JP3689600B2 - パワーショベルの油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アクチュエータの最大負荷圧を検出して、出力馬力を一定値以下に制御する可変吐出量ポンプを用いたパワーショベルの油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られているこの種の装置は、各アクチュエータ、例えば旋回モータ、アームシリンダおよびブームシリンダなどを同時に作動させたときには、それらアクチュエータのうちの最大負荷圧を検出し、その最大負荷圧を基準に可変吐出量ポンプの出力馬力が一定になるように制御している。ここでいう出力馬力を一定に制御するとは、「圧力×流量」の値を一定値以下に保つことである。つまり、最大負荷圧が大きくなれば、ポンプ吐出量を減らして、ポンプの出力馬力を一定値以下に保つようにしている。
【0003】
上記の構成において、旋回モータは、その起動時の負荷圧が非常に大きくなるのが特徴である。この旋回モータ起動時の負荷圧は、他のアクチュエータの負荷圧よりも大きくなることが多く、その場合、可変吐出量ポンプの出力馬力が上記一定値を越えることがほとんどである。
したがって、旋回モータ起動時には、可変吐出量ポンプがその出力馬力を一定値以下に保とうとして、その吐出量を減らすことが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置では、例えば旋回モータとブームシリンダとを同時に起動させたとき、あるいはブームシリンダ作動中に旋回モータを起動させたとき、旋回モータの起動時に生じる大きな負荷圧によって可変吐出量ポンプの出力馬力が制御されるので、ポンプの吐出量が非常に少ないものになる。可変吐出量ポンプの吐出量が少なくなれば、ブームシリンダの作動速度が極端に落ちるので、オペレータの操作感覚にズレが生じる。
【0005】
そのため、例えば、土砂をバケットですくって、それを旋回させながらダンプカーに積み込むときなどに、オペレータが、バケットを十分な高さに持ち上げる前に旋回させ過ぎてしまい、バケットがダンプカーに衝突するなどの問題があった。
この発明の目的は、旋回モータと他のアクチュエータと同時に起動させたとき、あるいは他のアクチュエータの作動中に旋回モータを起動させたときに、オペレータの操作感覚にズレの生じない装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、可変吐出量ポンプに、モータ制御用のパイロット切換弁と、アームシリンダ制御用のパイロット切換弁と、ブームシリンダ制御用のパイロット切換弁とを接続し、これらアクチュエータの最大負荷圧に基づいて可変吐出量ポンプの出力馬力を一定に制御するパワーショベルの油圧制御装置を前提にする。
第1の発明は、上記装置を前提にしつつ、モータ制御用のパイロット切換弁にストッパーを設けるとともに、このストッパーに当接させてモータ制御用のパイロット切換弁の切り換え位置を規制制御する制御シリンダを設ける一方、切換位置で制御シリンダに圧力流体を供給し、ノーマル位置でその供給を阻止するタイマーバルブを備えている。
【0007】
そして、上記タイマーバルブは、そのスプールの一端をパイロット室に臨ませるとともに、このパイロット室に上記各切換弁を切り換えるためのパイロット圧を導くようにしている。
一方、タイマーバルブのスプールの他端には、このタイマーバルブをノーマル位置に保持する保持用スプリングを設け、しかも、このスプールの他端側には、タイマーバルブをノーマル位置に復帰させる復帰機構を設けている。
そして、上記復帰機構は、絞りを介して上記パイロット圧を導く圧力室と、この圧力室に臨ませたピストンとを備え、このピストンの受圧面積を、上記パイロット室におけるスプール一端の受圧面積より大きくするとともに、このピストン受圧面と反対側に、上記保持用スプリングのバネ力を作用させたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明を前提にしつつ、復帰機構をシリンダで構成するとともに、その圧力室にタイミング絞りを介して切換弁を切り換えるためのパイロット圧を導く一方、ピストンロッドの先端を、タイマーバルブのスプールの他端に対向させ、しかも、ピストンロッド側にタイミング調節用スプリングを設けて、そのバネ力を圧力室とは反対側からピストンに作用させたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示した第1実施例は、可変吐出量ポンプPに、例えば旋回モータ制御用のパイロット切換弁1、アームシリンダ制御用のパイロット切換弁2およびブームシリンダ制御用のパイロット切換弁3を接続している。
そして、可変吐出量ポンプPは、図示していない馬力一定制御機構によって、その出力馬力が一定値に制御される。つまり、各アクチュエータの最高負荷圧を検出し、その負荷圧に応じて可変吐出量ポンプPの吐出量が制御される。
【0010】
上記旋回モータ制御用のパイロット切換弁1の両側には、一対のストッパー4,5を設けている。このストッパー4,5は、パイロット切換弁1の切り換え動作にともなって移動する。そして、このストッパー4,5の移動軌跡内に、一対の制御シリンダ6,7を設けている。
上記制御シリンダ6,7は、そのピストンロッド6a,7aを切換弁1の切り換え方向と平行に保っている。言い換えると、ピストンロッド6a,7aをストッパー4,5に対して直交するようにしている。
なお、制御シリンダ6,7の受圧面積は、パイロット切換弁1のスプール受圧面積より大きくしている。したがって、パイロット切換弁1を切り換えるパイロット圧を、この制御シリンダ6,7に導くことによって、制御シリンダ6,7の推力をパイロット切換弁1のスプールの推力よりも大きく保てる。
【0011】
そして、制御シリンダ6,7が図示の最収縮位置にあるとき、パイロット切換弁1がフルストローク可能になる。また、制御シリンダ6,7が伸張すると、その伸張位置にあるピストンロッド6a,7aとストッパー4,5とが当たってパイロット切換弁1の切り換え量が規制される。この切り換え量が規制されたパイロット切換弁1は、その開度も全開状態よりも小さな開度に保てる。ただし、その開度は、旋回モータやブームシリンダの容量などの諸条件に応じて異なるが、だいたい全開状態よりも60%〜80%程度に保つのが通常である。
【0012】
一方、パイロット切換弁1のパイロットラインのうちシャトル弁8で選択されたパイロット圧をパイロットライン9に導くようにしている。そして、このパイロットライン9にタイマーバルブ10を接続し、このタイマーバルブ10を介してパイロットライン9と制御シリンダ6,7とを連通させるようにしている。ただし、タイマーバルブ10が図面右側位置にあるときには、パイロットライン9と制御シリンダ6,7との連通が遮断される。そして、タイマーバルブ10が図面左側に切り換わると、パイロットライン9が制御シリンダ6,7に連通する。
【0013】
上記のようにしたタイマーバルブ10の具体的な構成は、次の通りである。
タイマーバルブ10は、その流入ポート10aに上記パイロットライン9を接続し、流出ポート10bに制御シリンダ6,7をパラレルに接続している。そして、タンクポート9cに、タンクTを接続している。
また、タイマーバルブ10のスプールの一端10dを、パイロット室11に臨ませるとともに、このパイロット室11に上記パイロットライン9を連通させている。
さらに、タイマーバルブ10のスプールの他端10eには、このタイマーバルブ10をノーマル位置に保つ保持用スプリング16と、このタイマーバルブ10をノーマル位置に復帰させる復帰機構Fとを設けている。
【0014】
上記復帰機構Fは、その圧力室12にタイミング絞り13を介して上記パイロットライン9を接続している。
また、圧力室12には、ピストン14を臨ませている。このピストン14の受圧面積は、パイロット室11に臨ませたスプール受圧面積よりも大きくしている。
したがって、パイロット室11と圧力室12とに同じ圧力を導くと、ピストン14の推力をタイマーバルブ10のスプールの推力よりも大きく保てる。
さらに、上記ピストン14には、圧力室12とは反対側から上記保持用スプリング16を当接させている。
【0015】
さらにまた、ピストン14には、凸部15を設けている。この凸部15は、ピストン14が図面右側に最も移動した状態において、タイマーバルブ10が切り換わったとしても、スプール端10eに接触しないようにしている。すなわち、タイマーバルブ10が切り換わったときにも、そのスプール端10eと凸部15との間には、所定のすき間が構成されるようにしている。
なお、スプリング室17は、ドレンポート18を介してタンクTに連通させている。
【0016】
上記タイマーバルブ10は、図示するノーマル位置にあるとき、
流入ポート10aと流出ポート10bとの連通を遮断し、流出ポート10bとタンクポート10cとを連通するが、図面左側に切り換わると、流入ポート10aと流出ポート10bとを連通し、流出ポート10aとタンクポート10cとの連通を遮断する。
流入ポート10aと流出ポート10bとが連通すれば、パイロットライン9の圧力流体が制御シリンダ6,7に供給されて、これら制御シリンダ6,7が伸張する。そして、これら制御シリンダ6,7が最も伸張した状態で、旋回モータ制御用のパイロット切換弁1が切り換わると、それに設けたストッパー4または5が、ピストンロッド6aまたは7aに当たるようにしている。
【0017】
このようにストッパー4または5とピストンロッド6aまたは7aとが当たった位置では、前記したように、パイロット切換弁1の開度が全開状態の60〜80%程度に保たれる。
なお、制御シリンダ6,7は、流出ポート9bに対して並列に接続しているので、同時に同一方向に伸張する。ただし、パイロット切換弁1は、常に左右いずれか一方にしか切り換わらないので、その切り換え方向に位置するストッパーだけが、制御シリンダのロッド6aまたは7aに当たることになる。
【0018】
上記タイマーバルブ10が切り換わるタイミングは、次のとおりである。
まず、パイロットライン9にパイロット圧が発生すると、その圧力がパイロット室11と復帰機構Fの圧力室12とに導かれる。
パイロット室11には、パイロットライン9から圧力が直接導かれるため、その圧力作用によって、タイマーバルブ10が保持用スプリング16をたわませながら図面左側位置に切り換わる。
【0019】
このとき、復帰機構Fの圧力室12にもタイミング絞り13を介して圧力が導かれるので、ピストン14が保持用スプリング16に抗して移動する。ピストン14が移動すると、圧力室12内の容積が拡大するのでタイミング絞り13に流れが生じ、そこに圧力降下が発生する。
この圧力降下のため、ピストン14の移動速度が遅くなる。このように速度が遅くなりながらもピストン14が移動していけば、最終的にピストン14の凸部15がタイマーバルブ10のスプール端10eに当たる。そして、上記したように、ピストン14の受圧面積がタイマーバルブ10のスプール端10dの受圧面積よりも大きいので、ピストン14の推力がタイマーバルブ10のスプールにうち勝って、タイマーバルブ10がノーマル位置に復帰する。
【0020】
上記タイマーバルブ10がパイロット室11の圧力作用によって切り換わっている間、パイロットライン9の圧力流体を制御シリンダ6,7に供給し、制御シリンダ6,7を伸張状態に保つ。
また、復帰機構Fのピストン14の移動によって、タイマーバルブ10がノーマル位置に復帰すれば、制御シリンダ6,7を流出ポート10bおよびタンクポート10cを介してタンクTに連通し、制御シリンダ6,7をフリーの状態にする。
【0021】
次に、旋回モータとブームシリンダとを同時に起動して、例えば、土砂をバケットですくいながら、それをダンプカーに積み込む場合について説明する。
旋回モータとブームシリンダとを同時に起動させるためには、旋回モータを制御するパイロット切換弁1のパイロットラインと、パイロット切換弁3のうち、ブームシリンダの上昇を制御するパイロットラインとにパイロット圧を同時に導く。
【0022】
旋回モータ用のパイロット切換弁1にパイロット圧を導けば、その圧油がパイロットライン9を介してタイマーバルブ10のパイロット室11と復帰機構Fの圧力室12にも圧力が導かれる。
しかし、復帰機構Fのピストン14の移動速度がゆっくりなので、タイマーバルブ10は、パイロット室11の圧力作用で、図面左側位置に切り換わる。タイマーバルブ10が左側位置に切り換われば、パイロットライン9を介してパイロット圧が制御シリンダ6,7にも導かれるので、この制御シリンダ6,7が伸張する。
【0023】
制御シリンダ6,7の伸張によって、旋回モータを制御するパイロット切換弁1の切り換え量が規制され、その開度が全開状態の60%〜80%に保たれる。そのため、旋回モータ側に供給される流量が少なくなり、その分、ブームシリンダに供給される流量が増える。
また、上記のようにパイロット切換弁1の開度を小さくして、旋回モータに供給する流量を少なくすると、パイロット切換弁1を切り換えた瞬間に生じるショックを防止できる。言い換えれば、パイロット切換弁1を切り換えたときの負荷圧のピークを、パイロット切換弁1の開度を全開にした場合よりも小さくできる。このように旋回モータ起動時の負荷圧のピークを小さくすれば、出力馬力を一定値以下に制御する可変吐出量ポンプPの吐出量が、極端に減少したりしない。
【0024】
つまり、パイロット切換弁1の開度を全開にした場合よりも、その開度を小さくした方が、旋回モータを回転させるときの可変吐出量ポンプPの吐出量を多くすることができる。
そして、このように可変吐出量ポンプPの吐出量を多くした中で、上記のように旋回モータ側に供給される流量を絞れば、ブームシリンダ側により多くの流量を供給することができる。ブームシリンダ側に供給する流量を増やせば、その作動速度が極端に遅くなったりしない。
【0025】
したがって、旋回モータとブームシリンダとを同時に起動させたときに、ブームシリンダの作動速度が極端に遅くなるのを防止でき、オペレータの操作感覚にズレも生じない。
このようにオペレータの操作感覚のズレを防止できるので、バケットで土砂などをすくってそれを持ち上げながら旋回させる場合に、バケットをダンプカーにぶつけることもない。
また、旋回モータがいったん起動してしまえば、起動時の抵抗が除かれるので、旋回モータにはそれほど大きな負荷が作用しない。そのために起動後は、ほとんどの場合、ブームシリンダの負荷圧に応じて可変吐出量ポンプPの出力馬力が制御されることになる。
【0026】
上記のように旋回モータが起動した後には、復帰機構Fによってタイマーバルブ10が再びノーマル位置に復帰する。タイマーバルブ10がノーマル位置に復帰すれば、制御シリンダ6,7がタンクTに連通するので、パイロット切換弁1のストッパー4または5を規制する力がなくなる。
ストッパー4,5に対する制御シリンダ6,7の規制力がなくなれば、パイロット切換弁1は、そのパイロット圧の作用力で全開位置までフルストロークする。したがって、旋回モータがいったん起動した後は、通常の制御状態になる。
【0027】
なお、タイマーバルブ10が復帰するタイミングは、タイミング絞り13の開度と、ピストン14の受圧面積とで決まる。すなわち、タイミング絞り13の開度を大きくすれば、そこに生じる圧力降下が小さくなるため、タイマーバルブ10の復帰速度が速くなり、ピストン14の受圧面積を大きくした場合にも、推力が大きくなるため復帰速度が早くなる。
反対に、タイミング絞り13の開度を小さくすればそこに生じる圧力降下が大きくなるため、タイマーバルブ10の復帰速度が遅くなり、ピストン14の受圧面積を小さくした場合にも、推力が小さくなるため復帰速度が遅くなる。
【0028】
そして、この第1実施例では、旋回モータ起動時に生じる負荷圧が高い間、タイマーバルブ10の切り換え位置を保ち、負荷圧が低下した後、タイマーバルブ10をノーマル位置に復帰するように設定している。
このようにすることで、旋回モータ起動時に制御シリンダ6,7を伸張状態に保ち、負荷圧が低下した後、制御シリンダ6,7をフリーの状態にするようにしている。
【0029】
図2に示した第2実施例は、復帰機構fをシリンダで構成したものである。ただし、パイロット切換弁1〜3の構造、制御シリンダ6,7とタイマーバルブ10との接続構造、およびタイマーバルブ10にノーマル位置を保持する保持用スプリング16を設けた点については上記第1実施例と同じである。
この第2実施例では、シリンダで構成された復帰機構fの圧力室19に、絞りを13介してパイロットライン9を接続している。
また、上記圧力室に臨ませたピストン20の受圧面積を、パイロット室11に臨ませたタイマーバルブ10のスプール端10dの受圧面積よりも大きくしている。
【0030】
一方、ピストン20を挟んで圧力室19と反対側のスプリング室21には、タイミング調節用スプリング23を介在させている。このタイミング調節用スプリング23は、そのバネ力を、タイマーバルブ10のノーマル位置を保持する保持用スプリング16のバネ力よりも強くしている。
また、ピストンロッド22を、タイマーバルブ10のスプールの他端10eに対向させている。ただし、シリンダの最収縮状態において、タイマーバルブ10が図面左側位置に切り換わったとしても、ピストンロッド22の先端22aとタイマーバルブ10のスプール端10eとの間にすき間ができるようにしている。
【0031】
この第2実施例においても、パイロットライン9にパイロット圧が発生し、その圧力がパイロット室11と圧力室19とに導かれると、パイロット室11側の圧力作用によって、タイマーバルブ10がタイミング調節用スプリング23をたわませながら図面左側位置に切り換わる。
したがって、制御シリンダ6,7が伸張して、パイロット切換弁1の開度を規制すること上記第1実施例と同様である。
なお、このときタイマーバルブのスプール端10eと、ピストンロッド22の先端22aとの間には、所定のすき間が形成されている。
【0032】
また、タイミング絞り13を介して圧力室19に導かれたパイロット圧によって、ピストン20が移動するが、その移動にともなって圧力室19の体積が大きくなる。この体積が大きくなった分、タイミング絞り13に流れが生じ、そこに圧力降下が生じる。この圧力降下のために、ピストン20の移動速度が遅くなるが、速度が遅いながらもピストン20とともにピストンロッド22が移動していけば、最終的に、ピストンロッド22の先端22aがタイマーバルブのスプール端10eに当たる。
【0033】
そして、上記したようにピストン20の受圧面積がスプール端10dの受圧面積よりも大きいので、ピストン20の推力がスプールの推力にうち勝って、このタイマーバルブ10をノーマル位置に復帰させる。これによって、制御シリンダ6,7がフリーの状態になる。
以上のように、この第2実施例でも、制御シリンダ6,7に圧力を導いたり、あるいはそれをタンクポートに連通したりすることによって、パイロット切換弁1の切り換え量を規制すること第1実施例と同様である。
【0034】
また、この第2実施例では、ピストン20の受圧面積や、タイミング絞り13の開度を調節するだけでなく、タイミング調節用スプリング23のバネ力を調節することでも、ピストン20の移動速度を調節できる。
このようにピストン20のバネ力を変えることによっても、ピストン20の移動速度を調節できるので、タイマーバルブ10の復帰速度をより自由に設定することができる。
【0035】
一方、タイマーバルブ10と制御シリンダ6,7とを用いて、旋回モータ制御用の切換弁1の切り換え量を規制する装置として、本願出願人が特願平11−125,867号として既に出願したものがある。
この装置は、図3に示すように、タイマーバルブ10の両側にパイロット室24,25を設けるとともに、これらパイロット室24,25に、パイロットライン9をそれぞれ接続している。ただし、一方のパイロット室24には、パイロット圧を直接導いているが、他方のパイロット室25には、第1絞り26を経由してパイロット圧を導くようにしている。
【0036】
また、他方のパイロット室25には、第2絞り27を介してタンクTにも接続している。そして、この第2絞り27の開口径を、第1絞り26の開口径よりも十分に小さくしている。
さらに、他方のパイロット室25側には、ノーマル位置を保つためのスプリング28を設けている。
【0037】
上記のようにした装置のタイマーバルブ10は、パイロットライン9にパイロット圧が発生すると、その圧力が両パイロット室24,25に導かれる。
ただし、一方のパイロット室24には、パイロット圧が直接導かれるが、他方のパイロット室25には、第1絞り26を介して導かれる。しかも、他方のパイロット室25は、第2絞り27を介してタンクTにも連通しているので、昇圧までに多少の時間を必要とする。
したがって、一方のパイロット室24側は、パイロットライン9の圧力まで即座に上昇するが、他方のパイロット室25側は、第1、2絞り26,27によって昇圧のタイミングが遅れる。
【0038】
上記のように、他方のパイロット室25における圧力上昇のタイミングが遅れるので、そのタイミング遅れの時間帯で、両パイロット室24,25の圧力に差が生じる。この圧力差によって、タイマーバルブ10がスプリング28のバネ力に抗して図面左側に切り換わる。
そして、上記の状態から他方のパイロット室25の圧力が徐々に上昇して、その圧力の作用力とスプリング28のバネ力とを合計した力が、一方のパイロット室側24の作用力にうち勝ったとき、タイマーバルブ10がノーマル位置に復帰する。
このようにしてタイマーバルブ10の切り換わるタイミングを制御している。
【0039】
上記装置では、タイマーバルブ10の復帰速度が、第1、2絞り26,27の開口径に依存し、このタイマーバルブ10の復帰速度を調節する場合には、第1、2絞り26,27の開口径を変更するようにしている。
ところが、これら第1、2絞り26,27の開口径というのは、パイロット流量が少ない中で所定の圧力降下を発生させなければならないので、もともと小さい。このような絞りの開度を、さらに調節することは、設計製作上非常に困難である。
【0040】
これに対して上記第1,2実施例では、ピストン14,20の受圧面積を変えることによって、タイマーバルブ10の復帰速度を調節することができる。
特に、第2実施例では、タイミング調節用スプリング23を調節することによっても復帰速度を調節できる。
このようにピストン16,23の受圧面積を変えることやタイミング調節用スプリング23のバネ力を変えることは、上記第1、2絞り26,27の開口径を調節する場合に比べて容易にできる。
つまり、上記第1,2実施例は、第1,2絞り26,27を用いた装置よりも、タイマーバルブ10の復帰速度の設定自由度が高い。
【0041】
なお、上記各実施例は、馬力一定制御を備えたロードセンシング回路においても有効である。例えば、起動時に大きい負荷圧が生じる旋回モータと、負荷圧がそれほどでもない他のアクチュエータを同時に起動させようとしたとき、旋回モータの大きな負荷圧で、可変吐出量ポンプPの吐出量が減少させられてしまう。このように可変吐出量ポンプPの吐出量が減少した中で、ロードセンシング制御がされると、ポンプ圧が一定の圧力だけ上昇するため、可変吐出量ポンプPの吐出量がさらに減少する。このように吐出量が減少するので、他のアクチュエータに対する操作感に悪影響を与えてしまう。
しかし、上記各実施例を適用すれば、旋回モータを制御するパイロット切換弁の切り換え量を規制して、可変吐出量ポンプPの吐出量を確保することができるので、上記のような問題が生じない。
【0042】
また、上記各実施例では、旋回モータを制御するパイロット切換弁1の切り換え量を規制する構成にしたが、この発明のモータ制御用のパイロット切換弁としては、走行モータ制御用のものでもよい。
【0043】
【発明の効果】
第1,2の発明によれば、モータが定常圧になるまでの間、このモータ制御用のパイロット切換弁の開度を小さく保つようにしている。そのため、モータ側に供給される流量が少なくなり、その分、ブームシリンダに供給される流量が増える。
また、上記のようにモータ制御用のパイロット切換弁の開度を小さくすれば、その開度を全開にする場合に比べて、モータ起動時に生じる負荷圧を小さく抑えることができる。このようにモータ起動時の負荷圧を小さく抑えると、パイロット切換弁の切り換え量を全開にした場合に比べて、可変吐出量ポンプの吐出量が多くなる。
【0044】
上記のように可変吐出量ポンプの吐出量を多くした中で、モータ側に供給される流量を絞れば、他のアクチュエータへ供給される流量が増えるので、その作動速度を十分に確保することができる。
したがって、例えば旋回モータ起動時に、他のアクチュエータの作動速度が極端に遅くなることが原因で、オペレータの操作感覚にズレが生じることもない。このようにオペレータの操作感覚のズレを防止できるので、バケットで土砂などをすくってそれを持ち上げながら旋回する場合に、バケットをダンプカーにぶつけることもない。
【0045】
特に、第2の発明によれば、タイミング調整用スプリングのバネ力を自由に変えることによって、タイマーバルブの復帰速度をより自由に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の回路図である。
【図2】第2実施例の回路図である。
【図3】タイマーバルブを用いた装置の他の例を示す回路図である。
【符号の説明】
P 可変吐出量ポンプ
F,f 復帰機構
1〜3 パイロット切換弁
4,5 ストッパー
6,7 制御シリンダ
10 タイマーバルブ
10d タイマーバルブのスプールの一端
10e タイマーバルブのスプールの他端
11 パイロット室
12、19 圧力室
13 タイミング絞り
14 ピストン
16 保持用スプリング
22 ピストンロッド
22a ピストンロッドの先端
23 タイミング調整用スプリング

Claims (2)

  1. 可変吐出量ポンプに、モータ制御用のパイロット切換弁と、アームシリンダ制御用のパイロット切換弁と、ブームシリンダ制御用のパイロット切換弁とを接続し、これらアクチュエータの最大負荷圧に基づいて可変吐出量ポンプの出力馬力を一定に制御するパワーショベルの油圧制御装置において、モータ制御用のパイロット切換弁にストッパーを設けるとともに、このストッパーに当接させてモータ制御用のパイロット切換弁の切り換え位置を規制制御する制御シリンダを設ける一方、切換位置で制御シリンダに圧力流体を供給し、ノーマル位置でその供給を阻止するタイマーバルブを備え、上記タイマーバルブは、そのスプールの一端をパイロット室に臨ませるとともに、このパイロット室に上記各切換弁を切り換えるためのパイロット圧を導く一方、スプールの他端には、このタイマーバルブをノーマル位置に保持する保持用スプリングを設け、しかも、このスプールの他端側には、タイマーバルブをノーマル位置に復帰させる復帰機構を設け、上記復帰機構は、タイミング絞りを介して上記パイロット圧を導く圧力室と、この圧力室に臨ませたピストンとを備え、このピストンの受圧面積を、上記パイロット室におけるスプール一端の受圧面積より大きくするとともに、このピストン受圧面と反対側に、上記保持用スプリングのバネ力を作用させたことを特徴とするパワーショベルの油圧制御装置。
  2. 復帰機構をシリンダで構成するとともに、その圧力室にタイミング絞りを介して切換弁を切り換えるためのパイロット圧を導く一方、ピストンロッドの先端を、タイマーバルブのスプールの他端に対向させ、しかも、ピストンロッド側にタイミング調節用スプリングを設けて、そのバネ力を圧力室とは反対側からピストンに作用させたことを特徴とする請求項1記載のパワーショベルの油圧制御機構。
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