JP3689602B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に関し、特には、複数の画像形成部により画像を形成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、それぞれレーザスキャナ、感光ドラム等を有する複数の画像形成ユニットにより異なる色の画像を形成し、これを記録用紙上に重ね合わせて転写することでカラー画像を得る装置が知られている。
【0003】
この種の装置においては、各画像形成ユニットの取り付け位置のばらつき等により各色の画像間に位置ずれ(色ずれ)が発生する。そのため、従来より、転写ベルト上に位置ずれ補正用のレジストマークを転写し、このレジストマークの読み取り結果に基づいて各色の画像間の位置ずれを検出、補正する技術が知られている。
【0004】
また、副走査方向の各色画像の書き出しタイミングについては、最上流側の画像形成ユニットの書き出しタイミングに基づき、他の色の画像の書き出しタイミングを決定することが考えられる。
【0005】
以下、副走査方向の書き出しタイミングの制御について説明する。
【0006】
図10は画像形成装置のスキャナを回転駆動するための制御回路の構成例を示す図である。
【0007】
図10において、100は回転基準信号発生器で、前述の如く検出された各色間の位置ずれ量に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色のスキャナユニットに対して独立の回転制御信号101Y、101M、101C、101BKを発生する。
【0008】
回転基準信号101Y、101M、101C、101BKは周期は同一であるものの、1ライン未満のずれを補正するため、それぞれ独立にその位相を制御可能である。
【0009】
102Y,102M,102C,102BKはY,M,C,BKの各色にそれぞれ独立に設けられたPLL制御部で、回転基準信号101Y,101M,101C,101BKと、スキャナモータ106Y,106M,106C,106BK内部にそれぞれ設けられたモータの回転位置検出器(ビームディテクタ、以下BD)の出力信号103Y,103M,103C,103BKを位相比較して、その結果、スキャナモータドライバ105Y,105M,105C,105BKが回転基準信号101Y,101M,101C,101BKにそれぞれ位相同期するようスキャナモータドライバ105Y,105M,105C,105BKに対して制御信号104Y,104M,104C,104BKを出力し、スキャナモータ106Y,106M,106C,106BKの回転動作を制御する。
【0010】
以下、図11を用いて、図10の制御回路による副走査方向の画像形成タイミングの制御動作について説明する。
【0011】
図11は図10の制御回路による画像形成タイミングを示すタイミングチャートであり、説明を簡単にするため、イエローとマゼンタについてのみ説明する。
【0012】
図11において、201はイエロー用のBDにより得られた負論理のBD信号であり、一定の周期を有する。202はイエロー用の垂直同期信号(TOP信号)であり、このTOP信号を不図示のビデオコントローラに出力すると、その後のBD信号に同期してビデオコントローラはイエロー用の画像データ203を出力する。
【0013】
ビデオコントローラはTOP信号202とBD信号201とを入力して画像データの出力タイミングを決定している。また、TOP信号202は不図示のプリンタエンジン部によりBD信号201に同期させて生成される。
【0014】
204はマゼンタのBD信号であり、図に示したように、副走査方向の一ライン未満のずれを補正するため、イエローのBD信号201に対してずれに応じて位相差を持たせる。ただし、図では位相差、即ちずれがない状態を示している。
【0015】
205はマゼンタ用のTOP信号であり、プリンタエンジンは、イエロー用のTOP信号202を出力した後、マゼンタのBD信号のカウントを開始し、所定数カウントした場合にマゼンタ用のTOP信号205を出力する。
【0016】
図11ではNラインに相当するタイミングでマゼンタの画像の書き出しを開始するため、イエロー用のTOP信号202の後、(N−1)ラインに相当する数だけBD信号をカウントした時点でTOP信号205を発生する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示したタイミングチャートによれば、基準色(図ではイエロー)の垂直同期信号(TOP信号)と水平同期信号(BD信号)との間には同期がとられており、BD信号により確実にTOP信号を発生することができるものの、基準色のTOP信号と他の色(図ではマゼンタ)のBD信号との間には同期がとれていない。
【0018】
そのため、基準色に対して他の色の副走査方向の位置ずれを1/nラインだけ補正しようとして、図11の207で示したように、他の色の回転基準信号をBD信号周期の1/nだけ遅らせた場合、イエローのTOP信号202の後、遅らせたBD信号211からカウントを開始せず、その一つ前のBD信号210からカウントを開始してしまう。
【0019】
そのため、他の色のTOP信号の発生タイミングが正規のタイミングよりも一ライン分早くなってしまう。その結果、ビデオコントローラからは一ライン早いタイミングで画像データが出力されてしまい、基準色に対して一ラインずれた位置に他の色の画像が形成されてしまう。
【0020】
本発明は前述の如き問題を解決することを目的とする。
【0021】
本発明の他の目的は、高精細な画像を得る処にある。
【0022】
本発明の更に他の目的は、常に正確なタイミングで画像形成を行う処にある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
このような目的下において、本願発明においては、それぞれ画像担持体と、画像信号に応じて変調された光ビームを発生する光ビーム発生手段と、前記光ビーム発生手段により発生される光ビームを偏向走査して前記画像担持体に画像を書き込む回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向走査された光ビームをそれぞれ走査経路上の所定位置で検出して光ビーム検出信号を発生する光ビーム検出手段とを有し、互いに並置された複数の画像形成手段と、前記複数の画像形成手段により形成された各画像をそれぞれ転写位置にて転写するよう移動する移動体と、前記各画像形成手段の回転多面鏡を回転駆動する複数の回転駆動手段と、前記複数の画像形成手段により形成される各画像間の位置ずれ量を検出するずれ検出手段と、前記複数の画像形成手段により形成される各画像間の一ライン未満の位置ずれを1/nライン単位(nは2以上の整数)で補正するべく、前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、前記複数の画像形成手段のうち所定の画像形成手段からの前記光ビーム検出信号に基づき、該光ビーム検出信号からT(n−1)/n経過時点(Tは走査周期)からT経過時点までの期間に、前記所定の画像形成手段による副走査方向の書き出しタイミングを決定する垂直同期信号を発生すると共に、前記所定の画像形成手段に対する垂直同期信号と前記所定の画像形成手段より下流側に設けられた他の画像形成手段からの各光ビーム検出信号とに基づいて前記他の画像形成手段の各々に対する前記垂直同期信号を発生する同期信号発生手段と、前記複数の画像形成手段からの各光ビーム検出信号と前記同期信号発生手段からの各垂直同期信号とに基づいて前記複数の画像形成手段の光ビーム発生手段に対してそれぞれ前記画像信号を出力する画像信号出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態においては、本発明をカラー画像形成装置に適用した場合について説明する。
【0025】
図1は本形態の画像形成装置の構成を示す図である。
【0026】
図1において、41Y,41M,41C,41Kはイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色のドラムユニットカートリッジ(ドラムユニット)で、潜像を形成する感光体905Y,905M,905C,905Kと各感光体上の潜像を所定の現像剤により現像する現像器とが一体となっている。また、これらの各色ドラムユニット41Y,41M,41C,41Kはそれぞれ独立に画像形成装置本体に着脱可能に装着されている。
【0027】
44Y,44M,44C,44Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のスキャナユニットで、後述するプリンタコントローラ1001から送られる各色のビデイデータに基づいて、プリンタエンジンで変換されるレーザオン・オフ信号により発光する各レーザ光を各ポリゴンミラー903Y,903M,903C,903Kで走査させ、ドラムユニット41Y,41M,41C,41Kの各感光体上に潜像を形成させる。なお、スキャナユニット44Y,44M,44C,44K及びドラムユニット41Y,41M,41C,41Kの詳細な構成は図2に示す。
【0028】
40Y,40M,40C,40Kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のフォトセンサ等の光ビーム検出器(BD)で、ドラムユニット41Y,41M,41C,41Kの各感光体の近傍に配置され、各色スキャナユニット44Y,44M,44C,44Kにより照射されるレーザビームを検知して、BD信号を出力する。
【0029】
42は中間転写ベルトで、帯電器49Y,49M,49C,49Kで帯電されることによりドラムユニットで現像された顕像を一旦一次転写して多重画像を形成し、搬送ベルト43により搬送される転写材に転写する。
【0030】
搬送ベルト43は、給紙部46から給紙ローラ47を通して給紙される転写材に対して中間転写ベルト42で形成された多重転写画像を二次転写させた後、定着部45へと搬送するためのベルトである。
【0031】
50はセンサで、中間転写ベルト42条に形成された色ずれ検出のためのマークを検出する。定着部45は搬送ベルト43により搬送される記録材上に転写された各画像を定着し、排紙部48に出力する。
【0032】
図2は図1に示したスキャナユニット44(44Y,44M,44C,44K)及びドラムユニット41(41Y,41M,41C,41K)の概略構成を示す図であり、図1及び図と同様の構成には同一の番号を付してある。なお、各色のスキャナユニット及びドラムユニットは同一の構成である。
【0033】
図において、901は半導体レーザで、図示しないビデオデータに応じて変調された光ビームRを発生する。902はコリメータレンズで、半導体レーザ901で発生されたレーザビームRを平行にする。903(903Y,903M,903C,903K)は回転多面鏡で、スキャナモータ106(106Y,106M,106C,106K)により回転駆動され、コリメータレンズ902を介して照射されるレーザビームRを反射して、走査速度を補正するfθレンズ904を介してドラム状の感光体905の表面を走査する。
【0034】
なお、スキャナユニット44は半導体レーザ901、コリメータレンズ902、fθレンズ904、回転多面鏡903、スキャナモータ106等で構成される。
【0035】
また、ドラムユニット41は、感光体905、光ビーム検出器40、不図示の現像器等で構成される。
【0036】
次に、各部の動作について説明する。
【0037】
半導体レーザ901によりレーザビームRを発生し、このレーザビームRをコリメータレンズ902で平行にした後、回転多面鏡903に照射する。回転多面鏡903で反射したレーザビームRは走査速度を補正するfθレンズ904を介して感光体905に照射され、回転多面鏡903の回転により感光体905の表面を走査する。
【0038】
このとき、レーザビームRは感光体905の近傍に配置されたBD40からのBD信号に同期したビデオデータにより変調されるので、感光体905にはビデオデータに対応する潜像が形成される。
【0039】
図3は図1の画像形成装置の要部の構成を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一番号を付してある。
【0040】
画像形成装置1000において、1001はコントローラで、CPU1012によりROM1013のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等あるいは、ハードディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスク等の外部メモリ1014に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス1015に接続された各種デバイスとのアクセスを統括的に制御し、プリンタエンジン1016に出力情報としてのビデオデータを出力する。また、ROM1013のフォント用ROMには出力データを生成する際に使用するフォントデータ等を記憶している。更に、ROM1013のデータ用ROMにはハードディスク等の外部メモリ1014を備えていないプリンタのために、ホストコンピュータ2000上で利用される情報等を記憶している。
【0041】
CPU1012は入力部1018、インターフェイス2100を介してホストコンピュータ2000と双方向通信処理が可能となっており、画像形成装置1000内の情報等をホストコンピュータ2000に通知可能に構成されている。1019はRAMで、CPU1012の主メモリ、ワークエリア等として機能し、図示しない増設ボードに接続されているオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるよう構成されている。また、コントローラ1001内のCPU1012、プリンタエンジン1016内のCPU1017は内部にタイマを有しており、計時可能となっている。
【0042】
また、RAM1019は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、不揮発性RAMなどに用いられる。前述のハードディスク、ICカード等の外部メモリ1014は、メモリコントローラ(MC)1020によりアクセスを制御される。外部メモリ1014はオプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。1021は操作部で、走査及び各種設定のためのスイッチ及びLED表示器、LCD表示器等が配されている。
【0043】
なお、前述の外部メモリ1014は一個に限らず、少なくとも一個以上備え、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されている。また、図示しない不揮発性RAMを備え、操作部1021からの各種設定情報を記憶する様にしてもよい。
【0044】
また、プリンタエンジン1016は、内部に図10に示したスキャナモータ制御回路と同様の回路を有する。
【0045】
更に、プリンタエンジン1016にはコントローラ1001内のCPU1012から送られてくるビデオデータを印字するために、所定のタイミングでアクチュエータ1022を動作させると共に、動作時に取り込まれる種々の検出系1023(センサ50、光ビーム検出器40Y,40M,40C,40Kを含む)からの信号をその動作にフィードバックして制御を行うためのCPU1017、及びこのCPU1017が実行する各種制御プログラム、並びに各種信号の出力タイミング、並びに色ずれを検出するためのマークの画像データ、マゼンタ、シアン、ブラックの各潜像の書き出しタイミングデータ、検出系1023から出力されるデータを一時的に格納するROM/RAM1030を有する。
【0046】
また、CPU1017は各色画像間の色ずれを補正するために、ROM/RAM1030に格納されたマーク画像データに基づいて中間転写ベルト42上に各色の画像データを形成し、センサ50により読み取る。そして、この読み取り結果に基づいて各色画像間の位置ずれ量を算出する。
【0047】
ここで、一ラインを越えるずれ量については、測定された色ずれ量に基づいて、CPU1017が後述する図4に示す各色ビデオコントローラ401Y,401M,401C,401Kへの各色TOP信号の発生タイミングを走査ライン単位に制御する。
【0048】
具体的には、CPU1017が、算出された各色画像間の色ずれ量に基づいて、ROM/RAM1030にY,M,C,Kの各潜像の書き出しタイミングデータ(各色間で遅延される副走査ラインの数)を記憶しておき、記憶された各色の潜像書き出しタイミングデータに基づいて図4の各色のビデオコントローラ401Y,401M,401C,401KへのTOP信号の発生タイミングを制御する。
【0049】
一方、一副走査ライン未満の色ずれ量については、CPU1017が、色ずれ量の算出結果に基づいて、図4、図の回転基準信号発生器100が発生するスキャナ回転基準信号101Y,101M,101C,101Kの位相を制御することにより、副走査方向の一ライン未満のずれ量を補正するものである。
【0050】
図4は図3のプリンタエンジン1016の要部の構成を示すブロック図であり、図1〜図3、及び図と同一の構成には同一番号を付してある。
【0051】
図において、401Y,401M,401C,401Kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のビデオコントローラで、各色光ビーム検出器40Y,40M,40C,40Kにより出力される各色のBD信号103、及び、CPU1017より出力される各色のTOP信号107を入力し、対応する色のTOP信号が入力された後のBD信号に同期して、各色のビデオデータ108を半導体レーザ901に出力する。
【0052】
また、回転基準信号発生器100はクロック発生器109からのクロックに基づいて、イエロー用の回転基準信号101Yを出力すると共に、CPU1017からの制御信号110M,110C,110Kに従ってマゼンタ、シアン、ブラック用の回転基準信号101M,101C,101Kを出力する。
【0053】
本形態においては、回転基準信号発生器100は内部にカウンタを有し、クロック発生器109からのクロックをカウントすることにより、図5に示した様に、一副走査ラインの周期Tを有し、位相が1/4ライン期間づつ異なる4つの基準信号SS0,SS1,SS2,SS3を発生する。
【0054】
そして、イエローの回転基準信号101YとしてSS0を出力すると共に、イエローに対する各色画像の一副走査ライン未満のずれ量を補正するよう、CPU1017の制御信号110に従い、SS0,SS1,SS2,SS3を選択的に出力する。従って、本形態では、一ライン未満のずれ量の補正単位は1/4ラインとなる。
【0055】
次に、CPU1017によるTOP信号の生成動作について説明する。
【0056】
図6はTOP信号の発生動作を説明するためのタイミングチャートである。図6ではイエローとマゼンタについてのみ説明するが、他の色についても同様に動作する。
【0057】
301はイエロー用の光ビーム検出器40Yにより得られた負論理のBD信号であり、図のPLL制御回路の作用により一定の周期Tを有する。302はイエロー用のTOP信号であり、このTOP信号をビデオコントローラ401Yに入力すると、その後のBD信号301に同期してイエロー用のビデオデータが出力される。
【0058】
本形態では、CPU1017はBD信号301に同期してTOP信号302を生成するが、CPU1017は、所定のタイミングでイエロー用のBD信号301が入力された後、このBD信号から7T/8だけ経過した時点でイエロー用のTOP信号302を生成する。また、イエローのTOP信号発生後のマゼンタ、シアン、ブラックの各BD信号を所定数カウントすることで各色のTOP信号を生成しており、前述の如く一ラインを越えるずれについては、イエローのTOP信号発生からのBD信号のカウント値を変更することにより、一ライン単位でビデオコントローラに対して出力するTOP信号のタイミングを変更し、ずれを補正することができる。
【0059】
303、304、305はそれぞれ、副走査方向の一ライン未満のずれを補正するため、マゼンタの回転基準信号101Mとして図5のSS1、SS2、SS3を選択して出力た場合に得られるマゼンタのBD信号を示しており、BD信号303、304、305はそれぞれ、イエローのBD信号301に対してT/4、2T/4、3T/4だけ位相が遅れている。
【0060】
本形態では、このように、イエローのTOP信号302をBD信号301から7T/8だけ経過した時点で出力しているので、マゼンタのBD信号の位相を303、304、305のいずれに変更した場合であっても、イエローのTOP信号が発生した後の一番目のBD信号から確実にカウントを開始することができる。
【0061】
従って、図のように、マゼンタのBD信号の位相が変化した場合でもイエローのTOP信号の直後から確実にマゼンタのBD信号をカウントすることができ、一ライン早いタイミングで画像を書き出してしまうことがない。
【0062】
本形態では、副走査方向の一ライン未満の補正単位として1/4ラインの場合について説明した。一般に副走査方向の一ライン未満の補正単位を1/nライン、BD信号の周期をTとすると、補正の基準色(本形態ではイエロー)のTOP信号は基準色のBD信号から(n−1)T/n経過後、次のBD信号までの間に発生することで、本形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
本形態では、CPU1017は、BD信号を入力した後、内部のカウンタにより所定周波数のクロックをカウントし、前記7T/8に対応するカウント値となった時点でTOP信号を発生している。
【0064】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0065】
前述の実施形態では、半導体レーザによりそれぞれ一本のレーザビームRを感光体上に照射して画像を形成しているが、本形態では、複数のレーザビームを同時に照射することで感光体上に複数ラインの画像を形成する装置について説明する。本形態では、同時に照射するレーザビームの数を二本とし、一ライン未満のずれ量の補正単位を1/4ラインとする。なお、本形態においても、半導体レーザ901が二本のレーザビームを同時に照射し、光ビーム検出器40がこれら二本のレーザビームを検出してそれぞれBD信号を出力する以外は図1〜図4の構成と同様である。
【0066】
図7は本形態におけるTOP信号の発生動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0067】
図7においても、前述の実施形態と同様、イエローとマゼンタについて説明する。
【0068】
図において、309はイエロー用のビーム検出器40Yから得られた負論理のBD信号であり、スキャナモータのPLLの作用により一定の周期Tを有する。310はイエロー用のTOP信号であり、このTOP信号をビデオコントローラ401に入力することで、その後のBD信号309に同期してイエロー用のビデオデータを出力する。
【0069】
本形態では、CPU1017はBD信号309に同期してTOP信号310を生成するが、CPU1017は、所定のタイミングでイエロー用のBD信号309が入力された後、このBD信号から15T/16だけ経過した時点でイエロー用のTOP信号310を生成する。
【0070】
311はそれぞれ、副走査方向の一ライン未満のずれを補正するため、マゼンタの回転基準信号101Mとして図5のSS1を選択して出力た場合に得られるマゼンタのBD信号を示しており、BD信号311はイエローのBD信号301に対してT/4だけ位相が遅れている。なお、本形態においても、回転基準信号発生器100からは図5に示した回転基準信号SS0〜SS1が選択的に出力され、図のPLL制御部102はそれぞれ、二本のレーザビームによる二つのBD信号のうち、一方のBD信号と回転基準信号とを用いてPLL制御を行うものである。
【0071】
本形態では、このように、イエローのTOP信号310をBD信号309から15T/16だけ経過した時点で出力しているので、マゼンタのBD信号の位相を311の如く変更した場合であっても、イエローのTOP信号が発生した後の一番目のBD信号から確実にカウントを開始することができる。
【0072】
従って、図のように、マゼンタのBD信号の位相が変化した場合でもイエローのTOP信号の直後から確実にマゼンタのBD信号をカウントすることができ、一ライン早いタイミングで画像を書き出してしまうことがない。
【0073】
本形態では、副走査方向の一ライン未満の補正単位として1/4ラインの場合について説明した。一般に、複数ラインのレーザビームにより同時に画像形成を行う場合、同時に走査するレーザビームの本数をm本、副走査方向の一ライン未満の補正単位を1/nライン、BD信号の周期をTとすると、補正の基準色(本形態ではイエロー)のTOP信号は基準色のBD信号から(mn−1)T/mn経過後、次のBD信号までの間に発生することで、本形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
本形態では、CPU1017は、BD信号を入力した後、内部のカウンタにより所定周波数のクロックをカウントし、前記15T/16に対応するカウント値となった時点でTOP信号を発生している。
【0075】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0076】
本形態においても、第1の実施形態と同様、図1〜図3に示した画像形成装置によりカラー画像を形成する。第1の実施形態では、CPU1017がイエローのBD信号の入力後、内部のカウンタにより所定周波数のクロックをカウントすることでTOP信号を生成していたが、本形態では、回転基準信号発生器100からの基準信号に基づいてクロックをカウントすることでTOP信号を生成するものである。
【0077】
図8は本形態のプリンタエンジン1016の要部の構成を示す図であり、図4と同様の構成については同一番号を付して説明する。なお、図8の回路においても、光ビーム検出器40Y〜40K、ビデオコントローラ401Y〜401K及び半導体レーザ901Y〜901Kの動作は図4の回路と同様であるため、その説明を省略する。
【0078】
本形態では、回転基準信号発生器100は、前述の実施例と同様、イエローの回転基準信号として図5のSS0を選択して出力すると共に、CPU1017からの制御信号110M、110C、110Kに従って図5に示すSS0〜SS3の各回転基準信号を各色の回転基準信号101M,101C,101Kとして選択的に出力する。また、本形態では、回転基準信号発生器100から図5の基準信号SS3がCPU1017に出力されている。CPU1017はこの基準信号SS3の入力に応じて内部カウンタによりクロックをカウントしてイエローのTOP信号を生成する。
【0079】
図9は図8の回路によるイエローのTOP信号の生成動作を説明するためのタイミングチャートである。図6と同様の信号については同一番号を付してある。
【0080】
図9において、315はイエローの回転基準信号101Yであり、一定の周期Tを有する。303、304、305はそれぞれ図5に示した基準信号SS1、SS2、SS3であり、基準信号315に対してそれぞれ、T/4、T/2、3T/4だけ位相が遅れている。
【0081】
回転基準信号発生器100は図9の基準信号303をCPU1017に出力する。CPU1017は信号303が入力したことに応じて内部のカウンタによるカウントを開始し、図9に示したT/8に応じた期間317に対応する数のクロックをカウントした時点でTOP信号316を出力する。その結果、このTOP信号はイエローの回転基準信号315から7T/8だけ位相が遅れたタイミングで出力される。
【0082】
このように、BD信号に応じてカウントを開始するのではなく、回転基準信号発生器100により色ずれ補正のために発生される四つの基準信号SS0〜SS3のうち、最も位相が遅れたSS3に応じてカウントを開始することで、TOP信号を生成するための内部カウンタのビット数を第1の実施形態に比べて少なくすることができる。
【0083】
前述の第1の実施形態では、CPU1017は、BD信号が入力されたことに応じて内部のカウンタによるクロックのカウントを開始したのに対し、本形態では、回転基準信号発生器100からの基準信号SS3が入力されたことに応じてカウントを開始している。従って、本形態では、BD信号とTOP信号との時間差は第1の実施形態よりも厳密に規定できるものではなく、正確にはイエローのスキャナモータとイエローの回転基準信号(図5のSS0)とのオフセットによる誤差を含んでいる。
【0084】
しかし、図に示したPLL制御部により、各スキャナモータは回転基準信号に位相同期するよう制御されており、回転基準信号とスキャナモータとの位相ずれは色ずれ補正のための位相遅れ量(本形態ではT/4)と比較して小さく、無視できるものである。
【0085】
以上説明した各実施形態によれば、基準色のTOP信号に基づいて他の色のBD信号をカウントし、TOP信号を得る場合に、基準色のTOP信号を一ライン未満の単位補正量に基づいてBD信号から所定期間遅れたタイミングで発生しているため、他の色のTOP信号を生成する際、基準色のTOP信号発生直後のBD信号から確実にカウントを開始することができ、常に正確なタイミングで画像形成を行うことができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、常に正確なタイミングで画像を書き込むことができ、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1の装置におけるスキャナユニットの構成例を示す図である。
【図3】図1の装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の装置のプリンタエンジン部の要部の構成を示す図である。
【図5】図4の回路によるずれ補正動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】図4の回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態としてのプリンタエンジン部の要部の構成を示す図である。
【図9】図8の回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】スキャナモータ制御回路の構成を示す図である。
【図11】従来の画像形成動作を説明するためのタイミングチャートである。
Claims (4)
- それぞれ画像担持体と、画像信号に応じて変調された光ビームを発生する光ビーム発生手段と、前記光ビーム発生手段により発生される光ビームを偏向走査して前記画像担持体に画像を書き込む回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向走査された光ビームをそれぞれ走査経路上の所定位置で検出して光ビーム検出信号を発生する光ビーム検出手段とを有し、互いに並置された複数の画像形成手段と、
前記複数の画像形成手段により形成された各画像をそれぞれ転写位置にて転写するよう移動する移動体と、
前記各画像形成手段の回転多面鏡を回転駆動する複数の回転駆動手段と、
前記複数の画像形成手段により形成される各画像間の位置ずれ量を検出するずれ検出手段と、
前記複数の画像形成手段により形成される各画像間の一ライン未満の位置ずれを1/nライン単位(nは2以上の整数)で補正するべく、前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、
前記複数の画像形成手段のうち所定の画像形成手段からの前記光ビーム検出信号に基づき、該光ビーム検出信号からT(n−1)/n経過時点(Tは走査周期)からT経過時点までの期間に、前記所定の画像形成手段による副走査方向の書き出しタイミングを決定する垂直同期信号を発生すると共に、前記所定の画像形成手段に対する垂直同期信号と前記所定の画像形成手段より下流側に設けられた他の画像形成手段からの各光ビーム検出信号とに基づいて前記他の画像形成手段の各々に対する前記垂直同期信号を発生する同期信号発生手段と、
前記複数の画像形成手段からの各光ビーム検出信号と前記同期信号発生手段からの各垂直同期信号とに基づいて前記複数の画像形成手段の光ビーム発生手段に対してそれぞれ前記画像信号を出力する画像信号出力手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記回転制御手段は所定周期Tの回転基準信号に基づいて前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記回転制御手段は前記ずれ量に基づいて前記回転基準信号の位相を所定の単位に応じて変更することにより前記複数の回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記所定の画像形成手段は前記最上流に設けられた画像形成手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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