおいて、ステップ6での切換バルブ8の開度制御に相当する。
【0050】
この場合、エンジン負荷が変動するのにしたがってノッキング領域に入ることのないように、切換バルブ8の開度が徐々に変化していき、吸気温度を下げていき、AR燃焼を維持する。
【0051】
この図6は、定常的な運転を行ったときの特性であり、もし、A点からB点に向けて過渡的に負荷が変動したときに、B点での最適な切換バルブ8の開度までA点での開度からステップ的に変化させると、熱交換器を含めた吸排気系の熱容量が大きいために、ステップ的な運転状態の変動に対して、吸気温度の変化は遅れをもってゆっくりと変化する。このため、例えば自己着火に必要な温度と異なった温度がしばらく続いたりする。
【0052】
しかし、ノッキングを検出しながら吸気温度をフィードバック制御すると、図7にも示すように、切換バルブ8はノッキングを生じない範囲内で切換わっていき、このため吸気温度も急激に変化することがなく、自着火燃焼を維持するのに必要な吸気温度に保たれる。なお、切換バルブ8を開いても吸気温度が低下しないのは、負荷の増加により排気温度が上昇し、これに伴って加熱される吸気の温度も上昇するためである。
【0053】
つまり、自着火燃焼中にエンジン負荷が変動しても、切換バルブ8の開度はそのときどきでノッキングが発生するよりもわずかに低い吸気温度となるように制御され、過渡的状況にあってもより広い領域で自着火燃焼が行える。
【0054】
次に、図8は前述の図3のフローチャートにしたがったときの制御特性を示すものであって、この場合にはエンジン負荷が変動したときなど、ノッキングが許容限界を越えることのないように、それよりもわずかに薄い空燃比となるように混合気の濃度がフィードバック制御される。
【0055】
切換バルブ8の開度は最初の設定値のままであるが、ノッキング状態が許容範囲に入る程度に混合気がリーン化されることで、急激な自着火燃焼であるノッキングが回避され、これにより望ましいAR燃焼が維持され、それだけ圧縮自着火燃焼領域を拡大でき、燃費やHCの排出特性を改善できる。
【0056】
要求吸気温度は空燃比が大きく(希薄側)なるほど上昇するが、実際の吸気温度は負荷の増加による排気温度上昇に伴い吸気の加熱量が増加することより徐々に高まり、要求吸気温度に維持される。
【0057】
このようにして、部分負荷域においては、同じ自己着火でも燃焼時期が制御された比較的燃焼の緩やかな安定したAR燃焼のみが行われ、燃費の改善やHCの低減がはかれるのである。
【0058】
なお、上記した説明では、吸気加熱用の熱交換器5として排気熱を利用したが、必ずしもこれに限定されず、電気的ヒータなど他の吸気加熱手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】制御内容を示すフローチャートである。
【図3】同じく他の例を示すフローチャートである。
【図4】燃焼状態を運転領域で示す説明図である。
【図5】吸排気温度と燃焼状態の関係を示す説明図である。
【図6】同じく吸排気温度と燃焼状態の関係を示す説明図である。
【図7】吸気温度と切換バルブの開度特性を示す説明図である。
【図8】吸気温度と空燃比との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 火花点火エンジン
2 吸気通路
3 吸気コレクタ
4 排気通路
5 熱交換器
6a バイパス通路
6b バイパス通路
7 吸気ダクト
8 切換バルブ
10 コントローラ
11 ノックセンサ

Claims (6)

  1. 火花点火エンジンにおいて、
    運転状態を検出する手段と、
    エンジンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸気温度を高める吸気加熱手段と、
    エンジンのノッキングを判定する手段と、
    少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱して圧縮自着火燃焼させると共にノッキングを判定しながら吸気温度をフィードバック制御する手段とを備えることを特徴とする火花点火エンジン。
  2. ノッキングを検出したらノッキング状態に応じて吸気加熱手段による吸気の加熱を減らして吸気温度を下げる請求項1に記載の火花点火エンジン。
  3. 前記吸気加熱手段は、
    排気熱を利用した熱交換器と、
    この熱交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパス通路と、
    吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成され、
    吸気加熱時には切換バルブを介して熱交換器に吸気を導き、ノッキングを検出したら前記切換バルブの開度を変化させて加熱吸気量を変化させ吸気温度を低下させる請求項2に記載の火花点火エンジン。
  4. 火花点火エンジンにおいて、
    運転状態を検出する手段と、
    混合気の空燃比を制御する手段と、
    エンジンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸気温度を高める吸気加熱手段と、
    エンジンのノッキングを判定する手段と、
    少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱して圧縮自着火燃焼させると共にノッキングを判定しながら空燃比をフィードバック制御する手段とを備えることを特徴とする火花点火エンジン。
  5. ノッキングを検出したら吸気加熱を継続しながらノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御する請求項4に記載の火花点火エンジン。
  6. 前記吸気加熱手段は、
    排気熱を利用した熱交換器と、
    この熱交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパス通路と、
    吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成され、
    吸気加熱時には切換バルブを所定の切換開度に維持して熱交換器に導く吸気量を一定に保ち、ノッキングを検出したらノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御する請求項5に記載の火花点火エンジン。
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