JP2000075130A - 偏光分離素子及びその偏光分離素子の作成方法 - Google Patents

偏光分離素子及びその偏光分離素子の作成方法

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JP2000075130A JP10255734A JP25573498A JP2000075130A JP 2000075130 A JP2000075130 A JP 2000075130A JP 10255734 A JP10255734 A JP 10255734A JP 25573498 A JP25573498 A JP 25573498A JP 2000075130 A JP2000075130 A JP 2000075130A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作成に時間がかからず、複雑な工程がなく簡易
に作成できる、低コストな偏光分離素子を提供すること
を課題とする。 【解決手段】本発明の偏光分離素子は、直交する2つの
偏光成分を分離するため、透明基板2上に入射光の異な
る偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜3が周期的凹凸
格子として装荷され、さらにその上に等方性オーバーコ
ート層4が被覆あるいは装荷されており、入射光の直交
する偏光を0次光と回折光に分離する偏光分離素子1で
あり、前記複屈折膜3が高分子複屈折膜(例えば延伸さ
れた有機高分子膜)からなることを特徴とするので、構
成が簡易で作成がしやすく、また材料のコストも低く、
大量生産が容易な偏光分離素子を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク用ピッ
クアップ等に応用される偏光分離素子、及びその偏光分
離素子の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等の光記録媒体に対して情報
の記録・再生を行う光ディスク用ピックアップが知られ
ているが、光ディスク用ピックアップでは、光ディスク
基板からの情報信号を光源に戻すことなく効率よく受光
光学系の光検出器へ導く手段として、偏光ビームスプリ
ッタを1/4波長板と組み合わせて用い、光源からの出
射光と光ディスクからの反射光とを偏光分離することが
行われている。しかし、偏光ビームスプリッタは、複屈
折の大きい結晶材料からなる2つのプリズムを組み合わ
せた構造や、あるいはガラス等の等方性の光学媒質から
なる2つのプリズムの接合面(反射面)に誘電体多層膜
を設けた構造などからなるため、大型でかつ高価である
という難点を有し、光ディスク用ピックアップの小型化
や低コスト化を図りにくいという欠点がある。
【0003】そこで、従来の偏光分離素子の難点を除去
した、極めて薄い偏光分離素子として、複屈折回折格子
型偏光板が提案されている(特開昭63−314502
号公報)。この複屈折回折格子型偏光板は、複屈折光学
結晶であるニオブ酸リチウム(LiNbO3 )を基板と
して用い、これに周期的パターンでプロトンイオン交換
を施し、さらにプロトンイオン交換領域上に誘電体膜を
装荷した構造を持ち、プロトンイオン交換領域での常光
線の位相差を誘電体膜で相殺することにより、常光線は
直進し、異常光線だけを回折させる機能を有しており、
薄くて小型の偏光分離素子を実現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術によれ
ば、常光と異常光を分離する偏光分離素子が実現される
が、次のような欠点がある。 作成に時間がかかる。すなわち、結晶に対して周期的
イオン交換処理を行う必要があるので、イオン交換だけ
でも5時間以上の時間が必要である。また、イオン交換
だけでなく誘電体膜形成、そして、それのフォトリソグ
ラフィーによるエッチングなど、工程が多く複雑であ
る。 コストが高い。すなわち、で述べたように作成に時
間や手間がかかる上、基板にLiNbO3 などの光学結
晶が必要であり、素子の製造コストが高くなる。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、作成に時間がかからず、複雑な工程がなく、簡易
に作成できる偏光分離素子を提供すること、及び低コス
トの偏光分離素子を提供することを目的とする。また、
低コストに偏光分離素子を作成することができる偏光分
離素子の作成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、直交する2つの偏光成分を
分離するため、透明基板上に入射光の異なる偏光面に対
し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子として装荷
され、さらにその上に等方性オーバーコート層が被覆あ
るいは装荷されており、入射光の直交する偏光を0次光
と回折光に分離する偏光分離素子において、前記複屈折
膜が高分子複屈折膜からなることを特徴とする。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載の偏
光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、延伸され
た有機高分子膜で形成されていることを特徴とする。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項2記載の偏
光分離素子において、前記延伸された有機高分子膜は、
ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(P
VA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリス
チレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサル
フォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料か
らなることを特徴とする。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項1記載の偏
光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、加熱延伸
されたポリイミド複屈折膜で形成されていることを特徴
とする。
【0010】請求項5に係る発明は、請求項1,2,3
または4記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜
からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対
する屈折率をnp、これと垂直方向の偏波に対する屈折
率をnsとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn1
高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さを
h、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=
0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、 (np−n1)h=mλ (ns−n1)h=(m+1/2)λ を略満足することを特徴とする。
【0011】請求項6に係る発明は、請求項1,2,3
または4記載の偏光分離素子において、高分子複屈折膜
からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に対
する屈折率をnp、これと垂直方向の偏波に対する屈折
率をnsとし、等方性オーバーコート層の屈折率をn1
高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深さを
h、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=
0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、 (np−n1)h=(m+1/2)λ (ns−n1)h=mλ を略満足することを特徴とする。
【0012】請求項7に係る発明は、直交する2つの偏
光成分を分離するため、透明基板上に入射光の異なる偏
光面に対し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子と
して装荷され、さらにその上に等方性オーバーコート層
が被覆あるいは装荷されており、入射光の直交する偏光
を0次光と回折光に分離する偏光分離素子の作成方法で
あって、前記複屈折膜に高分子複屈折膜を用い、この高
分子複屈折膜の上に感光性樹脂からなる周期的パターン
を形成し、この感光性樹脂からなる周期的パターンをエ
ッチングマスクとしてドライエッチングを行い、高分子
複屈折膜の周期的凹凸格子構造を形成した後、前記感光
性樹脂マスクを除去し、その後、高分子複屈折膜上部に
等方性オーバーコート層を形成することを特徴とする。
【0013】請求項8に係る発明は、直交する2つの偏
光成分を分離するため、透明基板上に入射光の異なる偏
光面に対し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子と
して装荷され、さらにその上に等方性オーバーコート層
が被覆あるいは装荷されており、入射光の直交する偏光
を0次光と回折光に分離する偏光分離素子の作成方法で
あって、前記複屈折膜に高分子複屈折膜を用い、この高
分子複屈折膜の上に金属からなる周期的パターンを形成
し、この金属からなる周期的パターンをエッチングマス
クとしてドライエッチングを行い、高分子複屈折膜の周
期的凹凸格子構造を形成した後、前記金属マスクを除去
し、その後、高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコー
ト層を形成することを特徴とする。
【0014】請求項9に係る発明は、請求項7または8
記載の偏光分離素子の作成方法において、前記高分子複
屈折膜は、製膜時に有機高分子膜を延伸して作成した延
伸化高分子複屈折膜であることを特徴とする。
【0015】請求項10に係る発明は、請求項9記載の
偏光分離素子の作成方法において、前記有機高分子膜
は、ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール
(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポ
リスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテル
サルフォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材
料からなることを特徴とする。
【0016】請求項11に係る発明は、請求項7または
8記載の偏光分離素子の作成方法において、前記高分子
複屈折膜は、ポリイミドを加熱しながら延伸して作成し
たポリイミド複屈折膜であることを特徴とする。
【0017】請求項12に係る発明は、請求項7または
8記載の偏光分離素子の作成方法において、前記等方性
オーバーコート層は、高分子複屈折膜の上に等方性樹脂
を被覆して形成するか、あるいは、高分子複屈折膜の上
に透明基板を等方性樹脂接着剤で接着して形成すること
を特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明による偏光分離素子
の構成及び動作と、その偏光分離素子の作成方法につい
て、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0019】(実施例1)まず請求項1,2,3の実施
例について説明する。図1は請求項1,2に係る偏光分
離素子の構成例を示す部分断面図である。図1におい
て、偏光分離素子1は、ガラスやプラスチック等の透明
基板2上に周期的凹凸の格子構造を持つ高分子複屈折膜
3が接着層5により接着されて該基板2上に装荷され、
その高分子複屈折膜3の上を等方性のオーバーコート層
4で覆われた構成となっている。本実施例では高分子複
屈折膜3として、有機高分子材料からなるフィルム等を
延伸して形成した有機高分子膜を用いることが特徴であ
る。有機高分子材料を延伸すると光学異方性が生じる
が、これは有機高分子フィルムを延伸すると材料中の高
分子鎖の配向が生じ、延伸方向の屈折率とそれに直交す
る方向の屈折率に差異が生じるためである。この方法に
より形成された高分子複屈折膜は無機複屈折結晶材料に
比べて大面積でかつ大量に、低コストに作成できる特徴
がある。このため従来のニオブ酸リチウム(LiNbO
3 )などの結晶材料から作成した偏光分離素子よりも安
価な素子の提供が可能となる。
【0020】延伸する有機高分子材料としては、かなり
広範な材料が使え、例えばポリカーボネイト(PC)、
ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(P
SF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミ
ドなどの有機高分子材料が適用できる。ただし材料とし
てはこれらに限定されない。
【0021】上記高分子複屈折膜3は図1の紙面方向に
振動する光とこれと垂直方向に振動する光に対する屈折
率が異なる複屈折性を示す膜である。この高分子複屈折
膜3を用いた偏光分離素子1の動作を図2、図3に示
す。図2は図1に示す構成の偏光分離素子の動作の一実
施例を示す図であり、偏光分離素子1への入射光が紙面
方向とそれに垂直の2方向の振動成分をもつものとす
る。図2では偏光分離素子1を透過後、紙面方向の振動
成分の光は0次光として直進する。また紙面と垂直方向
の振動成分の光は±1次光として回折する。よって偏光
方向により進行方向が変わり、偏光分離素子として動作
する。図3は図1に示す構成の偏光分離素子の別の動作
の実施例を示す図であり、図2とは反対に紙面に垂直な
振動方向の光が0次光として直進し、紙面方向に振動す
る光が±1次光として回折され、偏光分離される。
【0022】(実施例2)次に請求項1,4の実施例に
ついて説明する。図4は請求項1,4に係る偏光分離素
子の構成例を示す部分断面図である。図4において、偏
光分離素子1は、ガラスやプラスチック等の透明基板2
上に周期的凹凸の格子構造を持つ高分子複屈折膜3’が
接着層5により接着されて該基板2上に装荷され、その
高分子複屈折膜3’の上を等方性のオーバーコート層4
で覆われた構成となっている。本実施例では高分子複屈
折膜3’として、特にポリイミドを加熱延伸して作成し
た複屈折性ポリイミド膜(以下、ポリイミド複屈折膜と
言う)を用いることが特徴である。このポリイミド複屈
折膜3’は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )と比べ
て、複屈折性が比較的大きく(ポリイミド複屈折膜の屈
折率差Δn=0.13、ニオブ酸リチウムの屈折率差Δ
n=0.08)、凹凸の深さを小さくでき作成が容易で
ある。また、プラスチックなので材料のコストをニオブ
酸リチウムのような結晶に比べて著しく下げることがで
きる。また、ポリイミドは耐熱性も高く、耐久性に優れ
るという特徴もある。このポリイミド複屈折膜3’は図
4の紙面方向に振動する光とこれと垂直方向に振動する
光に対する屈折率が異なる複屈折性を示す膜である。
尚、このポリイミド複屈折膜3’を用いた偏光分離素子
1の動作は、実施例1の図2、図3に示した偏光分離素
子の動作例と同じであるので説明を省略する。
【0023】(実施例3)次に請求項5の実施例につい
て説明する。本実施例では、詳しく素子の動作を解析
し、図2の偏光分離素子の動作の最適条件を求める。こ
こで図5は偏光分離素子1の要部を部分的に拡大して示
す断面図である。図5に示すように、透明基板2上に装
荷された高分子複屈折膜3(延伸された有機高分子膜で
あり、加熱延伸されたポリイミド複屈折膜も含む)が周
期dで規則的に凹凸格子構造となっており、この凹凸格
子形状の深さをhとする。
【0024】ここで高分子複屈折膜3の周期的凹凸格子
の紙面方向の偏波(例えばp偏光とする)に対する屈折
率をnp 、紙面と垂直方向の偏波(例えばs偏光とす
る)に対する屈折率をns とし、また、等方性オーバー
コート層4の屈折率をn1 とすると、例えば図5におい
て、光路A,Bに対する光路長差Δは、 紙面方向(格子ベクトル方向):Δp=(np−n1)h ・・・(1) 紙面に垂直方向(格子ベクトルに垂直方向):Δs=(ns−n1)h ・・・(2) となる。以後、紙面方向を格子ベクトル方向と呼ぶ(図
1に図示)。
【0025】図2のように格子ベクトル方向の振動成分
が0次光として直進し、格子ベクトルと垂直方向の振動
成分が±1次光として回折されるためには、次の二式が
満足されることが必要である。すなわち、使用する光の
波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m=0,±1,
±2,・・・)とするとき、次の条件、 (np−n1)h=mλ ・・・(3) (ns−n1)h=(m+1/2)λ ・・・(4) となる。
【0026】ここで(3) 式は、格子ベクトル方向の振動
成分の光の光路差が波長λの整数倍となり、格子通過後
も0次光として直進する条件である(干渉により強め合
う)。また(4) 式は、格子ベクトル方向と垂直な振動成
分の光に対してA,B部の光路差が半波長の奇数倍だけ
ずれて打ち消し合い、直進光(0次光成分)がなくな
り、全て回折光となる条件である(干渉により直進成分
は打ち消し合い、回折光の方に光がいく)。よって、0
次光と1次光に偏光分離するとき、偏光分離度(消光
比)を高めるためには(3),(4)式を満足していることが
必要である。ただし、実用的には(3),(4)式を厳密に満
足していなくても、略(3),(4)式近傍の条件になるよう
に複屈折膜3の屈折率np,ns、オーバーコート層4の
屈折率n1 、複屈折膜3の凹凸格子深さh、次数mを設
定する。
【0027】(実施例4)次に請求項6の実施例につい
て説明する。本実施例では、偏光分離素子1が図3のよ
うに動作するときの最適条件を求める。図3のように格
子ベクトル方向の振動成分を持つ偏光が±1次光として
回折し、格子ベクトルと垂直方向の振動成分を持つ偏光
が0次光として直進する条件は、高分子複屈折膜3(延
伸された有機高分子膜であり、加熱延伸されたポリイミ
ド複屈折膜も含む)の周期的凹凸格子の格子ベクトル方
向の偏波(p偏光)に対する屈折率をnp、これと垂直
方向の偏波(s偏光)に対する屈折率をnsとし、等方
性オーバーコート層4の屈折率をn1、複屈折膜3の周
期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを0を
含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)とす
るとき、 (np−n1)h=(m±1/2)λ ・・・(5) (ns−n1)h=mλ ・・・(6) となる((5)式は干渉により直進成分は打ち消し合い回
折光となる条件、(6)式は干渉により強め合い格子通過
後も0次光として直進する条件である)。従って実際に
(5),(6)式の条件が略成り立つように複屈折膜3の屈折
率np,ns、オーバーコート層4の屈折率n1 、複屈折
膜3の凹凸格子深さh、次数mを設定する。
【0028】(実施例5)次に請求項7,9,10,1
2の実施例について説明する。本実施例では図1に示し
た構成の高分子複屈折膜、すなわち延伸された有機高分
子膜からなる延伸化高分子複屈折膜3を使った偏光分離
素子1の作成方法について説明する。延伸化高分子複屈
折膜3は製膜時に、有機高分子材料を一方に強く引っ張
りながら製膜することで作成される。延伸する有機高分
子材料としては、かなり広範な材料が使え、例えばポリ
カーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチ
レン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフ
ォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料が適
用できる。ただし材料としてはこれらに限定されない。
高分子複屈折膜3の複屈折性は、膜の延伸方向の屈折率
が延伸方向とは垂直方向の面内屈折率よりも大きくなる
ように現われる。ただしポリスチレンだけは延伸方向と
垂直方向の屈折率の方が大きくなる。複屈折性は膜面内
の延伸方向とこれに垂直方向の屈折率差Δnで表され
る。
【0029】次に、以上のようにして作成された高分子
複屈折膜を用いて偏光分離素子を作成する工程を図6に
示す。まず図6(a)に示すように、高分子複屈折膜3
をガラスやプラスチックなどの透明基板2上に接着層5
により接着した後、図6(b)に示すように、高分子複
屈折膜3の上に感光性樹脂(以後、フォトレジストと呼
ぶ)6をスピンコートする。そしてこのフォトレジスト
6に回折格子パターンをもつフォトマスクを介して周期
的パターンを露光する。このときの露光はマスクによる
密着露光でもよいし、投影露光でもよい。この他、電子
線等の露光や、あるいはレーザ光による干渉露光などで
もよい。露光後、フォトレジスト6を現像し、図6
(c)のようにフォトレジストによる周期的格子パター
ン6’を形成する。
【0030】次に図6(d)のように、フォトレジスト
の周期的格子パターン6’をエッチングマスクとして酸
素ガスなどによる反応性イオンエッチングで高分子複屈
折膜3をドライエッチングした後、図6(e)のよう
に、溶剤あるいはガスによるアッシングでフォトレジス
トマスク6’を除去して基板2上に高分子複屈折膜3の
回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を形成する。
そして図6(f)のように、回折格子パターン(周期的
凹凸格子構造)を有する高分子複屈折膜3の上に等方性
の樹脂をスピンコートして被覆し、紫外線(UV)また
は熱を印加して樹脂を固化し、等方性オーバーコート層
4を形成する。このときオーバーコート層4の樹脂の屈
折率は前述の式(3),(4)または(5),(6)を略満足するよ
うに設定することが望ましい。
【0031】尚、等方性オーバーコート層4の形成法と
しては、樹脂のスピンコートの他、ロールコート、ディ
ッピングコートなどの方法、あるいは、誘電体(SiO
2、SiON、他)の真空蒸着、スパッタリング、CV
Dなどによる成膜法で形成できるが、この中で樹脂のス
ピンコートが平坦性が優れ、また簡易、低コストに形成
できるのでよい。また、本発明の作成方法は、従来技術
で述べた偏光分離素子のように数時間に及ぶ工程が含ま
れておらず、偏光分離素子の作成に時間、手間がかから
ない。
【0032】図6に示した偏光分離素子の作成工程で
は、高分子複屈折膜3を下の透明基板2までドライエッ
チングして周期的格子の凹凸パターンを形成している。
この場合は高分子複屈折膜3の膜厚が格子深さhとなっ
ているが、これに限らず、図7に示す偏光分離素子1’
のように、高分子複屈折膜3の膜厚は格子深さhよりも
大きくて良く、ドライエッチングを深さhで止めて、所
望の格子深さの周期的凹凸格子を形成しても良い。
【0033】また図6に示した偏光分離素子の作成工程
では、等方性オーバーコート層4を樹脂のスピンコート
により被覆形成した例を示したが、図8に示す偏光分離
素子1”のように、高分子複屈折膜3による周期的凹凸
格子パターンを形成した後、その上にガラス等の透明基
板8を等方性の樹脂接着剤7で接着して装荷する構造も
考えられる。このときの樹脂接着剤(等方性樹脂接着
層)7の屈折率は前述の式(3),(4)または(5),(6)を略
満足することが望ましい。尚、図8の構造とすれば、両
面が平坦化された偏光分離素子が得られる。
【0034】さらに図6に示した偏光分離素子の作成工
程では、高分子複屈折膜3は透明基板2にまず接着して
からフォトレジスト塗布、マスク露光、ドライエッチン
グを行ったが、これに限定されず、透明基板2に接着す
る前に高分子複屈折膜3上にフォトレジスト塗布、マス
ク露光、現像、ドライエッチングの工程を行い、高分子
複屈折膜3に周期的凹凸格子パターンを形成した後、基
板2に接着してオーバーコート層4を形成する方法や、
あるいは、高分子複屈折膜3上へのフォトレジスト塗
布、マスク露光、現像までの工程は膜のままで行い、ド
ライエッチング以降の工程は基板に接着して行う方法で
もよい。
【0035】(実施例6)次に請求項8,9,10,1
2の実施例について説明する。本実施例は図1に示した
構成の偏光分離素子の作成方法の別の例であり、図9に
偏光分離素子の作成工程を示す。図9において(a)〜
(c)の工程、すなわち、透明基板2への高分子複屈折
膜3の接着層5による接着、フォトレジスト6の塗布、
及びマスク露光、現像によるフォトレジスト6の周期的
格子パターンの形成までの工程は、図6の(a)〜
(c)の工程と同じであるので説明は省略する。本実施
例では、図9(c)のフォトレジスト6の周期的格子パ
ターンを形成後、図9(d)のように、アルミニウム
(Al)、クロム(Cr)などの金属層9を蒸着やスパ
ッタリングなどでフォトレジスト6上に成膜し、次に図
9(e)のように、フォトレジスト6を溶剤で除去して
高分子複屈折膜3上に金属層の周期的格子パターン9’
を残す。そして図9(f)のように、金属層の周期的格
子パターン9’をエッチングマスクとして酸素ガスなど
による反応性イオンエッチングでドライエッチングす
る。次に図9(g)のように、金属マスク9’を硫酸な
どの酸で溶解して高分子複屈折膜3上から除去して基板
2上に高分子複屈折膜3の回折格子パターン(周期的凹
凸格子構造)を形成する。そして図9(h)のように、
回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を有する高分
子複屈折膜3の上に等方性の樹脂をスピンコートして被
覆し、紫外線(UV)または熱を印加して樹脂を固化
し、等方性オーバーコート層4を形成する。このときオ
ーバーコート層4の樹脂の屈折率は前述の式(3),(4)ま
たは(5),(6)を略満足するように設定することが望まし
い。
【0036】図9に示した偏光分離素子の作成工程で
は、フォトレジスト6による周期的格子パターンの上に
金属層9を成膜したが、これに限らず次のような方法で
もよい。すなわち、フォトレジスト塗布前(図9(a)
の状態)にAl,Crなどの金属層9を高分子複屈折膜
3上に成膜し、この上にフォトレジスト塗布、パターン
露光、フォトレジストの現像処理の工程を行ってフォト
レジストの周期的格子パターンを形成した後、フォトレ
ジストをマスクとして、硫酸などの酸によりフォトレジ
ストがないところの金属層をエッチング除去し、次にフ
ォトレジストを溶剤で除去して高分子複屈折膜3上に金
属からなる周期的格子パターンのマスクを残す(図9
(e)と同じ状態となる)。これ以降は図9(f),
(g)と同様に、この金属層の周期的格子パターン9’
をエッチングマスクとして酸素ガスなどによる反応性イ
オンエッチングでドライエッチングした後、金属マスク
9’を硫酸などの酸で溶解して高分子複屈折膜3上から
除去して基板2上に高分子複屈折膜3の回折格子パター
ン(周期的凹凸格子構造)を形成し、以後図9(h)の
ように、回折格子パターン(周期的凹凸格子構造)を有
する高分子複屈折膜3の上に等方性オーバーコート層4
の形成を行う。
【0037】尚、本実施例においても実施例5と同様
に、等方性オーバーコート層4は樹脂のスピンコート等
により被覆形成する他、図8のように、高分子複屈折膜
3による周期的凹凸格子パターンを形成した後、その上
にガラス等の透明基板8を等方性の樹脂接着剤7で接着
して装荷する構造でもよい。また、高分子複屈折膜3に
よる周期的凹凸格子の格子深さhも図7のように任意に
設定することができる。また、高分子複屈折膜3を透明
基板2に接着してから金属マスク9’の形成、ドライエ
ッチングを行ったが、これに限定されず、透明基板2に
接着する前に高分子複屈折膜3上に金属マスク9’を形
成してドライエッチングを行い、高分子複屈折膜3に周
期的凹凸格子パターンを形成した後、基板2に接着して
オーバーコート層4を形成する方法や、あるいは、高分
子複屈折膜3上への金属マスク9’の形成までの工程は
膜のままで行い、ドライエッチング以降の工程は基板に
接着して行う方法でもよい。
【0038】(実施例7)次に請求項11の実施例につ
いて説明する。本実施例では高分子複屈折膜として特に
ポリイミド複屈折膜3’を使った偏光分離素子(図4の
構成)の作成方法について説明する。まずポリイミド複
屈折膜を作成する。その作成方法の一例を図10に示
す。図10(a)に示すようにガラス基板、あるいはS
i基板などの平面性のよい基板上に原料となるポリアミ
ド酸溶液(ジメチルアルコールなどを溶媒とする)をス
ピンコートにより所定の厚さ塗布した後、乾燥させ、ポ
リアミド酸膜を形成する。乾燥後、図10(b)に示す
ようにポリアミド酸膜を基板より剥離する。そして図1
0(c)に示すように、基板より剥離したポリアミド酸
膜を高温中(例えば350℃)で加熱しながら一方向に
引っ張り延伸させる。この操作によりポリアミド酸膜は
熱でイミド化してポリイミド膜となり、同時に延伸によ
り複屈折性が生じてポリイミド複屈折膜となる。
【0039】このポリイミド複屈折膜の複屈折性は、膜
の延伸方向の屈折率が延伸方向とは垂直方向の面内屈折
率よりも大きくなるように現われる。また、複屈折性は
膜面内の延伸方向とこれに垂直方向の屈折率差Δnで表
される。この屈折率差Δnは延伸イミド化時の温度、張
力で制御できる。尚、典型的なポリイミド複屈折膜の屈
折率は延伸方向でn=1.62、これと垂直方向でn=
1.49であり、複屈折性はΔn=0.13程度であ
る。
【0040】以上のようにして作成されたポリイミド複
屈折膜を高分子複屈折膜として用いて偏光分離素子を作
成する工程は、先の実施例5(図6)あるいは実施例6
(図8)で示した作成方法と同様の工程であるので、こ
こでは説明を省略する。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明では、直交する2つの偏光成分を分離するため、透明
基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異なる複
屈折膜が周期的凹凸格子として装荷され、さらにその上
に等方性オーバーコート層が被覆あるいは装荷されてお
り、入射光の直交する偏光を0次光と回折光に分離する
偏光分離素子において、前記複屈折膜が高分子複屈折膜
からなることを特徴とするので、従来技術による偏光分
離素子(LiNbO3 を基板として用い、これに周期的
パターンでプロトンイオン交換を施し、さらにプロトン
イオン交換領域上に誘電体膜を装荷した構造等)に比べ
て、構成が簡易であり、作成がしやすい偏光分離素子が
提供できる。
【0042】請求項2,3に係る発明では、請求項1記
載の偏光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、延
伸された有機高分子膜(例えばポリカーボネイト(P
C)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリ
ル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォ
ン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポ
リイミドなどの有機高分子材料)で形成されていること
を特徴とするので、構成が簡易であり、作成がしやす
く、また材料のコストも低く、大量生産が容易な偏光分
離素子が提供できる。
【0043】請求項4に係る発明では、請求項1記載の
偏光分離素子において、前記高分子複屈折膜が、加熱延
伸されたポリイミド複屈折膜で形成されていることを特
徴とするので、構成が簡易であり、作成がしやすく、ま
た材料のコストも低く、大量生産が容易で、耐熱性にも
優れる偏光分離素子を提供することができる。
【0044】請求項5に係る発明では、請求項1,2,
3または4記載の偏光分離素子において、高分子複屈折
膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に
対する屈折率をnp、これと垂直方向の偏波に対する屈
折率をnsとし、等方性オーバーコート層の屈折率を
1、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深
さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m
=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、 (np−n1)h=mλ (ns−n1)h=(m+1/2)λ を略満足することを特徴とするので、波長λの光に対し
て最大の消光比(偏光分離度)を与えることができる。
また、上記の条件により、0次光が格子ベクトル方向の
偏波、±1次回折光がこれと垂直な方向の偏波に分離
し、最も消光比の高い条件となる。
【0045】請求項6に係る発明では、請求項1,2,
3または4記載の偏光分離素子において、高分子複屈折
膜からなる周期的凹凸格子の格子ベクトル方向の偏波に
対する屈折率をnp、これと垂直方向の偏波に対する屈
折率をnsとし、等方性オーバーコート層の屈折率を
1、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子の凹凸深
さをh、光の波長をλ、mを0を含む正負の自然数(m
=0,±1,±2,・・・)とするとき、次の条件、 (np−n1)h=(m+1/2)λ (ns−n1)h=mλ を略満足することを特徴とするので、波長λの光に対し
て最大の消光比(偏光分離度)を与えることができる。
また、上記の条件により、請求項5とは逆に、0次光が
格子ベクトルと垂直方向の偏波、±1次回折光が格子ベ
クトル方向の偏波となる場合に最大の消光比を持たせら
れる。
【0046】請求項7に係る発明では、直交する2つの
偏光成分を分離するため、透明基板上に入射光の異なる
偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子
として装荷され、さらにその上に等方性オーバーコート
層が被覆あるいは装荷されており、入射光の直交する偏
光を0次光と回折光に分離する偏光分離素子の作成方法
であって、前記複屈折膜に高分子複屈折膜を用い、この
高分子複屈折膜の上に感光性樹脂(フォトレジスト)か
らなる周期的パターンを形成し、この感光性樹脂からな
る周期的パターンをエッチングマスクとしてドライエッ
チングを行い、高分子複屈折膜の周期的凹凸格子構造を
形成した後、前記感光性樹脂マスクを除去し、その後、
高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコート層を形成す
ることを特徴とするので、比較的簡単な工程で長時間を
かけずに偏光分離素子を作成することができる。
【0047】請求項8に係る発明では、直交する2つの
偏光成分を分離するため、透明基板上に入射光の異なる
偏光面に対し屈折率が異なる複屈折膜が周期的凹凸格子
として装荷され、さらにその上に等方性オーバーコート
層が被覆あるいは装荷されており、入射光の直交する偏
光を0次光と回折光に分離する偏光分離素子の作成方法
であって、前記複屈折膜に高分子複屈折膜を用い、この
高分子複屈折膜の上に金属からなる周期的パターンを形
成し、この金属からなる周期的パターンをエッチングマ
スクとしてドライエッチングを行い、高分子複屈折膜の
周期的凹凸格子構造を形成した後、前記金属マスクを除
去し、その後、高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコ
ート層を形成することを特徴とするので、比較的簡単な
工程で長時間をかけずに偏光分離素子を作成することが
でき。
【0048】請求項9,10に係る発明では、請求項7
または8記載の偏光分離素子の作成方法において、前記
高分子複屈折膜は、製膜時に有機高分子膜(例えばポリ
カーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチ
レン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフ
ォン(PES)、ポリイミドなどの有機高分子材料)を
延伸して作成した延伸化高分子複屈折膜であることを特
徴とするので、比較的簡単な工程で長時間をかけずに偏
光分離素子を作成することができ、また材料のコストも
低いので、低コストに偏光分離素子を作成することがで
きる。
【0049】請求項11に係る発明では、請求項7また
は8記載の偏光分離素子の作成方法において、前記高分
子複屈折膜は、ポリイミドを加熱しながら延伸して作成
したポリイミド複屈折膜であることを特徴とするので、
比較的簡単な工程で長時間をかけずに偏光分離素子を作
成することができ、また材料のコストが低く、耐熱性も
あるので、低コストに耐熱性に優れる偏光分離素子を作
成することができる。
【0050】請求項12に係る発明では、請求項7また
は8記載の偏光分離素子の作成方法において、前記等方
性オーバーコート層は、高分子複屈折膜の上に等方性樹
脂を被覆して形成するか、あるいは、高分子複屈折膜の
上に透明基板を等方性樹脂接着剤で接着して形成するこ
とを特徴とするので、等方性オーバーコート層の形成が
容易で、かつ低コストに形成でき、低コストに偏光分離
素子を作成することができる。また、両面が平坦化され
た偏光分離素子を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光分離素子の構成例を示す部分
断面図である。
【図2】図1に示す構成の偏光分離素子の動作の一実施
例を示す図である。
【図3】図1に示す構成の偏光分離素子の動作の別の実
施例を示す図である。
【図4】本発明に係る偏光分離素子の別の構成例を示す
部分断面図である。
【図5】図1に示す構成の偏光分離素子の要部を部分的
に拡大して示す図である。
【図6】本発明に係る偏光分離素子の作成方法の一例を
示す工程説明図である。
【図7】本発明に係る偏光分離素子のさらに別の構成例
を示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る偏光分離素子のさらに別の構成例
を示す部分断面図である。
【図9】本発明に係る偏光分離素子の作成方法の別の例
を示す工程説明図である。
【図10】ポリイミド複屈折膜の作成方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
1,1’,1”:偏光分離素子 2:透明基板 3:高分子複屈折膜(延伸された有機高分子膜) 3’:ポリイミド複屈折膜 4:等方性オーバーコート層 5:接着層 6:フォトレジスト 6’:フォトレジストマスク(フォトレジストの周期的
格子パターン) 7:等方性樹脂接着層 8:透明基板 9:金属層 9’:金属マスク(金属層の周期的格子パターン)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直交する2つの偏光成分を分離するため、
    透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異な
    る複屈折膜が周期的凹凸格子として装荷され、さらにそ
    の上に等方性オーバーコート層が被覆あるいは装荷され
    ており、入射光の直交する偏光を0次光と回折光に分離
    する偏光分離素子において、 前記複屈折膜が高分子複屈折膜からなることを特徴とす
    る偏光分離素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の偏光分離素子において、前
    記高分子複屈折膜が、延伸された有機高分子膜で形成さ
    れていることを特徴とする偏光分離素子。
  3. 【請求項3】請求項2記載の偏光分離素子において、前
    記延伸された有機高分子膜は、ポリカーボネイト(P
    C)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリ
    ル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォ
    ン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポ
    リイミドなどの有機高分子材料からなることを特徴とす
    る偏光分離素子。
  4. 【請求項4】請求項1記載の偏光分離素子において、前
    記高分子複屈折膜が、加熱延伸されたポリイミド複屈折
    膜で形成されていることを特徴とする偏光分離素子。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4記載の偏光分離
    素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子
    の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をnp、これ
    と垂直方向の偏波に対する屈折率をnsとし、等方性オ
    ーバーコート層の屈折率をn1、高分子複屈折膜からな
    る周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを
    0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)
    とするとき、次の条件、 (np−n1)h=mλ (ns−n1)h=(m+1/2)λ を略満足することを特徴とする偏光分離素子。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4記載の偏光分離
    素子において、高分子複屈折膜からなる周期的凹凸格子
    の格子ベクトル方向の偏波に対する屈折率をnp、これ
    と垂直方向の偏波に対する屈折率をnsとし、等方性オ
    ーバーコート層の屈折率をn1、高分子複屈折膜からな
    る周期的凹凸格子の凹凸深さをh、光の波長をλ、mを
    0を含む正負の自然数(m=0,±1,±2,・・・)
    とするとき、次の条件、 (np−n1)h=(m+1/2)λ (ns−n1)h=mλ を略満足することを特徴とする偏光分離素子。
  7. 【請求項7】直交する2つの偏光成分を分離するため、
    透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異な
    る複屈折膜が周期的凹凸格子として装荷され、さらにそ
    の上に等方性オーバーコート層が被覆あるいは装荷され
    ており、入射光の直交する偏光を0次光と回折光に分離
    する偏光分離素子の作成方法であって、 前記複屈折膜に高分子複屈折膜を用い、この高分子複屈
    折膜の上に感光性樹脂からなる周期的パターンを形成
    し、この感光性樹脂からなる周期的パターンをエッチン
    グマスクとしてドライエッチングを行い、高分子複屈折
    膜の周期的凹凸格子構造を形成した後、前記感光性樹脂
    マスクを除去し、その後、高分子複屈折膜上部に等方性
    オーバーコート層を形成することを特徴とする偏光分離
    素子の作成方法。
  8. 【請求項8】直交する2つの偏光成分を分離するため、
    透明基板上に入射光の異なる偏光面に対し屈折率が異な
    る複屈折膜が周期的凹凸格子として装荷され、さらにそ
    の上に等方性オーバーコート層が被覆あるいは装荷され
    ており、入射光の直交する偏光を0次光と回折光に分離
    する偏光分離素子の作成方法であって、 前記複屈折膜に高分子複屈折膜を用い、この高分子複屈
    折膜の上に金属からなる周期的パターンを形成し、この
    金属からなる周期的パターンをエッチングマスクとして
    ドライエッチングを行い、高分子複屈折膜の周期的凹凸
    格子構造を形成した後、前記金属マスクを除去し、その
    後、高分子複屈折膜上部に等方性オーバーコート層を形
    成することを特徴とする偏光分離素子の作成方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の偏光分離素子の作
    成方法において、前記高分子複屈折膜は、製膜時に有機
    高分子膜を延伸して作成した延伸化高分子複屈折膜であ
    ることを特徴とする偏光分離素子の作成方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の偏光分離素子の作成方法
    において、前記有機高分子膜は、ポリカーボネイト(P
    C)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリ
    ル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォ
    ン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポ
    リイミドなどの有機高分子材料からなることを特徴とす
    る偏光分離素子の作成方法。
  11. 【請求項11】請求項7または8記載の偏光分離素子の
    作成方法において、前記高分子複屈折膜は、ポリイミド
    を加熱しながら延伸して作成したポリイミド複屈折膜で
    あることを特徴とする偏光分離素子の作成方法。
  12. 【請求項12】請求項7または8記載の偏光分離素子の
    作成方法において、前記等方性オーバーコート層は、高
    分子複屈折膜の上に等方性樹脂を被覆して形成するか、
    あるいは、高分子複屈折膜の上に透明基板を等方性樹脂
    接着剤で接着して形成することを特徴とする偏光分離素
    子の作成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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