JP6832068B2 - 偏光解消フィルム、光学積層体、表示装置 - Google Patents

偏光解消フィルム、光学積層体、表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光解消フィルム、光学積層体、表示装置に関する。
一般に、液晶表示装置や電極反射防止用に円偏光板を有する有機EL表示装置等が出射する表示光は、最表面に配置された偏光膜を透過した偏光である。偏光サングラスをかけた人が、これらの表示装置の画面を見る場合、向きや角度によっては、表示画面が極端に暗くなり、文字や画像を認識できなくなることがある。この問題を解決するため、従来、表示パネルの前面に、3000〜30000nmのリタデーション(位相差値)を有する配向ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを配して用いることを特徴とする液晶表示装置の視認性改善方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、該視認性改善方法では、連続的で幅広い発光スペクトルを有している白色LEDを用いたバックライトとの組合せでは効果が得られるものの、発光スペクトルが狭くかつ不連続である冷陰極管や熱陰極管、赤・緑・青の各色を発するLEDを組み合わせて白色光源として用いる方式等との組合せでは十分な効果が得られず、偏光サングラスを通すと、表示画面が着色して見えるという問題がある。
特許第4888853号明細書
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、優れた偏光解消性を有する偏光解消フィルムと、それを備える光学積層体および表示装置とを提供することにある。
本発明の偏光解消フィルムは、位相差値をR、波長をλとした時、平均的にR≧3λを満たし、かつ、少なくとも一部の肉眼で視認可能なレベルより小さな領域内で局所的にλ/4以上のRが変化している。
1つの実施形態においては、上記局所的なR変化は表面凹凸に起因している。
1つの実施形態においては、上記偏光解消フィルムは、少なくともポリエステルを含む。
1つの実施形態においては、上記偏光解消フィルムの表面凹凸面に複屈折性が異なる物質が積層されている。
1つの実施形態においては、上記複屈折性が異なる物質の表面粗さは平滑である。
本発明の別の局面によれば、光学積層体が提供される。この光学積層体は、上記の偏光解消フィルムと偏光膜とを含み、該偏光解消フィルムの遅相軸と該偏光膜の吸収軸のなす角が45°±20°または135°±20°である。
本発明の別の光学積層体は、上記の偏光解消フィルム上に透明導電膜が形成されている。
本発明のさらに別の局面によれば、表示装置が提供される。この表示装置は、上記の偏光解消フィルムあるいは上記の光学積層体が視認側に設置されている。
1つの実施形態においては、上記表示装置の少なくとも1色の発光波長の半値幅は50nm以下である。
1つの実施形態においては、上記表示装置は液晶表示装置である。別の実施形態においては、上記表示装置は有機EL表示装置である。
本発明の偏光解消フィルムは、肉眼で視認可能なレベルより小さな領域内で局所的にλ/4以上のRが変化しているため、位相差により変化した偏光状態が肉眼で視認できる領域では複数重ね合わされ非偏光状態になるため、偏光解消効果を呈することが可能である。
本発明の1つの実施形態による偏光解消フィルムの概略断面図である。 偏光解消フィルムの表面凹凸を説明するための概略断面図である。 本発明の実施形態による偏光解消フィルムを備える液晶表示装置の一例の概略断面図である。 本発明の実施形態による偏光解消フィルムを備える有機EL表示装置の一例の概略断面図である。
本発明の偏光解消フィルムは、樹脂からなる。
樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、マレイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ化樹脂、セルロース樹脂、液晶ポリマー、アイオノマーなどが挙げられる。これら樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
上記した樹脂のうち、好ましくは、透明性を有する樹脂が挙げられる。透明性を有する樹脂としては、例えば、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。オレフィン樹脂としては、例えば、環状オレフィン樹脂、鎖状オレフィン樹脂などが挙げられる。好ましくは、環状オレフィン樹脂が挙げられる。環状オレフィン樹脂としては、例えば、ポリノルボルネン、エチレン・ノルボルネン共重合体、またはそれらの誘導体が挙げられる。鎖状オレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。スチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体などが挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
これら樹脂は、厚み5μmのフィルムに成形したときにおける可視光線透過率が、例えば、85%以上、好ましくは、95%以上であり、通常、99.99%以下である。なお、上記した可視光線透過率は、JIS K 7105(1981年)に準拠して算出される。
また、上記した樹脂は、熱可塑性樹脂である場合に、その溶融温度は、例えば、200〜300℃であり、軟化温度は、例えば、150〜280℃である。
次に、本発明の偏光解消フィルムは、位相差を有している。位相差値Rは、波長をλとした時、例えば、平均的に3λ以上であり、好ましくは4λ以上であり、さらに好ましくは5λ以上である。位相差値が上記した範囲に満たないと、偏光サングラス等の偏光板を通して画面を観察した時、強い干渉色を呈するため、良好な視認性を確保することができない。なお、本発明の位相差値は、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることもできるし、ベレック型コンペンセータが装着された偏光顕微鏡によっても測定できる。また、KOBRA−WPR(王子計測機器株式会社)といった市販の自動複屈折測定装置を用いて求めることもできる。
次に、本発明の偏光解消フィルムは、肉眼で視認可能なレベルより小さな領域内で局所的に位相差値が変化している。すなわち、図1に模式的に示すように、偏光解消フィルム1は、局所的に位相差が高い領域2と局所的に位相差が低い領域3とを有する。なお、図面では、局所的に位相差が高い領域2と局所的に位相差が低い領域3とは規則的に(交互に)配置されているが、これらの領域の大きさ(図面における幅)および配列はランダムである。なお、肉眼で視認可能なレベルより小さな領域とは、人により異なることがあるが、一般的には、100μm以下であり、好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。上記した範囲よりも大きな領域で位相差値が変化しても偏光解消性が低下し、偏光サングラス等の偏光板を通して画面を観察した時、干渉色を呈するため、良好な視認性を確保することができない。
また、局所的な位相差値変化量はλ/4〜3λ、好ましくはλ/2〜3λ、さらに好ましくはλ〜3λの位相差値変化が望ましい。上記した範囲よりも小さな局所的な位相差値変化では偏光解消性が低下し、偏光サングラス等の偏光板を通して画面を観察した時、干渉色を呈するため、良好な視認性を確保することができない。また、上記した範囲よりも大きな局所的な位相差値変化はフィルム自体の形態を維持することが困難となる。
上記した局所的な位相差値変化は、例えば図2に示すように表面に凹凸を付与することにより実現され得る。表面に凹凸を付与する手段としては、例えば、サンドブラスト処理やサンドペーパー処理等によってフィルム表面を削ることで局所的な表面凹凸を賦型する方法、金型によるインプリント処理等によって形状転写し、局所的な表面凹凸を賦型する方法等が適用され得る。上記したように局所的な表面凹凸を賦型することによって局所的に膜厚dが変化することになる。この時、複屈折をΔnとすると、R=Δn×dの関係性があるため、局所的に位相差値が変化することになり、上述の範囲の位相差値変化になる場合は優れた偏光解消性が得られる。この局所的に位相差値が変化による偏光解消性は組み合わされる表示装置の発光波長の半値幅への依存性が低いため、該半値幅が50nm以下の場合でも優れた偏光解消性が得られる。
次に、本発明の偏光解消フィルムは、表面凹凸面に複屈折性が異なる物質を積層することが望ましい。これにより光散乱を抑制することが可能である。また、上記した複屈折性が異なる物質は表面粗さが平滑であることが望ましい。平滑性はJIS B 0601(1994年版)に記載される算術平均粗さRaが0.05μm以下、好ましくは0.02μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下が望ましい。上記した範囲よりも平滑性が低く、Raが大きい場合、効果的に光散乱を抑制することが困難である。上記した複屈折性が異なる物質は、熱可塑性樹脂であっても良く、熱硬化性樹脂であっても良い。また、粘着性樹脂であっても良い。
次に、本発明の光学積層体は、上記した偏光解消フィルムと偏光膜とを積層させても良い。この時、偏光解消フィルムの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角が45°±20°または135°±20°、好ましくは45°±10°または135°±10°、さらに好ましくは45°±5°または135°±5°となるように積層することが望ましい。上記した範囲とはことなる角度で上記した偏光解消フィルムと偏光膜とを積層させても効果的に偏光解消することが困難である。
上記した偏光膜は、特に制限はなく、任意の適切なものが採用される。偏光膜は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸し、ヨウ素などで染色したものである。この場合、偏光膜の厚みは、通常1μm〜50μmである。
また偏光膜には染料や色素を含むリオトロピック液晶やサーモトロピック液晶を樹脂フィルム上に塗工したものもある。この場合、偏光膜の厚みは、通常0.1μm〜10μmである。該偏光膜は上記した偏光解消フィルム上に直接形成しても良く、異なる樹脂フィルム上に形成したものを粘着剤や接着剤等を用いて貼合しても良い。
次に、本発明の光学積層体は、上記した偏光解消フィルム上に透明導電膜を形成しても良い。
上記した透明導電膜は、特に制限はなく、任意の適切なものが採用される。透明導電膜は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)等に代表される無機酸化物膜や金属ナノワイヤー、金属メッシュ等に代表される開口部を有する金属膜、カーボンナノチューブやグラフェン等に代表される炭素膜、PEDOTやポリアニリン等に代表される高分子膜を用いることができる。
図3は、本発明の偏光解消フィルムを備える液晶パネルおよび液晶表示装置の実施形態の一例の断面図を示す。図3において、この液晶パネル4は、液晶セル5と、液晶セル5の視認側(表)面および視認側の反対側(裏)面の両面に積層される偏光板6と、視認側の偏光板6の視認側(表)面に積層される偏光解消フィルム1とを備えている。
液晶セル5としては、液晶層(図示せず)およびその両面に積層されるガラス層(図示せず)を備える公知の液晶セルが挙げられる。
2つの偏光板6は、液晶セル5の両面全面に積層されており、例えば、公知の偏光板が挙げられ、通常、それらの偏光軸が互いに直交するように配置されている。この際、各層の積層は空気層を介しても良く、光等方性材料層を介しても良く、粘着剤を用いても良く、接着剤を用いても良い。
偏光解消フィルム1は、視認側の偏光板6の表面全面に積層されている。この際、積層は空気層を介しても良く、光等方性材料層を介しても良く、粘着剤を介しても良く、接着剤を介しても良い。
また、図3で示す液晶パネル4の視認側の反対側に、仮想線で示すバックライト7を設ければ、それらを備える液晶表示装置(液晶ディスプレイ)8を得ることができる。
液晶表示装置8の用途としては、例えば、液晶テレビ(屋内用途)、携帯電話(屋内用途および屋外用途)、電子看板(デジタルサイネージ)(屋内用途および屋外用途)などが挙げられる。
そして、上記した液晶表示装置8では、バックライト7から出射される非偏光が、液晶パネル4における裏面側の偏光板6によって偏光に変換され、次いで、液晶セル5を透過する。次いで、液晶セル5を透過した特定の偏光軸を有する偏光が、表面側の偏光板6を透過する。その後、表面側の偏光板6を透過した偏光は、偏光解消フィルム1によって、非偏光に変換されて、液晶パネル4の視認側に出射される。
そして、上記した偏光解消性に優れる偏光解消フィルム1を備えた液晶パネル4、および、液晶表示装置8は、優れた偏光解消性を有している。
とりわけ、視認者が、偏光機能を有するサングラス(偏光サングラス)を介して液晶表示装置8を視認する際、液晶表示装置(とりわけ、屋外用途で用いられる液晶表示装置、具体的には、携帯電話または電子看板に用いられる液晶表示装置)8の液晶パネル4に上記した偏光解消フィルム1が設けられていない場合には、液晶パネル4から出射される光が偏光状態となるため、かかる光(偏光)が偏光サングラスによって遮光されて、液晶パネル4が表示する画像を認識できない場合がある。しかし、上記した偏光解消フィルム1が設けられた液晶表示装置8では、それから出射される光が非偏光状態であるため、偏光サングラスによって、一部の光(偏光軸が偏光サングラスの偏光軸と異なる偏光)が遮光されても、残部の光(偏光軸が偏光サングラスの偏光軸と同一である偏光)が偏光サングラスを透過して、視認者に至る。その結果、視認者が偏光サングラスを介して液晶表示装置8を視認しても、液晶パネル4が表示する画像を確実に認識することができる。しかも、偏光解消フィルム1は、肉眼で視認可能なレベルより小さな領域内で局所的にλ/4以上のRが変化しているため、位相差により変化した偏光状態が肉眼で視認できる領域では複数重ね合わされ非偏光状態になるため、例えばバックライト7から出射される光の半値幅が50nm以下の場合でも優れた偏光解消効果を呈することが可能である。
図4は、本発明の偏光解消フィルムを備える有機EL表示装置の実施形態の一例の断面図を示す。図4において、この有機EL表示装置9は、仮想線で示す有機EL発光素子10と、有機EL発光素子10の視認側(表)面に積層されるλ/4板11と、λ/4板11の視認側(表)面に積層される偏光板6と、偏光板6の視認側(表)面に積層される偏光解消フィルム1とを備えている。なお、偏光板6とλ/4板11を合わせて円偏光板12と呼ばれ、有機EL表示装置に入射する外光が有機EL発光素子の金属電極によって反射するのを抑制する役割を果たす。この際、各層の積層は空気層を介しても良く、光等方性材料層を介しても良く、粘着剤を用いても良く、接着剤を用いても良い。
偏光解消フィルム1は、視認側の偏光板6の表面全面に積層されている。この際、積層は空気層を介しても良く、光等方性材料層を介しても良く、粘着剤を介しても良く、接着剤を介しても良い。
有機EL表示装置9の用途としては、例えば、有機ELテレビ(屋内用途)、携帯電話(屋内用途および屋外用途)、電子看板(デジタルサイネージ)(屋内用途および屋外用途)などが挙げられる。
そして、上記した有機EL表示装置9では、有機EL発光素子10から出射される非偏光が、偏光板6によって偏光に変換されるが、偏光解消フィルム1によって、非偏光に変換されて、円偏光板12の視認側に出射される。
そして、上記した偏光解消性に優れる偏光解消フィルム1を備えた有機EL表示装置9は、優れた偏光解消性を有している。
とりわけ、視認者が、偏光機能を有するサングラス(偏光サングラス)を介して有機EL表示装置9を視認する際、有機EL表示装置(とりわけ、屋外用途で用いられる有機EL表示装置、具体的には、携帯電話または電子看板に用いられる有機EL表示装置)9の円偏光板12に上記した偏光解消フィルム1が設けられていない場合には、円偏光板12から出射される光が偏光状態となるため、かかる光(偏光)が偏光サングラスによって遮光されて、有機EL表示素子10が表示する画像を認識できない場合がある。しかし、上記した偏光解消フィルム1が設けられた有機EL表示装置9では、それから出射される光が非偏光状態であるため、偏光サングラスによって、一部の光(偏光軸が偏光サングラスの偏光軸と異なる偏光)が遮光されても、残部の光(偏光軸が偏光サングラスの偏光軸と同一である偏光)が偏光サングラスを透過して、視認者に至る。その結果、視認者が偏光サングラスを介して有機EL表示装置9を視認しても、有機EL表示素子10が表示する画像を確実に認識することができる。しかも、偏光解消フィルム1は、肉眼で視認可能なレベルより小さな領域内で局所的にλ/4以上のRが変化しているため、位相差により変化した偏光状態が肉眼で視認できる領域では複数重ね合わされ非偏光状態になるため、例えば有機EL表示素子10から出射される光の半値幅が50nm以下の場合でも優れた偏光解消効果を呈することが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。なお、厚みは尾崎製作所製ピーコック精密測定機器 デジタルゲージコードレスタイプ「DG−205」を使用して測定した。
(1)平均的な位相差値および遅相軸角度
偏光解消フィルムの平均的な位相差値および遅相軸角度は、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−WPR」を用いて、測定した。測定温度は23℃、測定波長λは590nmとした。
(2)局所的な位相差値変化量
偏光解消フィルムの局所的な位相差値変化量は、オリンパス社製の偏光顕微鏡(商品名「BX−50」)にベレック型コンペンセータが装着して測定した。測定は、30μm離れて隣接する2点の位相差値を測定し、その差の絶対値を位相差変化量とした。測定は10箇所行い、平均値を位相差変化量とした。
(3)表面凹凸
偏光解消フィルムおよび複屈折が異なる物質の層の表面凹凸は、キーエンス社製の超深度カラー3D形状測定顕微鏡(商品名「VK−9510」)を用いて測定した。平滑性はJIS B 0601(1994年版)に記載される算術平均粗さRaとして算出した。
(4)偏光解消性評価
偏光解消性は、ソニーモバイルコミュニケーションズ社製の携帯電話(商品名「Xperia Z5」)を用いて目視にて行った。測定は携帯電話に白画面を表示させ、視認側偏光子の吸収軸と偏光解消フィルムの遅相軸のなす角が45°となるように、偏光解消フィルムを視認側に空気層を介して積層した。その後、偏光サングラスに見立てた偏光板(日東電工社製 商品名「NPF−SEG1425DU」を介して目視評価を行った。この時、偏光サングラスの吸収軸と携帯電話の視認側偏光板の吸収軸は直交する配置で行った。なお、判定基準は、
○=着色なし
×=着色が見られる
で行った。なお、本携帯電話の発光スペクトルをトプコンテクノハウス社製の分光放射計(商品名「SR−UL1R」)を用いて測定したところ、青色の発光スペクトルの半値幅は20nm、緑色の発光スペクトルの半値幅は48nm、赤色の主発光スペクトルの半値幅は10nmであった。
[実施例1]
PETフィルム(三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイル T602」、平均的な位相差:2476nm、厚み:50μm)の表面に#400の紙やすりを用いて凹凸を形成した。得られたフィルムの局所的な位相差変化量を測定したところ、236nmであった。該紙やすり処理を施したPETフィルムに紙やすり処理を施していないPETフィルム2枚を紙やすり処理を施していない面に光学粘着剤(厚み:23μm)を用いて貼り合わせて偏光解消フィルムを作製した。該偏光解消フィルムの平均的な位相差値Rは7243nmであった。
上記の偏光解消フィルムの紙やすり処理面に光学粘着剤を貼り合せたところ、表面凹凸Raは0.02μmであった。
上記粘着剤付き偏光解消フィルムを評価に用いた携帯電話に貼合して偏光解消性の評価を行ったところ、着色なく透過光を視認することが出来た。
[比較例1]
PETフィルムに紙やすり処理を行わないこと以外は実施例1と同様の方法で偏光解消フィルムを作製した。得られたフィルムの局所的な位相差変化量を測定したところ、10nmであり、平均的な位相差値Rは7389nmであった。
上記の偏光解消フィルムの紙やすり処理面に光学粘着剤を貼り合せたところ、表面凹凸Raは0.02μmであった。
上記粘着剤付き偏光解消フィルムを評価に用いた携帯電話に貼合して偏光解消性の評価を行ったところ、透過光を視認することは出来たが、着色が見られ、視認性は悪かった。
Figure 0006832068
本発明の偏光解消フィルムは、表示装置に好適に用いられ得る。表示装置としては、液晶表示装置および有機EL表示装置が挙げられる。本発明の液晶表示装置および有機EL表示装置は、例えば、テレビ(屋内用途)、携帯電話(屋内用途および屋外用途)、電子看板(デジタルサイネージ)(屋内用途および屋外用途)に好適に用いられ得る。
1 偏光解消フィルム
2 局所的に位相差が高い領域
3 局所的に位相差が低い領域
4 液晶パネル
5 液晶セル
6 偏光板
7 バックライト
8 液晶表示装置
9 有機EL表示装置
10 有機EL発光素子
11 λ/4板
12 円偏光板

Claims (11)

  1. 位相差値をR(nm)、波長をλ(nm)とした時、平均的にR≧4λを満たす偏光解消フィルムであり、かつ30μm離れた任意の2点間でλ/4以上のRが変化しており、該Rが変化する領域がランダムに配列されていることを特徴とする偏光解消フィルム。
  2. 前記任意の2点間でのR変化が表面凹凸に起因していることを特徴とする請求項1に記載の偏光解消フィルム。
  3. 前記偏光解消フィルムが少なくともポリエステルを含むことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の偏光解消フィルム。
  4. 前記偏光解消フィルムの表面凹凸面に光学粘着剤を積層したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の偏光解消フィルム。
  5. 前記光学粘着剤の表面粗さが平滑であることを特徴とする請求項に記載の偏光解消フィルム。
  6. 請求項1から5に記載の偏光解消フィルムと偏光膜とを含み、該偏光解消フィルムの遅相軸と該偏光膜の吸収軸のなす角が45°±20°または135°±20°であることを特徴とする光学積層体。
  7. 請求項1から5に記載の偏光解消フィルム上に透明導電膜を形成したことを特徴とする光学積層体。
  8. 請求項1から5に記載の偏光解消フィルムあるいは請求項6あるいは7に記載の光学積層体が表示装置の視認側に設置されたことを特徴とする表示装置。
  9. 前記表示装置の少なくとも1色の発光波長の半値幅が50nm以下であることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記表示装置が液晶表示装置であることを特徴とする請求項8あるいは9に記載の表示装置。
  11. 前記表示装置が有機EL表示装置であることを特徴とする請求項8あるいは9に記載の表示装置。
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