JP2001146516A - ポリアミノ酸およびその製造方法 - Google Patents

ポリアミノ酸およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001146516A
JP2001146516A JP2000271896A JP2000271896A JP2001146516A JP 2001146516 A JP2001146516 A JP 2001146516A JP 2000271896 A JP2000271896 A JP 2000271896A JP 2000271896 A JP2000271896 A JP 2000271896A JP 2001146516 A JP2001146516 A JP 2001146516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
polymer
water
solution
aspartic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000271896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3440233B2 (ja
Inventor
Masaharu Mukoyama
正治 向山
Shinzo Yasuda
信三 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2000271896A priority Critical patent/JP3440233B2/ja
Publication of JP2001146516A publication Critical patent/JP2001146516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3440233B2 publication Critical patent/JP3440233B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyamides (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスパラギン酸を必須とするアミノ酸から塊
状物を生成させることなくポリアミノ酸を得る。 【解決手段】 アスパラギン酸を必須とするアミノ酸を
水の存在下で加熱するポリアミノ酸の製造方法、および
新規なポリアミノ酸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性に優れる
ポリアミノ酸およびポリアミノ酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のポリアスパラギン酸はアスパラギ
ン酸固体を加熱し、水を除く脱水方法で製造されてお
り、種々の乾燥機、混練加熱装置、オーブンなどを用い
て酸触媒の存在下(US5688902、US5457
176、US5830985)、非存在下(US539
1764、US5319145)において、アスパラギ
ン酸固体を200℃付近で加熱脱水縮合させる方法、沸
点の高い有機溶媒中で加熱し、縮合に伴って放出される
水を共沸して除く方法(US5380817、US54
84945,US5756595)などが提案されてい
る。
【0003】上記の方法では、酸触媒として硫酸、リン
酸、ほう酸を用いて重合するに際して、重合にともなっ
て生成する水を除去しながら重合する方法、また酸触媒
を均一にアスパラギン酸と混合する水を用いる方法が開
示されている。しかし、これらの方法では、反応の初期
は水存在下であっても、重合時に減圧、窒素気流、共沸
などで水を除き、実質的に乾燥した固形状のポリマーを
得る方法である。
【0004】これらの方法では、固体が重合の途中で塊
状物になったりするため、重合中に解砕などをする必要
があった。特に、酸触媒を用いた場合には、重合に際し
てアメ状の塊状物が生成するため、これを解砕する必要
があった。
【0005】また、これらの方法では、アスパラギン酸
を加熱して得られたものはポリアスパラギン酸の中間体
である固体状ポリスクシンイミドであり、さらにこれを
塩基で加水分解することによってポリアスパラギン酸塩
が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アス
パラギン酸を必須とするアミノ酸を縮合させてポリアミ
ノ酸を得るに際して、塊状物を生成しない方法で、酸型
のポリアミノ酸を直接得ることにある。
【0007】また、本発明の目的は、新規なポリアスパ
ラギン酸を提供することにある。
【0008】従来の方法では重合にともなって生成する
水を除去しながら重合が行われているが、意外なこと
に、アスパラギン酸を必須とするアミノ酸を水に懸濁さ
せて加熱すると、水の存在下であってもポリアミノ酸が
生成し、ポリマー収率が80%以上となること、また生
成した重合体は水に溶解した状態で得られること、ポリ
マーが酸型のポリアミノ酸系重合体であることを見出
し、本発明を完成させた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、アスパ
ラギン酸を必須とするアミノ酸と水とを混合し、加熱す
ることを特徴とするポリアミノ酸の製造方法によって達
成される。
【0010】また、本発明の目的は、BOD7日の生分
解率が45%以上の生分解性を有するポリアミノ酸によ
って達成される。
【0011】本発明の技術範囲は、特許請求の範囲の各
請求項に記載された文言に限定されることなく、当業者
がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよぶ。
【0012】
【発明の実施の形態】本書で使用されるポリアスパラギ
ン酸にはポリアスパラギン酸の塩も含まれる。ポリアス
パラギン酸の対イオンには、以下のものに限定されない
が、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、具体的には
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、およびアンモニウムカチオンが含まれ
る。また、アスパラギン酸を必須とするアミノ酸から得
られたポリアミノ酸をポリアスパラギン酸ともいう。
【0013】本発明では、原料として、アスパラギン酸
を必須とするアミノ酸が用いられる。アスパラギン酸と
しては、L−体、D−体、またはこれらの混合物を用い
ることができる。またアスパラギン酸に加えて、アスパ
ラギン酸の重量に対し、100重量%までの1種または
2種以上の他のアミノ酸を混合して重合することができ
る。アスパラギン酸と共重合されるアミノ酸としては、
グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン酸、リ
ジン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラ
ニン、メチオニン、ヒスチジン、プロリン、セリン、ト
レオニン、システインなどが挙げられ、なかでも安価な
アミノ酸であり、かつ、重合した重合物の水溶性が高い
ことからL-グルタミン酸、L-アラニン、L-リジンが
好ましい。ポリアミノ酸の中でも、生分解性の点からポ
リアスパラギン酸が最も好ましい。
【0014】本発明では、アスパラギン酸を必須とする
アミノ酸(以下、単にアスパラギン酸ともいう)を水の
存在下で加熱することによりポリアスパラギン酸が得ら
れる。
【0015】加熱によりアスパラギン酸を重合させる際
に用いられる水の量は、アスパラギン酸を主とするアミ
ノ酸の重量に対し、特に限定はされないが、通常、下限
は0.2倍以上、好ましくは0.5倍以上、さらに好ま
しくは1倍以上、一方、上限は40倍以下、好ましくは
20倍以下、更に好ましくは10倍以下が望ましい。す
なわち、水の量は、アスパラギン酸を主とするアミノ酸
の重量に対し0.2〜40倍、好ましくは0.5〜20
倍の範囲が望ましい。0.2倍未満であると、重合で得
られる重合体が塊状となるため好ましくない。また、4
0倍を越えると、得られる重合体の水溶液の濃度が低く
なり、経済的でないため好ましくない。
【0016】加熱温度は、特に限定はされないが、通
常、下限は140℃以上、好ましくは150℃以上、更
に好ましくは160℃以上であり、一方、下限は300
℃以下、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは2
20℃以下である。すなわち、加熱温度は140〜30
0℃、好ましくは150〜250℃の範囲が望ましい。
100℃未満であると、重合で得られる重合体の収率が
低くなるため好ましくない。また、300℃を越える
と、得られる重合体の特性の一つである生分解性が悪く
なる恐れがあるため好ましくない。
【0017】従って、反応は、通常、耐圧製の密閉容器
中で行われるが、その際の内圧は0.3MPa以上であ
り、好ましくは0.5〜4MPaの範囲が望ましい。
【0018】重合の際に酸触媒を添加することが好まし
いが、アスパラギン酸のpKa値より低いpKa値を有
する有機、無機の酸を用いることが好ましい。無機酸と
しては、オルトリン酸、メタリン酸、ポリリン酸などの
リン酸類、ホスホン酸、ホスフィン酸、硫酸、亜硫酸、
ピロ硫酸、ホウ酸、トリフルオロメタンスルホン酸など
が挙げられる。有機酸としては、メチルリン酸、エチル
リン酸、フェニルリン酸などの酸性リン酸エステル類、
メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、ラウリルホスホン酸、ステアリルホスホン酸、フェ
ニルホスホン酸などのホスホン酸エステル類、メタンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。
これらの酸の水素塩も同様に使用することができる。酸
の水素塩としては、MH2PO4,M2HPO4(ただし、
式中Mはナトリウム、カリウム、カルシウムである)な
どのリン酸水素塩、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリ
ウム、硫酸水素ニトロシル、硫酸水素ヒドラジニウムな
ど硫酸水素塩などを例示できる。このなかでも、無機酸
が好ましく、特に硫酸、リン酸、ホウ酸が好ましい。
【0019】酸触媒の使用量は、アスパラギン酸を主と
するアミノ酸の重量に対し、下限としては0.001倍
以上、好ましくは0.01倍以上、さらに好ましくは
0.05倍以上であり、一方、上限としては10倍以
下、好ましくは2倍以下、更に好ましくは1倍以下が好
ましい。すなわち、酸触媒の使用量は、アスパラギン酸
を主とするアミノ酸の重量に対し、0.001〜10
倍、好ましくは0.01〜2倍の範囲が望ましい。0.
001倍未満であると、酸触媒としての効果が十分に得
られないため好ましくない。一方、10倍を越えると、
重合体水溶液中に大量の酸触媒が残存し、かかる酸触媒
を処理するための費用がさらに必要となり、好ましくな
い。
【0020】重合方法は、バッチ式、連続式のいずれの
方法も採用することができる。バッチ式の場合、重合温
度での水の蒸気圧に耐えられる撹拌槽、横型混合器など
の反応器を用いることができる。また、連続式の場合に
は、バッチ式で用いられる反応器に原料であるアスパラ
ギン酸のスラリーを連続的にフィードし、一定の滞留時
間の後、連続的に抜き出す方法、単管式、多管式、プレ
ート式などの種々の熱交換器を用いる方法など、重合温
度での水の蒸気圧に耐えることができ、その蒸気圧以上
の圧力に一定時間保持して加熱が保持できるものであれ
ば、どれでも好適に使用できる。このなかでもラインミ
キサーなどが特に好ましく、背圧弁によって圧をかけら
れるようにし、ジャケットでの加熱、熱媒槽に付けて加
熱することにより連続的に重合することができる。
【0021】単管式の場合には、例えば、コイル状ステ
ンレスパイプを加熱するユニット、コイル状ステンレス
パイプを冷却するユニットを直列に結合し、さらに背圧
バルブを取り付けて、加熱ユニットおよび冷却ユニット
に背圧をかける装置を利用する。加熱ユニットは重合に
必要な温度を提供するユニットであり、通常、下限は1
40℃以上、好ましくは150℃以上、更に好ましくは
160℃以上であり、一方、下限は300℃以下、好ま
しくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下に
セットした高温室、加熱ジャケット、オイルバスなどに
パイプを通過させる。液の滞留時間は、通常、1分〜1
0時間、好ましくは2分〜5時間、さらに好ましくは5
分〜2時間の範囲が望ましい。パイプの長さは液の滞留
時間、速度、温度などによって定まるが、通常、0.1
m以上、好ましくは0.5〜100mの範囲である。冷
却ユニットは、高温の生成物をそのままでは取り扱いが
困難なため、パイプを空冷、水槽などを利用する水冷な
どで室温または25℃前後までの冷却処理を受けるユニ
ットをいう。パイプの長さは液の滞留時間、速度、温度
などによって定まるが、通常、0.1m以上、好ましく
は0.5〜100mの範囲である。さらに、加熱ユニッ
トおよび冷却ユニットに背圧をかけるが、通常、0.8
MPa以上、好ましくは1〜3MPaの範囲である。用
いるパイプの内径は、液の滞留時間、速度などによって
定まるが、通常、1mm以上、好ましくは2mm〜1m
の範囲である。アスパラギン酸を必須とするアミノ酸と
水との混合物は、スラリーポンプなどのポンプで圧送す
るが、上記の条件を満たす範囲であれば特に制限はされ
ないが、通常、1ml/分〜10L/分の速度である。
これらの条件は、多管式などその他の装置を利用する場
合に適用可能である。
【0022】また、水の使用量が少ない場合には粘度が
高くなるため、横型混練器などが特に好ましい。重合に
際しては特に水を除く必要はないが、重合物濃度が低い
ときや濃縮したい場合には、アスパラギン酸を主とした
アミノ酸の重量に対し、0.2倍までの範囲で一部水を
除くことができる。しかしながら、水の量が少なくなり
すぎると、強固な塊状物となるため、あまり高濃度にす
るのは操作上好ましくない。
【0023】本発明の方法では、アスパラギン酸を主と
するアミノ酸を、水の存在下、加熱することにより、酸
型ポリアスパラギン酸系重合体は水溶液の状態で得られ
る。この際、酸触媒を用いると得られる重合体の生分解
性が高くなる。
【0024】酸触媒を用いて得られたポリアスパラギン
酸は、BOD7日の生分解率が45%以上、好ましくは
47%以上、より好ましくは50%以上の生分解性を有
することが望ましい。
【0025】一般に、BODでの生分解率が通常60%
以上であれば易分解性であり、70%程度で完全分解し
ているとされている。本発明では酸触媒を用いて得られ
たポリアスパラギン酸は、初期分解性が非常に良好であ
り、分解試験後、1週間でその半分以上が分解される特
徴を備えている。
【0026】得られたポリアスパラギン酸の重量平均分
子量は、通常、2000〜3600の範囲である。
【0027】上記の方法によって得られる重合物は、高
温下では粘質から粘度の低い水溶液までの状態である
が、冷却することによってアメ状から水溶液までの状態
となる。このときに得られる重合物を必要に応じて再度
加熱したり、中和して塩にすることもできる。
【0028】例えば、水溶液状態で得られた重合物をス
プレードライにかけることにより、酸型のポリアスパラ
ギン酸固体として分離したり、固体になった重合物を再
度100℃以上300℃以下の範囲で加熱することによ
り、ポリスクシンイミド系重合体にすることも可能であ
る。また、酸型のポリアスパラギン酸系重合体に塩基を
添加して中和することによって、ポリアスパラギン酸系
重合体塩とすることもできる。中和に用いる塩基として
は、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金
属、およびカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム
などのアルカリ土類金属の水酸化物、セチルアミン、ペ
ンタデシルアミン、テトラデシルアミン、トリデシルア
ミン、ドデシルアミン、ウンデシルアミン、デシルアミ
ン、ノニルアミン、オクチルアミンなどの一級有機アミ
ン類、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどの二級有機
アミン類、アンモニウムなどを使用することができる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどが特に好ましい。
【0029】また、重合で得られた酸型ポリアスパラギ
ン酸系重合体に各種アミン、アミノ酸を添加して加熱す
ることにより、アミン、アミノ酸変性ポリアスパラギン
酸系重合体(ポリアスパラギン酸誘導体)とすることも
できる。
【0030】さらに、我々は、得られた重合物水溶液を
濃縮することにより、重合物の分子量が増加することを
見出した。濃縮方法は、重合物水溶液から水分を減少さ
せる方法であれば特に制限されることはなく、例えば
重合物水溶液を加熱して水分を蒸発させる方法、重合
物水溶液を減圧して水分を除去する方法、またオート
クレーブで反応が終了した後、所定温度を維持しながら
水蒸気を排出するなどの方法が採用できる。具体的に
は、の加熱方法の場合には、通常、90〜160℃の
温度で0.1〜10時間維持する。の減圧方法の場合
には、通常、66〜666hPaの圧力で、0.1〜1
0時間維持する。の水蒸気排出方法の場合には、通
常、100〜160℃の温度を維持しながら、オートク
レーブ内の圧力を減圧することにより水蒸気を排出する
方法、を採用できる。濃縮の程度は、濃縮度とほぼ比例
して重合物の分子量が増加するので、目的に合わせて濃
縮するが、濃縮して除く水の量は仕込み水量に対して9
0%、好ましくは95%になる迄濃縮することが好まし
い。濃縮後は、そのままの状態で回収してもよいし、ま
たは重合物が固化した場合などには水で希釈した後、ま
たは弱塩基性の水溶液で希釈した後に回収してもよい。
塩基としては、上記の塩基を利用することができる。
【0031】このように、さらに濃縮して得られた重合
物は、通常、重量平均分子量が3800以上、好ましく
は4000〜6500の範囲にあり、濃縮前後を比較す
ると、明らかに分子量の増加が認められる。
【0032】ポリアスパラギン酸塩の分子量は、例えば
分子量既知のポリエチレングリコール(PEG)の標準
品を標準として、昭和電工社製、Shodex OHp
akカラムを使用して、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)分析によって測定することができ
る。測定結果は、PEG換算で表した。
【0033】ポリアスパラギン酸の生分解性は、例えば
OECDテストガイドラインの修正MITI試験によっ
て測定することができる。
【0034】本願発明により製造したポリアスパラギン
酸は、生分解性に優れた洗剤添加剤、分散安定剤、スケ
ール防止剤、保湿剤、肥料などとして使用することがで
きる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の望ましい実施例を具体的に説
明する。ただし、それによって本発明はそれらの実施例
のみに限定されるものでないことはいうまでもない。
【0036】(ポリアスパラギン酸の生分解性)ポリア
スパラギン酸の生分解性は、都市下水道処理場の返送汚
泥を用いた以外は、修正MITI試験に準じて測定し
た。すなわち、JIS K-0102における生物化学
酸素消費量の項に規定されている組成液としての基礎培
養液200mlに、試験物質としてのポリアスパラギン
酸を100ppmとなるように添加するとともに、活性
汚泥を30ppmとなるように添加した。その後、この
基礎培養液を暗所下で25℃に保ち、撹拌しながら28
日にわたって培養した。そして、上記培養期間中、活性
汚泥により消費された酸素量を定期的に測定し、生物化
学的酸素要求量(BOD:Biochemical Oxygen Deman
d)曲線を求めた。
【0037】生分解率(%)は、上記のBOD曲線から
得られる試験物質の生物化学的酸素要求量A(mg)
と、BOD曲線から得られるブランク、つまり基礎培養
液の酸素消費量B(mg)と、試験物質を完全酸化させ
る場合に必要な全酸素要求量(TOD:Theoretical Ox
ygen Demand)C(mg)とから、次式と供試物質の理
論的酸素要求量(TOD)の比に従い算出した。
【0038】 生分解率(%)={(A-B)/C}×100 また、試験溶液中の全有機炭素量(TOC)の減少をT
OC測定器(島津製、TOC-500)を用いて測定し
た。TOC除去率は次式に従い算出した。
【0039】TOC除去率(%)={(C0-CB0)-
(C28-CB28)/(C0-CB0)}×100 ただし、式中、 C0:試験開始時の試験溶液中のTOC(mg/L) C28:28日後の試験溶液中のTOC(mg/L) CB0:供試物質を含まない系(空試験溶液)の試験開始
時のTOC(mg/L) CB28:供試物質を含まない系(空試験溶液)の28日
後のTOC(mg/L)。
【0040】(重合体への転化率)反応後、残存する原
料であるL-アスパラギン酸の量を液体クロマトグラフ
ィーで測定し、原料に対する比率として計算により求め
た。
【0041】(実施例1)L-アスパラギン酸15g、
イオン交換水15g、リン酸1.5gを混合して50m
l容のオートクレーブに投入し、180℃に加熱した。
内温が180℃になったとき、オートクレーブの圧力は
1.1MPaであった。1時間後、冷却して内容物を取
り出したところ、均一に溶解したシロップ状の重合物の
水溶液が得られた。この重合物の水溶液のpHは3.2
(25℃)であった。この重合物の分子量を測定したと
ころ重量平均分子量MWは3300であった。この溶液
を室温で放置すると、大量のポリアスパラギン酸が析出
した。この不溶物が析出した液に水を添加して5倍に希
釈すると均一な溶液となった。重合物への転化率は、L
-アスパラギン酸の重量に対し、89%であった。
【0042】この重合物の生分解性を修正MITI法に
従って測定したところ、試験開始7日目において58.
9%、14日目において71.2%、28日目において
70.2%の生分解性であった。
【0043】生分解試験後の液中のポリアスパラギン酸
をGPC分析したところ、初期のポリアスパラギン酸は
完全に消失していた。
【0044】別に、得られたポリアスパアラギン酸を水
100mlに加えて撹拌し、5N水酸化ナトリウム水溶
液を少しずつ加えて溶解させ、pHを9.5に調節する
ことによって、ポリアスパラギン酸ナトリウムを得た。
この溶液を凍結乾燥し、ポリアスパラギン酸ナトリウム
粉末のNMR分光分析結果は次のとおりであった(各シ
グナルの帰属はMakromol. Chem. 194, 1095 (1993) に
基づいて行った)。
【0045】1H-NMR(D2O):δ=4.68(C
(α)H、α-peptide)、4.49(C(α)H、β-p
eptide)、2.77(2H,C(β)H,H’)13 C-NMR(D2O):δ=177.81(C=O,β
-peptide)、177.37(C=O,α-peptide)、1
72.72(CONH、α-peptide)、172.62
(CONH、α-peptide)、172.02(CONH、
β-peptide)、171.89(CONH、β-peptid
e)、51.83(C(α),β-peptide)、51.3
8(C(α),α-peptide)、39.00(C(β),
α-peptide)、37.69(C(β),β-peptide) (実施例2)L-アスパラギン酸15g、イオン交換水
15g、硫酸1.5gを混合して50ml容のオートク
レーブに投入し、180℃に加熱した。内温が180℃
になったとき、オートクレーブの圧力は1.1MPaで
あった。1時間後、冷却して内容物を取り出したとこ
ろ、均一に溶解したシロップ状の重合物の水溶液が得ら
れた。この重合物の水溶液のpHは3.2(25℃)で
あった。この重合物の分子量を測定したところ重量平均
分子量MWは3400であった。この溶液を室温で放置
すると、大量のポリアスパラギン酸が析出した。この不
溶物が析出した液に水を添加して5倍に希釈すると均一
な溶液となった。重合物への転化率は、L-アスパラギ
ン酸の重量に対し、85%であった。
【0046】この重合物の生分解性を修正MITI法に
従って測定したところ、試験開始7日目において65.
1%、14日目において77.4%、28日目において
83.5%の生分解性であった。
【0047】生分解試験後の液中のポリアスパラギン酸
をGPC分析したところ、初期のポリアスパラギン酸は
完全に消失していた。
【0048】(実施例3)L-アスパラギン酸15g、
イオン交換水15g、ホウ酸1.5gを混合して50m
l容のオートクレーブに投入し、180℃に加熱した。
内温が180℃になったとき、オートクレーブの圧力は
1.1MPaであった。1時間後、冷却して内容物を取
り出したところ、均一に溶解したシロップ状の重合物の
水溶液が得られた。この重合物の水溶液のpHは3.2
(25℃)であった。この溶液を室温で放置すると、大
量のポリアスパラギン酸が析出した。この不溶物が析出
した液に水を添加して5倍に希釈すると均一な溶液とな
った。重合物への転化率は、L-アスパラギン酸の重量
に対し、88%であった。
【0049】この重合物の分子量を測定したところ重量
平均分子量MWは3600であった。この重合物の生分
解性を修正MITI法に従って測定したところ、試験開
始7日目において57.9%、14日目において72.
2%、28日目において78.9%の生分解性であっ
た。
【0050】(実施例4)L-アスパラギン酸15g、
イオン交換水15g、リン酸1.5gを混合して50m
l容のオートクレーブに投入し、180℃に加熱した。
内温が180℃になったとき、オートクレーブの圧力は
1.1MPaであった。30分後、冷却して内容物を取
り出したところ、均一に溶解したシロップ状の重合物の
水溶液が得られた。この重合物の水溶液のpHは3.2
(25℃)であった。この重合物の分子量を測定したと
ころ重量平均分子量MWは3400であった。この溶液
を室温で放置すると、大量のポリアスパラギン酸が析出
した。この不溶物が析出した液に水を添加して5倍に希
釈すると均一な溶液となった。重合物への転化率は、L
-アスパラギン酸の重量に対し、89%であった。
【0051】この重合物の生分解性を修正MITI法に
従って測定したところ、試験開始7日目において51.
7%、14日目において64.0%、28日目において
72.2%の生分解性であった。
【0052】生分解試験後の液中のポリアスパラギン酸
をGPC分析したところ、初期のポリアスパラギン酸は
完全に消失していた。
【0053】(実施例5)L-アスパラギン酸7.5
g、L-グルタミン酸7.5g、イオン交換水15gを
混合して50ml容のオートクレーブに投入し、180
℃に加熱した。内温が180℃になったとき、オートク
レーブの圧力は1.1MPaであった。1時間後、冷却
して内容物を取り出したところ、均一に溶解したシロッ
プ状の重合物の水溶液が得られた。この重合物の重量平
均分子量は2300であった。
【0054】この溶液を室温で1日放置しても均一な溶
液状態であった。
【0055】(実施例6)L-アスパラギン酸7.5
g、L-グルタミン酸7.5g、イオン交換水15g、
リン酸1.5gを混合して50ml容のオートクレーブ
に投入し、180℃に加熱した。内温が180℃になっ
たとき、オートクレーブの圧力は1.1MPaであっ
た。1時間後、冷却して内容物を取り出したところ、均
一に溶解したシロップ状の重合物の水溶液が得られた。
【0056】この溶液を室温で1日放置しても均一な溶
液状態であった。
【0057】(実施例7)L-アスパラギン酸7.5
g、L-アラニン7.5g、イオン交換水15g、リン
酸1.5gを混合して50ml容のオートクレーブに投
入し、180℃に加熱した。内温が180℃になったと
き、オートクレーブの圧力は1.1MPaであった。1
時間後、冷却して内容物を取り出したところ、均一に溶
解したシロップ状の重合物の水溶液が得られた。
【0058】この溶液を室温で1日放置しても均一な溶
液状態であった。
【0059】(実施例8)L-アスパラギン酸15g、
L-リジン1.5g、イオン交換水15g、リン酸1.
5gを混合して50ml容のオートクレーブに投入し、
180℃に加熱した。内温が180℃になったとき、オ
ートクレーブの圧力は1.1MPaであった。1時間
後、冷却して内容物を取り出したところ、均一に溶解し
たシロップ状の重合物の水溶液が得られた。
【0060】この溶液を室温で1日放置しても均一な溶
液状態であった。
【0061】(実施例9)L-アスパラギン酸15g、
リン酸1.5g、イオン交換水15gを混合して50m
l容のオートクレーブに投入し、180℃に加熱した。
内温が180℃になったとき、オートクレーブの圧力は
1.1MPaであった。1時間後、冷却したところ内容
物は均一に溶解したシロップ状であった。
【0062】ここに、システアミン塩酸塩を1.28g
を添加し、混合してさらに180℃で1時間加熱した。
冷却後、内容物を取り出したところ、若干の不溶物を含
んでいた。この液に水酸化ナトリウム4gを加えて中和
し、システアミンで修飾されたポリアスパラギン酸誘導
体水溶液を得た。
【0063】(実施例10)L-アスパラギン酸15
g、リン酸1.5g、イオン交換水15gを混合して5
0ml容のオートクレーブに投入し、180℃に加熱し
た。1時間後、冷却したところ内容物は均一に溶解して
いた。この溶液を液体窒素で凍結し、凍結乾燥器で乾燥
したところ、淡黄色の固形物が得られた。
【0064】この固形物を重水に溶解し、1H-NMRで
分析したところ、ポリアスパラギン酸のNMRスペクト
ルが得られた。このことから、塩基での中和なしにポリ
アスパラギン酸が生成していることが確認できた。
【0065】(実施例11)実施例10の方法を繰り返
して、淡黄色の固形物を得た。この固形物をステンレス
製のバットに広げて140℃の乾燥器で4時間乾燥し
た。乾燥後の固形物は水に不溶であった。この固形物に
2N水酸化ナトリウム水溶液60mlを添加し、撹拌す
ると均一に溶解した。
【0066】この溶液を凍結乾燥し、得られた固形物を
重水に溶解して1H-NMRで分析したところ、ポリアス
パラギン酸のNMRスペクトルが得られた。このことか
ら、ポリアスパラギン酸固形物を加熱すると水に不溶の
ポリスクシンイミドにすることができることが確認でき
た。
【0067】(実施例12)L-アスパラギン酸15
g、イオン交換水15gを混合して50ml容のオート
クレーブに投入し、180℃に加熱した。内温が180
℃になったとき、オートクレーブの圧力は1.1MPa
であった。1時間後、冷却して内容物を取り出したとこ
ろ、均一に溶解したシロップ状の重合物の水溶液が得ら
れた。この重合物の水溶液のpHは3.5(25℃)で
あった。この重合物の分子量を測定したところ重量平均
分子量MWは3400であった。この溶液を室温で放置
すると、大量のポリアスパラギン酸が析出した。この不
溶物が析出した液に水を添加して5倍に希釈すると均一
な溶液となった。重合物への転化率は、L-アスパラギ
ン酸の重量に対し、90%であった。
【0068】この重合物の生分解性を修正MITI法に
従って測定したところ、試験開始7日目において43.
0%、14日目において52.3%、28日目において
56.4%の生分解性であった。
【0069】(比較例1)無水マレイン酸98gをイオ
ン交換水100mlに溶解し、25%アンモニア水68
gを添加して中和した。この溶液を凍結乾燥してマレイ
ン酸モノアンモニウム塩を調製した。
【0070】得られたマレイン酸モノアンモニウム塩6
6gをステンレス製バットに広げ、180℃に設定した
温風乾燥機に入れて7時間加熱処理し、その後冷却して
ポリスクシンイミド53gを得た。このポリスクシンイ
ミドに水300mlを加え、水酸化ナトリウム20gを
添加してポリスクシンイミドを加水分解し、水を加えて
10%ポリアスパラギン酸ナトリウム塩水溶液とした。
【0071】このポリアスパラギン酸ナトリウム塩水溶
液を用いて生分解性試験を行ったところ、試験開始7日
目において10.8%、14日目において37.6%、
28日目において45.6%の生分解性であった。
【0072】(比較例2)L-アスパラギン酸粉末6
6.5gをステンレス製バットに広げ、200℃に設定
した温風乾燥機に入れて12時間加熱処理し、その後冷
却してポリスクシンイミド57gを得た。このポリスク
シンイミドに水300mlを加え、水酸化ナトリウム2
0gを添加してポリスクシンイミドを加水分解し、水を
加えて10%ポリアスパラギン酸ナトリウム塩水溶液と
した。
【0073】このポリアスパラギン酸ナトリウム塩水溶
液を用いて生分解性試験を行ったところ、試験開始7日
目において7.4%、14日目において33.4%、2
8日目において44.9%の生分解性であった。
【0074】(比較例3)L-アスパラギン酸粉末6
6.5gとオルトリン酸14gをよく混合してステンレ
ス製バットに広げ、200℃に設定した温風乾燥機に入
れて6時間加熱した。6時間後に温風乾燥機から取り出
して塊を粉砕し、さらに6時間加熱してから冷却してポ
リスクシンイミド65gを得た。
【0075】このポリスクシンイミドに水300mlを
加え、水酸化ナトリウム20gを添加してポリスクシン
イミドを加水分解し、水を加えて10%ポリアスパラギ
ン酸ナトリウム塩水溶液とした。このポリアスパラギン
酸ナトリウム塩水溶液を用いて生分解性試験を行った。
その結果、試験開始7日目において9.9%、14日目
において67.3%、28日目において74.0%の生
分解性であった。
【0076】(比較例4)ポリ-L-アスパラギン酸ナト
リウム(シグマ社製、品番P5387、重量平均分子
量:12000)を用いて生分解性試験を行った。その
結果、試験開始7日目において41.7%、14日目に
おいて71.5%、28日目において72.0%の生分
解性であった。
【0077】(比較例5)ポリ-D.L-アスパラギン酸
ナトリウム(シグマ社製、品番P3418、重量平均分
子量:5800)を用いて生分解性試験を行った。その
結果、試験開始7日目において36.0%、14日目に
おいて73.2%、28日目において73.0%の生分
解性であった。
【0078】(実施例13)L-アスパラギン酸50
g、イオン交換水50g、硫酸5gを混合して200m
l容の撹拌機付きオートクレーブに投入し、180℃に
加熱した。内温180℃を30分間保持し、90℃まで
冷却した後、内容物を取り出した。取り出した内容物は
シロップ状の重合物水溶液であった。この重合物を希
釈、中和して分子量を測定したところ、重量平均分子量
MWは3400であった。なお、重合物への転化率は、
L-アスパラギン酸の重量に対し、85%であった。
【0079】(実施例14)L-アスパラギン酸50
g、イオン交換水50g、硫酸5gを混合して200m
l容の撹拌機付きオートクレーブに投入し、180℃に
加熱した。内温180℃を30分間保持し、オートクレ
ーブ上部に取り付けれたバルブを少し開き、120℃以
上を保った状態で、水蒸気を排出し、内容物を濃縮し
た。排出した水蒸気を冷却管で凝縮して回収した。凝縮
水の量が32mlに達したところでバルブを閉じ、90
℃まで冷却し、内容物を取り出した。取り出した内容物
はアメ状であった。このアメ状物を希釈、中和して分子
量を測定したところ、重量平均分子量MWは4000で
あった。
【0080】(実施例15)L-アスパラギン酸50
g、イオン交換水50g、硫酸5gを混合して200m
l容の撹拌機付きオートクレーブに投入し、180℃に
加熱した。内温180℃を30分間保持し、オートクレ
ーブ上部に取り付けれたバルブを少し開き、120℃以
上を保った状態で、水蒸気を排出し、内容物を濃縮し
た。排出した水蒸気を冷却管で凝縮して回収した。凝縮
水の量が41mlに達したところでバルブを閉じ、90
℃まで冷却し、内容物を取り出した。取り出した内容物
はアメ状であった。このアメ状物を希釈、中和して分子
量を測定したところ、重量平均分子量MWは5300で
あった。
【0081】(実施例16)L-アスパラギン酸50
g、イオン交換水50g、硫酸5gを混合して200m
l容の撹拌機付きオートクレーブに投入し、180℃に
加熱した。内温180℃を30分間保持し、オートクレ
ーブ上部に取り付けれたバルブを少し開き、120℃以
上を保った状態で、水蒸気を排出し、内容物を濃縮し
た。排出した水蒸気を冷却管で凝縮して回収した。凝縮
水の量が42mlに達したところでバルブを閉じ、90
℃まで冷却し、内容物を取り出した。取り出した内容物
はアメ状であった。このアメ状物を希釈、中和して分子
量を測定したところ、重量平均分子量MWは5600で
あった。
【0082】(実施例17)L-アスパラギン酸50
g、イオン交換水50g、硫酸5gを混合して200m
l容の撹拌機付きオートクレーブに投入し、180℃に
加熱した。内温180℃を30分間保持し、オートクレ
ーブ上部に取り付けれたバルブを少し開き、120℃以
上を保った状態で、水蒸気を排出し、内容物を濃縮し
た。排出した水蒸気を冷却管で凝縮して回収した。凝縮
水の量が45mlに達したところでバルブを閉じ、90
℃まで冷却し、内容物を取り出した。取り出した内容物
はアメ状であった。このアメ状物を希釈、中和して分子
量を測定したところ、重量平均分子量MWは6150で
あった。
【0083】(実施例18)L-アスパラギン酸50
g、イオン交換水50g、硫酸5gを混合して200m
l容の撹拌機付きオートクレーブに投入し、180℃に
加熱した。内温180℃を30分間保持し、オートクレ
ーブ上部に取り付けれたバルブを少し開き、120℃以
上を保った状態で、水蒸気を排出し、内容物を濃縮し
た。排出した水蒸気を冷却管で凝縮して回収した。凝縮
水の量が46mlに達したところでバルブを閉じ、90
℃まで冷却し、内容物を取り出した。取り出した内容物
はアメ状であった。このアメ状物を希釈、中和して分子
量を測定したところ、重量平均分子量MWは6500で
あった。
【0084】(実施例19)予め、コイル状ステンレス
パイプをオイルバスにつけて加熱するユニット、コイル
状ステンレスパイプを水槽につけて冷却するユニットを
直列に結合し、さらに背圧バルブを取り付けて、加熱ユ
ニットおよび冷却ユニットに1.5MPaの背圧をかけ
る装置を準備した。なお、ステンレスパイプは1/4イ
ンチ径のもの、加熱ユニットは10m、冷却ユニットは
3mであった。オイルバスの温度は250℃に設定し
た。
【0085】L-アスパラギン酸5kg、水5kg、硫
酸0.5kgを混合し、モノマーポンプで前記装置に1
分間に25mlの速度で圧送し、連続重合反応を行っ
た。加熱ユニットの滞留時間は2.8分であった。背圧
バルブからシロップ状の重合物水溶液が得られた。この
重合物の分子量を測定したところ、重量平均分子量は3
400であった。
【0086】実施例において、得られた重合体の溶液は
若干淡黄色ないし褐色程度に着色した均一の溶液であっ
た。およそ重量平均分子量2000〜6500の重合体
が得られた。
【0087】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、極めて簡単
な方法により生分解性に優れたポリアミノ酸を得ること
ができる。
【0088】本発明のポリアミノ酸は生分解性に特に優
れている。
【0089】生分解性に優れているので、本発明のポリ
アミノ酸は洗剤添加剤、分散安定化剤、スケール防止
剤、保湿剤、肥料として有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DB02 DC12 EA34 EA35 EA36 EA37 EE14D EE16D EE72D EE75D EE77D EE78D 4J043 PA02 QB06 RA34 XA03 XA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスパラギン酸を必須とするアミノ酸と
    水とを混合し、加熱することを特徴とするポリアミノ酸
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 添加する水の量がアスパラギン酸を必須
    とするアミノ酸の重量に対し、0.2倍〜40倍の範囲
    である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 さらに、酸触媒を添加する請求項1また
    は請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱して得られた重合物を濃縮する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 BOD7日の生分解率が45%以上の生
    分解性を有するポリアミノ酸。
JP2000271896A 1999-09-10 2000-09-07 ポリアミノ酸の製造方法 Expired - Fee Related JP3440233B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000271896A JP3440233B2 (ja) 1999-09-10 2000-09-07 ポリアミノ酸の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-257973 1999-09-10
JP25797399 1999-09-10
JP2000271896A JP3440233B2 (ja) 1999-09-10 2000-09-07 ポリアミノ酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001146516A true JP2001146516A (ja) 2001-05-29
JP3440233B2 JP3440233B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=26543480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000271896A Expired - Fee Related JP3440233B2 (ja) 1999-09-10 2000-09-07 ポリアミノ酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3440233B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016536430A (ja) * 2013-09-16 2016-11-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 食器洗浄用洗剤での変性ポリアスパラギン酸の使用方法
JP2018500418A (ja) * 2014-12-12 2018-01-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 予備縮合物を用いてポリアスパラギン酸を製造する方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016536430A (ja) * 2013-09-16 2016-11-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 食器洗浄用洗剤での変性ポリアスパラギン酸の使用方法
JP2018500418A (ja) * 2014-12-12 2018-01-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 予備縮合物を用いてポリアスパラギン酸を製造する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3440233B2 (ja) 2003-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6054553A (en) Process for the preparation of polymers having recurring agents
JP3178955B2 (ja) ポリサクシンイミド、ポリアスパラギン酸およびその塩類の製造方法とこれら化合物の用途
DE4221875A1 (de) Modifizierte Polyasparaginsäuren, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
KR19980024124A (ko) 보일러의 스케일 형성 방지용 생분해성 아스파라긴산 중합체
EP0745103B1 (en) Production of polyaspartic acid from maleic acid and ammonia
WO1997007178A1 (de) Verwendung von polymeren mit wiederkehrenden succinyleinheiten als frostschutzmittel
JP3419067B2 (ja) ポリアスパラギン酸の製造法
US6380350B1 (en) Polyaspartic acid
US5919894A (en) Process for preparing polymers with recurring succinyl units
JP3440233B2 (ja) ポリアミノ酸の製造方法
JP3683064B2 (ja) スクシニル繰り返し単位を有するポリマーの製造方法
GB2307689A (en) Process for the preparation of polymers having recurring succinyl units
WO1994023004A1 (de) Verwendung von polyasparaginsäure in reinigungsmittelformulierungen
US5449748A (en) Preparation of anhydropolyamino acids at temperatures of 350° C. or above
US6395870B1 (en) Process for preparing biodegradable polymers having repeating succinyl units
JPH11500167A (ja) 無水ポリアミノ酸の製造
EP0642593B1 (de) Verwendung von kondensaten der asparaginsäure als belagsverhinderer bei der eindampfung von zuckersäften
JPH11310635A (ja) 反復サクシニル単位を有する重合体の触媒を用いる製造法
JPH09165447A (ja) ポリアスパラギン酸共重合体及びその製造方法
KR20000068474A (ko) 반복 숙시닐 단위를 갖는 중합체의 제조 방법
JPH08337769A (ja) キレート剤
JP3383118B2 (ja) ポリコハク酸イミドの処理方法
JPH1161098A (ja) キレート剤
JPH09316196A (ja) ポリスクシンイミドの製造方法
MXPA97000587A (en) Procedure for the obtaining of polymers recurring succin conunities

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030408

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030603

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees