JP3688332B2 - シャフトドライブ式自転車の懸架構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、シャフトドライブ式自転車の懸架構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記懸架構造には、従来、例えば、ドイツ特許公開第3120552A1号公報に示されたものがある。
【0003】
これによれば、自転車の車体フレームに、前後方向に延びるリヤアームの前端部が枢支軸により枢支されている。この枢支軸を中心として同上リヤアームの後端部が上下方向に揺動自在とされ、このリヤアームの後端部に後車輪が支承され、一端部が上記車体フレームに連結され、他端部が上記リヤアームの長手方向の中途部に連結される緩衝器が設けられている。
【0004】
一方、ペダルを支持するクランク軸が設けられると共に、このクランク軸に上記後車輪を連動連結させるドライブシャフトが設けられ、このドライブシャフトは上記リヤアームの内部に設けられている。これらリヤアームとドライブシャフトの各後端部側は上記後車輪との接触を避けるため、左右方向でこの後車輪の外側方に配設されている。また、上記車体フレームの上部には乗員を着座させるシートが設けられている。
【0005】
上記の場合、枢支軸とクランク軸のクランク主軸とは一本の軸体で構成されており、シートに着座した乗員が上記軸体の前側に達したペダルをその上方から下方に向って順次踏み込んでこのペダルを上記軸体の回りに回転させれば、この踏み込みによる動力が上記軸体を構成するクランク軸とドライブシャフトとを介して後車輪に伝えられ、これにより、自転車が路面上を走行できることとなる。
【0006】
また、例えば、凹凸のある路面上を走行する場合には、後車輪からリヤアームを介して車体フレーム側に衝撃力が伝えられようとするが、この衝撃力は上記緩衝器が伸縮動作することにより吸収され、もって、乗員に良好な乗り心地が確保されることとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構成によれば、次のような問題がある。
【0008】
第1に、ペダルを踏み込んでこのペダルを軸体の回りに回転させ、このときの動力を後車輪に伝える場合において、上記軸体の回りのペダルの回転軌跡のほぼ前端に上記ペダルが達したとき、このペダルに対する踏み込み力がほぼ最大となって、大きな動力が後車輪に伝えられる。
【0009】
ところで、この場合の大きな踏み込み力は上記軸体の回りにモーメントを生じさせ、これはリヤアームの後端部側を上方に回動させるよう働く。このため、このリヤアームに押されて緩衝器が無駄に縮小させられ、よって、ペダルから後車輪への動力が上記緩衝器により無駄に消費されて、無用な動力損失が生じるという問題がある。
【0010】
また、上記従来構成によれば、緩衝器は、上記した踏み込み力によるモーメントに対抗するため、その分、この緩衝器の容量をより大きくすることが要求されるが、このために、緩衝器が無駄に大形になったり、重量が重くなったりするという問題がある。
【0011】
第2に、上記従来構成では、リヤアームの後端部と緩衝器とは後車輪との接触を避ける上で、いずれもこの後車輪の外側方に位置させられ、つまり、上記リヤアームの後端部と緩衝器は車幅方向で車体中心から一側方に偏位して設けられている。
【0012】
このため、自転車の走行時に、後車輪側からリヤアームや緩衝器に衝撃力が与えられると、この衝撃力はリヤアームに捩りを生じさせることにより無用に大きい負荷を与え、また、緩衝器に曲げモーメントを与えてその伸縮動作にこじりを生じさせるおそれがある。
【0013】
そこで、これらに対応する必要上、リヤアームや緩衝器には十分の強度が与えられるが、このため、これらがより大形になり、かつ、重量が重くなるという問題がある。
【0014】
また、上記緩衝器は車体中心から一側方に偏位して設けられるため、上記車体フレームとリヤアームに対する緩衝器の位置精度が低下しがちとなる。
【0015】
更に、上記従来構成では、シートに着座しようとして、このシートの後方からこのシートに跨がろうとする場合には、このシートの後方の後車輪を大きく跨ぐ必要があって、乗降がしにくいという問題もある。
【0016】
第3に、上記従来構成では、リヤアームを枢支する枢支軸と、ペダルを支持するクランク軸のクランク主軸とが一本の軸体で共用されている。このため、例えば、シートとペダルとの相対的な位置関係を所望の状態にしようとして、このペダルを支持するクランク軸を所望の位置に定めたとすると、これに影響されてリヤアームの枢支部の位置が規制され、もって、このリヤアームを十分に長くできないことがあり、この場合には、このリヤアームに連結された緩衝器のレバー比の設定の自由度が低下して、この緩衝器による衝撃力の吸収が不十分になるおそれがある。
【0017】
第4に、自転車を持ち運びする際には、これを折り畳むなどしてコンパクトな形状にすることが望まれる。
【0018】
しかし、上記従来構成の自転車にはそのような考慮はなされていない。
【0019】
第5に、シートの高さ調整ができるようこのシートを車体フレームに移動自在に支持させた場合であって、上記したように、自転車をコンパクトな形状にしようとする際、上記シートがこのコンパクト化の邪魔にならないようにすることが望まれる。
【0020】
しかし、上記従来構成の自転車にはそのような考慮は全くなされていない。
【0021】
【発明の目的】
この発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、次の目的を有している。
【0022】
第1に、ペダルを踏み込んで、このときの動力を後車輪に伝えようとする場合に、この踏み込みで生じるモーメントにより、緩衝器が無駄に縮小されないようにして、無用な動力損失が生じないようにすると共に、緩衝器を小形、かつ、軽量にさせることを目的とする。
【0023】
第2に、自転車の走行時に、後車輪側からリヤアームや緩衝器が衝撃力を受けるとき、この衝撃力が上記リヤアームに無用に大きい負荷を与えないようにすると共に、上記緩衝器の伸縮動作にこじりを生じさせないようにし、もって、これらを小形、かつ、軽量にできるようにすることを目的とする。
【0024】
また、上記車体フレームとリヤアームとに対する緩衝器の位置精度を向上させることを目的とする。
【0025】
更に、シートへの乗降が容易にできるようにすることを目的とする。
【0026】
第3に、車体フレームに対するリヤアームの枢支部の配置の自由度を向上させて、このリヤアームに連結された緩衝器による衝撃力の吸収が十分になされるようにすることを目的とする。
【0027】
第4に、自転車をコンパクトな形状にできるようにして、これの持ち運びが容易にできるようにすることを目的とする。
【0028】
第5に、シートの高さ調整ができるようこのシートを車体フレームに移動自在に支持させた場合であって、上記したように、自転車をコンパクトな形状にしようとする際、上記シートが邪魔にならないようにして、上記コンパクト化が更に効果的になされるようにすることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1の発明のシャフトドライブ式自転車の懸架構造は、車体フレームに、前後方向に延びるリヤアームの前端部を枢支軸により枢支し、この枢支軸を中心として同上リヤアームの後端部を上下方向に揺動自在とし、このリヤアームの後端部に後車輪を支承し、一端部が上記車体フレームに連結され、他端部が上記リヤアームの長手方向の中途部に連結される緩衝器を設け、一方、ペダルを支持するクランク軸を設けると共に、このクランク軸に上記後車輪を連動連結させるドライブシャフトを設け、このドライブシャフトを上記リヤアームの内部に設け、これらリヤアームとドライブシャフトの各後端部側を上記後車輪の外側方に配設した場合において、上記クランク軸のクランク主軸を、上記枢支軸よりも後側で、上記リヤアームの前端部に支承させたものである。
【0030】
また、請求項2の発明は、後車輪よりも前側に位置するリヤアームの前端部に、緩衝器の他端部を連結させたものである。
【0031】
また、請求項3の発明は、車体フレームがその前端部を形成してフロントフォークを操向自在に支承するヘッドパイプと、このヘッドパイプから後方に向って延びる主フレームと、この主フレームの後端部から上方に向って突設されその上端部にシートを支持するシートフレームとを備え、上記主フレームの下側にリヤアームの前端部を配設したものである。
【0032】
また、請求項4の発明は、車体フレーム、もしくはリヤアームに対する緩衝器の連結を解除可能とし、上記車体フレーム、もしくはリヤアームから緩衝器を離脱させ、かつ、枢支軸の回りに上記車体フレームとリヤアームとを相対回動させることにより、これら車体フレームとリヤアームとを互いに接近させて折り畳み可能としたものである。
【0033】
また、請求項5の発明は、シートフレームを、主フレームに固着されてこの主フレームの後端部から上方に向って突設される固定フレームと、この固定フレームの上端側にこの固定フレームの長手方向で摺動自在に嵌合してその上端部にシートを支持する可動フレームとで構成し、車体フレームとリヤアームとを折り畳んだとき、上記固定フレームに対する可動フレームの摺動軌跡の外部に上記リヤアームを位置させるようにしたものである。
【0034】
【作 用】
上記構成による作用は次の如くである。
【0035】
請求項1の発明によれば、図1から図3において、車体フレーム2にリヤアーム20の前端部21を枢支軸22により枢支し、上記車体フレーム2と、リヤアーム20の長手方向の中途部とに緩衝器36を架設し、上記クランク軸57のクランク主軸60を、上記枢支軸22よりも後側で、上記リヤアーム20の前端部に支承させてある。
【0036】
このため、乗員が上記ペダル56をその上方から下方に向って踏み込んで、このときの動力を後車輪27に伝えようとするときにおいて、クランク主軸60の回りのペダル56の回転軌跡(以下、これを単に「回転軌跡」という)のほぼ前端に上記ペダル56が達して踏み込み力(図3中矢印D)がほぼ最大となるこのペダル56と、このペダル56の後側に位置している枢支軸22との間の前後方向の寸法Eが、同上枢支軸22回りにペダル56を回転させるようにしていた従来に比べて、より短くなることから、上記踏み込み力Dによって生じる枢支軸22の回りのモーメント(以下、これを単に「モーメント」という)が小さくなる。よって、上記リヤアーム20の後端部23側を上方に回動させる力が弱められ、これにより、上記リヤアーム20に押されて緩衝器36が無駄に縮小させられるということが抑制される。
【0037】
また、上記したように「モーメント」が小さくなる分、これに対応するための上記緩衝器36の容量は小さくて足りる。
【0038】
請求項2の発明によれば、図1から図3において、後車輪27よりも前側に位置するリヤアーム20の前端部21に、緩衝器36の他端部を連結させてある。
【0039】
このため、リヤアーム20の前端部21は、後車輪27との接触を避けて車幅方向の車体中心71の近傍に配置させることができると共に、上記前端部21に連結させた緩衝器36も同上後車輪27との接触を避けて上記車体中心71の近傍(車体中心71上を含む)に配置させることができる。これにより、自転車1の走行時に、後車輪27側からリヤアーム20や緩衝器36に衝撃力が与えられるとき、リヤアーム20から緩衝器36に向う衝撃力と、緩衝器36からリヤアーム20に向うその反力とはほぼ上記車体中心71でリヤアーム20や緩衝器36に与えられる。よって、リヤアーム20に捩りの生じることが抑制されて、このリヤアーム20に無用に大きい負荷が与えられることが抑制され、また、上記緩衝器36に曲げモーメントが与えられることが抑制されて、この緩衝器36の伸縮動作にこじりの生じることが抑制される。
【0040】
また、上記緩衝器36は車体中心71の近傍に配設させることができるため、上記車体フレーム2とリヤアーム20とに対する緩衝器36の位置精度は向上させ易くなる。
【0041】
更に、上記したように、リヤアーム20の前端部21に緩衝器36を連結させたため、上記リヤアーム20の後端部23側の上方の空間78は後上方に向って開放されることとなる。
【0042】
よって、自転車1に着座しようとして、シート7の後方からこのシート7に跨がろうとする場合には、上記空間78を利用できる。
【0043】
前記したように、請求項1の発明によれば、リヤアーム20を枢支する枢支軸22と、ペダル56を支持するクランク軸57とは別体とされており、このため、これら枢支軸22とクランク軸57の配置が互いに規制されるということが回避される。このため、上記クランク軸57の存在にかかわらず、車体フレーム2に対するリヤアーム20の枢支部を自由に配置できる。
【0044】
そして、この構成に基づく請求項3の発明によれば、図1と図3において、車体フレーム2がその前端部を形成してフロントフォーク15を操向自在に支承するヘッドパイプ3と、このヘッドパイプ3から後方に向って延びる主フレーム6と、この主フレーム6の後端部から上方に向って突設されその上端部にシート7を支持するシートフレーム8とを備え、上記主フレーム6の下側にリヤアーム20の前端部21を配設してある。
【0045】
このため、上記主フレーム6に対するリヤアーム20の枢支部の配置が車体フレーム2の主フレーム6によって規制されることも回避される。
【0046】
そこで、上記枢支部を十分に前方に位置させれば、リヤアーム20の長さを十分に長くでき、よって、このリヤアーム20に連結された緩衝器36のレバー比の設定の自由度が向上する。
【0047】
また、上記したように、主フレーム6の下側にリヤアーム20の前端部21を配設したため、上記主フレーム6の後端部は上記リヤアーム20に規制されずに十分に後方に延出させることができる。
【0048】
よって、上記主フレーム6の後端部から上方に向って突設されるシートフレーム8を、より垂直にさせることができ、これにより、シート7上の着座者の負荷が上記シートフレーム8に曲げモーメントを与えることが抑制されて、この負荷は上記シートフレーム8にその軸方向力として支持される。
【0049】
請求項4の発明によれば、特に図7において、車体フレーム2、もしくはリヤアーム20に対する緩衝器36の連結を解除可能とし、上記車体フレーム2、もしくはリヤアーム20から緩衝器36を離脱させ、かつ、枢支軸22の回りに上記車体フレーム2とリヤアーム20とを相対回動させることにより、これら車体フレーム2とリヤアーム20とを互いに接近させて折り畳み可能としてある。
【0050】
このため、自転車1を持ち運びする際には、車体フレーム2、もしくはリヤアーム20から緩衝器36を離脱させ、枢支軸22の回りで車体フレーム2とリヤアーム20とを相対回動させて(図7中矢印F,G)、これら車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳む。すると、自転車1をコンパクトな形状にできる。
【0051】
上記したように、請求項4の発明によれば、車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳み可能としてある。そして、この構成に基づく請求項5の発明によれば、特に図7において、シートフレーム8を、主フレーム6に固着されてこの主フレーム6の後端部から上方に向って突設される固定フレーム9と、この固定フレーム9の上端側にこの固定フレーム9の長手方向で摺動自在に嵌合してその上端部にシート7を支持する可動フレーム10とで構成し、車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳んだとき、上記固定フレーム9に対する可動フレーム10の摺動軌跡79の外部に上記リヤアーム20を位置させるようにしてある。
【0052】
このため、上記したように、車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳んで、自転車1をコンパクトな形状にした状態での上記固定フレーム9に対する可動フレーム10の摺動は、上記リヤアーム20に邪魔されることなくできることとなる。
【0053】
よって、上記したように車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳み、更に、図7中矢印Hで示すように、固定フレーム9に対し可動フレーム10を摺動させて上記車体フレーム2やリヤアーム20に対しシート7をより接近させれば、自転車1を更にコンパクトにすることができる。
【0054】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面により説明する。
【0055】
図1から図6において、符号1はシャフトドライブ式自転車で、矢印Frはその前方を示している。また、下記する左右とは、上記前方に向っての車幅方向をいうものとする。
【0056】
特に図1から図3において、上記自転車1の車体の車体フレーム2は、その前端部を形成するヘッドパイプ3を備えている。このヘッドパイプ3は後上りの縦向きの軸心4を有する円筒状をなしている。上記ヘッドパイプ3から後下方に向ってほぼ直線的に主フレーム6が延び、この主フレーム6はその横断面が縦長の矩形である角パイプ材で成形され、もって、十分の強度と剛性とを備えている。
【0057】
上記主フレーム6の後端部から後上方に向って突設され、その上端部にシート7を支持するシートフレーム8が設けられている。このシートフレーム8は、上記主フレーム6に固着されてこの主フレーム6の後端部から上方に向って突設される固定フレーム9と、この固定フレーム9の上端側にこの固定フレーム9の長手方向で摺動自在に嵌合してその上端部に上記シート7を支持する可動フレーム10と、上記固定フレーム9に対し所望の高さにまで摺動させた可動フレーム10を上記固定フレーム9に着脱自在に締結させる締結具11とで構成されている。
【0058】
特に図1と図3において、上記シートフレーム8をより具体的に説明すると、固定フレーム9と可動フレーム10は共に断面円形のパイプ材で成形され、固定フレーム9と可動フレーム10とは同じ軸心13上に位置して、固定フレーム9に対し可動フレーム10がその軸方向で摺動自在に嵌入され、いわゆるテレスコピック形とされている。上記軸心13は後上り状の縦向きとされている。
【0059】
上記固定フレーム9に対し可動フレーム10を所望高さにまで摺動させて、締結具11により、上記可動フレーム10を固定フレーム9に締結させることで、上記可動フレーム10に支持されたシート7が上下方向の任意位置に調整可能とされている。
【0060】
前記ヘッドパイプ3にはその軸心4回りにフロントフォーク15が操向自在に支承されている。このフロントフォーク15の下端に前車軸16により前車輪17が回転自在に支承され、同上フロントフォーク15の上端部にはバー式のハンドル18が取り付けられている。
【0061】
図1から図6において、上記車体フレーム2の主フレーム6の後端部には、前後方向に延びるリヤアーム20の前端部21が枢支軸22により枢支されている。この場合、上記前端部21は上記主フレーム6の下側に配設されている。そして、上記枢支軸22の軸心は左右に延び、この枢支軸22の軸心を中心として同上リヤアーム20の後端部23が上下方向に揺動自在とされている。上記リヤアーム20の揺動端である上記後端部23には後車軸25が左右一対の軸受26,26により左右に延びる軸心回りに回転自在に支承されている。この後車軸25の一端部は上記リヤアーム20の後端部23の側方に突出し、この後車軸25の自由端に後車輪27が固着されて、この後車輪27は上記後車軸25と共にその軸心回りに回転自在とされている。
【0062】
図1から図5において、上記リヤアーム20は、その前端部21が前部ハウジング29で形成され、その後端部23が後部ハウジング30で形成されている。また、同上リヤアーム20は、前後方向に延びて上記前部ハウジング29と後部ハウジング30との間に介設されこれらをそれぞれ互いに着脱自在に締結させる中間部ハウジング31を有している。また、上記前端部21は上記前部ハウジング29の前面から前方に一体的に突出する第1ボス部32を有し、この第1ボス部32の突出端が上記主フレーム6の下面側に固着されたブラケット33に前記枢支軸22により枢支されている。なお、上記ブラケット33は上記車体フレーム2の一部を構成している。
【0063】
上記車体フレーム2の後下部と、上記枢支軸22から後車軸25に至る間のリヤアーム20の長手方向の中途部との間に軸心35が少し前傾した縦向きの緩衝器36が架設されている。より具体的には、この緩衝器36の一端部である上端部は、上枢支具37により上記固定フレーム9の軸方向の中途部に連結されている。また、同上緩衝器36の他端部である下端部は、下枢支具38によりリヤアーム20の前端部21の前後方向の中途部に連結されている。なお、上記緩衝器36の軸心35は前後方向に延びるものであってもよい。
【0064】
上記上枢支具37は上記固定フレーム9に緩衝器36の上端部を枢支させる枢軸39で構成されている。この枢軸39は上記固定フレーム9と緩衝器36に着脱自在とされており、これにより、上記車体フレーム2に対する緩衝器36の連結が復元可能に解除可能とされている。
【0065】
上記下枢支具38はリンク機構41を有し、このリンク機構41は上記可動フレーム10に枢軸42により回動自在に枢支された第1リンク43と、上記緩衝器36の下端部に枢軸44により回動自在に枢支された第2リンク45と、これら第1リンク43と第2リンク45のそれぞれの回動端を連結させる枢軸46とを備えている。
【0066】
上記リヤアーム20の前端部21の前部ハウジング29から後上方に向って第2ボス部48が一体的に突出し、この第2ボス部48は、上記リヤアーム20の前端部21の一部を構成している。上記第2ボス部48の突出端が上記第2リンク45の長手方向の中途部に枢軸49により枢支され、この枢支により、上記緩衝器36の下端部が上記リンク機構41によりリヤアーム20の前端部21に連結されている。なお、上記下枢支具38がリンク機構41を備えず、枢軸44だけで構成され、この枢軸44により緩衝器36を第2ボス部48に直接的に連結させてもよい。
【0067】
上記枢軸49にはハンドル50が取り付けられていて、このハンドル50を回転操作すれば、上記枢軸49が上記第2リンク45と第2ボス部48に着脱自在であり、これにより、上記リヤアーム20に対する緩衝器36の連結が復元可能に解除可能とされている。
【0068】
上記車体フレーム2やシート7は、フロントフォーク15、リヤアーム20、および緩衝器36を介し前車輪17と後車輪27とにより路面54上に支持されている。上記緩衝器36は、油を内有して伸縮自在なシリンダ52と、このシリンダ52を伸長する方向に弾性的に付勢するばね53とで構成されている。そして、上記後車輪27側からリヤアーム20を介して車体フレーム2側に伝わろうとする衝撃や振動は、上記リヤアーム20の揺動に伴う緩衝器36の伸縮動作によって、吸収されるようになっている。
【0069】
図3から図5において、上記リヤアーム20の前端部21にペダル56を支持するクランク軸57が支承されている。このクランク軸57は、前記枢支軸22とは別体として設けられたもので、上記前部ハウジング29に対し、左右一対の軸受58,58により左右に延びる軸心59回りに回動自在に支承されるクランク主軸60を備えている。このクランク主軸60の左右両端はそれぞれ上記前部ハウジング29の外側方に突出しており、このクランク主軸60の各端部にそれぞれクランクアーム62が取り付けられている。これら両クランクアーム62,62は、上記クランク主軸60の径方向外方に向って互いに逆方向に突出し、これら両クランクアーム62,62の各突出端にそれぞれ上記ペダル56が支承されている。
【0070】
上記クランク主軸60は上記枢支軸22よりも後側に位置している。また、クランク主軸60の回りに各ペダル56が回転して、一方のペダル56が「回転軌跡」のほぼ前端に達したとき、このペダル56は上記枢支軸22よりも前側に位置することとなっている。
【0071】
図3から図6において、上記クランク軸57のクランク主軸60に上記後車輪27を連動連結させるドライブシャフト63が設けられている。このドライブシャフト63は上記リヤアーム20の内部に収納されるように設けられ、このリヤアーム20に前後軸受64,64によりその軸心65回りに回動自在に支承されている。上記リヤアーム20の中間部ハウジング31は上記ドライブシャフト63の軸心65と同じ軸心を有している。
【0072】
上記クランク主軸60と、上記ドライブシャフト63の前端部66とは前ベベルギヤ組67で連動連結され、前記後車軸25と、同上ドライブシャフト63の後端部68とは後ベベルギヤ組69で連動連結されている。また、上記後車軸25と後ベベルギヤ組69との間にはワンウェイクラッチ70が介設され、このワンウェイクラッチ70は上記ドライブシャフト63側から後車輪27へのみの動力伝達を許容する。
【0073】
平面視で、上記車体フレーム2、フロントフォーク15、前車輪17、後車軸25、後車輪27、クランク軸57は、車幅方向で車体の中心を通る車体中心71上に位置している。
【0074】
平面視で、上記リヤアーム20と、ドライブシャフト63の各前端部21,66は上記後車輪27よりも前側で上記車体中心71の右側の外側方近傍に配設されている。一方、同上リヤアーム20と、ドライブシャフト63の各後端部23,68側は、上記後車輪27の右側の外側方近傍に配設されている。この場合、上記各前端部21,66は、できるだけ車体中心71に接近させるために、リヤアーム20とドライブシャフト63の軸心65は前側に進むに従い車体中心71に近づくよう傾斜させられている。
【0075】
図1、図2、および図6において、上記後車輪27の回転を制動するディスク式の後ブレーキ74が設けられている。この後ブレーキ74は上記後車軸25に支持されるディスク75と、このディスク75を油圧力で挟み付けて上記制動を行うキャリパ76とで構成され、このキャリパ76は上記リヤアーム20に支持されている。
【0076】
図1、図3、図5、および図6において、シート7に着座した着座者がハンドル18を把持して、上記両ペダル56,56を交互に踏み込むことにより、上記クランク軸57をその軸心59回りに回転させれば(図中矢印A)、この動力が上記前ベベルギヤ組67、ドライブシャフト63、後ベベルギヤ組69、および後車軸25を介して(図中矢印B)、上記後車輪27に伝えられ、これによって、この後車輪27が路面54上を転動し(図中矢印C)、この路面54上を自転車1が走行させられる。
【0077】
上記実施例の構成によれば、図1から図3において、車体フレーム2の主フレーム6にリヤアーム20の前端部21が枢支軸22により枢支され、上記車体フレーム2と、リヤアーム20の長手方向の中途部とに緩衝器36が架設され、上記リヤアーム20の長手方向の中途部に、ペダル56を支持するクランク軸57が支承されている。
【0078】
このため、乗員が上記ペダル56をその上方から下方に向って踏み込んで、このときの動力を後車輪27に伝えようとするときにおいて、「回転軌跡」のほぼ前端に上記ペダル56が達して踏み込み力(図3中矢印D)がほぼ最大となるこのペダル56と、このペダル56の後側に位置している枢支軸22との間の前後方向の寸法Eが、同上枢支軸22回りにペダル56を回転させるようにしていた従来に比べて、より短くなることから、上記踏み込み力Dによって生じる枢支軸22の回りの「モーメント」が小さくなる。よって、上記リヤアーム20の後端部23側を上方に回動させる力が弱められ、これにより、上記リヤアーム20に押されて緩衝器36が無駄に縮小させられるということが抑制される。
【0079】
なお、上記「回転軌跡」のほぼ前端に達したペダル56が、上記枢支軸22よりも後側に位置するように構成された場合には、上記ペダル56への踏み込み力Dは、リヤアーム20の後端部23側を上方に回動させることはないため、上記無用な動力損失の発生は未然に防止される。
【0080】
図1から図3において、前記したように後車輪27よりも前側に位置するリヤアーム20の前端部21に、緩衝器36の他端部が連結させられている。
【0081】
このようにして、リヤアーム20の前端部21は、後車輪27との接触を避けて車幅方向の車体中心71の近傍に配置させられており、また、上記前端部21に連結させた緩衝器36も同上後車輪27との接触を避けて上記車体中心71の近傍(車体中心71上を含む)に配置されている。これにより、自転車1の走行時に、後車輪27側からリヤアーム20や上記緩衝器36に衝撃力が与えられるとき、リヤアーム20から緩衝器36に向う衝撃力と、緩衝器36からリヤアーム20に向うその反力とはほぼ上記車体中心71でリヤアーム20や緩衝器36に与えられる。このため、リヤアーム20に捩りの生じることが抑制されて、このリヤアーム20に与えられる負荷が小さく抑制される。また、上記緩衝器36に曲げモーメントが与えられることが抑制されて、この緩衝器36の伸縮動作にこじりの生じることが抑制される。
【0082】
また、上記緩衝器36は車体中心71の近傍に配設させられているため、上記車体フレーム2とリヤアーム20とに対する緩衝器36の位置精度は向上させ易くなり、その分、自転車1の組み立て等の成形がし易くなる。また、緩衝器36が車体中心71の近傍に位置した分、車体の幅寸法を小さくできて、車体の小形化が達成され、かつ、車体の重心を車体中心71に接近させることができて、運転時のバランスが改善される。
【0083】
更に、前記したように、リヤアーム20の前端部21に緩衝器36を連結させたため、上記リヤアーム20の後端部23側の上方の空間78は後上方に向って開放されることとなる。
【0084】
よって、自転車1に着座しようとして、シート7の後方からこのシート7に跨がろうとする場合には、上記空間78を利用できて、上記自転車1への乗降が容易にできることとなる。
【0085】
また、前記したように、主フレーム6の下側にリヤアーム20の前端部21を配設したため、上記主フレーム6の後端部は上記リヤアーム20に規制されずに十分に後方に延出させることができる。そこで、主フレーム6の後端部を後方に延出させることにより、この主フレーム6の後端部から上方に向って突設されるシートフレーム8を、より垂直にさせてある。このため、シート7上の着座者の負荷が上記シートフレーム8に曲げモーメントを与えることが抑制されて、この負荷は上記シートフレーム8にその軸方向力として支持され、上記着座者は上記シート7を介し、より強固に主フレーム6に支持されている。
【0086】
特に図7において、枢軸49とハンドル50への操作により、リヤアーム20の第2ボス部48に対する緩衝器36の連結を解除し、上記リヤアーム20から緩衝器36を離脱させ、かつ、枢支軸22の回りに上記車体フレーム2の主フレーム6とリヤアーム20とをこれらが互いに接近するよう相対回動させれば、これら主フレーム6とリヤアーム20とが互いに接近して折り畳み可能とされている。なお、枢軸39と枢軸42への操作により、車体フレーム2に対する緩衝器36の連結を解除させるようにして、上記と同様に折り畳み可能としてもよい。この際、リンク機構41が設けられていない場合には、枢軸39だけの操作で車体フレーム2に対する緩衝器36の連結を解除させることができて、操作が簡単である。
【0087】
このため、自転車1を持ち運びする際には、車体フレーム2、もしくはリヤアーム20から緩衝器36を離脱させ、枢支軸22の回りで車体フレーム2の主フレーム6とリヤアーム20とを相対回動させて(図7中矢印F,G)、これら車体フレーム2の主フレーム6とリヤアーム20とを折り畳む。すると、自転車1はコンパクトな形状となって、これの持ち運びが容易となる。
【0088】
また、上記したように、車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳み可能としたのに加え、車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳んだとき、上記固定フレーム9に対する可動フレーム10の摺動軌跡79の外部に上記リヤアーム20が位置するようにしてある。
【0089】
このため、上記したように、車体フレーム2の主フレーム6とリヤアーム20とを折り畳んで、自転車1をコンパクトな形状にした状態での上記固定フレーム9に対する可動フレーム10の摺動は、上記リヤアーム20に邪魔されることなくできることとなる。
【0090】
よって、上記したように車体フレーム2の主フレーム6とリヤアーム20とを折り畳み、更に、図7中矢印Hで示すように、固定フレーム9に対し可動フレーム10を摺動させて上記主フレーム6やリヤアーム20に対しシート7をより接近させれば、自転車1を更にコンパクトにすることができる。
【0091】
また、前記ハンドル18はフロントフォーク15の軸心4から前上方に突出しているため、上記ハンドル18をフロントフォーク15と共に軸心4回りに回転させて、図7で示すように上記ハンドル18をシート7側に接近させれば、自転車1が、よりコンパクトになる。
【0092】
【発明の効果】
この発明によれば、次の効果がある。
【0093】
請求項1の発明によれば、車体フレームにリヤアームの前端部を枢支軸により枢支し、上記車体フレームと、リヤアームの長手方向の中途部とに緩衝器を架設し、上記クランク軸のクランク主軸を、上記枢支軸よりも後側で、上記リヤアームの前端部に支承させてある。
【0094】
このため、上記ペダルを踏み込んで、このときの動力を後車輪に伝えようとするときにおいて、「回転軌跡」のほぼ前端に上記ペダルが達して踏み込み力がほぼ最大となるこのペダルと、このペダルの後側に位置している枢支軸との間の前後方向の寸法が、同上枢支軸回りにペダルを回転させるようにしていた従来に比べて、より短くなることから、上記踏み込み力によって生じる枢支軸の回りの「モーメント」が小さくなる。よって、上記リヤアームの後端部側を上方に回動させる力が弱められ、これにより、上記リヤアームに押されて緩衝器が無駄に縮小させられるということが抑制される。
【0095】
よって、その分、ペダルから後車輪に伝えられる動力が上記緩衝器によって無駄に消費されるということが抑制されて、無駄な動力損失の発生が防止される。
【0096】
また、上記したように「モーメント」が小さくなる分、これに対応するための上記緩衝器の容量は小さくて足りる。
【0097】
よって、上記緩衝器を小形にさせることができると共に、軽量にさせることができる。
【0098】
請求項2の発明によれば、後車輪よりも前側に位置するリヤアームの前端部に、緩衝器の他端部を連結させてある。
【0099】
このため、リヤアームの前端部は、後車輪との接触を避けて車幅方向の車体中心の近傍に配置させることができると共に、上記前端部に連結させた緩衝器も同上後車輪との接触を避けて上記車体中心の近傍に配置させることができる。これにより、自転車の走行時に、後車輪側からリヤアームや緩衝器に衝撃力が与えられるとき、リヤアームから緩衝器に向う衝撃力と、緩衝器からリヤアームに向うその反力とはほぼ上記車体中心でリヤアームや緩衝器に与えられる。よって、リヤアームに捩りの生じることが抑制されて、このリヤアームに無用に大きい負荷が与えられることが抑制され、また、上記緩衝器に曲げモーメントが与えられることが抑制されて、この緩衝器の伸縮動作にこじりの生じることが抑制される。
【0100】
よって、その分、リヤアームや緩衝器には大きい強度が要求されないことから、これらを小形、かつ、軽量にすることができる。
【0101】
また、上記緩衝器は車体中心の近傍に配設させることができるため、上記車体フレームとリヤアームとに対する緩衝器の位置精度は向上させ易くなり、よって、これらの成形や組立作業がし易くなる。
【0102】
更に、上記したように、リヤアームの前端部に緩衝器を連結させたため、上記リヤアームの後端部側の上方の空間は後上方に向って開放されることとなる。
【0103】
よって、自転車に着座しようとして、シートの後方からこのシートに跨がろうとする場合には、上記空間を利用することにより、上記自転車への乗降が容易にできることとなる。
【0104】
前記したように、請求項1の発明によれば、リヤアームを枢支する枢支軸と、ペダルを支持するクランク軸とは別体とされており、このため、これら枢支軸とクランク軸の配置が互いに規制されるということが回避される。このため、上記クランク軸の存在にかかわらず、車体フレームに対するリヤアームの枢支部を自由に配置できる。
【0105】
そして、この構成に基づく請求項3の発明によれば、車体フレームがその前端部を形成してフロントフォークを操向自在に支承するヘッドパイプと、このヘッドパイプから後方に向って延びる主フレームと、この主フレームの後端部から上方に向って突設されその上端部にシートを支持するシートフレームとを備え、上記主フレームの下側にリヤアームの前端部を配設してある。
【0106】
このため、上記主フレームに対するリヤアームの枢支部の配置が車体フレームの主フレームによって規制されることも回避される。
【0107】
そこで、上記枢支部を十分に前方に位置させれば、リヤアームの長さを十分に長くでき、よって、このリヤアームに連結された緩衝器のレバー比の設定の自由度が向上して、この緩衝器による衝撃力の吸収が十分になされることとなる。
【0108】
また、上記したように、主フレームの下側にリヤアームの前端部を配設したため、上記主フレームの後端部は上記リヤアームに規制されずに十分に後方に延出させることができる。
【0109】
よって、上記主フレームの後端部から上方に向って突設されるシートフレームを、より垂直にさせることができ、これにより、シート上の着座者の負荷が上記シートフレームに曲げモーメントを与えることが抑制されて、この負荷は上記シートフレームにその軸方向力として支持される。この結果、上記着座者は上記シートを介し、より強固に主フレームに支持されることとなる。
【0110】
請求項4の発明によれば、車体フレーム、もしくはリヤアームに対する緩衝器の連結を解除可能とし、上記車体フレーム、もしくはリヤアームから緩衝器を離脱させ、かつ、枢支軸の回りに上記車体フレームとリヤアームとを相対回動させることにより、これら車体フレームとリヤアームとを互いに接近させて折り畳み可能としてある。
【0111】
このため、自転車を持ち運びする際には、車体フレーム、もしくはリヤアームから緩衝器を離脱させ、枢支軸の回りで車体フレームとリヤアームとを相対回動させて、これら車体フレームとリヤアームとを折り畳む。すると、自転車をコンパクトな形状にでき、よって、この自転車の持ち運びが容易にできる。
【0112】
上記したように、請求項4の発明によれば、車体フレームとリヤアームとを折り畳み可能としてある。そして、この構成に基づく請求項5の発明によれば、シートフレームを、主フレームに固着されてこの主フレームの後端部から上方に向って突設される固定フレームと、この固定フレームの上端側にこの固定フレームの長手方向で摺動自在に嵌合してその上端部にシートを支持する可動フレームとで構成し、車体フレームとリヤアームとを折り畳んだとき、上記固定フレームに対する可動フレームの摺動軌跡の外部に上記リヤアームを位置させるようにしてある。
【0113】
このため、上記したように、車体フレームとリヤアームとを折り畳んで、自転車をコンパクトな形状にした状態での上記固定フレームに対する可動フレームの摺動は、上記リヤアームに邪魔されることなくできることとなる。
【0114】
よって、上記したように車体フレームとリヤアームとを折り畳み、更に、固定フレームに対し可動フレームを摺動させて上記車体フレームやリヤアームに対しシートをより接近させれば、自転車を更にコンパクトにすることができ、この自転車の持ち運びが更に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自転車の全体側面図である。
【図2】自転車の部分平面図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】図3の4‐4線矢視断面図である。
【図5】図2の部分拡大断面図である。
【図6】図2の部分拡大断面図である。
【図7】図1に相当する図で、折り畳みの作用説明図である。
【符号の説明】
1 自転車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
6 主フレーム
7 シート
8 シートフレーム
9 固定フレーム
10 可動フレーム
15 フロントフォーク
17 前車輪
20 リヤアーム
21,66 前端部
22 枢支軸
23,68 後端部
25 後車軸
27 後車輪
35 軸心
36 緩衝器
54 路面
56 ペダル
57 クランク軸
60 クランク主軸
63 ドライブシャフト
71 車体中心
78 空間
79 摺動軌跡
D 踏み込み力
E 寸法

Claims (5)

  1. 車体フレームに、前後方向に延びるリヤアームの前端部を枢支軸により枢支し、この枢支軸を中心として同上リヤアームの後端部を上下方向に揺動自在とし、このリヤアームの後端部に後車輪を支承し、一端部が上記車体フレームに連結され、他端部が上記リヤアームの長手方向の中途部に連結される緩衝器を設け、一方、ペダルを支持するクランク軸を設けると共に、このクランク軸に上記後車輪を連動連結させるドライブシャフトを設け、このドライブシャフトを上記リヤアームの内部に設け、これらリヤアームとドライブシャフトの各後端部側を上記後車輪の外側方に配設したシャフトドライブ式自転車の懸架構造において、
    上記クランク軸のクランク主軸を、上記枢支軸よりも後側で、上記リヤアームの前端部に支承させたシャフトドライブ式自転車の懸架構造。
  2. 後車輪よりも前側に位置するリヤアームの前端部に、緩衝器の他端部を連結させた請求項1に記載のシャフトドライブ式自転車の懸架構造。
  3. 車体フレームがその前端部を形成してフロントフォークを操向自在に支承するヘッドパイプと、このヘッドパイプから後方に向って延びる主フレームと、この主フレームの後端部から上方に向って突設されその上端部にシートを支持するシートフレームとを備え、上記主フレームの下側にリヤアームの前端部を配設した請求項1、もしくは2に記載のシャフトドライブ式自転車の懸架構造。
  4. 車体フレーム、もしくはリヤアームに対する緩衝器の連結を解除可能とし、上記車体フレーム、もしくはリヤアームから緩衝器を離脱させ、かつ、枢支軸の回りに上記車体フレームとリヤアームとを相対回動させることにより、これら車体フレームとリヤアームとを互いに接近させて折り畳み可能とした請求項1から3のうちいずれか1つに記載のシャフトドライブ式自転車の懸架構造。
  5. シートフレームを、主フレームに固着されてこの主フレームの後端部から上方に向って突設される固定フレームと、この固定フレームの上端側にこの固定フレームの長手方向で摺動自在に嵌合してその上端部にシートを支持する可動フレームとで構成し、車体フレームとリヤアームとを折り畳んだとき、上記固定フレームに対する可動フレームの摺動軌跡の外部に上記リヤアームを位置させるようにした請求項4に記載のシャフトドライブ式自転車の懸架構造。
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