JP3683629B2 - インドリルアザフタリド化合物及びそれを使用した記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なインドリルアザフタリド化合物及び該インドリルアザフタリド化合物を使用した記録材料に関するものである。本発明のインドリルアザフタリド化合物は、電子供与性無色染料と電子受容性化合物を使用した記録材料、特に感圧記録材料、感熱記録材料等の記録材料用電子供与性無色染料として有用である。また、本発明の記録材料は良好な濃度の青からシアン色の画像を与え、非画像部、即ち、白地部の光着色が少なく、耐光性に優れる。
【0002】
【従来の技術】
電子供与性無色染料と電子受容性化合物を使用した記録材料は、感圧紙、感熱紙、感光感圧紙、通電感熱記録紙、感熱転写紙等として既によく知られている。たとえば英国特許2,140,449、米国特許4,480,052、同4,436,920、特公昭60−23992、特開昭57−179836、同60−123556、同60−123557などに詳しい。
【0003】
記録材料として、近年、画像濃度、画像部の堅牢性及び白地部の堅牢性などの特性改良に対する研究が鋭意行われている。
【0004】
青からシアン色の画像を与える電子供与性無色染料としてトリフェニルメタンフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物など種々のものが知られている。
【0005】
インドリルフタリド系化合物のうちフタリド部のベンゼン環の炭素原子が窒素原子で置換された所謂インドリルアザフタリド系化合物の例は幾つか知られている。具体的には特公昭61−4856、特開昭61−168664、特開昭61−291654、特開昭62−270662などに詳しく記載されている。これらのものは良好な濃度の青からシアン色の画像を与えるが、画像部の光や熱に対する堅牢性が良好で、非画像部の光着色が少ないという全ての性能を満足するものはないという問題がある。
【0006】
本発明者らは、良好な濃度の青からシアン色の画像を与える電子供与性無色染料で上記性能を満足する化合物に関して鋭意検討した結果、新規なインドリルアザフタリド系化合物で目的とする性能を満たすものを見出した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は良好な濃度の青からシアン色の画像を与え、非画像部の光着色が少ない電子供与性無色染料及びそれを用いた記録材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、下記一般式(I)で表されるインドリルアザフタリド化合物、並びに電子供与性無色染料と電子受容性化合物を使用した記録材料において、下記一般式(I)で表されるインドリルアザフタリド化合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とする記録材料、により達成された。
【0009】
【化3】
【0010】
式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R2 、R3 は各々水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R4 、R5 は各々水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。
【0011】
上記一般式(I)において、R1 のうち、炭素数1から18のアルキル基、炭素数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から15のアラルキル基、炭素数6から12のアリール基が好ましく、特には炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から12のアラルキル基、炭素数6から12のアリール基が好ましい。これらは更にアルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0012】
R1 として具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基等が好ましく、また、ヘテロ環基のうち下記式で表されるものが好ましい。
【0013】
【化4】
【0014】
更に、R1 としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アラルキレン基、フェニレン基のような2価の連結基として2分子のインドリルアザフタリド化合物を連結したビス型構造を形成する基であってもよく、この場合の2価の連結基としてはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、シクロヘキシレン基、キシリレン基、メチルキシリレン基、フェニレン基が好ましい。
【0015】
上記一般式(I)において、R2 のうち水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数6から10のアリール基が好ましく、特には水素原子、メチル基、フェニル基が好ましい。フェニル基は置換されていてもよい。
【0016】
上記一般式(I)において、R3 のうち水素原子、炭素数1から18のアルキル基、炭素数6から15のアリール基が好ましく、特には炭素数1から12のアルキル基、炭素数6から10のアリール基が好ましい。これらは更に炭素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0017】
R3 として具体的には水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基、2−クロロエチル基などが好ましい。
【0018】
上記一般式(I)において、R4 、R5 のうち水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、塩素原子が好ましく、特には水素原子、メチル基、i−プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子が好ましい。
【0019】
上記一般式(I)において、Xのうち、特に酸素原子が好ましい。
次に本発明に係るインドリルアザフタリド化合物の具体的な化合物を例示するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【化5】
【0024】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物の製造方法は、特公昭61−4856号、特開昭62−270662号等に記載の方法に従う。
【0025】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物は、製造時に副生する異性体混合物である7−アザフタリド体を含んでいてもよい。
【0026】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物を記録材料の電子供与性無色染料として用いる場合は、単独で用いても2種類以上を併用して用いてもよい。
【0027】
本発明の記録材料においては、電子供与性無色染料として本発明に係るインドリルアザフタリド化合物の他、従来より公知の電子供与性無色染料であるトリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物など各種の化合物と併用することができる。
【0028】
フタリド類の具体例は、米国再発行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号及び同第3,509,174号、フルオラン類の具体例は米国特許明細書第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号、スピロジピラン類の具体例は米国特許明細書第3,971,808号、ピリジン系及びピラジン系化合物類は米国特許明細書第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号、フルオレン系化合物の具体例は特開昭63−94878号等に記載されている。
【0029】
本発明に係る電子供与性無色染料の塗布量は特には限定されないが、0.1〜2.0g/m2 、特には0.2〜1.5g/m2 が好ましい。
【0030】
本発明の記録材料に用いられる電子受容性化合物としては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体などが挙げられる。
【0031】
これらの例は特公昭40−9309号、特公昭45−14039号、特開昭52−140483号、特開昭48−51510号、特開昭57−210886号、特開昭58−87089号、特開昭59−11286号、特開昭60−176795号、特開昭61−95988号等に記載されている。
【0032】
使用される電子供与性無色染料と電子受容性化合物の比は、重量比で1:10から1:1の間が好ましく、さらには1:5から2:3の間が特に好ましい。
【0033】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物は従来より公知の紫外線吸収剤、蛍光増白剤、酸化防止剤と併用してもよい。
【0034】
併用できる紫外線吸収剤として好ましいものは、ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの例は特開昭47−10537号、同58−111942号、同58−212844号、同59−19945号、同59−46646号、同59−109055号、同63−53544号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−30492号、同48−31255号、同48−41572号、同48−54965号、同50−10726号、米国特許2,719,086号、同3,707,375号、同3,754,919号、同4,220,711号などに記載されている。
【0035】
併用できる蛍光増白剤として好ましいものは、クマリン系蛍光増白剤などが挙げられる。これらの例は特公昭45−4699号、同54−5324号などに記載されている。
【0036】
併用できる酸化防止剤として好ましいものは、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アニリン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤などが挙げられる。これらの例は特開昭59−155090号、同60−107383号、同60−107384号、同61−137770、同61−139481号、同61−160287などに記載されている。
【0037】
併用できる紫外線吸収剤、蛍光増白剤、酸化防止剤の使用量としては0.05〜1.0g/m2 、特には0.1〜0.4g/m2 が好ましい。
【0038】
本発明の記録材料を感圧紙に用いる場合には、米国特許第2,505,470号、同2,505,471号、同2,505,489号、同2,548,366号、同2,712,507号、同2,730,456号、同2,730,457号、同3,103,404号、同3,418,250号、同4,010,038号などの先行特許に記載されているように種々の形態をとりうる。最も一般的には電子供与性無色染料及び電子受容性化合物を別々に含有する少なくとも一対のシ−トから成る。
【0039】
また、本発明のインドリルアザフタリド化合物を電子供与性無色染料として用いる場合、マイクロカプセルに内包させて用いることができる。
【0040】
カプセルの製造方法については、米国特許2,800,457号、同2,800,458号に記載された親水性コロイドゾルのコアセルベーションを利用した方法、米国特許3,287,154号、英国特許867,797号、同950,443号、同989,264号、同990,443号、同1,091,076号、特公昭38−19574号、同42−446号、同42−771号などに記載された界面重合法、米国特許3,418,250号、同3,660,304号に記載されたポリマーの析出による方法、米国特許3,418,250号に記載されたイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許3,914,511号に記載されたイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許4,001,140号、同4,087,376号、同4,089,802号に記載された尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁材料を用いるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシプロピルピルセルロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号、特開昭51−9079号に記載されたモノマーの重合によるin−situ法、英国特許952,807号、同965,074号に記載された電解分散冷却法、米国特許3,111,407号、英国特許930,422号に記載されたスプレードライング法などがある。これらに限定されるものではないが、芯物質を乳化した後マイクロカプセル壁として高分子膜を形成することが好ましい。
【0041】
一般的には、電子供与性無色染料を、溶媒(アルキル化ナフタレン、アルキル化ジフェニル、アルキル化ジフェニルメタン、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィンなどの合成油:木綿油、ヒマシ油などの植物油:動物油:鉱物油あるいはこれらの混合物など)に溶解し、これをマイクロカプセル中に含有させ、紙、上質紙、プラスチックシート、樹脂コートテッド紙などに塗布することにより発色剤シートをうる。
【0042】
また電子受容性化合物及び必要に応じて添加剤を単独又は混合して、スチレンブタジエンラテックス、ポリビニールアルコールの如きバインダー中に分散させ、顔料とともに紙、プラスチックシート、樹脂コートテッド紙などの支持体に塗布することにより顕色剤シートを得る。
【0043】
バインダーとしてはカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックスと水溶性高分子を併用することが、耐光性、耐水性の点から好ましい。また顔料としては平均粒径5.0μ以下の炭酸カルシウムを、全顔料の60重量%以上用いるのが、顕色能の点から好ましい。
【0044】
電子供与性無色染料及び電子受容性化合物の使用量は所望の塗布厚、感圧記録紙の形態、カプセルの製法、その他の条件によるのでその条件に応じて適宜選べばよい。当業者がこの使用量を決定することは容易である。
【0045】
感熱紙に用いる場合には、特開昭62−144,989号、特開平1−87291号明細書等に記載されているような形態をとる。具体的には,電子供与性無色染料及び電子受容性化合物は分散媒中で10μ以下、好ましくは3μ以下の粒径まで粉砕分散して用いる。分散媒としては、一般に0.5ないし10%程度の濃度の水溶高分子水溶液が用いられ分散はボールミル、サンドミル、横型サンドミル、アトライタ、コロイダルミル等を用いて行われる。
【0046】
その際、熱応答性を改良するために熱可融性物質を感熱発色層に含有させることができる。熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル及び又は脂肪族アミド又はウレイドなどがその代表である。
【0047】
これらの例は特開昭58−57989号、同58−87094号、同61−58789号、同62−109681号、同62−132674号、同63−151478号、同63−235961号、特開平2−184489号、同2−215585号などに記載されている。
【0048】
これらは電子供与性無色染料と同時又は電子受容性化合物と同時に微分散して用いられる。これらの使用量、電子受容性化合物に対して、20%以上300%以下の重量比で添加され、特に40%以上150%以下が好ましい。
【0049】
このようにして得られた塗液には、さらに種々の要求を満たす為に必要に応じて添加剤が加えられる。添加剤の例としては記録時の記録ヘッドの汚れを防止するために、バインダー中に無機顔料、ポリウレアフィラー等の吸油性物質を分散させておくことが行われ、さらにヘッドに対する離型性を高めるために脂肪酸、金属石鹸などが添加される。したがって一般には、発色に直接寄与する電子供与性無色染料、電子受容性化合物の他に、熱可融性物質、顔料、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤などの添加剤が支持体上に塗布され、記録材料が構成されることになる。さらに必要に応じて感熱記録層の表面に保護層を設けてもよい。
【0050】
通常、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物は、バインダー中に分散して塗布される。バインダーとしては水溶性のものが一般的であり、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン等があげられる。またこれらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤を加えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等を加えることもできる。これらの使用量としては、0.4〜5g/m2 が好ましく、さらには0.8〜1.6g/m2 が好ましい。
【0051】
得られた感熱塗液は、上質紙、下塗り層を有する上質紙、合成紙、プラスチックフィルム等に塗布される。この際JIS−P8119で規定される平滑度が500秒以上、特に800秒以上の支持体を用いるのがドット再現性の点から好ましい。
【0052】
本発明の記録材料においてはその必要に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤プリカーサーなど各種添加剤を使用することができる。
【0053】
本発明の記録材料には必要に応じて記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いられる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋してより一層保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤としては公知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもできる。保護層の塗布量は0.2〜5g/m2 が好ましく、さらには0.5〜2g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好ましい。
【0054】
本発明の記録材料に保護層を使用する場合、保護層中に公知のUV吸収剤やその前駆体を含有してもよい。
【0055】
本発明の記録材料に使用できる支持体としては、酸性紙、中性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙、プラスチックフィルムなどを使用することができる。さらにこれら支持体に公知の下塗り層を設けてもよい。この下塗り層は上記保護層と同様にして設けることができる。
【0056】
支持体のカールバランスを補正するため或いは、裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バックコート層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。このバックコート層についても上記保護層と同様にして設けることができる。
【0057】
本発明のインドリルアザフタリド化合物を米国特許4,399,209号、同4,551,407号、同4,440,846号、同4,536,463号、特開昭63−184738号、同58−88739号、同62−143044号、特開平2−188293号、同2−188294号、3−72358号、同3−87827号、同4−226455号、同4−247985号、同5−124360号、同5−294063号等に記載の種々の記録材料に応用することができる。
【0058】
本発明のインドリルアザフタリド化合物を感熱記録材料、特に多色感熱記録材料に使用することができる。この多色感熱記録材料(感光感熱記録材料)については、特開平4−135787号公報、同4−144784号公報、同4−144785号公報、同4−194842号公報、同4−247447号公報、同4−247448号公報、同4−340540号公報、同4−340541号、同5−34860号等に記載されている。具体的には異なる色相に発色する感熱記録層を積層することにより得ることができる。層構成としては特に限定されるものではないが、特に感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを組み合わせた感熱記録層とを積層した多色感熱記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物を含む第1の感熱記録層、極大吸収波長360nm±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第2の感熱記録層、極大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第3の感熱記録層とするものである。この例において、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録が可能となる。
【0059】
この多色感熱記録材料の記録方法は、まず第3の感熱記録層を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400±20nmの光を照射して第3の感熱記録層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させたのち、第2の感熱記録層が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき第3の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。さらに360±20nmの光を照射して第2の感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解して、最後に第1の感熱記録層が発色する十分な熱を与えて発色させる。このとき第3、第2の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。
【0060】
本発明の記録材料を多色感熱記録材料とした場合には感熱記録層相互の混色を防ぐため、中間層を設けることもできる。この中間層はゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。塗布量は2〜10g/m2 が好ましく、さらには4〜5g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.5〜10μmが好ましい。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。実施例において特に指定のない限り、%は重量%を表す。化合物の構造確認は 1H−NMRにより行った。
〔実施例1〕
N,N−ジ−n−プロピル−N′−アセチル−m−フェニレンジアミン23.4gと(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトン30.8gを無水酢酸38ml中、50〜55℃で3〜4時間攪拌した。
【0062】
この反応溶液を10℃に冷却し、析出した結晶をろ過した。得られた結晶を酢酸エチル−エタノールにより再結晶し、本発明化合物例I−1(前記式における化合物I−1、以下、同様)を淡黄色結晶として36.7g得た。
【0063】
以下に 1H−NMRにより得たピークデータを示す。下記ピークの化学シフトδ値は、基準物質であるTMSからのδ値を示し、かっこ内にはそのピークにおけるプロトン数及びシングレット、ダブレット等のピーク形状を示す。
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.92(6H,t),1.29(3H,t),1.59(4H,qn),
2.28(3H,s),3.25(4H,t),4.08(2H,qr),
6.00(1H,d),6.40(1H,dd),6.78(1H,t),
7.05(2H,m),7.23(1H,d),7.44(1H,d),
7.57(1H,dd),8.30(1H,dd),8.85(1H,dd),9.42(1H,br−s)
【0064】
〔実施例2〜6〕
実施例1のN,N−ジ−n−プロピル−N’−3セチル−m−フェニレンジアミンを、各種のN,N−ジ−n−プロピル−N’−アシル−m−フェニレンジアミンに変えた他は実施例1と同様にして、本発明化合物例I−3(実施例2)、I−4(実施例3)、I−6(実施例4)、I−12(実施例5)、I−10(実施例6)を得た。それぞれの 1H−NMR解析の結果を示す。この結果より、それぞれの化合物の構造が確認された。
【0065】
(実施例2)
本発明化合物I−3
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.61(3H,d),0.67(3H,d),0.92(6H,t),
1.26(3H,t),1.61(4H,qn),1.89(1H,m),
1.98(3H,s),3.25(4H,t),4.07(2H,qr),
5.96(1H,d),6.39(1H,dd),6.78(1H,t),
7.06(1H,t),7.19−7.30(2H,m),
7.46(1H,d),7.58(1H,dd),8.33(1H,dd),
8.85(1H,dd),9.53(1H,br−s)
(実施例3)
本発明化合物I−4
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.73(9H,s),0.92(6H,t),1.28(3H,t),
1.63(1H,d),1.61(4H,qn),1.94(3H,s),
3.25(4H,t),4.06(2H,qr),6.45(1H,dd),
6.34(1H,t),7.02(1H,t),7.21(1H,d),
7.33(1H,dd),7.47(1H,d),7.57(1H,dd),
8.32(1H,dd),8.81(1H,dd),
9.70(1H,br−s)
(実施例4)
本発明化合物I−6
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.87−0.95(9H,m),1.61(4H,qn),
1.99(3H,s),3.24(4H,t),3.88(2H,m),
5.78(1H,d),6.51(1H,dd),6.76(1H,m),
6.91(2H,m),6.98(2H,m),7.21(3H,m),
7.47(1H,d),7.53−7.62(2H,m),
8.35(1H,dd),8.82(1H,dd)
【0066】
(実施例5)
本発明化合物I−12
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.95(6H,t),1.63(4H,qr),1.98(3H,s),
3.26(4H,t),3.90(2H,m),5.65(1H,d),
6.46(3H,m),6.72(1H,t),6.95(2H,m),
7.19(1H,d),7.32(1H,d),
7.54−7.63(2H,m),8.36(1H,dd),
8.66(1H,d),10.31(1H,br−s)
(実施例6)
本発明化合物I−10
1H−NMR(DMSO) δ(TMS,ppm)
0.89(6H,t),1.15(3H,t),1.56(4H,qr),
1.81(3H,t),3.26(4H,qr),4.12(2H,qr),
5.69(1H,d),6.62−6.73(2H,m),
6.89(1H,s),7.00(1H,t),7.38(1H,d),
7.49(1H,d),7.87(1H,dd),8.56(1H,dd),
8.98(1H,dd),11.35(1H,br−s)
【0067】
〔実施例7〜10〕
実施例1のN,N−ジ−n−プロピル−N’−3セチル−m−フェニレンジアミンを、各種のN,N−ジ−n−プロピル−N’−アセチル−m−フェニレンジアミンに変えた他は実施例1と同様にして、本発明化合物例Ia−1(実施例7)、Ia−2(実施例8)、Ia−3(実施例9)、Ia−4(実施例10)を得た。それぞれの 1H−NMR解析の結果を示す。この結果より、それぞれの化合物の構造が確認された。
(実施例7)
本発明化合物Ia−1
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.76(3H,t),0.88(6H,t),1.02(4H,m),
1.28(3H,t),1.54−1.66(8H,m),
1.98(3H,s),
3.22(4H,t),4.06(2H,qr),5.99(1H,d),
6.40(1H,dd),6.78(1H,t),7.05(1H,t),
7.18(1H,d),7.23(1H,d),7.45(1H,d),
7.56(1H,dd),8.30(1H,dd),
8.85(1H,dd),9.48(1H,br−s)
(実施例8)
本発明化合物Ia−2
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.84−0.94(12H,m),1.20−1.32(6H,m),
1.53−1.68(10H,m),1.98(3H,t),
3.23(4H,t),
4.06(2H,qr),6.00(1H,d),6.40(1H,dd),
6.77(1H,t),7.04(1H,t),7.18(1H,d),
7.24(1H,d),7.43(1H,d),7.57(1H,dd),
8.20(1H,dd),8.85(1H,dd),
9.47(1H,br−s)
【0068】
(実施例9)
本発明化合物Ia−3
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.85−0.94(12H,m),1.19−1.30(30H,m),
1.54(6H,m),1.99(3H,s),3.23(4H,t),
4.06(2H,qr),5.99(1H,d),6.39(1H,dd),
6.77(1H,t),7.04(1H,t),7.18(1H,dd),
7.23(1H,d),7.44(1H,d),7.56(1H,dd),
8.30(1H,dd),8.84(1H,dd),
9.46(1H,br−s)
(実施例10)
本発明化合物Ia−4
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.92(6H,t),1.09(3H,t),1.56(3H,s),
1.61(4H,qr),1.90(3H,s),3.24(4H,t),
3.94(2H,qr),4.00(1H,s),5.75(1H,d),
6.41(1H,dd),6.74−6.78(2H,m),
6.85(1H,t),6.89−6.94(2H,m),
7.09−7.22(8H,m),7.30(1H,d),
7.44−7.50(2H,m),8.25(1H,dd),
8.38(1H,dd),9.98(1H,br−s)
【0069】
〔実施例11〕
実施例1の(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンを、(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンに代えた他は、実施例1と同様にして本発明化合物例I−15を得た。この 1H−NMR解析の結果を示す。この結果より、この化合物の構造が確認された。
(実施例11)
本発明化合物I−15
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.99(9H,m),1.22−1.27(12H,m),
1.58(3H,s),1.61(4H,m),2.00(3H,s),
3.22(4H,m),3.98(2H,t),6.00(1H,d),
6.40(1H,dd),6.78(1H,t),7.05(2H,m),
7.23(1H,d),7.44(1H,d),7.57(1H,dd),
8.30(1H,dd),8.85(1H,dd),
9.42(1H,br−s)
【0070】
〔実施例12〕
実施例1の(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンを、(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンに代えた他は、実施例1と同様にして本発明化合物例Ia−7(実施例12)を得た。この 1H−NMR解析の結果を示す。この結果より、この化合物の構造が確認された。
(実施例12)
本発明化合物Ia−7
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.86−0.93(9H,m),1.28(3H,s),
1.36(4H,m),1.55−1.70(6H,m),
2.00(3H,s),3.23(4H,m),3.98(2H,t),
6.02(1H,d),6.39(1H,dd),6.78(1H,t),
7.06(1H,t),7.07(1H,dd),7.24(1H,d),
7.44(1H,d),7.56(1H,dd),8.30(1H,dd),
8.88(1H,dd),9.41(1H,br−s)
【0071】
〔実施例13〕
実施例1の(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンを、(1−イソブチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンに代えた他は、実施例1と同様にして本発明化合物例Ia−8(実施例13)を得た。この 1H−NMR解析の結果を示す。この結果より、この化合物の構造が確認された。
(実施例13)
本発明化合物Ia−8
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
1.08−1.17(12H,m),1.56(3H,s),
1.77−1.89(4H,m),2.02(3H,s),
2.28−2.38(1H,m),3.46(4H,t),
4.04(2H,d),6.34(1H,d),6.61(1H,dd),
7.01(1H,t),7.26(1H,t),7.37(1H,d),
7.46(1H,d),7.64(1H,d),7.78(1H,dd),
8.51(1H,dd),9.07(1H,dd),
9.66(1H,br−s)
【0072】
〔実施例14〜21〕
実施例1の(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンを、(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンに代えた他は、実施例1と同様にして本発明化合物例Ia−9(実施例14)、Ia−10(実施例15)、Ia−11(実施例16)、Ia−12(実施例17)、Ia−13(実施例18)、Ia−14(実施例19)、Ia−15(実施例20)、Ia−16(実施例21)を得た。それぞれの 1H−NMR解析の結果を示す。この結果より、それぞれの化合物の構造が確認された。
【0073】
(実施例14)
本発明化合物Ia−9
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.50(3H,t),0.84−0.95(9H,t),
1.01−1.14(2H,m),1.20−1.37(10H,m),
1.43−1.57(2H,m),1.57−1.70(6H,m),
1.98(3H,s),3.24(4H,t),3.96(2H,t),
6.07(1H,d),6.48(1H,dd),6.79(1H,t),
7.05(1H,t),7.21(1H,d),7.25(1H,d),
7.42(1H,d),7.56(1H,dd),8.29(1H,dd),
8.84(1H,dd),9.42(1H,br−s)
(実施例15)
本発明化合物Ia−10
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.61(3H,t),0.81−0.94(9H,m),
1.20−1.38(12H,m),1.45−1.70(10H,m),
1.98(3H,s),3.23(4H,t),3.95(2H,t),
6.03(1H,d),6.38(1H,dd),6.76(1H,t),
7.04(1H,t),7.19−7.24(2H,m),
7.43(1H,d),7.56(1H,dd),8.28(1H,dd),
8.84(1H,dd),9.46(1H,br−s)
(実施例16)
本発明化合物Ia−11
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.50(3H,d),0.58(3H,d),
0.84−0.93(9H,m),1.22−1.36(8H,m),
1.43(1H,m),1.50−1.68(10H,m),
2.00(3H,s),3.23(4H,t),3.94(2H,t),
6.15(1H,dd),6.37(1H,dd),6.80(1H,t),
7.06(1H,t),7.20(1H,d),7.36(1H,d),
7.42(1H,d),7.55(1H,dd),8.29(1H,dd),
8.85(1H,dd),9.42(1H,br−s)
【0074】
(実施例17)
本発明化合物Ia−12
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.60(3H,d),0.68(3H,d),
0.84−0.93(9H,m),1.23−1.35(10H,m),
1.55−1.68(7H,m),1.87(1H,qr),
1.96(3H,s),3.23(4H,t),3.95(2H,t),
6.01(1H,d),6.38(1H,dd),6.76(1H,t),
7.03(1H,t),7.20(1H,d),7.32(1H,d),
7.43(1H,d),7.55(1H,dd),
8.30(1H,dd),8.82(1H,d),
9.51(1H,br−s)
(実施例18)
本発明化合物Ia−13
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.72(9H,s),0.85−0.93(9H,m),
1.24−1.36(10H,m),1.59−1.69(6H,m),
1.93(3H,s),3.24(4H,t),3.93(2H,t),
5.85(1H,m),6.40(1H,dd),6.72(1H,t),
7.01(1H,t),7.18(1H,d),7.30(1H,dd),
7.43(1H,d),7.56(1H,dd),8.30(1H,dd),
8.81(1H,dd),9.61(1H,br−s)
(実施例19)
本発明化合物Ia−14
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.87(3H,t),0.93(6H,t),
1.08−1.35(12H,m),1.57−1.68(4H,m),
1.98(3H,s),3.24−3.30(4H,m),
3.74−3.82(2H,m),5.84(1H,d),
6.46(1H,dd),6.71−6.79(1H,m),
6.90(2H,t),6.97(2H,m),
7.17−7.23(3H,m),7.48−7.52(2H,m),
7.57(1H,dd),8.32(1H,dd),
8.80(1H,dd),10.21(1H,br−s)
【0075】
(実施例20)
本発明化合物Ia−15
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.85−0.93(9H,m),1.24−1.37(10H,m),
1.53−1.68(6H,m),1.93(3H,s),
2.68(1H,d),3.14(1H,d),3.22(4H,t),
3.96(2H,t),5.63(1H,d),6.41(1H,dd),
6.53(2H,d),6.79(1H,t),
7.02−7.18(5H,m),7.28(1H,d),
7.43−7.49(2H,m),8.23(1H,dd),
8.34(1H,dd),9.53(1H,br−s)
(実施例21)
本発明化合物Ia−16
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.83−0.95(9H,m),1.19−1.31(10H,m),
1.55−1.68(6H,m),1.95(3H,s),
3.25(4H,t),3.57(1H,d),3.91(2H,t),
4.03(1H,d),5.95(1H,d),
6.39−6.47(3H,m),6.58(1H,t),
6.90(2H,t),7.10−7.18(4H,m),
7.47−7.54(2H,m),8.26(1H,dd),
8.69(1H,dd),10.36(1H,br−s)
【0076】
〔実施例22〕
実施例1の(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンを、(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトンに代えた他は実施例1と同様にして、本発明化合物例I−21(実施例22)を得た。この化合物の 1H−NMR解析の結果を示す。この結果より、この化合物の構造が確認された。
(実施例22)
本発明化合物I−21
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm)
0.91(6H,t),1.17(3H,t),1.39(3H,s),
1.48−1.54(4H,m),3.16(4H,t),
3.73−3.89(2H,m),5.89(1H,dd),
6.04(1H,d),6.86(1H,t),
6.96−7.08(4H,m),7.10−7.29(4H,m),
7.32(1H,d),7.46(1H,dd),8.17(1H,dd),
8.76(1H,dd),10.03(1H,br−s)
【0077】
〔実施例23〕
1)電子供与性無色染料カプセル液の調製
電子供与性無色染料(本発明化合物例I−1)3.0部を酢酸エチル20部に溶解し、さらに高沸点溶剤であるアルキルナフタレン(KMC−210、呉羽化学工業社製)20部を添加して均一に混合した。得られた混合液に、カプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパンの3/1付加物(75重量%酢酸エチル溶液)(タケネートD−110N(武田薬品工業株式会社製))20部を添加し、均一に攪拌した。
【0078】
別途、ポリビニルアルコール(重合度1700、鹸化度88%)の6%水溶液54部を用意し、前記の電子供与無色染料を添加した後、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加えて均一化した後、攪拌しながら50℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせて目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.6μmであった。
2)電子受容性化合物分散液の調製
電子受容性化合物として、ビスフェノールA30部をポリビニルアルコール4%水溶液150部中に加えた後、ボールミルにて24時間分散して分散液を作製した。得られた分散液中の電子受容性化合物の平均粒径は1.2μmであった。
3)塗布紙の調製及び画像記録
上記電子供与性無色染料カプセル液、電子受容性化合物分散液を電子供与性無色染料/電子受容性化合物のモル比が1/15となるように混合して、目的の塗布液を調製した。
【0079】
厚み75μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、メイヤーバーで、上述の塗布液を塗布・乾燥して目的の感熱記録材料を得た。
発色濃度は京セラ製印字試験機で印字し、シアン色の像を得た。
【0080】
4)非画像部の耐光性試験
印字しない非画像部に対し、キセノンフェードメーター(FAL−25AX−HC型、スガ試験機製)を48時間光照射した。光照射前の非画像部のイエロー濃度Y0 と光照射後の非画像部のイエロー濃度Y1 をそれぞれマクベス濃度計で測定した。非画像部の耐光性をイエロー濃度の伸び(ΔODy )−(Y1 −Y0 )を目安として示した。ΔODy が小さいほど非画像部の耐光性が優れていることを示す。
【0081】
〔実施例24−44〕
実施例23における電子供与性無色染料(本発明化合物例I−1)を本発明化合物例I−3(即ち、前記実施例2の電子供与性無色染料を用いて得た感熱記録材料を実施例24とする。以下、同様)、本発明化合物例I−4(実施例25)、本発明化合物例I−6(実施例26)、本発明化合物例I−12(実施例27)、本発明化合物例I−10(実施例28)、本発明化合物I−15(実施例29)、本発明化合物例Ia−1(実施例30)、本発明化合物例Ia−2(実施例31)、本発明化合物例Ia−3(実施例32)、本発明化合物例Ia−4(実施例33)、本発明化合物Ia−7(実施例34)、本発明化合物例Ia−8(実施例35)、本発明化合物例Ia−9(実施例36)、本発明化合物例Ia−10(実施例37)、本発明化合物例Ia−11(実施例38)、本発明化合物Ia−12(実施例39)、本発明化合物例Ia−13(実施例40)、本発明化合物例Ia−14(実施例41)、本発明化合物例Ia−15(実施例42)、本発明化合物例Ia−16(実施例43)、本発明化合物I−21(実施例44)にかえた他は、実施例23と同様にして感熱記録紙を得た。実施例23と同様にして画像記録及び記録紙の非画像部の性能評価を行った。
〔比較例1〜4〕
実施例23の電子供与性無色染料(本発明化合物例I−1)を下記式で表される比較化合物A−1(比較例1)、化合物A−2(比較例2)、化合物A−3(比較例3)、化合物A−4(比較例4)にかえた他は、実施例23と同様にして感熱記録紙を得た。実施例23と同様にして画像記録及び記録紙の非画像部の性能評価を行った。
【0082】
【化6】
【0083】
〔実施例45〜50〕
実施例23の電子受容性化合物であるビスフェノールAを4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール(実施例45)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド(実施例46)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(実施例47)、4−ヒドロキシフェニル−4’−イソプロポキシフェニルスルホン(実施例48)、α,α’−ビス(3,5−ジヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)−p−キシレン(実施例49)、1,3,3,5−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン(実施例50)にかえた他は、実施例23と同様にして感熱記録紙を得た。実施例23と同様にして画像記録及び記録紙の非画像部の性能評価を行った。
〔比較例5〜10〕
実施例45〜50で用いた電子供与性無色染料(本発明化合物例I−1)をそれぞれ化合物A−1にかえた他は、実施例45〜50と同様にして感熱記録紙を得た。実施例23と同様にして画像記録及び非画像部の記録紙の性能評価を行った。
【0084】
実施例23〜50及び比較例1〜10の結果を表4、表5に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
表4及び表5から明らかなように、本発明のインドリルアザフタリド化合物を電子供与性無色染料として用いた本発明の感熱記録材料は、インドリルアザフタリド化合物の構造及び併用する電子受容性化合物の種類に関わらず、比較品にくらべて、いずれも非画像部の黄変が少なく、非画像部の耐光性に優れていた。
〔実施例51〕
以下に、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色を独立に熱記録し、フルカラーの画像を再現することのできる本発明における多層多色感熱記録材料の作製例を示す。
【0088】
(1)シアン感熱発色層(A層)用塗布液の調製
(電子供与性無色染料を含有するカプセル液の調製)
1.A層−1
実施例1(本発明化合物例I−1)のインドリルアザフタリド化合物3部を酢酸エチル20部に溶解させた後、これにアルキルナフタレン(高沸点溶媒20部を添加し、加熱して均一に混合した。
得られた溶液に、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの1対3の付加物(タケネートD−110N:商品名、武田薬品工業製)20部を添加して均一に攪拌し、電子供与性無色染料の溶液を調製した。
2.A層−2
フタル化ゼラチン6%の水溶液54部中に、ドテシルスルホン酸ナトリウム2重量%の水溶液2部を添加して調製した液に、上記の電子供与性無色染料の溶液を加え、ホモジナイザーを用いて乳化分散し、乳化分散液を得た。得られた乳化分散液に水68部を加え、混合して均一にした後、該混合液を攪拌しながら50℃に加熱し、マイクロカプセルの平均粒子径が1.6μmとなるようにカプセル化反応を3時間行わせてカプセル液を得た。
(電子受容性化合物乳化分散液の調製)
実施例1で使用した電子受容性化合物であるビスフェノールPをポリビニルアルコール4%水溶液150部中に加えた後、ボールミルにて24時間分散して分散液を作製し、フタル化ゼラチン15%の水溶液45部及びドテシルスルホン酸ナトリウム10%の水溶液5部を混合した溶液に投入し、ホモジナイザーを使用して10分間乳化し、乳化分散液を得た。
(塗布液の調製)
電子供与性無色染料を含有するカプセル液と電子受容性化合物乳化分散液とを、重量比で1対4となるように混合して塗布液を得た。
【0089】
(2)マゼンタ感熱発色層(B層)用塗布液の調製
(ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)
4−N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート(ジアゾ化合物:365nmの波長の光で分解)2.0部を、酢酸エチル20部に溶解した後、更にアルキルナフタレン20部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液にタケネートD−110N(カプセル壁剤)15部を添加し、均一に混合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【0090】
得られたジアゾ化合物の溶液を、ポリビニルアルコール(重合度1700でケン化度88%のもの)6%の水溶液54部と、ドデシルスルホン酸ナトリウム2%の水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。
【0091】
得られた乳化分散液に水68部を加えて均一に混合し、撹拌しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.1μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせてカプセル液を得た。
(カプラー乳化分散液の調製)
1−フェニル−3−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン2部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を、酢酸エチル10部中に溶解した。得られた溶液を、ゼラチン6重量%の水溶液50gとドテシルスルホン酸ナトリウム2%の水溶液2gを混合した水溶液中に投入した後、ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、乳化分散液を得た。
(塗布液の調製)
ジアゾ化合物を含有するカプセル液とカプラー乳化分散液を重量比で2対3となるように混合して、塗布液を得た。
【0092】
(3)イエロー感熱発色層(C層)用塗布液の調製
(ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)
2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート(ジアゾ化合物:420nmの波長の光で分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解した後、これに高沸点溶媒としてアルキルナフタレン20部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁剤としてタケネートD−110Nを15部添加し、均一に混合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【0093】
得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化ゼラチン6%の水溶液54部とドテシルスルホン酸ナトリウム水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジナイザーを用いて乳化分散した。得られた乳化分散液に水68部を加えて均一に混合した溶液を、更に撹拌しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.3μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせてカプセル液を得た。
(カプラー乳化分散液の調製)
2−クロロ−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェノキシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン1部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解し、ゼラチン6%の水溶液50gとドテシルスルホン酸ナトリウム2%の水溶液2gを混合した水溶液中に投入した後、ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、乳化分散液を得た。
(塗布液の調製)
ジアゾ化合物を含有するカプセル液とカプラー乳化分散液とを、重量比で2対3となるように混合して、塗布液を得た。
(4)中間層用塗布液の調製
ゼラチン(#750:商品名、新田ゼラチン株式会社製)24%の水溶液10gに、アクリル−スチレン系樹脂製中空カプセル(ローペークOP−62:商品名、ロームアンド・ハース社製)2.4gを加えて均一に混合し、中間層液を得た。
【0094】
(5)保護層用塗布液の調製
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(KL−318:商品名、クラレ株式会社製)6%の水溶液100gと、エポキシ変性ポリアミド(FL−71:商品名、東邦化学株式会社製)30%の分散液10gとを混合した液に、ステアリン酸亜鉛40%の分散液(ハイドリンZ:商品名、中京油脂株式会社製)15gを添加して保護層液を得た。
バック層用塗布液
ゼラチン4%水溶液1,200gをバック層用塗布液として使用した。
下塗層を設けた支持体の調製
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートの両面にSBRラテックスを固形分重量で0.3g/m2 となるように塗布した後、下記の下塗層用塗布液を片面当たりの固形分重量が0.1g/m2 となるように両面に塗布して下塗層を設けた支持体を得た。
下塗層用塗布液の調製
ゼラチン5%水溶液(#810:新田ゼラチン株式会社製)200g、粒子径2μmのポリメチルメタクリレート樹脂粒子を5%分散したゼラチン分散物0.5g、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン3%水溶液1.0g、スルホン酸ジ(2−エチル)ヘキシル2%水溶液10gを混合して下塗り層塗布液を得た。
(6)多色感熱記録材料の作製
既に調製した、下塗り層を設けた透明支持体の一方の面に固形分重量で1.8g/m2 (乾燥後の厚さとして10μm)となるようにバック層用塗布液を塗布・乾燥した。
【0095】
次いで、他方の面に、スライドタイプホッパー式ビード塗布装置を使用して、スライド上で、支持体側から順にシアン感熱発色層液、中間層液、マゼンタ感熱発色層液、中間層液、イエロー感熱発色層液及び保護層液となるように多層重層塗布し、乾燥して多色感熱記録材料を得た。
【0096】
塗布量は、乾燥後の固形分換算で、シアン感熱記録層が6.1g/m2 、マゼンタ感熱記録層が7.8g/m2 、中間層が(ゼラチン1.2g/m2 、中空カプセル1.2g/m2 )2.4g/m2 、イエロー感熱記録層が7.2g/m2 、及び保護層が2.0g/m2 となるように各塗布液を塗布した。
(7)熱記録
得られた記録材料を用い、下記のようにして記録した。
【0097】
サーマルヘッドKST型(商品名、京セラ株式会社製)を用い、単位面積当たりの記録熱エネルギーを印加電圧及びパルス幅を調節して、得られた記録材料にマクベス濃度計で測定した画像部の濃度が0.5となるようにイエローの画像を記録した。
【0098】
次いで、発光中心波長420nm及び出力40Wの紫外線ランプ下に10秒間曝して、イエロー感熱発色層を光定着した後、サーマルヘッドの記録熱エネルギーを印加電圧及びパルス幅で調節し、更に、マクベス濃度計で測定した画像部の濃度が0.5となるようにマゼンタの画像を記録した。
【0099】
次に、発光中心波長が365nmで出力40Wの紫外線ランプ下に30秒間曝し、マゼンタ感熱発色層を光定着した後サーマルヘッドの記録熱エネルギーを印加電圧及びパルス幅で調節してマクベル濃度計で測定した画像部の濃度が0.5となるようにシアン画像を記録した。
【0100】
この結果、イエロー、マゼンタ及びシアンの各発色画像の他に、イエローとマゼンタの記録が重複した画像部分は赤色に、マゼンタとシアンの記録が重複した画像部分は青色に、イエローとシアンの記録が重複した部分は緑色に、そしてイエロー、マゼンタ及びシアンの記録が重複した画像部分は黒色に発色した。
〔実施例52〕
実施例51の電子供与性無色染料(本発明化合物例I−1)を本発明化合物例I−15にかえた他は、実施例51と同様にしてフルカラーの多層多色感熱記録材料を得て、実施例52とした。
【0101】
実施例23と同様に非画像部の耐光性試験を行なった。
〔実施例53〜55〕
実施例51の電子受容性化合物であるビスフェノールPを、α,α’−ビス(3,5−ジヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)−p−キシレン(実施例53)、1,3,3,5−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン(実施例54)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン(実施例55)にかえた他は実施例51と同様にしてフルカラーの多層多色感熱記録材料を得た。
〔比較例11〜15〕
実施例51、53〜55の本発明化合物例I−1をそれぞれ化合物A−1にかえた他は、実施例51と同様にしてフルカラーの多層多色感熱記録材料を得た。
【0102】
実施例52の本発明化合物例I−7を化合物A−4にかえた他は、比較例12と同様にしてフルカラーの多層多色感熱記録材料を得た。
【0103】
かくして得られた多層多色感熱記録材料を、実施例8と同様にして画像記録及び記録紙の非画像部の耐光性試験をを行った。
【0104】
実施例51〜55及び比較例11〜15の結果を下記表6に示す。
【0105】
【表6】
【0106】
前記表6から明らかなように、本発明のインドリルアザフタリド化合物を電子供与性無色染料として用いた多層多色感熱記録材料は、従来の電子供与性無色染料を用いたものに比較して、黄変が少なく、非画像部の耐光性に優れていた。
【0107】
【発明の効果】
本発明の新規なインドリルアザフタリド化合物は記録材料用の電子供与性無色染料として有用であり、それを用いた本発明の記録材料は、良好な濃度の青からシアン色の画像を与え、非画像部の光着色が少なく、耐光性に優れるという効果を示した。
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