JP3684793B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、過電流制限機能を強化したV/f制御により誘導電動機を可変速制御するインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インバータ装置における誘導モータをV/f制御で駆動する場合、インバータから出力される電流は、出力電圧及び出力周波数とモータの状態によって決まる。特に始動時には、モータを励磁するために大きな電流を必要とし、電流制限をかけない場合には、モータ定格電流の200%以上の電流が流れる場合がある。また、モータに流れる電流は、負荷の大きさに比例するため、過度な負荷がかかると大きな電流が流れてしまう。
【0003】
しかし、インバータ装置における半導体素子は、熱容量等から流すことの電流に制限があるため、過度な電流が流れると素子が破壊されてしまう。通常インバータ装置の最大許容電流は、インバータ装置の最大適用モータにおける定格電流(以後定格電流と略す)の200%程度に設計されるため、定格電流の150%程度で保護をかける。
【0004】
また、瞬時停電時等のモータが回転している場合に再始動を行う場合には、モータ回転数を計測し、その周波数から運転を再開する制御がある。モータの回転数を計測あるいは推定する方式は数多く提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、インバータの過電流保護機能(以後過電流制限と記す)は、電流や電圧をスカラー量(絶対値)で扱ってきた。これは、出力電圧をスカラー量(絶対値)で扱うため、過電流制限制御量もスカラー量で行っていたためである。しかし、多相モータにおいて、電流及び電圧は2次元空間量であるため、スカラー量でなくベクトル量で扱わなくてはならない。よって、従来の方法における単に電圧の絶対値のみを減少させる方法では、有効な過電流抑制効果を得ることができず、電流が定格電流の200%を超えて素子を破壊するか、H/Wの過電流制限機能によってストールしてしまう場合がある。
【0006】
また、瞬時停電時等の再始動時の拾い上げ制御における運転開始周波数は、モータに微少な電圧を印加したときの電流値によって回転数を計測したり、駆動回生方向の判定を行って出力周波数をモータの回転数に同期させる方向等が考案されているが、どの方式も計測あるいは推定を行っているため、判定ミスを生じて誤った始動周波数を印加した場合には、過電流などで始動できない場合がある。
【0007】
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、確実に過電流を抑制することができ、また、拾い上げ制御時に周波数の判定ミスが無く、確実に周波数の拾い上げがなしうるインバータ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、周波数指令値と、この周波数指令値をV/f換算した電圧指令ベクトルに基づいてPWM電圧パターンを演算し、インバータをPWM制御して誘導モータを駆動するインバータ装置において、
電流検出器からの一次電流ベクトルが過電流リミット値を超過した分のベクトルに対して、その大きさに比例し、逆方向のベクトルとなる過電流補償電圧を作成し、電圧指令ベクトルに加算すると共に、過電流補償電圧ベクトルの絶対値をPI演算して周波数指令にフィードバックして過電流を抑制し、
また、上記過電流を抑制するものにおいて、電流検出器からの一次電流位相の前回値と今回値の率を計算し、その変化率が小さくなる周波数補償量を計算し、周波数指令に加算することによって出力トルクの振動を抑制する。
【0009】
または、電流検出器からの一次電流ベクトル,d軸電流,q軸電流がそれぞれ過電流リミット値,駆動側トルクリミット値,回生側トルクリミット値を超過した分の各電流の最大値の電流を選択し、その選択した電流の大きさに比例し、逆方向のベクトルとなる過電流補償電圧ベクトルを作成し、電圧指令ベクトルに加算すると共に、過電流補償電圧ベクトルの絶対値をPI演算して周波数指令にフィードバックして過電流を抑制し、
また、上記過電流を抑制するものにおいて、電流検出器からの一次電流位相の前回値と今回値の率を計算し、その変化率が小さくなる周波数補償量を計算し、周波数指令に加算することによって出力トルクの振動を抑制する。
【0010】
また、上記過電流を抑制するものにおいて、電流検出器からの一次電流位相の前回値と今回値の率を計算し、その変化率が小さくなる周波数補償量を計算し、周波数指令に加算することによって出力トルクの振動を抑制する。
【0011】
また、周波数指令値の前回値を保持する前回値保持器を有し、周波数設定値を周波数指令値として出力するクッション処理ブロックと、前記クッション処理回路への周波数設定値をゼロに切り換えるスイッチと、前記V/f換算器の出力を調整する電圧調整ゲインと、モータの空転を拾い上げ制御する拾い上げ制御ブロックとを設け、前記拾い上げ制御ブロックは、拾い上げ時は、前記スイッチを制御して周波数設定をゼロとし、拾い上げ開始時は、前記電圧調整ゲインをゼロとして電圧指令をゼロにすると共に、前記クッション処理ブロック内の周波数指令前回値を拾い上げ開始時の初期周波数に設定し、さらに前記過電流抑制電圧作成ブロックの過電流リミット値をこの値より小さい拾い上げ用のリミット値に変更し、次いで、前記電圧調整ゲインを所定の変更率で大きくし、ゲインが1となり、電圧と周波数がV/fパターン上で一致したら拾い上げ制御を終了する、拾い上げシーケンスを有し、過電流になった場合に周波数フィードバックによって周波数を制御する特性を利用して拾い上げ制御する。
【0012】
また、上記拾い上げ制御において、最高周波数と前回周波数指令値とを切り換えるスイッチを設け、前回の出力周波数が分かっており、モータの回転数が前回の出力周波数以下であることが分かっている場合、前回の出力周波数から拾い上げ制御を開始する。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、変数定義について、
(1)モータの等価回路電圧−電流ベクトル図
誘導モータのT−II型の等価回路を図1に示す。記号の意味は図1に記載のとおりである。図1において、ある力行運転中の電圧成分E1,電流成分I0を、d,q軸回転座標系で示すと、図2のようになる。
【0014】
ただし、d軸を一次磁束方向に、q軸をd軸を90度進んだ位相に取る。
【0015】
(2)この発明で用いるV/f制御ブロック図
この発明は図3のようなV/f制御回路を用いる。1は周波数設定値f*から周波数指令値fs*を作成するときに、ある設定された変化率で制限をかけるクッション処理回路で、周波数設定値f*から前回値保持器14の前回出力周波数指令値を減算し今回の周波数変化分を検出する減算器11と、減算器出力にリミッタ処理を施す変化率制限器12と、この制限器からの今回の周波数指令変化分と前回の周波数指令値を加算し、今回の周波数指令値fs*を計算する加算器13と、この周波数指令の前回周波数指令値をラッチする前回値保持器14とで構成されている。
【0016】
2は周波数指令値からV/fパターンによってq軸電圧指令値Vq*を作成するV/f換算器、3はd,q軸電圧指令値Vd*,Vq*及び周波数指令値fs*から出力電圧パターンを作成するPWM変換器、4はPWM出力電圧パターンにより制御されるインバータ主回路の半導体素子、5はインバータ出力で駆動される誘導モータ、6はCTで検出したモータの一次電流をd,q軸回転座標上の電流ベクトルに変える電流検出器である。
【0017】
実施の形態1
図4に過電流制御系のブロック図を示す。なお、上記図3に示したものと同一構成部分は、同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0018】
図4において、7は過電流抑制電圧制御電圧作成回路で、電流検出器6からの一次電流検出値I1と設定された過電流リミット値I1_maxの差をとる過電流判定用減算器71と、この減算器の出力の正のみを通過させるリミッタ74と、このリミッタの出力をゲインKoc倍して過電流抑制(補償)電圧ベクトルの絶対値DVを出力する過電流補償電圧作成ゲイン78と、電流検出器6からのd,q軸電流検出値Id,Iqにそれぞれ上記補償電圧絶対値DVを掛けてd,q軸電圧補償値DVd,DVqを出力するd,q軸電圧補償値計算用掛け算器81,82で構成されている。
【0019】
10は上記補償電圧絶対値DVをPI演算し、クッション処理回路1の加算器13へ図示の極性で出力する周波数フィードバック用PI制御器、21は0Vのd軸電圧指令値を上記d軸電圧補償値DVdで補正しPWM変換器3に出力するd軸電圧指令作成用加算器、22はV/f換算器2からのq軸電圧指令値を上記q軸電圧補償値DVqで補正しPWM変換器3に出力するq軸電圧指令作成用加算器である。
【0020】
上記過電流制御の原理について説明する。
上記図2の状態で、電流I1を過電流リミット値I1_maxでリミットすると、図5のようになる。このとき、I1がI1_maxを超過したベクトル分ΔI1とすると、このベクトルを瞬時的に抑制するためには、ΔI1の逆ベクトルを制御ゲインKocを介してV1に加えればよい。
【0021】
図5のように、ΔI1の逆ベクトルをV1に加えることで瞬時的な過電流は抑制できるが、基本的に電圧指令を下げなければこの状態は継続し、いずれ過電流となってしまう。よって、図5で補償した電圧Koc・ΔI1を電圧指令にP制御あるいはPI制御でフィードバックする。V/f制御では、電圧指令値はV/f換算器2により周波数指令から作成しているため、周波数指令にフィードバックすればよい。
【0022】
実施の形態1は、過電流抑制電圧作成回路7で補償電圧絶対値DVを作成し、PI制御器10から周波数指令を作成するクッション処理回路1へ周波数フィードバック値Dfとしてフィードバックし、周波数指令値を低下させ、V/f換算器2から出力されるq軸電圧指令Vq*を低下させると共に、d,q軸電圧補償値DVd,DVqを作成し、それぞれd,q軸電圧指令値を補償しているので、出力電圧が低下し、過電流が抑制される。
【0023】
実施の形態2
図6に電流安定化機能を有する過電流制御系のブロック図を示す。
【0024】
図6について、6は一次電流をd,q軸回転座標上の電流ベクトルに変えると共に、一次電流位相を出力する電流検出器、9は電流安定化のための電流位相振動抑制回路で、電流検出器6からの一次電流位相Fai_I1を微分する一次電流位相の前回値を出力する微分器91と、この一次電流位相の前回値と位相の今回値Fai_I1との差をとり周波数補償量Dfaiを出力する減算器92と、この周波数補償量を制限する過補償防止用リミッタ93で構成されている。
【0025】
23は周波数指令値を電流位相振動抑制回路9からの上記位相補償量Dfaiで補正する周波数指令作成用減算器である。その他の構成は上記図4のものと変わりがない。
【0026】
電流安定化の原理について説明する。
V/f制御では、ベクトル制御の電流制御(ACR)のように指令値があり、その目標値に対して電流制御を行っていないため、図7のように、電流ベクトルがある状態からある状態に移行する段階で円を描くように振動する。よって、過渡的な状態では電流ベクトルは常に振動することになる。
【0027】
上記図5では電流ベクトルに対し、d−q軸の原点を中心とした半径方向の振幅制御を行っているが、円周方向(位相方向)に対する制御は行っていない。よって、過電流制御時は過度状態であるため、過電流リミッタ円にそって振動する。また、円周方向の振動が大きくなると出力トルクや回転速度も振動するため、逆起電力も変動してしまう。そのため、過電流制限制御を行っていても半径方向の振動成分も大きくなり、図8のように、過電流リミッタを超える場合もある。
【0028】
この円周方向の振動(位相振動)を抑制するために、一次電流位相の微分フィードバックを行う。円周方向の振動を抑制するためには、周波数を制御しなければならない。よって、一次電流位相の微分値(変化率)に比例した値をPWMの周波数指令に一次電流位相が変化しない方向で加える。この制御により、電流ベクトルの円周方向にダンビング効果が得られ、過電流時の電流ベクトル振動を抑制できる。
【0029】
実施の形態2では、微分器91にて一次電流位相Fai_I1を微分し、一次電流位相Fai_I1との差をとり、過補償防止用リミッタ93を通し減算器23で周波数指令に加えているので、過電流時の電流ベクトル振動が抑制される。
【0030】
実施の形態3
図9にトルク電流リミッタ機能を有する過電流抑制電圧制御電圧作成回路7を示す。この回路7は、電流検出器6(図4)からの一次電流検出値I1と設定された過電流リミット値I1_maxとの差をとる過電流判定用減算器71と、この減算器の出力の正のみを通過させるリミッタ74と
【0031】
電流検出器6からのq軸電流検出値Iqと設定された駆動側トルクリミット値Lim_DRとの差をとる駆動トルク判定用減算器72と、この差信号の正の信号のみを通過させるリミッタ75と、上記q軸電流検出値Iqと設定された回生側トルクリミット値Lim_BRとの差をとる回生トルク判定用減算器73と、この差信号の正の信号のみを通過させるリミッタ76と
【0032】
上記リミッタ74,75,76からの入力の内最大の値を選択する最大値選択器77と、この選択器からの出力をゲインKoc倍して過電流補償電圧絶対値DVを出力する過電流補償電圧作成ゲイン78と、電流検出器6からのd,q軸電流検出値Id,Iqにそれぞれ上記補償電圧絶対値DVを掛けd,q軸電圧補償値DVd,DVqを減算器21,22(図4)に出力するd,q軸電圧補償値計算用掛け算器81,82で構成されている。
【0033】
トルク電流リミッタの原理について説明する。
これまでは、ベクトル図上で、過電流制限値I1_maxとする円として扱ってきたが、過電流リミッタ形状が円である必要はなく、図10に示すような任意の形状にすることも可能である。特に回生時において、インバータ装置内で消費できない急激な減速による回生を行った場合、慣性エネルギがインバータの直流側のコンデンサの電荷として返還され、コンデンサ電圧が上昇する。
【0034】
その結果、内部の電力素子を保護するため過電圧保護機能により運転を停止してしまう。この運転停止を防止するためには、トルク電流リミッタによって減速レートを制御する必要がある。よって、q軸電圧成分をトルクとして近似し、図10のように過電流ベクトルリミッタを半円にして回生時のトルクを制限すれば上記ストールは防げる。
【0035】
実施の形態3では、減算器71,72,73によりそれぞれI1とI1_maxの差,IqとLim_DRの差,Lim_BRとIqとの差がとられ、この各差信号をそれぞれ正の信号のみを通すリミッタ74,75,76を通し、その各信号の最大値を最大値選択器77で選択している。したがって、駆動時に過電流又は過トルクになるとリミッタ74又は75から出力があり、その大きい方が選択される。また、回生時に過トルクとなるとリミッタ76から出力があり選択される。
【0036】
選択された信号は、図4の回路と同様に、過電流補償電圧作成ゲイン78を介してPI制御器8及び掛け算器81,82に入力するので、駆動時に過電流又は過トルクとなると、この過電流又は駆動トルクが抑制される。
【0037】
また、回生時に過トルクとなるとこの回生トルクが抑制される。よって、回生時の上記ストールを防止できる。
【0038】
実施の形態4
図11に拾い上げ機能を有する過電流制御系のブロック図を示す。
【0039】
図11において、101はモータが空転している時所定のシーケンスで拾い上げ制御をする拾い上げ制御回路、SW1は回路101からの初期化時周波数設定切り換え信号B1で周波数設定値f*を0に切り換える周波数設定切り換えスイッチである。過電流抑制電圧作成回路7は、回路101からの拾い上げ時過電流リミッタ切り換え信号B2により過電流リミット値I1_maxが切り換えうるようになっている。
【0040】
クッション処理回路1の前回値保持器14は、回路101からの初期化時周波数指令変更信号B3により制御され、拾い上げ開始時の初期周波数(最高周波数)をラッチして出力するようになっている。
【0041】
102はV/f換算器2と減算器22との間に設けられた電圧調整ゲインで、回路101からの拾い上げゲインKpk変更信号B4によりV/f換算2の出力電圧を変更する。その他の構成は上記図6のものと変わりがない。
【0042】
次に、上記図11の回路の動作を拾上機能の原理と共に説明する。
【0043】
過電流制御系は、上記図4と同様に過電流になった場合に周波数フィードバックによって周波数を制御する。実施の形態4は、この特性を利用して、モータがある回転数で空転している場合の拾い上げ制御により始動を行うものである。
【0044】
拾い上げ制御回路101の拾い上げ時のシーケンスを以下に示す。
【0045】
(1)初期化
1)拾い上げ時は、信号B1を出力して周波数設定をゼロとする。
2)拾い上げ開始時は、信号B4を出力して拾い上げゲインを、Kpk=0とし、電圧指令をゼロにする。
3)信号B3を出力してクッション処理ブロック内の周波数指令前回値を拾い上げ開始時の初期周波数(最高周波数)に設定する。
4)信号B2を出力して過電流抑制電圧作成ブロックの電流リミッタ値を拾い上げ用のリミッタ値に変更する。
【0046】
(2)拾い上げ処理
1)信号B4を変化させてゲインKpkをある変化率で大きくしていく。
2)過電流になった場合には、ゲインKpkを変更しない。
3)過電流時は、過電流抑制制御が自動的に周波数を下げる。
(3)終了条件
1)ゲインKpk=1となり、電圧と周波数がV/fパターン上で一致したら拾い上げ終了。
【0047】
上記シーケンスによる拾い上げ時のタイムチャートを図12に示す。図12の▲1▼で、上記(1)の初期化条件で拾い上げを開始する。このとき、出力周波数は拾い上げ開始時の初期周波数100%となっている。出力電圧は信号B4によりゲイン102のゲインKpkが0に制御されるため0となっている。
【0048】
▲2▼では、信号B4によりゲイン102のゲインKpkが0から所定の変化率で大きくなるため、出力電圧は増加する。よって一次電流も増加する。▲3▼では、一次電流が100%を過電流制御が働き周波数が制限され、一次電流および出力電圧が一定となる。
【0049】
▲4▼では、周波数がモータ速度とほぼ一致し、過電流でなくなっているので出力電圧が上昇する。▲5▼では、周波数と電圧のV/fパターンが一致する。▲6▼では、磁束の安定化のため1秒ウェイトし、▲7▼で拾い上げ終了となる。▲8▼では通常運転となり、設定周波数へ加速される。
【0050】
上記過電流制限リミット値I1_maxを通常のリミット値と同じものとした場合、図12の▲3▼の段階で、ある程度のトルクが出てしまう。このため、モータの慣性が小さく、拾い上げ時のモータ回転数が低い場合には、モータの速度は変動してしまうが、拾い上げ時に信号B2によりI1_maxの値を小さくしているので、出力トルクが抑制され、慣性の小さいモータでも速度変動が生じることはない。この時の過電流リミット形状を図13に示す。
【0051】
なお、上記過電流抑制電圧作成回路7は、図9のようにトルク電流リミッタを適用したものとすることができる。
【0052】
拾い上げ時に、トルク電流リミッタを適用すると、出力トルクをほぼゼロにすることができる。ただし、一次抵抗による軸ずれがあるため、トルクリミッタをゼロにすることはできない。このときの過電流リミッタ形状を図14に示す。
【0053】
実施の形態5
図15について、この実施の形態5は、拾い上げ開始周波数選択スイッチSW2を設け、上記図11の制御に対し、前回の出力周波数が分かっており、モータの回転周波数が、前回の出力周波数以下であることが分かっている場合、スイッチSW2により前回の出力周波数f_setを選択しうるようにした。その他の構成は図11のものと変わりがない。
【0054】
実施の形態5によれば、拾い上げ開始時の周波数が前回の出力周波数以下である場合、最高周波数f_maxからではなく、前回の出力周波数f_setから開始することができるので、拾い上げ時間が短縮できると共に、余分なトルクを出力することなく周波数の拾い上げを行うことができる。
【0055】
【発明の効果】
この発明は、上述のとおり構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0056】
(1)過電流を確実に抑制することができる。
【0057】
(2)電流安定化機能を有するものは、電流ベクトルの安定化と出力トルクの振動を抑制ができる。
【0058】
(3)トルク電流リミッタ機能を有するものは、回生時の直流電圧上昇を防止できる。
【0059】
(4)拾い上げ機能を有するものは、瞬時停電後の再始動等に必要な周波数拾い上げを周波数の同期判定等を行わずに行うことができるので、拾い上げの失敗がない。
【0060】
(5)また、過電流制御系における過電圧抑制電圧作成回路の過電流リミット値を小さく切り換えることにより拾い上げ時の余分な出力トルクを最小限に抑えることができる。
【0061】
(6)また、トルク電流リミッタ機能を有するものにおいては、拾い上げ時にトルク電流リミット値を小さくすることで、余分なトルクを出力することなく周波数の拾い上げを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モータのT−II型等価回路図。
【図2】電圧−電流ベクトル図。
【図3】この発明で用いるV/f制御ブロック図。
【図4】実施の形態1にかかる過電流制御ブロック図。
【図5】過電流時の電圧−電流ベクトル図。
【図6】実施の形態2にかかる電流安定化機能を有する過電流制御ブロック図。
【図7】電流ベクトル移動時の軌跡を示すグラフ。
【図8】過電流時の電流ベクトル振動を説明するグラフ。
【図9】実施の形態3にかかるトルク電流リミッタ機能を有する過電流抑制電圧作成ブロック回路図。
【図10】トルク電流リミッタ適用時の電流ベクトル移動範囲を示すグラフ。
【図11】実施の形態4にかかる拾い上げ制御機能を有する過電流制御ブロック図。
【図12】拾い上げ時のタイムチャート。
【図13】始動時出力トルク低減処理を示すグラフ。
【図14】トルク電流リミッタ採用時の過電流リミッタ形状を示すグラフ。
【図15】実施の形態5にかかる拾い上げ制御機能を有する過電流制御ブロック図。
【符号の説明】
1…クッション処理回路(ブロック)
12…変化率制限器
14…前回値保持器
2…V/f換算器
3…PWM変換器
4…インバータ主回路の半導体素子
5…誘導モータ
6…電流検出器
7…過電流抑制電圧作成回路(ブロック)
74〜76…正の信号のみを通すリミッタ
77…最大値選択器
78…過電流補償電圧作成ゲイン
10…PI制御器
101…拾い上げ制御回路(ブロック)
102…電圧調整ゲイン
f*…周波数設定値
s*…周波数指令値
Vd*,Vq*…d,q軸電圧指令値
I1…一次電流検出値
Id,Iq…d,q軸一次電流検出値
I1_max…過電流リミット値
Lim_max…駆動側トルクリミット値
Lim_BR…回生側トルクリミット値
Fai_I1…一次電流位相
DV…補償電圧絶対値
DVd,DVq…d,q軸電圧補償値
Df…周波数フィードバック値
Dfai…周波数補償量
Koc,Kpk…ゲイン
f_max…最高周波数
f_set…任意の拾い上げ開始周波数
SW1…周波数設定切換スイッチ
SW2…拾い上げ開始周波数選択スイッチ。

Claims (5)

  1. 周波数指令値と、この周波数指令値をV/f換算した電圧指令ベクトルに基づいてPWM電圧パターンを演算し、インバータをPWM制御して誘導モータを駆動するインバータ装置において、
    前記モータの一次電流ベクトルを検出する電流検出器と、
    前記電流検出器によって得られた一次電流ベクトルが過電流リミット値を超過した分のベクトルに対して、その大きさに比例し、逆方向のベクトルとなる過電流補償電圧ベクトルを作成する過電流抑制電圧作成ブロックと、
    前記ブロックで作成した過電圧補償電圧を前記電圧指令ベクトルに加える加算器と、
    前記過電流補償電圧ベクトルの絶対値をPI演算して前記周波数指令にフィードバックして過電流を抑制するPI制御器とを設け、
    前記電流検出器に一次電流位相を検出する機能を設け、
    前記電流検出器からの一次電流位相の前回値と今回値の変化率を計算し、その変化率が小さくなる周波数補償量を計算する電流位相振動抑制ブロックとを設け、
    前記周波数補償量を前記周波数指令に加算することによって出力トルクの振動を抑制することを特徴とするインバータ装置。
  2. 周波数指令値と、この周波数指令値をV/f換算した電圧指令ベクトルに基づいてPWM電圧パターンを演算し、インバータをPWM制御して誘導モータを駆動するインバータ装置において、
    前記モータの一次電流ベクトルを検出する電流検出器と、
    前記電流検出器によって得られた一次電流ベクトル,d軸電流,q軸電流がそれぞれ過電流リミット値,駆動側トルクリミット値,回生側トルクリミット値を超過した分の各電流の最大値の電流を選択し、その選択した電流の大きさに比例し、逆方向のベクトルとなる過電流補償電圧ベクトルを作成する過電流抑制電圧作成ブロックと、
    前記ブロックで作成した過電圧補償電圧を前記電圧指令ベクトルに加える加算器と、
    前記過電流補償電圧ベクトルの絶対値をPI演算して前記周波数指令にフィードバックして過電流を抑制するPI制御器とを設け、
    前記電流検出器に一次電流位相を検出する機能を設け、
    前記電流検出器からの一次電流位相の前回値と今回値の変化率を計算し、その変化率が小さくなる周波数補償量を計算する電流位相振動抑制ブロックとを設け、
    前記周波数補償量を前記周波数指令に加算することによって出力トルクの振動を抑制することを特徴とするインバータ装置。
  3. 請求項1又は2において、
    周波数指令値の前回値を保持する前回値保持器を有し、周波数設定値を前記周波数指令値として出力するクッション処理ブロックと、
    前記クッション処理回路への周波数設定値をゼロに切り換えるスイッチと、
    前記V/f換算器の出力を調整する電圧調整ゲインと、モータの空転を拾い上げ制御する拾い上げ制御ブロックとを設け、
    前記拾い上げ制御ブロックは、
    拾い上げ時は、前記スイッチを制御して周波数設定をゼロとし、
    拾い上げ開始時は、前記電圧調整ゲインをゼロとして電圧指令をゼロにすると共に、前記クッション処理ブロック内の周波数指令前回値を拾い上げ開始時の初期周波数に設定し、さらに前記過電流抑制電圧作成ブロックの過電流リミット値をこの値より小さい拾い上げ用のリミット値に変更し、
    次いで、前記電圧調整ゲインを所定の変更率で大きくし、ゲインが1となり、電圧と周波数がV/fパターン上で一致したら拾い上げ制御を終了する、
    拾い上げシーケンスを有し、
    過電流になった場合に周波数フィードバックによって周波数を制御する特性を利用して拾い上げ制御することを特徴とするインバータ装置。
  4. 請求項3において、
    最高周波数と前回周波数指令値とを切り換えるスイッチを設け、
    前回の出力周波数が分かっており、モータの回転周波数が前回の出力周波数以下であることが分かっている場合、前回の出力周波数から拾い上げ制御を開始することを特徴とするインバータ装置。
  5. 請求項3又は4において、
    前記過電流リミット値をトルクリミッタ形状に置きかえることで、拾い上げ時の余分なトルクを最小限に抑えることを特徴とするインバータ装置。
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