JP3687407B2 - 蛍光プリントヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、封着ガラスによって封止される真空パッケージ内に、シールド電極を封着ガラスを以て取り付ける蛍光プリントヘッドにかかり、特にシールド電極の熱変形を抑制するようにした蛍光プリントヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、蛍光プリントヘッドの断面構造を示す。蛍光プリントヘッドは、ガラス基板1の上面に、例えば千鳥状に配置された二列のドット列をなす如くパターニングされた透孔部を有する矩形状の陽極導体2aと、各陽極導体2aに接続される線状の陽極配線2bからなる薄膜陽極2を有している。また、ガラス基板1の上面には、二列のドット列間に、そのドット列に沿った方向と平行に樹の幹のような棒状の連結部6aと、連結部6aから枝葉のように両側のドット列方向に伸ばして薄膜陽極2を囲む如く薄膜成形された平面グリッド6が形成されている。薄膜陽極2の各陽極導体2aの透孔部には、ドット状の蛍光体層3が積層されて二列の蛍光体ドット群を形成している。そして、各陽極配線2bは、下記の真空パッケージ11の両外側に向かって引き出され、図示されていないドライバーICに接続される。また、薄膜陽極2がなすドット列の両側には、薄膜陽極2に接続される陽極配線2b、及び平面グリッド6の連結部6aに接続される図示されていない平面グリッド配線を保護する絶縁クロスオーバー層4(以下クロスという)が積層されている。さらに、クロス4上には、シールド電極5が配置されている。また、薄膜陽極2を含む蛍光体ドット群の上方には、線状のフィラメント7(陰極)が保持されている。そして、上記構成は、ガラス基板1と、サイドガラス9及びフロントガラス10からなる容器部が封着ガラス8を介して組み立てられた真空パッケージ11内で封止される。
【0003】
蛍光プリントヘッドは、フィラメント7から放出される熱電子が、蛍光体層3に射突することにより、所望の発光部を励起発光させる。この際、シールド電極5は、フィラメント7から放出される熱電子のクロス4へのチャージアップ防止、及び薄膜陽極2・平面グリッド6への無効電流を軽減する。
【0004】
この、シールド電極5は、図5に示すように、導出リード17と補助リード18からなる一対のリード部19と、各リード部19の端部同士を接続する一対の接続部20からなる略ロ字形状のフレーム15の枠内に対し、その長尺方向両端部5aがリード部19に溶接等により取り付けられて組み立てられ、フレーム15と共に一体の金属マウント16をなしている。なお、図5では省略しているが、フレーム15の両外側には、熱電子放出源であるフィラメント7を保持するアンカーが保持され、フレーム15と別体である一対のフィラメント支持体が設けられている。また、フレーム15の内側には、平面グリッド6を導出させるリード等が設けられている。なお、図5で破線で示す枠形は、真空パッケージ11(ガラス基板1)の外形をあらわしている。
【0005】
フレーム15は、シールド電極5を、図5で示すように、真空パッケージ11の一側より外側に引出する導出リード17として図5中D部の如く略ロ字形状の枠に沿って形成している。また、フレーム15は、真空パッケージ11の他側では、真空パッケージ11の外側に引出される補助リード18が、真空パッケージ11の形成後に不要とされるため、図5中C部の如く必要最小限の長さに形成されている。ゆえに、フレーム15は、シールド電極5の中心線Y(図5中一点鎖線で示す)に対し、真空パッケージ11の一側方向に図5中B部の長さを要し、他側方向にB部よりも短尺な図5中A部の長さをなすマウント構造とされている。
【0006】
このような金属マウント16を実装する際には、金属マウント16を、ガラス基板1上の薄膜陽極2との位置精度を確認しながらセットし、サイドガラス9と、フロントガラス10からなる容器部を封着ガラス8を介して組み立て、クリップ等で挟み込む。組み立てられた真空パッケージ11は、封着工程によって封着ガラス8を溶解・固着させて封止し、排気工程を経て高真空容器とした蛍光プリントヘッドとしている。
【0007】
シールド電極5を保持した金属マウント16のフレーム15のリード部19は、真空パッケージ11の封着ガラス8部分を介在して固定されるために、封着ガラス8との熱膨張率が同等で、封着ガラス8との馴染みや接着強度の強い材料が選ばれ、一般に42−6合金(42Ni−6Cr−Fe)が使用されている。
【0008】
一方、シールド電極5は、封着による熱工程後にたるみが発生しないように封着ガラス8の固着点温度(350℃付近)における熱膨張に伴う伸び量が、封着ガラス8の熱膨張に伴う伸び量より大きい材料を選択する必要がある。したがって、シールド電極5の材料は、フレーム15と同じ42−6合金ではなく、図6に示す特性を有する材料である、例えば▲1▼SUS430、▲2▼34−3合金(34Ni−3Cr−Fe)を用いている。これにより、シールド電極5は、封着ガラス8よりも固着点温度での伸びが大きくなり、固着点温度以下になった時に張力が加わるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光プリントヘッドでは、以下の問題点があった。
【0010】
図5の金属マウント16で封着工程を行うことを考える。封着工程は、500℃程度の熱工程であるのでガラスや金属の部材は、図6に示すような各々の熱膨張特性に応じた伸びが発生する。前述したように、シールド電極5は、封着ガラス8よりも固着点温度(350℃付近)での熱膨張に伴う伸び量が大きい特性の材料が使用されているので、シールド電極5を保持する42−6合金を使用したフレーム15よりも伸び量が大きいことになる。
【0011】
この伸び量の挙動を考えると、図5のように、シールド電極5の中心線Yに対し、フレーム15の長さがA部よりもB部が長いこと、及びC部よりもD部が長く細いことにより、フレーム15は、長尺方向に対する外力を受けた場合にD部の方が塑性変形し易いことが考えられる。
【0012】
したがって、長尺方向のみの伸びを考えた場合、図7のように、42−6合金のフレーム15よりもシールド電極5のほうが伸び量が大きいので、長尺方向端部5a付近の各支点Xにおいて、シールド電極5がフレーム15よりも伸びようとする。この伸びの力F1に対し、フレーム15の受ける力は均一でなく、力F2よりも導出リード17のある力F3の方に多くシールド電極5の伸び量が吸収される。これにより、シールド電極5は図7中矢印V方向に変形してしまう。
【0013】
ゆえに、シールド電極5が変形すると、図4に示す左右二列の蛍光体ドット群に対するシールド電極5の位置精度が崩れ、蛍光体に衝突する熱電子の軌道が、左右の蛍光体ドット群で異なることになり、蛍光体の発光特性にバラツキが生じるため、光書込みデバイスとして感光媒体に露光させる際に高品質の画像を形成できないという問題が生じる。
【0014】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、封着工程時にシールド電極の熱変形を抑制し、シールド電極の位置精度を向上することができる蛍光プリントヘッドを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1に記載の蛍光プリントヘッドは、ガラス基板と容器部を封着ガラスを以て組み立てた真空パッケージと、前記真空パッケージ内の前記ガラス基板上に形成された蛍光体層を有するドット列をなす陽極と、前記陽極に対面して設けた陰極と、前記陽極に接続する陽極配線と、前記陽極配線を保護する絶縁クロスオーバー層と、前記絶縁クロスオーバー層の上に配されたシールド電極とを有する蛍光プリントヘッドにおいて、前記シールド電極は、前記シールド電極は、前記ドット列を囲むように長手形状に形成された開口を有しており、前記封着ガラスよりも固着点温度での熱膨張に伴う伸びが大きい材料が使用され、前記シールド電極を前記真空パッケージの外側に引出するとともに前記真空パッケージの前記封着ガラス部分を介在して固定される一対のリード部と一対のリード部の端部同士を接続する一対の接続部からなる略ロ字形の枠状をなすフレームにおける前記リード部に対し、前記シールド電極の長尺方向の中心線に対して前記リード部が対称形状となるように、その長尺方向の両端部が取り付けられていることことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の蛍光プリントヘッドは、請求項1に記載の蛍光プリントヘッドにおいて、前記シールド電極が、前記シールド電極の長尺方向に交差する方向に延出するように形成されて、前記真空パッケージの前記封着ガラスの部分を介して固定される支持部を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の蛍光プリントヘッドは、ガラス基板と容器部を封着ガラスを以て組み立てた真空パッケージと、前記真空パッケージ内の前記ガラス基板上に形成された蛍光体層を有するドット列をなす陽極と、前記陽極に対面して設けた陰極と、前記陽極に接続する陽極配線と、前記陽極配線を保護する絶縁クロスオーバー層と、前記絶縁クロスオーバー層の上に配されたシールド電極とを有する蛍光プリントヘッドにおいて、前記シールド電極は、前記ドット列を囲むように長手形状に形成された開口を有しており、前記シールド電極は、前記ドット列を囲むように長手形状に形成された開口を有しており、前記シールド電極を前記真空パッケージの外側に引出するとともに前記真空パッケージの前記封着ガラス部分を介在して固定される一対のリード部と一対のリード部の端部同士を接続する一対の接続部からなる略ロ字形の枠状をなすフレームにおける前記リード部に対し、その長尺方向の両端部が取り付けられており前記シールド電極の長尺方向に交差する方向に延出するように形成されて、前記真空パッケージの前記封着ガラスの部分を介して固定される支持部を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の蛍光プリントヘッドは、請求項2あるいは請求項3に記載の蛍光プリントヘッドにおいて、前記支持部は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスと略同等の金属材料からなることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の蛍光プリントヘッドは、請求項1〜請求項4の何れかに記載の蛍光プリントヘッドにおいて、前記リード部は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスと略同等の金属材料からなり、
前記シールド電極は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が、前記封着ガラスよりも大きい金属材料からなることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の蛍光プリントヘッドは、請求項1〜請求項4の何れかに記載の蛍光プリントヘッドにおいて、前記リード部は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスと略同等の金属材料からなり、
前記シールド電極は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスよりも大きく、且つ、蛍光プリントヘッドの作動時の温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスよりも小さい金属材料からなることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
まず、蛍光プリントヘッドは、上述した従来の技術にて図4によって説明したように、ガラス基板1の上面に、例えば千鳥状に配置された二列のドット列をなす如くパターニングされた透孔部を有する矩形状の陽極導体2aと、各陽極導体2aに接続される線状の陽極配線2bからなる薄膜陽極2を有している。また、ガラス基板1の上面には、二列のドット列間に、そのドット列に沿った方向と平行に樹の幹のような棒状の連結部6aと、連結部6aから枝葉のように両側のドット列方向に伸ばして薄膜陽極2を囲む如く薄膜成形された平面グリッド6が形成されている。薄膜陽極2の各陽極導体2aの透孔部には、ドット状の蛍光体層3が積層されて二列の蛍光体ドット群を形成している。そして、各陽極配線2bは、下記の真空パッケージ11の両外側に向かって引き出され、図示されていないドライバーICに接続される。また、薄膜陽極2がなすドット列の両側には、薄膜陽極2に接続される陽極配線2b、及び平面グリッド6の連結部6aに接続される図示されていない平面グリッド配線を保護する絶縁クロスオーバー層4(以下クロスという)が積層されている。さらに、クロス4上には、シールド電極5が配置されている。また、薄膜陽極2を含む蛍光体ドット群の上方には、線状のフィラメント7(陰極)が保持されている。そして、上記構成は、ガラス基板1と、サイドガラス9及びフロントガラス10からなる容器部が封着ガラス8を介して組み立てられた真空パッケージ11内で封止される。
【0022】
蛍光プリントヘッドは、フィラメント7から放出される熱電子が、蛍光体層3に射突することにより、所望の発光部を励起発光させる。そして、蛍光プリントヘッドは、二列の蛍光体ドット群の並ぶ方向を主走査方向とし、この主走査方向に垂直な副走査方向に対し、感光媒体と相対移動を行うことで、感光媒体に所望の画像を形成する光書込みデバイスをなす。
【0023】
このような構成の蛍光プリントヘッドにおいて、シールド電極5は、フィラメント7から放出される熱電子のクロス4へのチャージアップ防止、及び薄膜陽極2・平面グリッド6への無効電流を軽減する。
【0024】
図1は、本発明による蛍光プリントヘッドの金属マウントを示す平面図である。
シールド電極5は、上記二列の蛍光体ドット群に沿い、且つ、蛍光体ドット群を囲むように長手状に形成されている。シールド電極5は、導出リード53と補助リード54からなる一対のリード部56と、各リード部56の端部同士を接続する一対の接続部57からなる略ロ字形状の枠体をなすフレーム51に取り付けられている。シールド電極5は、その長尺方向両端部5aをフレーム51の枠内のリード部56に溶接等の固着手段によって取り付けられて、フレーム51と共に一体の金属マウント52をなしている。
【0025】
フレーム51には、図示しないが、熱電子放出源であるフィラメント7を保持するアンカーが保持され、フレーム51と別体である一対のフィラメント支持体が設けられている。また、フレーム51の内側には、平面グリッド6を導出させるリード等が設けられている。このフレーム51は、シールド電極5を、図1で破線で示す真空パッケージ11(ガラス基板1)の一側より外側に引出する導出リード53として、図1中H部の如く略ロ字形状の枠に沿って形成している。
【0026】
また、フレーム51は、真空パッケージ11の他側では、シールド電極5の中心線Y(図1中一点鎖線で示す)に対し、上記導出リード53側と対称形状となるように、図1中G部の如く略ロ字形状の枠に沿った補助リード54を形成している。
【0027】
フレーム51は、補助リード54を形成したことにより、シールド電極5の中心線Y(図1中一点鎖線で示す)に対し、真空パッケージ11の一側方向に図1中F部の長さをなし、真空パッケージ11の他側方向にF部と同じ図1中E部の長さをなしている。
【0028】
シールド電極5を保持したフレーム51のリード部56は、真空パッケージ11の封着ガラス8部分を介在して固定される。このため、フレーム51のリード部56には、封着ガラス8との熱膨張率が同等で、封着ガラス8との馴染みや接着強度の強い材料が選ばれ、ここでは42−6合金(42Ni−6Cr−Fe)が使用されている。
【0029】
シールド電極5は、封着による熱工程後にたるみが発生しないように封着ガラス8の固着点温度(350℃付近)における熱膨張に伴う伸び量が、封着ガラス8の熱膨張に伴う伸び量より大きい材料が選択される。このため、シールド電極5には、封着ガラス8と同等の熱膨張率であるフレーム51の42−6合金ではなく、図6に示す特性を有する材料である、例えば▲1▼SUS430、▲2▼34−3合金(34Ni−3Cr−Fe)が用いられている。これにより、シールド電極5は、封着ガラス8よりも固着点温度での伸びが大きくなり、固着点温度以下になった時に張力が加わる。
【0030】
このように構成された金属マウント52を実装する。
まず、金属マウント52を、ガラス基板1上の薄膜陽極2との位置精度を確認しながらセットする。
次に、サイドガラス9と、フロントガラス10からなる容器部を封着ガラス8を介して取り付けて真空パッケージ11を組み立て、この真空パッケージ11をクリップ等で挟み込む。
次に、封着工程によって、組み立てられた真空パッケージ11における封着ガラス8を溶解・固着させて封止する。
そして、排気工程によって、真空パッケージ11を高真空容器として蛍光プリントヘッドをなす。
【0031】
上記封着工程は、500℃程度の熱工程であり、ガラスや金属の部材は、図6に示すような各々の熱膨張特性に応じた伸びが発生する。
シールド電極5は、封着ガラス8よりも固着点温度(350℃付近)での熱膨張に伴う伸び量が大きい材料が使用されているので、シールド電極5を保持する42−6合金を使用したフレーム51のリード部56よりも伸び量が大きいこととなる。
【0032】
この伸び量の挙動を考えると、フレーム51のリード部56は、シールド電極5の中心線Yに対して対称形状で、E部とF部が同じ長さとされている。これにより、熱膨張に伴うシールド電極5の伸び方向及び伸び量も対称となるため、シールド電極5がフレーム51のリード部56よりも伸びようとする力は、図1のG部とH部に均一に吸収される。これにより、シールド電極5は、真空パッケージ11における一側方向及び他側方向(図1中上下方向)への変形が抑制される。
【0033】
シールド電極5の変形が抑制されると、上述した二列の蛍光体ドット群に対するシールド電極5の位置精度を好適にすることが可能となる。したがって、蛍光体に衝突する熱電子の軌道を左右の蛍光体ドット群で均等化させ、蛍光体の発光特性のバラツキを抑えることができ、光書込みデバイスとして感光媒体に露光させる際に高品質の画像を形成することができる。
【0034】
また、シールド電極5に用いられる材料として挙げた▲2▼34−3合金は、図6に示すように、封着ガラス8の固着点温度(350℃付近)では、封着ガラス8よりも熱膨張に伴う伸び量が大きく、蛍光プリントヘッドの駆動時の電極温度(150℃付近)では、封着ガラス8よりも熱膨張に伴う伸び量が小さい。
このため、34−3合金の材料を用いたシールド電極5は、封着工程後には上述したように張力が加わってたるみが防止され、また、蛍光プリントヘッドの作動時には熱変形が少なくなる。
【0035】
ところで、上述した実施の形態では、シールド電極5の真空パッケージ11における一側方向及び他側方向(図1中上下方向)への変形を抑止しているが、シールド電極5がフレーム51のリード部56よりも伸びようとする力がフレーム51のリード部56のG部とH部に吸収しきれない場合がある。
【0036】
この場合には、シールド電極5が、絶縁クロスオーバー層4に接離する方向、即ち図4における上下方向に変形する可能性がある。そして、この変形により、蛍光体に対するシールド電極5の高さ方向の寸法が不均一になるため、発光特性に影響を及ぼすこととなる。
【0037】
そこで、本実施の形態では、図2に示すように、シールド電極5の一側及び他側から延出する支持部55を設けている。この支持部55は、シールド電極5の長尺方向に交差する方向(図2ではシールド電極5の長尺方向に直交する方向)に延出するように形成されている。支持部55の延出長さは、図2に示すように、真空パッケージ11(ガラス基板1)の一側及び他側の外側に引出される長さであって、上述の封着工程において、封着ガラス8に掛かり得る長さとされている。また、支持部55は、図2中、真空パッケージ11の一側及び他側に延出するように、それぞれ一つずつ設けられているが、複数設けられていてもよい。さらに、支持部55は、シールド電極5の熱変形を均等に抑制するために、シールド電極5の中心線Yに対して対称形状となるようにし形成されていることが好ましい。
【0038】
このように構成された支持部55は、封着工程の際、封着ガラス8を介したガラス基板1とサイドガラス9との間で、クリップ等で挟み込まれる。これにより、支持部55は、封着工程での熱が加えられた時に、シールド電極5における絶縁クロスオーバー層4に接離する方向への変形を抑制する。
【0039】
この支持部55は、真空パッケージ11の封着ガラス8部分を介在して固定される。このため、支持部55は、封着ガラス8との熱膨張率が同等で、封着ガラス8との馴染みや接着強度の強い材料が選ばれることが好ましい。そこで、本実施の形態では、支持部55の材料として42−6合金(42Ni−6Cr−Fe)が使用されている。この場合、支持部55は、シールド電極5に対して溶接等で取り付けられる。
【0040】
また、支持部55は、シールド電極5と一体形成、即ち上記▲1▼〜▲2▼に示す特性を有する材料(例えば▲1▼SUS430、▲2▼34Ni−3Cr−Fe)にて形成されていてもよい。支持部55とシールド電極5を一体に形成すれば、支持部55をシールド電極5と共に容易に製造することが可能となる。
【0041】
なお、支持部55は、封着工程において、封着ガラス8を介したガラス基板1とサイドガラス9との間でクリップ等で挟み込まれて支持される。すなわち、支持部55は、封着工程において、シールド電極5の真空パッケージ11における一側方向及び他側方向(図1中上下方向)への変形をも抑制していることとなる。
【0042】
このように、上記支持部55は、シールド電極5を、絶縁クロスオーバー層4に接離する方向の変形、及び真空パッケージ11における一側方向及び他側方向への変形を抑制している。
このことから、上述した実施の形態のように、シールド電極5に対して対称形状のフレーム51でなくても、図3に示すように、従来の技術と同様のフレーム15を採用して、シールド電極5が変形し得る側、即ち導出リード17を有している側に延出する支持部55を設けるようにしてもよいことが言える。また、この場合の支持部55は、図3中、真空パッケージ11の一側に延出するように一つ設けられているが、複数設けられていてもよい。さらに、支持部55は、シールド電極5における真空パッケージ11の一側への熱変形を均等に抑制するために、シールド電極5の長尺方向の中央(一つの場合)、あるいは長尺方向に沿って均等(複数の場合)に配されていることが好ましい。
【0043】
したがって、図3に示す構造は、従来と同様のフレーム15を採用した上で、シールド電極5に支持部55を設けたことにより、図3の如くフレーム15がシールド電極5の中心線Yに対してA部よりもB部が長くても、シールド電極5の真空パッケージ11における一側方向及び他側方向(図1中上下方向)への変形、及びシールド電極5における絶縁クロスオーバー層4に接離する方向への変形を抑制することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による請求項1に記載の蛍光プリントヘッドは、シールド電極の固着位置に対して対称形状とされたフレームにより、封着工程でのシールド電極の熱膨張による伸び変形が均一に吸収される。これにより、シールド電極の熱変形が抑制されシールド電極の位置精度を向上することができる。
【0045】
請求項2に記載の蛍光プリントヘッドは、シールド電極に設けた支持部が、封着工程でのシールド電極の熱膨張による伸び変形を封着ガラスを介して抑制するので、さらにシールド電極の熱変形が抑制され、シールド電極の位置精度をより向上することができる。
【0046】
請求項3に記載の蛍光プリントヘッドは、請求項1の如くフレームを対称形状としなくても、支持部を設けることによって封着工程でのシールド電極の熱膨張による伸び変形を封着ガラスを介して抑制するので、シールド電極の熱変形を抑制し、シールド電極の位置精度を向上することができる。
【0047】
請求項4に記載の蛍光プリントヘッドは、支持部の材料を、封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が封着ガラスと略同等の金属材料としたので、支持部における封着ガラスとの馴染みが良くなり、強度の強い接着状態を得ることができる。
【0048】
請求項5に記載の蛍光プリントヘッドは、リード部の材料を、封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が封着ガラスと略同等の金属材料としたので、リード部における封着ガラスとの馴染みが良くなり、強度の強い接着状態を得ることができる。また、シールド電極の材料を、封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が、封着ガラスよりも大きい金属材料としたので、固着点温度以下の温度でシールド電極に張力が加わってたるみを防止することができる。
【0049】
請求項6に記載のプリントヘッドは、シールド電極の材料を、封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が封着ガラスよりも大きく、且つ、蛍光プリントヘッドの作動時の温度における熱膨張に伴う伸び量が封着ガラスよりも小さい金属材料としたので、固着点温度以下の温度でシールド電極に張力が加わってたるみを防止し、且つ、蛍光プリントヘッドの作動時には、熱変形を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蛍光プリントヘッドの金属マウントを示す平面図。
【図2】本発明による支持部を有した金属マウントを示す平面図。
【図3】本発明による支持部を有した他の構成の金属マウントを示す平面図。
【図4】蛍光プリントヘッドの断面構造を示す図であり図1のJ−J’部分及び図5のI−I’部分の断面図。
【図5】従来の蛍光プリントヘッドの金属マウントを示す平面図。
【図6】各金属材料とガラス基板についての温度と伸び率の関係を示したグラフ。
【図7】従来の金属マウントにおける封着工程時の作用を示す平面図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…薄膜陽極(陽極)、2b…陽極配線、3…蛍光体層、4…絶縁クロスオーバー層、5…シールド電極、7…フィラメント(陰極)、8…封着ガラス、9…サイドガラス(容器部)、10…フロントガラス(容器部)、11…真空パッケージ、15,51…フレーム、55…支持部、56…リード部。

Claims (6)

  1. ガラス基板と容器部を封着ガラスを以て組み立てた真空パッケージと、前記真空パッケージ内の前記ガラス基板上に形成された蛍光体層を有するドット列をなす陽極と、前記陽極に対面して設けた陰極と、前記陽極に接続する陽極配線と、前記陽極配線を保護する絶縁クロスオーバー層と、前記絶縁クロスオーバー層の上に配されたシールド電極とを有する蛍光プリントヘッドにおいて、
    前記シールド電極は、
    前記ドット列を囲むように長手形状に形成された開口を有しており、前記封着ガラスよりも固着点温度での熱膨張に伴う伸びが大きい材料が使用され、
    前記シールド電極を前記真空パッケージの外側に引出するとともに前記真空パッケージの前記封着ガラス部分を介在して固定される一対のリード部と一対のリード部の端部同士を接続する一対の接続部からなる略ロ字形の枠状をなすフレームにおける前記リード部に対し、前記シールド電極の長尺方向の中心線に対して前記リード部が対称形状となるように、その長尺方向の両端部が取り付けられていることを特徴とする蛍光プリントヘッド。
  2. 前記シールド電極が、前記シールド電極の長尺方向に交差する方向に延出するように形成されて、前記真空パッケージの前記封着ガラスの部分を介して固定される支持部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の蛍光プリントヘッド。
  3. ガラス基板と容器部を封着ガラスを以て組み立てた真空パッケージと、前記真空パッケージ内の前記ガラス基板上に形成された蛍光体層を有するドット列をなす陽極と、前記陽極に対面して設けた陰極と、前記陽極に接続する陽極配線と、前記陽極配線を保護する絶縁クロスオーバー層と、前記絶縁クロスオーバー層の上に配されたシールド電極とを有する蛍光プリントヘッドにおいて、
    前記シールド電極は、
    前記ドット列を囲むように長手形状に形成された開口を有しており
    前記シールド電極を前記真空パッケージの外側に引出するとともに前記真空パッケージの前記封着ガラス部分を介在して固定される一対のリード部と一対のリード部の端部同士を接続する一対の接続部からなる略ロ字形の枠状をなすフレームにおける前記リード部に対し、その長尺方向の両端部が取り付けられており
    前記シールド電極の長尺方向に交差する方向に延出するように形成されて、前記真空パッケージの前記封着ガラスの部分を介して固定される支持部を備えたことを特徴とする蛍光プリントヘッド。
  4. 前記支持部は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスと略同等の金属材料からなることを特徴とする請求項2あるいは請求項3に記載の蛍光プリントヘッド。
  5. 前記リード部は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスと略同等の金属材料からなり、
    前記シールド電極は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が、前記封着ガラスよりも大きい金属材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の蛍光プリントヘッド。
  6. 前記リード部は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスと略同等の金属材料からなり、
    前記シールド電極は、前記封着ガラスの固着点温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスよりも大きく、且つ、蛍光プリントヘッドの作動時の温度における熱膨張に伴う伸び量が前記封着ガラスよりも小さい金属材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の蛍光プリントヘッド。
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