JP2014016588A - 画像表示装置 - Google Patents

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剛志 黒田
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Abstract

【課題】画質を向上させることができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置は、画像表示パネルの出光面に複数の透明樹脂基材が積層されている画像表示装置において、前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、面内において最も屈折率が小さい軸である進相軸が、前記画像表示パネルの水平方向となるように配置され、前記進相軸の方向の屈折率(nx)と、前記進相軸の方向と直交する方向である遅相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny)が、0.05以上であることを特徴とする請求項1に記載の。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル用センサーフィルム等を備えた画像表示装置に関するものである。
近年、タッチパネルを搭載した表示装置は急速に普及してきており、特に静電容量方式等マルチタッチが可能なデバイスの需要が高まってきている。又、軽量小型なものから、より大型なタッチパネル等への需要も高い。タッチパネルに用いられる透明電極としては、ITO等の透明導電材料が一般的に用いられるが、近年では金属をパターニングしたタイプも検討されており、基材としてはガラスや透明フィルム等のタイプが使用されている。
液晶表示装置用のタッチパネル用センサーの透明樹脂基材としてフィルムを用いる場合、液晶表示装置に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」とも言う)が、特に表示画面を斜めから観察したときに生じ、液晶表示装置の表示品質が損なわれてしまうという問題点があることが判明した。この現象はフィルム基材の複屈折に起因するものであり、近年の表示品質に対する厳しい要求に対応するため改善をする必要が出てきている。このため、この種のフィルムに使用する透明樹脂基材には、複屈折のない基材として一般的なトリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステルからなるフィルムが用いられていた。しかしながら、セルロースエステルは一般的に高価であり、又、吸湿による寸法変化やカールの問題が残っている。
このようなセルロースエステルフィルムの問題点から、市場において入手が容易な、あるいは簡易な方法で製造することが可能な汎用性フィルムを透明樹脂基材として用いることが望まれており、例えば、セルロースエステルに代替するフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルムを利用する試みがなされている(特許文献1参照)。
ところで、この種の画像表示装置においては、一段と画質を向上することが求められる。
特開2010−204630号公報
本発明の課題は、画質を向上させることができる画像表示装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、更に検討したところ、画像表示装置の画像表示パネルの出光面から最も離れた側にある透明樹脂基材の最も屈折率が小さい軸である進相軸の方向を規定することによって、画質を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 画像表示パネルの出光面に複数の透明樹脂基材が積層されている画像表示装置において、各前記透明樹脂基材の進相軸の向きとリタデーションから算出される、積層体全体での面内において最も屈折率が小さい軸である進相軸の向きが、前記画像表示パネルの水平方向となるように配置されることを特徴とする画像表示装置。
(1)によれば、積層体全体での面内における進相軸の向きが、画像表示パネルの水平方向となるように配置されるので、外光の反射率を低下させて、画像表示装置の表示画像の明暗のコントラストを高くすることができ、画質を向上させることができる。また、進相軸が画面水平方向になるように配置されるので、画像表示パネルの左右端部側から表示画像を見たときに、画面にニジムラが視認されるのを抑制することができる。
(2) 画像表示パネルの出光面に複数の透明樹脂基材が積層されている画像表示装置において、前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、面内において最も屈折率が小さい軸である進相軸が、前記画像表示パネルの水平方向となるように配置されることを特徴とする画像表示装置。
(2)によれば、画像表示パネルの出光面から最も離れた側にある透明樹脂基材の進相軸が、画像表示パネルの水平方向となるように配置されるので、外光の反射率を低下させて、画像表示装置の表示画像の明暗のコントラストを高くすることができ、画質を向上させることができる。また、進相軸が画面水平方向になるように配置されるので、画像表示パネルの左右端部側から表示画像を見たときに、画面にニジムラが視認されるのを抑制することができる。
(3) 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、前記進相軸の方向の屈折率(ny)と、前記進相軸の方向と直交する方向である遅相軸方向の屈折率(nx)との差(nx−ny)が、0.05以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像表示装置。
(3)によれば、高い屈折率異方性(小さい配向のばらつき)により画像表示装置に発生するニジムラを高度に抑制することができる。
(4) 複数の前記透明樹脂基材からなる積層体が、全体として、リタデーションが3000nm以上であることを特徴とする(1)から(3)までのいずれかに記載の画像表示装置。
(4)によれば、積層体が全体として3000nm以上のリタデーションであるので、画像表示装置に発生するニジムラを高度に抑制することができる。
(5) 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、リタデーションが3000nm以上であることを特徴とする(1)から(4)までのいずれかに記載の画像表示装置。
(5)によれば、画像表示装置に発生するニジムラをより高度に抑制することができる。また、上記(3)で規定された進相軸の屈折率と遅相軸の屈折率との差によって、透明樹脂基材の膜厚を所定の膜厚に調整することができる。
(6) 複数の前記透明樹脂基材は、それぞれのリタデーションが3000nm以上であることを特徴とする(1)から(5)までのいずれかに記載の画像表示装置。
(6)によれば、複数の透明樹脂基材のリタデーションの総和を3000nm以上にすることができ、ニジムラ抑制の効果をより具体的に実現することができる。
(7) 複数の前記透明樹脂基材は、リタデーションが3000nm以上の前記透明樹脂基材と、リタデーションが400nm未満の前記透明樹脂基材との組み合わせであることを特徴とする(1)から(5)までのいずれかに記載の画像表示装置。
(7)によれば、画像表示装置に、異なる透明樹脂基材を使用することができ、画像表示装置の設計の自由度を広くすることができる。
(8) 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択されるいずれか1種の材料からなることを特徴とする(1)から(7)までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
(8)によれば、透明樹脂基材の好ましい光線透過性を保持しつつ、かつ、ニジムラの発生を十分に抑制することができる。
(9) 前記透明樹脂基材は、少なくとも1枚に透明導電層を備えることを特徴とする(1)から(8)までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
(9)によれば、透明樹脂基材が透明導電層を備えることで、タッチパネル用センサーフィルムや、電磁波遮蔽シートを形成することができる。
(10) 前記透明導電層は、開口部を有した金属パターンにより形成されていることを特徴とする(9)に記載の画像表示装置。
(10)によれば、透明導電層を、開口部を有した金属パターンにより形成するので、見かけ上、透明な導電層を形成することができる。また、透明な導電材料に比べ、低抵抗化が容易である。
(11) 前記透明導電層は、開口部を有した導電性組成物パターンにより形成されていることを特徴とする(9)に記載の画像表示装置。
(11)によれば、導電性インキ等を使用することによって、容易に透明導電層を形成することができる。
(12) 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、タッチパネルセンサの前記出光面から最も離れた側にある透明樹脂基材であることを特徴とする(1)から(11)までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
(12)によれば、タッチパネルセンサの表面に入射する外光の反射率を低下させて、画像表示装置の表示画像の明暗のコントラストを高くすることができ、画質を向上させることができる。
本発明は、上述した構成からなるものであるため、画質を向上することができる画像表示装置を提供できる。
実施形態のタッチパネル装置1の層構成を説明する図である。 実施形態のタッチパネル装置1の概略図を示す図である。 実施形態の透明樹脂基材301に入射する外光について説明する図である。
(実施形態)
以下に、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書においては、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体も「樹脂」と記載する。
図1に示すように、本発明のタッチパネル用センサーフィルム3を用いた画像表示装置の一例であるタッチパネル装置1は、透明表面基板2、タッチパネル用センサーフィルム3、偏光板4、カラーフィルター5、液晶パネル6がこの順序で配置された構成を有する。タッチパネル装置1は、液晶パネル6のカラーフィルター5と反対側にバックライト8を有するものであり、更に、液晶パネル6を、2つの偏光板で挟持された構造であってもよく、この場合、液晶パネル6のカラーフィルター5と反対側面に偏光板4と同構成の偏光板7が設けられることとなるが、これら2つの偏光板4、7は、通常、互いの吸収軸が90°(クロスニコル)となるよう配設される。
ここで、水平方向とは、斯かるタッチパネル裝置の画像を観察する使用者(画像観察者)を基準とし、該使用者の左右方向を水平方向と定義する。タッチパネル装置1は、有効画像表示領域が長方形形状をしており、一般には横長に使用され、この場合、この長辺の延長方向が水平方向Xである。一方、縦長に使用される場合もあり、この場合、短辺の延長方向が水平方向Xである。
本実施形態では、図2に示すように、タッチパネル装置1が横長に使用され、有効画像表示領域の長辺の延長方向が水平方向Xである。
透明表面基板2は、タッチパネル装置1の最表面に位置するガラス基板である。
又、図1に示すように、タッチパネル用センサーフィルム3は、タッチパネル装置1において透明表面基板2に対向する表面側から、透明樹脂基材301、透明樹脂基材302、透明樹脂基材33が、それぞれ透明粘着層を介して積層されている。すなわち、透明樹脂基材301は、液晶パネル6の出光面から最も離れた側に配置された透明樹脂基材である。又、後に詳細を説明する通り、透明樹脂基材301、透明樹脂基材302のそれぞれの裏面側には、導電パターン層311(X方向)、312(Y方向)がそれぞれ形成されている。
透明樹脂基材301、302、33は、各透明樹脂基材のリタデーションの総和が3000nm以上であることを要する。リタデーションの総和が3000nm未満であると、タッチパネル装置1の表示画像にニジムラが生じてしまう。また、各透明樹脂基材301、302、33の内、リタデーションが400nm以上3000nm未満の透明樹脂基材が含まれている場合は、各透明樹脂基材のリタデーションの総和が3000nm以上であっても、タッチパネル装置1の表示画像にニジムラが生じてしまう。
したがって、それぞれが3000nm以上のリタデーションを有する透明樹脂基材301、302、33で構成するか、若しくは、3000nm以上のリタデーションを有する透明樹脂基材301と、光学的異方性を有さない透明樹脂基材302、33(例えば、TAC樹脂(トリアセチルセルロース)等)、又はリタデーションが400nm未満である光学的異方性の小さな透明樹脂基材302、33とで構成し、かつ、各透明樹脂基材301、302、33のリタデーションの総和が3000nm以上となるようにする必要がある。
一方、上記透明樹脂基材のリタデーションの上限としては特に限定されないが、透明樹脂基材の単層で、30000nm程度であることが好ましい。30000nmを超えると、これ以上の表示画像のニジムラ改善効果の向上が見られず、又、膜厚が相当に厚くなるため好ましくない。本実施形態では、透明樹脂基材301、302、33は、3層より構成されるので、90000nm以内であることが好ましい。
透明樹脂基材301、302、33のリタデーションは、ニジムラ防止性及び薄膜化の観点から、10000〜20000nmであることが好ましい。
尚、上記リタデーションとは、透明樹脂基材の面内において最も屈折率が小さい方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、進相軸方向と直交する方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、透明樹脂基材の厚み(d)とにより、下記の式(数1)によって表わされるものである。
(数1)
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
又、上記リタデーションは、例えば、王子計測機器製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長548.2nm)することができる。
その他の測定方法としては、二枚の偏光板を用いて、ポリエステル基材の配向軸方向(主軸の方向)を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の屈折率(nx、ny)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)によって求める。ここで、より大きい屈折率を示す軸を遅相軸と定義する。ポリエステル基材の厚みd(nm)は、電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて測定し、単位をnmに換算する。屈折率差(nx−ny)と、フィルムの厚みd(nm)との積より、リタデーションを計算することもできる。
本発明では、上記nx−ny(以下、Δnとも表記する)は、0.05以上であることが好ましい。上記Δnが0.05未満であると、充分なニジムラの抑制効果が得られないことがある。又、上述したリタデーション値を得るために必要な膜厚が厚くなるため、好ましくない。又、透明樹脂基材を複数枚重ねる場合にΔnが0.05未満のものが存在するとニジムラ抑制効果が低下するため好ましくない。上記Δnのより好ましい下限は0.07である。
透明樹脂基材301は、進相軸方向がタッチパネル装置1の有効画像表示領域の水平方向Xと平行するように配置される。ここで、進相軸方向が有効画像表示領域の水平方向Xと平行にするには、進相軸方向が、有効画像表示領域の水平方向Xに対して±30°の範囲であればよい。
透明樹脂基材301、302、33は、上述したように、各透明樹脂基材のリタデーションの総和が3000nm以上である必要があるため、透明樹脂基材302、33の進相軸方向は、透明樹脂基材301、302、33のリタデーションの値に基づいて決定される。
例えば、各透明樹脂基材301、302、33のリタデーションが3000nmであり、透明樹脂基材301の進相軸方向が水平方向Xと平行である場合、透明樹脂基材302、33の進相軸方向は、ともに水平方向Xと平行、又は、いずれかが垂直方向Yと平行である必要がある。これにより、透明樹脂基材301、302、33のリタデーションの総和が3000nm以上となるからである。仮に、透明樹脂基材302、33の進相軸方向がともに垂直方向Yである場合、透明樹脂基材301、302、33のリタデーションの総和は3000nmとなるが、積層体としての進相軸方向が垂直方向Yになるため、画像表示パネルの左右端部側から見たときのニジムラ改善効果が見られなくなる。
透明樹脂基材301、302、33を構成する材料としては、上述したリタデーションを充足するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択される1種が好適に用いられる。なかでも、上記透明樹脂基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。本発明においてはPETのような、汎用性が極めて高いフィルムであっても、表示品質の高いタッチパネル装置を作製することが可能な、タッチパネル用センサーフィルムを得ることができる。更に、PETは、透明性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりリタデーションの制御が可能であり、固有複屈折が大きく、膜厚が薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られる。
透明樹脂基材301、302、33を得る方法としては、上述したリタデーションを充足する方法であれば特に限定されないが、例えば、上記PET等のポリエステルからなる場合、材料のポリエステルを溶融し、シート状に押出し成形された未延伸ポリエステルをガラス転移温度以上の温度においてテンター等を用いて横延伸後、熱処理を施す方法が挙げられる。上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。又、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステルからなる透明樹脂基材の透明性が低下しやすくなり、延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られる透明樹脂基材の複屈折が小さくなり、リタデーションを6000nm以上とできないことがある。
又、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行った後、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、縦延伸とも言う)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、Δnの値を上述した好ましい範囲にできないことがある。又、上記熱処理時の処理温度はしては、100〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜245℃である。
上述した方法で作製した透明樹脂基材のリタデーションを3000nm以上に制御する方法としては、延伸倍率や延伸温度、作製する透明樹脂基材の膜厚を適宜設定する方法が挙げられる。具体的には、例えば、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、又、膜厚が厚いほど、高いリタデーションを得やすくなり、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、又、膜厚が薄いほど、低いリタデーションを得やすくなる。
本実施形態では、透明樹脂基材301は、縦延伸の方向を有効画像表示領域の水平方向Xに一致させている。
透明樹脂基材301、302、33の厚みとしては、その構成材料等に応じて適宜決定されるが、20〜500μmの範囲内であることが好ましい。20μm未満であると、透明樹脂基材301、302、33のリタデーションを3000nm以上にできないことがあり、又、力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。一方、500μmを超えると、透明樹脂基材が非常に剛直であり、高分子フィルム特有のしなやかさが低下し、やはり工業材料としての実用性が低下するので好ましくない。上記透明樹脂基材の厚さのより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は400μmであり、更により好ましい上限は300μmである。
又、透明樹脂基材301、302、33は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であるものがより好ましい。尚、上記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。このようなタッチパネル用センサーフィルム3を用いたタッチパネル装置1も又、本発明の1つである。
タッチパネル装置1において、バックライト8の一次光源は、特に限定されないが、白色発光ダイオード(白色LED)であることが好ましい。上記白色LEDとは、蛍光体方式、即ち化合物半導体を使用した青色光又は紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子のことである。なかでも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有していることからニジムラの改善に有効であるとともに、発光効率にも優れるため、本発明における上記バックライトの一次光源として好適である。又、消費電力の小さい白色LEDを広汎に利用可能になるので、省エネルギー化の効果も奏することが可能となる。
偏光板4、7としては、所望の偏光特性を備えるものであれば特に限定されず、一般的に液晶表示装置の偏光板に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコールフィルムが延伸されてなり、ヨウ素を含有する偏光板が好適に用いられる。
液晶パネル6としては、特に限定されず、一般的に液晶表示装置の液晶パネルとして公知のものを用いることができる。例えば、図1に示すように、液晶層61の上下をガラス板62で挟んだ一般的な構造を有する液晶パネル、具体的には、TN、STN、VA、IPS及びOCB等の表示方式のものを用いることができる。
又、カラーフィルター5としては、特に限定されず、例えば、一般的に液晶表示装置のカラーフィルターとして公知のものを用いることができる。このようなカラーフィルターは、通常、赤色、緑色及び青色の各色の透明着色パターンから構成され、それら各透明着色パターンは、着色剤が溶解又は分散、好ましくは顔料微粒子が分散された樹脂組成物から構成される。尚、上記カラーフィルターの形成は、所定の色に着色したインキ組成物を調整して、着色パターン毎に印刷することによって行ってもよいが、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって行なうのがより好ましい。
タッチパネル装置1の表示画像は、バックライト8の一次光源から照射された光がカラーフィルター5を透過することでカラー表示される。ところが、カラーフィルター5を透過する光が単色表示となるように制御した場合、タッチパネル用センサーフィルム3の透明樹脂基材として、従来使用されている配向ポリエステルフィルムを用いると、ニジムラがより強く生じる場合がある。これに対して、タッチパネル装置1は、上述した透明樹脂基材301、302、33を有するため、このような単色表示とした場合であっても、ニジムラの発生を好適に抑制することができる。
タッチパネル装置1は、タッチパネル用センサーフィルム3上に任意の層が単層及び/又は複層形成された構成であってもよい。上記任意の層としては特に限定されず、例えば、ハードコート層、帯電防止層、低屈折層、高屈折率層、防眩層、防汚層、反射防止層、高誘電体層、電磁波遮蔽層、接着剤層等が挙げられる。
タッチパネル用センサーフィルム3に用いる導電パターン層311、312は、透明樹脂基材301、302上に形成された透明導電材料層をパターニングしたものでもよく、不透明な導電層をパターン形成し開口部の存在によって見かけ上透明に見えるものでもよい。
透明導電材料としてはITO、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、導電性高分子等を用いることができる。
導電層としては導電性を持った金属であれば使用可能であり、銀、銅、金、アルミ、等が好適に用いられる。導電層は単体の金属や合金であってもよく、金属粒子が結着材により結着されたものでもよい。又、必要に応じて、金属表面に対し黒化処理や防錆処理が適用される。
パターン形成の方法としては、フォトリソグラフィー(エッチング)、パターン印刷、転写、自己組織化等が適用可能である。エッチングを用いた導電パターン層の例としては、透明樹脂基材301、302に銅箔を接着剤でラミネートしたものや、透明樹脂基材301、302上に金属や、ITOを、蒸着又はスパッタリングしたものを所定のパターンにエッチングしたものが挙げられる。パターン印刷で導電パターン層を形成する手法としては、導電性インキを所定のパターンに印刷する手法、無電解めっきの触媒機能を有する材料を所定のパターンに印刷し導電性金属を無電解めっきする手法、無電解めっきの触媒と付加体を形成する材料を印刷後、触媒を付加し無電解めっき処理を行う手法等が挙げられる。導電性インキとしては銀ペースト、銅ペースト、導電性高分子等が挙げられる。触媒機能を有する材料としてはパラジウム等の触媒粒子や、触媒粒子を表面に担持した粒子等を含むインキ等が挙げられる。触媒と付加体を形成する材料としては銀や導電性高分子、吸着性材料等を含むインキ等が挙げられる。無電解めっき層を形成する金属としては銅やニッケル、銀等の導電性金属が挙げられる。上記パターン印刷の方法としては必要とされるパターン精度により任意の手法が適用できるが、スクリーン印刷や、凹版オフセット印刷、あるいはUV硬化プライマーにより凹版から転写させる方法等が好適に用いられる。導電層が開口部を有した金属又は金属粒子からなるパターンの場合、画像表示部のセンサーパターンと周辺の配線パターンを一括形成してもよい。
タッチパネル装置1の表示画面上に外光が入射した場合における、タッチパネル用センサーフィルム3の最表面に位置する透明樹脂基材301の外光の反射について説明する。ここで、外光とは、タッチパネル装置1の設置場所の照明光等をいう。
図3に示すように、透明樹脂基材301に入射する外光は、その界面で一部が反射することになり、その反射の程度がP偏光成分とS偏光成分とで異なることになる。そのため、外光のS偏光成分が、透明樹脂基材301を反射する反射光の主成分となる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、面内に複屈折率を有する光透過性基材を用いた光学積層体又は偏光板において、該光学積層体又は偏光板を画像表示装置に設置する際に、該光透過性基材の屈折率の大きい方向である遅相軸を、偏光素子の吸収軸又は画像表示装置の表示画面に対して特定の方向となるようにすることで、反射防止性能及び明所コントラストを優れた画像表示装置とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、上述のように従来光学積層体として用いられていたトリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステルからなるフィルムは、光学等方性に優れ、面内にほとんど位相差を持たない。このため、該セルロースエステルからなるフィルムを光透過性基材として用いた光学積層体又は偏光板の場合、該光透過性基材の設置方向は考慮する必要がなかった。すなわち、上述した反射防止性能及び明所コントラストの問題は、光学積層体の光透過性基材として、面内に複屈折率を有する光透過性基材を用いたことにより生じたものである。
本発明の光学積層体は、面内に複屈折率を有する光透過性基材の一方の面上に光学機能層を有し、画像表示装置の表面に配置して用いられるものであり、上記光透過性基材の屈折率が大きい方向である遅相軸が、上記画像表示装置の表示画面の上下方向と平行に配置される。
ここで、画像表示装置は、通常、室内に設置して用いられるものであるため、壁面や床面で反射した光の該画像表示装置の表示画面(光学積層体の表面)での反射を防止することで、反射防止性能を優れたものとすることができる。
本発明者らは、上記壁面や床面で反射し、上記画像表示装置の表示画面に入射する光は、その多くが上記表示画面の左右方向に振動した状態となっていることに着目し、本発明の光学積層体を、上記光透過性基材の屈折率が大きい方向である遅相軸が、上記画像表示装置の表示画面の上下方向と平行に配置するものとしたのである。すなわち、本発明の光学積層体は、その用途を画像表示装置の表面に設置するものに限定し、この本発明の光学積層体を設置した画像表示装置は、上記光透過性基材の屈折率が大きい方向である遅相軸が、上記壁面や床面で反射した光の振動方向に対して垂直な方向を向いた状態となっている。このように光透過性基材の屈折率が大きい方向である遅相軸の方向を特定の方向となるように光学積層体を設置してなる画像表示装置は、反射防止性能と明所コントラストとに優れたものとなる。
これは、上述した特定の状態で本発明の光学積層体を配置した画像表示装置では、上記表示画面に入射する割合の多い左右方向に振動する光(S偏光)に対し、上記光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸の方向が平行となり、最表面での外光反射が低減できるためである。
この理由は、nなる屈折率を有する基材表面の反射率Rxは、下記の式(数2)によって表される。
(数2)
反射率Rx=(n−1)/(n+1)
本発明の光学積層体における光透過性基材のような屈折率異方性を有する基材においては、上記構成とすることにより、上記屈折率nは、屈折率の小さい進相軸の屈折率が適用される割合が増加するからである。
また、画像表示装置のコントラストは、暗所コントラストと明所コントラストとに分けられ、暗所コントラストは、(白表示の輝度/黒表示の輝度)として算出され、明所コントラストは、{(白表示の輝度+外光反射)/(黒表示の輝度+外光反射)}として算出される。いずれのコントラストの場合も分母の影響がより大きくなることで、コントラストが低下する。つまり、最表面での外光反射を低減できれば、結果として、明所コントラストが向上する。
なお、上記「上記光透過性基材の屈折率が大きい方向である遅相軸が、上記画像表示装置の表示画面の上下方向と平行に配置される」とは、上記遅相軸が、上記表示画面の上下方向に対して±45°未満の範囲で光学積層体が画像表示装置に配置された状態を意味する。
ここで、S偏光とは、表示画面に入射して、一部屈折しつつ透過し且つ一部反射する外光の入射面(これら外光の入射光線、透過光線、及び反射光線を含む平面)に直交する方向に振動する電場からなる偏光成分をいい、P偏光とは、該入射面に平行な方向に振動する電場からなる偏光成分をいう。そして、通常のタッチパネル裝置1の使用環境(使用形態)下に於いては、外光を構成する光線群の入射面のうちの過半数は垂直方向(使用者に対する左右方向と直交する方向)を含む平面内に存在するか、或いは該垂直方向を含む面からの角度が小さい(10〜30度程度以下)ものとなる。表示画面に入射して使用者の目に入る外光(を構成する光線)の過半数はS偏光(成分)となり、且つ該S偏光(成分)の大部分は水平方向Xの成分となる。仍って、タッチパネル裝置1の表示画面で反射して使用者の目に入る外光の光量の大部分は水平方向X(に電場が振動する)成分となる。
上述したように、本発明に於いては、透明樹脂基材31は、進相軸の方向が水平方向Xであるので、進相軸方向の屈折率(nx)と、遅相軸方向の屈折率(ny)との関係は、nx<nyとなる。
そのため、使用者の目に入る反射外光の大部分を占めるS偏光成分の水平方向Xの成分である。よって、斯かる使用者の目に入る外光の大部分を占める成分に対する屈折率は、水平方向に設定された進相軸方向の屈折率(nx)と等しくなり、透明樹脂基材31の反射率は、下記の式(数2)によって、n=nxとして計算される。
ここで、例えば、nx=1.60、ny=1.70の場合、反射率Rxは、上記の式(数2)によって、Rx=14.1%となる。
これに対して比較例として、透明樹脂基材31の進相軸が垂直方向Yである場合についての反射率Rxを求める。
この場合、S偏光成分の屈折率は、遅相軸方向の屈折率(ny)と等しくなり、透明樹脂基材31の反射率は、上記の式(数2)によって、n=nyとして計算されることによって、Rx=17.0%となり、本発明による反射率Rx=14.1%よりも大きくなる。
よって、本発明による透明樹脂基材31は、比較例の場合に比べ、外光の反射率を低下させることができ、タッチパネル装置1の表示画像の明暗のコントラストを高くすることができ、画質を向上させることができる。
また、本発明による透明樹脂基材301は、水平方向Xの進相軸によって、タッチパネル装置1の画面の左右端部方向から見たときに生じるニジムラの発生を抑制することができる。透明樹脂基材が複数枚積層されている場合は、加工時の基材の延伸によって定められる各基材の進相軸の向きとリタデーションから算出される積層体全体での進相軸の向きが水平方向Xに平行であれば同様な効果が得られる。
タッチパネル装置1においては、透明樹脂基材301、302、33の遅相軸と、偏光板4の吸収軸とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°の範囲となるようにタッチパネル用センサーフィルム3と偏光板4が配設されることが好ましく、0°±10°又は90°±10°の範囲にあることがより好ましく、0°±7°又は90°±7°の範囲にあることがより好ましく、0°±3°又は90°±3°の範囲にあることが更に好ましく、上記角度が0°又は90°となるようにタッチパネル用センサーフィルム3と偏光板4が配設されることが最も好ましい。透明樹脂基材301、302、33の遅相軸と、偏光板4の吸収軸とのなす角度が上記範囲内にあることで、タッチパネル装置1の表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制することができる。この理由は明確ではないが、以下の理由によると考えられる。
即ち、外光や蛍光灯の光のない環境下(以下、このような環境下を「暗所」とも言う)では、透明樹脂基材301、302、33のリタデーションを3000nm以上とすることによって、タッチパネル装置1の透明樹脂基材301、302、33の遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度は、どのような角度であってもニジムラの発生を抑制できる。しかしながら、外光や蛍光灯の光のある環境下(以下、このような環境下を「明所」とも言う)においては、外光や蛍光灯の光は、連続的な幅広いスペクトルを有するものばかりではないため、更に、透明樹脂基材301、302、33の遅相軸と偏光板4の吸収軸とのなす角度を上述の範囲にしないと、ニジムラが生じてしまい表示品位が低下してしまう。更に、カラーフィルター5を透過したバックライト8の光も連続的な幅広いスペクトルを有するものばかりではなくなるため、透明樹脂基材301、302、33の遅相軸と偏光板4の吸収軸とのなす角度を上述の範囲にしないと、ニジムラが生じてしまい表示品位が低下してしまうと推測している。尚、タッチパネル用センサーフィルム3を複数枚積層して用いる場合や、更に保護膜として透明樹脂基材を最表面に積層する場合には、すべての層について上記角度範囲に入ることが好ましい。
又、クロスニコルに配置した偏光板間に対し、ある角度θで設置されたとき、該偏光板間を透過する光の透過率は下記の式(数3)で表される。数3において、Iはクロスニコルに配置した偏光板間を透過した光の強度を示し、Iはクロスニコルに配置した偏光板間に入射する光の強度を示す。この場合、偏光板4の吸収軸に対して、透明樹脂基材301、302、33の遅相軸の方向のなす角度(θ)を45°としたときに、光の透過率は最大となるが、透過率は、透明樹脂基材301、302、33のリタデーション及び透過する光の波長によって変化するため、上記リタデーションの値に特有の干渉色(ニジムラ等)が観測される。ここで、上記角度(θ)を0°又は90°とした場合、上記光の透過率はゼロとなるため、干渉色は観測されなくなる。
(数3)
I/I=sin2θ・sin(πRe/λ)
尚、上記の配向角差は、例えば、王子計測機器社製の分子配向計(MOA;Molecular Orientation Analyzer)を用いて測定した配向角の最大値から最小値を引いた値として求められる。又、上記の遅相軸方向は、上記分子配向計(MOA;Molecular Orientation Analyzer)を用いて求めた上記偏光板保護フィルムの遅相軸方向の平均配向角の方向である。
又、タッチパネル装置1は、タッチパネル用センサーフィルム3上に任意の層が単層及び/又は複層形成された構成であってもよい。上記任意の層としては特に限定されず、例えば、ハードコート層、帯電防止層、低屈折層、高屈折率層、防眩層、防汚層、反射防止層、高誘電体層、電磁波遮蔽層、接着剤層等が挙げられる。また、透明表面基材2のタッチパネル用センサーフィルム3と反対側の面上に、前述の層が単層及び/又は複層形成された構成であってもよい。これらの層が液晶パネルの前面にある場合、リタデーションや進相軸の向きは本発明の請求項に含まれるように設定される。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、さらには従来構成と組み合わせることができる。
(1)上述の実施形態では透明樹脂基材301、302のそれぞれに導電パターン層を設ける例で説明したが、いずれかの透明樹脂基材の表面及び裏面、例えば、透明樹脂基材302の表面及び裏面に導電パターン層を設けるようにしてもよい。タッチパネル用センサーフィルム3としては、導電パターン層が形成された透明樹脂基材が1枚の場合や、導電パターン層311、312が最前面側を向いて配置される場合、透明樹脂基材33が省略される場合などがあるが、本発明のタッチパネルの方式、センサー設計には影響されない。
(2)また、上述の実施形態では、液晶パネルの出射面にタッチパネル用センサーフィルムを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これに代えて、又はこれに加えて、透明樹脂基材を使用した各種の部材を配置する場合に広く適用することができる。
ここで、このような部材の1つとして、不要輻射防止用の電磁波遮蔽シートを適用することができる。この電磁波遮蔽シートは、タッチパネル用センサーフィルム3について上述したと同様の手法により透明樹脂基材に、目視困難に導電パターン層を形成し、液晶表示装置では、この導電パターン層を接地することにより不要輻射を防止する。この電磁波遮蔽シートは、タッチパネル用センサーフィルム3と液晶パネル6との間に配置して、より好ましくは、タッチパネル用センサーフィルム3の直下に配置して、タッチパネル用センサーフィルム3への、液晶パネル3からのノイズの混入を抑圧することができ、その結果、タッチパネル用センサーの誤動作等を防止することができる。
なお、この場合、電磁波遮蔽シートの導電層は、透明導電材料を使用してもよく、複数の開口部を設けた実質的に透明なパターン状の不透明導電材料を使用してもよい。電磁波遮蔽シートの表面抵抗(シート抵抗)は低い方が好ましいが通常は200Ω/□以下で一定の遮蔽性能が得られ、好ましくは150Ω/□以下、より好ましくは100Ω/□以下である。100Ω/□以下を達成する場合は金属または金属粒子からなる導電メッシュが好適に使用できる。
また、このような部材の他の例としては、モスアイ(moth eye(蛾の目))構造による反射防止フィルムを適用することができる。ここで、このモスアイ構造による反射防止フィルムは、反射防止を図る波長帯域の最短波長以下の間隔で多数の微小突起を密接配置して反射防止を図るものである。反射防止フィルムの配置により、界面における反射防止を低減してコントラストを向上することができる。
この反射防止フィルムの微小突起は、例えば、透明表面基板の表面又は裏面に設けたり、タッチパネル用センサーフィルムの透明樹脂基材の表面又は裏面に設けたり、上偏光板の上部に設けたりすることができる。また、この微小突起は、タッチパネル用センサーフィルムの液晶パネルに対向する最裏面と、空隙を挟んで、その裏面と対向する透明樹脂基材の表面とに設け、互いが向かい合うようにして設けることもできる。さらに、この微小突起は、偏光板の表面に積層される透明樹脂基材の裏面に設けてもよく、また、この透明樹脂基材の裏面と、偏光板の表面とに設け、互いに向かい合うようにして設けてもよい。
さらに、このような部材の他の例として、透明表面基板2の表面に貼付される飛散防止用フィルムに適用することも可能である。
また、これらの部材を設ける場合に、各部材を一体化するようにしてもよい。例えば、電磁波遮蔽シートとモスアイ構造の反射防止フィルムとを一体化したり、偏光板とモスアイ構造の反射防止フィルムとを一体化したりすることができる。
以上、本発明の画像表示装置は、外光の反射率を低下させることができ、画像表示装置の表示画像の明暗のコントラストを高くすることができ、画質を向上させることができる。また、透明樹脂基材301の進相軸が水平方向Xに設けられていることによって、画像表示パネルの左右端部側から表示画像を見たときに、画面にニジムラが視認されるのを抑制することができる。
さらに、本発明の画像表示装置は、画面にニジムラが生じることを極めて高度に抑制でき、高品質が要求されるタッチパネル装置に適用できる。
1 タッチパネル装置
2 透明表面基板
3 タッチパネル用センサーフィルム
301、302 透明樹脂基材
311、312 導電パターン層
33 透明樹脂基材
34 透明粘着層
4 偏光板
5 カラーフィルター
6 液晶パネル
61 液晶層
62 ガラス板
7 偏光板
8 バックライト

Claims (12)

  1. 画像表示パネルの出光面に複数の透明樹脂基材が積層されている画像表示装置において、
    各前記透明樹脂基材の進相軸の向きとリタデーションから算出される、積層体全体での面内において最も屈折率が小さい軸である進相軸の向きが、前記画像表示パネルの水平方向となるように配置されることを特徴とする画像表示装置。
  2. 画像表示パネルの出光面に複数の透明樹脂基材が積層されている画像表示装置において、
    前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、面内において最も屈折率が小さい軸である進相軸が、前記画像表示パネルの水平方向となるように配置されることを特徴とする画像表示装置。
  3. 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、前記進相軸の方向の屈折率(ny)と、前記進相軸の方向と直交する方向である遅相軸方向の屈折率(nx)との差(nx−ny)が、0.05以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 複数の前記透明樹脂基材からなる積層体が、全体として、リタデーションが3000nm以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
  5. 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、リタデーションが3000nm以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の画像表示装置。
  6. 複数の前記透明樹脂基材は、それぞれのリタデーションが3000nm以上であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
  7. 複数の前記透明樹脂基材は、リタデーションが3000nm以上の前記透明樹脂基材と、リタデーションが400nm未満の前記透明樹脂基材との組み合わせであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択されるいずれか1種の材料からなることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
  9. 前記透明樹脂基材は、少なくとも1枚に透明導電層を備えることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
  10. 前記透明導電層は、開口部を有した金属パターンにより形成されていることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
  11. 前記透明導電層は、開口部を有した導電性組成物パターンにより形成されていることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
  12. 前記出光面から最も離れた側にある前記透明樹脂基材は、タッチパネルセンサの前記出光面から最も離れた側にある透明樹脂基材であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018151432A (ja) * 2017-03-10 2018-09-27 株式会社リコー 電子デバイス、機器及び電子デバイスの製造方法
JP2018151637A (ja) * 2018-04-11 2018-09-27 日東電工株式会社 透明樹脂層、粘着剤層付偏光フィルムおよび画像表示装置
JP2018165837A (ja) * 2018-07-10 2018-10-25 大日本印刷株式会社 光学積層体、光学積層体の製造方法、画像表示装置及び画像表示装置の干渉縞改善方法

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