JP2503538B2 - 回折格子型偏光板の製造方法 - Google Patents
回折格子型偏光板の製造方法Info
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- JP2503538B2 JP2503538B2 JP26561787A JP26561787A JP2503538B2 JP 2503538 B2 JP2503538 B2 JP 2503538B2 JP 26561787 A JP26561787 A JP 26561787A JP 26561787 A JP26561787 A JP 26561787A JP 2503538 B2 JP2503538 B2 JP 2503538B2
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- ion exchange
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- diffraction grating
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はニオブ産リチウムを用いた複屈折板として、
偏光方向によって回折効率の異なる回折格子型偏光板の
製造方法に関する。
偏光方向によって回折効率の異なる回折格子型偏光板の
製造方法に関する。
偏光素子である偏光ビームスプリッタは、直交する偏
光間で光の伝搬方向を異ならせることによって特定の偏
光を得る素子である。この偏光素子は、光ファイバ通信
用光源モジュールや光ディスク用光ヘッドなどに光アイ
ソレータや光サーキュレータを構成する部品として使わ
れている。
光間で光の伝搬方向を異ならせることによって特定の偏
光を得る素子である。この偏光素子は、光ファイバ通信
用光源モジュールや光ディスク用光ヘッドなどに光アイ
ソレータや光サーキュレータを構成する部品として使わ
れている。
従来の偏光ビームスプリッタとしては、グラントムソ
ンプリズムやロッションプリズム等、複屈折の大きい結
晶の光反射面における偏光による透過ないしは全反射の
違いを利用し光路を分離するもの、またはガラス等の等
方性光学媒質でできた全反射プリズム反射面に誘電体多
層膜を設け、この誘電体多層膜の偏光による屈折率の違
いを利用して、光を全反射ないしは透過させるものが多
く使用されている。しかしながら、これらの素子は大型
であること、生産性が低いこと、値段が高いことなどの
欠点がある。
ンプリズムやロッションプリズム等、複屈折の大きい結
晶の光反射面における偏光による透過ないしは全反射の
違いを利用し光路を分離するもの、またはガラス等の等
方性光学媒質でできた全反射プリズム反射面に誘電体多
層膜を設け、この誘電体多層膜の偏光による屈折率の違
いを利用して、光を全反射ないしは透過させるものが多
く使用されている。しかしながら、これらの素子は大型
であること、生産性が低いこと、値段が高いことなどの
欠点がある。
回折格子型偏光板は、ニオブ酸リチウムなどの光学的
異方性をもつ結晶の主面に周期的なイオン交換領域を設
け、かつその主面上にイオン交換を施した領域では厚く
イオン交換を施していない領域では薄く誘電体膜を形成
したものであり、偏光による回折効率の違いを利用した
光路を分離するものである。この回折格子型偏光板は従
来の偏光素子に比べて、小型であること、生産性が高い
こと、安価であることなどの利点がある。例えば、ニオ
ブ酸リチウムのX板またはY板の主面に周囲的にプロト
ン交換を施すと、プロトン交換を施した領域では異常光
に対する屈折率が約0.13増加し、常光に対する屈折率が
約0.04減少する。したがって、プロトン交換を施した領
域の誘電体膜厚をプロトン交換を施していない領域の誘
電体膜厚に比べて厚くし、プロトン交換を施した領域の
常光線に対する屈折率の減少を相殺することによって常
光線の1次以上回折効率および異常光線の0次の回折効
率を共に零にすることができる。
異方性をもつ結晶の主面に周期的なイオン交換領域を設
け、かつその主面上にイオン交換を施した領域では厚く
イオン交換を施していない領域では薄く誘電体膜を形成
したものであり、偏光による回折効率の違いを利用した
光路を分離するものである。この回折格子型偏光板は従
来の偏光素子に比べて、小型であること、生産性が高い
こと、安価であることなどの利点がある。例えば、ニオ
ブ酸リチウムのX板またはY板の主面に周囲的にプロト
ン交換を施すと、プロトン交換を施した領域では異常光
に対する屈折率が約0.13増加し、常光に対する屈折率が
約0.04減少する。したがって、プロトン交換を施した領
域の誘電体膜厚をプロトン交換を施していない領域の誘
電体膜厚に比べて厚くし、プロトン交換を施した領域の
常光線に対する屈折率の減少を相殺することによって常
光線の1次以上回折効率および異常光線の0次の回折効
率を共に零にすることができる。
従来、この誘電体膜を形成する際には、イオン交換
後、第2図(a)〜(h)または第3図(a)〜(h)
に示すような工程が用いられていた。すなわち、第2図
では、ニオブ酸リチウムのX板またはY板基板1の主面
上にチタンなどで周期的な窓を持つイオン交換用マスク
2を形成し、249℃程度の安息香酸に数時間浸漬するこ
とによって、周期的なイオン交換領域3を形成する(第
2図(a))。その後酸などによってイオン交換用マス
ク2を溶解除去し(第2図(b))、スパッタリングな
どによって誘電体膜4を堆積し(第2図(c))、ホト
レジスト6を塗布し(第2図(d))、ホトマスク7を
イオン交換領域3と位置合わせした後に露光し(第2図
(e))、現像し(第2図(f))、誘電体膜4をエッ
チングし(第2図(g))、最後にホトレジスト6を除
去して回折格子型偏光板が得られる(第2図(h))。
後、第2図(a)〜(h)または第3図(a)〜(h)
に示すような工程が用いられていた。すなわち、第2図
では、ニオブ酸リチウムのX板またはY板基板1の主面
上にチタンなどで周期的な窓を持つイオン交換用マスク
2を形成し、249℃程度の安息香酸に数時間浸漬するこ
とによって、周期的なイオン交換領域3を形成する(第
2図(a))。その後酸などによってイオン交換用マス
ク2を溶解除去し(第2図(b))、スパッタリングな
どによって誘電体膜4を堆積し(第2図(c))、ホト
レジスト6を塗布し(第2図(d))、ホトマスク7を
イオン交換領域3と位置合わせした後に露光し(第2図
(e))、現像し(第2図(f))、誘電体膜4をエッ
チングし(第2図(g))、最後にホトレジスト6を除
去して回折格子型偏光板が得られる(第2図(h))。
また、第3図においては第3図(b)までは第2図
(b)と同じであるが、その後ホトレジスト6を塗布
し、(第3図(c))、ホトマスク7をイオン交換領域
3と位置合わせした後に露光し(第3図(d))、現像
した後に(第3図(e))、スパッタリングなどによっ
て誘電体膜4を堆積し(第3図(f))、ホトレジスト
6を溶解除去し(第3図(g))、必要に応じて誘電体
膜5を堆積することによって回折格子型偏光子が得られ
る(第3図(h))。
(b)と同じであるが、その後ホトレジスト6を塗布
し、(第3図(c))、ホトマスク7をイオン交換領域
3と位置合わせした後に露光し(第3図(d))、現像
した後に(第3図(e))、スパッタリングなどによっ
て誘電体膜4を堆積し(第3図(f))、ホトレジスト
6を溶解除去し(第3図(g))、必要に応じて誘電体
膜5を堆積することによって回折格子型偏光子が得られ
る(第3図(h))。
しかしながら、これら各製造方法はいずれも製造工程
が複雑であり、特に第2図(e)または第3図(d)に
示したように、ホトマスク7とイオン交換領域3との位
置合わせ工程が必要であり、このことが回折格子型偏光
板の歩留りの低下や品質のばらつきの原因となってい
た。
が複雑であり、特に第2図(e)または第3図(d)に
示したように、ホトマスク7とイオン交換領域3との位
置合わせ工程が必要であり、このことが回折格子型偏光
板の歩留りの低下や品質のばらつきの原因となってい
た。
本発明の目的は、このような問題を解決し、位置合わ
せ工程を除去することによって、製造工程を簡素化し、
歩留りを向上させ、高品質の回折格子型偏光板を大量安
価に製造可能とした回折格子型偏光板の製造方法を提供
することにある。
せ工程を除去することによって、製造工程を簡素化し、
歩留りを向上させ、高品質の回折格子型偏光板を大量安
価に製造可能とした回折格子型偏光板の製造方法を提供
することにある。
本発明の回折格子型偏光板の製造方法は、ニオブ酸リ
チウム結晶板の主面に、所定周期で選択的にイオン交換
領域を形成するためのイオン交換用マスクを形成する第
1の工程と、前記主面上に前記周期でイオン交換領域を
形成する第2の工程と、前記主面上にイオン交換を施し
た領域では厚く、イオン交換を施していない領域では薄
く誘電体膜を形成する第3の工程とを具備し、前記誘電
体膜の厚い領域とその薄い領域を形成する際に、前記イ
オン交換用マスク上に前記誘電体膜を堆積した後、この
イオン交換用マスクを溶解してイオン交換を施していな
い領域の誘電体膜を除去させる工程を含むことを特徴と
する。
チウム結晶板の主面に、所定周期で選択的にイオン交換
領域を形成するためのイオン交換用マスクを形成する第
1の工程と、前記主面上に前記周期でイオン交換領域を
形成する第2の工程と、前記主面上にイオン交換を施し
た領域では厚く、イオン交換を施していない領域では薄
く誘電体膜を形成する第3の工程とを具備し、前記誘電
体膜の厚い領域とその薄い領域を形成する際に、前記イ
オン交換用マスク上に前記誘電体膜を堆積した後、この
イオン交換用マスクを溶解してイオン交換を施していな
い領域の誘電体膜を除去させる工程を含むことを特徴と
する。
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
第1図(a)〜(e)は本発明の一実施例の回折格子
型偏光板の製造方法を工程順に説明した断面図である。
すなわち、まずニオブ酸リチウムのX板またはY板の基
板1の主面上に、通常のリフトオフ法などを用いてチタ
ンなどの周期的な窓を持つイオン交換用マスク2を作成
する(第1図(a))。なお、このマスク2の膜厚は、
後に形成する誘電体膜4の膜厚より厚くするために3000
〜4000Åにする。その後、249℃程度の安息香酸に4時
間程度浸漬するなどの方法でプロトン交換を行って、深
さ4.6μm程度の周期的なイオン交換領域3を形成する
(第1図(b))。その後、スパッタリングなどを用い
て石英など誘電体膜4を厚さ1270Å程度堆積させ(第1
図(c))、イオン交換用のマスク2を溶解することに
よってイオン交換を施していない領域の誘電体4を除去
する(第1図(d))。最後に必要に応じて適当な誘電
体膜5をスパッタリングなどを用いて堆積させる(第1
図(e))。この誘電体膜5は、屈折率と膜厚を適当に
選ぶことによって、無反射膜にすることができる。
型偏光板の製造方法を工程順に説明した断面図である。
すなわち、まずニオブ酸リチウムのX板またはY板の基
板1の主面上に、通常のリフトオフ法などを用いてチタ
ンなどの周期的な窓を持つイオン交換用マスク2を作成
する(第1図(a))。なお、このマスク2の膜厚は、
後に形成する誘電体膜4の膜厚より厚くするために3000
〜4000Åにする。その後、249℃程度の安息香酸に4時
間程度浸漬するなどの方法でプロトン交換を行って、深
さ4.6μm程度の周期的なイオン交換領域3を形成する
(第1図(b))。その後、スパッタリングなどを用い
て石英など誘電体膜4を厚さ1270Å程度堆積させ(第1
図(c))、イオン交換用のマスク2を溶解することに
よってイオン交換を施していない領域の誘電体4を除去
する(第1図(d))。最後に必要に応じて適当な誘電
体膜5をスパッタリングなどを用いて堆積させる(第1
図(e))。この誘電体膜5は、屈折率と膜厚を適当に
選ぶことによって、無反射膜にすることができる。
この製造方法は、従来の製造方法に比べて製造工程を
約半分に減少させることができ、特に誘電体膜4の厚い
領域と薄い領域を形成する際に、ホトマスク7とイオン
交換領域3との位置合わせが不要になるため、製品のば
らつきを小さくすることができ、高い歩留りと低い製造
コストが得られる。
約半分に減少させることができ、特に誘電体膜4の厚い
領域と薄い領域を形成する際に、ホトマスク7とイオン
交換領域3との位置合わせが不要になるため、製品のば
らつきを小さくすることができ、高い歩留りと低い製造
コストが得られる。
以上説明したように本発明によれば、回折格子型偏光
板の製造工程を簡素化することができ、品質の良い偏光
素子を大量安価に製造することができる。
板の製造工程を簡素化することができ、品質の良い偏光
素子を大量安価に製造することができる。
第1図(a)〜(e)は本発明の製造方法を工程順に説
明した素子の断面図、第2図(a)〜(h),第3図
(a)〜(h)は従来の回折格子型偏光板の製造方法の
二例を工程順に説明した断面図である。 1……ニオブ酸リチウム基板、2……イオン交換用マス
ク、3……イオン交換領域、4……誘電体膜、5……誘
電体膜、6……ホトレジスト、7……ホトマスク。
明した素子の断面図、第2図(a)〜(h),第3図
(a)〜(h)は従来の回折格子型偏光板の製造方法の
二例を工程順に説明した断面図である。 1……ニオブ酸リチウム基板、2……イオン交換用マス
ク、3……イオン交換領域、4……誘電体膜、5……誘
電体膜、6……ホトレジスト、7……ホトマスク。
Claims (1)
- 【請求項1】ニオブ酸リチウム結晶板の主面に、所定周
期で選択的にイオン交換領域を形成するためのイオン交
換用マスクを形成する第1の工程と、前記主面上に前記
周期でイオン交換領域を形成する第2の工程と、前記主
面上にイオン交換を施した領域では厚く、イオン交換を
施していない領域では薄く誘電体膜を形成する第3の工
程とを具備し、前記誘電体膜の厚い領域とその薄い領域
を形成する際に、前記イオン交換用マスク上に前記誘電
体膜を堆積した後、このイオン交換用マスクを溶解して
イオン交換を施していない領域の誘電体膜を除去させる
工程を含むことを特徴とする回折格子型偏光板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26561787A JP2503538B2 (ja) | 1987-10-20 | 1987-10-20 | 回折格子型偏光板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26561787A JP2503538B2 (ja) | 1987-10-20 | 1987-10-20 | 回折格子型偏光板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01107206A JPH01107206A (ja) | 1989-04-25 |
JP2503538B2 true JP2503538B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=17419621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26561787A Expired - Fee Related JP2503538B2 (ja) | 1987-10-20 | 1987-10-20 | 回折格子型偏光板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2503538B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0212105A (ja) * | 1988-06-29 | 1990-01-17 | Nec Corp | 複屈折回折格子型偏光子 |
JP2703930B2 (ja) * | 1988-06-29 | 1998-01-26 | 日本電気株式会社 | 複屈折回折格子型偏光子 |
US5367403A (en) * | 1992-04-08 | 1994-11-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Optical element and method of fabricating the same |
-
1987
- 1987-10-20 JP JP26561787A patent/JP2503538B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01107206A (ja) | 1989-04-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |