JP3686537B2 - 偏光分離素子及びその偏光分離素子の作成方法 - Google Patents

偏光分離素子及びその偏光分離素子の作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用ピックアップ等に応用される偏光分離素子、及びその偏光分離素子の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク等の光記録媒体に対して情報の記録・再生を行う光ディスク用ピックアップが知られているが、光ディスク用ピックアップでは、光ディスク基板からの情報信号を光源に戻すことなく効率よく受光光学系の光検出器へ導く手段として、偏光ビームスプリッタを1/4波長板と組み合わせて用い、光源からの出射光と光ディスクからの反射光とを偏光分離することが行われている。しかし、偏光ビームスプリッタは、複屈折の大きい結晶材料からなる2つのプリズムを組み合わせた構造や、あるいはガラス等の等方性の光学媒質からなる2つのプリズムの接合面(反射面)に誘電体多層膜を設けた構造などからなるため、大型でかつ高価であるという難点を有し、光ディスク用ピックアップの小型化や低コスト化を図りにくいという欠点がある。
【0003】
そこで、従来の偏光分離素子の難点を除去した、極めて薄い偏光分離素子として、複屈折回折格子型偏光板が提案されている(特開昭63−314502号公報)。この複屈折回折格子型偏光板は、複屈折光学結晶であるニオブ酸リチウム(LiNbO3 )を基板として用い、これに周期的パターンでプロトンイオン交換を施し、さらにプロトンイオン交換領域上に誘電体膜を装荷した構造を持ち、プロトンイオン交換領域での常光線の位相差を誘電体膜で相殺することにより、常光線は直進し、異常光線だけを回折させる機能を有しており、薄くて小型の偏光分離素子を実現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術によれば、常光と異常光を分離する偏光分離素子が実現されるが、次のような欠点がある。
▲1▼作成に時間がかかる。すなわち、結晶に対して周期的イオン交換処理を行う必要があるので、イオン交換だけでも5時間以上の時間が必要である。また、イオン交換だけでなく誘電体膜形成、そして、それのフォトリソグラフィーによるエッチングなど、工程が多く複雑である。
▲2▼コストが高い。すなわち、▲1▼で述べたように作成に時間や手間がかかる上、基板にLiNbO3 などの光学結晶が必要であり、素子の製造コストが高くなる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、作成に時間がかからず、複雑な工程がなく、簡易に作成できる偏光分離素子を提供すること、及び低コストの偏光分離素子を提供することを目的とする。
また、低コストに偏光分離素子を作成することができる偏光分離素子の作成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子として装荷され、前記複屈折膜に等方性オーバーコート層が被覆あるいは装荷された偏光分離素子において、前記複屈折膜が高分子複屈折膜からなり、該高分子複屈折膜は、延伸された有機高分子膜で形成されており、該有機高分子膜の延伸方向が周期的凹凸格子の格子ベクトル方向と同方向、または格子ベクトル方向と垂直方向に設定されていて、前記高分子複屈折膜の膜厚が周期的凹凸格子の格子深さhよりも厚く、格子深さhが透明基板まで達しておらず、前記高分子複屈折膜が透明基板と全面的に接触していることを特徴とする。
【0008】
請求項に係る発明は、請求項記載の偏光分離素子において、前記延伸された有機高分子膜は、ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料からなることを特徴とする。
【0009】
請求項に係る発明は、請求項1記載の偏光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、加熱延伸されたポリイミド複屈折膜で形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1,2または3記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をn、これと垂直方向の偏波に対する屈折率をnとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、
(n−n)h=mλ
(n−n)h=(m+1/2)λ
を略満足することを特徴とする。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項1,2または3記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をn、これと垂直方向の偏波に対する屈折率をnとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、
(n−n)h=(m+1/2)λ
(n−n)h=mλ
を略満足することを特徴とする。
【0012】
ここで本発明に係る偏光分離素子の作成方法としては、[1]:透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜を周期的凹凸格子として装荷し、前記複屈折膜に等方性オーバーコート層を被覆あるいは装荷する偏光分離素子の作成方法において、前記複屈折膜に周期的凹凸格子の格子ベクトル方向と同方向、または格子ベクトル方向と垂直方向に延伸された有機高分子膜からなる高分子複屈折膜を用い、この高分子複屈折膜の上に感光性樹脂からなる周期的パターンを形成し、この感光性樹脂からなる周期的パターンをエッチングマスクとしてドライエッチングを行い、高分子複屈折膜の周期的凹凸格子構造を形成した後、前記感光性樹脂マスクを除去し、その後、高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコート層を形成することを特徴とする。
【0013】
[2]:透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜を周期的凹凸格子として装荷し、前記複屈折膜に等方性オーバーコート層を被覆あるいは装荷する偏光分離素子の作成方法において、前記複屈折膜に周期的凹凸格子の格子ベクトル方向と同方向、または格子ベクトル方向と垂直方向に延伸された有機高分子膜からなる高分子複屈折膜を用い、この高分子複屈折膜の上に金属からなる周期的パターンを形成し、この金属からなる周期的パターンをエッチングマスクとしてドライエッチングを行い、高分子複屈折膜の周期的凹凸格子構造を形成した後、前記金属マスクを除去し、その後、高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコート層を形成することを特徴とする。
【0015】
[3]:[1]または[2]記載の偏光分離素子の作成方法において、前記有機高分子膜は、ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料からなることを特徴とする。
【0016】
[4]:[1]または[2]記載の偏光分離素子の作成方法において、前記高分子複屈折膜は、ポリイミドを加熱しながら延伸して作成したポリイミド複屈折膜であることを特徴とする。
【0017】
[5]:[1]または[2]記載の偏光分離素子の作成方法において、前記等方性オーバーコート層は、高分子複屈折膜の上に等方性樹脂を被覆して形成するか、あるいは、高分子複屈折膜の上に透明基板を等方性樹脂接着剤で接着して形成することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による偏光分離素子の構成及び動作と、その偏光分離素子の作成方法について、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(実施例1)
まず第1の実施例について説明する。図1は本発明に係る偏光分離素子の構成例を示す部分断面図である。
図1において、偏光分離素子1は、ガラスやプラスチック等の透明基板2上に周期的凹凸の格子構造を持つ高分子複屈折膜3が接着層5により接着されて該基板2上に装荷され、その高分子複屈折膜3の上を等方性のオーバーコート層4で覆われた構成となっている。本実施例では高分子複屈折膜3として、有機高分子材料からなるフィルム等を延伸して形成した有機高分子膜を用いることが特徴である。有機高分子材料を延伸すると光学異方性が生じるが、これは有機高分子フィルムを延伸すると材料中の高分子鎖の配向が生じ、延伸方向の屈折率とそれに直交する方向の屈折率に差異が生じるためである。この方法により形成された高分子複屈折膜は無機複屈折結晶材料に比べて大面積でかつ大量に、低コストに作成できる特徴がある。このため従来のニオブ酸リチウム(LiNbO )などの結晶材料から作成した偏光分離素子よりも安価な素子の提供が可能となる。
【0020】
延伸する有機高分子材料としては、かなり広範な材料が使え、例えばポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料が適用できる。ただし材料としてはこれらに限定されない。
【0021】
上記高分子複屈折膜3は図1の紙面方向に振動する光とこれと垂直方向に振動する光に対する屈折率が異なる複屈折性を示す膜である。この高分子複屈折膜3を用いた偏光分離素子1の動作を図2、図3に示す。
図2は図1に示す構成の偏光分離素子の動作の一実施例を示す図であり、偏光分離素子1への入射光が紙面方向とそれに垂直の2方向の振動成分をもつものとする。図2では偏光分離素子1を透過後、紙面方向の振動成分の光は0次光として直進する。また紙面と垂直方向の振動成分の光は±1次光として回折する。よって偏光方向により進行方向が変わり、偏光分離素子として動作する。
図3は図1に示す構成の偏光分離素子の別の動作の実施例を示す図であり、図2とは反対に紙面に垂直な振動方向の光が0次光として直進し、紙面方向に振動する光が±1次光として回折され、偏光分離される。
【0022】
(実施例2)
次に第2の実施例について説明する。図4は本発明に係る偏光分離素子の別の構成例を示す部分断面図である。
図4において、偏光分離素子1は、ガラスやプラスチック等の透明基板2上に周期的凹凸の格子構造を持つ高分子複屈折膜3’が接着層5により接着されて該基板2上に装荷され、その高分子複屈折膜3’の上を等方性のオーバーコート層4で覆われた構成となっている。本実施例では高分子複屈折膜3’として、特にポリイミドを加熱延伸して作成した複屈折性ポリイミド膜(以下、ポリイミド複屈折膜と言う)を用いることが特徴である。このポリイミド複屈折膜3’は、ニオブ酸リチウム(LiNbO )と比べて、複屈折性が比較的大きく(ポリイミド複屈折膜の屈折率差Δn=0.13、ニオブ酸リチウムの屈折率差Δn=0.08)、凹凸の深さを小さくでき作成が容易である。また、プラスチックなので材料のコストをニオブ酸リチウムのような結晶に比べて著しく下げることができる。また、ポリイミドは耐熱性も高く、耐久性に優れるという特徴もある。このポリイミド複屈折膜3’は図4の紙面方向に振動する光とこれと垂直方向に振動する光に対する屈折率が異なる複屈折性を示す膜である。尚、このポリイミド複屈折膜3’を用いた偏光分離素子1の動作は、実施例1の図2、図3に示した偏光分離素子の動作例と同じであるので説明を省略する。
【0023】
(実施例3)
次に第3の実施例について説明する。本実施例では、詳しく素子の動作を解析し、図2の偏光分離素子の動作の最適条件を求める。
ここで図5は偏光分離素子1の要部を部分的に拡大して示す断面図である。図5に示すように、透明基板2上に装荷された高分子複屈折膜3(延伸された有機高分子膜であり、加熱延伸されたポリイミド複屈折膜も含む)が周期dで規則的に凹凸格子構造となっており、この凹凸格子形状の深さをhとする。
【0024】
ここで高分子複屈折膜3の周期的凹凸格子の紙面方向の偏波(例えばp偏光とする)に対する屈折率をnp 、紙面と垂直方向の偏波(例えばs偏光とする)に対する屈折率をns とし、また、等方性オーバーコート層4の屈折率をn1 とすると、例えば図5において、光路A,Bに対する光路長差Δは、
紙面方向(格子ベクトル方向):Δp=(np−n1)h ・・・(1)
紙面に垂直方向(格子ベクトルに垂直方向):Δs=(ns−n1)h ・・・(2)
となる。以後、紙面方向を格子ベクトル方向と呼ぶ(図1に図示)。
【0025】
図2のように格子ベクトル方向の振動成分が0次光として直進し、格子ベクトルと垂直方向の振動成分が±1次光として回折されるためには、次の二式が満足されることが必要である。すなわち、使用する光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、
(np−n1)h=mλ ・・・(3)
(ns−n1)h=(m+1/2)λ ・・・(4)
となる。
【0026】
ここで(3) 式は、格子ベクトル方向の振動成分の光の光路差が波長λの整数倍となり、格子通過後も0次光として直進する条件である(干渉により強め合う)。また(4) 式は、格子ベクトル方向と垂直な振動成分の光に対してA,B部の光路差が半波長の奇数倍だけずれて打ち消し合い、直進光(0次光成分)がなくなり、全て回折光となる条件である(干渉により直進成分は打ち消し合い、回折光の方に光がいく)。よって、0次光と1次光に偏光分離するとき、偏光分離度(消光比)を高めるためには(3),(4)式を満足していることが必要である。ただし、実用的には(3),(4)式を厳密に満足していなくても、略(3),(4)式近傍の条件になるように複屈折膜3の屈折率np,ns、オーバーコート層4の屈折率n1 、複屈折膜3の凹凸格子深さh、次数mを設定する。
【0027】
(実施例4)
次に第4の実施例について説明する。本実施例では、偏光分離素子1が図3のように動作するときの最適条件を求める。
図3のように格子ベクトル方向の振動成分を持つ偏光が±1次光として回折し、格子ベクトルと垂直方向の振動成分を持つ偏光が0次光として直進する条件は、高分子複屈折膜3(延伸された有機高分子膜であり、加熱延伸されたポリイミド複屈折膜も含む)の周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波(p偏光)に対する屈折率をn、これと垂直方向の偏波(s偏光)に対する屈折率をnとし、等方性オーバーコート層4の屈折率をn、複屈折膜3の周期的凹凸格子の凹凸
深さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、
(n−n)h=(m±1/2)λ ・・・(5)
(n−n)h=mλ ・・・(6)
となる((5)式は干渉により直進成分は打ち消し合い回折光となる条件、(6)式は干渉により強め合い格子通過後も0次光として直進する条件である)。従って実際に(5),(6)式の条件が略成り立つように複屈折膜3の屈折率n,n、オーバーコート層4の屈折率n 、複屈折膜3の凹凸格子深さh、次数mを設定する。
【0028】
(実施例5)
次に第5の実施例について説明する。本実施例では図1に示した構成の高分子複屈折膜、すなわち延伸された有機高分子膜からなる延伸化高分子複屈折膜3を使った偏光分離素子1の作成方法について説明する。
延伸化高分子複屈折膜3は製膜時に、有機高分子材料を一方に強く引っ張りながら製膜することで作成される。延伸する有機高分子材料としては、かなり広範な材料が使え、例えばポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料が適用できる。ただし材料としてはこれらに限定されない。高分子複屈折膜3の複屈折性は、膜の延伸方向の屈折率が延伸方向とは垂直方向の面内屈折率よりも大きくなるように現われる。ただしポリスチレンだけは延伸方向と垂直方向の屈折率の方が大きくなる。複屈折性は膜面内の延伸方向とこれに垂直方向の屈折率差Δnで表される。
【0029】
次に、以上のようにして作成された高分子複屈折膜を用いて偏光分離素子を作成する工程を図6に示す。
まず図6(a)に示すように、高分子複屈折膜3をガラスやプラスチックなどの透明基板2上に接着層5により接着した後、図6(b)に示すように、高分子複屈折膜3の上に感光性樹脂(以後、フォトレジストと呼ぶ)6をスピンコートする。そしてこのフォトレジスト6に回折格子パターンをもつフォトマスクを介して周期的パターンを露光する。このときの露光はマスクによる密着露光でもよいし、投影露光でもよい。この他、電子線等の露光や、あるいはレーザ光による干渉露光などでもよい。露光後、フォトレジスト6を現像し、図6(c)のようにフォトレジストによる周期的格子パターン6’を形成する。
【0030】
次に図6(d)のように、フォトレジストの周期的格子パターン6’をエッチングマスクとして酸素ガスなどによる反応性イオンエッチングで高分子複屈折膜3をドライエッチングした後、図6(e)のように、溶剤あるいはガスによるアッシングでフォトレジストマスク6’を除去して基板2上に高分子複屈折膜3の回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を形成する。そして図6(f)のように、回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を有する高分子複屈折膜3の上に等方性の樹脂をスピンコートして被覆し、紫外線(UV)または熱を印加して樹脂を固化し、等方性オーバーコート層4を形成する。このときオーバーコート層4の樹脂の屈折率は前述の式(3),(4)または(5),(6)を略満足するように設定することが望ましい。
【0031】
尚、等方性オーバーコート層4の形成法としては、樹脂のスピンコートの他、ロールコート、ディッピングコートなどの方法、あるいは、誘電体(SiO2、SiON、他)の真空蒸着、スパッタリング、CVDなどによる成膜法で形成できるが、この中で樹脂のスピンコートが平坦性が優れ、また簡易、低コストに形成できるのでよい。また、本発明の作成方法は、従来技術で述べた偏光分離素子のように数時間に及ぶ工程が含まれておらず、偏光分離素子の作成に時間、手間がかからない。
【0032】
図6に示した偏光分離素子の作成工程では、高分子複屈折膜3を下の透明基板2までドライエッチングして周期的格子の凹凸パターンを形成している。この場合は高分子複屈折膜3の膜厚が格子深さhとなっているが、これに限らず、図7に示す偏光分離素子1’のように、高分子複屈折膜3の膜厚は格子深さhよりも大きくて良く、ドライエッチングを深さhで止めて、所望の格子深さの周期的凹凸格子を形成しても良い。
【0033】
また図6に示した偏光分離素子の作成工程では、等方性オーバーコート層4を樹脂のスピンコートにより被覆形成した例を示したが、図8に示す偏光分離素子1”のように、高分子複屈折膜3による周期的凹凸格子パターンを形成した後、その上にガラス等の透明基板8を等方性の樹脂接着剤7で接着して装荷する構造も考えられる。このときの樹脂接着剤(等方性樹脂接着層)7の屈折率は前述の式(3),(4)または(5),(6)を略満足することが望ましい。尚、図8の構造とすれば、両面が平坦化された偏光分離素子が得られる。
【0034】
さらに図6に示した偏光分離素子の作成工程では、高分子複屈折膜3は透明基板2にまず接着してからフォトレジスト塗布、マスク露光、ドライエッチングを行ったが、これに限定されず、透明基板2に接着する前に高分子複屈折膜3上にフォトレジスト塗布、マスク露光、現像、ドライエッチングの工程を行い、高分子複屈折膜3に周期的凹凸格子パターンを形成した後、基板2に接着してオーバーコート層4を形成する方法や、あるいは、高分子複屈折膜3上へのフォトレジスト塗布、マスク露光、現像までの工程は膜のままで行い、ドライエッチング以降の工程は基板に接着して行う方法でもよい。
【0035】
(実施例6)
次に第6の実施例について説明する。本実施例は図1に示した構成の偏光分離素子の作成方法の別の例であり、図9に偏光分離素子の作成工程を示す。
図9において(a)〜(c)の工程、すなわち、透明基板2への高分子複屈折膜3の接着層5による接着、フォトレジスト6の塗布、及びマスク露光、現像によるフォトレジスト6の周期的格子パターンの形成までの工程は、図6の(a)〜(c)の工程と同じであるので説明は省略する。本実施例では、図9(c)のフォトレジスト6の周期的格子パターンを形成後、図9(d)のように、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)などの金属層9を蒸着やスパッタリングなどでフォトレジスト6上に成膜し、次に図9(e)のように、フォトレジスト6を溶剤で除去して高分子複屈折膜3上に金属層の周期的格子パターン9’を残す。そして図9(f)のように、金属層の周期的格子パターン9’をエッチングマスクとして酸素ガスなどによる反応性イオンエッチングでドライエッチングする。次に図9(g)のように、金属マスク9’を硫酸などの酸で溶解して高分子複屈折膜3上から除去して基板2上に高分子複屈折膜3の回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を形成する。そして図9(h)のように、回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を有する高分子複屈折膜3の上に等方性の樹脂をスピンコートして被覆し、紫外線(UV)または熱を印加して樹脂を固化し、等方性オーバーコート層4を形成する。このときオーバーコート層4の樹脂の屈折率は前述の式(3),(4)または(5),(6)を略満足するように設定することが望ましい。
【0036】
図9に示した偏光分離素子の作成工程では、フォトレジスト6による周期的格子パターンの上に金属層9を成膜したが、これに限らず次のような方法でもよい。すなわち、フォトレジスト塗布前(図9(a)の状態)にAl,Crなどの金属層9を高分子複屈折膜3上に成膜し、この上にフォトレジスト塗布、パターン露光、フォトレジストの現像処理の工程を行ってフォトレジストの周期的格子パターンを形成した後、フォトレジストをマスクとして、硫酸などの酸によりフォトレジストがないところの金属層をエッチング除去し、次にフォトレジストを溶剤で除去して高分子複屈折膜3上に金属からなる周期的格子パターンのマスクを残す(図9(e)と同じ状態となる)。これ以降は図9(f),(g)と同様に、この金属層の周期的格子パターン9’をエッチングマスクとして酸素ガスなどによる反応性イオンエッチングでドライエッチングした後、金属マスク9’を硫酸などの酸で溶解して高分子複屈折膜3上から除去して基板2上に高分子複屈折膜3の回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を形成し、以後図9(h)のように、回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を有する高分子複屈折膜3の上に等方性オーバーコート層4の形成を行う。
【0037】
尚、本実施例においても実施例5と同様に、等方性オーバーコート層4は樹脂のスピンコート等により被覆形成する他、図8のように、高分子複屈折膜3による周期的凹凸格子パターンを形成した後、その上にガラス等の透明基板8を等方性の樹脂接着剤7で接着して装荷する構造でもよい。また、高分子複屈折膜3による周期的凹凸格子の格子深さhも図7のように任意に設定することができる。また、高分子複屈折膜3を透明基板2に接着してから金属マスク9’の形成、ドライエッチングを行ったが、これに限定されず、透明基板2に接着する前に高分子複屈折膜3上に金属マスク9’を形成してドライエッチングを行い、高分子複屈折膜3に周期的凹凸格子パターンを形成した後、基板2に接着してオーバーコート層4を形成する方法や、あるいは、高分子複屈折膜3上への金属マスク9’の形成までの工程は膜のままで行い、ドライエッチング以降の工程は基板に接着して行う方法でもよい。
【0038】
(実施例7)
次に第7の実施例について説明する。本実施例では高分子複屈折膜として特にポリイミド複屈折膜3’を使った偏光分離素子(図4の構成)の作成方法について説明する。
まずポリイミド複屈折膜を作成する。その作成方法の一例を図10に示す。図10(a)に示すようにガラス基板、あるいはSi基板などの平面性のよい基板上に原料となるポリアミド酸溶液(ジメチルアルコールなどを溶媒とする)をスピンコートにより所定の厚さ塗布した後、乾燥させ、ポリアミド酸膜を形成する。乾燥後、図10(b)に示すようにポリアミド酸膜を基板より剥離する。そして図10(c)に示すように、基板より剥離したポリアミド酸膜を高温中(例えば350℃)で加熱しながら一方向に引っ張り延伸させる。この操作によりポリアミド酸膜は熱でイミド化してポリイミド膜となり、同時に延伸により複屈折性が生じてポリイミド複屈折膜となる。
【0039】
このポリイミド複屈折膜の複屈折性は、膜の延伸方向の屈折率が延伸方向とは垂直方向の面内屈折率よりも大きくなるように現われる。また、複屈折性は膜面内の延伸方向とこれに垂直方向の屈折率差Δnで表される。この屈折率差Δnは延伸イミド化時の温度、張力で制御できる。
尚、典型的なポリイミド複屈折膜の屈折率は延伸方向でn=1.62、これと垂直方向でn=1.49であり、複屈折性はΔn=0.13程度である。
【0040】
以上のようにして作成されたポリイミド複屈折膜を高分子複屈折膜として用いて偏光分離素子を作成する工程は、先の実施例5(図6)あるいは実施例6(図8)で示した作成方法と同様の工程であるので、ここでは説明を省略する。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明では、透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子として装荷され、前記複屈折膜に等方性オーバーコート層が被覆あるいは装荷された偏光分離素子において、前記複屈折膜が高分子複屈折膜からなり、該高分子複屈折膜は、延伸された有機高分子膜で形成されており、該有機高分子膜の延伸方向が周期的凹凸格子の格子ベクトル方向と同方向、または格子ベクトル方向と垂直方向に設定されていて、前記高分子複屈折膜の膜厚が周期的凹凸格子の格子深さhよりも厚く、格子深さhが透明基板まで達しておらず、前記高分子複屈折膜が透明基板と全面的に接触していることを特徴とするので、従来技術による偏光分離素子(LiNbO を基板として用い、これに周期的パターンでプロトンイオン交換を施し、さらにプロトンイオン交換領域上に誘電体膜を装荷した構造等)に比べて、構成が簡易であり、作成がしやすい偏光分離素子が提供できる。
【0042】
請求項に係る発明では、請求項1記載の偏光分離素子において、前記延伸された有機高分子膜は、ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料で形成されていることを特徴とするので、構成が簡易であり、作成がしやすく、また材料のコストも低く、大量生産が容易な偏光分離素子が提供できる。
【0043】
請求項に係る発明では、請求項1記載の偏光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、加熱延伸されたポリイミド複屈折膜で形成されていることを特徴とするので、構成が簡易であり、作成がしやすく、また材料のコストも低く、大量生産が容易で、耐熱性にも優れる偏光分離素子を提供することができる。
【0044】
請求項に係る発明では、請求項1,2または3記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をn、これと垂直方向の偏波に対する屈折率をnとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、
(n−n)h=mλ
(n−n)h=(m+1/2)λ
を略満足することを特徴とするので、波長λの光に対して最大の消光比(偏光分離度)を与えることができる。また、上記の条件により、0次光が格子ベクトル方向の偏波、±1次回折光がこれと垂直な方向の偏波に分離し、最も消光比の高い条件となる。
【0045】
請求項に係る発明では、請求項1,2または3記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をn、これと垂直方向の偏波に対する屈折率をnとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、
(n−n)h=(m+1/2)λ
(n−n)h=mλ
を略満足することを特徴とするので、波長λの光に対して最大の消光比(偏光分離度)を与えることができる。また、上記の条件により、請求項とは逆に、0次光が格子ベクトルと垂直方向の偏波、±1次回折光が格子ベクトル方向の偏波となる場合に最大の消光比を持たせられる。
【0046】
ここで本発明では、[1]:透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜を周期的凹凸格子として装荷し、前記複屈折膜に等方性オーバーコート層を被覆あるいは装荷する偏光分離素子の作成方法において、前記複屈折膜に周期的凹凸格子の格子ベクトル方向と同方向、または格子ベクトル方向と垂直方向に延伸された有機高分子膜からなる高分子複屈折膜を用い、この高分子複屈折膜の上に感光性樹脂(フォトレジスト)からなる周期的パターンを形成し、この感光性樹脂からなる周期的パターンをエッチングマスクとしてドライエッチングを行い、高分子複屈折膜の周期的凹凸格子構造を形成した後、前記感光性樹脂マスクを除去し、その後、高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコート層を形成することを特徴とするので、比較的簡単な工程で長時間をかけずに偏光分離素子を作成することができる。
【0047】
また、本発明では、[2]:透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜を周期的凹凸格子として装荷し、前記複屈折膜に等方性オーバーコート層を被覆あるいは装荷する偏光分離素子の作成方法において、前記複屈折膜に周期的凹凸格子の格子ベクトル方向と同方向、または格子ベクトル方向と垂直方向に延伸された有機高分子膜からなる高分子複屈折膜を用い、この高分子複屈折膜の上に金属からなる周期的パターンを形成し、この金属からなる周期的パターンをエッチングマスクとしてドライエッチングを行い、高分子複屈折膜の周期的凹凸格子構造を形成した後、前記金属マスクを除去し、その後、高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコート層を形成することを特徴とするので、比較的簡単な工程で長時間をかけずに偏光分離素子を作成することができる。
【0048】
さらに本発明では、[1]または[2]記載の偏光分離素子の作成方法において、前記高分子複屈折膜は、製膜時に有機高分子膜(例えばポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料)を延伸して作成した延伸化高分子複屈折膜であることを特徴とするので、比較的簡単な工程で長時間をかけずに偏光分離素子を作成することができ、また材料のコストも低いので、低コストに偏光分離素子を作成することができる。
【0049】
また、本発明では、[1]または[2]記載の偏光分離素子の作成方法において、前記高分子複屈折膜は、ポリイミドを加熱しながら延伸して作成したポリイミド複屈折膜であることを特徴とするので、比較的簡単な工程で長時間をかけずに偏光分離素子を作成することができ、また材料のコストが低く、耐熱性もあるので、低コストに耐熱性に優れる偏光分離素子を作成することができる。
【0050】
また、本発明では、[1]または[2]記載の偏光分離素子の作成方法において、前記等方性オーバーコート層は、高分子複屈折膜の上に等方性樹脂を被覆して形成するか、あるいは、高分子複屈折膜の上に透明基板を等方性樹脂接着剤で接着して形成することを特徴とするので、等方性オーバーコート層の形成が容易で、かつ低コストに形成でき、低コストに偏光分離素子を作成することができる。また、両面が平坦化された偏光分離素子を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光分離素子の構成例を示す部分断面図である。
【図2】図1に示す構成の偏光分離素子の動作の一実施例を示す図である。
【図3】図1に示す構成の偏光分離素子の動作の別の実施例を示す図である。
【図4】本発明に係る偏光分離素子の別の構成例を示す部分断面図である。
【図5】図1に示す構成の偏光分離素子の要部を部分的に拡大して示す図である。
【図6】本発明に係る偏光分離素子の作成方法の一例を示す工程説明図である。
【図7】本発明に係る偏光分離素子のさらに別の構成例を示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る偏光分離素子のさらに別の構成例を示す部分断面図である。
【図9】本発明に係る偏光分離素子の作成方法の別の例を示す工程説明図である。
【図10】ポリイミド複屈折膜の作成方法の説明図である。
【符号の説明】
1,1’,1”:偏光分離素子
2:透明基板
3:高分子複屈折膜(延伸された有機高分子膜)
3’:ポリイミド複屈折膜
4:等方性オーバーコート層
5:接着層
6:フォトレジスト
6’:フォトレジストマスク(フォトレジストの周期的格子パターン)
7:等方性樹脂接着層
8:透明基板
9:金属層
9’:金属マスク(金属層の周期的格子パターン)

Claims (8)

  1. 透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子として装荷され、前記複屈折膜に等方性オーバーコート層が被覆あるいは装荷された偏光分離素子において、
    前記複屈折膜が高分子複屈折膜からなり、該高分子複屈折膜は、延伸された有機高分子膜で形成されており、該有機高分子膜の延伸方向が周期的凹凸格子の格子ベクトル方向と同方向、または格子ベクトル方向と垂直方向に設定されていて、前記高分子複屈折膜の膜厚が周期的凹凸格子の格子深さhよりも厚く、格子深さhが透明基板まで達しておらず、前記高分子複屈折膜が透明基板と全面的に接触していることを特徴とする偏光分離素子。
  2. 請求項1記載の偏光分離素子において、前記延伸された有機高分子膜は、ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料からなることを特徴とする偏光分離素子。
  3. 請求項1記載の偏光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、加熱延伸されたポリイミド複屈折膜で形成されていることを特徴とする偏光分離素子。
  4. 請求項1,2または3記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をn、これと垂直方向の偏波に対する屈折率をnとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、
    (n−n)h=mλ
    (n−n)h=(m+1/2)λ
    を略満足することを特徴とする偏光分離素子。
  5. 請求項1,2または3記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をn、これと垂直方向の偏波に対する屈折率をnとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、
    (n−n)h=(m+1/2)λ
    (n−n)h=mλ
    を略満足することを特徴とする偏光分離素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の偏光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、延伸方向の屈折率とそれに直交する方向の屈折率に差異を有する延伸された有機高分子膜で形成されていることを特徴とする偏光分離素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の偏光分離素子において、前記等方性オーバーコート層として、高分子複屈折膜の上に等方性樹脂を被覆して形成したことを特徴とする偏光分離素子。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の偏光分離素子において、前記等方性オーバーコート層として、高分子複屈折膜の上に透明基板を等方性樹脂接着剤で接着して装荷したことを特徴とする偏光分離素子。
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