JP3683064B2 - スクシニル繰り返し単位を有するポリマーの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、スクシニル繰り返し単位を有するポリマー類を製造する方法に関する。
【0002】
このようにして製造したポリマー類に有機および無機塩基を用いた加水分解を受けさせることで相当する誘導体を生じさせることができる。
【0003】
スクシニル単位を含むポリマー類の製造、特にポリアスパラギン酸およびポリスクシニミドの製造は、数年に渡って、広範な研究の主題であった。
【0004】
米国特許第4 839 461号(ヨーロッパ特許出願公開第0 256 366号)には無水マレイン酸と水とアンモニアからポリアスパラギン酸を製造することが記述されている。リンゴ酸、マレイン酸および/またはフマル酸の誘導体と一緒にアミノ酸に重縮合反応を100から225℃で受けさせることができることは米国特許第4 590 260号から公知である。米国特許第4 696 981号に従い、そのような反応の実施でマイクロ波を用いることができる。
【0005】
米国特許第5 288 783号には、マレイン酸またはフマル酸と水とアンモニアから190から350℃の温度および160から200℃の温度の押出し加工でポリアスパラギン酸を製造することが記述されている。次に、上記方法の2ルートの1つで調製したポリスクシニミドにアルカリ条件下で加水分解を受けさせるとポリアスパラギン酸が生じる。
【0006】
ヨーロッパ特許出願公開第0 625 531号には、モノエチレン系不飽和酸もしくは無水物と窒素含有成分からポリマー類を製造する連続方法が記述されており、そこには流動化剤(fluidizing agent)を存在させてもよいことが記述されている。
【0007】
本発明は、スクシニル繰り返し単位を有するポリマー類を製造する方法に関し、ここでは、第一反応段階で、(A)不飽和C4ジカルボン酸またはそれの誘導体と(B)窒素供与化合物(nitrogen−donating compound)を反応させることで(A)と(B)の少なくとも1種の低分子量反応生成物および/または(A)と(B)のプレポリマー(好適には>1300の分子量Mwを有する)を含む反応混合物を生じさせた後、第二反応段階で、該反応混合物を連続運転反応槽に連続供給してこの反応混合物を140から350℃の温度で処理することでスクシニル繰り返し単位を有していて分子量Mwが>1300のポリマーを生じさせる。
【0008】
好適な化合物(A)は無水マレイン酸、マレイン酸およびフマル酸である。これらは個別にか或は混合物として使用可能である。
【0009】
好適な化合物(B)は、アンモニアであるか或はアンモニアを放出する化合物、特に炭酸のアンモニウム塩およびアミド類、例えば重炭酸アンモニウム、炭酸ジアンモニウムなど、尿素、イソ尿素(シアン酸アンモニウム)、カルバミン酸または炭酸アンモニウムなどである。また、他の有機および無機アンモニウム塩も同様に使用可能である。このような前駆体は個別にか或は混合物として塊状または溶液の状態で使用可能である。アンモニアを前駆体(B)として用いる場合、これはまた気体形態でも使用可能である。
【0010】
好適には、無水マレイン酸とアンモニアまたはアンモニア誘導体を反応させるか、或は最初に無水マレイン酸と水を反応させてマレイン酸を生じさせた後これをアンモニアおよびアンモニア誘導体と反応させることにより、反応混合物を調製する。
【0011】
好適な態様では、無水マレイン酸をアンモニアまたはアンモニア誘導体と反応させる。この反応では適切な溶媒を用いることができる。好適には水を用いる。
【0012】
この反応を実施する条件に応じて、無水マレイン酸の二次的誘導体、例えばマレイン酸モノアミド、マレイン酸モノアミドのアンモニウム塩、マレイン酸のモノアンモニウム塩、マレイン酸のジアンモニウム塩、アスパラギン酸、アスパラギン酸のモノアンモニウム塩、アスパラギン酸のジアンモニウム塩、イミノジスクシネートのモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラアンモニウム塩、アスパラギン、アスパラギンのアンモニウム塩、イミノジスクシネートジアミドのジアンモニウム塩、およびそれらが基になって生じる縮合生成物などが生成する。水を存在させると、酸アミド類が加水分解を受けることでまた相当するアンモニウム塩も生じる。
【0013】
別の好適な態様では、最初に無水マレイン酸を水と反応させることでマレイン酸を生じさせた後、これを水溶液中でアンモニアまたはアンモニア誘導体と反応させることで反応混合物を生じさせる。
【0014】
本発明に従い、また、相当するフマル酸誘導体およびマレイン酸誘導体が追加的に入っていてもよい反応混合物を生じさせることも可能である。更に、アミノ基を有する成分は全部、カルボン酸を有する他の成分と一緒にペプチド結合を形成することで、縮合形態で存在する可能性がある。
【0015】
好適には、前駆体(A)中の無水マレイン酸またはそれの誘導体を基準にした前駆体(B)中の窒素のモル比が0.1から25、好適には0.5から8、特に好適には0.9から4の範囲になるような量で、無水マレイン酸およびそれの誘導体を前駆体(A)として用いる。
【0016】
この第一反応段階は迅速で高い発熱を示す反応であり、その結果として、非特定的な反応手順の場合、例えば温度がひどく上昇する場合、生成物が損傷を受ける可能性がある。しかしながら、本発明に従い、所望の反応混合物が生じるように、好適には一定の反応条件下で、温度プログラムの管理を確保することができる。好適な反応条件は60から250℃、特に70から170℃、特に好適には80から150℃の範囲の温度である。反応時間は多様であり、特に1分から数時間になる可能性があり、好適には2分から3時間である。圧力を具体的には反応手順および/または温度の関数として樹立する。適宜不活性ガスを添加することで圧力を樹立することも可能である。
【0017】
この第一反応段階の実施では、特に、反応条件の良好な調節を可能にする反応槽全部が適切である。適切な滞留時間を与え得る不連続運転装置で反応を実施するのが有利である。この場合、反応容積を用いて前駆体の流れを希釈することができ、従って反応速度を低くすることができるが、それにも拘らず、望まれる中間体生成物の生成を可能にするに充分な反応温度を実現化することができる。好適な反応槽は全種類の撹拌タンク反応槽(ポンプ循環の装備有り無し)、撹拌タンクカスケード、ループ反応槽、管型反応槽(再循環を伴う)などである。気体状アンモニアを用いる場合に挙げることができる反応槽の例は、バブルカラム(bubble columns)、気体撹拌タンク(gassed stirred tanks)およびエアーリフトループ反応槽(airlift loop reactors)である。
【0018】
第一反応段階を好適には不連続撹拌タンク内で実施する。この場合、最初に前駆体(A)または(B)の1つを適宜溶媒に入れて導入した後、もう1つの前駆体を添加してもよい。別の態様では、前駆体(A)と(B)を同時に不連続反応槽に供給する(半バッチ式手順)。適宜、予め混合した形態で上記前駆体を不連続反応槽に供給する。ここでは全種類のミキサーが使用可能である。例えば、このミキサーはジェットミキサー、例えばノズルミキサー、静的ミキサーまたは動的ミキサーなどであってもよい。
【0019】
気体状アンモニアを用いる場合、好適には、適切な気体分配器に通してそれを反応槽に供給する。全種類の静的気体供給装置(例えば穴開き板、焼結板、環状気体供給装置、気体供給ランスなど)および動的気体供給装置(例えばインジェクター、エジェクター、気体供給撹拌機など)が考えられ得る。また、適切なインラインミキサー(ノズル、静的ミキサー、インジェクター、エジェクター)を用いたポンプ循環で気体状アンモニアを供給することも可能である。
【0020】
反応槽に入れる計量が終了した時点で、その反応混合物を直接重合させてもよいか、或は好適には所望反応温度に加熱してその反応温度に特定時間保持してもよい。ここでは、一般に反応槽を加圧下に保持する。これにより、溶媒および/または生成して来る反応水いずれもが反応混合物から蒸発で出て行かないようにする。別の態様では、反応混合物の温度および/または特性を特定様式で管理する目的で、圧力を調節して溶媒および/または生じて来た反応水いずれかを特定様式で蒸発させる。
【0021】
この第一不連続反応段階で生じる複雑な反応混合物は、スクシニル繰り返し単位を有するポリマー類の製造で今までには記述されていなかった。これらは、複雑な組成を有することから、ポリアスパラギン酸の製造で知られる出発生成物とは異なる。とりわけ、イミノジスクシネートの場合、ポリペプチド類の構成で必要なアスパラギン酸のアミノ基は、更にC4単位が付加していることでブロックされている(blocked)。従って、そのような化合物またはこの化合物を含む混合物がポリマー類の構成で用いるに適切であることは明らかでなかった。
【0022】
第一反応段階で生じる反応混合物(これはまた、前に調製した種々の反応混合物の混合物、および適宜1つの反応混合物または種々の反応混合物と前駆体(A)および/または(B)との混合物も包含する)に、第二反応段階で、熱重合を適切な装置内で受けさせることにより、所望の生成物を生じさせる。ここで、この反応混合物の選択は、この生成物の種々の用途分野で望まれる製品品質に依存する。好適な態様では、1つプラントにおいて、熱重合を継続して行う反応槽と並行させて第一反応段階の不連続反応槽をいくつか運転する。このように、製造プラントに関して、高い度合の柔軟性が達成される。
【0023】
この熱重合では、好適には、重合に要する最小限の滞留時間を与えることに加えて粘性のある液相の滞留時間分布を狭くしそして必要な温度プログラムを可能にすると同時に溶媒、特に水および反応中に生成して来る水を少なくともある程度蒸発させることを可能にする装置全部が適切である。
【0024】
更に、均一な鎖長を有するポリマー鎖を作り上げる目的で、できるだけ同じ反応条件下で全分子の滞留時間が可能な限り同じになるように熱重合を実施すべきである。狭い滞留時間スペクトルを示す適切な反応槽は関連文献で知られている(例えばUllmann:Encyclopedia of Industrial Chemistry、1992、B4巻、97−120)。
【0025】
このように、熱重合に好適な装置は、固相または高粘液相で明確な滞留時間を与えると共に狭い滞留時間分布を与えそして同時に溶媒および/または重合中に生成する反応水を少なくとも部分的に蒸発させることで良好な温度管理を可能にする装置全部である。好適なそのような装置は例えば下記であり得る:
a) 遅延管(delay tubes)
[O. Levenspiel
The Chemical Reactor Omnibook
OSU Book Stores Inc. Corrallis Oregon1989年1月、3−5章参照、]
b) 可動バッフル、好適にはスクリューが備わっている高粘用反応槽、またはヨーロッパ特許出願公開第0 612 784 A1号に記述されている如きList反応槽、
c) 乾燥器(例えばパドル乾燥器またはスプレー乾燥器)、好適にはドイツ特許出願公開第4 425 952号に記述されている如き乾燥器、
d) 撹拌タンクカスケード、特にLevenspiel(上を参照)が記述している如きカスケード、
e) 薄層蒸発装置、特にW.L. McCade, J.C. Smith, Unit operations of chem ical engineering, McGrace Hill,第2版、1967、16章、445頁に記述されている如き蒸発装置、
f) 可動バッフルなしの高粘用反応槽(例えば多相螺旋管反応槽(MPHR))、特にDT 1 667 051およびドイツ特許第219 967号に記述されている如き反応槽、
g) マイクロ波反応槽、特に米国特許第4 696 981号に記述されている如き反応槽。
【0026】
勿論、上述した装置の組み合わせを用いることも可能である。管型反応槽またはMPHRを用いると特に良好な結果が達成される。このような装置が本発明に従う方法の実施で用いるに特に適切であることを確認した。
【0027】
実施する反応の反応槽温度を調節する目的で、熱の除去と供給を組み合わせて反応混合物全体またはそれの一部を循環させてもよい。このような反応手順では、この上で述べた構造を有していて熱の除去と供給を組み合わせて反応混合物を循環させることができる反応槽全部およびループ型反応槽全部が特に適切である。
【0028】
好適な態様における望ましい反応手順では、最適な温度プロファイルおよび最適な生成物特性を達成することができるに適切な様式で、第一反応段階で生じさせた反応混合物か或は前に調製した種々の反応混合物の混合物、そして適宜、1つの反応混合物または種々のプレポリマー類と前駆体(A)および/または(B)または1つの前駆体成分(A)および/または(B)または溶媒との混合物を、管型反応槽または多相螺旋管型反応槽に沿ったいくつかの地点で計量して入れてもよい。計量地点の数は好適には10以下の範囲である。反応溶液との良好な混合が起こるように供給の種類を選択する。
【0029】
第一反応段階で生じさせたプレポリマーか、或は前に調製した種々のプレポリマー類の混合物か、或は適宜、1つのプレポリマーまたは種々のプレポリマー類と前駆体(A)および/または(B)との混合物を、使用する物質に応じて、50℃から270℃の範囲の温度で重合反応槽に供給する。次に、使用する物質の性質および濃度に応じて、第二反応段階が120から350℃、好適には140から300℃、特に好適には140から270℃で起こり得るように、熱の除去または反応槽への熱供給を管理する。有利には、反応槽内の圧力、第一反応段階で生じるプレポリマーの物質流れ、そして前に調製した種々のプレポリマー類の混合物、または適宜、1つのプレポリマーまたは種々のプレポリマーと前駆体(A)および/または(B)の混合物の供給量、および溶媒の含有量を通して、温度を樹立する。更に、熱交換の目的で、異なる温度を有する範囲の生成物−前駆体を反応系内で直接または間接的に接触させることも可能である。
【0030】
第二反応段階で用いる反応系における滞留時間を120分以下にする。30分以下の滞留時間が好適である。温度を高くして滞留時間を短くするのが特に好適である、即ち120から200℃の範囲の温度では30分以内にし、200から250℃の範囲の温度では10分以内にし、250から300℃の範囲の温度では5分以内にし、そして300℃以上の温度では2分以内にする。好適には、本質的に完全な重合が起こるように滞留時間を選択する。その結果として生じる反応生成物は、反応のエンタルピーが放出されそして熱を除去または供給することから、水または溶媒の含有量に応じて、熱溶液であるか、溶媒を含有する溶融物であるか、或は水系溶融物である。
【0031】
本発明に従う方法で製造するポリマー類は、下記の構造:
【0032】
【化2】
【0033】
[R=ONH4、NH2または構造物1、2、3、4、5および6]
の少なくとも1つで表されるスクシニル繰り返し単位を含む。
【0034】
一般に、このポリマー類は主に繰り返し単位1、2および3を含む。
【0035】
加うるに、適切な反応手順を用いそして適切な前駆体を選択することにより、このポリマー類に他の繰り返し単位、例えば
a)式
【0036】
【化3】
【0037】
で表されるマレイン酸単位、および
b)式
【0038】
【化4】
【0039】
で表されるマレイン酸およびフマル酸単位、
を含めることも可能である。
【0040】
好適には、13C−NMR、FT−IRを用いそして全加水分解後にHPLC、GCおよびGC/MSを用いて、化学構造の分析を行う。
【0041】
本発明のさらなる進展に従い、結果として生じるポリスクシニミドの構造は前駆体の化学量論的比率の影響を受け得る。
【0042】
この重合生成物に加溶媒分解を受けさせることができる。適切な反応相手はアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、例えば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、アンモニアおよびアミン類、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、アルキルアミン類などである。ここでは加水分解を7から12のpHで行うのが好適である。
【0043】
結果として生じる生成物はアスパラギン酸繰り返し単位を含み、これは遊離酸形態において下記の式:
【0044】
【化5】
【0045】
に相当する。
【0046】
このポリマーを全体的にか或は本質的に上記繰り返し単位で構成させる場合、これはポリアスパラギン酸である。
【0047】
β形態の含有量は一般に50%以上、好適には70%以上である。
【0048】
加水分解中の温度は、適切には、ポリマー懸濁液の沸点に及ぶ温度を含む範囲、好適には20から150℃の範囲である。この加水分解を適宜加圧下で実施する。ここでは一般に塩が得られる。
【0049】
しかしながら、また、加水分解を純粋に水系で行うか或は酸または酸イオン交換体で上記塩を処理することにより、遊離酸を得ることも可能である。
【0050】
反応条件、例えば滞留時間および重合温度などに応じて、いろいろな鎖長または分子量を達成することができる。ゲル浸透クロマトグラフィーによる分析に従い、特にMw=1300から10,000、好適には1300から5000、特に好適には1300から4500の分子量を得る。
【0051】
本発明に従って製造したポリマー類は、加水分解を受けさせていない形態か、或は好適には加水分解を受けさせた形態で、低燐および無燐洗剤およびクリーニング組成物の添加剤として使用可能である。これらは洗剤の混和剤になり、洗濯中の湯垢発生を低くしそして洗濯した織物が灰色化する傾向を低くする効果を有する。
【0052】
更に、本発明に従って製造したポリマー類は水処理剤として用いるに適切である。これらは、冷却用循環系、蒸発装置または海水脱塩プラントの水に添加可能である。更に、これらは、サトウキビジュースの濃縮中に起こる堆積を防止するための薬剤としても使用可能である。
【0053】
更に、これらは、分散剤、漂白剤用安定剤および腐食抑制剤として用いるに適切であり、有機および無機顔料を分散させるに適切であり、肥料の添加剤として用いるに適切であり、そして研磨助剤として用いるにも適切である。
【0054】
本発明に従うポリマー類は良好な分散性を示すことから、これらはまた、無機顔料用分散剤として用いるに適切であり、そして例えばアルカリ土類金属水酸化物、例えばCa(OH)2およびMg(OH)2など或はまたそれらの酸化物および炭酸塩などが入っている高濃度の固体分散液(スラリー)を製造するための分散剤として用いるに適切であり、かつセメント用添加剤またはセメント液化剤として用いるにも適切である。
【0055】
本発明は更に改質ポリマー類を製造する方法にも関し、ここでは、本発明に従う方法を用いて、
a)0.1から99.9モル%の、前駆体(A)および(B)と、
b)99.9から0.1モル%の、
脂肪酸、脂肪酸アミド類、多塩基性カルボン酸、それらの無水物およびアミド類、多塩基性ヒドロキシカルボン酸、それらの無水物およびアミド類、ポリヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、糖カルボン酸、アルコール類、ポリオール類、アミン類、ポリアミン類、アルコキシル化アルコール類およびアミン類、アミノアルコール類、アミノ糖類、炭水化物、エチレン系不飽和モノ−およびポリ−カルボン酸およびそれらの無水物およびアミド類、蛋白質の加水分解物、例えばトウモロコシ蛋白質の加水分解物および大豆蛋白質の加水分解物など、アミノスルホン酸およびアミノホスホン酸などを、
反応させる。
【0056】
本発明に従う重合では、a)の下で記述した前駆体(A)および(B)を、0.1から99.9モル%の度合、好適には60から99.9モル%の度合、特に好適には75から99.9モル%の度合で用いる。
【0057】
このポリマー類の可能な成分(b)は脂肪酸全部である。これらは飽和もしくはエチレン系不飽和であってもよい。その例は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ソルビン酸、ミリスチン酸、ウンデカン酸、並びに天然に存在する脂肪酸混合物全部、例えばC12/C14脂肪酸混合物またはC16/C18脂肪酸混合物などである。不飽和脂肪酸としてまたアクリル酸およびメタアクリル酸も使用可能である。
【0058】
更に、上記酸はまたそれらのアミド形態でも使用可能である。使用可能な多塩基性カルボン酸は、例えばしゅう酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、マロン酸、スベリン酸、アコニット酸、イタコン酸、スルホこはく酸、アルケニルこはく酸(C1−C26)、1,2,3−プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸およびピリジンジカルボン酸などである。多塩基性カルボン酸の無水物、例えば無水こはく酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸および無水フタル酸なども同様に使用可能である。更にまた可能な成分(b)は多塩基性ヒドロキシカルボン酸およびポリヒドロキシカルボン酸である。多塩基性ヒドロキシカルボン酸は、少なくとも1個のヒドロキシル基に加えて、カルボキシル基を少なくとも2個以上有する。ここで挙げられる例はリンゴ酸、酒石酸、ウヴィン酸、クエン酸およびイソクエン酸である。
【0059】
一塩基性ポリヒドロキシカルボン酸は、1個のカルボン酸基に加えてヒドロキシル基を2個以上有し、例えばグリセリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸およびグルコン酸などである。C原子を例えば1から22個有する一価アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなども更に適切である。このアルコール類はまた任意に二重結合を有していてもよく、例えばアリルアルコールまたはオレイルアルコールなどであってもよい。このアルコール類は更に例えばエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドなどでアルコキシル化されていてもよい。脂肪アルコール類またはオキソアルコール類にエチレンオキサイドを3から50モル付加させた付加体に特に産業的興味が持たれる。飽和または不飽和ポリオール類も更に成分(b)として使用可能であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブテンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびネオペンチルグリコールなどに加えて、アルコキシル化ポリオール類、例えばポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、または6000以下の分子量を有するようにエトキシル化されたトリメチロールプロパン、グリセロールもしくはペンタエリスリトールなども使用可能である。更にまた適切なコモノマー類(b)は、アミン類、例えばC1−C22アルキルアミン類、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、イソオクチルアミン(エチルヘキシルアミン)、ステアリルアミン、アリルアミン、オレイルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、ジアミノブタン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびアミノプロパンジオールなど、並びにポリアルキレンアミン類、例えば6000以下の分子量を有するポリエチレンアミンなどである。このアミン類はまたアルコキシル化されていてもよく、例えば脂肪アミン類、例えばオレイルアミン、パルミチルアミンまたはステアリルアミンにエチレンオキサイドを3から30モル付加させた付加生成物などであってもよい。アミノ糖類、例えばアミノソルビトールまたはキトサミンなども更にまた適切である。炭水化物、例えばグルコース、スクロース、マルトース、デキストリン、澱粉など、または糖カルボン酸、例えば粘液酸、グルコン酸、グルクロン酸またはグルカリン酸などもまた成分(b)として用いるに適切である。アミノ酸、プロテイノーゲン(proteinogens)、例えばグリシン、アラニン、グルタミン酸およびリジンなど、或は非プロテイノーゲン、例えば4−アミノ酪酸、ジアミノこはく酸、11−アミノウンデカン酸および6−アミノカプロン酸なども更に成分(b)として使用可能である。上記重合では、成分(b)の化合物を0.1から99.9モル%、好適には0.1から40モル%、特に好適には0.1から25モル%の量で用いる。成分(b)の化合物1種または(b)の化合物2種以上の混合物を用いることができる。第一反応段階において、成分(b)の化合物を主要前駆体(a)の1つと一緒に所望比で混合した後、混合物として用いてもよい。
【0060】
別の態様では、第二反応段階を実施する時に成分(b)の化合物を熱重合用反応槽に入れることで、これらを反応混合物に添加する。同様に、第一反応段階で成分(b)の化合物を主要前駆体(a)と同時に計量して入れることも可能である。
【0061】
成分(b)として単官能化合物、例えばアルコール類、アミン類、脂肪酸または脂肪酸アミド類などを用いる場合、これらは鎖末端に組み込まれる。これらは鎖停止剤として働くことで、分子量を低くする。成分(b)の多官能化合物は、仕上げポリマーにおいて、鎖末端に組み込まれると共にポリマー鎖全体に渡ってランダムに分布し得る。
【0062】
通常の処理方法、例えば水そして1Nの塩酸を用いた抽出、または膜濾過などにより、粗ポリマー類からモノマー内容物を除去することができる。このコポリマー類を13C−および15N−NMR分光法、FT−IR分光法で分析し、そして全加水分解後、HPLC、GCおよびGC−MSで分析する。
【0063】
改質ポリマー類を、好適には、該ポリスクシニミド類に水系加水分解を適宜加圧下20℃から150℃およびpH7から12で受けさせることで調製する。しかしながら、また、この反応は上記温度範囲外の温度および他のpH値でも実施可能である。適切な塩基はアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、例えば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど、アンモニアおよびアミン類、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、アルキルアミン類などである。共重合した形態でアスパラギン酸を0.1から99.9モル%および少なくとも1種の化合物(b)を99.9から0.1モル%含んでいて部分的または完全中和のコポリマー類が得られる。
【0064】
この加水分解で第一級アミン類または第一級アミノ基を有する塩基を用いる場合、生じたアミン塩に脱水を受けさせることでこれを相当するアミド類に変化させることができる。適宜真空を補助で用いて熱処理を30℃から250℃の温度で行うことにより、水を脱離させることができる。
【0065】
本発明に従う改質ポリマー類は低燐および無燐洗剤およびクリーニング組成物の添加剤として使用可能である。このポリマー類は洗剤の混和剤になり、洗濯中の湯垢発生を低くしそして洗濯した織物が灰色化する傾向を低くする効果を有する。
【0066】
更に、本発明に従う改質ポリマー類は水処理剤として用いるに適切である。これらは、冷却用循環系、蒸発装置または海水脱塩プラントの水に添加可能である。更に、これらは、サトウキビジュースの濃縮中に起こる堆積を防止する薬剤としても使用可能である。
【0067】
本発明に従う改質ポリマー類は良好な分散性を示すことから、これらはまた、無機顔料用分散剤として用いるに適切であり、そして例えばアルカリ土類金属水酸化物、例えばCa(OH)2およびMg(OH)2など或はまたそれらの酸化物および炭酸塩などが入っている高濃度の固体分散液(スラリー)を製造するための分散剤として用いるに適切であり、かつセメント用添加剤またはセメント液化剤として用いるにも適切である。
【0068】
以下に態様実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。
【0069】
【実施例】
スクシニル繰り返し単位を有するポリマー類を下記の如く得る:
実施例1
1.1 74.5重量%濃度のマレイン酸(NH 4 ) 1.7 塩溶液の調製
最初に、撹拌タンクに水を51.7kg入れて60℃に加熱する。75.0kg、即ち0.765キロモルの無水マレイン酸を分割して加える。温度を80℃に上昇させる。その後、22.1kg、即ち1.3キロモルのアンモニアガスを加える。この操作中、アンモニアの計量が終了するまでに温度が100℃に上昇する。74.5重量%濃度のMS(NH4)1.7塩溶液を148.8kg得る。
【0070】
1.2 溶液の熱処理
上記の結果として生じた溶液を100℃で16時間熱処理する。
【0071】
1.3 熱処理溶液の重合
この熱処理した溶液を長さが58mで断面が15mmの加熱螺旋管に約21kg/時でポンプ輸送する。ここでは、この重合を約190−200℃で実施する。この操作中、溶液の水および反応水の大部分が蒸発し得る。
【0072】
粗ポリマー生成物は上記管の末端部の所で排出され、これは、輸送を強制的に行う必要なく、上記螺旋管内で個々に形成される流れによって排出される。上記管に連結させたタンク内で上記熱粗生成物を水で希釈する。分析の結果、組成は下記であることが示された:炭素(C4単位)を基準にした全窒素(N)は理論値の177%。
【0073】
1.4 ポリアスパラギン酸Na塩を生じさせる加水分解
カルボキシル基の加水分解を完全に起こさせるに必要な水酸化ナトリウム溶液量を加水分解価(hydrolysis number)(HN)で測定する。この測定方法の場合、ペプチド結合の加水分解は起こらない。上記の結果として生じた粗生成物のHNは、粗生成物溶液1g当たり3.08ミリモルのNaOHである。
【0074】
水酸化ナトリウム溶液を加圧下130℃で用いて加水分解を3時間実施する。次に、遊離したアンモニアを留出させる。
【0075】
1.5 PAA Na塩溶液の分析
上記の結果として生じたPAA Na塩溶液の炭素含有量は30%である。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定により、重量平均Mwは1390であることが示された。炭酸カルシウムの分散容量(CCC)をpH11において25℃で測定した結果、PAA Na塩1g当たり22mgのCaCO3から成るCCC値が得られた。10gのZnOに水を入れて200mLにした水分散液に関してZnO含有量を測定した結果、PAA Na塩の量を20mgにした時の値は、2時間後理論値の67%であり、使用量が50mgの時は理論値の74%であり、そして使用量が100mgの時は理論値の64%であることが示された。
【0076】
このデータは、熱処理したMA NH4塩溶液(これは不均一な組成を有する)を重合させることによって分散および金属イオン封鎖性を示すポリアスパラギン酸Na塩を得ることができることを示している。
【0077】
実施例2
実施例1で熱処理した溶液を21kg/時の量で再び重合で用いる。58mの螺旋管反応槽における反応温度を200から210℃にする。この粗生成物を水に入れて分析した結果、組成は下記であることが示された:全窒素(N)は理論値の177%。相当して加水分解を実施した結果、HNは、PAA粗生成物溶液1g当たり3.46ミリモルのNaOHであった。24重量%濃度のPAA Na塩溶液は下記の分析値および特性を示した:
Mw(GPCによる)=1690;CCC=35mgのCaCO3/1gのPAANa塩;pH9.5で20℃の水分散液のZnO含有量=PAA Na塩の使用量が20mgとき理論値の71%;PAA Na塩の使用量が50mgとき理論値の76%;PAA Na塩の使用量が100mgとき理論値の78%;そしてPAA Na塩の使用量が200mgとき理論値の73%。
【0078】
実施例3
3.1 73.6%濃度のマレイン酸(NH 4 ) 1.3 塩溶液の調製
この手順は実施例1.1と同様である。この場合、水を51.7kg、MAAを75kgおよびアンモニアガスを16.9kg用いた。溶液を143.6g得た。
【0079】
3.2 溶液の熱処理
上記溶液を100℃で5時間熱処理する。
【0080】
3.3 熱処理溶液の重合
この熱処理した溶液を58mの加熱螺旋管に20kg/時で連続ポンプ輸送する。主に(温度パターンはそれ自身が樹立することから)185−200℃の温度で重合を実施する。水に入れた粗生成物は下記のN含有量を示した:全N=理論値の139%。
【0081】
3.4 ポリアスパラギン酸Na塩の加水分解
粗PAA生成物が示すHNは3.22ミリモルのNaOH/gであった。加水分解を130℃で3時間行った後、遊離したアンモニアを留出させた。本質的に無臭の溶液を分析する。
【0082】
3.5 PAA Na塩溶液の分析
このPAA Na塩溶液は下記を示した:炭素の含有量33重量%、全N=理論値の83%、Mw(GPCによる)=1790;水分散液のZnO含有量はPAA Na塩の使用量が20、50、100および200mgのとき理論値の69%、理論値の76%、理論値の78%および理論値の77%である。
【0083】
実施例4
4.1 80.4%濃度のマレイン酸(NH 4 ) 1.3 塩溶液の調製
この手順は実施例1.1に記述したのと同様である。水を39.5kg、MAAを75kgおよびアンモニアガスを16.9kg用いる。溶液を131.4g得る。濃縮運転様式であることから温度レベルが10−15℃上昇する。従ってアンモニウム塩を110−115℃の溶液に保持する。
【0084】
4.2 溶液の熱処理
上記溶液を110℃で1.5時間熱処理する。
【0085】
4.3 熱処理溶液の重合
最初に上記溶液を長さが8mの予熱装置に20kg/時の質量流量で通すことで215℃に加熱する。次に、長さが11.5mの螺旋管内で重合を145−215℃の温度で実施する。水に入れた粗生成物は下記のN含有量を示した:全N=理論値の131%。
【0086】
4.4 PAA Na塩を生じさせる加水分解
粗PAA生成物溶液が示すHNは1.96ミリモル/gである。この上に示した実施例と同様に加水分解を130℃で3時間実施した後、アンモニア水溶液を蒸留で除去する。
【0087】
4.5 PAA Na塩溶液の分析
このPAA Na塩溶液は下記を示した:炭素の含有量38重量%、全N=理論値の75%、CCC値は28mgのCaCO3/1gのPAA Na塩であり、水分散液のZnO含有量はPAA Na塩の使用量が20、50および100mgのとき理論値の67%、理論値の73%および理論値の69%である。
【0088】
実施例5
実施例3.1でも既に記述したように、100℃の熱処理で73.6重量%濃度のMA(NH4)1.3塩溶液を用いる。加熱処理を3時間行った後、この溶液を30kg/時の質量流量で重合で用いる。この操作中、長さが8mの予熱装置に上記溶液を通すことで235℃に加熱した後、長さが21mの螺旋管内で重合を185−215℃で起こさせながら水を蒸発させる。この粗生成物を水に入れた結果、下記のN含有量を示した:全N=理論値の135%。加水分解価は1.96ミリモルのNaOH/gで、この上に記述したように加水分解を実施する。その結果として生じた29%濃度のPAA Na塩溶液は下記の分析および特性を示した:全N=理論値の80%、Mw(GPCによる)=1720;CCC=23mgのCaCO3/g;水分散液(200mLの体積)で10gのZnO当たりにPAA Na塩を10、20、50、100および200mg用いた時のZnO含有量は、理論値の66%、理論値の82%、理論値の83%、理論値の84%および理論値の76%である。
【0089】
実施例6
6.1 73.6%濃度のマレイン酸(NH 4 ) 1.3 塩溶液の調製
この調製を実施例3.1に記述したのと同様に実施する。
【0090】
6.2 溶液の熱処理
上記溶液を100℃で6時間熱処理する。分析の結果、全N=理論値の130%であった。
【0091】
6.3 熱処理溶液の重合
最初に上記溶液を長さが8mの予熱装置に40kg/時の質量流量で通すことで230℃に加熱する。次に、21mの螺旋管内で重合を170−205℃の温度で実施しながら、水を反応混合物から蒸発させる。溶液の水および反応水がいくらか蒸発することから、液状マスの粘度が上昇する。しかしながら、この反応混合物の流動性は維持される。この熱反応混合物を更に押出し機に通して100℃に加熱する。この押出し機は、シャフト当たりの断面が59mmで長さが1050mmの同方向回転の自己洗浄型2軸が備わっている押出し機である(このような押出し機は既に1944年のDBP 862 668に記述されている)。電力消費量は130rpmの回転速度で6.8kWであった。この押出し機から出て来る生成物はベージュ色から褐色で粉末状からフレーク状であった。これのN含有量は下記の通りであった:全N=理論値の111%。
【0092】
6.4 PAA Na塩を生じさせる加水分解
このポリスクシニミドが示すHNは10.3ミリモルのNaOH/gである。この上に示した実施例と同様に加水分解を130℃のオートクレーブ内で3時間実施した後、アンモニア水溶液を蒸留で除去する。
【0093】
6.5 PAA Na塩溶液の分析
このPAA Na塩溶液は下記を示した:炭素の含有量31重量%(C4単位)、全N=理論値の89%、CCC値=15mgのCaCO3/1gのPAA Na塩;水分散液のZnO含有量はPAA Na塩の使用量が20、50、100、200および300mgのとき理論値の64、74、76、77および71%である。Mw(GPCによる)=2040。
【0094】
このように、この実施例では押出し機を用いると分子量の有意な増大が得られることが立証された。このポリマーは分散特性を有する点で幅広い用途プロファイルを示す。このような分散作用はまた他の数多くの顔料(例えば酸化チタンおよび酸化鉄など)、鉱物塩(例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、およびカルシウムおよびマグネシウムの水酸化物および酸化物など)、およびセラミック粉末でも現れる。
【0095】
以下に示す教示に従って水分散液のZnO含有量測定を実施した:
試験すべき物質1gを100mLの蒸留水に溶解させる。このサンプルのpHは10でなければならず、必要ならば1Nの塩酸または1Nの水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを補正すべきである。このようにして調製したサンプルを100mLのメスフラスコに移した後、蒸留水を用いて正確に100mLのストック溶液を構成させる。
【0096】
最初に、混合用の250mLシリンダーに分析グレードのZnO(Merck)を10.0g入れて140から170mLの水に懸濁させる。この述べた濃度の作用を試験する場合には下記の量でストック溶液が必要である。
【0097】
1mLのストック溶液中10mg、
2mLのストック溶液中20mg、
5mLのストック溶液中50mg、
10mLのストック溶液中100mg、
20mLのストック溶液中200mg、
30mLのストック溶液中300mg。
【0098】
Ultraturrax撹拌機を用いて上記混合物を24,000分-1で30秒間撹拌し、この撹拌機を蒸留水で濯ぎ、そしてこの懸濁液を200mLにする。このようにして仕上げしたサンプル懸濁液を手で3回振とうした後、室温で3時間放置する。
【0099】
次に、5mLのメスピペットを用いて150mLのマークの所から一定分量を取り出して、50mLの測定用シリンダー(これには最初に10mLの1N塩酸と約20mLの水を入れておく)に移す。この測定用シリンダーをいっぱいに満たした後、これから一定分量10mLを取り出し、そしてpH11(アンモニウム/塩化アンモニウム緩衝液)で0.1NのEDTA溶液を用いてEriochromeブラックTに対して滴定する。
【0100】
評価:
ZnOの%=V・t・16.27
[ここで、
V=EDTA溶液のmL、
t=EDTA溶液のタイター]。
【0101】
本発明の特徴および態様は以下のとうりである。
【0102】
1. スクシニル繰り返し単位を有するポリマーを製造する方法であって、第一反応段階で、(A)不飽和C4ジカルボン酸またはそれの誘導体と(B)窒素供与化合物を反応させることで(A)と(B)の少なくとも1種の低分子量反応生成物および/または(A)と(B)のプレポリマーを含む反応混合物を生じさせた後、第二反応段階で、該反応混合物を連続運転反応槽に連続供給してこの反応混合物を140から350℃の温度で処理することでスクシニル繰り返し単位を有していて分子量Mwが>1300のポリマーを生じさせることによる方法。
【0103】
2. 該第一反応段階を不連続的に実施する第1項記載の方法。
【0104】
3. 水の除去を伴って重合を実施する第1項記載の方法。
【0105】
4. その結果として生じる生成物がスクシニミド繰り返し単位を本質的に含む第1項記載の方法。
【0106】
5. 該ポリマーに加水分解を受けさせることでアスパラギン酸繰り返し単位を本質的に有するポリマーを生じさせる第1項記載の方法。
【0107】
6. 該ポリマーが下記の構造:
【0108】
【化6】
【0109】
で表される繰り返し単位またはそれの塩を本質的に含み、ここで、β連結している内容物がα連結内容物とβ連結内容物の合計を基準にして50%以上の度合で存在している第5項記載の方法。
【0110】
7. 該第一反応段階において、前駆体(A)として本質的に無水マレイン酸、マレイン酸またはそれの混合物を用いそして前駆体(B)として本質的にアンモニアを用いる第1項記載の方法。
【0111】
8. 該第一反応段階を1分から20時間の範囲の滞留時間に渡って60から250℃、特に80から150℃の範囲の温度で実施する第1項記載の方法。
【0112】
9. 該第二反応段階における重合を120から350℃、特に140℃から270℃の温度で実施する第1項記載の方法。
【0113】
10. 該第一反応段階を不連続運転反応槽内で実施する第1項記載の方法。
【0114】
11. 該第二反応段階を遅延管、高粘用反応槽、乾燥器、撹拌タンクカスケード、薄層蒸発装置またはマイクロ波装置内で実施する第1項記載の方法。
【0115】
12. 該第二反応段階を多相螺旋管内で実施する第1項記載の方法。
【0116】
13. その結果として生じるポリマーが開鎖スクシニル単位を含むように該第二反応段階における重合を調節する第1項記載の方法。
【0117】
14. 該第二反応段階で得られるポリマーに、その後、加溶媒分解、好適には加水分解を受けさせる第1項記載の方法。
【0118】
15. その結果として生じるポリマーが、これに適宜加水分解を受けさせた後、アスパラギン酸繰り返し単位を本質的に含む第1項記載の方法。
【0119】
16. 第1項に記載する如く得たポリマーの使用であって、特に水処理で、水系における沈澱を抑制して分散させるための使用。
【0120】
17. 第1項に記載した如きポリマーの使用であって、無機または有機粒子を非水系に分散させるための使用。
Claims (3)
- (A)不飽和C 4 ジカルボン酸またはそれの誘導体と(B)窒素供与化合物を反応させることによりスクシニル繰り返し単位を有するポリマーを製造する方法であって、第一反応段階で60℃から250℃の範囲の温度で1分から20時間の滞留時間に渡って不連続的に反応を行ない、(A)と(B)の少なくとも1種の低分子量反応生成物を含む反応混合物を生じさせた後、第二反応段階で、該反応混合物を連続運転反応槽に連続供給してこの反応混合物を140から350℃の温度で処理することでスクシニル繰り返し単位を有していて分子量Mwが>1300のポリマーを生じさせることによる方法。
- 該ポリマーに加水分解を受けさせることでアスパラギン酸繰り返し単位を本質的に有するポリマーを生じさせる第1項記載の方法。
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