JPH1162589A - 火花点火エンジン - Google Patents
火花点火エンジンInfo
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Abstract
め、安定したAR燃焼を実現する。 【解決手段】火花点火エンジンにおいて、エンジンの吸
気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸気温度を高め
る吸気加熱手段と、エンジンのノッキングを判定する手
段とを備える。少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱し
て圧縮自着火燃焼させる。同時にノッキングを判定しな
がら吸気温度をフィードバック制御し、ノッキングを回
避しつつ安定したAR燃焼を行う。
Description
運転領域において自己着火燃焼を行う火花点火エンジン
に関する。
行う火花点火エンジンが知られている(本田技研工業株
式会社出版 Honda R&D Tacnical
Review 1994.7.1発行)。
て、主として低負荷時に排気ポートを部分的に絞ること
で、シリンダ内の残留ガス濃度を高め、圧縮行程開始時
のシリンダ内温度を高めることにより、圧縮自着火燃焼
(AR燃焼)を実現したものである。
を意図的に起こすAR燃焼により、2サイクルエンジン
に固有の部分負荷時の燃焼不安定を解消し、HCの排出
を低減している。なお、このエンジンにあっても、高負
荷域などでは通常の火花点火により燃焼時期が制御され
る。
は排気ポートの絞弁によって、シリンダ内の残留ガス量
を高める構成のため、2サイクルエンジンにあっては比
較的十分な残留ガス量が得られるものの、4サイクルエ
ンジンにおいては、排気弁とピストンによる強制的な排
気作用が行われるため、たとえ排気絞りを行っても、A
R燃焼を発生させるだけの十分な残留ガス量が確保でき
ない。
力を十分に高めることができず、燃焼時期が制御された
自己着火燃焼を発生させることが難しく、AR燃焼を4
サイクルエンジンに適用することには困難があった。
目的し、吸気温度を圧縮自着火燃焼が可能な程度まで高
めることで安定したAR燃焼を実現するものである。
エンジンにおいて、運転状態を検出する手段と、エンジ
ンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸気温度
を高める吸気加熱手段と、エンジンのノッキングを判定
する手段と、少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱して
圧縮自着火燃焼させると共にノッキングを判定しながら
吸気温度をフィードバック制御する手段とを備える。
キングを検出したらノッキング状態に応じて吸気加熱手
段による吸気の加熱を減らして吸気温度を下げる。
吸気加熱手段は、排気熱を利用した熱交換器と、この熱
交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパス通路
と、吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成
され、吸気加熱時には切換バルブを介して熱交換器に吸
気を導き、ノッキングを検出したら前記切換バルブの開
度を変化させて加熱吸気量を変化させ吸気温度を低下さ
せる。
て、運転状態を検出する手段と、混合気の空燃比を制御
する手段と、エンジンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼
する程度に吸気温度を高める吸気加熱手段と、エンジン
のノッキングを判定する手段と、少なくとも部分負荷運
転域で吸気加熱して圧縮自着火燃焼させると共にノッキ
ングを判定しながら空燃比をフィードバック制御する手
段とを備える。
キングを検出したら吸気加熱を継続しながらノッキング
状態に応じて空燃比を希薄側に制御する。
吸気加熱手段は、排気熱を利用した熱交換器と、この熱
交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパス通路
と、吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成
され、吸気加熱時には切換バルブを所定の切換開度に維
持して熱交換器に導く吸気量を一定に保ち、ノッキング
を検出したらノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に
制御する。
域など、吸気加熱を行って吸気温度を圧縮自着火する程
度まで高めることにより、圧縮行程開始時のシリンダ内
圧力、温度が上昇し、圧縮上死点付近において混合気が
自己着火し、比較的穏やかな自着火燃焼(AR燃焼)が
行われる。これにより、部分負荷域での燃焼が改善さ
れ、燃費が良好となり、HCの排出量も低減する。
な負荷変動などで急激な圧縮自着火燃焼であるノッキン
グ燃焼も生じやすく、このノッキングはエンジンの耐久
性を著しく損なうなど、非常に好ましくない。しかし、
この吸気加熱時にはノッキング状態を判定し、ノッキン
グが起きたときには直ちに吸気加熱量を減らし、吸気温
度を下げ、ノッキングを回避する。これにより、ノッキ
ングを確実に避けつつ、好ましい自着火燃焼であるAR
燃焼での安定運転領域を拡大し、燃費や排気組成の改善
効果をなお一層高められる。
吸気の加熱を減らすので、過剰に吸気温度を下げたりす
ることがなく、安定したAR燃焼を維持し、燃費や排気
組成の向上が図れる。
切換バルブの開度を調整し、熱交換器に導く吸気量を変
化させ、吸気温度を制御するので、吸気温度を要求に応
じて過不足なく低下させられる。
ように、部分負荷域で吸気加熱を行い比較的穏やかな圧
縮自着火燃焼を実現するのであるが、ノッキングの発生
に対しては空燃比を制御することによりノッキングを回
避している。空燃比を変化させると直ちに応答よくノッ
キングが回避でき、過渡的に運転状態が変化したときな
どに起こりがちな過度なノッキングを確実に防止しつ
つ、AR燃焼領域の維持、拡大が図れる。
空燃比を希薄側に制御するので、不必要に燃焼を悪化さ
せることなく、かつ安定したAR燃焼の運転領域の拡大
が図れる。
換器に導く吸気量を一定に保ちながら、ノッキング状態
に応じて空燃比を希薄側に制御するので、AR燃焼の維
持領域を狭めることなく、確実にノッキングが回避でき
る。
施形態を説明する。
サイクルまたは4サイクルエンジン)、2はその吸気通
路、3は吸気コレクタ、4は排気通路を示す。
気コレクタ3の上流の吸気ダクト7から分岐したバイパ
ス通路6a,6bが熱交換器5と接続される。
を利用して吸気を加熱するもので、バイパス通路6bの
吸気ダクト7への接続部には切換バルブ8が設けられ、
この切換バルブ8が吸気ダクト7を閉じると、吸気は上
流のバイパス通路6aから熱交換器5に流れて加熱さ
れ、下流のバイパス通路6bから吸気コレクタ3に導入
される吸気温度を高める。
号により作動するアクチュエータ9によって切換作動す
る。コントローラ10にはノックセンサ11からの信号
が入力し、さらに図示はしないが、エンジン回転数セン
サ、アクセル開度センサ、吸入空気量センサ、エンジン
冷却水温センサ等からの信号も入力し、これらに基づい
て、後述するように、主としてエンジン部分負荷運転時
に圧縮自着火燃焼が行われる程度まで吸気温度を高める
ように切換バルブ8の開度を制御する。
え、加熱されて温度上昇した吸気を火花点火エンジン1
に導入することで、圧縮行程開始時におけるシリンダ内
温度、圧力が高められ、これにより圧縮上死点の近傍で
混合気に自己着火を起こさせ、燃費、排気組成の良好な
AR燃焼を実現する。
は、同じく自己着火燃焼である急速なノッキング燃焼も
起きやすく、燃焼時期が制御された比較的緩やかな燃焼
であるAR燃焼は好ましいが、ノッキングはエンジンに
とって望ましくない。自着火燃焼中にエンジン負荷が変
化し、とくに低回転域で負荷が増加すると、ノッキング
が発生しやすくなる。
しながら、ノッキングの発生を判断したときには、加熱
されない温度の低い外気を導入するように切換バルブ8
を切換えてノッキングを回避したり、あるいは吸気加熱
は継続しながら混合気をノッキングを生じない範囲にリ
ーン化(希薄化)するようにフィードバック制御するの
であり、これによって安定したAR燃焼の運転領域を狭
めることなくノッキングを確実に回避できる。
をフィードバック制御する制御内容を示すフローチャー
トである。
によりも大きいとき、すなわち暖機が終了した状態にあ
ることを判定したら、ステップ2に進み、運転条件が吸
気加熱運転領域にあるかどうかを判断する。この吸気加
熱運転領域は、エンジン回転数と負荷(アクセル開度)
等に基づいて決定され、エンジン回転数、アクセル開度
がそれぞれ規定値以下の部分負荷運転域とする(後述の
図3参照)。
決まる切換バルブ8の開度を読み込み、切換バルブ8を
その開度に作動する。切換バルブ8が吸気ダクト7を完
全に閉じれば吸気の全量が加熱されるし、その途中にあ
れば一部が熱交換器5を通って加熱され、残りは加熱さ
れることなく、吸気ダクト7からそのまま吸気コレクタ
3に流入する。これにより、自着火燃焼にとってそのと
きの運転条件での最適な吸気温度を維持する。
判断されたときは、ステップ4に移行し、切換バルブ8
がバイパス通路6bを閉じ、これにより冷気(外気)が
そのまま吸気コレクタ3へと流入する。
センサ11からの信号を所定のノッキングレベルと比較
し、ノッキングが発生していないと判断したときは、そ
のまま吸気加熱を続けるが、ノッキングが発生している
判断したときは、ステップ6に進んで切換バルブ8を所
定量だけ冷気導入側へと開度を変化させ、冷気の導入量
を増やす。これにより燃焼時期が制御不能な異常燃焼で
あるノッキング状態を回避する。
比のリーン化により実行する制御内容を示すフローチャ
ートである。
が判断されたときは、ステップ4において切換バルブ8
を吸気ダクト7を全閉するまで作動させ、吸気の全量を
熱交換器5に流す。
判定されたときは、ステップ6に移り、所定量だけ混合
気をリーン化(希薄化)し、ノッキングの発生を抑制す
る。ノッキングは理論空燃比の混合気など燃焼条件が良
いときに起きやすく、リーン化することで燃焼が抑制さ
れ、ノッキングが回避できる。
説明する。
転領域のうち、圧縮自着火燃焼を適用できる範囲と適用
できない範囲とがある。
混合気中の燃料量が少なくなり、燃焼し難くなることか
ら、吸気加熱をしても圧縮自着火しにくくなる。また、
エンジン回転数が高回転になるほど、サイクル当たりの
絶対時間が短くなり、自着火に至るまでの時間、つまり
混合気が高温となり分子が解離して自着火するまでの時
間がとれず、圧縮自着火は起こりにくくなる。
中心として圧縮自着火しない領域については、火花点火
により燃焼を制御する。ただし、このような高回転低負
荷域でも吸気加熱を行うことにより、エンジンの体積効
率を高められ、エンジンのポンプ損失を低減できる。
大トルクを発生させるために吸気充填効率を高める必要
があり、このときには吸気加熱を止め、単位回転当たり
の吸入空気量(重量流量)を増やし、火花点火により燃
焼を行う。
火によらなくても自己着火が起きる領域となる。この中
でも低回転高負荷域は急速なノッキング燃焼となり、ノ
ッキング音を発生し、エンジン熱負荷も大きくなり、耐
久性を損なうので、この領域での自己着火を利用するこ
とはできない。したがって、この領域についても吸気加
熱を止め、通常の火花点火を行う。
が行われるのは、これ以外の領域である、低負荷低中速
域となり、この領域において吸気加熱を行い、圧縮行程
開始時におけるシリンダ内圧力、温度を高め、火花点火
によらずに自己着火によるAR燃焼を行う。
ルブ8を切換えて熱交換器5に吸気を流して吸気加熱を
行い、圧縮自着火燃焼を行い、燃費やHCの改善を図
る。
な負荷変動など運転条件の変化によりノッキングも起き
やすくなり、このノッキングによりエンジンの耐久性が
損なわれる。そこで、ノックセンサ11によりノッキン
グ振動を検出し、ノッキングレベルが所定値を越えたと
きには、切換バルブ8の開度を調整して吸気加熱量を減
らし、吸気温度を下げるか、または吸気加熱はそのまま
として混合気をリーン化し、これらによりノッキングを
回避しつつ、安定したAR燃焼を維持する。
軸トルクと吸気温度に対しての燃焼形態の変化を示す。
これからも分かるように、軸トルクが大きく吸気温度が
高い領域ほど自着火現象が起きやすく、このうちでも軸
トルクの高い領域は、急速な自着火燃焼となるノッキン
グ領域のため実用はできない。
換バルブ8を全閉し、吸気の全量を加熱したときの温度
特性であり、吸気温度は排気温度にほぼ比例し、軸トル
クの大きい領域で高温となり、AR燃焼領域を通りこし
てノッキング領域に入ってしまう。
数として制御すると、高負荷域に移行するのに伴い切換
バルブ8を開き、吸気加熱を少なくし、吸気温度を下げ
ることで、可能な限りAR燃焼の利用領域を拡大するこ
とができる。
前述した図2のフローチャートにおいて、ステップ6で
の切換バルブ8の開度制御に相当する。
たがってノッキング領域に入ることのないように、切換
バルブ8の開度が徐々に変化していき、吸気温度を下げ
ていき、AR燃焼を維持する。
特性であり、もし、A点からB点に向けて過渡的に負荷
が変動したときに、B点での最適な切換バルブ8の開度
までA点での開度からステップ的に変化させると、熱交
換器を含めた吸排気系の熱容量が大きいために、ステッ
プ的な運転状態の変動に対して、吸気温度の変化は遅れ
をもってゆっくりと変化する。このため、例えば自己着
火に必要な温度と異なった温度がしばらく続いたりす
る。
度をフィードバック制御すると、図7にも示すように、
切換バルブ8はノッキングを生じない範囲内で切換わっ
ていき、このため吸気温度も急激に変化することがな
く、自着火燃焼を維持するのに必要な吸気温度に保たれ
る。なお、切換バルブ8を開いても吸気温度が低下しな
いのは、負荷の増加により排気温度が上昇し、これに伴
って加熱される吸気の温度も上昇するためである。
動しても、切換バルブ8の開度はそのときどきでノッキ
ングが発生するよりもわずかに低い吸気温度となるよう
に制御され、過渡的状況にあってもより広い領域で自着
火燃焼が行える。
にしたがったときの制御特性を示すものであって、この
場合にはエンジン負荷が変動したときなど、ノッキング
が許容限界を越えることのないように、それよりもわず
かに薄い空燃比となるように混合気の濃度がフィードバ
ック制御される。
であるが、ノッキング状態が許容範囲に入る程度に混合
気がリーン化されることで、急激な自着火燃焼であるノ
ッキングが回避され、これにより望ましいAR燃焼が維
持され、それだけ圧縮自着火燃焼領域を拡大でき、燃費
やHCの排出特性を改善できる。
なるほど上昇するが、実際の吸気温度は負荷の増加によ
る排気温度上昇に伴い吸気の加熱量が増加することより
徐々に高まり、要求吸気温度に維持される。
同じ自己着火でも燃焼時期が制御された比較的燃焼の緩
やかな安定したAR燃焼のみが行われ、燃費の改善やH
Cの低減がはかれるのである。
交換器5として排気熱を利用したが、必ずしもこれに限
定されず、電気的ヒータなど他の吸気加熱手段を用いて
もよい。
る。
図である。
である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】火花点火エンジンにおいて、 運転状態を検出する手段と、 エンジンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸
気温度を高める吸気加熱手段と、 エンジンのノッキングを判定する手段と、 少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱して圧縮自着火燃
焼させると共にノッキングを判定しながら吸気温度をフ
ィードバック制御する手段とを備えることを特徴とする
火花点火エンジン。 - 【請求項2】ノッキングを検出したらノッキング状態に
応じて吸気加熱手段による吸気の加熱を減らして吸気温
度を下げる請求項1に記載の火花点火エンジン。 - 【請求項3】前記吸気加熱手段は、 排気熱を利用した熱交換器と、 この熱交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパ
ス通路と、 吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成さ
れ、 吸気加熱時には切換バルブを介して熱交換器に吸気を導
き、ノッキングを検出したら前記切換バルブの開度を変
化させて加熱吸気量を変化させ吸気温度を低下させる請
求項2に記載の火花点火エンジン。 - 【請求項4】火花点火エンジンにおいて、 運転状態を検出する手段と、 混合気の空燃比を制御する手段と、 エンジンの吸気を加熱して圧縮自着火燃焼する程度に吸
気温度を高める吸気加熱手段と、 エンジンのノッキングを判定する手段と、 少なくとも部分負荷運転域で吸気加熱して圧縮自着火燃
焼させると共にノッキングを判定しながら空燃比をフィ
ードバック制御する手段とを備えることを特徴とする火
花点火エンジン。 - 【請求項5】ノッキングを検出したら吸気加熱を継続し
ながらノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御す
る請求項4に記載の火花点火エンジン。 - 【請求項6】前記吸気加熱手段は、 排気熱を利用した熱交換器と、 この熱交換器に吸気通路から分岐して吸気を導くバイパ
ス通路と、 吸気のバイパス量を制御する切換バルブとから構成さ
れ、 吸気加熱時には切換バルブを所定の切換開度に維持して
熱交換器に導く吸気量を一定に保ち、ノッキングを検出
したらノッキング状態に応じて空燃比を希薄側に制御す
る請求項5に記載の火花点火エンジン。
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