JP3681913B2 - 非水系二次電池用炭素質負極活物質及び非水系二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系二次電池用炭素質負極活物質及びそれを用いた非水系二次電池に関するものである。特に、電気自動車用、電力のロードレベリング用など、大容量でエネルギー密度が高く、かつメンテナンスフリーの要求が高い分野で利用されるリチウム二次電池をはじめとする非水系二次電池の負極に適した炭素質負極活物質及びその物質を用いて構成された非水系二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、軽量化に対応して、その電源としてエレクトロニクス用のリチウムイオン二次電池が実用化され、ハンディビデオカメラや携帯用パソコン等に使われている。また、環境問題等から電気自動車が注目を集めており、エネルギー密度が高く、かつ密閉型でメンテナンスフリーのリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。
一般にリチウム電池の負極としては、炭素質材料が主に用いられるようになってきている。炭素質材料の中でも、比較的低温で、例えば1500℃以下の低温で焼成された炭素質材料を用いたものは低コスト、高容量という点で有望視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、単に1500℃以下の比較的低温で焼成しただけの炭素質材料では必ずしも所望の高容量が得られず、特定の加熱処理を施すことにより高容量となし得ることを先に見出し出願した(特願平10−218978)。更に検討を進めた結果、低温で焼成した炭素質材料は、黒鉛に比べ電子導電性が劣るため、実際の電池の負極活物質として用いた場合には、電流分布の不均一さを生じ、本来有している焼成炭素の負極容量を引き出す事ができない問題があり、更なる改良が必要とされた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題点に鑑み、鋭意検討した結果、ある特定のミクロポア分布を有する焼成炭素、特に炭素質材料にある特定の前処理を施した後加熱処理して得られた焼成炭素が高容量を有しており、これらの焼成炭素を黒鉛と混合して負極活物質として用いることにより、優れた電池特性を引き出しうる事を見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなり、且つ該焼成炭素は窒素ガスのBET吸着法によるポア分布が、▲1▼直径8Å未満のポアが2×10-4CC/g以上、▲2▼直径8〜18Åのポアが15×10-4CC/g以下であることを特徴とする非水系二次電池用炭素質負極活物質に存し、該焼成炭素の更なる特徴は、窒素ガスのBET吸着法によって求めた比表面積が0.1〜7m2/gであること、及び真比重が1.7〜2.15の範囲にあることである。
【0005】
本発明の他の要旨は、少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなる非水系二次電池用炭素質負極活物質において、該焼成炭素が、平均粒度100μm以下の炭素質材料を不活性ガス雰囲気下に250〜650℃の温度で第1段加熱処理を行い、更に不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で第2段加熱処理を行うことにより得られるものであること;平均粒度100μm以下の炭素質材料を酸化性ガス雰囲気下に50〜400℃の温度で第1段加熱処理を行うか、或いは酸化性ガス雰囲気下に50〜400℃の温度で加熱処理を行い、その後不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で第2段加熱処理を行うことにより得られるものであること;平均粒度100μm以下の炭素質材料を、不活性ガス雰囲気下、250〜650℃の温度で加熱処理を行う前及び/又は後に酸化性ガス雰囲気下に50〜400℃の温度で加熱処理を行い、更に不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で加熱処理を行うことにより得られるものであること;並びに平均粒度100μm以下の炭素質材料を、不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で加熱処理して製造する際に、該加熱処理温度への昇温過程における250〜650℃の温度領域では500℃/Hr以下の昇温速度で昇温することにより得られるものであることに存する。
本発明の更なる要旨は、上記の黒鉛と焼成炭素との混合物からなる炭素質負極活物質を用いた負極を有する非水系二次電池に存するものである。
【0006】
本発明の炭素質負極活物質における好適な黒鉛は、平均粒径(X)及び窒素ガスのBET吸着法による比表面積(Y)が次式を満たすものであり、
Y≦52X-0.6(但し、4≦X≦40、0.1≦Y≦25)
また、黒鉛と焼成炭素との混合物中に焼成炭素は20〜80重量%を占めるものである。
更に、本発明の好適な非水系二次電池における非水電解液はプロピレンカーボネートを含有し、また電解質としてリチウム塩を含有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非水系二次電池は、リチウムイオン二次電池に代表されるもので、本電池は基本的には負極活物質、正極活物質、非水電解液から構成される。
二次電池の負極に用いられる本発明の負極活物質は、少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなり、その焼成炭素は特定のポア分布構造を有するもので、炭素質材料に特定の加熱処理を施すことにより取得することができる。
【0008】
本発明の負極活物質を構成する焼成炭素は、窒素ガスのBET吸着法によるミクロポア分布が、▲1▼直径8Å未満のポアが2×10-4CC/g以上、▲2▼直径8〜18Åのポアが15×10-4CC/g以下であることに一つの特徴がある。即ち、リチウムの吸蔵に適した8Å未満のミクロポアが、2×10-4CC/g以上と多く存在し、この8Å未満のリチウムの吸蔵に適したミクロポアの失活を招く、より大きなサイズの直径8〜18Åのポアが、15×10-4CC/g以下に抑えられているのである。
尚、ミクロポアの大きさ、量は窒素ガスのBET吸着法によって測定することができ、このような装置としては、例えば、QUANTACHROM社製のAUTOSORB−1を挙げることができる。
【0009】
本発明の焼成炭素の他の特性は、真比重が1.7より大きく2.15以下の範囲であり、窒素ガスのBET吸着法によるその比表面積は好ましくは7m2/g以下、より好ましくは5m2/g以下、最も好ましくは3m2/g以下であり、その下限値は0.1m2/g以上、より好ましくは0.2m2/g以上、最も好ましくは0.3m2/g以上である。また、揮発分が1重量%以下となったものが充放電容量の点から好適である。
更に、本発明の焼成炭素は、X線回折法で求められる炭素の(002)面の面間隔d002が3.40〜3.55Å、C軸方向の結晶子の大きさLcが15〜300Åの値となっているのが好ましく、特にLcについては15〜100Å、更には15〜50Åが好適である。
【0010】
本発明の焼成炭素は、例えば以下に述べる方法により製造することができる。まず、本発明の焼成炭素を得るための炭素質材料としては、例えば、FCC(流動接触分解)残渣油、EHE油(エチレン製造時の副生油)、常圧残渣油、減圧残渣油等の石油系重質油やコールタール、コールタールピッチ等の石炭系重質油、更にはナフタレンやアントラセンのような多環芳香族化合物を加熱処理して得られるタール状物質でディレードコーカー、オートクレーブ等により400〜700℃程度の温度でコーキングしたコークスが挙げられる。この中では特にキノリン不溶分が12%以下、より好ましくは7%以下、更に好ましくは3%以下、最も好ましくは1%以下、0.01%以上のコールタールをディレードコーカー等で400から600℃の範囲でコーキングして得られる生コークスが好適に用いられる。
また、フェノール樹脂やフラン樹脂、あるいは木材や竹材、更には石炭等を比較的低温、例えば700℃以下で炭素化して得られる炭素質材料も使用することができる。
【0011】
本発明におけるこのような炭素質材料としては、好ましくは揮発分が0.1重量%以上15重量%以下、更に好ましくは1重量%以上10重量%以下であるものが用いられる。揮発分が15重量%より多くても本発明の効果は得られるが、1回目の加熱処理に要する時間が長大になり実際上では不利となる。また、揮発分が15重量%より多くなると、微粉砕の際に粉塵爆発を引き起こす可能性もある。
本発明における製造方法では、上記の炭素質材料を微粉化し、得られた微粉状の炭素質材料を少なくとも二段階の加熱処理に付することが好ましい。
【0012】
即ち、まず、後述する加熱処理に先立ちこの炭素質材料を微粉砕することが重要である。粉砕は、平均粒径が100μm以下、好ましくは50μm以下、また下限としては実用上1μm以上、より好ましくは7μm以上になるように行われる。粉砕方法自体は特に限定されず常法によって行われ、衝撃式粉砕機、衝突式粉砕機、磨砕式粉砕機等を使用して行うことができる。また、分級についても、篩いを始め、各種風力式分級機が使用できる。尚、揮発分除去効率の点から、最大粒径は実質的に500μm以上の粒子を含まないようにするのが好ましい。
【0013】
本発明の焼成炭素を取得し得る製造方法の第一の方法(第一製造法)においては、上記のように微粉砕した炭素質材料を不活性ガス雰囲気下、250〜650℃の温度で、第1段の加熱処理を行ってから700〜1500℃の温度で不活性雰囲気下、第2段の加熱処理を行う。第1段の加熱処理は、ロータリーキルン、電気炉等により行われ、特に制限されない。第1段の加熱処理は、好ましくは300〜500℃、更に好ましくは400〜500℃の温度で行われる。加熱処理時間は微粉の粒度、どのような状態で加熱されるかによって異なってくるが、加熱される温度で脱離すべき揮発分が実質的になくなるだけの時間でよく、通常5時間以下である。
また、この加熱処理に際しては、揮発分の除去が行われやすいように、微粉を50mm以下程度の薄い積層状態にしたり、攪拌等により微粉表面が気中に曝されるようにしたり、更にはガスの送り込みによって流動層状態にするのが好適である。また、減圧下に加熱したり、大量のガスをスィープしたりして、除去される揮発分を積極的に取り除くことも好ましい。
【0014】
第1段の加熱処理によって、揮発分の大半が除去された微粉は、引き続き不活性ガス雰囲気下で、700〜1500℃の温度で、第2段の加熱処理を行う。加熱処理は第1段の処理と同様に、ロータリーキルン、電気炉等により行われ、特に制限はない。第2段の加熱処理は、第1段の加熱処理とは別途に行っても構わないし、第1段の加熱処理に引き続いて行ってもよい。但し、後者の場合は第1段の加熱処理で除去されて発生してくる揮発分が、第2段の加熱処理ゾーンに侵入しないように、例えば排気機構を設けることが好ましい。
【0015】
第2段の加熱処理(焼成)は、実質的に不活性ガス雰囲気下であることが必要であり、好ましくは800〜1200℃の温度、更に好ましくは1000〜1200℃で行われる。加熱処理時間は、加熱される温度での炭素化反応が実質的に終了するだけの時間でよく、通常15分から2時間の範囲である。
第1段の加熱処理と同様に、微粉を50mm以下程度の薄い積層状態にしたり、攪拌等により微粉表面が気中に曝されるようにしたり、更にはガスの送り込みによって流動層状態にするのが、第1段の加熱処理後にも残っている揮発分を更に除去するうえで有効である。また、減圧下に加熱したり、大量のガスをスィープしたりして、更に除去される揮発分を積極的に取り除くことも同様に有効である。
【0016】
本発明の焼成炭素の第二の製造法においては、微粉砕した炭素質材料を、まず酸化性ガス雰囲気下、50〜400℃の温度で、第1段の加熱処理を行う。加熱処理は、ロータリーキルン、電気炉、あるいは乾燥設備等により行われ、特に制限されない。
加熱温度と時間は、微粉の粒度、加熱される状態等、及び使用する酸化性ガスの種類によって異なってくるが、空気を使用した場合では、通常250〜400℃の温度で、30分から10時間であり、NOx、SOx、ハロゲン等を使用(併用)した場合では、通常50〜200℃の温度で、15分から3時間程度である。勿論、この範囲に限定されるものではなく、必要とされる処理の程度に応じて適宜選択されるべきことは言うまでもない。
【0017】
また、この加熱処理に際しては、均一な酸化反応の進行、揮発分の脱離が行われやすいように、上記した第一の製造法の場合と同様に、微粉を50mm以下程度の薄い積層状態にしたり、攪拌等により微粉表面が気中に曝されるようにしたり、更にはガスの送り込みによって流動層状態にするのが好適である。
第1段の加熱処理の終了後、第一の製造法と同様に700〜1500℃で、不活性ガス雰囲気下、第2段の加熱処理を行えばよい。
【0018】
焼成炭素の第三の製造法としては、第二の製造法の酸化性ガス雰囲気下での第1段の加熱処理に、第一の製造法と同様の二段階の不活性ガス雰囲気下での加熱処理を組み合わせて行い、より一層の揮発分の脱離を行わせるものである。
この場合、酸化性ガス雰囲気下での加熱処理は、第一の製造法における不活性ガス雰囲気下、250〜650℃での第1段加熱処理の前及び/又は後に行うことができるが、酸化性ガス雰囲気下での加熱処理は不活性雰囲気下での第1段加熱処理前に行うことがより好ましく、その後に700〜1500℃での不活性ガス雰囲気下での加熱処理を行えばよい。
前記第一及び第三の製造法においては、不活性ガス雰囲気下250〜650℃での加熱処理の際、その加熱処理温度への昇温速度を500℃/Hr以下、特に300℃/Hr以下、更には200℃/Hr以下とするのが好ましい。
【0019】
更に、上記のような多段加熱処理とは異なる方法によっても本発明の焼成炭素を製造することが出来る。このような方法としては、第一の製造方法における不活性ガス雰囲気下での250〜650℃での第一段加熱処理を省き、最初から微粉砕した炭素質材料を不活性ガス雰囲気下、700〜1500℃での加熱処理を行うもので、その際、加熱処理温度への昇温過程での昇温速度をある温度領域において制御する、即ち加熱処理過程の250〜650℃の温度領域の昇温速度を500℃/Hr以下の遅いものとする方法である。昇温速度の制御は、加熱温度に達するまでの過程の任意の温度領域において行うことができ、その温度領域としては、400〜550℃の範囲であっても良いが、好ましくは300〜550℃の範囲であり、より好ましい範囲は250〜650℃である。また、この温度領域の昇温速度は500℃/Hr以下、好ましくは300℃/Hr以下、より好ましくは200℃/Hr以下で行われる。勿論この温度領域以外も同様の昇温速度であっても構わないが、通常は加熱処理に要する時間が長大になるのを避けるため500℃/Hr程度以上で行われる。
【0020】
前記の炭素質材料中に含まれる揮発分、特に遊離の有機化合物に由来する揮発分の大部分は250〜650℃の温度で脱離してくるものであるので、この温度範囲の昇温速度を遅くすることで、揮発分の炭素質微粉内での拡散移動、粉体層内での移動等による揮発分脱離の遅れがカバーされ、充分な脱離効果が得られるため、第一の製造方法における第一段の加熱処理を行ったのと同様の効果が得られる。また、700〜1500℃での加熱処理(焼成)温度、加熱処理時間は、第一の製造方法における第二段加熱処理の場合と同様に行えば良い。
【0021】
加熱処理は、ロータリーキルン、電気炉等によって行われ、特に制限されない。また、第一〜第三の製造方法の場合と同様に、微粉を50mm以下程度の薄い積層状態にしたり、攪拌等により微粉表面が気中にさらされる様にしたり、さらにはガスの送り込みによって流動層状態にするのが好ましい。
【0022】
焼成炭素の製造に当たり、原料として使用する炭素質材料(炭素質前駆体)が10重量%以上、例えば10〜45重量%程度の多量の揮発分を含む場合には、揮発分を除去するための制御された条件下での加熱処理を前記第一乃至第三製造方法に組み合わせることにより、本発明の好適な物性を有する焼成炭素を製造することができる。
【0023】
そのような製造方法としては、揮発分を10〜45重量%含有する微粉状の炭素質前駆体を、不活性ガス雰囲気下で、場合により減圧下に300〜600℃の温度で、加熱後の該炭素質前駆体の不活性ガス雰囲気下600℃までの加熱減量が10重量%以下となるように加熱処理し、加熱処理後の炭素質前駆体を酸化処理した後、不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃で焼成処理する方法、或いは揮発分を10〜45重量%含有する微粉状の炭素質前駆体を、酸化性ガス雰囲気下に50〜400℃の温度で加熱し、次いで不活性ガス雰囲気下で、場合により減圧下に300〜600℃の温度で、加熱後の該炭素質前駆体の不活性ガス雰囲気下600℃までの加熱減量が10重量%以下となるように加熱処理し、加熱処理後の炭素質前駆体を酸化処理した後、不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃で焼成処理する方法が挙げられる。
【0024】
これらの方法における酸化処理とは、加熱処理後の微粉状炭素質前駆体を酸化性ガス雰囲気下50〜400℃の温度で加熱することにより行われ、酸化処理後の炭素質前駆体の酸素含有量が酸素原子の添加量として5〜12重量%であり、且つ、不活性ガス雰囲気下600〜1000℃の間の加熱減量が4重量%以上となるまで行われることである。なお、ここに言う加熱減量とは、セイコー電子社製の熱分析装置TG/DTA300を使用し、対象とする処理後の炭素質前駆体(約15mg)を、アルゴン流通雰囲気(0.5リットル/分)下、5℃/分の速度で1000℃まで加熱して減量を測定した結果の内、所定の温度域(例えば、600℃迄、或いは600〜1000℃の間)で起こった減量を調べた値を表すものである。
また、不活性ガス雰囲気下300〜600℃の温度での加熱処理、酸化性ガス雰囲気下50〜400℃の温度での加熱処理並びに不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃で焼成処理する方法は、上記第一乃至第三の方法に準じて行えば良い。このような方法に使用される炭素質前駆体としては、特にコールタール系のハードピッチ乃至はセミコークスが好適である。
【0025】
本発明に用いる黒鉛としては,真比重が2.15より大きな黒鉛材料が好ましく、2.20以上がより好ましい。黒鉛材料としては、高結晶性の天然黒鉛,高結晶性の人造黒鉛,又は天然黒鉛や人造黒鉛の再熱処理品,膨張黒鉛の再熱処理品,或いはこれらの黒鉛の高純度精製品が使用可能であるが、具体的な黒鉛材料粉体として、以下の種類を挙げることができる。
(1)高結晶性の天然黒鉛や人造黒鉛、
(2)天然黒鉛、人造黒鉛、或いは膨張黒鉛の2000℃以上での再熱処理品、
(3)黒鉛化可能な有機物原料から黒鉛化により生成した上記(1)、(2)と同等の性能を持つ黒鉛
【0026】
▲1▼ コールタールピッチ,石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油,芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール,ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂から選ばれる1種以上の有機物を2500℃以上3200℃以下の焼成温度で黒鉛化したもの、
▲2▼ 上記▲1▼の黒鉛化可能な有機物を、リチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、珪素、カリウム、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、ニッケル、白金、パラジウム、コバルト、ルテニウム、錫、鉛、鉄、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、から選ばれる少なくとも一種以上の粉体,或いは薄膜などの触媒存在下で、400℃以上2500℃以下、より好ましくは1000℃以上2000℃以下で焼成することにより黒鉛化したもの。
【0027】
本発明で使用する黒鉛粉体としては、上記黒鉛材料のうち、窒素ガスのBET吸着法で測定された比表面積の値をY(m2 /g)、黒鉛材料の粉体の平均粒径の値をX(μm)とした場合、次式(1)を満たすものが好ましく、式(2)を満足するものはより好ましい。
Y≦52X-0.6 (但し、4≦X≦40、0.1≦Y≦25) (1)
Y≦42X-0.6 (但し、4≦X≦30、0.1≦Y≦20) (2)
即ち、黒鉛粉体として平均粒径が4μm〜40μmであるものを選別し、BET法を用いた場合の比表面積が、0.1〜25m2/gにあるものを選びだし、更にこの中で(比表面積)≦52×(粒径)-0.6の範囲を満たすものがリチウムイオン2次電池の負極材として好ましい性質を有する。特にその中でもその平均粒径が4μm〜30μmで、その比表面積が0.1〜20m2/gにあり、(比表面積)≦42×(粒径)-0.6の範囲を満たすものは更に好ましい。
【0028】
上記の黒鉛材料において、波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析を行い、1570〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度をIA、1350〜1370cm-1の範囲に存在するピークの強度をIBとしたとき、その比であるR値(=IB/IA)が、0.001を超え0.4以下であり、且つ、1570〜1620cm-1に存在するピークの半値幅である△ν値の大きさが、14以上27cm-1以下であるものをリチウム二次電池用の負極黒鉛材料として用いることが好ましい。R値が0.001以上0.2以下で、かつ△ν値の大きさが、14以上22cm-1以下である物はより好ましく、0.001以上0.15以下の物は更に好ましい。X線回折による(002)面の面間隔d002が3.38Å以下が好ましく、3.36Å以下であることがより好ましい。また、C軸方向の結晶子の大きさ(Lc)は500Å以上が好ましく、1000Å以上であることがより好ましい。
【0029】
本発明における負極活物質は、黒鉛と焼成炭素の混合物からなるが、混合物中に占める焼成炭素の下限割合は、少なくとも20重量%以上が好ましく、更に好ましくは30重量%以上であり、最も好ましくは40重量%以上である。焼成炭素の割合が少ないと、黒鉛材料の比率が高くなるので、電池が充電状態に達した時、高温時の熱安定性に欠ける事があり好ましくない。また、後述する電解液にプロピレンカーボネートを用いる場合に、黒鉛材料の比率が高くなるとプロピレンカーボネートが分解するので好ましくない。
他方、負極活物質に占める焼成炭素の上限割合は、80重量%以下が好ましく、更に好ましくは75重量%以下であり、最も好ましくは70重量%以下である。焼成炭素の割合が大きくなると、黒鉛材料の比率が低くなるので、本願発明の焼成炭素と黒鉛との混合による電池の性能向上効果が発現しにくくなる。
【0030】
本発明二次電池に使用する正極活物質としは、従来使用されているリチウムを吸蔵またはインターカレーションできる金属酸化物系化合物、カルコゲナイト系化合物等が好ましく、具体的にはLixCoO2、LixMnO2、LixMn2O4、LixV2O5、LixTiS2等が挙げられる。
負極は、常法により本発明の負極活物質と結着剤(バインダー)とを溶媒でスラリー化したものを銅等の金属箔上に塗布し乾燥した物を用いる事ができる。
正極は、正極活物質と結着剤(バインダー)と導電剤とを溶媒でスラリー化したものを塗布し乾燥した物を用いる事ができる。
【0031】
負極活物質、正極活物質の結着剤(バインダー)としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
正極の導電剤としては、黒鉛の微粒子、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等が使用されるが、これらに限定されない。
【0032】
スラリー化する溶媒としては、通常は結着剤を溶解する有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン,N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を掲げる事ができるがこれらに限定されない。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてSBR等のラテックスで正・負極活物質をスラリー化する場合もある。
負極に集電体を用いる場合には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用され、正極集電体を用いる場合には、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
【0033】
セパレータとしては、微多孔性の高分子フィルムが用いられ、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンや、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン系高分子よりなる物が用いられる。セパレータの化学的及び電気化学安定性は重要な因子である。この点からポリオレフィン系高分子が好ましく、電池セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点からポリエチレン製であることが好ましい。
ポリエチレン製セパレータの場合、高温形状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、更に好ましくは100万、最も好ましくは150万である。他方分子量の上限は、好ましくは500万、更に好ましくは400万、最も好ましくは300万である。分子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱されたときセパレータの孔が閉塞しない場合があるからである。
【0034】
二次電池の電解液としては、リチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。
電解液の有機溶媒としては、例えばカーボネート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、ラクトン類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素類、アミン類、エステル類、アミド類、燐酸エステル化合物等を使用する事ができる。これらの代表的なものとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、燐酸トリメチル、燐酸トリエチル等が挙げられ、これらは単独もしくは二種類以上の混合溶媒として使用できる。
【0035】
また、CO2、N2O、CO、SO2等のガスやポリサルファイドSx2-、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネートなど負極表面にリチウムイオンの効率よい充放電を可能にする良好な皮膜を生成する添加剤を任意の割合で上記単独又は混合溶媒に添加してもよい。
上述の有機溶媒には、電解質を解離させるために高誘電率溶媒が含まれる事が好ましい。本発明における高誘電率溶媒とは、25℃における比誘電率が20以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中で、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びそれらの水素原子をハロゲン等の他の元素またはアルキル基等で置換した化合物が電解液中に含まれる事が好ましい。
高誘電率化合物の電解液に占める割合は好ましくは、20重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、最も好ましくは40重量%以上である。該化合物の含有量が少ないと、所望の電池特性が得られない場合があるからである。
上記高誘電率溶媒の中で、プロピレンカーボネートは、電池の低温作動性の点で好ましく使用される。尚、負極活物質に黒鉛を単独で用いるとプロピレンカーボネートが分解し、電解液の主成分としてプロピレンカーボネートを使用することができなかったが、本発明の負極活物質では、プロピレンカーボネートの使用が可能であり好ましい。
【0036】
電解質としては、従来公知のいずれもが使用でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4 、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、LiCH3SO3Li、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiN(SO3CF3)2等のリチウム塩が挙げられる。
また、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を用いることもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の評価方法は下記のとおりである。又、実施例および比較例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0038】
「電極材料の評価方法」
(粒径測定)レーザー回折式粒径評価装置により行い,自動的に算出される平均粒径を評価基準に用いた。
(真比重)30℃の恒温槽中0.1%オレイン酸ナトリウム水溶液を用いたピクノメーター法で測定した。
(比表面積及びミクロポア)350℃、1時間の真空脱気処理(乾燥)を行った後、QUANTACHROM社(米国)製のAUTOSORB−1を使用して、液体窒素温度での窒素ガス吸着を行い、吸着等温曲線、BETプロットを求めた。これを、Horvath−Kawazoe法で解析して18Åまでのミクロポアを測定した。
(ラマンスペクトル測定)日本分光NR-1800により行い,波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を,30mWの強度で照射した。ここでは1570〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度(IA)および,1350〜1370cm-1の範囲に存在するピークの強度(IB)を測定し、これらから得られるR(=IB/IA)値、及び1570〜1620cm-1に存在するピークの半値幅である△ν値を求めた。
【0039】
実施例1
(負極の調製)
キノリン不溶分が2.8%のコールタールをコーキングして得た、揮発分5.6重量%の生コークスを、ジェットミルにて微粉砕して、平均粒径11μm最大粒度40μm以下の生コークス微粉を得た。
この生コークス微粉を黒鉛製のトレイに10mmの厚さで入れ、箱形の電気炉中で、窒素流通雰囲気下、10℃/分で450℃まで昇温し、450℃で1.5時間保持して第1段の加熱処理を行った。
一旦冷却してトレイを取り出し、第1段の加熱処理での収率を測定した後、トレイを再び箱形の電気炉中に入れ、窒素流通雰囲気下10℃/分で再昇温した。1000℃で1時間の保持をして、第2段の加熱処理を行い、焼成炭素Aを得た。得られた焼成炭素Aの物性は、表1に示すごとくであった。
又、負極材に使用する黒鉛としては、表2に示す物性を有する黒鉛Bを用いた。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
得られた焼成炭素A45部、黒鉛B45部に、10部のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を結着剤として使用し、N−メチルピロリドンを溶媒として、20μm厚さの銅箔の片面に塗布した。乾燥して溶媒を蒸発させ、1ton/cm2圧力でプレス処理をして負極を作成した。得られた塗布負極を13mmφに打ち抜き、負極活物質の重量を正確に秤量した後、図1に示す構成のセルを使用して、その性能を評価した。即ち、負極1の上にセパレータ3として多孔性ポリエチレンフィルムを置き、その上に対極として16mmφ、厚さ0.4mmのリチウム箔を、ポリプロピレン製ガスケット5を付けた封口管6に圧着した。非水電解液溶液として、1モル/lの過塩素酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒を用い、これを電池内に加え(負極1、セパレータ3に充分しみこませ)電池を封口した。
【0043】
(電気化学特性評価)
得られた電池を、充電電流1mA/cm2で、電池電圧が3mVとなるまで、定電流法で充電し、各放電電流で、電池電圧が1500mVとなるまで、定電流法で放電させた。評価は25℃で実施した。
評価電池の内容を表3に、又評価結果を表4に示す。
【0044】
実施例2、及び比較例1〜2
表3に示す負極材組成とする以外は、実施例1と同様にして、電池を作製し、その電池特性を評価した。結果を表4に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
実施例3
表5に示す電解液組成とする以外は、実施例1と同様にして、電池を作製し、その電池特性を評価した。結果を表6に示す。
比較例3
表5に示す電解液組成とする以外は、比較例1と同様にして、電池を作製し、その電池特性を評価した。電解液が分解し続け、電池として機能しなかった。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】
本発明は、黒鉛と特定のポア分布を有する多孔性の焼成炭素との混合物を負極活物質とすることにより、該負極物質を用いた二次電池は焼成炭素の負極容量が高められ、黒鉛と焼成炭素の両特性が相互に作用し電池特性が向上する。又、この多孔性の焼成炭素は、微粉状の炭素質材料に、特定の加熱処理を組み合わせて施す、例えば不活性ガス雰囲気下、250〜650℃の温度での第1段加熱処理と不活性ガス雰囲気下、700〜1500℃の温度での第2段加熱処理をすることにより容易に取得することができるので、工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液二次電池の一例である、ボタン型二次電池の断面説明図である。
【符号の説明】
1 負極
2 セパレータ及び電解液
3 正極
4 電池筐体
5 絶縁体
6 充放電端子
7 シールパッキン
Claims (12)
- 少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなり、且つ該焼成炭素は窒素ガスのBET吸着法によるポア分布が、▲1▼直径8Å未満のポアが2×10-4CC/g以上、▲2▼直径8〜18Åのポアが15×10-4CC/g以下であることを特徴とする非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 該焼成炭素は、窒素ガスのBET吸着法による比表面積が0.1〜7m2/gであることを特徴とする請求項1記載の非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 該焼成炭素は、真比重が1.7〜2.15の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなり、且つ該焼成炭素は、平均粒度100μm以下の炭素質材料を不活性ガス雰囲気下に250〜650℃の温度で第1段加熱処理を行い、更に不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で第2段加熱処理を行うことにより得られるものであることを特徴とする非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなり、且つ該焼成炭素は、平均粒度100μm以下の炭素質材料を酸化性ガス雰囲気下に50〜400℃の温度で第1段加熱処理を行い、更に不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で第2段加熱処理を行うことにより得られるものであることを特徴とする非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなり、且つ該焼成炭素は、平均粒度100μm以下の炭素質材料を、不活性ガス雰囲気下で250〜650℃の温度で加熱処理を行なう前及び/又は後に酸化性ガス雰囲気下に50〜400℃の温度での加熱処理を行ない、その後不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で加熱処理を行うことにより得られるものであることを特徴とする非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 少なくとも黒鉛と焼成炭素との混合物からなり、且つ該焼成炭素は、平均粒度100μm以下の炭素質材料を、不活性ガス雰囲気下に700〜1500℃の温度で加熱処理して製造する際に、該加熱処理温度への昇温過程における250〜650℃の温度領域では500℃/Hr以下の昇温速度で昇温することにより得られるものであることを特徴とする非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 黒鉛は、平均粒径(X)及び窒素ガスのBET吸着法による比表面積(Y)が次式を満たすものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の非水系二次電池用炭素質負極活物質。
Y≦52X-0.6(但し、4≦X≦40、0.1≦Y≦25) - 少なくとも黒鉛と焼成炭素とからなる混合物中に占める焼成炭素の割合は、20〜80重量%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の非水系二次電池用炭素質負極活物質。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の非水系二次電池用炭素質負極活物質を用いた負極を有することを特徴とする非水系二次電池。
- プロピレンカーボネートを含有する非水電解液を有することを特徴とする請求項10記載の非水系二次電池。
- 非水電解液が電解質としてリチウム塩を含有することを特徴とする請求項10又は11記載の非水系二次電池。
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