JP3685816B2 - 高速列車を編成する先頭車両の先頭形状 - Google Patents

高速列車を編成する先頭車両の先頭形状 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は高速列車の先頭形状に関し、詳しくは主として軌道式の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の高速列車としては新幹線の列車がある。新幹線の列車の場合、運用速度の向上とともにこれを可能とする先頭車両の形態が種々に設計され、実用されている。特に先頭形状はロケット型の流線形状に設計され、走行時の空力抵抗を少なくして現在の運用速度を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、軌道式の列車は、対向列車どうしの間隔が規定されてしまうし、駅のプラットホームと列車とは乗り降りに便利で危険がないように、互いに極く接近した位置関係に設定され、プラットホーム上の人には、プラットホーム上に施した白線等によって列車との安全間隔を保てるように表示している。
【0004】
しかし、列車の高速化とともに先頭車の空気による危険速度が急激に増大し、路線を対向して走行する車両に衝撃力を及ぼすと同時に、通過駅でのプラットホームの人々にも大きな影響を与える。
【0005】
加えて、トンネル内や防音壁のある路線では、先頭車が左右に排除する空気流がトンネル壁や防音壁と干渉することによって大きな流体抵抗を招き、かつトンネル内の微気圧波の成長にも影響を与える。特にすれ違い時の衝撃力は運用上に重大な問題を引き起こしかねない。
【0006】
例えば、限りなく列車の速度が向上できると仮定すると、運用上の限界速度はすれ違いによって生じる衝撃力が列車の転覆限界を与える速度で与えられる。このような運用上の限界速度はそう高くない速度域で生じるものと思われる。
【0007】
現在の新幹線の列車の場合、トンネル内でのすれ違い時の衝撃力の面で現行の運用速度が限界に近く、次の目標となっている運用速度、例えば平均時速300Kmに対しては、状況によって限界速度を越える危険性があることが予想される。
【0008】
本発明者等は、このようなすれ違い特性について種々に実験し、研究した。図7(b)は現在の新幹線の列車を編成する先頭車両の形態、特にロケット型の流線型をした先頭形状を持つ車両aにつき風洞実験した結果を示している。
【0009】
図に示すように、従来の車両aの先頭部bは、平面より見て前方に凸の3次元形状をしている。この車両aの前方の空気は3次元形状の先頭部bによって左右方向にも排除される。この結果図に示すような空気流cの流線に大きな曲がりdと、これによる膨らみが生じ、この影響は車両の胴部幅の数倍の範囲にまで及ぶことを知見した。これによる衝撃力は先頭形状の平面より見た車両進行方向の勾配と速度の自乗に比例して大きくなると考えられるし、車両側部の空間が狭いトンネル内や防音壁のある所での衝撃は倍加する。
【0010】
したがって、車両の先頭形状は、図7(b)に示す先頭形状を勾配が緩やかになるよう十分に細長くするか、胴部幅を小さくするか、あるいは平面より見て少なくともほぼ2次の曲線形状にするかによって対策できると考えられる。
【0011】
細長くしたり、胴部幅を小さくするには限度があり実用し難い。ほぼ2次の曲線形状にしたものに、車両の前面を平坦なまま後方へ倒した単純な楔型の先頭形状にしたものがある。これによると傾斜した前面にて対向空気を上方に排除しやすくなり、また空気を上方へ排除し易い分だけ負の揚力が生じて、車輪の粘着力を増大させることができる。
【0012】
しかし、これによっても車両の前面から左右両側に排除される空気は依然として多くあり、前記問題は解消しきれない。
【0013】
本発明は、このような知見に基づき、前方の空気の左右への排除がほとんどなく、大半を上方に排除して、前記左右へ排除される空気による衝撃を小さく抑え、すれ違い特性がよくさらなる高速化に対応できる高速列車の先頭形状を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の高速列車を構成する先頭車両の先頭形状は、上記のような課題を達成するために、車両底部に位置する前端部から後方へ傾斜して立ち上がる先頭部の左右両側に、先頭部の後方に続く車両胴部の側面と面一状態で先頭部から上向きに延び出して、車両の胴部幅内で対向する気流を車両の胴部幅外の空気とそれぞれを乱すことなく分流する分流ひれを設け、この分流ひれと前記車両の前端部から後方へ傾斜して立ち上がる先頭部の上面との間に胴部幅内で対向する気流を抱き込み掬い上げて上方へ乱れなく排除する凹部を形成し、車両の左右両側に排除する空気をほとんど無くすようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
先頭部は、中央部から両側部分に向け低くなり、かつ前端部から後方へほぼ流線形状で立ち上がる形状であるのが好適である。
【0016】
分流ひれは先頭部の両側にて前方へ延び出す前方延び出し部を有しているのが好適であり、分流ひれの前端部は先頭部の前端部よりも前方に突出するようにもできる。さらに分流ひれは、車両底部に位置する前端部から後方へ車両の高さ位置まで立ち上がるか、車両の高さ位置近くまで立ち上がる形状とすることができ、またこの立上がりが流線形状であるのが好適である。
【0017】
前記各場合において、先頭部の後方の胴部から前方途中までに上方へこぶ状に膨らんだ運転室を設けるのが好適である。
【0018】
【作用】
本発明の高速列車を構成する先頭車両の先頭形状の上記構成では、先頭部の両側に、先頭部の後方に続く車両胴部と面一状態で先頭部から上方に延び出した分流ひれがあり、これが車両の胴部幅内で対向する空気を、車両の胴部幅外の空気とそれぞれを乱すことなく分流するとともに、前記分流ひれと先頭部の車両の底部に位置する前端縁から後方へ傾斜して立ち上がる上面との間の凹部内に抱き込むようにして受入れ、先頭部の上面の後方に傾斜した立上がり形状に沿って前記受入れた空気を乱すことなく掬い上げながら上方に排除して左右両側に排除する働きをせず、したがって車両の左右両側に排除する空気をほとんど無くして対向空気の流線が平面より見て車両の左右両側へ湾曲状態で膨らむのを回避し、すれ違い時の衝撃力を低減し、また微気圧波の発生をなくすことができるし、対向する空気のほとんどを上方へ排除するので負の揚力を大きく発生させて車輪の粘着力を格段に向上することができる。すなわち、トンネル内での列車上方の空間は広いので上方に排除した空気はスムーズに流れるし、トンネル壁や防音壁が、先頭車両が左右に排除して作る気流と干渉しにくく、かつトンネル内で先頭車両が押し出す空気流の量を少なくすることができることが相まって、トンネル内や防音壁のある所での微気圧波の発生を低減することができる。さらに、前記先頭部が後尾状態となったとき、前記左右一対の分流ひれの存在によって、縦渦を左右一対安定して発生させて、カルマン渦状の交番渦の発生を抑制できるので、圧力抵抗の低減と同時に、車両の左右振動を低減できる。また、積雪を左右にはね飛ばす空力的除雪作用も期待できる。
【0019】
先頭部が、中央部から両側部分に向け低くなり、かつ前端部から後方へほぼ流線形状で立ち上がる形状であると、左右両側の分流ひれの間に受入れる空気による空力抵抗を低減することができる。
【0020】
分流ひれが先頭部の両側で前方へ延び出す前方延び出し部を有していると、先頭部が車両底部近傍で分流ひれの前端部よりも前方に突出して、対向空気を左右に排除するように働いても、これを分流ひれの前記前方への延び出し部によって受止め、先頭部の上面の傾斜に沿って上方に排除するので、前記すれ違い特性の向上および負の揚力の増大に有利になる。分流ひれの前端部が先頭部の前端部よりも前方に突出していると、対向空気の分流ひれによる上方への排除をさらにスムーズにかつ確実に行うことができる。
【0021】
さらに分流ひれが、車両底部に位置する前端部から後方へ車両の高さ位置まで立ち上がるものであると、車両の全高において、前記対向空気の車両胴部幅外の空気と分流した抱き込み特性を発揮し、かつ無駄な突出により余分な抵抗が生じるのを防止することができる。また、分流ひれが、車両の高さ位置近くまで立ち上がるものであると、車両の高さまで立ち上がるものに比べ、先頭部の車両胴部から前方途中部分にまで設けられる運転室からの視界を遮りにくくすることができるし、先頭部との対向空気を上向きに排除するように案内するときに発生する縦渦の解放時期を早めて、この縦渦の強さを適度に抑えるように調整することができる。
【0022】
また分流ひれの立上がりが流線形状であると、分流ひれの対向空気との空力抵抗を最小に軽減することができる。
【0023】
前記各場合において、先頭部の後方の胴部から前方途中までに上方へこぶ状に膨らんだ運転室を設けると、運転室内の運転席の位置が高くなるので分流ひれがあっても視界を確保しやすくすることができるし、先頭部が後尾状態となったとき、ボンネット面での空気流が剥がれにくくなるようにすることができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明に係る高速列車を編成する先頭車両の先頭形状の幾つかの実施例について図を参照して説明する。
【0025】
いずれの実施例も、新幹線のような軌道式の高速列車の先頭車両の先頭形状の場合を示している。しかし、必ずしもこれに限られることはなく、非接触走行方式や浮上走行方式を採用する高速列車にも適用できる。
【0026】
図1〜図3は第1の実施例を示し、図4、図5は第2の実施例を示している。
【0027】
いずれも、高速列車を編成する先頭車両1において車両底部に位置する前端部2から後方へ傾斜して立ち上がる先頭部3の左右両側に、先頭部3の後方に続く車両胴部4の側面と面一状態で先頭部3から上向きに延び出した分流ひれ5を設けてある。
【0028】
そして、図1〜図3に示す第1の実施例では、左右の分流ひれ5の前端部6に続く先頭部3の前端縁7を図1の(b)に示すように平面より見て後方側に凹の状態となる3次の曲線形状にしてある。
【0029】
また、図4、図5に示す第2の実施例では、左右の分流ひれ5の前端部6に続く先頭部3の前端縁7を図4の(b)に示すように平面より見て前方に凸であるがほぼ2次の曲線形状にしてある。なお図4に仮想線で示すような形状の先頭部3とすることもできる。
【0030】
以上のような先頭形状によると、先頭部3の両側に、先頭部3の後方に続く車両胴部4と面一状態で先頭部3から上方に延び出した分流ひれ5が、車両1の胴部幅内で対向する空気を、車両1の胴部幅外の空気とそれぞれ乱すことなく分流するとともに、前記分流ひれ5と先頭部3の車両1の底部に位置する前端縁7から後方へ傾斜して立ち上がる上面との間の凹部8内に抱き込むようにして受入れ、先頭部3の上面の後方に傾斜した立上がり形状に沿って前記受入れた空気を乱すことなく上方に排除する。
【0031】
また、先頭部3の前記前端縁7は対向する空気を掬い上げる働きをするとともに、平面より見てほぼ2次か後方側に凹の3次の曲線形状であることにより、対向する空気を車両1の左右両側に排除する働きをしない。3次の曲線形状の場合は先頭部3の前端縁7自体も対向空気の左右の整流ひれ5間への受入れを助長しやすい。
【0032】
以上によって、車両1の左右両側に排除する空気をほとんど無くすことができ、対向空気の流線が平面より見て車両1の左右両側へ湾曲状態で膨らむのを回避することができる。これによりすれ違い時の衝撃が大幅に低減するのでさらなる高速化に貢献できるし、対向する空気のほとんどを上方へ排除するので負の揚力を大きく発生させて車輪の粘着力が格段に向上する。すなわち、トンネル内での列車上方の空間は広いので上方に排除した空気はスムーズにながれるし、トンネル壁や防音壁が、先頭車両が左右に排除して作る気流と干渉しにくく、かつトンネル内で先頭車両が押し出す空気流の量を少なくすることができるのと相まって、トンネル内や防音壁のある所での微気圧波の発生を軽減することができるので、車両のさらなる軽量化と高速化に貢献することができる。また、先頭部3が後尾状態となっとき、前記左右一対の分流ひれ5の存在によって、縦渦を左右一対安定して発生させて、カルマン渦状の交番渦の発生を抑制することができるので、圧力抵抗の低減と同時に、車両の左右振動を低減することができ、乗り心地が良くなる。またさらに、積雪を左右にはね飛ばす空力的除雪作用も期待できる。
【0033】
なお、図4に仮想線で示すように分流ひれ5の前端部6よりも先頭部3の前端部2の方が前方に突出していると、先頭部の前端部2から胴部4までの上面の立上がり傾斜角を小さくしやすく、上方へ排除する空気流の立上がり高さを抑え、トンネル上部での天井壁と干渉しにくくすることができる。
【0034】
図7(a)は第1の実施例の車両1と、これによる対向空気の平面より見た流線Cとの関係を実験結果に基づいて示したものである。図7(b)に示す従来の先頭形状の場合に見られた対向空気cの流線の湾曲と拡がりはほとんど生じないことが分かる。実験によると、このような状態は第2の実施例の場合もほぼ同様である。
【0035】
また、第1、第2の実施例では、車両1の先頭部3が、中央部から両側部分に向け低くなり、かつ前端部から後方へほぼ流線形状で立ち上がる形状をしている。これにより、先頭部3はよく知られた空気抵抗の少ない流線形状であることにより、左右両側の分流ひれ5の間に受入れる空気による空力抵抗を低減することができ、車両のさらなる高速化に貢献することができる。
【0036】
なお、第1の実施例の先頭車両1の先頭形状は、図1の(a)に示すように側面より見て緩やかな凸であるのに対し、第2の実施例のそれは、図4の(a)に示すように凹と凸が連続した形状となっている。第2の実施例の凹形状部は左右の整流ひれ5間に受入れた空気を上方へ排除するときに、空気を掬い上げよくし、先頭部3による対向空気の左右への排除作用を抑えることができる。
【0037】
さらに第1、第2の各実施例では、分流ひれ5の前端部6が、先頭部3の両側で前方に延び出した延び出し部をなしているので、先頭部3が図4に仮想線で示す第3の実施例のように車両底部近傍で分流ひれ5の前端部6よりも前方に突出して、対向空気を左右に排除するように働いても、これを分流ひれの前記前方への延び出し部によって受止め、先頭部3の上面の傾斜に沿って上方に排除するので、前記すれ違い特性の向上および負の揚力の増大に有利になる。分流ひれ5の前端部6が第1、第2の各実施例のように先頭部3の前端部2よりも前方に突出していると、対向空気の上方への排除をさらにスムーズにかつ確実に行われるようにして、前記すれ違い特性の向上および負の揚力の増大に有利になる。
【0038】
また、第1、第2の各実施例に共通して、左右の整流ひれ5は、車両1の底部に位置する前端部2から後方へ車両1の高さ位置まで立ち上がるようにしてあり、車両1の全高において、前記対向気流の車両1の胴部幅外の空気と分流した抱き込み特性を発揮し、かつ無駄な突出により余分な抵抗が生じるのを防止することができる。
【0039】
さらに、左右の分流ひれ5の立上がりが流線形状としてあり、分流ひれ5の対向空気との空力抵抗を最小に軽減することができる。
【0040】
なお、図3、図5は第1、第2の各実施例の先頭形状の解析図である。
【0041】
図6は本発明の第4の実施例を示し、第1〜第3の各実施例で示したような車両1の場合の固定的な分流ひれ5とは異なり、不要時は格納しておける可動な分流ひれ14を設けてある。これにより、車両1が後尾車となり分流ひれ14を持った先頭部3が後尾部となって、分流ひれ14を特に必要としない場合や、車両1が入庫され、また遊休中である場合に、分流ひれ14を、図6の実線で示す突出状態から仮想線で示す格納状態にしておくことができ、自車、他車を問わず洗浄や補修作業を行うときの万一の引っ掛かりや、あるいはいたずらによる損傷を回避しやすくすることができる。
【0042】
また、特定の速度域では、分流ひれ14が気流を乱すと云ったことのために格納状態にしておく方がよい場合も考えられる。したがって、分流ひれ14を自動的に格納したり突出させたりできるようにしておくのが便利であり、この格納、突出を車両1の速度変化に応じて自動的に行うように制御するのが好適である。
【0043】
本実施例では、先頭部3の両側に設ける分流ひれ14は、これの下縁部を車両1の表面部にヒンジ13によって起伏できるようにして連結し、ヒンジ13を中心とした回動によって、車両1の表面に沿った仮想線の状態に格納し、また、実線の状態に突出した状態とすることができるようにしてある。
【0044】
前記分流ひれ14を自動的に格納させたり突出させたりするには、ヒンジ13部の分流ひれ14と一体とした回転軸、あるいは分流ひれ14の一部に、適宜な駆動源と連結することにより達成することができる。駆動源としては、例えばエアシリンダや油圧シリンダ、あるいはソレノイド、各種モータを採用することができる。
【0045】
分流ひれ14の前記格納のために車両1の表面に分流ひれ14を車両1の表面と面一状態になるように受入れる凹部を形成しておくこともできる。
【0046】
分流ひれ14は、前記のほか直線的な動きで、あるいは適宜な動きで車両1内に引き入れたり、車両1外に突出させたりできるように設けることもできるし、他の種々な方法を採用して格納状態と突出状態とに切り換えられる。
【0047】
図8は本発明の第5の実施例を示している。本実施例は図4に仮想線で示す第3の実施例の変形例に相当し、先頭部3の後方の胴部4から前方途中までに上方へこぶ状に膨らんだ運転室21を設け、また、分流ひれ5を車両1の底部に位置する先頭部3の前端縁2から後方へ車両1の高さ位置近くまで立ち上がる形状とした点で、第3の実施例と異なっている。他は特に変わるとことはない。
【0048】
本実施例では、分流ひれ5が、車両1の高さ位置近くまで立ち上がるものであるので、車両1の高さまで立ち上がる第1〜第3の実施例のものに比べ、先頭部3の車両胴部4から前方途中部分にまで設けられる運転室21が、車両1の通常高さ程度にされても、この運転室21内の運転席からの視界を遮りにくくすることができるし、分流ひれ5が先頭部3との対向気流を上向きに排除するように案内するときに発生する縦渦の解放時期を早めて、この縦渦の強さを適度に抑えるように調整することができる。
【0049】
また、先頭部3の後方の胴部から前方途中までに設けられる前記運転室21が、上方へこぶ状に膨らんだ状態に設けてあるため、運転室21内の運転席の位置が通常よりも高くなるので、分流ひれ5があっても運転席からの視界を確保しやすくすることができるし、先頭部3が後尾状態となったとき、ボンネット面での空気流が剥がれにくくなるようにすることができる。
【0050】
本実施例では、運転室21の設置高さが通常よりも高く、分流ひれ5が車両1の高さよりも低くいので、運転席からの視界の確保が格段に容易である。
【0051】
本実施例での前記各構成は、前記第1〜第3の各実施例にも同様に適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状によれば、先頭部の両側の、車両胴部と面一状態で先頭部から上方に延び出した分流ひれにより、車両の胴部幅内で対向する空気を、胴部幅外の空気とそれぞれを乱すことなく分流して、前記分流ひれと先頭部の上面との間の凹部内に抱き込むようにして受入れ、これを先頭部上面の車両底部から後方に傾斜した立上がり形状に沿って空気を乱すことなく上方に排除し、先頭部の前記前端縁が対向する空気を掬い上げ上方に排除する働きをして車両の左右両側に排除する空気をほとんど無くして対向空気の流線が平面より見て車両の左右両側へ湾曲状態で膨らむのを回避し、すれ違い時の衝撃力を低減し、かつ微気圧波の発生をなくすことができるし、対向する空気のほとんどを上方へ排除するので負の揚力を大きく発生させて車輪の粘着力を格段に向上することができる。すなわち、トンネル内での列車上方の空間は広いので上方に排除した空気はスムーズにながれ、トンネル壁や防音壁と先頭車両が左右に排除して作る空気流が干渉しにくく、かつトンネル内で先頭車両が押し出す空気流の量を少なくすることができるのと相まって、トンネル内や防音壁のある所での微気圧波の発生を軽減することができる。したがって、さらなる高速化と軽量化に貢献できる。また、先頭部が後尾状態となったとき、前記左右一対の分流ひれにより、縦渦を左右一対安定して発生させてカルマン渦状の交番渦の発生を抑制し、圧力抵抗の低減と同時に、車両の左右の振動を低減し乗り心地を良くすることができる。また、積雪を左右にはね飛ばす空力的除雪作用も期待できる。
【0053】
先頭部が、中央部から両側部分に向け低くなり、かつ前端部から後方へほぼ流線形状で立ち上がる形状であると、左右両側の分流ひれの間に受入れる空気による空力抵抗を低減することができる。
【0054】
分流ひれが先頭部の両側で前方へ延び出す前方延び出し部を有していると、先頭部が車両底部近傍で分流ひれの前端部よりも前方に突出し対向空気を左右に排除しても、これを受止め、上方に排除するので、前記すれ違い特性の向上、および負の揚力の増大に有利になる。分流ひれの前端部が先頭部の前端部よりも前方に突出していると、対向空気の分流ひれによる上方への排除をさらにスムーズにかつ確実に行うことができる。
【0055】
さらに分流ひれは、車両底部に位置する前端部から後方へ車両の高さ位置まで立ち上がるものであると、車両の全高において、前記対向気流の車両胴部幅外の空気と分流した抱き込み特性を発揮し、かつ無駄な突出により余分な抵抗が生じるのを防止することができる。また、分流ひれが、車両の高さ位置近くまで立ち上がるものであると、車両の高さまで立ち上がるものに比べ、先頭部の車両胴部から前方途中部分にまで設けられる運転室からの視界を遮りにくくすることができるし、先頭部との対向気流を上向きに排除するように案内するときに発生する縦渦の解放時期を早めて、この縦渦の強さを適度に抑えるように調整することができる。
【0056】
また分流ひれの立上がりが流線形状であると、分流ひれの対向空気との空力抵抗を最小に軽減することができる。
【0057】
前記各場合において、先頭部の後方の胴部から前方途中までに上方へこぶ状に膨らんだ運転室を設けると、運転室内の運転席の位置が高くなるので分流ひれがあっても視界を確保しやすくすることができるし、先頭部が後尾状態となったとき、ボンネット面での空気流が剥がれにくくなるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての高速列車を編成する先頭車両の先頭形状を示す側面図および平面図である。
【図2】図1の先頭形状を示す斜視図である。
【図3】図1、図2に示す先頭形状の解析図である。
【図4】本発明の第2の実施例としての高速列車を編成する先頭車両の先頭形状を、第3の実施例とともに示す側面図および平面図である。
【図5】図4に示す先頭形状の解析図である。
【図6】本発明の第4の実施例としての高速列車を編成する後部車両の後端部を示す側面図および平面図である。
【図7】先頭形状と対向空気の流線との関係の実験結果を、本発明の第2の実施例の場合と従来の場合とを比較して示す説明図である。
【図8】本発明の第5の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 先頭車両
2 前端部
3 先頭部
4 胴部
5、14 分流ひれ
6 前端部
7 前端縁
21 運転室

Claims (8)

  1. 車両底部に位置する前端部から後方へ傾斜して立ち上がる先頭部の左右両側に、先頭部の後方に続く車両胴部の側面と面一状態で先頭部から上向きに延び出して、車両の胴部幅内で対向する気流を車両の胴部幅外の空気とそれぞれを乱すことなく分流する分流ひれを設け、この分流ひれと前記車両の前端部から後方へ傾斜して立ち上がる先頭部の上面との間に胴部幅内で対向する気流を抱き込み掬い上げて上方へ乱れなく排除する凹部を形成し、車両の左右両側に排除する空気をほとんど無くすようにしたことを特徴とする高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
  2. 先頭部は、中央部から両側部分に向け低くなり、かつ前端部から後方へほぼ流線形状で立ち上がる形状である請求項1に記載の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
  3. 分流ひれは先頭部の両側で前方へ延び出す前方延び出し部を有している請求項1、2のいずれかに記載の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
  4. 分流ひれの前端部は先頭部の前端部よりも前方に突出している請求項1〜3のいずれかに記載の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
  5. 分流ひれは車両底部に位置する前端部から後方へ車両の高さ位置まで立ち上がる形状である請求項1〜4のいずれかに記載の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
  6. 分流ひれは車両底部に位置する前端部から後方へ車両の高さ位置近くまで立ち上がる形状である請求項1〜4のいずれかに記載の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
  7. 分流ひれは前端部から後方に流線形状で立ち上がる形状である請求項5、6のいずれかに記載の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
  8. 先頭部の後方の胴部から前方途中までに上方へこぶ状に膨らんだ運転室を設けた請求項1〜7のいずれかに記載の高速列車を編成する先頭車両の先頭形状。
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