JP3685566B2 - ロック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやファックスなどの印刷装置のカバー部に用いられるロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のロック機構を備えた印刷装置を示す斜視図である。印刷装置1は、印刷機構部2とこれを覆う上部カバー13とサイドカバー4とより成る。印刷機構部2はメインシャーシー5と、ドラムカートリッジ6とトナーカートリッジ7とを備えており、このドラムカートリッジ6とトナーカートリッジ7は消耗品であるため、メインシャーシー5内に取り外し可能の状態で装着されている。上部カバー3の左右両側面には、ノブ18がそれぞれ装着されている。ノブ18は、先端に係止爪18aを有している。これら係止爪18aと係合する係合壁5aがメインシャーシー5の左右両側面に形成され、係止爪18aと係合壁5aとが係合することで上部カバー13とメインシャーシー5とがロックされる。ノブ18はオペレータにより矢印A方向に押されることで、係止爪18aと係合壁5aとの係合が解除される。その結果、上部カバー13は印刷装置1より矢印B方向に開くことが可能になり、ドラムカートリッジ6やトナーカートリッジ7を印刷装置1から取り外すことができる。
【0003】
図6は従来のロック機構であるノブ18の上部カバー13への装着方法を示す斜視図である。ノブ18はオペレータにより押下される本体部18bと、本体部18bの一方に接続された鉤状の係止爪18aと、本体部18bのもう一方端の両側に形成された突起18cと、本体部18bの裏面に形成されたスプリング装着部18dとを有している。一方ノブ18を装着する上部カバー13の両側面にはノブ18を装着する為の凹部13aを有している。凹部13aは、左右の壁面にノブ18の突起18cと嵌合する正方形の孔部13bを有し、底壁にノブ18のスプリング装着部18dとの干渉をさける開口部13cを有している。また上部カバー13の裏面には、スプリング装着部13dを備えている。ノブ18を上部カバーに装着する際は、ノブ18の突起18cを上部カバー3の孔部3bに嵌合させ、それとともにスプリング19をノブ18のスプリング装着部18cと上部カバー13との間に圧縮して装着する。スプリング19はノブ18のスプリング装着部18cと上部カバー13のスプリング装着部13dとの間に圧縮された状態で装着され、上部カバー13に装着されたノブ18に突起18cを中心に時計回転方向に付勢を与えている。
【0004】
図7は従来のロック機構を説明する要部断面図である。ノブ18は突起18cを上部カバー13の正方形の孔部13bに嵌合して上部カバー13に装着されている。また、ノブ18はスプリング19により突起18cを中心に時計回転方向に付勢力をうけて係止爪18aをメインシャーシー5の係合壁5aと係合している。そして、上部カバー13とメインシャーシー5とがロックされている。
このロックを解除する場合は、ノブ18を位置Cの近傍から矢印方向に押すことで、ノブ18が突起18cを中心に付勢力に対抗して破線で示す様に反時計回転方向に回転し係止爪18aと係止壁5aとの係合が外れて上部カバー13とメインシャーシー5とのロックが解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のロック機構は図7に示す様に、ロック解除時に、ノブ18を突起18cを中心に回転運動させて、ノブ18の係止爪18aとメインシャーシー5の係合壁5aとの係合を解除する。そのため、ノブ18の係止爪18aが係合壁5aとの係合を解除できる分の移動量を得るために、ノブ18が突起18cを中心に回転しなければならない。そのため従来のロック機構では、ノブ18を突起18cから距離を置いた位置Cの近傍から矢印方向にノブ18を押せは係合を解除できるが、突起18cに近い位置つまり位置Dの近傍から矢印方向にノブ18を押した場合は、突起18cの回転角が少なく係止爪18aは、係合壁5aとの係合を解除する移動量を得られない。従って突起18cから離れた位置からノブ18を押さなければならず、その位置からノブ18を指で押すためのスペースが必要となる。その結果上部カバー13とサイドカバー4の上部端面との間に垂直方向にスペースを確保するため、装置を大型化してしまうという課題があった。またノブ18自身も突起18cと係止爪18aとの距離を置く必要が有り、ノブ18が大型になるという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決する手段として本発明は、本体部と、カバー部と、本体部又はカバー部の一方に装着され端部に係止爪を有するロック部と、ロック部に付勢力を与える付勢手段とから構成され、ロック部の係止爪を付勢力により本体部又はカバー部の他方に設けられた係合部に係合させ、付勢力に抗した力により係合部との係合を解除させるロック機構において、ロック部は、係止爪と距離を置いた位置に係止爪の回転中心となる支持部を備え、本体部又はカバー部は、支持部を付勢力に対向する方向に直線的に案内する案内部を備え、付勢手段はロック部をロック部の回転方向及び直線方向へ付勢し、ロック部は付勢力に抗して回転運動するとともに直線運動することで本体部とカバー部との係合を解除することを特徴とするロック機構。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参考に説明する。
図1は、本発明のロック機構のノブ8を上部カバー3に装着する構成を示す斜視図である。本発明のロック機構は、ノブ8と、ノブ8を支持する上部カバー3と、上部カバー3に支持されたノブ8を上部カバー3の外側方向に付勢を与えるリセットスプリング9と、図5に説明したものと同様な構成からなりノブ8と係合するメインシャーシとより成る。ノブ8はオペレータにより押下される本体部8bと、本体部8bの一方端に接続された鉤状の係止爪8aと、本体部8bのもう一方端の左右両側に設けられ先端に突起8cを弾性的に支持する腕部8eと、ノブ8に付勢力を与えるスプリングの装着部8fとを有し、プラスチック材料で形成される。一方ノブ8を装着する上部カバー3は、両側面にノブ8を装着する為の凹部3aを設ける。凹部3aは、左右の側壁面にノブ8の突起8cを支持しかつ案内するための長孔3bと、底壁にリセットスプリング9をノブ8と上部カバー3とに装着する際にスプリング9を通過させる開口部3cとを形成する。また上部カバー3にはスプリングの装着部3fを設ける。上部カバー3は、ノブ8と同様にプラスチック材料で形成する。
【0008】
ノブ8を上部カバー3に装着する場合は、プラスチック材料で作られたノブ8の腕部8eを矢印E,F方向に撓ませて腕部8e先端の突起8cを一点鎖線で示すように上部カバー3の凹部3aの両側面に形成された長孔3bにそれぞれはめ込む。それと同時にリセットスプリング9をノブ8のスプリング装着部8fに装着し、上部カバー3の開口部3cを通過させスプリング装着部3fに圧縮させながら装着する。
【0009】
図2は、本発明のロック機構を説明する要部断面図であり、ロック解放状態を示すものである。
上部カバー3に設けられたノブ8の突起8cを支持するとともに案内する長孔3bは、メインシャーシー5に設けられた係合孔5bの方向とロック状態で平行となるよう形成する。また長孔3bの形状は長方形であり、その長辺はロック解除時にノブ8の係止爪8aとメインシャーシー5の係合壁5aとの係合量以上にノブ8の突起8cが移動できる長さで形成され、短辺はノブ8の突起8cが長孔3b内を摺動して長手方向に移動できる幅で形成する。
一方リセットスプリング9は、上記に述べた様に一方端をノブ8の背面に形成されたスプリング装着台8fで他方端を上部カバ−3の装着部3fとでノブ8と上部カバ−3との間に装着される。リセットスプリング9は、ノブの係合孔3bと平行に配置され、ノブ8の係止爪8aとメインシャーシー5の係合壁5cとが係合する方向にノブ8に付勢を与える。
ノブ8は、ロック解放状態で、上部カバー3の長孔3bに突起8cを嵌合したままリセットスプリング9の復元力により、矢印G方向に付勢をうける。この付勢力により上部カバー3の長孔3bの一方端3gにノブ8の突起8cが突き当たりノブ8の矢印G方向への移動が阻止される。次にノブ8は突起8cを中心に時計回りに回転するが、上部カバー3の開口壁3hにノブ8のストッパー8gが突き当りこの回転動作も規制される。上記の状態でノブ8は上部カバー3に装着される。
【0010】
次に本発明のロック機構のロック動作を説明する。図3は本発明のロック動作を説明する主要部断面図である。
ノブ8を装着した上部カバ−3を矢印H方向移動すると、ノブ8の係止爪8aがメインシャーシー5のテーパー部5cに突き当たる。さらに上部カバー3を矢印H方向に移動すると係止爪8aがテーパー部5bに案内され、ノブ8の突起8cが上部カバ−3の長孔3bに沿って矢印I方向に移動するとともに突起8cを中心にノブ8が反時計回転方向に回転する。次に係止爪8aがテーパ−部5bから外れると、リセットスフリング9の付勢力がノブ8に働きノブ8は突起8cを中心に時計方向に戻され、係止爪8aと係合壁5aとが係合されて上部カバー3とメインシャーシー5とのロックが完了する。
このように上部カバー3を矢印H方向に移動するロック動作時には、ノブ8の回転運動の中心となる突起8cが上部カバー3の長孔3bにより案内され矢印I方向に移動することで、ノブ8の回転運動の回転角が少なくとも係合爪8aと係合壁5cとの係合が可能にする。さらに、ノブ8はメインシャーシー5のテーパ部5bにより、ノブ8の係止爪8aに力が作用する。従ってノブ8は、回転中心となる突起8cより距離を置いた位置にある係止爪8aに回転方向の力を受けるので、係止爪8aが係合壁5aと係合できる量の回転を容易に得ることができる。
【0011】
次に本発明のロック機構のロック解除動作を説明する。図4は本発明のロック解除動作を説明する図である。ロック状態からロックを解除する場合は、ノブ8を矢印J方向に押す。押されたノブ8は両端の係止爪8aと突起8cとをそれぞれ契合壁5aと長孔3bにより同じ方向にガイドされ、リセットスプリング9の付勢力に対抗し水平方向に直線運動する。そして、ノブ8の係止部とメインシャーシー5の係合壁5aとの係合が解除され上部カバー3とメインシャーシー5とのロックが解除される。
本発明のロック機構は、ロック解除動作時には、ノブ8を回転運動のみならず、直線運動をもさせるようノブ8の突起8cを案内する長孔3bを形成し、リセットスプリング9を長孔3bと平行に配置したことにより、ノブ8の押す位置の制限を無くし、ロックを解除できるものである。
【0012】
従来回転運動のみでロック解除動作をしていたことよるロック解除時のノブを押圧する位置の制限を解消した。そして、ノブを回転運動の他に直線運動をもできるようにしたことから、回転中心により近い位置でもロックを解除でき、上部カバーとサイドカバーとの段差も少なくなり装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロック機構説明する斜視図
【図2】本発明のロック機構のロック解放状態を示す要部断面図
【図3】本発明のロック機構のロック動作を示す要部断面図
【図4】本発明のロック機構のロック解除動作を示す要部断面図
【図5】従来のロック機構を備えた印刷装置を示す斜視図
【図6】従来のロック機構を説明する斜視図
【図7】従来のロック機構を説明する要部断面図
【符号の説明】
3 上部カバー
3b 長孔
5 メインシャーシー
5a 係合壁
5b 係合孔
8 ノブ
8a 係止爪
8c 突起
9 リセットスプリング
Claims (5)
- 本体部と、カバー部と、該本体部又は該カバー部の一方に装着され端部に係止爪を有するロック部と、該ロック部に付勢力を与える付勢手段とから構成され、前記ロック部の係止爪を前記付勢力により前記本体部又は前記カバー部の他方に設けられた係合部に係合させ、前記付勢力に抗した力により前記係合部との係合を解除させるロック機構において、
前記ロック部は、前記係止爪と距離を置いた位置に該係止爪の回転中心となる支持部を備え、前記本体部又は前記カバー部は、前記支持部を前記付勢力に対向する方向に直線的に案内する案内部を備え、
前記付勢手段は前記ロック部を該ロック部の回転方向及び直線方向へ付勢し、
前記ロック部は前記付勢力に抗して回転運動するとともに直線運動することで前記本体部と前記カバー部との係合を解除することを特徴とするロック機構。 - 前記案内部の前記支持部を案内する長さは前記ロック部の係止爪と前記係合部との係合量以上であることを特徴とする請求項1のロック機構。
- 前記支持部は可撓性部材であることを特徴とする請求項1または請求項2のロック機構。
- 前記支持部は突起であり、前記案内部は長孔であることを特徴とする請求項1または請求項2のロック機構。
- 前記付勢手段は圧縮スプリングであり、前記ロック部と前記カバー部との間に装着されることを特徴とする請求項1または請求項2のロック機構。
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