JP5055639B2 - 偏光解消板、光学装置及び画像表示装置 - Google Patents

偏光解消板、光学装置及び画像表示装置 Download PDF

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本発明は、特定の偏光状態を有する入射光を偏光状態の混在した状態の出射光に変換する偏光解消板と、その偏光解消板を用いた光学装置及び画像表示装置に関する。
従来技術による偏光解消板の一例として、図17に示すような構成の偏光解消板が知られている。まず、この偏光解消板の構成を説明する。図17の符号7は偏光解消板、7Aと7Bは水晶板である。図17のアは外観斜視図、図17のイは水晶板7Aの正面図・平面図・側面図、図17のウは水晶板7Bの正面図・平面図・側面図である。水晶板7Aは水晶の光学軸に平行な方向に沿って厚みが連続的に変化し、水晶板7Bは光学軸に垂直な方向に沿って厚みが連続的に変化する。符号71は水晶板7Aの光学軸であり、72は水晶板7Bの光学軸である。水晶板7Aと水晶板7Bは同形であり、光学軸71と光学軸72を互いに直交して水晶板7Aと水晶板7Bを貼り合わせ、偏光解消板7を構成する。
次に、図17の偏光解消板7の作用を図18により説明する。図18は偏光解消板7の側面図である。水晶は、その結晶構造のため、特定の方向に光学軸をもち、水晶を透過する光のうち、光学軸に平行に振動する光成分と、光学軸に垂直に振動する成分との間に位相差を与える性質がある。ここで与えられる位相差は、水晶の厚みに比例する。水晶板7Aや水晶板7Bは厚みが連続的に変化し、光が透過する場所により厚みが異なるので、光が透過する場所により与えられる位相差が異なる。
例えば、図18のオ、カ、キの光の透過前の偏光状態が同じでも、水晶板7Aと水晶板7Bで与えられる位相差がそれぞれ異なるので、透過後の光の偏光状態はそれぞれ異なる。したがって、偏光解消板7は、光の偏光状態を空間的にみて多くの偏光状態の混ざった状態に変換することができる。つまり、偏光状態が空間的に攪乱される。
上記の構成に対して、特許文献1に記載の偏光解消板では、図19に示すように、2つの水晶板2A,2B間の斜面の方向を光学軸に対し45°の方向にしている。すなわち、光学軸21に対し45°の方向に厚みが連続的に変化する水晶板2Aと、光学軸22に対し45°の方向に厚みが連続的に変化する水晶板2Bとを備え、光学軸21と光学軸22を互いに直交して水晶板2Aと水晶板2Bを貼り合わせている。
特許第2995985号公報 特開2001−51122号公報
従来、偏光解消板として、水晶や複屈折性結晶を用いたものが知られる(特許文献1等)。しかしながら、水晶や複屈折結晶は高価であり、プリズム形状への切断や研磨の加工、さらに2つの部材を接着する必要があり、製造工数がかかり大量生産には向いていない。また、2つのプリズム部材を貼り合せるため、小型化が十分ではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、コスト高となることがなく、容易に製造ができ、かつ平板1枚で偏光解消が行える偏光解消板を提供することを目的とする。また、本発明は、その偏光解消板を用いた光が装置及び画像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような手段及び参考手段を採っている。
本発明の第1の参考手段は、透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造と言う)が形成された偏光解消板において、前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)は、凹部と凸部の幅の比率が面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)の溝方向が、面垂直方向を回転軸としてずれている構成としたものである。
この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
本発明の第2の参考手段は、透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が形成された偏光解消板において、前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)は、その溝深さが面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)の溝方向が、面垂直方向を回転軸としてずれている構成としたものである。
この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
本発明の第の手段は、透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が形成された偏光解消板において、前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)は、凸部の側壁角度が面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)の溝方向が、面垂直方向を回転軸としてずれている構成としたものである。
この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
本発明の第参考手段は、透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が形成された偏光解消板において、前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)は、凹部と凸部の幅の比率が面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が、溝垂直方向にずれている構成としたものである。
この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
本発明の第参考手段は、透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が形成された偏光解消板において、前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)は、その溝深さが面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が、溝垂直方向にずれている構成としたものである。
この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
本発明の第の手段は、透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が形成された偏光解消板において、前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)は、凸部の側壁角度が面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が、溝垂直方向にずれている構成としたものである。
この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
なお、本発明の偏光解消板は、入射光波長としては、可視光領域から赤外光領域(300nmから1600nm)の範囲のいずれかで用いられるものであり、サブ波長構造の周期がその使用波長より短いものとする。なお、このような波長よりも短い周期構造へ光が入射する場合、後述するように構造複屈折とよばれる複屈折性を示し、本発明の偏光解消板は、この構造複屈折を利用してなるものである。
本発明の第の手段は、第1またはのいずれか1つの手段の偏光解消板において、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)が形成された面に、多層膜を形成した構成としたものである。
本発明の第の手段は、光学装置であって、第1〜第のいずれか1つの手段の偏光解消板を用いたものである。
また、本発明の第の手段は、画像表示装置であって、第1〜第のずれか1つの手段の偏光解消板を用いたものである。
本発明の偏光解消板によれば、サブ波長構造により、偏光選択性機能を発現させるため、1種類の材質へのダイレクト加工でよく、材質の制約がない。
また、複屈折性結晶を必要とせず、ガラスや樹脂などの容易に、しかも安価に入手できる材料で構成することができる。そして、上記の材質へのサブ波長構造のダイレクト加工で同機能を発現することができる。
さらには、フォトリソグラフィの手法やナノインプリントの手法で簡単に多数個同時に製作でき、しかも両面に構造を形成することにより、偏光解消板を保持するガラス基板やプリズムの貼り合せ工程を必要としないという利点がある。
また、本質的に薄膜素子であり、素子の強度を持たせるだけの基板厚さがあればよいので、極めて薄く、軽量な素子を構成することができる。
このような本発明の偏光解消板は、分光器、光ピックアップ、レーザ走査装置等のレーザを光源とした光学装置の偏光依存性を解消するために用いることができ、光利用効率の向上等を図ることができる。
また、本発明の偏光解消板は、画像表示装置に用いることができ、偏光解消板に入射する直線偏光の光を偏光解消することにより、良好な画像表示を行うことが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
<偏光解消板の構成例1:フィリングファクタの変調>
以下、発明の参考例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の参考例を示す偏光解消板の構成説明図である。
この参考例の偏光解消板10は、図1(a)に示すように、平行平板状の透明基板(例えばガラス平板)11の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造が形成された構成であり、より具体的には、ガラス平板11の両面に、表面形状として「波長よりも短い構造周期の断面矩形波状の微細凹凸構造」からなるサブ波長構造12a、12bが形成された構成となっている。
(用語の定義)
ここで、以下の説明のため、図1(b)を参照して用語を説明する。
図1(b)は形成された「断面矩形波状の微細凹凸構造」を説明図的に示している。微細凹凸構造の凹凸は断面形状が「矩形波形状」であり、このような矩形波状の凹凸が、図面に直交する方向へ均一な断面形状で形成されている。従って、微細凹凸構造における凸部は図面に直交する方向に長い「凸状」をなし、凹部は図面に直交する方向に長い「凹状」をなす。凸状をなす凸部を「ランド」と呼び、凹条をなす凹部を「スペース」と呼ぶ。
断面矩形波状の微細凹凸構造のピッチ:Pは、図に示すように、ランド・スペースの1対をなすランドとスペースのランド幅:aとスペース幅:bの和(a+b)である。また、スペース底部に対するランドの高さを「溝深さ:H」とする。このとき、フィリングファクタは「a/P」である。
(構造複屈折)
微細凹凸構造がサブ波長構造であると、そのピッチよりも大きい波長の光は回折せず「0次光」としてそのまま透過するが(このときの透過率を「0次透過率」と呼ぶ)、入射光に対して複屈折性を示す。
即ち、図1(c)に示すように、微細凹凸構造へ「空気領域から入射」する入射光において、微細凹凸構造の周期方向(図の左右方向)に平行に振動する偏光成分:TM、ランド長手方向(図面に直交する方向)に平行に振動する偏光成分TEに対し、微細凹凸構造は「屈折率が異なる媒質」のように作用する。
微細凹凸構造の部分における有効屈折率を、偏光成分:TMにつきn(TM)、偏光成分:TEについてn(TE)とすると、これらの有効屈折率は、微細凹凸構造が形成された材料の屈折率:n、微細凹凸構造のフィリングファクタ:fを用いて以下のように表される。
n(TE)=√{fn+(1−f)} (1)
n(TM)=√[n/{f+(1−f)n}] (2)
このため、透過光における偏光成分:TMに対し、偏光成分:TEは位相が「δ」だけ遅れることになる。
即ち、溝深さ:Hを用いると、微細凹凸構造の「光学的厚さ」は、偏光成分:TMに対して「H・n(TM)」、偏光成分:TEに対して「H・n(TE)」であるので、これら光学的厚さの差:H{n(TE)−n(TM)}に応じて「位相遅れ:δ」が生ずる。この「位相遅れ:δ」が「リタデーション」である。
n(TE)、n(TM)は、材料の屈折率:nと、フィリングファクタ:fにより決定され、リタデーション:δは、屈折率:n、フィリングファクタ:f、溝深さ:Hにより定まるから、結局、リタデーションは材料(nが定まる)と微細凹凸構造の形態(フィリングファクタ:fと溝深さ:Hが定まる)を調整することにより所望のものを得ることができる。
(フィリングファクタとリタデーション)
図2は、フィリングファクタ:fとリタデーション(縦軸:波長単位)との関係を示している。このときの計算条件としては、
入射光の波長λ:650nm
ピッチP:0.2μm
基板材料:石英(n=1.456)
溝深さH:2μm
である。
図2からフィリングファクタ0.5をピークにリタデーションが変化することがわかる。よって、図1(a)のようにサブ波長構造のフィリングファクタを連続的に変化させることにより、従来技術と同等の偏光解消機能を発現させることができる。
(基板両面にサブ波長構造)
なお、本参考例の偏光解消板10では、図1(a)のようにサブ波長構造12a,12bが透明基板11の両面に形成されている。各面のサブ波長構造12a,12bは異なるパターンでもよいが、同一パターンであるほうが素子作製上望ましい(複製しやすい)。特にその場合は、各面のサブ波長構造を図3に示すようにシフトした構造、或いは図4に示すようにローテーションさせた構造とすることが望ましい。
なお、図3は透明基板11の表裏面に同一サブ波長構造が形成された偏光解消板であり、各面の格子が格子垂直方向にシフトした例であり、図4は透明基板11の表裏面に同一サブ波長構造が形成された偏光解消板であり、各面の格子を素子中心にローテーションさせた例である。
また、図4のようにローテーションさせる場合は、サブ波長構造12aの格子方向とサブ波長構造12bの格子方向を直交配置させるのが望ましい。
(使用状態)
以上のような構造の偏光解消板は、図5に模式的に示すように、入射光L1が特定の方向に偏光されたものであっても、フィリングファクタが変調したサブ波長構造を通過した出射光L2は偏光されたものが混在した状態となり、結果的に偏光を解消することになる。
参考例では、透明基板11の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bが形成された偏光解消板10において、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bは、スペース(凹部)とランド(凸部)の幅の比率が面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bの溝方向が、面垂直方向を回転軸としてずれている構成、あるいは、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bが、溝垂直方向にずれている構成、としたものであり、この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
(作製方法)
次に、本参考例の偏光解消板の作製方法について、マザー金型の作製から製品の完成までを、図6及び図7に示す作製工程説明図を参照して説明する。なお、形成しようとする3次元形状は、ライン状のランドとスペースからなる、「ライン・アンド・スペースパターン」である。
(1)マザー金型の作製
(1−1)EBレジストパターンの作成
直径100mmの石英ガラス基板(以下、石英基板と言う)上に、厚さdが200nmのシリコン(Si)を成膜したベース基板を用い、このベース基板のシリコン(Si)層上に予め電子線描画用レジストを100nmの厚さに塗布し、EB(電子線)描画装置で所定の条件下で5mm×5mmの範囲のレジストにピッチ200nm、フィリングファクタ0.2〜0.8まで変え、深さ100nmのライン・アンド・スペースパターン用の溝を描画し、現像、リンスを行なってレジストパターンを形成した(図6の[1−1])。
そのレジストパターンをマスクとして、ベース基板(シリコン/石英基板)をドライエッチングし、ライン・アンド・スペースパターンをもつマザー金型を形成する。以下にその工程の一例を示す。
(1−2)ダミー処理
ダミー基板(樹脂層は付着していない)をチャンバー(図示せず)に設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。ダミー基板は特に限定されるものではないが、例えばマザー用基板と同じもの(本実施例においては石英基板)でレジスト層の付着していないものである。その後、RIE(反応性イオンエッチング)装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、CHF:15sccm、SF6:15sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気をマザー用基板を処理するガスとした。
(1−3)シリコン層ドライエッチング処理
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、先に作成したEBパターン付きベース基板をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、CHF:15sccm、SF6:15sccmで供給して15秒間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチング処理により、EBレジスト上のパターンがシリコン膜に転写される(図6の[1−2])。
(1−4)レジスト残渣の除去
次に、シリコン膜にパターンが転写されたベース基板にVUV洗浄処理を180s実施し、さらにベース基板をHSOとHの混合液で6分間洗浄して残っていたレジスト層を除去した。
以上の工程により、EBレジストの微細形状を石英基板上に成膜したシリコンに転写しピッチ200nm、フィリングファクタ0.2〜0.8、深さ200nmのライン・アンド・スペースパターンのシリコンマスクを形成した(図6の[1−3])。続けてシリコンマスクの形状を石英に転写する。
(1−5)ダミー処理
ダミー基板(樹脂層は付着していない)をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE(反応性イオンエッチング)装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、CHF:15sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気をマザー金型用基板を処理するガスとした。
(1−6)石英ドライエッチング処理
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、先に作成したシリコンマスク付き基板をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを300ワットに設定し、CHF:15sccmで供給して40秒間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチング処理により、シリコンマスクパターンが石英に転写される(図6の[1−4])。
(1−7)シリコンマスクの除去
チャンバーから基板を取り出した後、180sVUV洗浄処理を実施し、65℃の5%KOH水溶液に120s基板を浸漬して、シリコンマスクの除去を実施した。その後リンス、乾燥を実施し、ピッチ200nm、フィリングファクタ0.2〜0.8、深さ200nmのライン・アンド・スペースパターンを石英基板上に作成したマザー金型を形成した(図6の[1−5])。
続いて、このマザー金型を樹脂転写用の金型として用い、ナノインプリント法によって所望の製品を作製する。以下に詳細に説明する。
(2)製品の作製
(2−1)被転写基板の表面処理
製品用被転写基板として石英ガラス基板を使用する。まず、製品基板−樹脂間の密着性を大きくするために製品基板にシランカップリング処理を行なった。シランカップリング処理は樹脂転写の際の密着不良回避を目的とした、密着性向上のための一般的処理である。シランカップリング処理の一例は、次のものである。市販のカップリング処理剤(例えば、信越シリコーン製、KBM503)を水に溶かし、表面処理した後、加熱硬化させる。その後、有機溶剤で洗浄し、カップリング処理剤を基板上に1分子層だけ残す。
(2−2)マザー金型表面の洗浄
マザー金型表面にキャロス洗浄を施し、続いてエキシマ処理を施した。キャロス洗浄は前述のように硫酸とHの混合液による洗浄方法である。エキシマ洗浄はOガスを流しながらエキシマ光を照射してオゾン(O)を発生させ、基板表面の有機物質を酸化して除去する洗浄方法である。その後、フッ素系の離型処理剤で樹脂との離型性を向上させる化学的処理を行った。
(2−3)樹脂転写(ナノインプリント)
以上が樹脂転写の前工程となる。続いて樹脂転写工程を具体的に説明する。
(2−3−1)樹脂塗布
まず、樹脂吐出装置にテンプレート用基板をセットし、製品基板上の転写しようとする領域上に0.3mgの紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))を塗布した。この塗布方法は、転写しようとする領域に碁盤の目状のマトリックス点ごとにインクジェット法で塗布し、合計塗布量が0.3mgとなるようにした。
次にマザー金型を同装置にセットし、マザー金型のパターン部分に同樹脂を0.3mg塗布した。
(2−3−2)面合わせ
次にマザー金型にテンプレート用基板を載せる形で面合わせを行なった(図6の[1−6])。このとき空気が転写領域に入り込まないように注意する。
(2−3−3)加圧
次に面合わせを行なったマザー金型と製品基板を互いに押し付けるように、自動加圧機を用いて1MPaで加圧処理を施した。
(2−3−4)仮硬化
次にマザー金型と製品用基板の間に挟み込まれた樹脂に対して2000mJ/cmのUV光を照射し仮硬化を行なった。仮硬化とは、完全に硬化するエネルギーの70%程のエネルギーを与え、ある程度の硬化度を持たせることをいう。硬化の方法としては、金型側から樹脂層の小さい範囲を露光し、その位置をずらして行くことによりマザー金型パターンの形状の通りに仮硬化させた。
(2−3−5)硬化
次にマザー金型からの樹脂の離型処理及び樹脂に十分なエッチング耐性を持たせることを目的とした樹脂硬化を行なった。このときの硬化処理は短時間で一度に行ない、樹脂を引けさせる(硬化による樹脂収縮)ことで効果的に離型を行なった。
(2−3−6)離型
次にマザー金型と製品基板の組を製品基板側を上にして離型治具に設置し、製品基板をマザー金型から剥がした。離型処理により、マザー金型に樹脂残りが発生せずに剥離できた。
これにより、製品基板上の樹脂層にマザー金型の微細形状が転写され、樹脂によるライン・アンド・スペースパターンが形成された(図7の[1−7])。
なお、剥がされたマザー金型は洗浄して繰り返し使用する。
(2−4)残レイヤー除去処理
続いて残レイヤー除去処理工程を示す。
(2−4−1)ダミー処理
ダミー基板(樹脂層は付着していない)をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE(反応性イオンエッチング)装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを25ワットに設定し、CHFを17sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気を製品基板を処理するガスとした。
(2−4−2)残レイヤー除去処理
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、微細3次元形状が形成されている樹脂層が付着している製品基板をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを25ワットに設定し、CHFを17sccmで供給して5秒間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチング処理により、インプリント時に発生したボトム部分の樹脂(残レイヤー)が除去された(図7の[1−8])。
(2−5)成膜・リフトオフ処理
次に微細3次元形状が形成された基板にCrの成膜を実施した。以下に詳細を示す。
(2−5−1)Cr蒸着処理
真空蒸着装置のチャンバーに基板を設置し、チャンバー内を5.0×10−5Torr以下に排気した。その後、Cr膜厚が100nmになるように蒸着を実施した(図7の[1−9])。この時、開始圧力は極力低圧であることが望ましい。
(2−5−2)リフトオフ処理
製品基板をNMP(N-メチルピロリドン)で5分間超音波洗浄して残っていた樹脂層を除去した。以上の工程により、石英上にピッチ200nm、フィリングファクタ0.2〜0.8、深さ100nmのライン・アンド・スペースパターンのCrマスクが形成された(図7の[1−10])。
なお、この時点で、ピッチとフィリングファクタの関係はマザー金型の状態と等しくなっている。
(2−6)ドライエッチング処理
続いてドライエッチング処理工程を示す。
(2−6−1)ダミー処理
ダミー基板(樹脂層は付着していない)をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE(反応性イオンエッチング)装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを300ワットに設定し、CHFを17sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気を製品基板を処理するガスとした。
(2−6−2)パターンエッチング転写処理
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、微細3次元形状が形成されている樹脂層が付着している製品基板をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを300ワットに設定し、CHFを17sccmで供給して180秒間ドライエッチング処理を行なった(図7の[1−11])。
(2−7)Crマスク除去処理
次に製品基板にOアッシング処理を施し、さらに製品基板をHSOとHの混合液で6分間洗浄して残っていたCrマスクを除去した。
以上の工程により石英基板の片面にピッチ200nm、フィリングファクタ0.2〜0.8、深さ2000nmのライン・アンド・スペースパターンを形成した製品基板が得られた(図7の[1−12])。
参考例では、図6、図7の[1−6]〜[1−12]と同様の工程を製品基板の裏面側にも施し、製品基板の両面に同じパターンが直交するように配置して形成し、偏光解消板とする。以下にその工程を示す。
(3)裏面加工
裏面加工の一例を示す(以下、先にパターンを形成した面と反対の面を第2面と定義する)。
(3−1)カップリング処理
第2面にカップリング処理を実施し、前述の(2−1)で実施した工程と同じ工程を再度実施した。
(3−2)保護膜塗布
先に作製したパターン面にNPR3600PG(長瀬産業)を1500rpm×20sの条件でスピンコートした。続いてホットプレートを用い、200℃で180s加熱した。本実施例では両面にインプリントを実施するため、これが保護膜として機能する。
(3−3)パターン形成処理(インプリントからリフトオフまで)
前述の(2−2)〜(2−5)までと同じ処理を第2面に実施し、石英上にCrパターンを形成した。この時(2−5−2)のNMPによるリフトオフ処理の際に保護膜も同時に除去される形となる。
(3−4)パターン形成処理(ドライエッチングからCrマスク除去まで)
前述の(2−6)〜(2−7)と同じ処理を第2面に実施した。
以上の工程により、石英基板の両面にサブ波長のパターンを形成した偏光解消板が作製でき、所望の性能を得ることができた。
<偏光解消板の構成例2:溝深さの変調>
次に、本発明の別の参考例を説明する。
図8は、偏光解消板の別の参考例(構成例2)を説明するための図である。前述の構成例1ではフィリングファクタを連続変調させたのに対し、この構成例2では、図8に示すように、透明基板11の両面に形成したサブ波長構造12a,12bの格子の溝深さHを連続変調させた構成となっている。
図9は、溝深さ:Hとリタデーション(縦軸:波長単位)との関係を示している。溝深さに対して線形にリタデーションが増加する。これは、微細凹凸構造の「光学的厚さ」の、偏光成分:TM、TEに対する差:H{n(TE)−n(TM)}が溝深さ:Hの1次関数であることによる。なお図9の計算条件としては、
入射光の波長λ:650nm
ピッチP:0.2μm
基板材料:石英(n=1.456)
フィリングファクタ:0.5
である。
図9のように溝深さに比例してリタデーションが変化するため、図8のようにサブ波長構造の溝深さを連続的に変化させることにより、従来技術と同等の偏光解消機能を発現させることができる。
参考例では、透明基板11の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bが形成された偏光解消板10において、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bは、その溝深さHが面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bの溝方向が、面垂直方向を回転軸としてずれている構成、あるいは、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bが、溝垂直方向にずれている構成、としたものであり、この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
(作製方法)
次に、本参考例の偏光解消板の作製方法について、マザー金型の作製から製品の完成までを、図10及び図11に示す作製工程説明図を参照して説明する。なお、形成しようとする3次元形状は、ライン状のランドとスペースからなる、「ライン・アンド・スペースパターン」である。
(1)マザー金型の作製
(1−1)石英パターンの作成
直径100mmの石英ガラス基板(以下、石英基板と言う)に、FIB−SEMを用いた直接加工によりピッチ200nm、フィリングファクタ0.5で溝深さを100〜1000nmの範囲でグラデーション的に変量したパターンを形成した。その後、表面をフッ素系のコーティング材を用いて表面処理を実施し、マザー金型とする(図10の[2−1])。
(2)光学素子の作製
(2−1)パターン形成材料の塗布・硬化
図10の[2−1]の金型にSiOベースのゾル・ゲル材料(屈折率1.65)を1500rpm×30sスピンコートし成膜した。次に90℃のホットプレートで300s加熱した。これはゾル・ゲル材料中の溶媒分を除去する為に行い、これにより膜の緻密性が向上する。続いて、200℃のホットプレートで300s加熱した。本工程により、ゾル・ゲル材料は脱水縮合反応が起き、完全に硬化する。この時点でパターン上のゾル・ゲルのオーバーコート量は1200nmである(図10の[2−2])。
(2−2)保持基板の貼り合わせ
次にUV硬化型の樹脂を用いてスピンコート面に保持用石英基板を接合した。接合樹脂としてライトウェルド401をスピンコート面及び石英基板にそれぞれ0.5mg塗布し、面合わせ・加圧後に1000mJ/cmのUV光を照射し硬化を行った(図10の[2−3])。
(2−3)シスター金型からの離型
次にマザー金型と保持基板の組を保持基板側を上にして離型治具に設置し、保持基板をマザー金型から剥がした。この離型処理により、マスター金型にゾル・ゲル材料残りが発生せずに剥離できた(図10の[2−4])。
なお、ゾル・ゲル材料に対して、マザー金型のパターン形成材料の方に若干弾性を持たせることにより、離型時の応力を金型側が吸収するため、離型時のパターンの破壊も起きにくい。以上により、保持用石英基板上にSiOベースのゾル・ゲル材料によるラインアンドスペースのパターンを形成した。
(3)裏面加工
(3−1)保護膜塗布
先に作製したパターン面にNPR3600PG(長瀬産業)を1500rpm×20sの条件でスピンコートした。続いてホットプレートを用い、200℃で180s加熱して硬化した。本実施例では両面にインプリントを実施するため、これが保護膜として機能する(図10の[2−5])。
(3−2)パターン形成処理
(3−2−1)パターン形成材料の塗布・硬化
前述の(2−1)と同じ工程を実施し、図10の[2−1]の金型上にゾル・ゲル材料を成膜した(図10の[2−2]と同様)。
(3−2−2)基板の貼りあわせ
図10の[2−5]の基板と[2−2]の金型とを貼り合わせた(図11の[2−6])。貼り合わせの工程としては前述の(2−2)で実施した工程と同じ処理を実施した。また、図上ではパターンが表裏平行であるが、これは求める特性に応じて任意に角度を設定する。
(3−2−3)マザー金型からの離型及び保護膜の除去
次に図11の[2−6]の貼り合わせ基板を、製品基板(SiOベースのゾル・ゲル材料によるラインアンドスペースのパターンを形成した石英基板)側を上にして離型治具に設置し、製品基板をマザー金型から剥がした(図11の[2−7])。その後、HSOとHの混合液で3分間洗浄し、保護膜を除去した(図11の[2−8])。
以上の工程により、基板の両面に微細3次元形状を形成した偏光解消板が作製でき、所望の性能を得ることができた。
<偏光解消板の構成例3:側壁角度の変調>
次に、本発明の第の実施例を説明する。
図12は、偏光解消板の第の実施例(構成例3)を説明するための図である。前述の構成例1ではフィリングファクタを連続変調させ、構成例2では溝深さを変調させたのに対し、この構成例3では、図12に示すように、透明基板11の両面に形成したサブ波長構造12a,12bの格子のランド部の側壁の角度を変調させた構成となっている。
図13は、側壁角度とリタデーション(縦軸:波長単位)との関係を示している。側壁角度に応じてリタデーションが増加する。これは、溝深さとフィリングファクタを同時に変調させたものと同様の効果がある。なお、図13のときの計算条件としては、
入射光の波長λ:650nm
ピッチP:0.2μm
基板材料:石英(n=1.456)
溝深さH:2μm
フィリングファクタ:0.5(フィリングファクタはランド部の底面とスペースの比とする)
である。
図13のように側壁角度に応じてリタデーションが変化するため、図12のようにサブ波長構造の側壁角度を連続的に変化させることにより、従来技術と同等の偏光解消機能を発現させることができる。
本実施例では、透明基板11の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bが形成された偏光解消板10において、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bは、凸部の側壁角度が面内で変化したものであるとともに、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bの溝方向が、面垂直方向を回転軸としてずれている構成、あるいは、各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造(サブ波長構造)12a,12bが、溝垂直方向にずれている構成、としたものであり、この構成により、複屈折性結晶などを用いることなく入手容易・安価なガラス基板や樹脂基板で偏光解消板の機能を得られる。また、プリズム加工を必要としないとともに、偏光解消機能はサブ波長構造部で発現しているため、きわめて薄型化が可能である。
(作製方法)
次に、本実施例の偏光解消板の作製方法について、マザー金型の作製から製品の完成までを、図14に示す作製工程説明図を参照して説明する。なお、形成しようとする3次元形状は、ライン状のランドとスペースからなる、「ライン・アンド・スペースパターン」である。
(1)マザー金型の作製
(1−1)石英パターンの作成
直径100mmのPMMA基板に、FIB−SEMを用いた直接加工によりピッチ200nm、溝深さ1500nmで、スペース幅を100nmに固定し、ランド幅を変量によりフィリングファクタを変量し、斜面角度を88〜90°の範囲でグラデーション的に変量したパターンを形成した。その後、表面をフッ素系のコーティング材を用いて表面処理を実施し、これをマザー金型として使用する(図14の[3−1])。
(2)シスター金型の作製
(2−1)導電膜の形成
真空蒸着装置のチャンバーに、図14の[3−1]に示すマザー金型を設置し、チャンバー内を5.0×10−5Torr以下に排気した。その後、Ni膜厚が50nmになるように蒸着を実施した(図14の[3−2])。なお、図14の[3−1]に示すマザー金型のアスペクト比が非常に大きいことより、この時の開始圧力は極力低圧であることが望ましい。
(2−2)Ni電鋳処理
図14の[3−2]の基板をスルファミン酸ニッケル浴に浸し、通電する事でニッケル(Ni)電鋳処理を行った(図14の[3−3])。この時、電鋳による応力発生は金型の精度低下に繋がるため、例えば、2段階で通電するといった、応力緩和(めっき純度の向上)の対策を講じることが望ましい。
(2−3)離型処理
図14の[3−3]の基板を65℃の5%TMAH溶液に浸し、10分間超音波処理を行った。超音波処理によりTMAH溶液がPMMA−Ni界面に浸透し、マザー金型を離型することが可能となる。離型後若干残った残渣については再度65℃の5%TMAH溶液に浸し、10分間超音波処理を行う事で完全に除去した。続いてエキシマ処理を施した後、表面をフッ素系のコーティング材を用いて表面処理を実施し、これをシスター金型として使用する(図14の[3−4])。
(3)製品の作製
(3−1)パターン形成材料の塗布・硬化
図14の[3−3]のシスター金型にUV硬化型有機・無機ハイブリッドハードコート材である、Desolite Z7501(JSR)を膜厚10μmになるようにスピンコートを実施した(本材料の屈折率n=1.49)。次に、300mJ/cmのUV光を照射し硬化を行った。この時点でパターン上のオーバーコート量は9μmである(図14の[3−5])。なお、今回は有機・無機ハイブリット型の材料を用いたが、透過率・屈折率・耐環境性等の特性を満たせば、他の材料(例えばポリイミド系や、アクリル系の光学材料)でも構わない。
(3−2)離型処理
図14の[3−5]の基板をオーバーコート面を下にして基板全体を吸着した状態で離型処理を行った(図14の[3−6])。
以上の工程により、有機・無機ハイブリッド材料による微細パターンを形成した偏光解消板が得られ、所望の性能を得ることができた。
なお、本材料は柔軟性に優れているため、このまま離型可能であるが、オーバーコート量が小さい等の理由で破損が気になる場合には、前述の構成例2の作製方法で示したようにオーバーコート面に保持部材を接合しても良い。
<偏光解消板の構成例4>
本発明の偏光解消板は、サブ波長構造面上に、多層膜を形成したものであってもよい。図15は前述の構成例1のようなフィリングファクタが変調された構造に、特許文献2(特開2001−51122号公報)で開示されているような方法による積層構造を設けたものである。すなわち高屈折率材料(例えばTiO(屈折率n=2.3))と低屈折率材料(例えばSiO(屈折率n=1.5))をある所定条件で積層することにより、入射する偏光方向に応じて位相差を付与することができる。これは電子ビームリソグラフィおよびドライエッチング技術で加工された凹凸パターン上に、スパッタデポジションとスパッタエッチングを組合せたプロセスにより、作製できる。
図16は、フィリングファクタ:fに相当するものとして、図15の格子周期Lxとリタデーション(縦軸:波長単位)との関係を示している。このときの計算条件としては、
入射光の波長λ:650nm
ピッチLX:0.1〜0.35μm
基板材料:石英(n=1.456)
積層材料の高屈折率側:TiO(屈折率n=2.3)
積層材料の低屈折率側:SiO(屈折率n=1.5)
溝深さ方向の周期LZ:図16の例に示すとおり
溝深さ方向の高屈折率膜と低屈折率膜の比率:0.5
積層数(周期):図16の例に示すとおり
である。
図16からLXが0.20〜0.25を底値にリタデーションが変化することがわかる。よって、図15のように格子周期LXを連続的に変化させることにより、従来技術と同等の偏光解消機能を発現させることができる。
<他の実施例>
(両面で違うものをふってもよい)
上記の構成例1〜3では、基板両面に形成されたサブ波長構造のパラメータ(フィリングファクタ、溝深さ、凸部側壁角度)として、同一のものが変化した構成となっているが、各面で異なるパラメータが変化した構成であってもよい。
(複数のパラメータが変化してもよい)
上記の構成例1〜3では、基板両面に形成されたサブ波長構造のパラメータ(フィリングファクタ、溝深さ、凸部側壁角度)のうち、いずれか1つが変化した構成となっているが、複数のパラメータがともに変化した構成であってもよい。また、面内でその組合せが変化した構成であってもよい。
(片面のみパラメータが変化してもよい)
上記の構成例1〜3では、基板両面に形成されたサブ波長構造のパラメータ(フィリングファクタ、溝深さ、凸部側壁角度)のうち、いずれの面も、いずれかのパラメータが変化した構成であったが、一方の面はパラメータが変化しなくてもよい。
(2つのサブ波長構造を別部品)
上記の構成例1〜3では、偏光解消板は、基板11の両面にサブ波長構造を形成した構成となっているが、第1の格子面のみを備えた第1の偏光解消板と、第2の格子面のみを備えた第2の偏光解消板に分離させることもできる。この場合には、調整を容易にするために、双方の偏光解消板を共通のホルダ等によって支持するのが望ましい。また、各格子面を対向配置させる構成であってもよく、これは、素子面の保護上、望ましい。
(素子への入射方向)
また、上記実施例では、格子への入射光は、格子へ垂直入射する図で説明してきたが、垂直入射に限定されるものでなく、斜め入射する構成であってもよい。
(片面)
さらに、上記の実施例ではサブ波長構造は両面に設けられた場合について説明してきたが、片面のみの形成であってもよい。
(偏光解消板の使用例)
本発明の偏光解消板は、種々の光学装置に用いることができる。例えば特許文献1に記載されているような分光器などのレーザ機器に用いることができ、偏光依存性を解消して光利用効率を向上することができる。また、その他のレーザを光源とした光学装置、例えば光ディスク装置の光ピックアップ装置、画像形成装置(レーザプリンタ、デジタル複写機、ファクシミリ等)の書き込み手段に用いるレーザ走査装置、あるいは、レーザ計測装置等に用いることができる。
さらに本発明の偏光解消板は、プロジェクタ、背面投射型テレビ等の画像表示装置に用いることができる。
(使用例1)
ここで、本発明の偏光解消板を使用する装置の例として、図20は画像表示装置(プロジェクタ)の一構成例を示した図である。
画像表示装置100は、3原色に対応する各色の映像を個別に形成する3つの液晶表示素子110、111、112と、これら各液晶表示素子から射出した各色の映像光を合成するクロスプリズム113を有し、各液晶表示素子とクロスプリズム113との間の3光路に、1/2波長板相当の波長板116、117、118を有している。
白色光源101から放射された白色光は、リフレクタ102により反射され、ダイクロイックミラー103に入射する。ダイクロイックミラー103は、青色波長以下の光を透過させ、青色波長より長い波長の光を反射する。したがって、ダイクロイックミラー103に入射する白色光の内、青色成分はダイクロイックミラー103を透過し、緑色成分と赤色成分はダイクロイックミラー103により反射されてダイクロイックミラー104に入射する。
ダイクロイックミラー104は、赤色波長以上の波長の光を透過させ、赤色波長より短い波長の光を反射する。したがって、ダイクロイックミラー104に入射した光のうち、緑色成分はダイクロイックミラー104に反射され、赤色成分はダイクロイックミラー104を透過する。このようにして、ダイクロイックミラー103、104により白色光源101からの白色光が、赤、緑、青の3原色の成分光に色分解される。
ダイクロイックミラー103を透過した青色成分光は、ミラー105により反射され、液晶表示素子110に入射し、ダイクロイックミラー104に反射された緑色成分光は、液晶表示素子111に入射する。また、ダイクロイックミラー104を透過した赤色成分光は、リレーレンズ108、ミラー106、リレーレンズ109、ミラー107により構成される光路を辿って液晶表示素子112に入射する。リレーレンズ108と109とは、赤色成分光の光路長補正を行う。
液晶表示素子110、111、112は、液晶層を1対の偏光子で挟持してなり、液晶層を挟持する1対の偏光子は互いに偏光方向を直交させている。そして、各色成分光は、対応する液晶表示素子の入射側偏光子を透過すると直線偏光となって液晶層に入射する。液晶表示素子110、111、112には、それぞれ、青色画像、緑色画像、赤色画像を表示するように画像信号が印加され、投射すべき映像の画素の位置の液晶層を透過する光は、偏光面が90度旋回し、射出側偏光子と同じ偏光方向になって射出側偏光子を透過する。
このようにして、液晶表示素子110からは、青色画像に応じて2次元的に強度変調された青色成分光(以下、青色映像光という)が射出する。同様に、液晶表示素子111からは、緑色画像に応じて2次元的に強度変調された緑色成分光(以下、緑色映像光という)が射出し、液晶表示素子112からは赤色画像に応じて2次元的に強度変調された赤色成分光(以下、赤色映像光という)が射出する。すなわち、液晶表示素子110、111、112は、3原色(青、緑、青)に対応する映像を個別に形成する。
これら各液晶表示素子から射出した各色映像光は、その偏光方向が図面の面内に平行な方向となっている。そして、液晶表示素子110から射出した青色映像光は波長板116に入射し、液晶表示素子111、112からそれぞれ射出した緑色映像光、赤色映像光は、それぞれ波長板117、118に入射する。
波長板116、117、118は、1/2波長板であって、透過する光の直交2成分に対して1/2波長分の位相差を与える。これら波長板に入射する各色映像光は、上記のように図面に平行な面内に偏光しているため、透過光は、その偏光面が入射時の方向から90度旋回し、図面に直交する方向に偏光した光束となって、それぞれ対応する面からクロスプリズム113に入射する。
クロスプリズム113は、図面に直交する方向からみた断面形状が正方形となる光透過性素材による直方体であり、互いに直交する反射面113a,113bを有している。反射面113aは、青色波長以下の波長の光を反射し、青色波長より長い波長の光を透過するダイクロイックミラーとなっており、反射面113bは、赤色波長以上の波長の光を反射し、赤色波長より短い波長の光を透過するダイクロイックミラーとなっている。
クロスプリズム113に入射する各色映像光のうち、青色映像光は反射面113aに反射され、赤色映像光は反射面113bに反射され、緑色映像光は反射面113a、113bを透過し、いずれも同一の方向となり、色合成されてクロスプリズム113から射出する。射出した光束は、投射レンズ114に入射し、投射レンズ114により表示面であるスクリーン115上に拡大投射されて投射映像を表示する。
さて、ここで反射面113a、113bは、その反射光あるいは透過光の偏光軸について方向性を有する。一般に、一方の偏光方向について、より高透過率を有する。そこで、クロスプリズムへの入射光の偏光方向と反射面の偏光軸の最適化をするため、クロスプリズム前段に1/2波長板を適宜挿入する。なお、図20においては、青、緑、赤のいずれの波長に対しても1/2波長板を挿入した場合を示しているが、入力波長のいずれか1のみについて1/2波長板を挿入する構成であってもよい。
以上の図20に示すような構成の画像表示装置(プロジェクタ)においては、クロスプリズム113から射出する光束は直線偏光となっているが、この偏光を解消するように本発明の偏光解消板を用いることができる。すなわち本発明の偏光解消板は、クロスプリズム113と投射レンズ114の間に配置して使用することができ(図示省略)、この場合には、クロスプリズム113から射出し、偏光解消板に入射する直線偏光の光は、偏光解消板で偏光が解消されることにより、偏光依存性のあるスクリーン115などに投影した際にも良好な投影画像を得ることができる。
また、画像表示装置の光源101としては、レーザ光源等を使用することができるが、この場合には、レーザ光源からの光束の偏光を解消するように本発明の偏光解消板を用いることもできる。
(使用例2)
次に、本発明の偏光解消板を使用する光学装置の一例として、図21は光ピックアップ装置の一構成例を示した図である。
光ピックアップ装置501は、光源502、回折格子503、偏光ビームスプリッタ504、1/4波長板505、コリメータレンズ506、対物レンズ507、光記録媒体509、シリンドカルレンズ510、及びフォトディテクタ511とを有している。
また、光ピックアップ装置501は、レーザダイオード等の光源502から出射した光を、それぞれ別体に配設された回折格子503、偏光ビームスプリッタ504、1/4波長板505、コリメータレンズ506、及び対物レンズ507を順次透過させて光記録媒体509に照射し、その反射光を、前記対物レンズ507、前記1/4波長板505を透過させた後、前記偏光ビームスプリッタ504において透過方向に対し直交する方向に反射させるように構成されている。
なお、偏光ビームスプリッタ504において光が反射するのは、光の偏光が1/4波長板505を2回透過する際に変化したためである。例えば、光源502の光がs偏光であれば、1/4波長板505を2回透過した光はp偏光となる。
そして、偏光ビームスプリッタ504において反射した光は、シリンドカルレンズ510によって集光された後に、フォトディテクタ511によって受光されて、読み出しデータ等として用いられるようになっている。
以上の図21に示すような構成の光ピックアップ装置501においては、偏光ビームスプリッタ504から射出する光束は直線偏光となっているが、この偏光を解消するように本発明の偏光解消板を用いることができる。すなわち本発明の偏光解消板は、偏光ビームスプリッタ504とシリンドリカルレンズ510の間に配置して使用することができ(図示省略)、この場合には、偏光ビームスプリッタ504から射出し、偏光解消板に入射する直線偏光の光は、偏光解消板で偏光が解消され、シリンドカルレンズ510によって集光された後に、フォトディテクタ511によって受光される。
そして、このように偏光解消板を使用することにより、対象とする光記録媒体509として情報記録面を複数もつ多層光記録媒体や、対物レンズとして回折型のレンズを用いた場合に発生するフレア光と、信号光の干渉を低減し、良好な再生信号を得ることが可能となる。
なお、以上に示した実施例は本発明の一例であり、上記の実施例のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
本発明の参考例を示す偏光解消板の構成説明図である。 図1に示す偏光解消板のフィリングファクタとリタデーションとの関係を示す図である。 本発明の参考例を示す偏光解消板の構成説明図である。 本発明の別の参考例を示す偏光解消板の構成説明図である。 本発明に係る偏光解消板の使用例の説明図である。 図1に示す偏光解消板の作製方法の一例を示す工程説明図である。 図6の作製方法の続きを示す工程説明図である。 本発明のさらに別の参考例を示す偏光解消板の要部断面図である。 図8に示す偏光解消板の溝深さとリタデーションとの関係を示す図である。 図8に示す偏光解消板の作製方法の一例を示す工程説明図である。 図10の作製方法の続きを示す工程説明図である。 本発明の実施例を示す偏光解消板の要部断面図である。 図12に示す偏光解消板の側壁角度とリタデーションとの関係を示す図である。 図12に示す偏光解消板の作製方法の一例を示す工程説明図である。 本発明のさらに別の実施例を示す偏光解消板の概略要部斜視断面図である。 図15に示す偏光解消板のLXとリタデーションとの関係を示す図である。 従来技術による偏光解消板の一例を示す構成説明図である。 図17の偏光解消板の側面図である。 従来技術による偏光解消板の別の例を示す構成説明図である。 本発明の偏光解消板を使用した画像表示装置(プロジェクタ)の一構成例を示す概略構成図である。 本発明の偏光解消板を使用した光学装置の一構成例を示す光ピックアップ装置の概略構成図である。
符号の説明
10:偏光解消板
11:透明基板
12a,12b:サブ波長構造
100:画像表示装置
501:光ピックアップ装置

Claims (5)

  1. 透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造が形成された偏光解消板において、
    前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造は、凸部の側壁角度が面内で変化したものであるとともに、
    各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造の溝方向が、面垂直方向を回転軸としてずれていることを特徴とする偏光解消板。
  2. 透明基板の両面に、サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造が形成された偏光解消板において、
    前記サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造は、凸部の側壁角度が面内で変化したものであるとともに、
    各面のサブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造が溝垂直方向にずれていることを特徴とする偏光解消板。
  3. 請求項1または2に記載の偏光解消板において、
    サブ波長オーダのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造が形成された面に、多層膜を形成したことを特徴とする偏光解消板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光解消板を用いたことを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光解消板を用いたことを特徴とする画像表示装置。
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