JP3705467B2 - ドアロックシリンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドアパネルをロック又はアンロック状態にするためのドアロックシリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ドアロックシリンダは車両用ドアハンドルに組み込まれている。前記ドアロックシリンダにはキーの差込操作に伴って回動するロータが設けられており、同ロータには係合部材が回動可能に連結されている。前記係合部材はドアパネル内のロック機構を構成するレバーに連結されており、ロータの回転力が係合部材を介してレバーに伝達され、同レバーが動作することによってロック機構がロック又はアンロック状態に切り換えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記係合部材とレバーとを組み付ける際、係合部材を所定の位置に組み付けようとするとレバーが遮る形となり邪魔である。このため、作業者は片手で係合部材を持ち上げた状態で、残る他方の片手でレバーを所定の位置に組み付ける必要があった。従って、組付の作業効率が低下するという問題点があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、組付の作業効率を向上させることができるドアロックシリンダを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、前記係合部材及びロータには、同係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記ロータの保持手段は、係合部材の基端部が当接係合される部分であることをその要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記係合部材の保持手段は長からなり、同長孔は係合部材の回動が許容される第1の端部と、前記第1の端部から離間され、係合部材の基端部が前記ロータの保持手段に当接係合される第2の端部とを備え、前記ピン第1の端部と第2の端部との間を相対移動可能となるように配置されていることをその要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、前記係合部材には、同係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記保持手段は、その回動軌跡上に位置するロータに係合するように配置されことをその要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、前記係合部材とロータとの間には、係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記保持手段は、係合部材を、その回動中心軸に対して平行方向に付勢してロータに押し付けることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、前記ロータには、係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記保持手段は、係合部材を、その回動中心軸に対して垂直に付勢することをその要旨とする。
(作用)
従って、請求項に記載の発明では、係合部材は保持手段によってロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持される。
【0009】
請求項2に記載の発明では、係合部材をピンが長孔の第1の端部に係合している通常位置から仮置き位置へ回動させると、ピンが長孔に対して相対移動し、長孔の第2の端部に係合すると共に、係合部材の基端部がロータの保持手段に当接係合する。
【0010】
請求項3に記載の発明では、保持手段がその回動軌跡上に位置するロータに係合する。
請求項に記載の発明では、係合部材の回動中心軸に対して平行方向の摺動抵抗が係合部材に加わる。
請求項5に記載の発明では、係合部材の回動中心軸に対して垂直方向の摺動抵抗が係合部材に加わる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
【0012】
図1〜図5に示すように、右側ドアパネル用のドアロックシリンダ10は略円筒状のロータケース11を備えており、同ロータケース11の一端にはケースカバー12が設けられている。ケースカバー12にはキーKが挿入される鍵穴13が形成されており、同鍵穴13は、通常シャッタ14によって閉鎖されている。シャッタ14はロータケース12内に配設されたシャッタスプリング(図示略)により、鍵穴13の閉鎖位置に保持されている。
【0013】
鍵穴13にキーKが挿入されると、シャッタ14はキーKの先端部に押圧され、シャッタスプリングの弾性力に抗して後退する。そして、キーKが鍵穴13から引き抜かれると、シャッタ14はシャッタスプリングの弾性力により鍵穴13の閉鎖位置に復帰される。
【0014】
前記ロータケース11の外周面には、取付フランジ部15がロータケース11の中心軸と直角を為す軸線に対して若干傾斜して突設されており、同取付フランジ部15には挿通孔16が形成されている。ドアロックシリンダ10は挿通孔16にボルト(図示略)が挿通され、締め付けられることによってドアパネル(図示略)に固定される。
【0015】
前記ロータケース11の内部には、略円柱状のロータ17がその中心軸Aの周方向に回動可能に配設されている。また、前記ロータ17の一端はロータケース11から突出しており、この突出した部分には溝18が形成されている。また、前記溝18の底面には凹部19が形成されている。
【0016】
前記ロータ17にはキーKが挿通されるキー挿通穴20が形成されている。キー挿通穴20内部の上下面には、それぞれ複数のロックプレート21が互いに対向して等間隔で配設されている。各ロックプレート21はスプリング(図示略)の弾性力により、常にキー挿通穴20の中心軸方向に付勢されている。また、各ロックプレート21はスプリングの弾性力に抗してロータ17の中心軸Aに対する放射方向(図1における上下方向)にそれぞれ進退可能となっている。
【0017】
キーKが鍵穴13を介してキー挿通穴20に挿入されると、各ロックプレート21は、それぞれキーKの凹凸に対応し、ロータ17は回動可能となる。そして、キーKが鍵穴13から引き抜かれると、ロータ17は回動不能となる。
【0018】
前記溝18には略逆L字形状の係合部材としての係合レバー23の一端がピン24を介して回動可能に連結されている。通常、前記係合レバー23の自重による下方(図1における右回動方向)への移動は、係合レバー23の基端部下面が溝18の底面に係止されることにより規制され、図1に実線で示す通常位置に保持されている。また、前記通常位置において、係合レバー23と凹部19の底面との間には所定間隔が形成されている。
【0019】
前記ピン24は係合レバー23の基端部に形成された保持手段としての長孔25に挿通されており、同長孔25は係合レバー23基端の回動中心から先端方向に、且つ係合レバー23の中心軸Bに対して平行に延長形成されている。通常、前記ピン24は長孔25の第一の端部(図1における左端)に係止されている。そして、ピン24と長孔25の第2の端部(図1における右端)との間には所定間隔が形成されている。
【0020】
また、前記係合レバー23上部には操作レバー26が側方に突出して折り曲げ形成されており、係合レバー23の折り曲げ部Yの中程一角には四角形状の係合孔27が切欠形成されている。
【0021】
前記操作レバー26を介して、係合レバー23を上方(図1中左回動方向)に引き上げると、係合レバー23はピン24を中心に上方に回動すると共に、係合レバー23の基端部は凹部19内へ落とし込まれる。そして、図1に二点鎖線で示す仮置き位置において、ピン24と長孔25の第2の端部(図1における右端)とが係合すると共に、係合レバー23の基端外周は、凹部19の底面及び溝18の最奥壁18aにそれぞれ当接する。このとき、係合レバー23基端部の回動軌跡上には最奥壁18aが位置している。
【0022】
即ち、係合レバー23の自重による下方(図5中右回動方向)への回動は、係合レバー23の基端部が最奥壁18aに係止されることによって規制され、これにより、係合レバー23は仮置き位置に保持される。係合レバー23を図5に実線で示す通常位置に戻す場合には、操作レバー26を介して、係合レバー23をピン24と長孔25の第1の端部(図1における左端)とが係合するように引き上げ、係合レバー23基端部と最奥壁18aとの係合を解除した状態で、下方に回動させる。
【0023】
図6に示すように、前記ドアロックシリンダ10は車両用ドアパネル内のロック機構を構成するロックレバー31に連結される。
前記ロックレバー31の一端には、同ロックレバー31と係合レバー23とを係合連結するための係合リンク32がピン33を中心に回動可能に連結されている。係合リンク32の一側壁には、断面略コの字状の連結部34が開口部を上側にして突設されている。
【0024】
前記連結部34の互いに対向する壁面のうち一方の壁面には、切欠35を介して第1規制壁36と係合壁37とが区分形成されており、同係合壁37の上部には上方に収束する係合突起38が形成されている。また、他方の壁面には、前記切欠35及び係合壁37に対向する部分が削除されることによって第2規制壁39が形成されている。
【0025】
前記第1規制壁36及び第2規制壁39の幅は、係合レバー23の先端から係合孔27までの長さとほぼ同じ或いは若干大きめとなっている。また、係合壁37の幅は、係合孔27の幅とほぼ同じ或いは若干小さめとなっている。
【0026】
さて、図7に示すように、係合レバー23を仮置き位置に保持した状態で係合部34の第1規制壁36と第2規制壁39との間に挿入すると、係合レバー23の下面は係合突起38の摺動面38aに当接すると共に、摺動面38aに案内され、同摺動面38a上を下方へ摺動する。これに伴って、係合壁37は、図7に二点鎖線で示す外側方向に撓み、係合レバー23が第1規制壁36と第2規制壁39との間に進入可能となる。
【0027】
係合レバー23がさらに挿入されると、係合突起38が係合孔27内に入り込むと共に、係合壁37は図7に実線で示す通常位置に弾性復帰する(連結状態)。このとき、係合突起38の係合面38bと係合孔27の被係合面27aとは係合しており、これにより係合レバー23の上方への移動が規制されている。
【0028】
また、係合レバー23の先端部が第1規制壁36と第2規制壁39との間に位置していることにより、係合レバー23の両規制壁36,39に対する垂直方向への移動が規制されている。従って、係合レバー23が連結部34から脱落することはない。
【0029】
そして、前記係合レバー23と係合リンク32との連結終了後、係合レバー23を図1に実線で示す通常位置に戻せば、ドアロックシリンダ10とロック機構との組付が完了となる。
【0030】
係合レバー23と連結部34との連結状態において、ドアロックシリンダ10がキーKによって差込操作されると、ロータ17の回転力は係合レバー23及び係合リンク32を介してロックレバー31に伝達される。そして、ロックレバー31が動作することによってロック機構はロック又はアンロック状態に切り換えられる。
【0031】
次に、左側ドアパネル用のドアロックシリンダ40を図8に示す。
前記左側ドアパネル用のドアロックシリンダ40が前記右側ドアパネル用のドアロックシリンダ10と異なるのは、取付フランジ部41及び係合レバー42が対称形状である点のみである。従って、右側ドアパネル用のドアロックシリンダ10と同一の構成部材については同一符号を付すことにして、その重複した説明を省略する。
【0032】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・係合レバー23に、係合レバー23基端の回動中心から先端方向に、且つ係合レバー23の中心軸Bに対して平行に延びた長孔25を形成し、係合レバー23を長孔25に挿通されたピン24を介してロータ17に回動可能に連結した。また、ロータ17の溝18底部に凹部19を形成し、係合レバー23がピン24を中心に上方に回動したとき、係合レバー23が自重によりピン24と長孔25の第2の端部(図1における右端)とが係合する位置まで凹部19に進入するようにした。このため、係合レバー23基端部の回動軌跡上には溝18の最奥壁18aが位置し、係合レバー23の自重による下方への回動は、係合レバー23基端部が最奥壁18aに係止されることにより規制される。従って、係合レバー23を手で支持しなくても仮置き位置に保持することができ、組立の作業効率を向上させることができる。また、係合レバー23を上方の仮置き位置に保持するための、別の機械的な機構等が不要のため、ドアロックシリンダ10の構成を簡単にすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図9に基づいて説明する。
【0033】
本第2実施形態が前記第1実施形態と主に異なるのは、係合レバー10の側面に突起が設けられている点である。従って、前記第1実施形態と同一の構成部材については同一符号を付すことにして、その重複した説明を省略する。
【0034】
係合レバー51の基端部には挿通孔52が形成されている。挿通孔52にはピン24が挿通され、係合レバー51はピン24を中心に回動可能となっている。前記係合レバー51の側面には、保持手段としての突起53が自身の回動軌跡上にロータ17の上面が位置するようにピン24から所定距離離間されて形成されている。また、前記ピン24は係合レバー51の側面に対して垂直方向に、且つ、係合レバー51の側面と溝18の内壁との間の隙間よりも若干突出して形成されている。
【0035】
そして、操作レバー26を介して、係合レバー51を上方(図9中左回動方向)に引き上げると、係合レバー51はピン24を中心に上方に回動し、突起53は、その回動軌跡上に位置しているロータ17の先端面上部に当接する。そして、係合レバー51をさらに上方へ引き上げると、突起53は溝18内に入り込み、同溝18の内側壁を摺動し、ロータ17の上方へ通過する。
【0036】
係合レバー51の自重による下方への回動は、突起53がロータ17の上面(溝18の上部両側面)に係止されることにより規制され、この位置が係合レバー51の仮置き位置となっている。係合レバー51を通常位置に戻す場合は、仮置き位置の係合レバー51に下方(図9中右回動方向)への負荷を加える。すると、突起53は再び溝18内に入り込み、同溝18の内側壁を下方へ摺動し、係合レバー51は通常位置に戻る。
【0037】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・突起53がロータ17の上面に係止されることにより、係合レバー23を確実に仮置き位置に保持することができる。
【0038】
・係合レバー51の側面に突起53を設けたのみの構成としたことにより、特別な機構が不要であり、ドアロックシリンダ50の構成をいっそう簡単にすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図10に基づいて説明する。
【0039】
本第3実施形態が前記第2実施形態と主に異なるのは、溝18内部に節度ボールを配設した点である。従って、前記第2実施形態と同一の構成部材については同一符号を付すことにして、その重複した説明を省略する。
【0040】
前記ロータ17の溝18の最奥壁18aには穴61が形成されており、同穴61内にはバネ62が配設されている。前記バネ62の先端には保持手段としての節度ボール63が取り付けられており、同節度ボール63は穴61の内周壁に沿って進退可能となっている。
【0041】
また、係合レバー64の基端外周には複数のV字状の切込凹部65a, 65bが形成されており、同各切込凹部65a, 65bには節度ボール63が係合可能となっている。図10中に実線で示す係合レバー64の通常位置において、節度ボール63は一つの切込凹部65aに係合している。
【0042】
前記節度ボール63はバネ62の弾性力により係合レバー64を常にピン24の軸線に対して垂直方向に付勢している。即ち、係合レバー64の挿通孔52とピン24との間には、常に摺動抵抗が加わっている。尚、バネ62は係合レバー64の自重による動作を阻止するのに充分な弾性力を有している。
【0043】
そして、操作レバー26を介して、バネ62の弾性力に抗して係合レバー23を上方に引き上げると、係合レバー23はピン24を中心に上方に回動する。これに伴って、節度ボール63は切込凹部65aを乗り越えて係合レバー64の外周面を摺動すると共に、穴61内に後退する。
【0044】
そして、係合レバー64がさらに回動され、次の切込凹部65bと節度ボール63とが対向すると、節度ボール63はバネ62の弾性力により、次の切込凹部65bに進入し係合する。この場合においても、係合レバー64の挿通孔52とピン24との間には摺動抵抗が加わっており、これにより、係合レバー64の自重による下方への回動が規制され、仮置き位置に保持される。
【0045】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・係合レバー64の基端部外周に複数の切欠凹部65を形成すると共に、ロータ17の溝18の最奥壁18aに穴61を形成した。そして、前記穴61内にバネ62を配設すると共に、同バネ62の先端には節度ボール63を取付け、切欠凹部65に係合可能とした。このため、係合レバー64の挿通孔52とピン24との間には、節度ボール63を介して摺動抵抗が加えられ、係合レバー64を、節度ボール63と各切欠凹部65a, 65bとが対応する複数位置において、任意の位置に仮置きすることができる。
【0046】
尚、前記各実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・図14に示すように、前記第1実施形態における長孔25を逆L字状の長孔74に変更してもよい。前記長孔74は、係合レバー23基端の回動中心から係合レバー23の中心軸Bに対して平行に所定距離延長された長孔と、その長孔の末端から係合レバー23の中心軸Bに対して直角をなす軸線に対して平行に所定距離延長された長孔とが連通して形成されている。そして、図14に実線で示す係合レバー23の通常位置において、ピン24は長孔74の第1の端部(図14における左端)に係合しており、係合レバー23の回動が許容されている。また、図14に二点鎖線で示す係合レバー23の仮置き位置において、ピン24は長孔74の第2の端部(図14における逆L字の上端)に係合すると共に、係合レバー23の基端部はロータ17の一部(溝18の最奥部18a及び凹部19)に当接する。このようにしても、前記係合レバー23の仮置き位置において、係合レバー23の基端部の回動軌跡上には溝18の最奥壁18aが位置することとなり、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
・前記第2実施形態における突起53を係合レバー51の両側面に設けてもよい。このようにしても、係合レバー51の仮置き位置において、各突起がロータ17の上面に係止されることにより、前記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、前記第1実施形態と同様に係合レバー51に長穴を形成すると共に、ロータ18の溝18に凹部19を形成してもよい。
【0048】
・図15に示すように、前記第2実施形態において、溝18の底面に対して収束する斜面75aを有した突起75を設けてもよい。この場合、係合レバー23の基端部先端が、係合レバー23の中心軸Bに対して直角をなす平面と平行になるように形成する。このようにしても、係合レバー23の基端部先端が突起75の斜面75aに係止されることにより、係合レバー23を図15に二点鎖線で示す仮置き位置に保持することができる。
【0049】
・図11に示すように、前記第3実施形態におけるバネ62及び節度ボール63をゴムクッション70に置き換えてもよい。このようにしても、ゴムクッション70が係合レバー64の切欠凹部65a, 65bに係合すると共に、係合レバー64の回動中心軸に対して垂直方向の摺動抵抗を加えることができ、前記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
・前記第3実施形態におけるバネ62及び節度ボール63を板バネに置き換えてもよい。このようにしても、板バネが係合レバー64の切欠凹部65a, 65bに係合すると共に、係合レバー64の回動中心軸に対して垂直方向の摺動抵抗を加えることができ、前記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。また、図12に示すように、板バネ71を溝18の底部に配設すると共に、係合レバー64に板バネ71に対応した切欠凹部72a, 72bを形成してもよい。
【0051】
・図13に示すように、前記第3実施形態における穴61、バネ62及び節度ボール63を削除し、ウェーブワッシャ73を係合レバー64と共にピン24に挿通してもよい。このようにすれば、係合レバー64は、ウェーブワッシャの弾性力によって、常時その回動中心軸に対して平行方向に付勢され、溝18の一内側壁に押し付けられる。即ち、係合レバー64には常に摺動抵抗が加わることとなり、係合リンク23を任意の位置で仮置き状態に保持することができる。
【0052】
尚、本明細書においては、係合レバー23,51,64の中心軸Bとは、ピン24の中心を通過する係合レバー23,51,64の長手方向の軸線を言う。
次に、実施形態から把握できる技術的思想について、以下にそれらの効果と共に記載する。
【0053】
前記保持手段は、係合部材を、その回動中心軸に対して垂直又は平行方向のうち少なくとも一方向に付勢する付勢手段であり、前記付勢手段は、節度ボール、ゴムクッション、板バネ及びウェーブワッシャのうちいずれか一つである。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項に記載の発明によれば、係合部材をロック機構との組付角度に保持することができることにより、係合部材を手で支持しながら作業する必要がなく、組付の作業効率を向上させることができる。
【0055】
請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、係合部材をロック機構との組付角度に保持するための別の機構を設ける必要がなく、ドアロックシリンダの構成を簡単にすることができる。
【0056】
請求項4,5に記載の発明によれば、摺動抵抗を加えて係合部材の自重による動作を規制することにより、係合部材を任意の位置に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における右側ドアロックシリンダの断面図。
【図2】 第1実施形態における右側ドアロックシリンダの側面図。
【図3】 第1実施形態における右側ドアロックシリンダの正面図。
【図4】 第1実施形態における右側ドアロックシリンダの背面図。
【図5】 第1実施形態における右側ドアロックシリンダの下面図。
【図6】 係合レバーと係合リンクとの組付を示す斜視図。
【図7】 (a)は、係合レバーと連結部との組付を示す要部断面図。
(b)は、係合レバーと連結部との組付後を示す要部断面図。
【図8】 左側ドアロックシリンダの正面図。
【図9】 (a)は、第2実施形態のドアロックシリンダの要部断面図。
(b)は、第2実施形態のドアロックシリンダの要部平面図。
【図10】第3実施形態におけるドアロックシリンダの要部断面図。
【図11】別の実施形態におけるドアロックシリンダの要部断面図。
【図12】別の実施形態におけるドアロックシリンダの要部断面図。
【図13】(a)は、別の実施形態のドアロックシリンダの要部断面図。
(b)は、別の実施形態のドアロックシリンダの要部平面図。
【図14】別の実施形態におけるドアロックシリンダの要部断面図。
【図15】別の実施形態におけるドアロックシリンダの要部断面図。
【符号の説明】
10, 40,50…ドアロックシリンダ、17…ロータ、19…凹部(保持手段)、23…係合レバー(係合部材)、25…長孔(保持手段)、53…突起(保持手段)、63…節度ボール(保持手段)。

Claims (5)

  1. キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、
    前記係合部材及びロータには、同係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記ロータの保持手段は、係合部材の基端部が当接係合される部分であるドアロックシリンダ。
  2. 前記係合部材の保持手段は長からなり、同長孔は係合部材の回動が許容される第1の端部と、前記第1の端部から離間され、係合部材の基端部が前記ロータの保持手段に当接係合される第2の端部とを備え、
    前記ピン第1の端部と第2の端部との間を相対移動可能となるように配置されている請求項1に記載のドアロックシリンダ。
  3. キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、
    前記係合部材には、同係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記保持手段は、その回動軌跡上に位置するロータに係合するように配置されドアロックシリンダ。
  4. キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、
    前記係合部材とロータとの間には、係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記保持手段は、係合部材を、その回動中心軸に対して平行方向に付勢してロータに押し付けるドアロックシリンダ。
  5. 前記キーの差込操作に連動して中心軸周方向に回動するロータと、同ロータの中心軸に対して直交するピンを中心に回動可能に連結されると共に、ドアパネル内のロック機構に連結される係合部材とを備え、
    前記ロータには、係合部材をロータの中心軸に対して所定角度を有した位置に保持するための保持手段を設け、前記保持手段は、係合部材をその回動中心軸に対して垂直に付勢するドアロックシリンダ。
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