JP3739837B2 - インドリルアザフタリド化合物およびそれを使用した記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なインドリルアザフタリド化合物および該インドリルアザフタリド化合物を使用した記録材料に関するものである。本発明のインドリルアザフタリド化合物は、電子供与性無色染料と電子受容性化合物を使用した記録材料、特に感圧記録材料、感熱記録材料等の記録材料用電子供与性無色染料として有用である。また、本発明の記録材料は良好な濃度の青からシアン色の画像を与え、画像部の光や熱に対する堅牢性が良好である。また、白地部の光ステインが少ない。
【0002】
【従来の技術】
電子供与性無色染料と電子受容性化合物を使用した記録材料は、感圧紙、感熱紙、感光感圧紙、通電感熱記録紙、感熱転写紙等として既によく知られている。たとえば英国特許2140449、米国特許4480052、同4436920、特公昭60−23992、特開昭57−179836、同60−123556、同60−123557などに詳しい。
記録材料として、近年、画像濃度、画像部の堅牢性および白地部の堅牢性などの特性改良に対する研究が鋭意行われている。
青からシアン色の画像を与える電子供与性無色染料としてトリフェニルメタンフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物など各種種々のものが知られている。
インドリルフタリド系化合物のうちフタリド部のベンゼン環の炭素原子が窒素原子で置換された所謂インドリルアザフタリド系化合物の例は幾つか知られている。具体的には特公昭61−4856、特開昭61−168664、特開昭61−291654、特開昭62−270662などに詳しく記載されている。これらのものは良好な濃度の青からシアン色の画像を与えるが、画像部の光や熱に対する堅牢性が良好で白地部の光ステインが少ないという全ての性能を満足するものはないという問題がある。
【0003】
本発明者らは、青からシアン色の画像を与える電子供与性無色染料で上記性能を満足する化合物に関して鋭意検討した結果、新規なインドリルアザフタリド系化合物で目的とする性能を満たすものを見出した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は良好な濃度の青からシアン色の画像を与え、画像部の光や熱に対する堅牢性が良好で、白地部の光ステインが少ない電子供与性無色染料およびそれを用いた記録材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、下記一般式(I)で表されるインドリルアザフタリド化合物および電子供与性無色染料と電子受容性化合物を使用した記録材料において、下記一般式(I)で表されるインドリルアザフタリド化合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とする記録材料により達成された。
一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
上式中R1 、R2 は各々同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表す。但し、R1 とR2 が同時に水素原子を表すことはない。R3 は、OR4 またはNHR5 を表し、このうちR4 はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を、R5 はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはアシル基を表す。R6 、R7 は各々水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R8 、R9 は各々水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Xは酸素原子または硫黄原子を表す。Y1 、Y2 、Y3 、Y4 のうち1つまたは2つは=N−を表し、他は=CH−を表す。
【0008】
上記一般式(I)において、R1 、R2 のうち炭素数1から18のアルキル基、炭素数4から12のシクロアルキル基、炭素数7から18のアラルキル基、炭素数6から20のアリール基が好ましく、特には炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から12のアラルキル基、炭素数6から12のアリール基が好ましい。これらは更に炭素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0009】
R1 、R2 として具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフエニル基、p−クロロフェニル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基などが好ましい。
【0010】
R1 、R2 は互いに結合して環状アミノ構造になってもよく、環状アミノとして具体的には1−ピロリジニル基、ピペリジリノ基、モルホリノ基などが好ましい。
【0011】
上記一般式(I)において、R3 がOR4 を表す場合、R4 は炭素数1から18のアルキル基、炭素数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から15のアラルキル基、炭素数6から12のアリール基が好ましく、特には炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から12のアラルキル基、炭素数6から12のアリール基が好ましい。これらは更にアルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0012】
R4 として具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基などが好ましい。
【0013】
上記一般式(I)において、R3 がNHR5 を表す場合、R5 は炭素数1から18のアルキル基、炭素数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から15のアラルキル基、炭素数6から12のアリール基、炭素数1から18のアシル基が好ましく、特には炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から6のシクロアルキル基、炭素数7から12のアラルキル基、炭素数6から12のアリール基、炭素数1から12のアシル基が好ましい。これらは更にアルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0014】
R5 として具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基などが好ましい。
【0015】
R4 、R5 はアルキレン基、シクロアルキレン基、アラルキレン基、フェニレン基のような2価の連結基として2分子のインドリルアザフタリド化合物を連結したビス型構造を形成する基であってもよく、この場合の2価の連結基としてはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、シクロヘキシレン基、キシリレン基、メチルキシリレン基、フェニレン基が好ましい。
【0016】
上記一般式(I)において、R6 のうち水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数6から10のアリール基が好ましく、特には水素原子、メチル基、フェニル基が好ましい。フエニル基は置換されていてもよい。
【0017】
上記一般式(I)において、R7 のうち水素原子、炭素数1から18のアルキル基、炭素数6から15のアリール基が好ましく、特には炭素数1から12のアルキル基、炭素数6から10のアリール基が好ましい。これらは更に炭素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数6から10のアリール基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0018】
R7 として具体的には水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフエニル基、p−クロロフェニル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基、2−クロロエチル基などが好ましい。
【0019】
上記一般式(I)において、R8 、R9 のうち水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、塩素原子が好ましく、特には水素原子、メチル基、i−プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子が好ましい。
【0020】
上記一般式(I)において、Xのうち特に酸素原子が好ましい。
【0021】
上記一般式(I)において、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 の2つが=N−を表す場合、Y1 とY4 が=N−であることが好ましい。
【0022】
上記一般式(I)において、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 が=CH−を表す場合、任意の=CH−の水素原子はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよく、置換基としては特にメチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。
【0023】
次に本発明に係るインドリルアザフタリド化合物の具体的な化合物を例示するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】
【化19】
【0040】
【化20】
【0041】
【化21】
【0042】
【化22】
【0043】
【化23】
【0044】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物は製造時に副生する異性体混合物でもよい。例えば、4−アザフタリド体(Y1 :=N−、Y2 =Y3 =Y4 :=CH−)と7−アザフタリド体(Y1 =Y2 =Y3 :=CH−、Y4 :=N−)の混合物や5−アザフタリド体(Y1 =Y3 =Y4 :=CH−、Y2 :=N−)と6−アザフタリド体(Y1 =Y2 =Y4 :=CH−、Y3 :=N−)の混合物であってもよい。
【0045】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物は単独で用いても2種類以上を併用して用いてもよい。例えば、2種類以上の4−アザフタリド体を併用してもよく、4−アザフタリド体1種類と6−アザフタリド体1種類とを併用してもよい。
【0046】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物は従来より公知のトリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物など各種の化合物と併用することができる。フタリド類の具体例は米国再発行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号および同第3,509,174号、フルオラン類の具体例は米国特許明細書第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号、スピロジピラン類の具体例は米国特許明細書第3,971,808号、ピリジン系およびピラジン系化合物類は米国特許明細書第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号、フルオレン系化合物の具体例は特開昭63−94878号等に記載されている。
【0047】
本発明に係る電子供与性無色染料の塗布量は特には限定されないが、0.1〜2.0g/m2 、特には0.2〜1.5g/m2 が好ましい。
【0048】
本発明の記録材料に用いられる電子受容性化合物としては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体などが挙げられる。
これらの例は特公昭40−9309号、特公昭45−14039号、特開昭52−140483号、特開昭48−51510号、特開昭57−210886号、特開昭58−87089号、特開昭59−11286号、特開昭60−176795号、特開昭61−95988号等に記載されている。
【0049】
使用される電子供与性無色染料と電子受容性化合物の比は、重量比で1:10から1:1の間が好ましく、さらには1:5から2:3の間が特に好ましい。
【0050】
本発明に係るインドリルアザフタリド化合物は従来より公知の紫外線吸収剤、蛍光増白剤、酸化防止剤と併用してもよい。
【0051】
併用できる紫外線吸収剤として好ましいものは、ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの例は特開昭47−10537号、同58−111942号、同58−212844号、同59−19945号、同59−46646号、同59−109055号、同63−53544号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−30492号、同48−31255号、同48−41572号、同48−54965号、同50−10726号、米国特許2,719,086号、同3,707,375号、同3,754,919号、同4,220,711号などに記載されている。
【0052】
併用できる蛍光増白剤として好ましいものは、クマリン系蛍光増白剤などが挙げられる。これらの例は特公昭45−4699号、同54−5324号などに記載されている。
【0053】
併用できる酸化防止剤として好ましいものは、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフエノール系酸化防止剤、アニリン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤などが挙げられる。これらの例は特開昭59−155090号、同60−107383号、同60−107384号、同61−137770、同61−139481号、同61−160287などに記載されている。
【0054】
併用できる紫外線吸収剤、蛍光増白剤、酸化防止剤の使用量としては0.05〜1.0g/m2 、特には0.1〜0.4g/m2 が好ましい。
【0055】
本発明の記録材料を感圧紙に用いる場合には、米国特許第2,505,470号、同2,505,471号、同2,505,489号、同2,548,366号、同2,712,507号、同2,730,456号、同2,730,457号、同3,103,404号、同3,418,250号、同4,010,038号などの先行特許に記載されているように種々の形態をとりうる。最も一般的には電子供与性無色染料および電子受容性化合物を別々に含有する少なくとも一対のシ−トから成る。
【0056】
カプセルの製造方法については、米国特許2,800,457号、同2,800,458号に記載された親水性コロイドゾルのコアセルベーションを利用した方法、米国特許3,287,154号、英国特許867,797号、同950,443号、同989,264号、同990,443号、同1,091,076号、特公昭38−19574号、同42−446号、同42−771号などに記載された界面重合法、米国特許3,418,250号、同3,660,304号に記載されたポリマーの析出による方法、米国特許3,418,250号に記載されたイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許3,914,511号に記載されたイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許4,001,140号、同4,087,376号、同4,089,802号に記載された尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁材料を用いるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシプロピルピルセルロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号、特開昭51−9079号に記載されたモノマーの重合によるin−situ方、英国特許952,807号、同965,074号に記載された電解分散冷却法、米国特許3,111,407号、英国特許930,422号に記載されたスプレードライング法などがある。これらに限定されるものではないが、芯物質を乳化した後マイクロカプセル壁として高分子膜を形成することが好ましい。
【0057】
一般的には、電子供与性無色染料を、溶媒(アルキル化ナフタレン、アルキル化ジフェニル、アルキル化ジフェニルメタン、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィンなどの合成油:木綿油、ヒマシ油などの植物油:動物油:鉱物油あるいはこれらの混合物など)に溶解し、これをマイクロカプセル中に含有させ、紙、上質紙、プラスチックシート、樹脂コートテッド紙などに塗布することにより発色剤シートをうる。
また電子受容性化合物および必要に応じて添加剤を単独又は混合して、スチレンブタジエンラテックス、ポリビニールアルコールの如きバインダー中に分散させ、顔料とともに紙、プラスチックシート、樹脂コートテッド紙などの支持体に塗布することにより顕色剤シートを得る。
【0058】
バインダーとしてはカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックスと水溶性高分子を併用することが、耐光性、耐水性の点から好ましい。また顔料としては平均粒径5.0μ以下の炭酸カルシウムを、全顔料の60重量%以上用いるのが、顕色能の点から好ましい。
電子供与性無色染料および電子受容性化合物の使用量は所望の塗布厚、感圧記録紙の形態、カプセルの製法、その他の条件によるのでその条件に応じて適宜選べばよい。当業者がこの使用量を決定することは容易である。
【0059】
感熱紙に用いる場合には、特開昭62−144,989号、特開平1−87291号明細書等に記載されているような形態をとる。具体的には,電子供与性無色染料および電子受容性化合物は分散媒中で10μ以下、好ましくは3μ以下の粒径まで粉砕分散して用いる。分散媒としては、一般に0.5ないし10%程度の濃度の水溶高分子水溶液が用いられ分散はボールミル、サンドミル、横型サンドミル、アトライタ、コロイダルミル等を用いて行われる。
【0060】
その際、熱応答性を改良するために熱可融性物質を感熱発色層に含有させることができる。熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル及び又は脂肪族アミド又はウレイドなどがその代表である。
これらの例は特開昭58−57989号、同58−87094号、同61−58789号、同62−109681号、同62−132674号、同63−151478号、同63−235961号、特開平2−184489号、同2−215585号などに記載されている。
【0061】
これらは電子供与性無色染料と同時又は電子受容性化合物と同時に微分散して用いられる。これらの使用量、電子受容性化合物に対して、20%以上300%以下の重量比で添加され、特に40%以上150%以下が好ましい。
このようにして得られた塗液には、さらに種々の要求を満たす為に必要に応じて添加剤が加えられる。添加剤の例としては記録時の記録ヘッドの汚れを防止するために、バインダー中に無機顔料、ポリウレアフィラー等の吸油性物質を分散させておくことが行われ、さらにヘッドに対する離型性を高めるために脂肪酸、金属石鹸などが添加される。したがって一般には、発色に直接寄与する電子供与性無色染料、電子受容性化合物の他に、熱可融性物質、顔料、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤などの添加剤が支持体上に塗布され、記録材料が構成されることになる。さらに必要に応じて感熱記録層の表面に保護層を設けてもよい。
【0062】
通常、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物は、バインダー中に分散して塗布される。バインダーとしては水溶性のものが一般的であり、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン等があげられる。またこれらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤を加えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等を加えることもできる。これらの使用量としては、0.4〜5g/m2 が好ましく、さらには0.8〜1.6g/m2 が好ましい。
【0063】
得られた感熱塗液は、上質紙、下塗り層を有する上質紙、合成紙、プラスチックフィルム等に塗布される。この際JIS−8119で規定される平滑度が500秒以上特に800秒以上の支持体を用いるのがドット再現性の点から特に好ましい。
【0064】
本発明の記録材料においてはその必要に応じて、公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤プリカーサーなど各種添加剤を使用することができる。
【0065】
本発明の記録材料には必要に応じて記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いられる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋してより一層保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤としては公知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもできる。保護層の塗布量は0.2〜5g/m2 が好ましく、さらには0.5〜2g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好ましい。
【0066】
本発明の記録材料に保護層を使用する場合、保護層中に公知のUV吸収剤やその前駆体を含有してもよい。
【0067】
本発明の記録材料に使用できる支持体としては、酸性紙、中性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙、プラスチックフィルムなどを使用することができる。さらにこれら支持体に公知の下塗り層を設けてもよい。この下塗り層は上記保護層と同様にして設けることができる。
【0068】
支持体のカールバランスを補正するため或いは、裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バックコート層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。このバックコート層についても上記保護層と同様にして設けることができる。
【0069】
本発明のインドリルアザフタリド化合物を米国特許4,399,209号、同4,551,407号、同4,440,846号、同4,536,463号、特開昭63−184738号、同58−88739号、同62−143044号、特開平2−188293号、同2−188294号、3−72358号、同3−87827号、同4−226455号、同4−247985号、同5−124360号、同5−294063号等に記載の種々の記録材料に応用することができる。
【0070】
本発明のインドリルアザフタリド化合物を感熱記録材料、特に多色感熱記録材料に使用することができる。この多色感熱記録材料(感光感熱記録材料)については、特開平4−135787号公報、同4−144784号公報、同4−144785号公報、同4−194842号公報、同4−247447号公報、同4−247448号公報、同4−340540号公報、同4−340541号、同5−34860号等に記載されている。具体的には異なる色相に発色する感熱記録層を積層することにより得ることができる。層構成としては特に限定されるものではないが、特に感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを組み合わせた感熱記録層とを積層した多色感熱記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物を含む第1の感熱記録層、極大吸収波長360nm±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第2の感熱記録層、極大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第3の感熱記録層とするものである。この例において、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録が可能となる。
【0071】
この多色感熱記録材料の記録方法は、まず第3の感熱記録層を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400±20nmの光を照射して第3の感熱記録層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させたのち、第2の感熱記録層が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき第3の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。さらに360±20nmの光を照射して第2の感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解して、最後に第1の感熱記録層が発色する十分な熱を与えて発色させる。このとき第3、第2の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。
【0072】
本発明の記録材料を多色感熱記録材料とした場合には感熱記録層相互の混色を防ぐため、中間層を設けることもできる。この中間層はゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。塗布量は2〜10g/m2 が好ましく、さらには4〜5g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.5〜10μmが好ましい。
【0073】
以下に発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例においてとくに指定のないかぎり重量%をあらわす。
【0074】
【実施例】
以下に実施例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。実施例において特に指定のない限り%は重量%を表す。
〔実施例1〕
本発明化合物96の合成
N,N−ジ−n−プロピル−N′−n−プロピルオキシカルボニル−m−フェニレンジアミン27.8gと(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)(3−カルボキシピリジン−2−イル)ケトン30.8gを無水酢酸38ml中、50〜55℃で3〜4時間攪拌した。この反応溶液を10℃に冷却し、析出した結晶をろ過した。得られた結晶を酢酸エチル−アセトンより再結晶し、本発明化合物96を淡黄色結晶として45.1g得た。
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.59(3H,t),0.92(6H,t),1.21(2H,qn),1.29(3H,t),1.61(4H,qn),2.01(3H,s),3.24(4H,t),3.62(2H,t),4.07(2H,qr),6.15(1H,d),6.38(1H,dd),6.79(1H,t),6.98(1H,br−s),7.04(1H,t),7.22(1H,d),7.42(1H,d),7.54(1H,dd),8.27(1H,dd),8.76(1H,br−s),8.86(1H,dd)
【0075】
〔実施例2〜12〕
種々のm−フェニレンジアミン化合物とピリジンカルボン酸を実施例1と同様に反応して、本発明化合物138(実施例2)、59(実施例3)、103(実施例4)、68(実施例5)、22(実施例6)、142(実施例7)、116(実施例8)、73(実施例9)、126(実施例10)、89(実施例11)、1(実施例12)を合成した。それぞれの物性値を示す。
【0076】
本発明化合物138(実施例2)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.59(3H,t),0.84−0.93(9H,m),1.16−1.39(12H,qn),1.62(6H,qn),1.99(3H,s),3.22(4H,t),3.62(2H,t),3.94(2H,t),6.15(1H,d),6.38(1H,dd),6.78(1H,t),6.98(1H,br−s),7.02(1H,t),7.18(1H,d),7.41(1H,d),7.53(1H,dd),8.28(1H,dd),8.74(1H,br−s),8.88(1H,dd)
【0077】
本発明化合物59(実施例3)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.59(3H,t),0.88(3H,t),1.16(6H,t),1.16−1.39(12H,m),1.62(2H,m),1.99(3H,s),3.34(4H,qr),3.62(2H,t),3.96(2H,t),6.15(1H,d),6.41(1H,dd),6.78(1H,t),7.00−7.06(2H,m),7.19(1H,d),7.42(1H,d),7.54(1H,dd),8.28(1H,dd),8.77(1H,br−s),8.88(1H,dd)
【0078】
本発明化合物103(実施例4)
1H−NMR(aceton−d6) δ(TMS,ppm) 0.76(3H,t),0.91(6H,t),1.03−1.07(4H,m),1.24(3H,t),1.62(4H,qn),1.98(3H,s),2.57−2.77(2H,m),3.28(4H,t),4.16(2H,qr),4.88(1H,m),6.21(1H,m),6.42(1H,dd),6.73(1H,t),7.01(1H,t),7.14(1H,d),7.29(1H,d),7.36(1H,d),7.76(1H,dd),8.33(1H,br−s),8.41(1H,dd),8.94(1H,dd)
【0079】
本発明化合物68(実施例5)
1H−NMR(aceton−d6) δ(TMS,ppm) 0.79(3H,t),0.88(3H,t),1.05−1.12(4H,m),1.17(6H,t),1.27−1.44(10H,m),1.71(2H,qn),2.02(3H,s),2.63−2.79(2H,m),3.39(4H,qr),4.13(2H,qr),4.98(1H,m),6.24(1H,m),6.47(1H,dd),6.75(1H,t),7.04(1H,t),7.22(1H,d),7.29(1H,d),7.36(1H,d),7.78(1H,dd),8.33(1H,br−s),8.42(1H,dd),8.94(1H,dd)
【0080】
本発明化合物22(実施例6)
1H−NMR(DMSO−d6) δ(TMS,ppm) 0.96(3H,t),1.09(6H,t),1.98(3H,s),3.32(4H,qr),3.98(2H,qr),6.36(1H,m),6.44(1H,dd),6.74(1H,t),6.80(1H,d),6.85(1H,t),6.95(1H,t),7.01(2H,d),7.07−7.14(3H,m),7.22(1H,d),7.73(1H,dd),8.12(1H,br−s),8.46(1H,dd),8.53(1H,br−s),8.92(1H,dd)
【0081】
本発明化合物142(実施例7)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.78(3H,t),0.91(9H,m),0.99(4H,m),1.23−1.38(10H,m),1.54−1.72(6H,m),1.96(3H,s),2.37−2.50(1H,m),2.60−2.71(1H,m),3.23(4H,t),3.42(1H,m),3.98(2H,qr),6.39(2H,m),6.81(1H,t),6.96(1H,d),7.05(1H,t),7.22(1H,d),7.45(1H,d),7.55(1H,dd),8.28(2H,m),8.86(1H,dd)
【0082】
本発明化合物116(実施例8)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.60(3H,t),0.88(3H,t),1.19−1.38(8H,m),1.66(2H,m),1.99(3H,s),2.98(6H,s),3.64(2H,m),3.98(2H,t),6.16(1H,d),6.48(1H,dd),6.78(1H,t),7.03(1H,t),7.10(1H,d),7.20(1H,d),7.48(1H,d),7.54(1H,dd),8.29(1H,dd),8.80(1H,br−s),8.86(1H,dd)
【0083】
本発明化合物73(実施例9)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.95(6H,t),1.29(3H,t),1.54−1.66(4H,m),1.98(3H,s),3.20−3.28(7H,m),4.08(2H,m),6.06(1H,d),6.41(1H,dd),6.78(1H,t),6.97(1H,br−s),7.04(1H,t),7.24(1H,d),7.46(1H,d),7.55(1H,dd),8.29(1H,dd),8.86(1H,dd),8.88(1H,br−s)
【0084】
本発明化合物126(実施例10)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.86−0.96(9H,m),1.33(4H,m),1.53−1.70(6H,m),1.98(3H,s),3.26(4H,t),3.28(3H,s),3.98(2H,t),6.07(1H,d),6.39(1H,dd),6.78(1H,t),7.02(1H,br−s),7.05(1H,t),7.22(1H,d),7.43(1H,d),7.54(1H,dd),8.28(1H,dd),8.84(2H,m)
【0085】
本発明化合物89(実施例11)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 0.82(3H,t),0.92(6H,t),1.28(3H,t),1.51(4H,qn),1.99(3H,s),3.23(4H,t),3.63−3.75(2H,m),4.07(2H,qr),6.14(1H,d),6.40(1H,dd),6.78(1H,t),6.94(1H,br−s),7.05(1H,t),7.22(1H,d),7.43(1H,d),7.54(1H,dd),8.28(1H,dd),8.76(1H,br−s),8.87(1H,dd)
【0086】
本発明化合物1(実施例12)
1H−NMR(CDCl3 ) δ(TMS,ppm) 1.16(6H,t),1.28(3H,t),1.98(3H,s),3.27(3H,s),3.35(4H,qr),4.08(2H,m),6.04(1H,d),6.44(1H,dd),6.78(1H,t),7.01(1H,br−s),7.06(1H,t),7.24(1H,d),7.47(1H,d),7.55(1H,dd),8.29(1H,dd),8.86(1H,dd),8.91(1H,br−s)
【0087】
〔実施例13〕
1)電子供与性無色染料含有カプセルシートの調製
ポリビニルベンゼンスルホン酸の一部ナトリウム塩(ナシヨナルスタ−チ社製、VERSA、TL500)5部を水95部に溶解する。これに水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH4.0とした。一方、電子供与性無色染料(本発明化合物96)6.8gを15%溶解したジイソプロピルナフタレン100部を前記ポリビニルベンゼンスルホン酸の一部ナトリウム塩の5%水溶液100部に乳化分散して直径4.0μの粒子サイズをもつ乳化液を得た。別にメラミン6部、37重量%ホルムアルデヒド水溶液11部、水30部を60°Cに加熱攪拌して透明なメラミンホルムアルデヒド初期重合物の水溶液を得た。この水溶液を上記乳化液と混合した。攪拌しながらリン酸水溶液でpHを6.0に調節し、液温を65°Cに上げ6時間攪拌を続けた。このカプセル液を室温まで冷却し水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調節した。
この分散液に対して10重量%ポリビニルアルコール水溶液200部およびデンプン粒子50部を添加し、加水してマイクロカプセル分散液の固形分濃度20%溶液を調整した。
この塗液を50g/m2 の原紙に5g/m2 の固形分が塗布されるようにエアナイフコーターにて塗布、乾燥し電子供与性無色染料含有カプセルシートを得た。
【0088】
2)電子受容性化合物シ−トの調製
3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛14部、炭酸カルシウム80部、酸化亜鉛20部、ヘキサメタリン酸ナトリウム1部と水200部からなる分散液をサンドグライダ−にて平均粒径3μになるように分散した。この分散液に10%PVA水溶液100部およびカルボキシ変性SBRラテックス10部(固形分として)を添加し、固形分濃度が20%になるように加水し、塗液を得た。この塗液を50g/m2 の原紙に5.0g/m2 の固形分が塗布されるようにエアナイフコータ−にて塗布、乾燥し電子受容性化合物シートを得た。
【0089】
3)画像記録
電子供与性無色染料含有マイクロカプセルシート面を、電子受容性化合物シートに重ね300kg/cm2 の荷重をかけ発色させシアン色の色像を得た。
【0090】
4)記録紙の性能評価
(発色濃度)
発色部の画像濃度D0 をマクベス濃度計で測定した。この値が高いほうが、感圧記録紙の感度が高い。
(画像部の耐光性試験)
印字で得られた画像(色像)に対し、キセノンフェードメーター(FAL−25AX−HC型、スガ試験機製)により8時間光照射した後の画像濃度Dをマクベス反射濃度計で測定した。光堅牢性を光照射後の画像の残存率=(D/D0 )×100%を目安として示した。残存率が大きいほど光堅牢性が優れていることを示す。
【0091】
〔実施例14〜27〕
実施例13の電子供与性無色染料(本発明化合物96)を本発明化合物138(実施例14)、本発明化合物59(実施例15)、本発明化合物例29(実施例16)、本発明化合物68(実施例17)、本発明化合物例103(実施例18)、本発明化合物151(実施例19)、本発明化合物163(実施例20)、本発明化合物172(実施例21)、本発明化合物例142(実施例22)、本発明化合物116(実施例23)、本発明化合物例73(実施例24)、本発明化合物126(実施例25)、本発明化合物89(実施例26)、本発明化合物1(実施例27)にかえた他は、実施例13と同様にしてマイクロカプセルシートを得た。実施例13と同様にして画像記録および記録紙の性能評価を行った。
【0092】
〔比較例1〜3〕
実施例13の電子供与性無色染料(本発明化合物96)を3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(比較例1)、3−(4−ジエチルアミノ−2−アセトアミドフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(比較例2)、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(比較例3)に変えた他は、実施例13と同様にしてマイクロカプセルシートを得た。実施例13と同様にして画像記録および記録紙の性能評価を行った。
【0093】
実施例13〜27および比較例1〜3の結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
〔実施例28〕
1)電子供与性染料前駆体カプセル液の調製
電子供与性無色染料(本発明化合物例96)3.0部を酢酸エチル20部に溶解し、さらに高沸点溶剤であるアルキルナフタレン(KMC−210、呉羽化学工業社製)20部を添加して均一に混合した。得られた混合液に、カプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパンの3/1付加物(75重量%酢酸エチル溶液)(タケネートD−110N(武田薬品工業株式会社製))20部を添加し、均一に攪拌した。
【0096】
別途、ポリビニルアルコール(重合度1700、鹸化度88%)の6%水溶液54部を用意し、前記の電子供与性染料前駆体を添加した後、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加えて均一化した後、攪拌しながら50℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行なわせて目的のカプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.6μmであった。
【0097】
2)電子受容性化合物分散液の調製
電子受容性化合物として、ビスフェノールA30部をポリビニルアルコール4%水溶液150部中に加えた後、ボールミルにて24時間分散して分散液を作製した。得られた分散液中の電子受容性化合物の平均粒径は1.2μmであった。3)塗布紙の調製および画像記録
上記電子供与性染料前駆体カプセル液、電子受容性化合物分散液を電子供与性染料前駆体/電子受容性化合物のモル比が1/15となるように混合して、目的の塗布液を調製した。
厚み75μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、メイヤーバーで、上述の塗布液を塗布・乾燥して目的の感熱記録材料を得た。
発色濃度は京セラ製印字試験機で印字しシアン色の像を得た。
【0098】
4)記録紙の性能評価
(発色濃度)
発色部の画像濃度D0 をマクベス濃度計で測定した。この値が高いほうが、感熱記録紙の感度が高い。
(非画像部、画像部の耐光性試験)
印字で得られた画像(色像)に対し、キセノンフェードメーター(FAL−25AX−HC型、スガ試験機製)により24時間光照射した後の画像濃度D1 をマクベス反射濃度計で測定した。光堅牢性を光照射後の画像の残存率=(D1 /D0 )×100%を目安として示した。残存率が大きいほど光堅牢性が優れていることを示す。
(画像部の耐熱性評価)
印字した得られた画像を80℃のオーブンに3日間保管し、保管後の印字部の濃度D2 を測定した。耐熱性をオーブン保管後の画像の残存率=(D2 /D0 )×100%を目安として示した。残存率が大きい程、耐熱性が良好であることを示す。
【0099】
〔実施例29〜40〕
実施例28の電子供与性無色染料(本発明化合物96)を本発明化合物138(実施例29)、本発明化合物59(実施例30)、本発明化合物29(実施例31)、本発明化合物48(実施例32)、本発明化合物73(実施例33)、本発明化合物89(実施例34)、本発明化合物103(実施例35)、本発明化合物151(実施例36)、本発明化合物163(実施例37)、本発明化合物142(実施例38)、本発明化合物116(実施例39)、本発明化合物126(実施例40)にかえた他は、実施例28と同様にして感熱記録紙を得た。実施例28と同様にして画像記録および記録紙の性能評価を行った。
【0100】
〔比較例4〜6〕
実施例28の電子供与性無色染料(本発明化合物96)を3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(比較例4)、3−(4−ジエチルアミノ−2−アセトアミドフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(比較例5)、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(比較例6)に変えた他は、実施例28と同様にして感熱記録紙を得た。実施例28と同様にして画像記録および記録紙の性能評価を行った。
【0101】
実施例28〜40および比較例4〜6の結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】
本発明により、良好な濃度の青からシアン色の画像を与え、画像部の光や熱に対する堅牢性が良好で、白地部の光ステインが少ない記録材料を得ることができる。
Claims (2)
- 一般式(I)で表されるインドリルアザフタリド化合物。
一般式(I)
- 電子供与性無色染料と電子受容性化合物を使用した記録材料において、一般式(I)で表されるインドリルアザフタリド化合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とする記録材料。
一般式(I)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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