JP2014224894A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な視認性を維持しつつ、更なる薄型化を可能にする、液晶表示装置を提供すること。【解決手段】(1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源2、(2)画像表示セル、(3)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、及び(4)前記偏光板より視認側にポリエチレンナフタレートフィルム11aを有し、前記ポリエステルフィルムは、下記の物性(a)及び(b):(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re);(b)0.15以上の複屈折率(ΔNxy);を満たす、画像表示装置。【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置に関する。
画像表示装置は、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピューター、テレビ、PDA、電子辞書、カーナビゲーション、音楽プレーヤー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯用ゲーム機等において幅広く実用化されている。画像表示装置の小型化、軽量化が進むにつれて、その利用はもはやオフィスや屋内に限られず、屋外及び車や電車等での移動中の利用も拡大している。
そのような中、画像表示装置をサングラス等の偏光フィルタを介して視認する機会が増加している。このような画層表示装置の利用に関連して、特許文献1には、画像表示装置の視認側の偏光板を構成する視認側にリタデーションが3000nm未満の高分子フィルムを用いた場合に、偏光板を通して画面を観察すると強い干渉色が現れるという問題が報告されている。そして、特許文献1には、前記の問題を解決する手段として、視認側の偏光板より視認側に用いる高分子フィルムのリタデーションを3000〜30000nmにすることが記載されている。
WO2011/058774
しかしながら、市場においては、画像表示装置の一層の薄型が求められているところ、単に、リタデーションを3000〜30000nmに制御しただけでは、虹斑の発生により視認性の悪化は解消できるものの、フィルムの厚みを薄くすると機械的強度が顕著に低下するため、薄型化の要望への対応することが困難であった。そこで、本発明は、良好な視認性有し、且つ、更なる薄型化が可能な画像表示装置を提供することを1つの目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、ポリエチレンナフタレートフィルムを用い、その複屈折率を一定以上に制御することにより、良好な視認性を保ちながら、フィルムの機械的強度を高め、フィルムの厚みをより薄くすることが可能であることを見出した。そして、本発明者らは、そのような改良型ポリエチレンナフタレートフィルムを画像表示装置に使用することにより、視認性に優れ、更なる薄型化が可能な画像表示装置が得られることを見出した。本発明者等は、斯かる知見に基づき、更なる検討と改良を重ね、本発明を完成するに至った。
代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
(1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源、
(2)画像表示セル、
(3)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、及び(4)前記偏光板より視認側にポリエチレンナフタレートフィルムを有し、
前記ポリエチレンナフタレートフィルムは、下記の物性(a)及び(b):
(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re) ;
(b)0.15以上の複屈折率(ΔNxy);
を満たす、
画像表示装置。
項2.
前記ポリエチレンナフタレートフィルムが、その配向主軸が前記偏光板の偏光軸に対して略45度となるように配置される、項1に記載の画像表示装置。
項3.
該ポリエチレンナフタレートフィルムのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が0.2以上2.0以下である、項1又は2に記載の画像表示装置。
項4.前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
本発明の画像表示装置は、一定の物性を満たすポリエチレンナフタレートフィルムを用いることによって、偏光フィルタを介して画像を眺めた場合に角度によって生じる虹斑に代表される画質の低下が軽減された、優れた視認性を有し、且つ、より薄型化に適している。尚、本書において、「虹斑」とは、「色斑」、「色ずれ」及び「干渉色」を含む概念である。
タッチパネルを備えた画像表示装置の代表的な模式図である。
画像表示装置は、典型的に、画像表示セル及び偏光板を有する。画像表示セルには、典型的に、液晶セル又は有機ELセルが用いられる。画像表示セルとして液晶セルを用いた画像表示装置の代表的な模式図を図1に示す。
液晶表示装置(1)は、光源(2)、液晶セル(4)、及び機能層としてタッチパネル(6)を有する。ここで、本書において、液晶表示装置の画像が表示される側(ヒトが画像を視認する側)を「視認側」と呼び、視認側と反対側(即ち、液晶表示装置において、通常、バックライト光源と呼ばれる光源が設定される側)を「光源側」と称する。なお、図1では、右側が視認側であり、左側が光源側である。
液晶セル(4)の光源側及び視認側の両方にはそれぞれ偏光板(光源側偏光板(3)及び視認側偏光板(5))が設けられている。各偏光板(3,5)は、典型的に、偏光子(7,8)と呼ばれるフィルムの両側に偏光子保護フィルム(9a,9b,10a,10b)が積層された構造を有する。図1の画像表示装置(1)には、視認側偏光板(5)より視認側に、機能層としてタッチパネル(6)が設けられている。図1に示すタッチパネルは、抵抗膜方式のタッチパネルである。タッチパネル(6)は、2枚の透明導電性フィルム(11,12)がスペーサー(13)を介して配置された構造を有する。透明導電性フィルム(11,12)は、基材フィルム(11a,12a)と透明導電層(11b,12b)とを積層したものである。また、タッチパネル(6)の光源側及び視認側には、接着層を介して、透明基体である飛散防止フィルム(14,15)が設けられている。
図1においては、視認側偏光板(5)の視認側に設ける機能層としてタッチパネル(6)を記載したが、タッチパネル(6)を配置しない構成でもよい。また、タッチパネルに限定されるものではなく、フィルムを有する他の機能層であってもよい。更に、タッチパネルとして、抵抗膜式のタッチパネルを記載したが、投影型静電容量式等の他の方式のタッチパネルを使用することも可能である。図1のタッチパネルは、透明導電性フィルムを2枚有する構造であるが、タッチパネルの構造はこれに限定されず、例えば、透明導電性フィルム及び/又は飛散防止フィルムの数は1枚であってもよい。液晶表示装置(1)において、飛散防止フィルムは、タッチパネル(6)の両側に必ず配置しなければならないわけではなく、どちらか一方に配置した構成でもよいし、又は両側に飛散防止フィルムを配置しない構成でもよい。飛散防止フィルムは、接着層を介してタッチパネル上に配置されてもよく、接着層を介さずにタッチパネル上に配置されても良い。
本書において、単一の部材に複数の配向フィルム(フィルム群)が使用される場合、それらは1枚のフィルムとみなす。ここで、部材とは、例えば、偏光子保護フィルム、光源側飛散防止フィルム、光源側基材フィルム、視認側基材フィルム、視認側飛散防止フィルム等の機能的及び/又は目的の観点から別個の部材と判断されるものを意味する。
<ポリエチレンナフタレートフィルムが使用される位置>
画像表示装置は、視認性を改善するという観点から、下記の物性(a)及び(b)を満たすポリエチレンナフタレートフィルムを含むことが好ましい。
(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re)
(b)0.15以上の複屈折率(ΔNxy)
以下、上記の物性を満たすポリエチレンナフタレートフィルムを「当該PENフィルム」と称する場合もある。
画像表示装置において、当該PENフィルムは、視認側偏光板よりも視認側に位置する任意の1つ以上のフィルムとして使用されることが好ましい。より具体的に図1に示される液晶表示装置を例に説明すると、当該PENフィルムは、スペーサー(13)より光源側にある透明導電性フィルム(11)の基材フィルム(11a)(以下、「光源側基材フィルム」と称する)、スペーサー(13)より視認側にある透明導電性フィルム(12)の基材フィルム(12a)(以下、「視認側基材フィルム」と称する)、視認側偏光子保護フィルム(10b)と光源側基材フィルム(11a)との間にある飛散防止フィルム(14)(以下、「光源側飛散防止フィルム」と称する)及び視認側基材フィルム12aより視認側にある飛散防止フィルム(15)(以下、「視認側飛散防止フィルム」と称する)から成る群より選択される1つ以上のフィルムとして使用されることが好ましい。
当該PENフィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度(当該PENフィルムと偏光子とが同一平面状にあると仮定する)は、特に制限されないが、虹斑を低減するという観点から、45度に近いこと(「略45度」)が好ましい。例えば、前記角度は、好ましくは45度±25度以下、好ましくは45度±20度以下である。特に、画像表示装置をサングラス等の偏光フィルタを介して斜め方向から観察する場合における虹斑を低減する観点から、前記角度は好ましくは45度±15度以下、好ましくは45度±10度以下、好ましくは45度±5度以下、好ましくは45度±3度以下、45度±2度以下、45度±1度以下、45度である。尚、本書において、「以下」という用語は、「±」の次の数値にのみかかることを意味する。即ち、前記「45度±15度以下」とは、45度を中心に上下15度の範囲の変動を許容することを意味する。
上記のような条件を満たすように当該PENフィルムを配置することは、例えば、切断されたPENフィルムをその配向主軸が偏光子と特定の角度になるように配置する方法や、PENフィルムを斜め延伸することで偏光子と特定角度になるように配置する方法により行うことができる。
特にパソコン等の液晶表示装置に使用される偏光板は、その偏光軸が、画面の縦方向又は横と平行になる位置ではなく、斜め45度となるように配置されている場合が多い。画像表示装置を横斜めから見る一般的な態様では、当該PENフィルムの配向主軸が画面の縦方向と平行になるように、偏光軸と45度の関係で配置することが好ましい。画像表示装置を縦斜めから見ることが多い態様(例えば、ディスプレイを見上げて画面を見る態様、及び腰程度の高さで地面に水平に設置された画面を立った状態で斜め上方から見る態様等)では、当該PENフィルムの配向主軸を画面の横方向と平行になるように、偏光軸と45度の関係で配置することが好ましい。このようにすることによって、画像表示装置を斜め方向からサングラス等の偏光フィルタを介して画面を観察する場合の虹斑をより低減することができる。
画像表示装置は、当該PENルフィルムを2枚以上備えていても良い。画像表示装置が、当該PENフィルムを2枚以上備える場合、2枚の当該PENフィルムが設けられる位置は特に制限されない。この場合、2枚の当該PENフィルムは、それらの配向主軸が、互いに平行に近いことが好ましい。例えば、2枚の当該PENフィルムの配向主軸が形成する角度は、好ましくは0度±15度、好ましくは0度±10度、好ましくは0度±5度、好ましくは0度±3度、好ましくは0度±2度、好ましくは0度±1度、好ましくは0度である。略平行の関係から外れる場合には、2枚の当該PENフィルムのリタデーション差は好ましくは1800nm以上、好ましくは2500nm以上、好ましくは3500nm以上、好ましくは4000nm以上、好ましくは5000nm以上である。
当該PENフィルムのリタデーションは、虹斑を低減するという観点から、3000nm以上30000nm以下であることが好ましい。リタデーションの下限値は、好ましくは4500nm以上、より好ましくは5000nm以上、更に好ましくは6000nm以上、より更に好ましくは8000nm以上、一層好ましくは10000nm以上である。一方、リタデーションの上限は、それ以上リタデーションを高くしても更なる視認性の改善効果は実質的に得られず、またリタデーションの高さに応じてフィルムの厚みも上昇する傾向があるため、薄型化への要請に反し得るという観点から、30000nmと設定されるが、更に高い値とすることもできる。尚、本書において、単に「リタデーション」と記載する場合は、面内リタデーションを意味する。
リタデーションは、フィルム面(x−y平面)に入射する光によって生じる複屈折(ΔNxy)と厚み(d)との積で表される。よって、ΔNxyの値が大きくなるほど高いレタデーションが得られる。一方、フィルムの厚みが薄くなるほど相対的にレタデーションは小さくなるため、厚みを薄くしつつ、一定以上のリタデーションの値を維持するためには、ΔNxyの値は大きいことが望ましい。しかしながら、ΔNxyの値を大きくし過ぎると、フィルムの引裂強度が低下する傾向にある。よって、当該PENフィルムのΔNxyの値は0.3未満が好ましく、より好ましくは0.27未満、更に好ましくは0.25未満、より更に好ましくは0.24未満である。一方、複屈折率ΔNxyが低いとリタデーションを大きくするためにフィルム厚さを大きくする必要性が生じるので、ポリエチレンナフタレートフィルムの場合、複屈折率ΔNxyは、0.15以上が好ましく、より好ましくは0.16以上、更に好ましくは0.17以上、より更に好ましくは0.18以上、特に好ましくは0.20以上である。
面内リタデーションと厚さ方向リタデーションの差が小さいほど、観察角度による複屈折の作用は等方性を増し、観察角度によるリタデーションの変化が小さくなるため、観察角度による虹斑は発生し難くなると考えられる。このような観点から、PENフィルムのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)は、0.2以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上である。厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz及び△Nyzにそれぞれフィルム厚み(d)を掛けて得られるリタデーションの平均値を意味する。
Re/Rth比は、薄膜化、視野角特性向上の観点から数値が高いほうが好ましいが、その上限値は、最大値の2.0まで必要はなく、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.0以下である。
リタデーションは、公知の手法に従って測定することができる。具体的には、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることができる。また、商業的に入手可能な自動複屈折測定装置(例えば、KOBRA−21ADH:王子計測機器株式会社製)を用いて求めることもできる。
当該PENフィルムの厚み(d)は、特に制限されないが、より薄い液晶表示装置を提供するという観点から、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下、より更に好ましくは80μm以下、一層好ましくは60μm以下、より一層好ましくは50μm以下、更により一層好ましくは45μm以下、特に好ましくは40μm以下である、最も好ましくは35μm以下である。当該PENフィルムの厚みの下限値は、十分な引裂強度を維持することが困難であるという観点から、10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは25μm以上である。
当該PENフィルムは、厚みが薄い場合であっても工業的な液晶表示装置の製造において取り扱いに耐え得る機械的強度を保持していることが好ましい。この観点から、当該PENフィルムは、50mN以上の引裂強度を有することが好ましい。好ましくは、引裂強度は、100mN以上であり、より好ましくは130mN以上である。フィルムの引裂強度は、後述する実施例に示す通り、JIS P−8116の方法に従って測定することが出来る。
ポリエチレンナフタレートは、固有粘度が低いと製膜安定性、耐破断性などの点から、問題があるので、固有粘度は0.55dl/g以上が好ましく、更に、好ましくは、0.60dl/g以上である。一方、固有粘度が高いと押出性などの点から問題が生じるので、1.0dl/g以下が好ましく、更に好ましくは、0.90dl/g以下である。
当該PENフィルムは、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、紫外線吸収剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等を本発明の効果を妨げず、かつ、透明性を損なわない範囲で含有していてもよい。尚、ポリエチレンナフタレートは、波長380nmの光線を吸収する効果を有する為、紫外線吸収剤を使用する場合の添加量を減らすことができる。
上記のような物性を満たすPENフィルムは、一般的なPENフィルムの製造条件において、延伸条件等を制御することによって得ることが出来る。PENフィルムは、一般的に、次の手順で製造される。即ち、PEN樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向PEN樹脂をガラス転移温度以上の温度で、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施すて得られる。縦方向及び横方向への延伸は、各方向について別個に行う方法と、テンターに導いた後にクリップ幅を拡げながらロールの速度を変更することにより、縦方向と横方向を同時に延伸する方法とがある。
上述する物性を満たすPENフィルムを得るためには、単純な一軸延伸を行うことが好ましく、任意の方向への延伸と同時に延伸方向と垂直な方向にリラックス(緩和)処理を行うことがより好ましい。より具体的には、一般に同時二軸延伸機と呼称される設備を使用し、縦方向の延伸と横方向のリラックス処理、又は横方向の延伸と縦方向のリラックス処理を行ってから熱処理を施す方法が例示できる。延伸とリラックス処理の順序は同時に行うことが好ましいが、延伸後にリラックス、もしくはリラックスの後に延伸という順序でも実施しても良い。より好ましい方法は、横方向の延伸と縦方向のリラックス処理を同時に行う方法である。熱処理の過程でリラックスを施すことも可能ではあるが、リラックス率が大きくなると熱シワが発生するため留意すべきである。
逐次二軸延伸機を用いて製造することも可能である。その場合は、縦方向へ緩和する際に、外部ヒーター等により加熱しながら延伸前のロールより延伸後のロールを遅くすることにより縦方向にリラックスを施した後にテンターに導いて横方向に延伸することにより実施することができる。また、横方向へ緩和する場合、通常の二軸延伸で用いる方式により縦延伸を施した後に、テンター内で加熱しながら横方向のクリップ幅を徐々に狭めていくことにより実施すことができる。尚、逐次二軸延伸機を用いる場合、一軸延伸の方向は横方向への延伸が好ましい。縦方向への延伸も可能であるが、縦延伸の際にフィルム表面に微小なキズが発生しやすい、延伸ムラが生じやすいなどの課題があり、留意すべきである。更に、上記と同様の原理を用いて、一軸延伸フィルムを同時二軸延伸機、テンター、ロールのいずれかの設備により、リラックス処理を加えて実施することも可能である。
当該PENフィルムの製膜条件(特に、延伸条件)をより具体的に説明する。延伸温度は、ガラス転移温度(Tg)を基準として−10℃〜+50℃の範囲に設定し、延伸の進行に伴って延伸温度を高くすることが好ましい。ましい。延伸温度が低い場合は、破断が頻発し、高い場合は、厚みムラや白化などが発生する場合がある。具体的な延伸温度は、例えば、80〜130℃、好ましくは90〜120℃である。
延伸倍率は、次のように設定することが好ましい。即ち、全延伸倍率(=MD延伸倍率×TD延伸倍率)は3.0倍〜10.0倍の範囲で設定を行ない、多段階で延伸を行なう場合は、初期段階の延伸倍率を高くすると破断し易いため、初期の延伸倍率よりも、後半の延伸倍率を高く設定することが好ましい。
MD延伸を行なう場合は、単独で実施する場合は、3.5倍近傍が好ましく、TD延伸を併用する場合は、1.0〜2.5倍が好ましい。TD延伸倍率は、3.0〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.5〜5.0倍である。また、TD延伸と同時にMDリラックスを行なうことが好ましい。MDリラックスの倍率は、TD延伸の倍率によるが、リラックス倍率は0.5〜0.9倍が好ましく、より好ましくは0.65〜0.8倍である。
一実施形態において、同時二軸延伸機と呼称される設備を使用し、TD延伸とMD延伸を同時に実施してから熱処理を施す方法やTD延伸と同時にMDリラックスを行なってから熱処理を施す方法を使用することが出来る。この場合、厚みムラの状況などに留意し、MDリラックス倍率を0.5〜0.9倍、更には0.65〜0.8倍にすることが好ましい。MDリラックス倍率をこのように設定することにより、フィルムの熱収縮率を抑えることができる。一方、虹斑を解消する観点から、一軸対称性を強くすると、その軸に対して、直角方向の力学強度が低下する場合があり、注意する必要がある。
熱処理は樹脂の分子量や添加した延伸助剤、並びに、モノマー、及び、延伸倍率などによって、調整することが好ましい。その処理温度は、ガラス転移温度(Tg)、及び、融点(Tm)を目安にTg+50℃以上〜Tm−30℃の範囲に設定することが好ましい。特に、熱収縮率が大きくならないように、制御することが好ましい。具体的には、MDとTDの何れにおいても、熱収縮率は、2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1.0%以下であり、より更に好ましくは0.8%以下であり、特に好ましくは0.5%以下である。熱処理の際に、MDリラックスを行なうことで、更に、熱収縮率を効率的に低減させることが可能である。熱収縮率は、後述する実施例に示す通り、JIS C 2318「電気用ポリエチレンテレフタレートフィルム(寸法変化)」に準拠して測定することができる。
熱収縮率の値が大きいと、液晶表示装置を長時間高温下で使用する場合に、フィルムが大きく収縮し、光学特性の歪が生じたり、平面性の悪化、シワ、カール等が発生したりするおそれがある。
フィルム上でのリタデーションの変動は、小さいことが好ましく、変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑を制御することが好ましい。延伸温度、延伸倍率はフィルムの厚み斑に大きな影響を与えることから、厚み斑を抑える観点から製膜条件の最適化を行うことが好ましい。特にリタデーションを高くするために縦延伸倍率を低くすると、縦厚み斑が悪くなることがある。縦厚み斑は延伸倍率のある特定の範囲で悪化する場合があることから、そのような範囲を外したところで製膜条件を設定することが望ましい。
上記の観点から、当該PENフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。
<光源及び画像表示セル>
画像表示装置は、典型的に画像表示セルとして液晶セル又は有機ELセルを備え得る。また、画像表示装置は、虹斑を抑制するという観点から、連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を有することが好ましい。画像表示装置が液晶セルを備える場合、画像表示装置は、そのような光源を画像表示セルとは独立した光源として備えることが好ましい。一方、有機ELセルの場合は、それ自体が光源の機能を有するため、有機ELセル自体が、連続的で幅広い発光スペクトルを有する光を放つことが好ましい。連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源の方式及び構造は特に制限されず、例えば、エッジライト方式又は直下型方式であり得る。「連続的で幅広い発光スペクトル」とは、少なくとも450〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長領域が存在しない発光スペクトルを意味する。可視光領域とは、例えば、400〜760nmの波長領域であり、360〜760nm、400〜830nm、又は360〜830nmであり得る。
連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色発光ダイオード(白色LED)を挙げることができる。白色LEDには、蛍光体方式のもの(即ち、化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子)及び有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等を挙げることができる。連続的で幅広い発光スペクトルを有し、且つ、発光効率にも優れているという観点から、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードが好ましい。
液晶セルは、液晶表示装置において使用され得る任意の液晶セルを適宜選択して使用することができ、その方式や構造は特に制限されない。例えば、VAモード、IPSモード、TNモード、STNモードやベンド配向(π型)等の液晶セルを適宜選択して使用できる。よって、液晶セルは、公知の液晶材料及び今後開発され得る液晶材料で作製された液晶を適宜選択して使用することができる。一実施形態において好ましい液晶セルは、透過型の液晶セルである。
有機ELセルは、当該技術分野において知られる有機ELセルを適宜選択して使用することができる。有機ELセルは、発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)であり、典型的に透明基材上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層した構造を有する。有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体、及び、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体等を挙げることができる。このように、有機ELセルは、画像表示セルとしての機能と光源としての機能を兼ね備えるため、画像表示装置が有機ELセルを備える場合、独立した光源は不要である。即ち、画像表示装置における光源と画像表示装置は、それらの機能が発揮される限り、互いに独立した存在であっても、一体の形態であってもよい。
画像表示セルとして有機ELセルを用いる場合、画像表示装置における偏光板は必須ではない。しかし、有機発光層の厚みが10nm程度ときわめて薄いために、外光が金属電極で反射して再び視認側へ出射され、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える場合がある。このような外光の鏡面反射を遮蔽するために、有機ELセルの視認側に、偏光板及び1/4波長板を設けることが好ましい。よって、画像表示装置が、有機ELセル及び偏光板を有する場合には、図1における液晶セル(4)を有機ELセルと考え、視認側偏光板(5)を偏光板として考えれば、液晶表示装置(1)における配向フィルムの位置関係をそのまま適用することができる。
<偏光板>
偏光板は、フィルム状の偏光子の両側を2枚の保護フィルム(「偏光子保護フィルム」と称する場合もある)で挟んだ構造を有する。偏光子は、当該技術分野において使用される任意の偏光子(又は偏光フィルム)を適宜選択して使用することができる。代表的な偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム等にヨウ素等の二色性材料を染着させたものを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開発され得る偏光子を適宜選択して用いることができる。
PVAフィルムは、市販品を用いることができ、例えば、「クラレビニロン((株)クラレ製)」、「トーセロビニロン(東セロ(株)製)]、「日合ビニロン(日本合成化学(株)製)]等を用いることができる。二色性材料としてはヨウ素、ジアゾ化合物、ポリメチン染料等を挙げることができる。
偏光子は、任意の手法で得ることができ、例えば、PVAフィルムを二色性材料で染着させたものをホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄及び乾燥を行うことにより得ることができる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度であるが特に制限されない。他の製造条件等は公知の手法に従って適宜設定することができる。
偏光子保護フィルムの種類は任意であり、従来から保護フィルムとして使用されるフィルムを適宜選択して使用することができる。取り扱い性及び入手の容易性といった観点から、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、アクリルフィルム、及び環状オレフィン系フィルム(例えば、ノルボルネン系フィルム)、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、及びポリオレフィン系フィルム(例えば、TPX)等から成る群より選択される一種以上の複屈折性を有さないフィルムを用いることが好ましい。
一実施形態において、視認側偏光子の光源側保護フィルム及び光源側偏光子の視認側保護フィルムは、光学補償機能を有する光学補償フィルムであることが好ましい。そのような光学補償フィルムは液晶の各方式に合わせて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース中に液晶化合物(例えば、ディスコティック液晶化合部及び/又は複屈折性化合物)を分散させた樹脂、環状オレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン樹脂)、プロピオニルアセテート樹脂、ポリカーボネートフィルム樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリロニトリル共重合体樹脂、ラクトン環含有樹脂、及びイミド基含有ポリオレフィン樹脂等なら成る群より選択される1種以上から得られるものを挙げることができる。
光学補償フィルムは、商業的に入手可能であるため、それらを適宜選択して使用することも可能である。例えば、TN方式用の「ワイドビュー−EA」及び「ワイドビュー−T」(富士フイルム社製)、VA方式用の「ワイドビュー−B」(富士フイルム社製)、VA−TAC(コニカミノルタ社製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン社製)、「アートン」(JSR社製)、「X−plate」(日東電工社製)、並びにIPS方式用の「Z−TAC」(富士フイルム社製)、「CIG」(日東電工社製)、「P−TAC」(大倉工業社製)等が挙げられる。
偏光子保護フィルムは偏光子上に直接又は接着剤層を介して積層することができる。接着性向上の点から、接着剤を介して積層することが好ましい。接着剤としては、特に制限されず任意のものを使用できる。接着剤層を薄くする観点から、水系のもの(即ち、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたもの)が好ましい。例えば、偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合は、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン樹脂などを用い、接着性を向上させるために、必要に応じてイソシアネート系化合物、エポキシ化合物などを配合した組成物を接着剤として用いることができる。接着剤層の厚みは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
偏光子保護フィルムとしてTACフィルムを用いる場合、ポリビニルアルコール系の接着剤を用いて張り合わせることができる。偏光子保護フィルムとして、アクリルフィルム、環状オレフィン系フィルム、ポリプロピレフィルム、又はTPX、ポリエステルフィルム等の透湿性の低いフィルムを用いる場合は、接着剤として光硬化性接着剤を用いることが好ましい。光硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。
偏光子保護フィルムの厚みは任意であり、例えば、15〜300μmの範囲、好ましくは30〜200μmの範囲で適宜設定できる。
<タッチパネル、透明導電性フィルム、基材フィルム、飛散防止フィルム>
画像表示装置は、タッチパネルを備え得る。タッチパネルの種類及び方式は特に制限されないが、例えば、抵抗膜方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルを挙げることができる。タッチパネルは、その方式に関係なく、通常、1枚又は2枚以上の透明導電性フィルムを有する。透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が積層された構造を有する。基材フィルムとして、上述する物性を満たすPENフィルムを用いることができる。また、当該PENフィルムを基材フィルムとして用いない場合は、従来から基材フィルムとして用いられる他のフィルム若しくはガラス板等の剛性板を用いることができる。
基材フィルムとして従来から用いられる他のフィルムとしては、透明性を有する各種の樹脂フィルムを挙げることができる。例えば、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアリレート樹脂、及びポリフェニレンサルファイド樹脂等から成る群から選択される1種以上の樹脂から得られるフィルムを使用することができる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリオレフィン樹脂が好ましく、好ましくはポリエステル樹脂である。
基材フィルムの厚みは任意であるが、15〜500μmの範囲が好ましい。
基材フィルムは、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理や下塗り処理を施してもよい。これにより、基材フィルム上に設けられる透明導電層等との密着性を向上させることができる。また、透明導電層等を設ける前に、必要に応じて基材フィルムの表面を溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化してもよい。
透明導電層は、直接基材フィルムに積層されても良いが、易接着層及び/又は種々の他の層を介して積層することが出来る。他の層としては、例えば、ハードコート層、インデックスマッチング(IM)層、及び低屈折率層等を挙げることができる。代表的な透明導電性フィルムの積層構造としては、次の6パターンを挙げることが出来るが、これらに限定されるわけではない。
(1)基材フィルム/易接着層/透明導電層
(2)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/透明導電層
(3)基材フィルム/易接着層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(4)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(5)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率でIMを兼ねる)/透明導電層
(6)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率)/低屈折率層/透明導電性薄膜
IM層は、それ自体が高屈折率層/低屈折率層の積層構成(透明導電性薄膜側が低屈折率層)であるため、これを用いることにより、液晶表示画面を見た際にITOパターンを見え難くすることができる。上記(6)のように、IM層の高屈折率層とハードコート層を一体化させることもでき、薄型化の観点から好ましい。
上記(3)〜(6)の構成は、静電容量式のタッチパネルにおける使用に特に適している。また、上記(2)〜(6)の構成は、基材フィルムの表面にオリゴマーが析出することが防止できるという観点で好ましく、基材フィルムのもう一方の片面にもハードコート層を設けることが好ましい。
基材フィルム上の透明導電層は、導電性金属酸化物により形成される。透明導電層を構成する導電性金属酸化物は特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の導電性金属酸化物が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。好ましい透明導電層は、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)層及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)層であり、好ましくはITO層である。また、透明導電層は、Agナノワイヤー、Agインク、Agインクの自己組織化導電膜、網目状電極、CNTインク、導電性高分子であってもよい。
透明導電層の厚みは特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、15〜40nmであることがより好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。透明導電層の厚みが15nm以上であると、表面抵抗が例えば1×103Ω/□以下の良好な連続被膜が得られ易い。また、透明導電層の厚みが40nm以下であると、より透明性の高い層とすることができる。
透明導電層は、公知の手順に従って形成することができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を例示できる。透明導電層は、アモルファスであってもよく、結晶性のものであってもよい。結晶性の透明導電層を形成する方法としては、一旦基材上にアモルファス膜を形成した後、該アモルファス膜を可撓性透明基材とともに加熱・結晶化することによって形成することが好ましい。
透明導電性フィルムは、透明導電層の面内の一部が除去されてパターン化されたものであってもよい。透明導電層がパターン化された透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が形成されているパターン形成部と、基材フィルム上に透明導電層を有していないパターン開口部とを有する。パターン形成部の形状は、例えば、ストライプ状の他、スクエア状等が挙げられる。
タッチパネルは、上記透明基体として1枚又は2枚以上の飛散防止フィルムを有することが好ましい。飛散防止フィルムは、上述した特定の物性を有するPENフィルムであり得る。また、飛散防止フィルムは、従来から飛散防止フィルムとして用いられる各種のフィルム(例えば、上記基材フィルムについて記載した透明樹脂フィルム)を用いることもできる。飛散防止フィルムが2枚以上設けられる場合、それらは同一の材料から形成されていてもよく、異なっていても良い。
偏光子保護フィルム、基材フィルム、及び飛散防止フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためには実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に重量で50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
上述する特定の物性を満たすPENフィルムは、種々の機能層を有していても良い。そのような機能層としては、例えば、ハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層、帯電防止層、シリコーン層、粘着層、防汚層、撥水層、及びブルーカット層等からなる群より選択される1種以上を用いることができる。防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層を設けることにより、斜め方向から観察したときの色斑が改善されるという効果も期待できる。
種々の機能層を設けるに際して、当該PENフィルムの表面に易接着層を有することが好ましい。その際、反射光による干渉を抑える観点から、易接着層の屈折率を、機能層の屈折率と配向フィルムの屈折率の相乗平均近傍になるように調整することが好ましい。易接着層の屈折率の調整は、公知の方法を採用することができ、例えば、バインダー樹脂に、チタンやジルコニウム、その他の金属種を含有させることで容易に調整することができる。
(ハードコート層)
ハードコート層は、硬度及び透明性を有する層であれば良く、通常、紫外線又は電子線で代表的には硬化させる電離放射線硬化性樹脂、熱で硬化させる熱硬化性樹脂等の各種の硬化性樹脂の硬化樹脂層として形成されたものが利用される。これら硬化性樹脂に、適宜柔軟性、その他物性等を付加する為に、熱可塑性樹脂等も適宜添加してもよい。硬化性樹脂のなかでも、代表的であり且つ優れた硬質塗膜が得られる点で好ましいのが電離放射線硬化性樹脂である。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の樹脂を適宜採用すれば良い。なお、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性化合物、エポキシ化合物等の様なカチオン重合性化合物等が代表的に用いられ、これら化合物はモノマー、オリゴマー、プレポリマー等としてこれらを単独で、或いは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。代表的な化合物は、ラジカル重合性化合物である各種(メタ)アクリレート系化合物である。(メタ)アクリレート系化合物の中で、比較的低分子量で用いる化合物としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー;或いは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー等も適宜用いられる。(メタ)アクリレートとは、アクリレート或いはメタクリレートを意味する。
電離放射線硬化性樹脂を電子線で硬化させる場合、光重合開始剤は不要であるが、紫外線で硬化させる場合は、公知の光重合開始剤を用いる。例えば、ラジカル重合系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。カチオン重合系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合して用いることができる。
ハードコート層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、例えば0.1〜100μmであるが、通常は1〜30μmとする。また、ハードコート層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。
電離放射線硬化性樹脂には、適宜物性調整等の為に、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等も適宜添加することができる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、各々、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
ハードコート層に耐光性を付与し、日光等に含まれる紫外線による変色、強度劣化、亀裂発生等を防止する為には、電離放射線硬化性樹脂中に紫外線吸収剤を添加することも好ましい。紫外線吸収剤を添加する場合、該紫外線吸収剤によってハードコート層の硬化が阻害されることを確実に防ぐ為、電離放射線硬化性樹脂は電子線で硬化させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等の有機系紫外線吸収剤、或いは粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤等、公知の物の中から選択して用いれば良い。紫外線吸収剤の添加量は、電離放射線硬化性樹脂組成物中に0.01〜5質量%程度である。耐光性をより向上させる為に、紫外線吸収剤と併用して、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を添加するのが好ましい。なお、電子線照射は加速電圧70kV〜1MV、照射線量5〜100kGy(0.5〜10Mrad)程度である。
(防眩層)
防眩層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に防眩剤を分散した層として形成される。防眩剤としては、無機系又は有機系の微粒子が用いられる。これら微粒子の形状は、真球状、楕円状等である。微粒子は、好ましくは透明性のものが良い。この様な微粒子は、例えば、無機系微粒子としてはシリカビーズ、有機系微粒子としては樹脂ビーズが挙げられる。樹脂ビーズとしては、例えば、スチレンビーズ、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリルースチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒドビーズなどが挙げられる。微粒子は、通常、樹脂分100質量部に対し、2〜30質量部、好ましくは10〜25質量部程度添加することができる。
防眩剤を分散保持する上記樹脂は、ハードコート層と同じ様に、なるべく硬度が高い方が好ましい。よって、上記樹脂として、例えば、上記ハードコート層で述べた電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等を用いることができる。
防眩層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、通常は1〜20μm程度とする。防眩層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。なお、防眩層を形成する為の塗液中には、防眩剤の沈殿を防ぐ為に、シリカ等の公知の沈降防止剤を適宜添加することが好ましい。
(反射防止層)
反射防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良い。一般に、反射防止層は少なくとも低屈折率層からなり、更に低屈折率層と(該低屈折率層より屈折率が高い)高屈折率層とを交互に隣接積層し且つ表面側を低屈折率層とした多層の層からなる。低屈折率層及び高屈折率層の各厚みは、用途に応じた適宜厚みとすれば良く、隣接積層時は各々0.1μm前後、低屈折率層単独時は0.1〜1μm程度であることが好ましい。
低屈折率層としては、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質を樹脂中に含有させた層、フッ素系樹脂等の低屈折率樹脂の層、低屈折率物質を低屈折率樹脂中に含有させた層、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質からなる層を薄膜形成法(例えば、蒸着、スパッタ、CVD、等の物理的又は化学的気相成長法)で形成した薄膜、酸化ケイ素のゾル液から酸化ケイ素ゲル膜を形成するゾルゲル法で形成した膜、或いは、低屈折率物質として空隙含有微粒子を樹脂中に含有させた層等が挙げられる。
上記空隙含有微粒子とは、内部に気体を含む微粒子、気体を含む多孔質構造の微粒子等のことであり、微粒子固体部分の本来の屈折率に対して、該気体による空隙によって微粒子全体としては、見かけ上屈折率が低下した微粒子を意味する。この様な空隙含有微粒子としては、特開2001−233611号公報に開示のシリカ微粒子等が挙げられる。また、空隙含有微粒子としては、シリカの様な無機物以外に、特開2002−805031号公報等に開示の中空ポリマー微粒子も挙げられる。空隙含有微粒子の粒径は、例えば5〜300nm程度である。
高屈折率層としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質を樹脂中に含有させた層、フッ素非含有樹脂等の高屈折率樹脂の層、高屈折率物質を高屈折率樹脂中に含有させた層、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質からなる層を薄膜形成法(例えば、蒸着、スパッタ、CVD、等の物理的乃至は化学的気相成長法)で形成した薄膜等が挙げられる。
(帯電防止層)
帯電防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に帯電防止層を含有させた層として形成される。帯電防止層としては、有機系や無機系の化合物が用いられる。例えば、有機系化合物の帯電防止層としては、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤、有機金属系帯電防止剤等が挙げられ、またこれら帯電防止剤は低分子化合物として用いられるほか、高分子化合物としても用いられる。また、帯電防止剤としては、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性ポリマー等も用いられる。また、帯電防止剤として例えば金属酸化物からなる導電性微粒子等も用いられる。導電性微粒子の粒径は透明性の点で、例えば平均粒径0.1nm〜0.1μm程度である。なお、該金属酸化物としては、例えば、ZnO、CeO、Sb、SnO、ITO(インジウムドープ酸化錫)、In、Al、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等が挙げられる。
帯電防止層を含有させる上記樹脂としては、例えば、上記ハードコート層で述べた様な、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等が使用される他、帯電防止層を中間層として形成して帯電防止層自体の表面強度が不要な場合には、熱可塑性樹脂等も使用される。帯電防止層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は0.01〜5μm程度とする。帯電防止層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。
(防汚層)
防汚層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等の珪素系化合物;フッ素系界面活性剤、フッ素系樹脂等のフッ素系化合物;ワックス等の防汚染剤を含む塗料を用いて公知の塗工法で形成することができる。防汚層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は1〜10μm程度とすることが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限されるものではなく、本発明の趣旨に適合する範囲で適宜変更を加えることが可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に、実施例において採用した物性の測定方法を示す。
(1)厚み(d)
JIS K 7130「プラスチックフィルム及びシートの厚さ測定方法(A法)」に準拠して、厚み(d)を求めた。
(2)屈折率(Nx、Ny、Nz)
JIS K 7142「プラスチックの屈折率測定方法(A法)」に準拠して、MDの屈折率(Nx)、TDの屈折率(Ny)、厚み方向の屈折率(Nz)を求めた。
(3)複屈折率(ΔNxy)及びリタデーション(Re)
リタデーションとは、フィルム面に対して厚さ方向をz軸とし、z軸と直行し、且つ、相互にも直行する2つの軸方向をx軸及びy軸とした場合に、これらの各軸方向の屈折率(Nx、Ny、Nz)によって生じる複屈折とフィルム厚みdの積で示される位相差である。ここでは、縦方向(MD)をx軸、幅方向(TD)をy軸とし、フィルム面(x−y平面)に入射する光によって生じる複屈折率(ΔNxy)と厚み(d)との積である面内リタデーションをリタデーション(Re)とした。従って、複屈折率(Δxy)及びリタデーション(Re)は、それぞれについて下記の式で求めた。各屈折率は、アッベ屈折率計を用いて測定した。リタデーションの単位はnmである。
ΔNxy =|Nx−Ny|
Re =ΔNxy×d
(4)厚さ方向リタデーション(Rth)
厚さ方向リタデーションは、厚さ方向から入射する光よって生じるリタデーションを示すものである。ここでは、x−z平面とy−z平面の2つの複屈折率の平均とフィルム厚み(d)の積として、次式より求めた。単位はnmである。
Rth =(|Nx−Nz|+|Ny−Nz|)/2×d
(5)固有粘度
JIS K 7367−5「プラスチック―毛細管形粘度計を用いた希釈溶液の粘度の求め方―第5部:熱可塑性ポリエステル(TP)ホモポリマー及びコポリマー」に準拠して得た粘度数に対して、下記の測定条件で、溶液の質量濃度(c)に対する粘度数の関係から質量濃度(c)=0としたときの値を固有粘度(IV)とした。
溶媒:フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン=60/40(wt%)
管 :ウベローデ粘度管
温度:30±0.1(℃)
(6)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)
JIS K 7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠した示差走査熱量測定(DSC)のDSC曲線より得られる中間点ガラス転移温度をガラス転移温度(Tg)とし、融解ピーク温度を融点(Tm)とした。
(7)虹斑評価
下記構成のタッチパネルを備えた画像表示装置を常法に従って作製し、視認側表面に、視認側表面と平行になるように偏光フィルタを配置して白画像を表示させた。前記平行状態を維持したまま、偏光フィルタの偏光軸と画像表示装置の視認側偏光子の偏光軸とが形成する角を360°の範囲で偏光フィルムを回転させながら、偏光フィルタを介して白画像を眺めて虹斑発生の有無及び程度を確認し、下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:いずれの方向から観察しても虹斑の発生なし。
○:正面から観察した場合に虹斑は観察されないが、斜め方向から観察したときに、一部極薄い虹斑が観察できる。
×:正面からも斜め方向からも虹斑がされる。
<画像表示装置の構成>
(A)バックライト光源:白色LED
(B)画像表示セル:液晶セル
(C)偏光板:PVAとヨウ素からなる偏光子の偏光子保護フィルムとしてTACフィルムが使用された偏光板。
(D)タッチパネル:後述するPENフィルムフィルム1〜12のいずれかの上にITOからなる透明導電層を設けて作成した透明導電性フィルム(視認側)と、ガラス基材の上にITOからなる透明導電層を設けたITOガラス(光源側)とを、スペーサーを介して配置した構造を有する抵抗膜方式タッチパネル。
なお、PENフィルムの主配向軸と視認側偏光板の偏光軸のなす角度を45°とした。
(8)引裂き強度
東洋精機製作所製エレメンドルフ引裂試験機を用いて、JIS P−8116に従い、各フィルムの引裂き強度を測定した。引裂き方向はフィルムの配向主軸方向と平行となるように行い、下記の基準に従って評価した。配向主軸方向の測定は分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)で測定した。
○:引裂き強度が50mN以上
×:引裂き強度が50mN未満
(9)熱収縮率(SH)
JIS C 2318「電気用ポリエチレンテレフタレートフィルム(寸法変化)」に準拠して、MDとTDに関して、150℃加熱前後の寸法変化率を収縮率として求めた。
以下に、実施例で使用したPENフィルムの製造方法を示す。
(製造例1−ポリエチレンナフタレート)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールの混合物に、触媒として、酢酸マンガン・4水和物塩、三酸化アンチモン、ならびに、トリメチルリン酸を添加し、徐々に昇温しながらエステル交換反応を行なった。290℃で減圧下重縮合反応を引き続き行ない、撹拌トルクを目安に、重縮合反応を終了させた。その後、ストランド状態で冷却水において、冷却、固化したものをペレット状に切断し、更に、減圧乾燥を行なって、ポリエチレンナフタレートを得た。なお、物性は以下の通りであった。
IV:0.60dl/g
Tm:265℃
Tg:124℃
(製造例2−接着性改質液)
ジカルボン酸の全成分に対して、テレフタル酸46mol%、イソフタル酸46mol%、ならびに、5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%とグリコールの全成分に対して、エチレングリコール50mol%、ネオペンチルグリコール50mol%よりなる水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を常法によりエステル交換反応、および、重縮合反応を行なって、得た。次いで、これと凝集シリカ粒子とを水、イソプロピルアルコール、n−ブチルセルソルブ、ならびに、ノニオン系界面活性剤を混合した溶液に分散させた、接着性改質液を得た。
<実施例1>
押出機を使用し、ポリエチレンナフタレートを約300℃で溶融し、スリットから溶融押出した。表面温度が約60℃のチルロール上に静電印加法で冷却固化させた未延伸シートをロールの速度差を利用した延伸法において、設定温度110℃の予熱ロールと設定温度130℃の延伸直前ロールと設定温度50℃の冷却ロールを通過させて、MDに3.5倍の一軸延伸を行なった。その後、リバースロール・コート法により、両面に接着性改質液を乾燥後の塗布量が0.08g/m2になるように塗布し、延伸倍率1.0倍のテンターで180℃の熱処理を行ない、厚さが約15μmのフィルムを得た。なお、工程中に破断などは発生せず、フィルムに白化などの異常は認められなかった。
<比較例1>
実施例1と同様の方法で、MDに2.5倍の一軸延伸を行ない、厚さが15μmのフィルムを得た。なお、工程中に破断などは発生しなかったが、TDと略平行した白化が認められた。
<実施例2>
実施例1と同様の方法で、MDに4.0倍の一軸延伸を行ない、厚さが15μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターで破断が頻発したが、工程を通過したものに関しては白化は認められなかった。
上記の実施例1及び2、及び比較例1の結果を表1に示す。
Figure 2014224894
表中、「MDx」は、縦方向の延伸倍率を示す。「TDx」は、横方向の延伸倍率を示す。「全倍率」は、全延伸倍率(=MD延伸倍率×TD延伸倍率)を示す。以下の表において同じ。
MD延伸において、倍率が適当であれば、虹斑やフィルムの破断も発生せず、好適なフィルムを作製することができた。倍率が低い場合は、白化や虹斑などの問題が発生し、倍率が高い場合は、破断などが発生することが確認できた。一方、設定できる倍率の範囲が狭いが、これはTDや厚さ方向にフィルムが拘束されているため、僅かな倍率の変化で分子の配向が大きく変わるためと推測する。従って、ロールの延伸区間を広くすること、あるいは、多段階で行なうことで解消する方向にあるが、厚みムラやゆがみの発生、また、ロールによるフィルムキズが懸念されるので、留意が必要である。
<実施例3>
押出機を使用し、ポリエチレンナフタレートを約300℃で溶融し、スリットから溶融押出した。表面温度が約60℃のチルロール上に静電印加法で冷却固化させた未延伸シートをリバースロール・コート法により、両面に接着性改質液を乾燥後の塗布量が0.08g/m2になるように塗布した。その後、80℃で乾燥してから、延伸倍率3.5倍、延伸温度140℃のテンターでTD延伸と連続して180℃の熱処理を行ない、厚さ約15μmのフィルムを得た。なお、工程中に破断などはあまり発生せず、フィルムに白化などの異常は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、一部極薄い虹斑が観察できる程度であった。
<実施例4>
実施例3と同様の方法で、TDに6.0倍の一軸延伸を行ない、厚さが15μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、一部極薄い虹斑が観察できる程度であった。
<比較例2>
実施例3と同様の方法で、TDに3.0倍の一軸延伸を行ない、厚さが15μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、明確に虹斑が観察できた。
なお、上記の実施例3及び4、ならびに、比較例2の結果を表2に示す。
Figure 2014224894
TD延伸において、延伸倍率が一定以上であれば、リタデーションを高く保つことができ、虹斑は発しないことを確認した。倍率が低い場合、白化や虹斑などの問題が発生することが確認できた。
<実施例5>
実施例3と同様の方法で、TDに3.5倍の一軸延伸を行ない、厚さが30μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例6>
実施例3と同様の方法で、TDに6.0倍の一軸延伸を行ない、厚さが30μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例7>
実施例3と同様の方法で、TDに2.5倍の一軸延伸を行ない、厚さが30μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は頻発し、フィルムに白化は認められた。また、虹斑観察にあっては、一部極薄い虹斑が観察できる。
<実施例8>
実施例3と同様の方法で、TDに3.5倍の一軸延伸を行ない、厚さが50μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例9>
実施例3と同様の方法で、TDに6.0倍の一軸延伸を行ない、厚さが50μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例10>
実施例3と同様の方法で、TDに2.5倍の一軸延伸を行ない、厚さが50μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は頻発し、フィルムに白化は認められた。また、虹斑観察にあっては、一部極薄い虹斑が観察できる。
<実施例11>
実施例3と同様の方法で、TDに3.5倍の一軸延伸を行ない、厚さが100μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例12>
実施例3と同様の方法で、TDに6.0倍の一軸延伸を行ない、厚さが100μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断は発生せず、フィルムに白化は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例13>
実施例3と同様の方法で、TDに2.5倍の一軸延伸を行ない、厚さが100μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断が発生し、フィルムに白化が認められた。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
なお、上記の実施例5〜13の結果を表3に示す。
Figure 2014224894
TD延伸において、延伸倍率が一定以上であれば、リタデーションを高く保つことができ、虹斑は発しないことを確認した。また、厚さが大きくなっても、傾向は変わらなかった。特に、破断については、厚さが大きくなっても傾向が変わらなかったのは、厚さムラにより局所的に高い応力が発生し、これを起点に破断が伝播するためと推測する。
<実施例14>
押出機を使用し、ポリエチレンナフタレートを約300℃で溶融し、スリットから溶融押出した。表面温度が約60℃のチルロール上に静電印加法で冷却固化させた未延伸シートをリバースロール・コート法により、両面に接着性改質液を乾燥後の塗布量が0.08g/m2になるように塗布した。80℃で乾燥してから、延伸温度140℃のテンターでMDに2.0倍、TDに5.0倍の延伸を同時に行ない、更に、180℃の熱処理を行なって、厚さ約15μmのフィルムを得た。なお、工程中に破断などはあまり発生せず、フィルムに白化などの異常は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、一部極薄い虹斑が観察できる程度であった。
<比較例3>
実施例14に対してMDに2.5倍の延伸を行なうこと以外は同様の方法で、厚さが15μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断はなく、フィルムに白化も認められなかった。しかし、虹斑観察にあっては、明確に虹斑が観察できた。
<実施例15>
実施例14と同様の方法で、厚さが100μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断はなく、フィルムに白化も認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<比較例4>
実施例14に対してMDに2.5倍の延伸を行なうこと以外は同様の方法で、厚さが100μmのフィルムを得た。なお、工程中のテンターでは破断はなく、フィルムに白化も認められなかった。しかし、虹斑観察にあっては、明確に虹斑が観察できた。
なお、上記の実施例14及び15、ならびに、比較例3及び4の結果を表4に示す。
Figure 2014224894
MD延伸とTD延伸との延伸倍率に差を設けることにより、リタデーションを大きくすることができ、虹斑を抑制することができることが確認された。また、厚さが大きくなっても、傾向は変わらなかった。
<実施例16>
押出機を使用し、ポリエチレンナフタレートを約300℃で溶融し、スリットから溶融押出した。表面温度が約60℃のチルロール上に静電印加法で冷却固化させた未延伸シートをリバースロール・コート法により、両面に接着性改質液を乾燥後の塗布量が0.08g/m2になるように塗布した。80℃で乾燥してから、延伸温度140℃のテンターでTDに3.0倍に延伸すると同時に、MDに0.7倍のリラックスを行なって、更に、180℃の熱処理を行なって、厚さ約15μmのフィルムを得た。工程中に破断などはあまり発生せず、フィルムに白化などの異常は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例17>
実施例16に対してTDに6.0倍の延伸と同時にMDに0.9倍のリラックスを行なうこと以外は同様の方法で厚さ約15μmのフィルムを得た。工程中に破断などはあまり発生せず、フィルムに白化などの異常は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
<実施例18>
実施例16に対してTDに6.0倍の延伸と同時にMDに0.7倍のリラックスを行なうこと以外は同様の方法で厚さ約15μmのフィルムを得た。工程中に破断などはあまり発生せず、フィルムに白化などの異常は認められなかった。また、虹斑観察にあっては、虹斑は確認できなかった。
なお、上記の実施例16〜18の結果を表5に示す。
Figure 2014224894
表5において、「MDR」は、TD延伸時のMDリラックス倍率を示す。表5に示される通り、TD延伸と同時にMDにリラックスを行なうことで、熱収縮率が低く、薄いフィルムでも虹斑が少ないものが得られることが確認された。
本発明の画像表示装置を用いることで、視認性に優れ、且つ、薄型の液晶表示装置の提供が可能となる。従って、本発明の産業上の利用可能性は極めて高い。

Claims (4)

  1. (1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源、
    (2)画像表示セル、
    (3)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、及び(4)前記偏光板より視認側にポリエチレンナフタレートフィルムを有し、
    前記ポリエチレンナフタレートフィルムは、下記の物性(a)及び(b):
    (a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re) ;
    (b)0.15以上の複屈折率(ΔNxy);
    を満たす、
    画像表示装置。
  2. 前記ポリエチレンナフタレートフィルムが、その配向主軸が前記偏光板の偏光軸に対して略45度となるように配置される、請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 該ポリエチレンナフタレートフィルムのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が0.2以上2.0以下である、請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
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