WO2021131101A1 - リーン型車両 - Google Patents

Abstract

リーン型車両は、車体と、左前輪（３１Ｌ）と、右前輪（３１Ｒ）と、リーン機構（４２）と、リーンブレーキ機構（５０）と、を備える。リーン機構（４２）は、車体が前後方向を回転中心として傾斜した際に左前輪（３１Ｌ）及び右前輪（３１Ｒ）を前後方向を回転中心として傾斜させる。リーンブレーキ機構（５０）は、リーン機構（４２）によるリーン動作を制動する。リーンブレーキ機構（５０）は、ブレーキキャリパ（６０）と、ブレーキディスク（７０）と、を備える。ブレーキキャリパ（６０）は、リーン機構（４２）に取り付けられており、ブレーキパッド（６５）を有する。ブレーキディスク（７０）は、上アーム（４３）及び下アーム（４４）のうち正面視でブレーキパッド（６５）から遠い方の下アーム（４４）に取り付けられており、ブレーキパッド（６５）が押し付けられることで制動力を発生する接触部（７３）を有する。

Description

リーン型車両

　本発明は、主として、旋回時等に車体を傾斜させるリーン型車両に関する。

　特許文献１は、２つの前輪と、１つの後輪と、を備えるローリング三輪車両を開示する。このローリング三輪車両は、前輪の交換時等に車両のローリングを防止するためのロール防止装置を備える。ロール防止装置は、停止部材と、固定部材と、を備える。停止部材は、車両をローリングさせる部材と一体的に移動する。固定部材は、前輪の交換時等に停止部材をフレームに対して固定する。この構成により、片方の前輪を持ち上げた状態で、前輪の交換作業を行うことができる。

特開２００６－１６０２５４号公報

　特許文献１には、固定部材の構成について詳細に開示されていない。つまり、特許文献１には、ロール防止装置がローリング（リーン動作）を防止する力の大きさ、及び、ロール防止装置のサイズについて開示されていない。

　本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、制動力が大きく、かつ、コンパクトな構成のリーンブレーキ機構を備えるリーン型車両を提供することにある。

　本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。

　本発明の観点によれば、以下の構成のリーン型車両が提供される。即ち、リーン型車両は、車体と、第１前輪と、第２前輪と、リーン機構と、リーンブレーキ機構と、を備える。前記第１前輪は、車幅方向の第１側に位置している。前記第２前輪は、車幅方向の第１側の反対側である第２側に位置している。前記リーン機構は、前記車体が前後方向を回転中心として傾斜した際に前記第１前輪及び前記第２前輪を前後方向を回転中心として傾斜させる。前記リーンブレーキ機構は、前記リーン機構によるリーン動作を制動する。前記リーン機構は、上アームと、下アームと、第１アームと、第２アームと、リーンベースと、を備える。前記下アームは、前記上アームよりも下方に位置している。前記第１アームは、前記第１前輪に取り付けられるとともに、前記上アーム及び前記下アームに回転可能に取り付けられる。前記第２アームは、前記第２前輪に取り付けられるとともに、前記上アーム及び前記下アームに回転可能に取り付けられる。前記リーンベースは、前記上アーム及び前記下アームを前記車体に連結する。前記リーンブレーキ機構は、ブレーキキャリパと、ブレーキディスクと、を備える。前記ブレーキキャリパは、前記リーン機構に取り付けられており、ブレーキパッドを有する。前記ブレーキディスクは、前記上アーム及び前記下アームのうち正面視で前記ブレーキパッドから遠い方のアームに取り付けられており、前記ブレーキパッドが押し付けられることで制動力を発生する接触部を有する。

　これにより、ブレーキパッドから遠い方のアームにブレーキディスクを取り付けることで、回転半径が大きくなるので制動力を高くすることができる。また、リーンブレーキ機構がリーン機構に取り付けられていることで、リーンブレーキ機構をコンパクトにすることができる。以上により、リーンブレーキの制動力を大きくしつつ、コンパクトな構成が実現できる。

　本発明によれば、制動力が大きく、かつ、コンパクトな構成のリーンブレーキ機構を備えるリーン型車両を実現できる。

本発明の一実施形態に係るリーン型車両の側面図。 リーン型車両の前部の側面図。 リーン機構にブレーキディスクを取り付ける様子を示す背面側の斜視図。 リーン機構にリーンブラケットを取り付ける様子を示す背面側の斜視図。 リーン機構にブレーキキャリパーを取り付ける様子を示す背面側の斜視図。 リーン機構及びリーンブレーキ機構の背面側の斜視図。 リーン機構及びリーンブレーキ機構の背面図。 比較例に係るリーン動作及びリーンブレーキ動作を示す概略背面図。 本実施形態に係るリーン動作及びリーンブレーキ動作を示す概略背面図。

　次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、リーン型車両１に乗車した運転者から見た方向で、リーン型車両１の左右方向を定義する。従って、リーン型車両１が直立している状態では、前後方向は車長方向に一致し、左右方向は車幅方向に一致する。また、上下方向（鉛直方向）は高さ方向に一致する。

　以下の説明では、ＡがＢに取り付けられる（支持される）と記載した場合は、ＡがＢに直接取り付けられる（支持される）構成だけでなく、別の部材を介して取り付けられる（支持される）構成も含むものとする。また、Ａが車幅方向中央と重なるとは、例えば平面視又は正面視においてリーン型車両の車幅方向中央を通る仮想線がＡと重なることである。また、前部とは、前後方向に２分割又は３分割した場合の最も前側の部分である（後部等についても同様）。また、部材の位置について説明するときは、リーン型車両１が直立している状態、舵角が中立である状態、かつ、自重以外の荷重が掛かっていない状態における位置を示すものとする。

　初めに、図１と図２を参照して、リーン型車両１の概要について説明する。

　リーン型車両１は、車体２と、左前輪（第１前輪）３１Ｌと、右前輪（第２前輪）３１Ｒと、後輪９と、を備える。車体２は、リーン型車両１の骨格となる車体フレーム３を含んでいる。車体フレーム３は、複数のフレーム要素がボルト又は溶接等で連結された構成である。

　左前輪３１Ｌは、車幅方向中央に対して左側（第１側）に配置されている。右前輪３１Ｒは、車幅方向中央に対して右側（第２側）に配置されている。左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒは、車体フレーム３に取り付けられる。

　後輪９は、車幅方向中央に配置されている。車体フレーム３の後部には、車体フレーム３に対して上下に搖動可能なスイングアーム４が取り付けられている。後輪９は、スイングアーム４に取り付けられている。

　車体フレーム３には、エンジン５が取り付けられている。エンジン５は、リーン型車両１を走行させるための駆動源である。エンジン５が発生させた動力は、ドライブチェーン６を介して後輪９に伝達される。これにより、リーン型車両１を走行させることができる。エンジン５に代えて又は加えて他の駆動源、例えば走行用の電動モータが設けられていてもよい。あるいは、エンジン５に代えて、走行用の動力を運転者が付与するためのペダル等が設けられていてもよい。

　車体フレーム３には、バーハンドル型のステアリングハンドル７が取り付けられている。運転者がステアリングハンドル７に回転操舵力を加えることで、この回転操舵力が後述の機構及び操舵ロッド２６を介して左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒに伝達される。その結果、リーン型車両１の進行方向を変化させることができる。以下では、リーン型車両１の進行方向が変化することをリーン型車両１が旋回すると称することがある。また、リーン型車両１は、後述のリーン機構により、旋回時において、路面に対して旋回中心側に傾斜する（リーンする）。なお、ステアリングハンドル７は、バーハンドル型に限られず、ステアリングホイールであってもよい。

　ステアリングハンドル７の後方には、運転者が着座するためのシート８が配置されている。車体２の左側面と右側面にはそれぞれ図略のステップが配置されている。運転者は、シート８に跨って、左右のステップに足を載せる。このように、リーン型車両１は、運転者がシート８に跨って着座する種類の車両（鞍乗型車両）である。

　図２に示すように、リーン型車両１の前部にはサスペンション１０が配置されている。サスペンション１０は、車体２と左前輪３１Ｌを連結するとともに、車体２と右前輪３１Ｒを連結している。サスペンション１０は、路面の凹凸等による左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒの振動が車体２に直接伝達しないように、車体２に伝達される振動を軽減する。サスペンション１０は、第１筒状サスペンション１１と、第２筒状サスペンション１２と、を備える。第１筒状サスペンション１１と第２筒状サスペンション１２は、左右方向に並べて配置されており、かつ、互いに連結されている。第１筒状サスペンション１１及び第２筒状サスペンション１２は、自動二輪車に一般的に採用されるフロントフォークと同じ構成である。つまり、第１筒状サスペンション１１及び第２筒状サスペンション１２は、アウターチューブと、インナーチューブと、それらを接続するスプリングと、を備える。なお、サスペンション１０は、フロントフォーク型に限られない。

　第１筒状サスペンション１１及び第２筒状サスペンション１２のアウターチューブは、上連結部材１４によって連結されている。上連結部材１４は、車体フレーム３の前部に位置する前フレーム３ａに取り付けられている。第１筒状サスペンション１１及び第２筒状サスペンション１２のインナーチューブは、下連結部材１５（図２）によって連結されている。下連結部材１５は、下連結ベース１６に取り付けられている。下連結ベース１６には、後述の機構を介して、左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒが取り付けられている。

　左前輪３１Ｌと右前輪３１Ｒは、車幅方向中央を基準として左右対称である。そのため、以下では、左前輪３１Ｌのみを説明し、右前輪３１Ｒ（右ホイール３２Ｒ、右タイヤ３３Ｒ）及び右ブレーキ等に関する説明を省略する。

　左前輪３１Ｌは、左ホイール３２Ｌと、左タイヤ３３Ｌと、を備える。また、左ホイール３２Ｌの車幅方向外側には、左ブレーキ（前輪ブレーキ機構）３４Ｌが取り付けられている。左ブレーキ３４Ｌは、左ホイール３２Ｌに取り付けられた前輪用ブレーキディスクを前輪用ブレーキキャリパで挟むことで、左前輪３１Ｌを制動する。なお、左ブレーキ３４Ｌは、左ホイール３２Ｌの車幅方向内側に取り付けられていてもよい。

　左ホイール３２Ｌは、ハブ３２ａと、スポーク３２ｂと、リム３２ｃと、を備える。ハブ３２ａには、車軸が挿入されるハブ孔が形成されている。スポーク３２ｂは、ハブ３２ａから放射状に外側に延びる形状である。リム３２ｃは、スポーク３２ｂの径方向外側に接続されており、左タイヤ３３Ｌが取り付けられる。

　左ホイール３２Ｌの車幅方向の内側には、左ナックル部材としての左アーム４５が取り付けられている（図３、図９）。上述の操舵ロッド２６の車幅方向外側の端部は左アーム４５に回転可能に取り付けられている。詳細には、左アーム４５は、上下に延びる部分と、後方に延びる部分と、を有しており、後方に延びる部分に操舵ロッド２６が取り付けられている。操舵ロッド２６は、左アーム４５を介して、操舵力を左前輪３１Ｌに伝達する。なお、左アーム４５は、後述のリーン機構の一部としても構成されている。つまり、本実施形態の左アーム４５は、実舵角を変更するためのナックル部材と、リーン型車両１をリーンさせるための部材と、を共通化したものである。また、左アーム４５が後方ではなく前方に延びる部分を有し、この前方に延びる部分に操舵ロッド２６が取り付けられていてもよい。

　ステアリングハンドル７の下方には、図２に示すように、パンタグラフ機構２４が設けられている。パンタグラフ機構２４は、車幅方向中央に重なるように位置している。パンタグラフ機構２４は、第１リンク部２４ａと、第２リンク部２４ｂと、を備える。第１リンク部２４ａは、ステアリングハンドル７に、車幅方向を回転中心として回転可能に取り付けられている。第２リンク部２４ｂは、後述の補助操舵部２５に、車幅方向を回転中心として回転可能に取り付けられている。第１リンク部２４ａと第２リンク部２４ｂは、車幅方向を回転中心として回転可能に互いに連結されている。

　以上の構成により、車体２側のステアリングハンドル７と、路面の凹凸に応じて上下する補助操舵部２５と、の相対距離が変化した場合であっても、ステアリングハンドル７と補助操舵部２５が連結された状態を維持することができる。従って、路面の凹凸等によりサスペンション１０が伸縮した場合であっても、回転操舵力が伝達可能な状態を維持できる。

　本実施形態では、ステアリングハンドル７とパンタグラフ機構２４の回転軸は同軸であるが、異なっていてもよい。ステアリングハンドル７とパンタグラフ機構２４の連結を中継する別の部材が設けられてもよい。

　補助操舵部２５は、車幅方向中央に重なるように位置している。補助操舵部２５は、パンタグラフ機構２４を介して伝達された回転操舵力を操舵ロッド２６に伝達する。補助操舵部２５は、サスペンション取付部２５ａと、ロッド取付部２５ｂと、を備える。

　サスペンション取付部２５ａは、パンタグラフ機構２４（詳細には第２リンク部２４ｂ）に取り付けられている。サスペンション取付部２５ａは、更に、下連結ベース１６に取り付けられている。補助操舵部２５は操舵に応じて回転するが、下連結ベース１６は操舵に応じて回転しない。そのため、補助操舵部２５は、下連結ベース１６に対して相対回転可能に取り付けられている。

　ロッド取付部２５ｂは、サスペンション取付部２５ａの下部に取り付けられている。ロッド取付部２５ｂは、サスペンション取付部２５ａから後方に延びる部分と、下方に延びる部分と、を含んでいる。この構成により、サスペンション取付部２５ａの下方に空間を形成できる。この空間には、後述のリーン機構の一部が配置される。なお、操舵ロッド２６が車軸よりも前方に配置される場合は、ロッド取付部２５ｂは、サスペンション取付部２５ａから前方に延びる部分と、下方に延びる部分と、を含んでいることが好ましい。

　操舵ロッド２６は、ロッド取付部２５ｂに対して回転可能に取り付けられている。操舵ロッド２６の長手方向は車幅方向に一致している。操舵ロッド２６の左端は、左前輪３１Ｌ（詳細には左前輪３１Ｌのうち車軸よりも後方）に取り付けられている。操舵ロッド２６の右端は、右前輪３１Ｒ（詳細には右前輪３１Ｒのうち車軸よりも後方）に取り付けられている。運転者が加えた回転操舵力によってロッド取付部２５ｂが所定の回転軸線を中心に回転することで、操舵ロッド２６が左右の何れかに移動する。その結果、実舵角が変化する。実舵角とは、左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒの向き（詳細には略上下方向を回転中心とした回転角度）である。以上のようにして、運転者の操作に応じてリーン型車両１の進行方向を変化させることができる。

　次に、主に図３を参照して、リーン機構４２について説明する。

　また、リーン機構４２の説明において、回転可能に取り付けられているとは、前後方向を回転中心として、相対回転可能に取り付けられていることを意味する。

　下連結ベース１６の下側には、リーンベース４１が取り付けられている。リーンベース４１は、リーン機構４２を支持するとともに、リーン機構４２を車体２側（車体フレーム３側）に連結するための部材である。リーンベース４１は、車幅方向中央と重なるように位置している。

　リーンベース４１は、上取付部４１ａと、下取付部４１ｃと、を備える。上取付部４１ａ及び下取付部４１ｃは、後側（前後方向の一側、以下同じ）の面に形成されている。上取付部４１ａ及び下取付部４１ｃは、リーンベース４１の前側の面に形成されていてもよい。また、本実施形態では、上取付部４１ａと下取付部４１ｃの前後方向の位置は同じであるが、異なっていてもよい。

　リーン機構４２は、上アーム４３と、下アーム４４と、左アーム（第１アーム）４５と、右アーム（第２アーム）４６と、を備える。上アーム４３は、下アーム４４よりも上方に位置している。上アーム４３の左端、及び、下アーム４４の左端には、左アーム４５がそれぞれ回転可能に連結されている。上アーム４３の右端、及び、下アーム４４の右端には、右アーム４６がそれぞれ回転可能に連結されている。リーン機構４２は、車幅方向中央と重なるように位置しており、左アーム４５と右アーム４６は車幅方向中央を基準として左右対称である。

　上アーム４３の左端には二股状の取付部がそれぞれ形成されている。上アーム４３は、二股状の取付部で左アーム４５の上部を前後方向で挟み込むようにして、左アーム４５に取り付けられる。これにより、左前輪３１Ｌを適切に傾斜させることができる。上アーム４３の右端、下アーム４４の左端及び右端についても、同様に二股状の取付部が形成されている。

　上アーム４３の長手方向の中央には、上支点部４３ａが形成されている。上支点部４３ａは、軸方向が前後方向に一致する筒状の部分である。上支点部４３ａは上取付部４１ａに回転可能に取り付けられている。

　下アーム４４は、上アーム４３と同様に取り付けられている。具体的には、下アーム４４の長手方向の中央には、下支点部４４ａが形成されている。下支点部４４ａは、軸方向が前後方向に一致する筒状の部分である。下支点部４４ａは下取付部４１ｃに回転可能に取り付けられている。

　また、上取付部４１ａと下取付部４１ｃの間の領域には、中突出筒４１ｂが形成されている。中突出筒４１ｂは、リーンベース４１の一部であり、リーンベース４１と一体的に形成されている。中突出筒４１ｂは、後方に延びる筒状の部分であり、軸方向が前後方向に一致している。後述のように、中突出筒４１ｂは、上支点部４３ａ及び下支点部４４ａと連結される。

　左アーム４５は、左ホイール３２Ｌに回転可能に取り付けられている。具体的には、左アーム４５は、図略の軸部材（例えば左ホイール３２Ｌの車軸）を介して、左ホイール３２Ｌのハブ３２ａに取り付けられている。左アーム４５は、左ホイール３２Ｌと一体的に傾斜するように、左ホイール３２Ｌに固定されている。同様に、右アーム４６は、右ホイール３２Ｒのハブ３２ａに固定されている。

　４つのアームは平行リンクを構成している。従って、後述の図９に示すように、リーン動作時においても、上アーム４３と下アーム４４は平行を維持する。また、上アーム４３は、上支点部４３ａを回転中心として、リーンベース４１に対して相対回転する。同様に、下アーム４４は、下支点部４４ａを回転中心として、リーンベース４１に対して相対回転する。このように、リーン機構４２は、リーンベース４１に対して相対回転する。

　また、４つのアームは平行リンクなので、リーン動作時においても、左アーム４５と右アーム４６は平行を維持する。従って、左前輪３１Ｌと右前輪３１Ｒを同じリーン角度で傾斜させることができる。リーン角度とは、リーン型車両１の車高方向と、路面に垂直な方向と、がなす角である。

　また、リーンベース４１は、上アーム４３の長手方向の中央（上支点部４３ａ）と、下アーム４４の長手方向中央（下支点部４４ａ）と、を連結している。従って、リーンベース４１は、左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒと同じリーン角度で傾斜する。言い換えれば、車体２も左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒと同じリーン角度で傾斜する。また、後輪９は車体２と一体的にリーンする。以上のようにして、リーン型車両１はリーン可能に構成されている。

　次に、図３から図７を参照して、リーンブレーキ機構５０について説明する。

　上述したように、リーン動作時においては、リーンベース４１と上アーム４３の相対位置が変化し、リーンベース４１と下アーム４４の相対位置が変化する。このことを利用して、リーンブレーキ機構５０は、リーンブレーキを作動させる。リーンブレーキとは、リーン動作に対して抵抗力を発生させることで、リーン動作を発生しにくくしたり、リーン角度を小さくしたりすることである。リーンブレーキ機構５０は、ブレーキキャリパ６０と、ブレーキディスク７０と、を備える。また、ブレーキキャリパ６０は、リーンブラケット８０によってリーン機構４２に取り付けられる。

　リーンブラケット８０は、ベース取付部８１と、中継部８２と、キャリパ取付部８３と、を備える。リーンブラケット８０は、型を用いて一体的に成形されている。従って、ベース取付部８１、中継部８２、及び、キャリパ取付部８３は、一体的に構成されており、分離できない構成である。

　ベース取付部８１は、板状であって、厚み方向が前後方向に一致するように配置される。ベース取付部８１には、上から順に取付孔８４，８５，８６が形成されている。取付孔８４と上支点部４３ａの位置を合わせた後に、取付具９２が挿入されることで、リーンブラケット８０が上アーム４３に取り付けられる。同様に、取付孔８５と中突出筒４１ｂの位置を合わせた後に、取付具９３が挿入されることで、リーンブラケット８０がリーンベース４１に取り付けられる。また、取付孔８６と下支点部４４ａの位置を合わせた後に、取付具９４が挿入されることで、リーンブラケット８０が下アーム４４に取り付けられる。

　このように、リーンブラケット８０は、上支点部４３ａを中突出筒４１ｂに連結するとともに、下支点部４４ａを中突出筒４１ｂに連結する。これにより、リーンベース４１とリーンブラケット８０で上アーム４３及び下アーム４４を前後方向で挟み込むように支持できるので、片持ちの場合と比較して上アーム４３及び下アーム４４を安定的に支持できる。

　中継部８２は、ベース取付部８１から後方に（リーンベース４１から離れる方向に）延びる部分である。中継部８２は、ベース取付部８１とキャリパ取付部８３の前後方向の位置を離間させるための部分である。

　キャリパ取付部８３は、板状かつアーム状であり、厚み方向が前後方向に一致するように配置される。キャリパ取付部８３には、第１取付部８７と第２取付部８８が形成されている。第１取付部８７は、背面視（図７）で中突出筒４１ｂの近傍に形成されている。第２取付部８８は、第１取付部８７よりも高い位置に形成されている。第１取付部８７及び第２取付部８８には、ブレーキキャリパ６０が取り付けられる。

　このように、リーンブラケット８０は、上支点部４３ａと中突出筒４１ｂを連結する機能、下支点部４４ａと中突出筒４１ｂを連結する機能、及びリーン機構４２にブレーキキャリパ６０を取り付ける機能を有する。

　ブレーキキャリパ６０は、本体部６１と、クランプ部６４と、ブレーキパッド６５と、を備える。本体部６１には、取付孔６２，６３が形成されている。取付孔６２，６３は、ブレーキキャリパ６０をリーン機構４２に取り付けるための部分である。具体的には、取付孔６２と第１取付部８７の位置を合わせた後に取付具９５が挿入され、更に、取付孔６３と第２取付部８８の位置を合わせた後に取付具９６が挿入されることで、ブレーキキャリパ６０がリーンブラケット８０に取り付けられる。このようにして、ブレーキキャリパ６０がリーン機構４２に取り付けられる。

　また、ブレーキキャリパ６０を安定的にリーンブラケット８０に取り付けるために、第１取付部８７と第２取付部８８の位置が離されている。具体的には、第１取付部８７は、背面視において左右方向の中央よりも左側（左右の一方側）かつ上下方向の中央よりも下側（上下の一方側）に位置している。これに対し、第２取付部８８は、背面視において左右方向の中央よりも右側（左右の他方側）かつ上下方向の中央よりも上側（上下の他方側）である。従って、第１取付部８７と第２取付部８８の位置を２つの方向で離すことができるので、ブレーキキャリパ６０を安定的にリーンブラケット８０に取り付けることができる。

　クランプ部６４は、略Ｕ字状（溝状）であり、対向する２つの壁部を有する。また、これらの壁部には、それぞれブレーキパッド６５が貼り付けられている。クランプ部６４の２つの壁部は近接及び離間ができるように構成されている。具体的には、ブレーキキャリパ６０にはブレーキホースが接続されている。ステアリングハンドル７等に設けられた図略のリーンブレーキ操作部を運転者が操作すると、ブレーキキャリパ６０に作動油が供給される。作動油が供給されることにより、油圧力によって２つの壁部が近接する。なお、リーンブレーキ機構５０は、油圧式に代えて、電動式であってもよいし、ワイヤ式であってもよい。また、運転者がリーンブレーキを指示する構成に代えて、図略の制御装置が所定条件を満たしたと判定した場合に制御装置がリーンブレーキを自動的に動作させてもよい。

　なお、本実施形態のブレーキパッド６５は、背面視で上アーム４３と重なるか、上アーム４３よりも上方に位置している。つまり、ブレーキパッド６５は、上アーム４３と下アーム４４のうち上アーム４３に近い側に配置されている。

　ブレーキディスク７０は、板状かつ扇形状である。ブレーキディスク７０は、支持部７１と、接続部７２と、接触部７３と、を備える。

　支持部７１は、ブレーキディスク７０を下アーム４４に取り付けるための部分である。具体的には、支持部７１には、取付具を挿入するための２つの取付孔７４が形成されている。一方、下アーム４４には、取付具を締結可能な２つの筒状のディスク取付部４４ｂが溶接等により接続されている。２つのディスク取付部４４ｂは、車幅方向中央を挟んで左右対称である。２つのディスク取付部４４ｂの軸中心は、下支点部４４ａの軸中心よりも下方である。取付孔７４とディスク取付部４４ｂの位置を合わせて取付具９１を挿入することで、ブレーキディスク７０が下アーム４４に取り付けられる。このように固定されるので、ブレーキディスク７０は、下アーム４４と一体的に移動する。また、下アーム４４への取付後において、接続部７２及び接触部７３は、支持部７１を介して下アーム４４に支持される。

　接続部７２は、２つの細長状の部分である。接続部７２は、支持部７１の左右方向の端部と、接触部７３の左右方向の端部と、を接続する。支持部７１の左右方向の長さは、接触部７３の左右方向の長さよりも短い。従って、２つの接続部７２は、上方に近づくに連れて間隔が広がる。

　接触部７３は、円弧状である。接触部７３は、ブレーキキャリパ６０の近傍に配置されている。具体的には、接触部７３の一部がクランプ部６４の内部（２つの壁部が対向する空間）に位置している。ここで、ブレーキディスク７０は、下アーム４４に相対回転できないように取り付けられているので、下アーム４４と一体的に移動する。また、下アーム４４はリーンベース４１に対して相対回転可能である。従って、ブレーキディスク７０は、リーン動作時において、リーンベース４１に対して（下支点部４４ａを回転中心として）相対回転する。

　一方、ブレーキキャリパ６０は、リーンブラケット８０を介して、リーンベース４１に２箇所で取り付けられている。従って、ブレーキキャリパ６０は、リーン動作時において、リーンベース４１に対して相対回転しない。

　以上により、本実施形態では、リーン動作時において、下支点部４４ａを回転中心として、ブレーキキャリパ６０とブレーキディスク７０が相対回転する。従って、ブレーキパッド６５を接触部７３に押し付けることで発生する摩擦力は、リーン動作の制動力（抵抗力）となる。このようにして、リーンブレーキ機構５０はリーン動作に対して制動力を発生させる。

　本実施形態のリーンブレーキ機構５０は、図８に示す比較例のリーンブレーキ機構５０と比較して、制動力が大幅に高い。図８に示す比較例では、ブレーキディスク７９の位置及び大きさが本実施形態とは異なる。図８に示す比較例では、ブレーキディスク７９は上アーム４３に取り付けられている。その結果、ブレーキパッド６５とブレーキディスク７９の相対回転の回転半径Ｒ１が小さくなるので、制動力が低くなり易い。一方、本実施形態のブレーキディスク７０は、ブレーキキャリパ６０から遠い方の下アーム４４に取り付けられている。従って、ブレーキパッド６５とブレーキディスク７０の相対回転の回転半径Ｒ２が長くなるので、制動力を高くすることができる。

　特に、本実施形態では、背面視において、接触部７３は、上アーム４３（ブレーキパッド６５に近い方のアーム）よりも上方の部分も含んでいる。これにより、長い回転半径Ｒ２が実現できる。一方で、接触部７３は、背面視において上アーム４３と重なる部分も含んでいる。これにより、ブレーキディスク７０が大きくなり過ぎない。従って、リーンブレーキ機構５０を比較的コンパクトにしつつ、高い制動力を実現できる。なお、接触部７３は、背面視において、上アーム４３よりも上方のみの部分で構成されていてもよい。

　また、下アーム４４に代えて上アーム４３にブレーキディスク７０が取り付けられていてもよい。ブレーキディスク７０を上アーム４３に取り付ける場合、ブレーキディスク７０は、上アーム４３の下方に突出する。そして、ブレーキキャリパ６０は、下アーム４４の近傍に設けられる。この場合においても、背面視で例えばブレーキディスク７０と下アーム４４が重なるとともに、ブレーキディスク７０が下アーム４４よりも低い部分を有することが好ましい。

　ブレーキディスク７０には、第１開口部７５及び第２開口部７６が形成されている。第１開口部７５は、円形であり、ブレーキディスク７０を下アーム４４に取り付ける位置の近傍（即ち支持部７１）に形成されている。第１開口部７５は、２つの取付孔７４の間に形成されている。第２開口部７６は、扇形であり、ブレーキディスク７０の中央部であって、背面視で中突出筒４１ｂ等と重なる位置に形成されている。第２開口部７６は、支持部７１、接続部７２、及び接触部７３で囲まれた領域に形成されている。

　第１開口部７５及び第２開口部７６は、リーンブレーキ機構５０の取付作業の作業性の向上等を目的として形成されている。以下では、図３から図６で示すリーンブレーキ機構５０の取付作業について説明するとともに、第１開口部７５及び第２開口部７６を形成した目的について説明する。なお、以下で示す取付作業の順序は一例であり、異なる順序で取付作業を行ってもよい。

　初めに、取付具９１を用いて、ブレーキディスク７０が下アーム４４に取り付けられる。次に、取付具９２，９３，９４を用いて、リーンブラケット８０が上支点部４３ａ、中突出筒４１ｂ、下支点部４４ａにそれぞれ取り付けられる。ここで、背面視において、取付具９２，９３は第２開口部７６と重なっており、取付具９４は第１開口部７５と重なっている。従って、第１開口部７５及び第２開口部７６が形成されていることにより、取付具９２，９３，９４を挿入する作業の作業性を高くすることができる。

　また、ベース取付部８１はブレーキディスク７０よりも前側（リーンベース４１に近い側）に位置しているのに対し、キャリパ取付部８３はブレーキディスク７０よりも後側（リーンベース４１から遠い側）に位置している。更に、背面視において、ブレーキディスク７０とリーンブラケット８０は重なるように配置されている。従って、仮に第２開口部７６が形成されていない場合、ブレーキディスク７０とリーンブラケット８０が干渉してしまう。しかし、本実施形態では第２開口部７６が形成されており、中継部８２が第２開口部７６を軸方向で貫通している。そのため、ブレーキディスク７０の前側と後側にリーンブラケット８０を位置させることができる。その結果、ブレーキキャリパ６０、ブレーキディスク７０、及びリーンブラケット８０を集約して配置できるので、リーンブレーキ機構５０をコンパクトにすることができる。

　また、背面視において、第１取付部８７及び取付具９５は接触部７３よりも径方向の内側に位置し、第２取付部８８及び取付具９６は接触部７３よりも径方向の外側に位置する。これにより、ブレーキキャリパ６０とリーンブラケット８０の取付位置を離すことができるので、ブレーキキャリパ６０を安定的にリーンブラケット８０に支持させることができる。

　なお、取付具９４が取り付け可能であれば、第１開口部７５の形状は円形に限られない。また、取付具９２，９３，９４が取り付け可能であれば、第２開口部７６の形状は扇形に限られない。

　以上に説明したように、本実施形態のリーン型車両１は、車体２と、左前輪３１Ｌと、右前輪３１Ｒと、リーン機構４２と、リーンブレーキ機構５０と、を備える。左前輪３１Ｌは、車幅方向の第１側に位置している。右前輪３１Ｒは、車幅方向の第１側の反対側である第２側に位置している。リーン機構４２は、車体２が前後方向を回転中心として傾斜した際に左前輪３１Ｌ及び右前輪３１Ｒを前後方向を回転中心として傾斜させる。リーンブレーキ機構５０は、リーン機構４２によるリーン動作を制動する。リーン機構４２は、上アーム４３と、下アーム４４と、左アーム４５と、右アーム４６と、リーンベース４１と、を備える。下アーム４４は、上アーム４３よりも下方に位置している。左アーム４５は、左前輪３１Ｌに取り付けられるとともに、上アーム４３及び下アーム４４に回転可能に取り付けられる。右アーム４６は、右前輪３１Ｒに取り付けられるとともに、上アーム４３及び下アーム４４に回転可能に取り付けられる。リーンベース４１は、上アーム４３及び下アーム４４を車体２に連結する。リーンブレーキ機構５０は、ブレーキキャリパ６０と、ブレーキディスク７０と、を備える。ブレーキキャリパ６０は、リーン機構４２に取り付けられており、ブレーキパッド６５を有する。ブレーキディスク７０は、上アーム４３及び下アーム４４のうち正面視でブレーキパッド６５から遠い方のアーム（下アーム４４）に取り付けられており、ブレーキパッド６５が押し付けられることで制動力を発生する接触部７３を有する。

　これにより、ブレーキパッド６５から遠い方のアーム（下アーム４４）にブレーキディスク７０を取り付けることで、リーンブレーキ機構５０の回転半径が大きくなるので制動力を高くすることができる。また、リーンブレーキ機構５０がリーン機構４２に取り付けられていることで、リーンブレーキ機構５０をコンパクトにすることができる。以上により、リーンブレーキの制動力を大きくしつつ、コンパクトな構成が実現できる。

　本実施形態のリーン型車両１において、接触部７３は、正面視又は背面視でブレーキパッド６５に近い方のアーム（上アーム４３）と重なる。

　これにより、上アーム４３よりも上側のみ、又は、下アーム４４よりも下側のみに接触部７３が位置する構成と比較して、リーンブレーキ機構５０をコンパクトにすることができる。

　本実施形態のリーン型車両１において、ブレーキディスク７０が上アーム４３に取り付けられる場合は、正面視又は背面視において接触部７３が下アーム４４よりも低い部分を含む。ブレーキディスク７０が下アーム４４に取り付けられる場合は、正面視又は背面視において接触部７３が上アーム４３よりも高い部分を含む。

　これにより、リーンブレーキ機構５０の回転半径が大きいため、リーンブレーキの制動力を高くすることができる。

　本実施形態のリーン型車両１において、ブレーキディスク７０には第１開口部７５及び第２開口部７６が形成されている。正面視又は背面視において、第１開口部７５及び第２開口部７６と、リーン機構４２及びリーンブレーキ機構５０に取り付けられる取付具９２～９５が重なっている。

　これにより、ブレーキディスク７０を上アーム４３又は下アーム４４に取り付けた状態で、取付具を着脱したり、緩みを確認したりすることができる。

　本実施形態のリーン型車両１は、ブレーキキャリパ６０をリーン機構４２に取り付けるための取付具９５が挿入される第１取付部８７を含むリーンブラケット８０を備える。正面視又は背面視において、第１開口部７５と、第１取付部８７と、が重なっている。

　これにより、ブレーキディスク７０を取り付けた状態で、ブレーキキャリパ６０を着脱したり、第１取付部８７に挿入される取付具９５の緩みを確認したりすることができる。

　本実施形態のリーン型車両１において、リーンブラケット８０は、キャリパ取付部８３と、ベース取付部８１と、中継部８２と、を更に含む。キャリパ取付部８３は、第１取付部８７を含む。ベース取付部８１は、リーンブラケット８０をリーンベース４１に取り付ける。中継部８２は、第２開口部７６を軸方向に貫通し、ベース取付部８１とキャリパ取付部８３とを接続する。

　これにより、例えばリーンブラケット８０とブレーキキャリパ６０の取付位置の自由度を向上させることができる。

　本実施形態のリーン型車両１において、リーンブラケット８０は、ブレーキディスク７０の径方向の外側において、ブレーキキャリパ６０をリーン機構４２に取り付けるための取付具９６が挿入される第２取付部８８を更に含む。

　これにより、ブレーキキャリパを安定的にリーン機構に取り付けることができる。

　以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。

　上述した様々な機構において、部品の形状、部品のレイアウト、部品の取付構造、動力の伝達構造等は一例であり、異なる構成であってもよい。例えば、左アーム４５と操舵力を伝達する部品を共通とせずに、別々の部品とすることができる。また、リーンブラケット８０は、上支点部４３ａと中突出筒４１ｂを連結する機能、下支点部４４ａと中突出筒４１ｂを連結する機能、及びリーン機構４２にブレーキキャリパ６０を取り付ける機能を有する。この構成に代えて、それぞれの機能を個別の部材で実現してもよい。

　上記実施形態では、２つの前輪及び１つの後輪を有するリーン型車両１に本発明を適用する例を説明したが、車輪数はこれに限られず、後輪が２つであってもよい。また、リーン型車両１に乗車可能な人の数も１又は２に限られず、３以上であってもよい。

　１　リーン型車両
　２　車体
　３１Ｌ　左前輪（第１前輪）
　３１Ｒ　右前輪（第２前輪）
　３２Ｌ　左ホイール
　３２Ｒ　右ホイール
　４２　リーン機構
　５０　リーンブレーキ機構
　６０　ブレーキキャリパ
　７０　ブレーキディスク
　８０　リーンブラケット

Claims (7)

1. 　車体と、
   　車幅方向の第１側に位置している第１前輪と、
   　車幅方向の第１側の反対側である第２側に位置している第２前輪と、
   　前記車体が前後方向を回転中心として傾斜した際に前記第１前輪及び前記第２前輪を前後方向を回転中心として傾斜させるリーン機構と、
   　前記リーン機構によるリーン動作を制動するリーンブレーキ機構と、
   を備え、
   　前記リーン機構は、
   　上アームと、
   　前記上アームよりも下方に位置している下アームと、
   　前記第１前輪に取り付けられるとともに、前記上アーム及び前記下アームに回転可能に取り付けられる第１アームと、
   　前記第２前輪に取り付けられるとともに、前記上アーム及び前記下アームに回転可能に取り付けられる第２アームと、
   　前記上アーム及び前記下アームを前記車体に連結するためのリーンベースと、
   を備え、
   　前記リーンブレーキ機構は、
   　前記リーン機構に取り付けられており、ブレーキパッドを有するブレーキキャリパと、
   　前記上アーム及び前記下アームのうち正面視で前記ブレーキパッドから遠い方のアームに取り付けられており、前記ブレーキパッドが押し付けられることで制動力を発生する接触部を有するブレーキディスクと、
   を備えることを特徴とするリーン型車両。
2. 　請求項１に記載のリーン型車両であって、
   　前記接触部は、正面視又は背面視で前記ブレーキパッドに近い方のアームと重なることを特徴とするリーン型車両。
3. 　請求項１又は２に記載のリーン型車両であって、
   　前記ブレーキディスクが前記上アームに取り付けられる場合は、正面視又は背面視において前記接触部が前記下アームよりも低い部分を含み、
   　前記ブレーキディスクが前記下アームに取り付けられる場合は、正面視又は背面視において前記接触部が前記上アームよりも高い部分を含むことを特徴とするリーン型車両。
4. 　請求項１から３までの何れか一項に記載のリーン型車両であって、
   　前記ブレーキディスクには開口部が形成されており、
   　正面視又は背面視において、開口部と、前記リーン機構及び前記リーンブレーキ機構に取り付けられる少なくとも１つの取付具と、が重なっていることを特徴とするリーン型車両。
5. 　請求項４に記載のリーン型車両であって、
   　前記ブレーキキャリパを前記リーン機構に取り付けるための前記取付具が挿入される第１取付部を含むリーンブラケットを備え、
   　正面視又は背面視において、前記開口部と、前記第１取付部と、が重なっていることを特徴とするリーン型車両。
6. 　請求項５に記載のリーン型車両であって、
   　前記リーンブラケットは、
   　前記第１取付部を含むキャリパ取付部と、
   　当該リーンブラケットを前記リーンベースに取り付けるためのベース取付部と、
   　前記開口部を軸方向に貫通し、前記ベース取付部と前記キャリパ取付部とを接続する中継部と、
   を更に含むことを特徴とするリーン型車両。
7. 　請求項５又は６に記載のリーン型車両であって、
   　前記リーンブラケットは、前記ブレーキディスクの径方向の外側において、前記ブレーキキャリパを前記リーン機構に取り付けるための前記取付具が挿入される第２取付部を更に含むことを特徴とするリーン型車両。

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