JP3062576B2 - 2サイクル内燃エンジン - Google Patents

2サイクル内燃エンジン

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JP3062576B2
JP3062576B2 JP3113755A JP11375591A JP3062576B2 JP 3062576 B2 JP3062576 B2 JP 3062576B2 JP 3113755 A JP3113755 A JP 3113755A JP 11375591 A JP11375591 A JP 11375591A JP 3062576 B2 JP3062576 B2 JP 3062576B2
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fuel injection
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雄 本山
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料噴射装置と触媒を
有する内燃エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼室の点火プラグ付近に部分的に噴射
した燃料に着火してこれを層状燃焼させる層状燃焼エン
ジンが知られている。斯かる層状燃焼エンジンにおいて
は、点火プラグ付近に部分的に噴射した燃料に着火して
いるため、シリンダ内に燃料を均一に分布させてこれを
均一燃焼せしめる通常のエンジンに比して少ない燃料
(即ち、低回転)で安定した燃焼を行え、層状燃焼エン
ジンは自動車エンジン等のような低いアイドル回転数が
要求されるエンジンとして好適である。
【0003】ところで、斯かる層状燃焼エンジンにおい
て、部分的に噴射された燃料を確実に燃焼させるために
は、燃料が噴射された場所に確実に新気を供給する必要
がある。
【0004】ところが、部分的に新気を確実に供給する
ことは難しいため、層状燃焼エンジンは通常のエンジン
に比して空気過剰にて運転されることとなり、その排気
温度は通常のエンジンのそれよりも低くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、排気浄化の
ための触媒が有効に作用するためには、一定以上の温度
(活性温度)が必要であるが、層状燃焼エンジンにあっ
ては前述のようにその排気温度が通常のエンジンのそれ
よりも低いため、特に排気温度の低い始動時及び暖機時
の排気浄化性能が低いという問題があった。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、層状燃焼エンジンのメリット
をそのまま活かしつつ、始動時及び暖機時の排気温度を
高めて排気浄化性能の向上を図ることができる2サイク
ル内燃エンジンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、燃焼室の点火プラグ付近に燃料を噴射す
る燃料噴射装置と、排気管に設けられた触媒を有し、ク
ランク軸1回転毎におけるピストンの上死点から下死点
への下降行程中に排気ポートを開き、続いて掃気ポート
を開き、ピストンの下死点から上死点への上昇行程中に
掃気ポートを閉じ、続いて排気ポートを閉じることによ
って燃焼室内のガス交換を行うようにした2サイクル内
燃エンジンにおいて、エンジン温度を検出する温度セン
サーと、燃料噴射装置による燃料噴射開始時期を制御す
る燃料噴射時期制御手段と、燃料噴射装置の燃料噴射量
を制御する燃料噴射量制御手段と、吸入空気量を制御す
る吸気制御手段を設け、アイドリング状態において、温
度センサーによって検出されたエンジン温度が所定値以
下の場合には、燃料噴射時期制御手段によって、エンジ
ン温度が所定値以上の場合に比べて燃料噴射開始時期を
進角させてピストンの上昇行程中排気ポートが閉となる
前とし、燃料噴射終了時期をエンジン温度が所定値以上
における燃料噴射開始時期よりも前とするとともに、ア
イドル回転数の上下動に応じて、吸気制御手段により吸
入空気量を減増量させると同時に燃料噴射量制御手段に
より燃料噴射量を減増量させる一方、アイドリング状態
において、温度センサーによって検出されたエンジン温
度が所定値以上の場合には、燃料噴射時期制御手段によ
って、エンジン温度が所定値以下の場合に比べて燃料噴
射開始時期と燃料噴射終了時期を遅角させてこれらをピ
ストンの上昇行程中排気ポートが閉となる後とするとと
もに、アイドル回転数の上下動に応じて、燃料噴射量制
御手段により燃料噴射量を減増量させるようにしたこと
を特徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、アイドリング状態において、
温度センサーによって検出されたエンジン温度が所定値
以下の場合、即ち始動時及び暖機時においては、燃料噴
射時期制御手段によって、エンジン温度が所定値以上の
場合に比べて燃料噴射開始時期が進角されるため、燃料
は燃焼室内に略均一に分布することとなる。ここで、ア
イドル回転数の上下動に応じて、吸気制御手段により吸
入空気量が減増量されるとともに、燃料噴射量制御手段
により燃料噴射量が減増量されるため、燃料は通常のエ
ンジンと同様に均一燃焼せしめられる。この結果、排気
温度が層状燃焼の場合のそれよりも高められ、始動時及
び暖機時においても触媒による排気浄化性能が高められ
る。
【0009】又、アイドリング状態においてエンジン温
度が所定値以下の場合には噴射された燃料が気化しにく
いが、燃料噴射開始時期が進角されるため、点火までに
燃料をより一層気化させて混合気を容易に形成すること
ができ、更に排気ポートが閉とされて圧縮行程が始まる
前の低圧の燃焼室内に燃料が噴射されるために燃料噴射
量が増大し、これらが相俟ってエンジン温度を早期に所
定値まで上昇させることができる。
【0010】そして、暖機が終了する等してエンジン温
度が所定値以上になると、エンジン温度が所定値以下の
場合に比べて燃料噴射開始時期が遅角される一方、アイ
ドル回転数の上下動に応じて、燃料噴射量制御手段によ
り燃料噴射量が減増量されるため、燃焼は均一燃焼から
層状燃焼に切り換えられ、低回転で安定したアイドリン
グが行なわれ、層状燃焼エンジン本来のメリットがその
まま活かされ、排気エミッションを低減させることがで
きる。又、掃排気行程終了後に燃料の全量が噴射される
ことになるため、噴射燃料の排気ポートからの吹き抜け
を確実に防ぐことができ、燃費を改善することができ
る。更に、2サイクルエンジンにおいては、掃排気行程
を有して残留既燃ガス量が変動するために不規則に失火
し易いが、エンジン温度が所定値以上となるときに成層
燃焼とすることによって混合気の着火性を高めて安定し
たアイドリング状態とすることができる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0012】図1は本発明に係る2サイクル内燃エンジ
ンの全体構成を示すブロック図、図2は同エンジン要部
の断面図、図3は燃料噴射装置の断面図である。
【0013】先ず、図1に基づいて本発明に係る2サイ
クル内燃エンジンの全体構成を説明すると、該エンジン
は車両用の2サイクル3気筒エンジンであって、これの
シリンダボディ1に並設された3つのシリンダ2…の各
々にはピストン3が摺動自在に嵌装されており、各ピス
トン3はコンロッド4を介してクランク軸5に連結され
ている。尚、クランク軸5の回転動力の一部はエアコン
プレッサー6及び補機7に伝達されてこれらのエアコン
プレッサー6及び補機7が駆動され、同クランク軸5の
回転動力の残りはクラッチ8を介して変速装置9に伝達
されて走行駆動系の駆動に費やされる。
【0014】ところで、図2に示すように、前記シリン
ダボディ1には各気筒毎に掃気ポート10と排気ポート
11が形成されており、クランク室12に開口する吸気
ポート13には吸気マニホールド14が連結されてい
る。そして、吸気マニホールド14には各気筒毎にリー
ド弁15が設けられており、同吸気マニホールド14の
集合部には図1に示すように流量センサー16が設けら
れている。
【0015】又、吸気マニホールド14の流量センサー
16の下流側には、図2に示すように、メイン通路17
とバイパス通路18が形成されており、これらのメイン
通路17、バイパス通路18には大小の主スロットル弁
19、副スロットル弁20がそれぞれ設けられている。
尚、主スロットル弁19は不図示のアクセルペダルに連
結されており、副スロットル弁20は吸気制御手段を構
成しており、これは主スロットル弁19が閉じられたア
イドリング時にサーボモータ21によって開閉駆動され
てアイドリング時の吸入空気量を調整する。
【0016】更に、エンジンの前記シリンダボディ1の
上部に被着されたシリンダヘッド22には各気筒毎に燃
焼室23が形成されており、同シリンダヘッド22には
各気筒の燃焼室23に混合気を適当なタイミングで噴射
するための燃料噴射装置30が取り付けられている。そ
して、シリンダヘッド22には、各気筒毎に点火プラグ
24が螺着されており、各点火プラグ24の放電部は燃
焼室23に臨んでいる(図2参照)。
【0017】ところで、前記燃料噴射装置30には、図
1に示すように、燃料タンク50内の燃料がフィルター
51を経て燃料ポンプ52で昇圧されて供給されるとと
もに、フィルター53を経て前記エアコンプレッサー6
で昇圧された圧縮空気が供給される。そして、各気筒に
噴射されないで残った余剰の燃料と圧縮空気は燃料噴射
装置30からプレッシャレギュレータ54を経て燃料タ
ンク50、不図示の排気管にそれぞれ排出される。尚、
後述のように燃料噴射装置30は各気筒の燃焼室23に
燃料を噴射するが、これの燃料噴射開始時期は燃料噴射
時期制御手段61によって制御され、燃料噴射量は燃料
噴射量制御手段62(図1参照)によって制御される。
又、図示しないが、排気管には排気を浄化するための触
媒が設けられている。
【0018】又、図1においては、60はコントローラ
であって、これはエンジンの運転情報、即ち、水温セン
サー55によって検出される冷却水温、回転センサー5
6によって検出されるエンジン回転数、流量センサー1
6によって検出される吸入空気量及びスロットル弁1
9,20の開度に基づいて前記燃料噴射時期制御手段6
1、燃料噴射量制御手段62、プレッシャレギュレータ
54及びサーボモータ21にそれぞれ制御信号を送る。
【0019】ここで、燃料噴射装置30の構成を図3に
基づいて説明する。
【0020】燃料噴射装置30は、シリンダヘッド22
に固着されたハウジング31と、該ハウジング31内に
形成された噴射空間32の前記燃焼室23への噴射口3
2aを開閉するバルブ機構33と、噴射空間32に燃料
を供給するインジェクタ34と、噴射空間32に圧縮空
気を供給するエアレール35を含んで構成されている。
【0021】そして、前記ハウジング31にはインジェ
クタ34からの燃料を噴射空間32に導くための燃料供
給経路36と、エアコンプレッサー6(図1参照)から
圧縮空気を噴射空間32に導くための空気供給経路37
が形成されている。
【0022】又、前記バルブ機構33は噴射空間32内
に収納されているメインバルブ38を有しており、該メ
インバルブ38は板ばね39及びスプリング40によっ
て前記噴射口32aを閉じる方向に付勢されている。
【0023】次に、本内燃エンジンの作用を図4乃至図
7を参照しながら説明する。尚、図4はエンジンの燃焼
状態の推移を示すフローチャート、図5は冷却水温に対
するエンジンの目標アイドル回転数を示す図、図6は燃
料噴射開始時期及び燃料噴射期間を示すタイミングチャ
ート、図7(a),(b),(c)はエンジン始動後の
回転数、触媒温度、排気中の炭化水素(HC)の含有量
の経時的変化を示す図である。
【0024】ここで、本発明に係る2サイクル内燃エン
ジンは、周知の通りクランク軸5の1回転毎におけるピ
ストン3の上死点から下死点への下降行程中に排気ポー
トを開き、続いて掃気ポートを開き、ピストン3の下死
点から上死点への上昇行程中に掃気ポートを閉じ、続い
て排気ポートを閉じることによって燃焼室23内のガス
交換を行うものである。
【0025】而して、エンジンが始動されると、運転状
態が暖機運転(アイドリング)であるか否かが判断され
(図4のステップ1)、エンジン始動後に直ちに負荷走
行する場合にはエンジンは通常の層状燃焼とされ、その
サイクルが空気サイクルに近づけられて部分負荷での熱
効率の向上、空気汚染の低減等が図られる。即ち、燃料
噴射装置30に供給される高圧燃料と圧縮空気は図3に
示す燃料供給経路36、空気供給経路37を経て噴射空
間32に導かれ、燃料噴射時期制御手段61及び燃料噴
射量制御手段62の制御によって適当なタイミングで適
当な時間だけソレノイド41が励磁されるとメインバル
ブ38が所定の時間だけ開けられ、噴射空間32に導入
された燃料は圧縮空気と共に噴射口32aから燃焼室2
3に噴射されることによって霧化され、燃焼室23の点
火プラグ24の放電部近傍に濃混合気が部分的に形成さ
れる。
【0026】一方、リード弁15を経てクランク室12
内に吸引された新気は、下降するピストン3によって一
次圧縮された後に掃気ポート10を経て燃焼室23内に
導入されて前記混合気と共に圧縮される。そして、点火
プラグ24によって濃混合気が着火、燃焼せしめられ、
燃焼室23内に一旦炎が発生すると、燃焼室23全体に
燃焼が及び、燃焼室23では混合気の層状燃焼が行なわ
れる。
【0027】ところで、エンジンの暖機時には、コント
ローラ60は水温センサー55によって検出される冷却
水温Tが所定値T0(例えば、40℃)以下であるか否
かを判断し(図4のステップ2)、冷却水温Tが所定値
T0以下(T≦T0)であれば、エンジンの燃焼状態を
均一燃焼とし(図4のステップ3〜10)、所定値T0
よりも高ければ(T>T0)エンジンの燃焼状態を層状
燃焼とする(図4のステップ11〜15)制御を行な
う。
【0028】即ち、冷却水温Tが所定値T0以下(T≦
T0)である場合には、先ずそのときの冷却水温Tに対
するエンジンの目標アイドル回転数Aが図5のカーブA
に基づいて設定され(図4のステップ3)、図2に示す
主スロットル弁19が全閉されて(図4のステップ4)
吸入空気量が絞られるとともに、燃料噴射時期制御手段
61によって燃料噴射時期t1(図6参照)が進角され
る(図4のステップ5)。
【0029】次に、コントローラ60において実際のエ
ンジン回転数(アイドル回転数)Rの目標アイドル回転
数Aからのズレが判断され(図4のステップ6)、ズレ
が無い場合(R=A)には、吸入空気量及び燃料噴射量
の調整はなされず、エンジン回転数Rが目標アイドル回
転数Aよりも小さい場合(R<A)には、副スロットル
弁20の開度が増す(図4のステップ7)とともに、燃
料噴射量制御手段62によって燃料噴射期間Δt1(図
6参照)を増して燃料噴射量が増量される(図4のステ
ップ8)。又、エンジン回転数Rが目標アイドル回転数
Aよりも大きい場合(R>A)には、逆に副スロットル
弁20の開度を減ずる(図4のステップ9)とともに、
燃料噴射量制御手段62によって燃料噴射期間Δt1が
短縮されて燃料噴射量が減量される(図4のステップ
8)。尚、この場合の燃料噴射量制御手段62による燃
料噴射量の制御においては、燃料噴射開始時期t1は一
定に保たれ、燃料噴射終了時期を変えることによって燃
料噴射期間Δt1を変え、これによって燃料噴射量を減
増量している。又、この場合、図6に示すように、燃料
噴射は排気ポート11が閉じる前に開始されるが、燃料
噴射装置30から各燃焼室23に噴射された燃料が実際
に排気ポート11に到達する前に排気ポート11が閉じ
るように燃料噴射開始時期t1を選ぶことによって、排
気ポート11からの燃料の吹き抜けを防止することがで
きる。尚、図6に示すように、燃料噴射終了時期は後述
の冷却水Tが温所定値T0以上の場合における燃料噴射
開始時期t2,t3,t3’よりも前とされている。
【0030】而して、上述のように、冷却水温Tが所定
値T0以下(T≦T0)の場合には、燃料噴射開始時期
t1が進角されるため、燃料は燃焼室23内に略均一に
分布し、更に、エンジン回転数Rの上下動に応じて副ス
ロットル弁20が閉開制御されて吸入空気量が減増量さ
れるとともに、燃料噴射量制御手段62によって燃料噴
射量が減増されるため、各燃焼室23に供給された燃料
は通常のエンジンと同様に均一燃焼せしめられる。この
ように、エンジン温度の低い暖機運転時に通常のエンジ
ンと同様に燃料が均一燃焼せしめられると、空気過剰の
層状燃焼の場合に比して排気温度が高められ、図7
(b)に実線aにて示すように触媒温度は破線bにて示
す従来のそれに比して速やかに上昇し、触媒による排気
の浄化開始時間が早められ、図7(c)に実線cにて示
すように排気中の炭化水素(HC)の含有量が破線dに
て示す従来のそれに比して低減され、エンジンの始動時
及び暖機時においても触媒の排気浄化性能が高められる
こととなる。
【0031】ところで、アイドリング状態において冷却
水温Tが所定値T0以下の場合には燃料が気化しにくい
が、燃料噴射開始時期が進角されるため、点火までに燃
料をより一層気化させて混合気を容易に形成することが
でき、更に排気ポートが閉とされて圧縮行程が始まる前
の低圧の燃焼室23内に燃料が噴射されるために燃料噴
射量が増大し、これらが相俟ってエンジン温度を早期に
所定値まで上昇させることができる。
【0032】一方、上記均一燃焼によって冷却水温Tが
所定値T0よりも高くなった場合、或はエンジン始動時
に冷却水温Tが既に所定値T0を超えている場合(T>
To)には、燃料噴射時期制御手段61によって、燃料
噴射開始時期が冷却水温Tが所定値T0以下の場合(T
≦T0)よりも遅角されて燃料噴射開始時期と燃料噴射
終了時期がピストン3の上昇行程中排気ポートが閉とな
る後とされる(図6参照)一方、アイドル回転数Rの上
下動に応じて、燃料噴射量制御手段62によって燃料噴
射量が減増量され、燃焼は均一燃焼から層状燃焼に切り
変えられる(図4のステップ11〜15)。
【0033】即ち、この場合もエンジンの目標アイドル
回転数Aが図5のカーブBに基づいて設定され、図2に
示される副スロットル弁20が全閉される(図4のステ
ップ11)とともに、主スロットル弁19が少量開けら
れる(図4のステップ12)。尚、逆に主スロットル弁
19を全閉とし、副スロットル弁20を少量開くように
したり、或は副スロットル弁20を廃して主スロットル
弁19だけで吸入空気量を制御しても良く、要は均一燃
焼時よりも吸入空気量を多くすれば良い。
【0034】而して、この層状燃焼領域においては、エ
ンジン回転数Rの目標アイドル回転数Aからのズレ量|
R−A|によって燃料噴射量の制御方法が異なる。
【0035】即ち、コントローラ60においてエンジン
回転数Rの目標アイドル回転数Aからのズレが判断され
(図4のステップ13)、ズレが無い場合(|R−A|
=0)には燃料は図6に示すように時期t2からΔt2
の期間だけ噴射され、燃料噴射量は一定に保たれる。そ
して、ズレ量|R−A|が40rpm未満の場合(0<
|R−A|<40)には、図6に示すように、燃料噴射
開始時期t2は一定に保たれ、燃料噴射終了時期を変え
ることによって燃料噴射期間Δt2’,Δt2”を進
角、遅角し(図4のステップ14)、これによって燃料
噴射量を減増量している。又、ズレ量|R−A|が40
rpm以上の場合(|R−A|≧40)には、図6に示
すように燃料噴射期間Δt3を一定に保ち、燃料噴射開
始時期t3,t3’を遅角、進角する(図4のステップ
15)ことによって燃料噴射量が減増量される。尚、こ
の場合、燃料噴射期間Δt3が一定であっても、燃料噴
射開始時期t3,t3’を変えれば、燃料が噴射された
時のシリンダ内圧が異なり、例えば燃料噴射開始時期を
進角すれば、シリンダ内圧が低く燃料圧力との差圧が大
きいときに燃料が噴射されることとなるため、燃料噴射
量が増量される。
【0036】而して、上述のように冷却水温Tが所定値
T0よりも高くなった場合(T>T0)には、燃焼は均
一燃焼から層状燃焼に切り換えられるため、低回転で安
定したアイドリングが行なわれ、層状燃焼エンジン本来
のメリットがそのまま活かされ、排気エミッションを低
減させることができる。
【0037】又、掃排気行程を有する2サイクルエンジ
ンにおいては、噴射燃料の排気ポートからの吹き抜けを
確実に防ぐことができるために燃費を改善することがで
きる。更に、2サイクルエンジンにおいては、掃排気行
程を有して残留既燃ガス量が変動するために不規則に失
火し易いが、エンジン温度が所定値以上となるときに成
層燃焼とすることによって混合気の着火性を高めて安定
したアイドリング状態とすることができる。
【0038】尚、以上の実施例では、エンジン温度とし
て特に冷却水温を採用したが、エンジン温度として触媒
温度を採用しても良いことは勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、燃焼室の点火プラグ付近に燃料を噴射する燃料
噴射装置と、排気管に設けられた触媒を有し、クランク
軸1回転毎におけるピストンの上死点から下死点への下
降行程中に排気ポートを開き、続いて掃気ポートを開
き、ピストンの下死点から上死点への上昇行程中に掃気
ポートを閉じ、続いて排気ポートを閉じることによって
燃焼室内のガス交換を行うようにした2サイクル内燃エ
ンジンにおいて、エンジン温度を検出する温度センサー
と、燃料噴射装置による燃料噴射開始時期を制御する燃
料噴射時期制御手段と、燃料噴射装置の燃料噴射量を制
御する燃料噴射量制御手段と、吸入空気量を制御する吸
気制御手段を設け、アイドリング状態において、温度セ
ンサーによって検出されたエンジン温度が所定値以下の
場合には、燃料噴射時期制御手段によって、エンジン温
度が所定値以上の場合に比べて燃料噴射開始時期を進角
させてピストンの上昇行程中排気ポートが閉となる前と
し、燃料噴射終了時期をエンジン温度が所定値以上にお
ける燃料噴射開始時期よりも前とするとともに、アイド
ル回転数の上下動に応じて、吸気制御手段により吸入空
気量を減増量させると同時に燃料噴射量制御手段により
燃料噴射量を減増量させる一方、アイドリング状態にお
いて、温度センサーによって検出されたエンジン温度が
所定値以上の場合には、燃料噴射時期制御手段によっ
て、エンジン温度が所定値以下の場合に比べて燃料噴射
開始時期と燃料噴射終了時期を遅角させてこれらをピス
トンの上昇行程中排気ポートが閉となる後とするととも
に、アイドル回転数の上下動に応じて、燃料噴射量制御
手段により燃料噴射量を減増量させるようにしたため、
層状燃焼エンジンのメリットをそのまま活かしつつ、始
動時及び暖機時の排気温度を高めて排気浄化性能の向上
を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る層状燃焼エンジンの全体構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明に係る層状燃焼エンジン要部の断面図で
ある。
【図3】燃料噴射装置の断面図である。
【図4】エンジンの燃焼状態の推移を示すフローチャー
トである。
【図5】冷却水温に対するエンジンの目標アイドル回転
数を示す図である。
【図6】燃料噴射開始時期及び燃料噴射期間を示すタイ
ミングチャートである。
【図7】(a),(b),(c)はエンジン始動後の回
転数、触媒温度、排気中の炭化水素(HC)の含有量の
経時的変化を示す図である。
【符号の説明】
3 ピストン 5 クランク軸 20 副スロットル弁(吸気制御手段) 23 燃焼室 24 点火プラグ 30 燃料噴射装置 55 水温センサー(温度センサー) 60 コントローラ 61 燃料噴射時期制御手段 62 燃料噴射量制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 312 F02D 45/00 312Q (56)参考文献 特開 昭60−30438(JP,A) 特開 昭63−195355(JP,A) 特開 平1−294936(JP,A) 実開 昭63−200645(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/34 F02D 41/02 330 F02D 41/08 330 F02D 41/08 335 F02D 41/16 F02D 45/00 312

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室の点火プラグ付近に燃料を噴射す
    る燃料噴射装置と、排気管に設けられた触媒を有し、ク
    ランク軸1回転毎におけるピストンの上死点から下死点
    への下降行程中に排気ポートを開とし、続いて掃気ポー
    トを開とし、ピストンの下死点から上死点への上昇行程
    中に掃気ポートを閉とし、続いて排気ポートを閉とする
    ことによって燃焼室内のガス交換を行うようにした2サ
    イクル内燃エンジンにおいて、 エンジン温度を検出する温度センサーと、燃料噴射装置
    による燃料噴射開始時期を制御する燃料噴射時期制御手
    段と、燃料噴射装置の燃料噴射量を制御する燃料噴射量
    制御手段と、吸入空気量を制御する吸気制御手段を設
    け、 アイドリング状態において、温度センサーによって検出
    されたエンジン温度が所定値以下の場合には、燃料噴射
    時期制御手段によって、エンジン温度が所定値以上の場
    合に比べて燃料噴射開始時期を進角させてピストンの上
    昇行程中排気ポートが閉となる前とし、燃料噴射終了時
    期をエンジン温度が所定値以上における燃料噴射開始時
    期よりも前とするとともに、アイドル回転数の上下動に
    応じて、吸気制御手段により吸入空気量を減増量させる
    と同時に燃料噴射量制御手段により燃料噴射量を減増量
    させる一方、 アイドリング状態において、温度センサーによって検出
    されたエンジン温度が所定値以上の場合には、燃料噴射
    時期制御手段によって、エンジン温度が所定値以下の場
    合に比べて燃料噴射開始時期と燃料噴射終了時期を遅角
    させてこれらをピストンの上昇行程中排気ポートが閉と
    なる後とするとともに、アイドル回転数の上下動に応じ
    て、燃料噴射量制御手段により燃料噴射量を減増量させ
    るようにしたことを特徴とする2サイクル内燃エンジ
    ン。
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