JP3739996B2 - 油圧駆動装置及び制御弁装置 - Google Patents

油圧駆動装置及び制御弁装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等、旋回部を備えた建設機械の油圧駆動装置及び制御弁装置に係わり、特に、ロードセンシング制御される油圧ポンプからの吐出油により油圧ショベルの旋回モータを駆動する油圧駆動装置及び制御弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ポンプの吐出圧を複数のアクチュエータの最高負荷圧より目標差圧だけ高くなるように制御する制御方法を一般にロードセンシング制御と呼んでおり、このような制御を行う油圧回路を一般にロードセンシングシステム(以下、適宜LSシステムという)と呼んでいる。このLSシステムを備えた油圧駆動装置では、油圧アクチュエータの単独操作では、油圧ポンプのLS制御により流量制御弁の開口面積に応じた流量がアクチュエータに供給される。また、複数のアクチュエータを同時に駆動する複合操作時には、複数の流量制御弁の前後差圧をそれぞれ圧力補償弁により制御することにより、複数のアクチュエータの負荷圧の大小に係わらず流量制御弁のメータイン可変絞り部の開口面積に応じた比率で圧油を供給することができる。つまり、LSシステムのメリットとして、単独操作、複合操作のいずれにも流量制御性を維持できる。
【0003】
このようなLSシステムを備えた油圧駆動装置において、油圧ショベルの旋回モータのような大きな慣性負荷を持つ油圧アクチュエータを駆動する場合は、駆動初期段階において、油圧アクチュエータの駆動圧は旋回リリーフ弁の設定圧まで上昇してしまう。その結果、旋回モータが発生する駆動力、即ち旋回トルクが過大となり、通常、微操作を意図する旋回の駆動初期段階で、微操作性(旋回微操作性)を著しく低下させる。
【0004】
この問題に対し、従来は、旋回駆動圧が発生する流量制御弁のメータイン可変絞り部の下流側を、可変絞り部を有するブリードオフラインを介してタンクに接続し、駆動圧の低減を図っている。このような技術を開示するものとして、例えば、特開昭61−88002号公報、特許第2941876号公報、実開平6−1801号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
【0006】
旋回トルクは駆動圧と、戻り側油路の流量制御弁のメータアウト可変絞り部による背圧(以下、戻り背圧という)との差圧である有効圧と、旋回モータの押しのけ容積との積で与えられる。つまり、
旋回トルク∝(旋回モータの押しのけ容積)×(有効圧)
=(旋回モータの押しのけ容積)×(旋回駆動圧−戻り背圧)
旋回起動時の微操作性は、旋回トルクの急激な上昇を抑えることにより確保できる。
【0007】
しかし、上記従来技術では、旋回トルクを調整するために、本来は、有効圧を制御すべきものを、ブリードオフラインの可変絞り部により旋回駆動圧を直接タンクに放出することで旋回駆動圧を制御している。この旋回駆動圧は有効圧と戻り背圧の和で与えられる。
【0008】
旋回駆動圧=(有効圧)+(戻り背圧)
その結果、上記従来技術では、次のような問題を生じる。
【0009】
旋回起動時、旋回慣性負荷の応答遅れから、圧油が供給されているのに対し、旋回モータは回転を始めていない状態があり、旋回モータが回転し始めるまでは、流量制御弁のメータイン可変絞り部により制御された供給流量は全て可変絞り部を備えたブリードオフラインを通過する。このとき、戻り側油路には流量が発生しないため、戻り背圧は0となる。
【0010】
しかし、旋回モータが回転を始めた場合、流量制御弁のメータイン可変絞り部により制御された供給流量は、旋回モータヘ供給される流量と、可変絞り部を備えたブリードオフラインを通過する流量とに分かれ、戻り側油路に流量が発生する。このため、流量制御弁のメータアウト可変絞り部により戻り背圧が発生する。つまり、旋回モータが回転を始めた瞬間、戻り背圧が発生する。このため有効圧が不連続的に低下し、旋回トルクも不連続的に低下する。その結果、オペレータが操作レバーの操作量を一定に保持していても旋回トルクが大きく変化し、それに応じて旋回加速度が変化し、旋回起動時の微操作性を確保することが極めて困難となる。
【0011】
また、旋回モータが一旦回転を始めた後は、戻り側油路の流量は旋回モータの加速と共に増加し、これに伴って戻り背圧が上昇するため、有効圧が低下し旋回トルクが低下する。しかし、ブリードオフラインの可変絞り部により制御される旋回駆動圧は、本来制御すべき有効圧に戻り背圧を加算した圧力であり、当該可変絞り部は本来制御すべき有効圧よりも大きな前後差圧を制御するものとなり、この点でも旋回起動時の微操作性を確保し難い。
【0012】
本発明の目的は、LSシステムにおいて、本来のLSシステムのメリットである流量制御性を維持しつつ、旋回起動時の微操作性を確保できる油圧駆動装置及び旋回制御弁装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、旋回慣性負荷としての旋回部を有する建設機械の油圧駆動装置であって、ロードセンシング制御される油圧ポンプと、前記旋回部を駆動する旋回モータと、メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部を有し、前記油圧ポンプから前記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁とを備えた油圧駆動装置において、前記メータイン可変絞り部の下流側と前記メータアウト可変絞り部の上流側とを連通可能とする連通路と、この連通路に配置され前記流量制御弁のストロークに連動して開閉するブリードオフ可変絞り部とを設け、前記ブリードオフ可変絞り部により前記旋回モータの有効圧を直接制御するとともに、前記ブリードオフ可変絞り部を、前記流量制御弁が操作されたときに前記メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部に先行して開くように構成したものとする。
【0014】
このようにブリードオフ可変絞り部を設け、メータイン可変絞り部の下流側とメータアウト可変絞り部の上流側とを連通可能とすることにより、旋回起動時の有効圧を直接制御することが可能となり、本来のLSシステムのメリットである流量制御性を維持しつつ、旋回起動時に旋回トルクの微調整が可能となり、旋回起動時の微操作性を確保できる。
【0015】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記ブリードオフ可変絞り部は、前記流量制御弁が操作されると前記メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部に先行して開き、中間のストロークで全閉となる。
【0016】
これにより流量制御弁を中間ストローク以下で操作する旋回起動時の初期段階では微操作性を確保でき、ブリードオフ可変絞り部が全閉となる中間ストローク以降の操作では、通常のLS制御による流量制御性を維持できる。
【0017】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、旋回慣性負荷としての旋回部を有する建設機械の油圧駆動装置であって、ロードセンシング制御される油圧ポンプと、前記旋回部を駆動する旋回モータとを備えた油圧駆動装置に用いられ、前記油圧ポンプから前記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁において、メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部と、前記メータイン可変絞り部の下流側と前記メータアウト可変絞り部の上流側とを連通可能とする連通路と、この連通路に配置され前記流量制御弁のストロークに連動して開閉するブリードオフ可変絞り部とを備え、前記ブリードオフ可変絞り部により前記旋回モータの有効圧を直接制御するとともに、前記ブリードオフ可変絞り部を、前記流量制御弁が操作されたときに前記メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部に先行して開くように構成したものとする。
【0018】
これにより上記(1)で述べたように旋回起動時の有効圧を直接制御することが可能となり、本来のLSシステムのメリットである流量制御性を維持しつつ、旋回起動時に旋回トルクの微調整が可能となり、旋回起動時の微操作性を確保できる。
【0019】
(4)上記(3)において、好ましくは、前記流量制御弁は本体ブロックに摺動可能に挿入されたスプールを有し、前記ブリードオフ可変絞り部は、前記流量制御弁のスプールに形成されたノッチを有する。
【0020】
これによりブリードオフ可変絞り部は、流量制御弁のストロークに連動して開閉するものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0022】
まず、本発明の第1の実施の形態による油圧駆動装置を図1及び図2により説明する。
【0023】
図1において、本実施の形態の油圧駆動装置は、油圧ポンプ1と、旋回モータ2と、油圧ポンプ1から旋回モータ2に供給される圧油の流量を制御する流量制御弁3と、油圧ポンプ1の吐出圧が最高負荷圧よりも所定値だけ高くなるよう油圧ポンプ1の容量(押しのけ容積)を制御するロードセンシングレギュレータ(以下、LSレギュレータという)を有するポンプレギュレータ4と、流量制御弁3のメータイン可変絞り部14の上流側に配置され、その前後差圧を所定値に維持するビフォアオリフィスタイプの圧力補償弁5と、最高負荷圧を検出する信号検出回路6とを備えている。
【0024】
流量制御弁3はスプール弁であり、スプールストロークに応じて開口面積を変化させる流量制御用の2つの可変絞り部、つまりフィーダ通路11と負荷通路12aとの間に位置するメータイン可変絞り部14と負荷通路12bとタンク通路13との間に位置するメータアウト可変絞り部15を有している。タンク通路13はタンク16に接続されている。
【0025】
ポンプレギュレータ4は、LSレギュレータを構成するLS制御弁26及びLS制御アクチュエータ27と、馬力制御アクチュエータ28とを有している。
【0026】
LS制御弁26は、油圧ポンプ1の吐出圧が導かれる受圧部26a、最高負荷圧が導かれる受圧部26b及びLS制御の目標差圧を設定するバネ26cを備え、油圧ポンプ1の吐出圧と最高負荷圧との差圧(以下、LS差圧という)がバネ26cの設定値より高くなるとLS制御アクチュエータ27の入力ポート27aに高圧(油圧ポンプ1の吐出圧)を導き、LS差圧がバネ6cの設定値より低くなるとLS制御アクチュエータ27の入力ポート27aをタンク16に接続し、LS制御アクチュエータ27を減圧するよう動作する。LS制御アクチュエータ27は入力ポート27aに高圧が導かれると油圧ポンプ1の容量を減らし、入力ポート27aがタンク16に接続され減圧すると油圧ポンプ1の容量を増やすように動作する。これによりLS制御弁26とLS制御アクチュエータ27は、油圧ポンプ1の吐出圧が最高負荷圧よりもバネ26aの設定値分(所定値)だけ高くなるよう油圧ポンプ1の容量(押しのけ容積)を制御する。
【0027】
馬力制御アクチュエータ28は油圧ポンプ1の吐出圧が導かれる入力ポート28aと油圧ポンプ1の最大吸収トルク設定用のバネ28bとを備え、油圧ポンプ1の吐出圧がバネ28bの設定値より高くなると油圧ポンプ1の容量を減らすように制御し、油圧ポンプ1の最大吸収トルクを制限制御する。
【0028】
圧力補償弁5は、上記LS差圧を目標補償差圧とする分流補償型であり、複数のアクチュエータを同時に駆動する複合操作時に要求流量に対し油圧ポンプの吐出流量が不足するサチュレーション状態になっても、流量制御弁のメータイン可変絞り部の開口面積に応じた比率で流量を分配する。
【0029】
信号検出回路6は、旋回モータ2の負荷圧を取り出す信号ライン30aと、図示しない他のアクチュエータの負荷圧を取り出す信号ライン30bと、両負荷圧の高圧側を最高負荷圧として選択し信号ライン32に出力するシャトル弁31とを有し、信号ライン32に出力された最高負荷圧をLS制御弁6及び圧力補償弁5に与える。
【0030】
また、流量制御弁3は、メータイン可変絞り部14の下流側である駆動側の負荷通路12aとメータアウト可変絞り部15の上流側である戻り側の負荷通路12bとを連通可能とする連通路23と、この連通路23に配置され、流量制御弁3のスプールストロークに連動して開閉するブリードオフ可変絞り部21とを有している。
【0031】
図2に、メータイン可変絞り部14、メータアウト可変絞り部15、ブリードオフ可変絞り部21の開口特性を示す。
【0032】
メータイン可変絞り部14及びメータアウト可変絞り部15は、流量制御弁3が操作されると、あるスプールストロークS1でほぼ同時に開き、スプールストロークが増大するに従って開口面積を増大させる。また、ブリードオフ可変絞り部21は、メータイン可変絞り部14及びメータアウト可変絞り部15が開くスプールストロークS1に先行してスプールストロークS0で開き、中間のスプールストロークS4で全閉となる。また、スプールストロークS2(>S1)とS3(<S4)の間でブリードオフ可変絞り部21の開口面積はほぼ一定となり、スプールストロークS3以降、徐々に開口面積は小さくなる。
【0033】
これにより、ブリードオフの可変絞り部21を備えた連通路23は、旋回微操作に相当するS4以下のスプールストローク前半で、旋回モータ2の駆動側の負荷通路12aと戻り側の負荷通路12bを連通させることになる。
【0034】
図3に、比較例として、従来のブリードオフラインを備えた油圧駆動装置を回路図で示す。図中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。従来技術では、流量制御弁103のメータイン可変絞り部14の下流側を、可変絞り部121を有するブリードオフライン123を介してタンク16に接続している。可変絞り部121は流量制御弁103のスプールストロークに連動して開閉し、その開口特性は、例えば図2に示した本発明に係わるブリードオフ可変絞り部21の開口特性と同じである。つまり、可変絞り部121を備えたブリードオフライン123は、旋回微操作に相当するS4以下のスプールストローク前半で、旋回モータ2の駆動側の負荷通路12aをタンク16に連通させる。
【0035】
次に、本実施の形態の油圧駆動装置の動作を従来技術と比較しつつ説明する。
【0036】
まず、従来技術の動作を説明する。
【0037】
図3において、旋回起動時、旋回モータ2が回転し始めるまでは、メータイン可変絞り部14により制御された供給流量Qswは全てブリードオフライン123の可変絞り部121を介し、ブリードオフライン123を通過してタンク16へと還流する。
【0038】
旋回駆動圧Plはこの可変絞り部121の開口面積Ablにより決定され、以下の式で与えられる。
【0039】
Pl=(ρ/2)(Qsw/cAbl)2
ただしρ:粘性係数
c:形状係数
旋回トルクは、旋回駆動圧Plと戻り背圧Pretの差圧である有効圧ΔPswで与えられる。
【0040】
ΔPsw=Pl−Pret
旋回起動時、旋回モータ2が回転していないため、戻り側の負荷通路12bには流量が発生しておらず、Pret=0である。つまり、
ΔPsw=Pl=(ρ/2)(Qsw/cAbl)2
となる。
【0041】
しかし、旋回モータ2が回転を始めた場合、供給流量Qswは、旋回モータ2ヘ供給される流量Qmと、ブリードオフライン123の可変絞り部121を通過する流量Qblとに分かれる。
【0042】
また、戻り流量が発生するためPret>0となる。この場合、以下の式が成り立つ。
【0043】
Qsw=Qm+Qbl
Pret=(ρ/2)(Qm/cAout)2
ただしAout:メータアウト可変絞り部15の開口面積
よって、
Figure 0003739996
ここで、旋回モータ2の有効圧(旋回トルク)を、旋回モータ2が回転する前の起動時のものをΔPsw1とし、回転し始めてからのものをΔPsw2として両者を比較する。
【0044】
<旋回モータ起動時回転前>
ΔPsw1=(ρ/2)(Qsw/cAbl)2 …(1)
<旋回モータ回転後>
ΔPsw2=(ρ/2)(Qbl/cAbl)2−(ρ/2)(Qm/cAout)2…(2)
上記(1)式及び(2)式の比較で、Qsw>Qbl,(ρ/2)(Qm/cAout)2>0であることから、
ΔPsw1>ΔPsw2
となる。
【0045】
まず、上記(2)式の右辺第1項は、旋回モータ回転後の有効圧ΔPsw2は、旋回モータ2の回転により、旋回モータ2ヘ供給される流量Qm分低くなることを意味する。しかし、この低下量は、供給流量Qswと流量Qmの割合で調整可能であり、供給流量Qswとブリードオフ可変絞り部121の調整により旋回トルクヘの影響を抑えることが可能である。
【0046】
上記(2)式の右辺第2項において、実際には、旋回モータ2ヘの供給流量Qmは、起動時では微少である。しかし、起動始めタイミングのスプールストローク(例えば図2のS1)は、同時に停止時の停止タイミングのスプールストロークであり、メータアウト可変絞り部15はこのスプールストロークで閉じ切る必要がある。このため、旋回の動き始めのスプールストロークで、メータアウト可変絞り部15の開口面積Aoutは小さい値を取り、結果として(2)式の右辺第2項の旋回トルクヘの影響は無視できない。
【0047】
その結果、起動時の旋回トルクは、ブリードオフ可変絞り部121とメータアウト可変絞り部15の両方の影響を受ける。この挙動特性は、起動時の微操作性の面で十分とはいえず、改善の必要がある。
【0048】
つまり、旋回起動時、旋回モータ2が回転を始める前は、供給流量Qswは全てブリードオフ可変絞り部121を通過し、戻り背圧Pretは0である(上記(1)式)。しかし、旋回モータ2が回転を始めた瞬間、戻り背圧Pretが発生する(上記(2)式の第2項)。このため、旋回モータ2の有効圧ΔPswが戻り背圧Pretの分、不連続的に低下し、旋回トルクも不連続的に低下する。その結果、オペレータが操作レバーの操作量を一定に保持しメータイン可変絞り部14の開口面積を一定に維持していても旋回トルクが大きく変化し、それに応じて旋回加速度が変化し、旋回起動時の微操作性を確保することが極めて困難となる。
【0049】
例えば、操作レバーの操作量をある値にしたときに旋回モータ2の回転前の旋回駆動圧Pl(=ΔPsw1)で適切な旋回トルクとなるようブリードオフ可変絞り部121の開口特性を設定した場合は、旋回モータ回転後は、旋回トルクの低下により旋回動作が緩慢となるため、オペレータは旋回速度の上げ側に操作レバーを急操作する傾向となり、ショックを発生し易い。また、操作レバーの操作量をある値にしたときに旋回モータ回転後の旋回駆動圧Pl(=ΔPsw2+戻り背圧)で適切な旋回トルクとなるようブリードオフライン123の可変絞り部121の開口特性を設定した場合は、旋回モータ回転前の駆動圧自体が過大となり、旋回トルクが大き過ぎショックを発生し易い。
【0050】
また、上記(2)式において、左辺第2項に含まれるQmは旋回モータ2に供給される流量、あるいは戻り側の負荷通路12bを通る戻り流量であり、旋回モータ2が一旦回転を始めた後は、この流量は旋回モータ2の加速と共に増加し、これに伴って戻り背圧が上昇し、有効圧が低下し旋回トルクが低下する。しかし、ブリードオフ可変絞り部121により制御される旋回駆動圧は、本来制御すべき有効圧に戻り背圧を加算した圧力であり、可変絞り部121は本来制御すべき有効圧よりも大きな前後差圧を制御するものとなり、この点でも旋回起動時の微操作性を確保し難い。
【0051】
次に、本実施形態の油圧駆動装置の動作を説明する。
【0052】
本実施の形態では、旋回微操作に相当するS4以下のスプールストローク前半で、旋回モータ2の駆動側の負荷通路12aと戻り側の負荷通路12bを可変絞り部21を介して連通路23により連通させるものである。
【0053】
旋回起動時、旋回慣性負荷の応答遅れから、メータイン可変絞り部14により制御された流量Qswの圧油が供給されても旋回モータ2は回転を始めていないため、供給流量Qswは全て連通路23aを通過する。この場合、旋回モータ2の起動力である有効圧ΔPswは、ブリードオフ可変絞り部21の開口面積Athにより、下記のように与えられる。
【0054】
ΔPsw=(ρ/2)(Qsw/cAth)2
上式から、旋回有効圧ΔPswは、旋回モータ2ヘの供給流量Qswと可変絞り部21の開口面積Athの調整により制御可能であることが分かる。
【0055】
これを、従来技術の場合と同様、旋回モータ2の起動時の回転前と旋回モータ2の回転後とで考える。
【0056】
<旋回モータ起動時回転前>
ΔPsw1=(ρ/2)(Qsw/cAth)2 …(3)
<旋回モータ回転後>
ΔPsw2=(ρ/2)(Qbl/cAth)2 …(4)
ここで、前述したように、
Qsw=Qbl+Qm
である。また、上記(3)式及び(4)式の比較で、Qsw>Qblであり、旋回トルクは従来例と同様にΔPsw1>ΔPsw2となり、旋回の加速と共に低下する。
【0057】
しかし、従来例と異なり、前記(2)式の右辺第2項の戻り流量の背圧による旋回トルクの低下分(ρ/2)(Qm/cAout)2は影響しない。
【0058】
つまり、本発明においては、旋回起動時、旋回モータ2が回転を始めた瞬間、戻り背圧が発生しても、それによって旋回モータ2の有効圧ΔPswが不連続的に低下することがなく、その結果、旋回トルクはスムーズに低下し、旋回起動時の微操作性を確保し易い。
【0059】
また、旋回モータ2が一旦回転を始めた後は、戻り側の負荷通路12bの流量が旋回モータ2の加速と共に増加し、これに伴って戻り背圧が上昇し、旋回トルクが低下するが、ブリードオフ可変絞り部21は本来制御すべき有効圧ΔPswを直接制御しており、ブリードオフ可変絞り部21の前後差圧は当該有効圧よりも大きくならず、これによっても旋回起動時の微操作性を確保することができる。
【0060】
一方、ブリードオフ可変絞り部21は、微操作に相当するスプールストローク前半にのみ有効となるように設定している。つまり、可変絞り部21がスプールストローク中間のS4で全閉となるように設定している。この設定により、微操作を意図した操作以外のスプールストローク領域では、本来のLSシステムによる流量制御が確保される。
【0061】
以上のように本実施形態においては、メータイン可変絞り部14の下流側とメータアウト可変絞り部15の上流側との間にブリードオフ可変絞り部21を設けたので、旋回起動時の有効圧を直接制御することが可能となり、本来のLSシステムのメリットである流量制御性を維持しつつ、旋回起動時の旋回トルクの微調整による微操作性を確保できる。
【0062】
本発明の第2の実施の形態による油圧駆動装置を図4により説明する。本実施の形態は、方向切換機能を有する流量制御弁を備えた油圧駆動装置に本発明を適用したものである。図中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0063】
図4において、本実施の形態の油圧駆動装置は流量制御弁3Aを有し、この流量制御弁3Aは方向切換機能を有している。即ち、流量制御弁3Aはスプール40と2つのフィーダ通路11a,11b及びタンク通路13a,13bを有し、スプール40には、フィーダ通路11a,11bに対応してメータイン可変絞り部14a,14bが、タンク通路13a,13bに対応してメータアウト可変絞り部15a,15bがそれぞれ設けられている。スプール40が図示の中立位置にあるときは、メータイン可変絞り部14a,14b及びメータアウト可変絞り部15a,15bは全て閉じており、スプール40が図示右方に移動すると、メータイン可変絞り部14aとメータアウト可変絞り部15aが開き、スプール40のフルストロークでそれら可変絞り部は全開し、スプール40が図示左方に移動すると、メータイン可変絞り部14bとメータアウト可変絞り部15bが開き、スプール40のフルストロークでそれら可変絞り部は全開する。
【0064】
また、流量制御弁3Aには連通路23が設けられ、かつスプール40にはメータイン可変絞り部14a,14bの下流側に開口するブリードオフ可変絞り部21a,21bが設けられ、スプール40を図示右方に移動するとメータイン可変絞り部14aの下流側はブリードオフ可変絞り部21a及び連通路23を介してメータアウト可変絞り部15aの上流側に連通し、スプール40を図示左方に移動するとメータイン可変絞り部14bの下流側はブリードオフ可変絞り部21b及び連通路23を介してメータアウト可変絞り部15bの上流側に連通する。
【0065】
スプール40が図示右方に移動したときのメータイン可変絞り14a及びメータアウト可変絞り部15aとブリードオフ可変絞り部21aとの開口特性の関係及びスプール40が図示左方に移動したときのメータイン可変絞り14b及びメータアウト可変絞り部15bとブリードオフ可変絞り部21bとの開口特性の関係は、図2に示したメータイン可変絞り14及びメータアウト可変絞り部15とブリードオフ可変絞り部21との開口特性の関係と同じである。
【0066】
以上のように構成した本実施形態においても、メータイン可変絞り部14a,14bの下流側とメータアウト可変絞り部15a,15bの上流側との間にブリードオフ可変絞り部21a,21bを設けたので、方向切換機能を有する流量制御弁を備えた油圧駆動装置において、旋回起動時の有効圧を直接制御することが可能となり、本来のLSシステムのメリットである流量制御性を維持しつつ、旋回起動時旋回トルクの微調整による微操作性を確保できる。
【0067】
本発明の第3の実施の形態による油圧駆動装置を図5〜図10により説明する。本実施の形態は、流量制御弁が方向切換機能を有する旋回制御弁装置にブリードオフ可変絞り部を組み込んだものである。図5〜図7はその旋回制御弁装置を断面図で示し、図8はその旋回制御弁装置を油圧シンボルで示す。図中、図1及び図4に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0068】
図5及び図8において、符号50は本実施の形態に係わる旋回制御弁装置であり、この旋回制御弁装置50は流量制御弁3B、圧力補償弁5B、信号検出回路6Bを備えている。流量制御弁3B、圧力補償弁5B、信号検出回路6Bは次のように構成されている。
【0069】
旋回制御弁装置50は、本体ブロック51を有し、この本体ブロック51にスプールボア52が形成され、このスプールボア52に流量制御弁3Bのスプール53が摺動自在に挿入されている。また、本体ブロック51にはポンプポート54、フィーダ通路11a,11b、負荷通路12a,12bが形成され、ポンプポート54とフィーダ通路11a,11bとの間にスプールボア52に対して直角にスプールボア55が形成され、このスプールボア55に圧力補償弁5Bのスプール56が摺動自在に挿入されている。圧力補償弁5Bは、図1に示した圧力補償弁5と異なりバネ56aを有し、このバネ56aで目標補償差圧を設定するものであり、スプール56の両端に受圧部56b,56cが形成され、受圧部56bにはメータイン可変絞り部14a,14b(後述)の入側の圧力(圧力補償弁5Bの出側の圧力)が導かれ、受圧部56cにはメータイン可変絞り部14a,14bの出側の圧力(旋回モータ2の負荷圧)が導かれている。
【0070】
また、本体ブロック51内において、流量制御弁3Bのスプールボア53の内周面にはフィーダポート57a,57b、アクチュエータポート58a,58b、タンクポート59a,59b、負荷圧検出ポート60が形成されている。フィーダポート57a,57bはフィーダ通路11a,11bにつながり、アクチュエータポート58a,58bは負荷ポート12a,12bにつながり、タンクポート59a,59bはタンク通路13a,13bを介してタンク16につながっている。負荷圧検出ポート60は、図示上側で通路61を介して圧力補償弁5Bの受圧部56c側に連通し、図示下側で通路30aを介してチェック弁62の入力ポートに連通している。
【0071】
流量制御弁3Bのスプール53には、それぞれ、本体ブロック51のフィーダポート57a,57bとアクチュエータポート58a,58b間のランド部と共働してメータイン可変絞り部14a,14b及びメータアウト可変絞り部15a,15b(図6参照)を構成する複数のノッチが形成されている。
【0072】
スプール53が図示の中立位置にあるとき、メータイン可変絞り部14a,14b及びメータアウト可変絞り部15a,15bのノッチは全て閉じている。スプール53が図示右方に移動すると、メータイン可変絞り部14aとメータアウト可変絞り部15a(図6参照)のノッチが開き、フィーダ通路11aと負荷通路12aがメータイン可変絞り部14aのノッチを介して連通し、負荷通路12bとタンクポート59aがメータアウト可変絞り15aのノッチを介して連通する。スプール53が図示左方に移動すると、メータイン可変絞り部14bとメータアウト可変絞り部15b(図6参照)のノッチが開き、フィーダ通路11bと負荷通路12bがメータイン可変絞り部14bのノッチを介して連通し、負荷通路12aとタンクポート59bがメータアウト可変絞り15bのノッチを介して連通する。
【0073】
また、図6に示すように、スプール53には、負荷圧検出用の径方向通路65a,65b、軸方向通路66a,66b、径方向通路67a,67bが形成され、径方向通路65a,65b及び67a,67bはそれぞれ一端がスプール53の外周面に開口し、他端が軸方向通路66a,66bにつながっている。また、径方向通路65aの開口部はスプール53が図示右方に移動しメータイン可変絞り部14aが開口したときにアクチュエータポート58aに開口し、スプール53が図示中立位置にあるとき及び図示左方に移動したときにはタンクポート59bに開口するよう位置し、径方向通路65bの開口部はスプール53が図示左方に移動しメータイン可変絞り部14bが開口したときにアクチュエータポート58bに開口し、スプール53が図示中立位置にあるとき及び図示右方に移動したときにはタンクポート59aに開口するよう位置している。径方向通路67a,67bの開口部はそれぞれ常時負荷圧検出ポート60に開口している。これによりスプール53が図示右方に移動したときはアクチュエータポート58aの圧力、即ち負荷通路12aが駆動側となる動作時の旋回モータ2の負荷圧が負荷圧検出ポート60に導かれ、スプール53が図示左方に移動したときはアクチュエータポート58bの圧力、即ち負荷通路12bが駆動側となる動作時の旋回モータ2の負荷圧が負荷圧検出ポート60に導かれる。
【0074】
そして、これら径方向通路65a,65b、軸方向通路66a,66b、径方向通路67a,67bは、負荷圧検出ポート60及びチェック弁62と共に信号検出回路6Bの一部を構成し、負荷圧ポート60に導かれた負荷圧が最高負荷圧であるとき、その負荷圧がチェック弁62により検出され、この検出された最高負荷圧はポンプレギュレータ4のLS制御弁26に与えられる。
【0075】
更に、スプール53には連通路23a,23bが設けられ、かつ連通路23a,23bの両端にはブリードオフ可変絞り部21a1,21a2及び21b1,21b2が設けられている。
【0076】
図7にブリードオフ可変絞り部21a1,21a2の部分の拡大図を示す。ブリードオフ可変絞り部21a1は、連通路23aの一端に連通し、スプール53の外周面に開口する凹所70a1と、本体ブロック51のアクチュエータポート58aとタンクポート59b間でスプールボア52の内周面側に位置し、アクチュエータポート58a側にノッチ71a1を形成したランド部68aとで構成され、ブリードオフ可変絞り部21a2は、連通路23aの他端に連通し、スプール53の外周面に開口する凹所70a2と、本体ブロック51のアクチュエータポート58bとタンクポート59a間でスプールボア52の内周面側に位置し、アクチュエータポート58b側にノッチ71a2を形成したランド部68bとで構成されている。また、凹所70a1とノッチ71a1は、スプール23が中立位置にあるときは互いに連通せず、スプール23が図示右方に移動すると互いに連通する位置関係にあり、凹所70a2とノッチ71a2は、スプール23が中立位置にあるとき及びスプール23が図示右方に移動しあるストロークになるまでは互いに連通し、スプール23があるストロークになると連通を遮断する位置関係にある。
【0077】
ブリードオフ可変絞り部21b1,21b2も、スプール23の移動方向が逆になる点を除いてブリードオフ可変絞り部21a1,21a2と同様に構成されている。
【0078】
図9に、メータイン可変絞り部14a,14b、メータアウト可変絞り部15a,15b、ブリードオフ可変絞り部21a1,21a2及び21b1,21b2の開口特性を示す。
【0079】
メータイン可変絞り部14a,14b及びメータアウト可変絞り部15a,15bは、スプール53が操作されると、あるスプールストロークS1でほぼ同時に開き、スプールストロークが増大するに従って開口面積を増大させる。
【0080】
また、ブリードオフ可変絞り部21a1,21b1は、メータイン可変絞り部14a,14b及びメータアウト可変絞り部15a,15bが開くスプールストロークS1に先行してスプールストロークS0で開き、スプールストロークが増大しスプールストロークS2になるとそれ以降はほぼ一定の開口面積A1となる。一方、ブリードオフ可変絞り部21a2,21b2は、スプール53が操作され、スプールストロークS5(>S2)になるまではほぼ一定の開口面積A2(>A1)で開口状態を保ち、スプールストロークが更に増大すると開口面積を減らし、中間のスプールストロークS4で全閉となる。
【0081】
図10にブリードオフ可変絞り部21a1,21a2又は21b1,21b2を組み合わせた開口特性を示す。
【0082】
ブリードオフ可変絞り部21a1,21a2を組み合わせた開口特性は、スプール53が図5の右方に移動したとき、メータイン可変絞り部14a及びメータアウト可変絞り部15aが開くスプールストロークS1に先行してスプールストロークS0で開き、中間のスプールストロークS4で全閉となり、かつスプールストロークS2(>S1)とS3(<S4)の間でほぼ一定の開口面積A1となり、スプールストロークS3以降、徐々に開口面積は小さくなる。ブリードオフ可変絞り部21b1,21b2を組み合わせた開口特性も、スプール53の移動方向が図示左方になる点を除いて同様である。
【0083】
以上のように構成した本実施形態においては、メータイン可変絞り部14a,14bの下流側とメータアウト可変絞り部15a,15bの上流側との間にブリードオフ可変絞り部21a1,21a2及び21b1,21b2を設けたので、方向切換機能を有する流量制御弁を備えた旋回制御弁装置50において、旋回起動時の有効圧を直接制御することが可能となり、本来のLSシステムのメリットである流量制御性を維持しつつ、旋回起動時に旋回トルク2の微調整が可能となり、旋回起動時の微操作性を確保できる。
【0084】
本発明の第4の実施の形態による油圧駆動装置を図11〜図13により説明する。本実施の形態は、流量制御弁が方向切換機能を有する旋回制御弁装置にブリードオフ可変絞り部を組み込んだ他の例を示すものである。図11はその旋回制御弁装置を断面図で示し、図12はその旋回制御弁装置を油圧シンボルで示す。図中、図1、図4、図5に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0085】
図11において、符号80は本実施の形態に係わる旋回制御弁装置であり、この旋回制御弁装置80は流量制御弁3C、圧力補償弁5Cと図示しない信号検出回路を備えている。流量制御弁3C及び圧力補償弁5Cは次のように構成されている。
【0086】
旋回制御弁装置80は本体ブロック81を有し、この本体ブロック81にスプールボア82が形成され、このスプールボア82に流量制御弁3Cのスプール83が摺動自在に挿入されている。また、本体ブロック81にはフィーダ通路11、負荷通路12a,12b、ブリッジ通路84が形成され、かつフィーダ通路11を挟んでスプールボア82と平行にスプールボア85a,85bが形成され、このスプールボア85a,85bに圧力補償弁5Cのスプール86a,86bが摺動自在に挿入されている。
【0087】
圧力補償弁5CはLS差圧を目標補償差圧とする分流補償型であり、本体ブロック81内において、スプールボア85aの内周面にはポンプポート180及びフィーダポート181が形成され、スプールボア85bの内周面には負荷圧ポート182及び最高負荷圧ポート183が形成され、スプール86a,86bには各ポートに対応して受圧部184,185,186,187が設けられ、受圧部184には油圧ポンプ1の吐出圧が導かれ、受圧部185にはメータイン可変絞り部14a,14b(後述)の入側の圧力(圧力補償弁5Cの出側の圧力)が導かれ、受圧部186にはメータイン可変絞り部14a,14bの出側の圧力(旋回モータ2の負荷圧)が導かれ、受圧部187には最高負荷圧が導かれている。
【0088】
また、スプール86bはプラグ190で支持された弱いバネ191により図示左方に付勢され、スプール86bの受圧部186側に設けられた押杆部分192がフィーダポート181側へと突出してスプール86aの受圧部185部分に当接し、スプール86aはストッパ193により図示左方の移動位置を拘束されている。スプール86aには圧力補償弁5Cの可変絞り部を構成する複数の開口194が設けられている。
【0089】
また、本体ブロック81内において、流量制御弁3Cのスプールボア83の内周面にはフィーダポート87、切換ポート89a,89b、アクチュエータポート88a,88b、タンクポート59a,59bが形成されている。フィーダポート87はフィーダ通路11につながり、切換ポート89a,89bはブリッジ通路84につながり、アクチュエータポート88a,88bは負荷ポート12a,12bにつながり、タンクポート59a,59bはタンク16につながっている。
【0090】
流量制御弁3Cのスプール83には、本体ブロック81のフィーダポート87と切換ポート99a,99b間のランド部と共働してそれぞれメータイン可変絞り部14a,14bを構成する複数のノッチと、本体ブロック81のアクチュエータポート88a,88bとタンクポート59b,59a間のランド部と共働してそれぞれメータアウト可変絞り部15a,15bを構成する複数のノッチと、本体ブロック81の切換ポート99a,99bとアクチュエータポート88a,88b間のランド部と共働してそれぞれ切換部93a,93bを構成する複数のノッチが形成されている。切換部93a,93bのノッチは、メータイン可変絞り部14a,14bのノッチに比べ格段に大きな開口面積に形成され、圧油の通過による圧力損失が生じないようになっている。
【0091】
スプール83が図示の中立位置にあるとき、メータイン可変絞り部14a,14b、メータアウト可変絞り部15a,15b及び切換ノッチ93a,93bのノッチは全て閉じている。スプール83が図示右方に移動すると、メータイン可変絞り部14aと切換部93aとメータアウト可変絞り部15aのノッチが開き、フィーダ通路11とブリッジ通路84がメータイン可変絞り部14aのノッチを介して連通し、ブリッジ通路84と負荷通路12aが切換部93aのノッチを介して連通し、負荷通路12bとタンクポート59aがメータアウト可変絞り部15aのノッチを介して連通する。スプール83が図示左方に移動すると、メータイン可変絞り部14bと切換部93bとメータアウト可変絞り部15bのノッチが開き、フィーダ通路11とブリッジ通路84がメータイン可変絞り部14bのノッチを介して連通し、ブリッジ通路84と負荷通路12bが切換部93bのノッチを介して連通し、負荷通路12aとタンクポート59bがメータアウト可変絞り部15bのノッチを介して連通する。
【0092】
また、流量制御弁3Cのスプール83には、本体ブロック81の切換ポート99a,99bとアクチュエータポート88a,88b間のランド部96a,96bと共働してそれぞれブリードオフ可変絞り部21a,21bを構成する複数のノッチ97a,97bが形成されている。ノッチ97a,97bは、スプール83が中立位置にあるときは切換ポート99a,99b側では切換ポート99a,99bに開口し、アクチュエータポート88a,88b側では開口せず、スプール83を左右のいずれか一方向に移動すると、移動方向側のノッチ97a又は97bがアクチュエータポート88a又は88b側にも開口し、スプール83が更に移動すると、ノッチ97a又は97bの切換ポート99a又は99b側の開口が閉じられる。
【0093】
図13に、メータイン可変絞り部14a,14b、メータアウト可変絞り部15a,15b、ブリードオフ可変絞り部21a,21bの開口特性を示す。これらの開口特性は図2に示した第1の実施形態のものと実質的に同じである。
【0094】
即ち、メータイン可変絞り部14a,14b及びメータアウト可変絞り部15a,15bは、スプール83が操作されると、あるスプールストロークS1でほぼ同時に開き、スプールストロークが増大するに従って開口面積を増大させる。また、ブリードオフ可変絞り部21a,21bは、メータイン可変絞り部14a,14b及びメータアウト可変絞り部15a,15bが開くスプールストロークS1に先行してスプールストロークS0で開き、中間のスプールストロークS4で全閉となる。また、スプールストロークS2(>S1)とS3(<S4)の間でブリードオフ可変絞り部21a,21bの開口面積はほぼ一定となり、スプールストロークS3以降、徐々に開口面積は小さくなる。
【0095】
これにより、ブリードオフの可変絞り部21a,21bは、旋回微操作に相当するS4以下のスプールストローク前半で、旋回モータ2の駆動側の負荷通路12aと戻り側の負荷通路12bを連通させることになる。
【0096】
以上のように構成した本実施形態においても、メータイン可変絞り部14a,14bの下流側とメータアウト可変絞り部15a,15bの上流側との間にブリードオフ可変絞り部21a及び21bを設けたので、方向切換機能を有する流量制御弁を備えた旋回制御弁装置80において、旋回起動時の有効圧を直接制御することが可能となり、本来のLSシステムのメリットである流量制御性を維持しつつ、旋回起動時に旋回トルク2の微調整が可能となり、旋回起動時の微操作性を確保できる。
【0097】
以上において、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の精神の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、LSシステムとして、流量制御弁のメータイン可変絞り部の上流側に配置されるビフォワーオリフィスタイプの圧力補償弁を用いたが、流量制御弁のメータイン可変絞り部の下流側に配置されるアフターオリフィスタイプの圧力補償弁を用いたものであっても、同様に本発明を適用し、同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、LSシステムの油圧ポンプとして、可変容量型の油圧ポンプを用い、その吐出流量を制御することでLS差圧を一定に制御したが、固定容量型の油圧ポンプとアンロード弁を用い、アンロード弁によりLS差圧を一定に制御してもよい。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、LSシステムにおいて旋回起動時の微操作性を確保すると共に、本来のLSシステムのメリットである流量制御も維持することが可能となり、優れた旋回制御系が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧駆動装置を示す回路図である。
【図2】第1の実施の形態におけるメータイン可変絞り部、メータアウト可変絞り部、ブリードオフ可変絞り部の開口特性を示す図である。
【図3】従来のブリードオフラインを備えた油圧駆動装置を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による油圧駆動装置を示す回路図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による油圧駆動装置における旋回制御弁装置の構造を示す図である。
【図6】図5に示した旋回制御弁装置におけるメータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部と負荷圧検出用の径方向通路及び軸方向通路を示す図である。
【図7】図5に示した旋回制御弁装置におけるブリードオフ可変絞り部部分の拡大図である。
【図8】図5に示した旋回制御弁装置を油圧シンボルで示す図である。
【図9】第3の実施の形態におけるメータイン可変絞り部、メータアウト可変絞り部、ブリードオフ可変絞り部の開口特性を示す図である。
【図10】2つのブリードオフ可変絞り部を組み合わせた開口特性を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態による油圧駆動装置における旋回制御弁装置の構造を示す図である。
【図12】図11に示した旋回制御弁装置を油圧シンボルで示す図である。
【図13】第4の実施の形態におけるメータイン可変絞り部、メータアウト可変絞り部、ブリードオフ可変絞り部の開口特性を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ
2 旋回モータ
3;3A;3B;3C 流量制御弁
4 ポンプレギュレータ
5;5B;5C 圧力補償弁
6;6B 信号検出回路
11;11a,11b フィーダ通路
12a,12b 負荷通路
13;13a,13b タンク通路
14;14a,14b メータイン可変絞り部
15;15a,15b メータアウト可変絞り部
16 タンク
21;21a1,21a2,21b1,21b2;21a,21b ブリードオフ可変絞り部
23 連通路
26 LS制御弁
27 LS制御アクチュエータ
28 馬力制御アクチュエータ
40 スプール
50 旋回制御弁装置
51 本体ブロック
52 スプールボア
53 スプール
54 ポンプポート
55 スプールボア
56 スプール
57a,57b フィーダポート
58a,58b アクチュエータポート
59a,59b タンクポート
60 負荷圧検出ポート
70a1,70a2 ノッチ
71a1,71a2 ノッチ
80 旋回制御弁装置
81 本体ブロック
82 スプールボア
83 スプール
84 ブリッジ通路
85a,85b スプールボア
86a,86b スプール
87 フィーダポート
88a,88b アクチュエータポート
89a,89b タンクポート
93a,93b 切換部
97a,97b ノッチ
99a,99b 切換ポート

Claims (4)

  1. 旋回慣性負荷としての旋回部を有する建設機械の油圧駆動装置であって、
    ロードセンシング制御される油圧ポンプと、前記旋回部を駆動する旋回モータと、メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部を有し、前記油圧ポンプから前記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁とを備えた油圧駆動装置において、
    前記メータイン可変絞り部の下流側と前記メータアウト可変絞り部の上流側とを連通可能とする連通路と、この連通路に配置され前記流量制御弁のストロークに連動して開閉するブリードオフ可変絞り部とを設け、前記ブリードオフ可変絞り部により前記旋回モータの有効圧を直接制御するとともに、前記ブリードオフ可変絞り部を、前記流量制御弁が操作されたときに前記メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部に先行して開くように構成したことを特徴とする油圧駆動装置。
  2. 請求項1記載の油圧駆動装置において、前記ブリードオフ可変絞り部は、前記流量制御弁が操作されると前記メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部に先行して開き、中間のストロークで全閉となることを特徴とする油圧駆動装置。
  3. 旋回慣性負荷としての旋回部を有する建設機械の油圧駆動装置であって、ロードセンシング制御される油圧ポンプと、前記旋回部を駆動する旋回モータとを備えた油圧駆動装置に用いられ、前記油圧ポンプから前記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁において、
    メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部と、前記メータイン可変絞り部の下流側と前記メータアウト可変絞り部の上流側とを連通可能とする連通路と、この連通路に配置され前記流量制御弁のストロークに連動して開閉するブリードオフ可変絞り部とを備え、前記ブリードオフ可変絞り部により前記旋回モータの有効圧を直接制御するとともに、前記ブリードオフ可変絞り部を、前記流量制御弁が操作されたときに前記メータイン可変絞り部及びメータアウト可変絞り部に先行して開くように構成したことを特徴とする制御弁装置。
  4. 請求項3記載の制御弁装置において、前記流量制御弁は本体ブロックに摺動可能に挿入されたスプールを有し、前記ブリードオフ可変絞り部は、前記流量制御弁のスプールに形成されたノッチにより構成されることを特徴とする制御弁装置。
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