JP3688604B2 - 電気式焼物器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、業務用厨房機器として使用に供される電気式焼物器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、魚介類、肉類、野菜(ピーマン)等の食材を焼き上げる場合、電気式焼物器が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の電気式焼物器は、特に図示しないが、赤(遠近赤)外線ランプが上下に配置されたオープン型の製品であるために、食材を焼いた際の熱気、油煙等が器外に放出され、調理現場の温度を高め、調理現場の環境を悪化させるという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、庫内からの排気による調理現場での環境を悪化させるという懸念や、調理従業者が火傷を被る等の危険を解消し、焼物調理の安全性を確保できる電気式焼物器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的のため、請求項1に記載の電気式焼物器は、少なくとも被加熱食材10の出し入れ用前扉3と電源スイッチ4及び庫内5と連通する排気用煙突2を備えた庫体1と、前記庫内5の上位置に配置された熱源としての赤(遠近赤)外線を発するランプ6と、該ランプ6の下位置にして、かつ前記庫内5を上下に仕切るように前記排気用煙突2の入口2Aのやや上位置から前記被加熱食材10を載せる焼網11のやや上位置に前記出し入れ用 前扉3側に向け下向き傾斜状に設けられた耐熱性の傾斜状保護ガラス板8と、前記焼網11の下位置における前記庫内5の底部に配置された汁受皿13を含み、かつ、前記庫体1の後部形成壁14の下方壁15には、整流壁18を介して前記庫内5に指向し、かつ前記排気用煙突入口2Aと連通する上部冷気導入通路16が設けられるとともに、該上部冷気導入通路16の下位置には、前記庫内5に指向し、かつ前記焼網11の下方スペース19と連通する下部冷気導入通路17が設けられ、これら上部及び下部冷気導入通路16、17を介して庫外からの冷気が前記庫内5に導入されて、前記被加熱食材10の加熱時における前記庫内5の排気が前記排気用煙突2の方向へ流れるようにされた構成を特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載の電気式焼物器は、前記汁受皿13における前記出し入れ用前扉3側の前側起立壁5Aが寸法高に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照し、その作用と共に説明する。
【0008】
図1は本発明に係る電気式焼物器の一例での概略正面図、図2は概略側面で、これら図において、本電気式焼物器は、ステンレス等の鋼板で製作された庫体1に排気用煙突2、食材の出し入れ用前扉3(以下、前扉3という)、電源スイッチ4等が設けられ、庫内5の上位置には熱源としての赤(遠近赤)外線を発するランプ6及び反射板7が配置され、その下位置には耐熱性を有する傾斜状保護ガラス板8が配置されている。
【0009】
傾斜状保護ガラス板8の下方である焼きスペース9には、被加熱食材10を載置する焼網11が配置され、この焼網11は、庫体1の側壁に取り付けられた操作レバー(図示しない)の上下動操作によって高さの調節が可能になっている。
【0010】
焼網11の下部には波形反射板12が配置され、更に、焼網11の下方スペース19の底部には、前扉3側の前側起立壁5Aが寸法高とされた汁受皿13が配置されている。
【0011】
なお、傾斜状保護ガラス板8は、庫内5を上下に仕切るように、その一方側が庫内5における排気用煙突2の入口2Aよりもやや上部に位置し、他方側は庫内5に配置された焼網11よりもやや上部に位置し、前扉3側に向け下向きに傾斜させて設けられている。
【0012】
又、傾斜状保護ガラス板8は、ランプ6から放射される赤外線を透過させて焼きスペース9の被加熱食材10に対して赤外線を入射させる機能と、被加熱食材10を加熱させた際に発生する排煙等がランプ6及び反射板7に付着するのを遮断する機能を有し、更には、焼きスペース9内の排煙等の流れを排気用煙突2の方向へ導出させる機能を有する。
【0013】
図2に示されているように、庫体1の後部形成壁14の下方壁15には、整流壁18を介して庫内5に指向し、かつ排気用煙突入口2Aと連通する上部冷気導入通路16が設けられるとともに、該上部冷気導入通路16の下位置には、庫内5に指向し、かつ焼網11の下方スペース19と連通する下部冷気導入通路17が設けられ、これら上部及び下部冷気導入通路16、17を介して庫外からの冷気が庫内5に導入されるようになっている。
【0014】
なお、冷気導入通路16、17は、ランプ6から発するランプ光(ランプ熱)が庫外に洩れないように上下に段差を有して設けられている。
【0015】
然して、上記の実施形態によれば、図2に実線矢印で示されているように、上部冷気導入通路16と下部冷気導入通路17を介して庫内5に冷気が導入され、この冷気の流れが庫内5の排気(熱気、油煙)を自然的に下方向より上方へ引っぱるかたちとなり、庫内排 気の流れは排気用煙突2の入口2A方向への流れに変化し、又、庫内排気の流れは傾斜状保護ガラス板8に沿って排気用煙突2の入口2A方向に流れ、排気用煙突2を介して庫外に排気させることができる。
【0016】
又、庫内5の底部に配置された汁受皿13の前扉3側の前側起立壁5Aが寸法高に形成されているため、前扉3の下方から庫内5に流入する恐れのある冷気は遮断されて、庫内5の温度低下が防止される。
【0017】
【発明の効果】
しかして、本発明によれば、庫体の後部下方壁より庫内に指向して設けられた冷気導入通路を冷気(外気)が通過し、その冷気の流れと、耐熱性傾斜状保護ガラス板により庫内の排気(熱気、油煙)の流れを変化させて排気用煙突への排気の流れを形成するから、庫内の排気が前扉の隙間及び前扉の下端等から前扉の正面側に吹き出て調理現場の環境を悪化させるという懸念や、前扉の正面側に吹き出る庫内排気(熱気等)によって調理従事者が火傷を被る等の危険を解消し、焼物調理の安全性を確保できる。
【0018】
又、本発明によれば、冷気導入通路は上下に段差を有して設けられているから、庫内の赤(遠近赤)外線ランプから発する光(熱)が庫外に洩れるのを解消し、洩光によってランプの加熱効果が低下するのを防止することができる。
【0019】
更に又、本発明によれば、加熱処理中の被加熱食材から放出した焼汁等を溜める汁受皿の前側起立壁が寸法高に形成されているから、庫内に導入される冷気が前扉の下端から前扉の正面側に流れるのを遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電気式焼物器の一例での概略正面図である。
【図2】 同上の概略側面図である。
【符号の説明】
1 庫体
2 排気用煙突
2A 入口
3 食材の出し入れ用扉(前扉)
4 電源スイッチ
5 庫内
5A 汁受皿の前側起立壁
6 ランプ
7 反射板
8 耐熱性傾斜状保護ガラス板
9 焼きスペース
10 被加熱食材
11 焼網
12 波形反射板
13 汁受皿
14 後部形成壁
15 下方壁
16、17 冷気導入通路
18 整流壁
19 下方スペース
Claims (2)
- 少なくとも被加熱食材(10)の出し入れ用前扉(3)と電源スイッチ(4)及び庫内(5)と連通する排気用煙突(2)を備えた庫体(1)と、
前記庫内(5)の上位置に配置された熱源としての赤(遠近赤)外線を発するランプ(6)と、
該ランプ(6)の下位置にして、かつ前記庫内(5)を上下に仕切るように前記排気用煙突(2)の入口(2A)のやや上位置から前記被加熱食材(10)を載せる焼網(11)のやや上位置に前記出し入れ用前扉(3)側に向け下向き傾斜状に設けられた耐熱性の傾斜状保護ガラス板(8)と、
前記焼網(11)の下位置における前記庫内(5)の底部に配置された汁受皿(13)を含み、
かつ、前記庫体(1)の後部形成壁(14)の下方壁(15)には、整流壁(18)を介して前記庫内(5)に指向し、かつ前記排気用煙突入口(2A)と連通する上部冷気導入通路(16)が設けられるとともに、該上部冷気導入通路(16)の下位置には、前記庫内(5)に指向し、かつ前記焼網(11)の下方スペース(19)と連通する下部冷気導入通路(17)が設けられ、これら上部及び下部冷気導入通路(16)、(17)を介して庫外からの冷気が前記庫内(5)に導入されて、前記被加熱食材(10)の加熱時における前記庫内(5)の排気が前記排気用煙突(2)の方向へ流れるようにされた構成を特徴とする電気式焼物器。 - 前記汁受皿(13)における前記出し入れ用前扉(3)側の前側起立壁(5A)が寸法高に形成されていることを特徴とする請求項1の電気式焼物器。
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