JP3687150B2 - 熱交換器支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に言って熱交換器の支持装置に関するもので、自動車における空調用凝縮器、エンジン冷却用ラジエータ等の熱交換器を支持固定する支持装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用熱交換器の支持装置としては、実開平3−99607号公報において記載されたものがあり、この従来装置は図12に示す構造であって、チューブ15とコルゲートフィン16を交互に多数段にわたって積層した熱交換部17を有する空調用凝縮器において、この熱交換部17の最下部のフィン16の下方に、熱交換部補強用のサイドプレート19を配置し、これらの部材15、16、19をアルミニュウムで成形し、ろう付けで一体に接合している。
【0003】
そして、サイドプレート19にその下方へ突出する円筒状突出部19fおよび垂下壁部19bを本体板部19aに一体成形し、この円筒状突出部19fをゴム製のマウント部材21に設けられた上下方向の貫通穴21gに嵌入するとともに、このゴム製マウント部材21の上部突起部21cをサイドプレート2の円筒状突出部19fと垂下壁部19bとの間に介在させて、ゴム製マウント部材21をサイドプレート19に組付けている。
【0004】
そして、ゴム製マウント部材21の下部突起部21bを自動車の車体側取付ブラケット(図示せず)に設けられた取付穴に嵌入することにより、空調用凝縮器をゴム製マウント部材21を介して自動車の車体に防振的に取り付けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、マウント部材21の上下方向の貫通穴21gにサイドプレート19の円筒状突出部19fを嵌入しているので、この円筒状突出部19fがマウント部材21の心材となり、補強の役割を果たすので、空調用凝縮器と車体側取付ブラケットとの間の剛性が高くなり、振動吸収効果を低下させてしまうという問題がある。
【0006】
しかも、マウント部材21に上下方向の貫通穴21gを設けているので、この貫通穴21gの容積に相当する分だけ、マウント部材21の実質的なゴム体積が減少し、このゴム体積の減少により振動吸収効果をより一層低下させるという問題がある。
さらに、空調用凝縮器に横方向(水平方向)の振動が加わる場合に、上記のように剛性が高くなった分だけ、車体側取付ブラケットに大きな力が作用して、車体側取付ブラケットの破損が生じやすいという問題がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、振動吸収効果を向上できるとともに、取付ブラケットに加わる力を軽減できる熱交換器支持装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1記載の発明では、フィン(15)とチューブ(16)からなる熱交換部(17)と、この熱交換部(17)の上下端部に配設され、前記熱交換部(17)を補強する上側および下側のサイドプレート(18、19)とを有する熱交換器に適用され、前記上側および下側のサイドプレート(18、19)をゴム製のマウント部材(20、21)を介して防振的に支持する熱交換器支持装置において、
前記熱交換器の下方部に位置し、前記熱交換器の下方部を支持するように配設され、取付穴(23a)を有する取付ブラケット(23)と、
この取付ブラケット(23)の取付穴(23a)に嵌入され、保持されるゴム製のマウント部材(21)とを備え、
前記熱交換部(17)の下側サイドプレート(19)には、その下方へ所定間隔をあけて突出する複数の係止片(19c、19d)が形成されており、
前記マウント部材(21)は、前記取付穴(23a)に嵌入される下部突起部(21b)、および前記複数の係止片(19c、19d)の間に係止される上部突起部(21c)を有する中実形状に形成されており、
前記下側サイドプレート(19)が前記マウント部材(21)を介して前記取付ブラケット(23)に支持されるようにした熱交換器支持装置を特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の熱交換器支持装置において、前記下側サイドプレート(19)における前記係止片が、前記下側サイドプレート(19)の長手方向とは直角方向に所定間隔をおいて形成された2個の係止片(19d)から構成され、
前記マウント部材(21)の上部突起部(21c)の外周縁部が、前記2個の係止片(19d)により係止されるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明では、請求項1に記載の熱交換器支持装置において、前記下側サイドプレート(19)における前記係止片が、前記下側サイドプレート(19)の長手方向に所定間隔をおいて形成された2個の係止片(19c)と、前記下側サイドプレート(19)の長手方向とは直角方向に所定間隔をおいて形成された2個の係止片(19d)とから構成され、
前記マウント部材(21)の上部突起部(21c)の外周縁部が、前記長手方向の2個の係止片(19c)と、前記長手方向とは直角方向の2個の係止片(19d)とにより係止されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明では、フィン(16)とチューブ(15)からなる熱交換部(17)と、この熱交換部(17)の上下端部に配設され、前記熱交換部(17)を補強する上側および下側のサイドプレート(18、19)とを有する熱交換器に適用され、前記上側および下側のサイドプレート(18、19)をゴム製のマウント部材(20、21)を介して防振的に支持する熱交換器支持装置において、
前記熱交換器の下方部に位置し、前記熱交換器の下方部を支持するように配設され、取付穴(23a)を有する取付ブラケット(23)と、
この取付ブラケット(23)の取付穴(23a)に嵌入され、保持されるゴム製のマウント部材(21)とを備え、
前記熱交換部(17)の下端部に配設された下側サイドプレート(19)には、その下方へ所定間隔をあけて垂下する長手方向の垂下壁(19b)、およびこの垂下壁(19b)を貫通する第1の貫通穴(19e)が形成されており、
前記マウント部材(21)は、前記取付穴(23a)に嵌入される下部突起部(21b)、および前記長手方向の垂下壁(19e)の間に嵌入される上部突起部(21c)を有する中実形状に形成されており、
前記上部突起部(21c)には前記第1の貫通穴(19e)と同方向に貫通する第2の貫通穴(21f)が形成されており、
前記第1の貫通穴(19e)および前記第2の貫通穴(21f)に挿通され、前記下側サイドプレート(19)に前記マウント部材(21)を一体に結合する結合部材(24)を備え、
前記下側サイドプレート(19)が前記マウント部材(21)を介して前記取付ブラケット(23)に支持されるようにした熱交換器支持装置を特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器支持装置において、
前記熱交換器は自動車に搭載される自動車用熱交換器であって、前記取付ブラケット(23)は自動車の車体に備えられており、
前記下側サイドプレート(19)に前記マウント部材(21)が保持された状態で、前記マウント部材(21)の下部突起部(21b)が前記取付ブラケット(23)の取付穴(23a)に嵌入されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1〜5記載の発明によれば、上記技術的手段を有しているため、ゴム製のマウント部材の上部突起部の外周縁部をサイドプレートに設けた係止片により係止して、マウント部材をサイドプレートに取り付けることができる。従って、従来装置のように、マウント部材の上下方向の貫通穴にサイドプレートの円筒状突出部を嵌入する必要がない。
【0014】
そのため、本発明では、熱交換器と取付ブラケットとの間の剛性が高くなるのを抑制でき、ゴム製のマウント部材による振動吸収効果を良好に発揮できる。
しかも、ゴム製のマウント部材を、その中心部に貫通穴を設けない中実形状としているから、この貫通穴を設けない分だけ同一スペース内でのゴム体積を増大でき、このゴム体積の増大により振動吸収効果を一層向上できる。
【0015】
また、熱交換器と取付ブラケットとの間の剛性が高くなるのを抑制できるため、熱交換器に対して、横方向(水平方向)の大きな振動が加わった場合にも、この振動による力をゴム製のマウント部材により効果的に吸収でき、車体側取付ブラケットの損傷を防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1〜図6は第1実施形態を示し、この第1実施形態は本発明を自動車用空調装置の凝縮器支持装置に適用した例である。
【0017】
図1、2に示すように、本例の凝縮器10は、その左右方向の一端側に上下方向に延びる入口側ヘッダータンク11を有し、この入口側ヘッダータンク11には冷媒入口パイプ12が設けられている。凝縮器10の左右方向の他端側には、上下方向に延びる出口側ヘッダータンク13が配置され、この出口側ヘッダータンク13には冷媒出口パイプ14が設けられている。
【0018】
上記両ヘッダータンク11、13の間には、多数の並列配置された偏平チューブ15と、この偏平チューブ15の間に配設されたコルゲートフィン16とからなる熱交換部17が配設されている。偏平チューブ15の一端は入口側ヘッダータンク11内に連通し、他端は出口側ヘッダータンク13内に連通している。なお、偏平チューブ15とコルゲートフィン16は多数段に積層されているが、図3ではコルゲートフィン16の一部のみを図示している。
【0019】
上記熱交換部17の上下端部には、コルゲートフィン16を保護するとともに熱交換部17を補強する上側および下側のサイドプレート18、19が配設されている。上記した凝縮器10の構成は周知のものであって、各部材11〜19はアルミニュウムから成形され、ろう付けにより一体に接合されている。
上記した凝縮器10において、熱交換部17の上下端部に配設された上側および下側のサイドプレート18、19を、自動車の車体に防振支持する構造に、本発明の要部があるので、以下この防振支持構造について詳述する。
【0020】
上側および下側のサイドプレート18、19は、それぞれ、その長手方向において所定間隔をあけた2箇所に、ゴム製のマウント部材20、21を介して、取付ブラケット22、23に支持されるようになっている。この上下の防振支持構造は同一であるので、以下、下側のサイドプレート19に基づいて防振支持構造を説明する。
【0021】
図3、4に示すように、取付ブラケット23は鉄板等の金属にて略L字形に曲げ形成されており、その上面部に、マウント部材21が嵌入される取付穴23aが開けられている。ここで、取付ブラケット23はその上下方向の面にも取付穴23bが設けてあり、この取付穴23bに図示しないボルトを挿通して、自動車エンジン周辺の車体に取付ブラケット23が締めつけ固定されるようになっている。
【0022】
ゴム製のマウント部材21は図3〜5に示すように、中心部に貫通穴を持たない中実形状に形成されており、その形状を具体的に述べると、その軸方向の中央に円形のフランジ部21aを有している。この円形フランジ部21aの下部に円柱状の下部突起部21bが一体成形されており、この下部突起部21bの外径は取付ブラケット23の取付穴23aに嵌入できるように寸法設定されている。
【0023】
また、円形フランジ部21aの上部の中央には、略長方形状の上部突起部21cが一体成形されており、この上部突起部21cには、その上面から下方に向かって、断面長方形の係止穴21dが所定間隔をあけて2個設けられている。
また、円形フランジ部21aの上面において、上部突起部21cの側壁面に沿った部位から下方に向かって係止穴21eが開けられている。この係止穴21eも、図5に示すように、上部突起部21cの両側壁面に沿って2個設けられている。また、この係止穴21eの断面形状は図5(b)に示すように、後述する係止片との係止がより確実となるように、穴奥部の幅が広くなった引っ掛け形状にしてある。
【0024】
次に、下側のサイドプレート19の形状について詳述すると、サイドプレート19はアルミニュウムのような金属板をプレス成形したもので、細長く延びる本体板部19aと、この本体板部19aの長手方向の両側部から直角方向に折り曲げ形成された垂下壁部19bとを有し、この本体板部19aと垂下壁部19bとにより断面略U形状(図4参照)を構成している。
【0025】
そして、サイドプレート19のうち、ゴム製のマウント部材21を係止する2箇所の部位には、以下の2組の係止片19c、19dが一体に形成されている。すなわち、第1の係止片19cは本体板部19aからサイドプレート長手方向に所定間隔(前記した2個の係止穴21dと同一の間隔)でもって2個切り起こし形成されている。
【0026】
また、第2の係止片19dはサイドプレート長手方向とは直角方向に所定間隔をおいて形成されるものであって、本体板部19aの両側の垂下壁部19bにそれぞれ切欠き部19eを打ち抜くことにより、第2の係止片19dは根元部より先端部の幅寸法を広くした爪形状に形成されている。ここで、第2の係止片19dはゴム製マウント部材21の係止穴21eに嵌入できるように、その寸法が設定されている。
【0027】
なお、熱交換部17上部のサイドプレート18、ゴム製のマウント部材20、および取付ブラケット22は、上記した熱交換部17下部のサイドプレート19、ゴム製のマウント部材21、および取付ブラケット23と同一形状であるため、その具体的説明は省略する。
次に、上記した構成において凝縮器10の車体への装着方法を説明する。まず、凝縮器10の上下のサイドプレート18、19にマウント部材20、21を組付ける。この組付を下側サイドプレート19を例にとって具体的に説明すると、下側サイドプレート19の第1の係止片19cをマウント部材21の係止穴21dに、また第2の係止片19dをマウント部材21の係止穴21eにそれぞれ嵌入する。
【0028】
このとき、ゴムの弾力により第1、第2の係止片19c、19dと、係止穴21d、21eとを圧入嵌合できるとともに、第2の係止片19dが爪形状により抜け止めされて係止穴21eに係止されるので、マウント部材20、21を上下のサイドプレート18、19に確実に止めることができ、マウント部材20、21が落下する恐れはない。
【0029】
以上により、マウント部材21の上部突起部21cの外周縁部が、サイドプレート長手方向の2個の係止片19cと、サイドプレート長手方向とは直角方向の2個の係止片19dとにより係止されることになる。
次に、自動車の車体にボルト締めされた下側の取付ブラケット23の取付穴23aに、ゴム製マウント部材21の下部突起部21bを嵌入する。
【0030】
次に、熱交換部17上部において、同様の方法で、上側サイドプレート18にゴム製マウント部材20を組付ける。但し、上側のマウント部材20は下側マウント部材21を上下逆転して使用される。
その後に、上側の取付ブラケット22の取付穴(図示せず)をゴム製マウント部材20の上部突起部(下側マウント部材21の下部突起部21bに相当)に嵌入した後に、上側の取付ブラケット22のもう1つの取付穴にボルトを挿通して上側の取付ブラケット22を車体に締めつけ固定する。
【0031】
以上のようにして、凝縮器10をゴム製のマウント部材20、21を介して防振的に支持、固定できる。
次に、上記の熱交換器支持構造において、防振作用を説明すると、まずゴム製のマウント部材20、21の突起部21cの外周縁部を上下のサイドプレート18、19に設けた係止片19c、19dにより係止して、マウント部材20、21をサイドプレート18、19に取り付けるようにしているから、従来装置のように、マウント部材21の上下方向の貫通穴21gにサイドプレート19の円筒状突出部19fを嵌入する必要がない。
【0032】
そのため、本発明構造では、空調用凝縮器10と車体側取付ブラケット18、19との間の剛性が高くなるのを抑制でき、ゴム製のマウント部材20、21による振動吸収効果を良好に発揮できる。
しかも、ゴム製のマウント部材20、21を、その中心部に貫通穴を設けない中実形状としているから、この貫通穴を設けない分だけ同一スペース内でのゴム体積を増大でき、このゴム体積の増大により振動吸収効果を一層向上できる。
【0033】
また、空調用凝縮器10と車体側取付ブラケット18、19との間の剛性が高くなるのを抑制できるため、空調用凝縮器10に対して、横方向(水平方向)の大きな振動が加わった場合にも、この振動による力をゴム製のマウント部材20、21により効果的に吸収でき、車体側取付ブラケット18、19の損傷を防止できる。
(第2実施形態)
第2実施形態は図7〜図10に示す通りであって、第1実施形態を若干変形したものである。第1実施形態との相違点は第1に、サイドプレート19の本体板部19aからサイドプレート長手方向において所定間隔で切り起こし成形された2個の係止片19cを廃止した点である。従って、ゴム製のマウント部材21においても、係止片19cが係止される係止穴21dを廃止している。
【0034】
このように、サイドプレート19において、その長手方向と直角方向に延びる係止片19cを廃止することにより、サイドプレート19のプレス成形加工が容易となり、その加工コストを大幅に低減できる。
しかも、係止片19cと係止穴21dとの係止構造を廃止することにより、サイドプレート19の長手方向への動きを規制する抑止力が減少するので、第1実施形態に比して、より一層振動吸収効果を高めることができる。
【0035】
第2に、ゴム製のマウント部材21に設けた係止穴21eに係止される係止片19dの先端形状を丸みを持った円弧状の爪形状にした点である。すなわち、第1実施形態では、係止片19dの先端形状を直線的な爪形状にしているので、この直線的な爪形状によりゴム製のマウント部材21の係止穴21e部分を損傷させる場合があるが、第2実施形態では係止片19dの先端形状を丸みを持った円弧状の爪形状に成形することにより、係止穴21e部分の損傷を抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、凝縮器10の上下のサイドプレート18、19とゴム製のマウント部材20、21との取付構造を第1、第2実施形態と異なる構造に変更したものである。図11は凝縮器10の下側のサイドプレート19部分を示しており、この下側サイドプレート19のうち、その下方へ所定間隔をあけて垂下する長手方向の垂下壁19bに、この垂下壁19bを貫通する第1の貫通穴19eが形成されている。
【0036】
この垂下壁19bを貫通する第1の貫通穴19eは、下側サイドプレート19の前後の垂下壁19bの同一位置に開けてあり、かつ垂下壁19bの長手方向において、ゴム製マウント部材21の1個当たり、2箇所開けてある。
一方、ゴム製マウント部材21は、円形フランジ部21aの下側に、前記取付ブラケット23の取付穴23aに嵌入される下部突起部21bが形成されており、また円形フランジ部21aの上側に、前記長手方向の垂下壁19bの間に嵌入される上部突起部21cが形成されており、ゴム製マウント部材21は上記部分21a、21b、21cを有する中実形状に形成されている。
【0037】
上部突起部21cには、前記第1の貫通穴19eと同方向に貫通する第2の貫通穴21fが形成されている。この第2の貫通穴21fも、所定間隔をあけて2箇所設けられている。
24は一般にポップリベットと称されているリベット部材で、アルミニュウム製のものであり、円筒状部材24aの内周に軸部材24bを摺動可能に嵌合したものである。円筒状部材24aの一端部には鍔部24cが形成されている。また、軸部材24bの先端(円筒状部材24aの他端側)には、軸部材24bの外径より大きい球状部24dが設けてある。
【0038】
下側サイドプレート19にゴム製マウント部材21を取り付けるに当たっては、まずゴム製マウント部材21の上部突起部21cを前後の垂下壁19bの間に挿入し、この垂下壁19bを貫通する第1の貫通穴19eの位置にゴム製マウント部材21の上部突起部21cの第2の貫通穴21fを合わせる。次に、図示しない専用工具を用いて、リベット部材24をその球状部24d側から第1、第2の貫通穴19e、21fに挿入し、鍔部24cを垂下壁19bの外側面に当接させる。
【0039】
しかる後、上記専用工具を用いて、円筒状部材24aを上記挿入状態に保持したまま、リベット部材24の軸部材24bのみを図7の矢印イ方向に強制的に引き抜く。この引き抜きにより、円筒状部材24aの他端部(鍔部24cを設けてない側の端部)が球状部24dにより口拡される。
従って、ゴム製マウント部材21は、リベット部材24の円筒状部材24aの一端側の鍔部24cと他端側の口拡部とにより確実に下側サイドプレート19に取り付けられる。
【0040】
上側サイドプレート18とゴム製マウント部材20との取付も、同じリベット部材24を用いて行う。
第3実施形態の他の点は、第1、第2実施形態と同じである。
なお、上述の第1〜第3実施形態では、本発明を空調用凝縮器10に適用した例について説明したが、本発明はエンジン冷却用ラジエータ等の他の熱交換器にも同様に適用できることはもちろんである。また、本発明は自動車用以外の他の用途の熱交換器にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す空調用凝縮器の一部破断正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における要部の分解斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示す要部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるゴム製マウント部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるサイドプレートを示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態における要部の分解斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す要部の拡大断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態におけるゴム製マウント部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるサイドプレートを示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示す要部の分解斜視図である。
【図12】従来構造における要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
10…空調用凝縮器、15…チューブ、16…フィン、17…熱交換部、
18、19…サイドプレート、19b…垂下壁、19c、19d…係止片、
19e…第1の貫通穴、20、21…ゴム製マウント部材、
21b…下部突起部、21c…上部突起部、21d、21e…係止穴、
21f…第2の貫通穴、22、23…取付ブラケット、23a…取付穴、
24…リベット部材(結合部材)。
Claims (5)
- フィン(15)とチューブ(16)からなる熱交換部(17)と、この熱交換部(17)の上下端部に配設され、前記熱交換部(17)を補強する上側および下側のサイドプレート(18、19)とを有する熱交換器に適用され、前記上側および下側のサイドプレート(18、19)をゴム製のマウント部材(20、21)を介して防振的に支持する熱交換器支持装置において、
前記熱交換器の下方部に位置し、前記熱交換器の下方部を支持するように配設され、取付穴(23a)を有する取付ブラケット(23)と、
この取付ブラケット(23)の取付穴(23a)に嵌入され、保持されるゴム製のマウント部材(21)とを備え、
前記熱交換部(17)の下側サイドプレート(19)には、その下方へ所定間隔をあけて突出する複数の係止片(19c、19d)が形成されており、
前記マウント部材(21)は、前記取付穴(23a)に嵌入される下部突起部(21b)、および前記複数の係止片(19c、19d)の間に係止される上部突起部(21c)を有する中実形状に形成されており、
前記下側サイドプレート(19)が前記マウント部材(21)を介して前記取付ブラケット(23)に支持されるようにしたことを特徴とする熱交換器支持装置。 - 前記下側サイドプレート(19)における前記係止片が、前記下側サイドプレート(19)の長手方向とは直角方向に所定間隔をおいて形成された2個の係止片(19d)から構成され、
前記マウント部材(21)の上部突起部(21c)の外周縁部が、前記2個の係止片(19d)により係止されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器支持装置。 - 前記下側サイドプレート(19)における前記係止片が、前記下側サイドプレート(19)の長手方向に所定間隔をおいて形成された2個の係止片(19c)と、前記下側サイドプレート(19)の長手方向とは直角方向に所定間隔をおいて形成された2個の係止片(19d)とから構成され、
前記マウント部材(21)の上部突起部(21c)の外周縁部が、前記長手方向の2個の係止片(19c)と、前記長手方向とは直角方向の2個の係止片(19d)とにより係止されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器支持装置。 - フィン(16)とチューブ(15)からなる熱交換部(17)と、この熱交換部(17)の上下端部に配設され、前記熱交換部(17)を補強する上側および下側のサイドプレート(18、19)とを有する熱交換器に適用され、前記上側および下側のサイドプレート(18、19)をゴム製のマウント部材(20、21)を介して防振的に支持する熱交換器支持装置において、
前記熱交換器の下方部に位置し、前記熱交換器の下方部を支持するように配設され、取付穴(23a)を有する取付ブラケット(23)と、
この取付ブラケット(23)の取付穴(23a)に嵌入され、保持されるゴム製のマウント部材(21)とを備え、
前記熱交換部(17)の下端部に配設された下側サイドプレート(19)には、その下方へ所定間隔をあけて垂下する長手方向の垂下壁(19b)、およびこの垂下壁(19b)を貫通する第1の貫通穴(19e)が形成されており、
前記マウント部材(21)は、前記取付穴(23a)に嵌入される下部突起部(21b)、および前記長手方向の垂下壁(19e)の間に嵌入される上部突起部(21c)を有する中実形状に形成されており、
前記上部突起部(21c)には前記第1の貫通穴(19e)と同方向に貫通する第2の貫通穴(21f)が形成されており、
前記第1の貫通穴(19e)および前記第2の貫通穴(21f)に挿通され、前記下側サイドプレート(19)に前記マウント部材(21)を一体に結合する結合部材(24)を備え、
前記下側サイドプレート(19)が前記マウント部材(21)を介して前記取付ブラケット(23)に支持されるようにしたことを特徴とする熱交換器支持装置。 - 前記熱交換器は自動車に搭載される自動車用熱交換器であって、前記取付ブラケット(23)は自動車の車体に備えられており、
前記下側サイドプレート(19)に前記マウント部材(21)が保持された状態で、前記マウント部材(21)の下部突起部(21b)が前記取付ブラケット(23)の取付穴(23a)に嵌入されるようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器支持装置。
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