JP3680377B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各車輪の制動用シリンダの流体圧を最適状態に制御して車輪のロックを防止するアンチスキッド制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなアンチスキッド制御装置は、一般に,制御対象車輪の車輪速度を検出して、例えばその車輪速度から得られる車輪スリップ率が、舵取り効果や制動距離の確保に有効とされる基準スリップ率より大きくなるような場合には、制動用シリンダへの流体圧を減圧し、この減圧によって当該車輪速度が増速してその車輪スリップ率が前記基準スリップ率より小さくなるようになると再び制動用シリンダへの流体圧を増圧し、所謂ポンピングブレーキ的な操作を自動制御することによって,当該制御対象車輪のスリップ率が基準スリップ率に維持されるように制動力を調整制御する。なお、このアンチスキッド制御中の作動流体の増圧調整制御は、所定時間毎に制限された増圧を繰り返して、マクロ的には各車輪の制動用シリンダの流体圧が比較的ゆっくりと増圧される(以下,緩増圧とも記す)ようにしている。
【0003】
このような制動用シリンダの作動流体圧(以下,ホイールシリンダ圧とも記す)の緩増圧制御を行うために、例えば図16に示すような電磁弁8が用いられる。この電磁弁8の吐出孔51が図示されないホイールシリンダ側に接続され、絞り52を介した流入孔53が図示されないマスタシリンダ側に接続される。この流入孔53と吐出孔51との間に形成されている弁座面54には、ニードル55が対向配置されており、更にこのニードル55の後端にアーマチャ56が形成されていて、このアーマチャ56の外側先方にソレノイド57が配設されている。また、前記ニードル55と弁座面54との間に介装されたリターンスプリング58が、当該ニードル55を弁座面54から離間する方向に付勢している。従って、ソレノイド57に通電のない状態では、前記リターンスプリング58の弾性力によってニードル55が弁座面54から離間し、流入孔53と吐出孔51とは絞り52を介して連通状態となり、マスタシリンダ圧は絞りの影響を受けながらホイールシリンダ圧を増圧する。また、ソレノイド57に通電があると、前記リターンスプリング57の弾性力に抗してアーマチャ56がソレノイド57側に変位してニードル55の先端部が弁座面54に当接し、前記流入孔53と吐出孔51とが遮断されてホイールシリンダ圧は保持される。
【0004】
従って、この電磁弁8を用いて前述のようにホイールシリンダ圧を緩増圧する際には、前記ソレノイド57に通電し続けて流入孔53−吐出孔51間を閉状態とするホイールシリンダ圧の保持圧状態から、前記所定時間毎に,例えばデューティ比制御された短い矩形波(パルス)形状に前記ソレノイド57への通電を解除して、前記流入孔53−吐出孔51間を開状態とするホイールシリンダ圧の増圧状態とし、これを前記所定時間毎に繰り返して当該ホイールシリンダ圧がステップ状に増圧されるようにしている。なお、このホイールシリンダ圧の緩増圧制御で、前記短いパルス形状のソレノイドへの通電解除信号は、電流値或いは電圧値としてはOFF状態であるが、ここでは、この通電解除の信号状態を増圧信号を出力すると称する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような作動流体圧或いはその流量を小刻みに制御する場合には、その流体の脈動に伴って流体路系に振動が生じる。つまり、前記電磁弁からホイールシリンダまでの間は閉鎖された流体圧系となり、これらを結ぶ流体路系,主として配管系の共振周波数に対応する周期で作動流体の圧力変動が発生する。その状態を、単一パルスの増減圧信号(開弁信号)を与えた場合の圧力変動として図17に示す。このように、開弁信号が継続して前記ニードル55が弁座面54から離間しているにも係わらず、ホイールシリンダ圧は一旦低下し、その後、緩やかに増加する。このように開弁信号が与えられた場合に、電磁弁が開弁しているにも係わらず流体圧が低下するのは、前記ソレノイド−アーマチャ間の励磁力によってその断面積が規制される前記座面絞り52の影響である。そして、当該開弁信号の出力終了後に閉状態となると、配管系の共振に起因する圧力変動が発生する。ちなみに、電磁弁の開弁時と閉弁時とでは、閉弁時に発生するホイールシリンダ圧の脈動の方が大きい。
【0006】
このようなホイールシリンダ圧の脈動を抑制するために、一般的には前記電磁弁を含むアクチュエータ内にオリフィスやダンパ等の流体圧ディバイスを付加しているが、これらの流体圧ディバイスの付加によって通常ブレーキ時(非アンチスキッド制御時)の制動力発生の応答性が低下する虞れがある。また、このような流体圧ディバイスを付加する分だけコスト高になるという問題もある。また、何よりもこれらの流体圧ディバイスによる脈圧抑制は、その振幅を抑制して収束を早めるというものであり、根本的なホイールシリンダ圧そのものの脈圧発生原因,所謂トリガ波を抑制することはできない。
【0007】
このような問題を解決するために、本出願人は先に特願平7−106369号に記載されるアンチスキッド制御装置を提案した。このアンチスキッド制御装置(発明の名称はブレーキ液圧制御装置)は、特にホイールシリンダ圧の脈動の大きい電磁弁の閉弁時に当該電磁弁がゆっくりと閉状態に移行するように、その指令信号を調整する。より具体的には、現実的にPWM(Pulse Width Modulation) 制御される指令信号のデューティ比可変範囲を、実質的に電磁弁の開度を制御可能な電流値範囲に設定し、主として矩形波に変換される指令信号のデューティ比をこのデューティ比可変範囲内で調整出力すると共に、少なくとも電磁弁が開状態から閉状態に移行するときの閉動作時デューティ比を、閉弁側制限値に向けて次第に変更設定することで、特にホイールシリンダ圧の増圧制御を司る電磁弁がゆっくりと閉じられ、もってホイールシリンダ圧の脈圧発生そのものを抑制防止することができるようにした。
【0008】
しかしながら、このように電磁弁をゆっくりと閉じると、その閉弁移行時に、特有のフィルタリングがかかるような現象が発生する。つまり、元来、ホイールシリンダ圧の増圧信号として出力される指令信号が発生しているにも関わらず、当該ホイールシリンダ圧が十分に増圧しなくなる現象が発生することがある。これは、特にホイールシリンダ圧の増圧代(増圧ゲイン)を左右するマスタシリンダ圧が低いときに発生し易く、このようにマスタシリンダ圧の低い状況は、路面摩擦係数状態(以下,単にμとも記す)が比較的低いときに発生し易いから、結果的に十分に制動距離を確保できなくなる虞れがある。或いは、実際のアンチスキッド制御では、前記ホイールシリンダ圧の緩増圧制御時に、前記制限された増圧の繰り返し回数が或る所定値以上となると、通常のブレーキ,つまりマスタシリンダ圧を直接にホイルシリンダ圧に供給する急増圧制御に移行するが、これによってそれまで十分に増圧していないホイールシリンダ圧が急速に増圧し、もって車輪のスリップ率が急速に大きくなると、これを基準スリップ率まで低減するために直ぐにホイールシリンダ圧の減圧制御に移行し、所謂制御性能が低下するという問題も併せ持つ。
【0009】
本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発されたものであり、ホイールシリンダ圧の増圧調整のための電磁弁の閉動作時に、それが緩やかに閉じられるようにすることでホイールシリンダ圧の脈動そのものを抑制防止すると共に、マスタシリンダ圧が低い等,ホイールシリンダ圧の増圧ゲインが小さい状況でもホイールシリンダ圧を必要圧まで十分に増圧して制御性能を確保可能とするアンチスキッド制御装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記諸問題を解決するために、本発明のうち請求項1に係るアンチスキッド制御装置は、指令信号により開閉動作する複数の電磁弁を備えて構成されて、各車輪の制動用シリンダの作動流体圧を各電磁弁への指令信号に応じて各々増減圧調整するアクチュエータと、車輪のスリップ状態に基づいて、少なくとも作動流体圧制御中は前記各車輪の制動用シリンダの作動流体圧に対して所定の減圧を行った後、所定時間毎に制限された増圧を繰返すことにより当該作動流体圧を緩増圧するために、前記アクチュエータの電磁弁の開閉動作を電流値によって制御するための指令信号を出力するアクチュエータ制御手段とを備え、前記アクチュエータ制御手段は、各制動用シリンダへの作動流体圧制御時に前記電磁弁への電流値を制御するための指令信号をPWM制御するPWM制御手段を備え、当該PWM制御手段は、前記作動流体圧の緩増圧制御中の制限された増圧回数を検出する増圧回数検出手段と、少なくとも前記制動用シリンダへの作動流体圧を増圧調整する電磁弁が、少なくともその閉動作時に次第に閉状態に移行するように、当該電磁弁への指令信号のデューティ比を次第に変更設定するデューティ比設定手段と、前記増圧回数検出手段で検出された増圧回数検出値が所定増圧回数値以上となったときに、前記作動流体圧制御中の各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の増圧量が所定量だけ又は所定量ずつ増加する方向に、当該作動流体圧を増圧調整する電磁弁への前記PWM制御される指令信号のデューティ比を調整する指令信号調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のうち請求項2に係るアンチスキッド制御装置は、前記指令信号調整手段が、前記作動流体圧制御中の各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の増圧量を増加するときに、前記各制動用シリンダへの作動流体圧を増圧調整する電磁弁の開弁側のデューティ比制限値をより開方向に変更設定するか、又は当該作動流体圧を増圧調整する電磁弁を開状態とするデューティ比の継続時間を延長する方向に変更設定するかの何れか一方又は双方を行うことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のうち請求項3に係るアンチスキッド制御装置は、前記指令信号調整手段が、前記増圧回数検出手段で検出された増圧回数検出値の増加に伴って、段階的に各制動用シリンダへの作動流体圧の増圧量が増加する方向に、当該作動流体圧を増圧調整する電磁弁へのPWM制御される指令信号のデューティ比を変更設定することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明のうち請求項4に係るアンチスキッド制御装置は、前記指令信号調整手段が、前記増圧回数検出手段で検出された増圧回数検出値に応じて調整された指令信号のデューティ比に対して、前記各車輪のスリップ状態に応じた補正を加えることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のアンチスキッド制御装置の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明のアンチスキッド制御装置を,FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式をベースにした後輪駆動車両に展開した一例である。
【0015】
図中、1FL,1FRは前左右輪、1RL,1RRは後左右輪であって、後左右輪1RL,1RRにエンジンEGからの回転駆動力が変速機T、プロペラシャフトPS及びディファレンシャルギヤDGを介して伝達され、各車輪1FL〜1RRには、それぞれ制動用シリンダとしてのホイールシリンダ2FL〜2RRが取付けられ、更に前輪1FL,1FRにこれらの車輪回転数に応じたパルス信号を出力する車輪速センサ3FL,3FRが取付けられ、プロペラシャフトPSに後輪の平均回転数に応じたパルス信号を出力する車輪速センサ3Rが取付けられている。なお、車両には車両の前後方向加速度Xgを検出する前後加速度センサ16が設けられている。
【0016】
各前輪側ホイールシリンダ2FL,2FRには、ブレーキペダル4の踏込みに応じて前輪側及び後輪側の2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧が前輪側アクチュエータ6FL,6FRを介して個別に供給されると共に、後輪側ホイールシリンダ2RL,2RRには、マスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチュエータ6Rを介して供給され、全体として3センサ3チャンネルシステムに構成されている。
【0017】
前記アクチュエータ6FL〜6Rの夫々は、図2に示すように、マスタシリンダ5に接続される油圧配管7とホイールシリンダ2FL〜2RRとの間に介装された電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に接続された電磁流出弁9、油圧ポンプ11及び逆止弁11の直列回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油圧配管に接続されたアキュームレータ12とを備えている。この流入弁8及び流出弁9を構成する電磁弁は、前記図16に示す従来のものと同様又はほぼ同様であり、またその接続構成や作用についても前述の内容と同様又はほぼ同様であるために、その詳細な説明を省略する。また、異常時の作動補償,所謂フェールセーフの関係から、前記電磁流入弁8は通電のないノーマル位置で常時開状態(増圧状態),通電による切換え位置で閉状態(圧力保持状態)に移行し、前記電磁流出弁9は通電のないノーマル位置で常時閉状態(圧力保持状態),通電による切換え位置で開状態(減圧状態)に移行する。そして、これらの電磁弁8,9の開状態への移行を開動作、閉状態への移行を閉動作と定義する。また、実質的な各電磁弁8,9L〜26Rの制御は後述するPWM制御によってデューティ比制御されており、従って後述するホイールシリンダ圧緩増圧モードは,前記電磁流入弁8による増圧状態と保持状態とを所定時間毎に繰り返して選択設定することで達成され、これにより当該ホイールシリンダ圧は見掛け上,比較的ゆっくりと増圧される。
【0018】
そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの電磁流入弁8、電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号及び前後加速度センサ16からの前後加速度Xgが入力されるコントロールユニットCRからの液圧制御信号EV,AV及びMRによって制御される。
前記コントロールユニットCRは、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号が入力され、これらと各車輪1FL〜1RRのタイヤ転がり動半径とから各車輪の周速度でなる車輪速VwFL〜VwR を演算する車輪速演算回路15FL〜15Rと、前記車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速VwFL〜VwR 及び前後加速度センサ16の前後加速度Xgが入力されてこれらに基づいてアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EV,AV及びMRを出力するアクチュエータ制御手段としてのマイクロコンピュータ20とを備えており、マイクロコンピュータ20から出力される指令信号としての制御信号EVFL〜EVR ,AVFL〜AVR 及びMRFL〜MRR がPWM駆動回路22aFL〜22aR ,22bFL〜22bR 及び22cFL〜22cR を介してアクチュエータ6FL〜6Rに供給される。
【0019】
そして、前記マイクロコンピュータ20は、前記各車輪速度演算回路15FL〜15Rからの出力値である車輪速VwFL〜VwR 及び前後加速度センサ16からの前後加速度Xgを読込むためのA/D変換機能等を有する入力インタフェース回路20aと、マイクロプロセサ等の演算処理装置20bと、ROM,RAM等の記憶装置20cと、前記演算処理装置20bで得られた制御信号EVFL〜EVR ,AVFL〜AVR 及びMRFL〜MRR をアナログ信号として出力するためのD/A変換機能を有する出力インタフェース回路20dとを備えている。このマイクロコンピュータ20では、前記各車輪速VwFL〜VwR を用いて例えば従来周知の車体速算出演算処理に従って最大車輪速等から車体速算出値としての疑似車速Vi を算出し、この疑似車速Vi に対して後述する図3の演算処理に従って車輪速VwFL〜VwR からスリップ率SFL〜SR を算出すると共に、各車輪速VwFL〜VwR の微分値として車輪加減速度V'wFL〜V'wR を算出し、これら車輪速VwFL〜VwR ,車輪加減速度V'wFL〜V'wR 及び目標車輪速V* wに基づいてアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EVFL〜EVR ,AVFL〜AVR 及びMRFL〜MRR を出力する。
【0020】
それでは次に、本実施形態のアンチスキッド制御装置による基本的なアンチスキッド制御の構成を,前記マイクロコンピュータ20で実行される図3のフローチャートに示す演算処理に従って説明する。この演算処理は所定のサンプリング時間(例えば5msec)ΔT毎にタイマ割込処理として実行される。なお、図3のフローチャート中,ASはアンチスキッド制御フラグであり、“1”のセット状態でアンチスキッド制御のためのホイールシリンダ圧制御が行われていることを示し、リセット状態は“0”とする。また、Tは減圧タイマであり、前記アンチスキッド制御のためのホイールシリンダ圧制御で、当該ホイールシリンダ圧が所定回数T0 以上減圧されないようにするためのものである。そして、これらはキースイッチのオンによる電源投入時及び前回のアンチスキッド制御の終了時にステップS9からステップS11に移行して“0”にリセットされる。また、このフローチャートでは特に情報の入出力ステップを設けていないが、演算処理装置20bの演算処理で算出されたり設定されたりした情報は随時前記記憶装置20cに更新記憶され、また記憶装置20cに記憶されている情報は随時演算処理装置20bのバッファ等に通信記憶されるものとする。
【0021】
この図4の演算処理が開始されると,先ずステップS1で各車輪速演算回路15i(i=FL,FR,R)から出力された現在の車輪速Vwi を読込むと共に、図示されない個別の演算処理で算出され且つ記憶装置20cに更新記憶されている疑似車速Vi を読込む。なお、この疑似車速Vi の算出のための演算処理としては、例えば本出願人が先に提案した特開平4−27650号公報等にハード構成されたものをソフト化して用いることが挙げられる。
【0022】
次にステップS2に移行して、例えば前記ステップS1で読込んだ各車輪速の今回値Vwi(N)を,前回の処理時に読込んだ車輪速Vwi(N-1)から減算し、更に前記サンプリング時間ΔTで除して,単位時間当たりの車輪速変化量,即ち車輪加減速度V'wi を算出し、これを記憶装置20cの所定記憶領域に記憶する。
次にステップS3に移行して、下記2式の演算を行って各車輪のスリップ率Si を算出する。
【0023】
i =(Vi −Vwi )/Vi ・100 ……… (2)
次にステップS4に移行して、前記ステップS3で算出された各車輪のスリップ率Si が予め設定された基準スリップ率Si0(凡そ15%程度)以上であるか否かを判定し、当該車輪のスリップ率Si が基準スリップ率Si0以上である場合にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステップS6に移行する。
【0024】
前記ステップS5では、前記ステップS2で算出された各車輪加減速度V'wi が予め設定された正の車輪加減速度閾値β以上であるか否かを判定し、当該車輪加減速度V'wi が前記閾値β以上である場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。
前記ステップS7では、前記減圧タイマTを“0”にリセットしてからステップS9に移行する。
【0025】
また、前記ステップS8では、前記減圧タイマTを所定値T0 にセットすると共に,アンチスキッド制御フラグASを“1”にセットしてから前記ステップS9に移行する。
一方、前記ステップS6では、前記減圧タイマTが“0”より大きいか否かを判定し、当該減圧タイマTが“0”より大きい場合にはステップS10に移行し、そうでない場合には前記ステップS9に移行する。
【0026】
前記ステップS10では、現在の減圧タイマTから“1”を減じた値を新たな減圧タイマTとして,これを記憶装置25cの所定記憶領域に記憶してから前記ステップS9に移行する。
前記ステップS9では、アンチスキッド制御を終了できるか否かを判定し、当該アンチスキッド制御終了可能である場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはステップS12に移行する。
【0027】
前記ステップS11では、前記減圧タイマTを“0”にリセットすると共に,前記アンチスキッド制御フラグASを“0”にリセットしてからステップS13に移行する。
また、前記ステップS12では、前記減圧タイマTが“0”より大きいか否かを判定し、当該減圧タイマTが“0”より大きい場合にはステップS14に移行し、そうでない場合には前記ステップS15に移行する。
【0028】
前記ステップS15では、前記ステップS2で算出された車輪加減速度V'wi が前記予め設定された閾値β以上であるか否かを判定し、当該車輪加減速度V'wi が前記閾値β以上である場合にはステップS16に移行し、そうでない場合にはステップS17に移行する。
前記ステップS16では、前記アンチスキッド制御フラグASが“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該アンチスキッド制御フラグASが“0”のリセット状態である場合には前記ステップS13に移行し、そうでない場合にはステップS20に移行する。
【0029】
一方、前記ステップS17では、前記ステップS2で算出された車輪加減速度V'wi が予め設定された車輪加減速度閾値α以下であるか否かを判定し、当該車輪加減速度V'wi が前記閾値α以下である場合にはステップS18に移行し、そうでない場合にはステップS19に移行する。
また、前記ステップS19では、前記アンチスキッド制御フラグASが“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該アンチスキッド制御フラグASが“0”のリセット状態である場合には前記ステップS13に移行し、そうでない場合にはステップS21に移行する。
【0030】
そして、前記ステップS13では、当該制御対象車輪1FL〜1RRの各ホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧を急増圧モードに設定すると共に、制御モードフラグF1iを、急増圧モードを示す“0”にセットしてからメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS14では、当該制御対象車輪1FL〜1RRの各ホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧を減圧モードに設定すると共に、制御モードフラグF1iを、減圧モードを示す“2”にセットしてからメインプログラムに復帰する。
【0031】
また、前記ステップS18では、当該制御対象車輪1FL〜1RRの各ホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧を高圧保持モードに設定すると共に、制御モードフラグF1iを、保持圧モードを示す“3”にセットしてからメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS20では、当該制御対象車輪1FL〜1RRの各ホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧を低圧保持モードに設定すると共に、制御モードフラグF1iを、保持圧モードを示す“3”にセットしてからメインプログラムに復帰する。
【0032】
また、前記ステップS21では、当該制御対象車輪1FL〜1RRの各ホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧を緩増圧モードに設定すると共に、制御モードフラグF1iを、緩増圧モードを示す“1”にセットしてからメインプログラムに復帰する。
それでは次に、前記マイクロコンピュータ20で実行される前記流入弁8及び流出弁9に対するアクチュエータ制御信号出力演算処理について、図4のフローチャートに示す演算処理に従って説明する。この演算処理は、前記図3の演算処理が実行されるサンプリング時間ΔTよりも十分に短い所定サンプリング時間(例えば1msec)ΔTEVi 毎にフリーランタイマ割込処理として実行される。なお、図4のフローチャート中,前出のフラグ符号やタイマ符号,デューティ比符号等は前記図3の演算処理の説明と同様である。
【0033】
ここで、このフローチャートにも用いられる流入弁デューティ比DEVi の閉側所定デューティ比DHEVi及び後述する開側所定デューティ比DLEViについて簡潔に説明する。前述のように前記流入弁8は通常開状態であり、通電により閉状態となり、その電流値が前記デューティ比DEVi によって制御される。このデューティ比DEVi の可変範囲は勿論0〜100%であるが、図5aに示すようにホイールシリンダ圧(図ではW/C圧)をマスタシリンダ圧まで増圧制御可能なデューティ比DEVi は比較的大きい閉側所定デューティ比DH(EVi)でほぼ全閉状態となり、比較的小さい開側所定デューティ比DL(EVi)でほぼ全開状態となってしまう。これをバルブ変位に置換したものが図5bである。ここでバルブ変位を調整制御可能なデューティ比の可変有効範囲(図では有効duty範囲)は、全可変範囲の僅か10〜15%しかない。従って、このデューティ比可変有効範囲の閉側デューティ比DEVi 又はそれよりやや大きいデューティ比を流入弁8の閉側所定デューティ比DHEViとし、開側デューティ比DEVi 又はそれよりやや小さいデューティ比を開側所定デューティ比DLEV0i とする。また、図中の中間所定デューティ比DMEViは前記デューティ比可変有効範囲の中央デューティ比値であり、一般の電磁弁ではデューティ比可変有効範囲の中央デューティ比値で完全開又は略開状態となったり、完全閉又は略閉状態となったりすることはない。
【0034】
そして、前記図4の制御信号出力演算処理では、まずステップS101で前記図3の演算処理によって設定された制御モードが急増圧モードであるか否かを、前記制御モードフラグF1iが“0”であるか否かによって判定し、当該制御モードフラグF1iが“0”である場合には急増圧モードであるとしてステップS102に移行し、そうでない場合にはステップS103に移行する。
【0035】
前記ステップS103では、同じく設定された制御モードが減圧モードであるか否かを、前記制御モードフラグF1iが“2”であるか否かによって判定し、当該制御モードフラグF1iが“2”である場合には減圧モードであるとしてステップS104に移行し、そうでない場合にはステップS105に移行する。
前記ステップS105では、同じく設定された制御モードが緩増圧モードであるか否かを、前記制御モードフラグF1iが“1”であるか否かによって判定し、当該制御モードフラグF1iが“1”である場合には緩増圧モードであるとしてステップS106に移行し、そうでない場合にはステップS107に移行する。
【0036】
このうち、前記設定された制御モードが急増圧モードであるとして移行したステップS102では流出弁デューティ比DAVi を“0”%に設定出力し、次いでステップS108に移行して流入弁デューティ比DEVi を“0”%に設定出力してからメインプログラムに復帰する。
また、前記設定された制御モードが減圧モードであるとして移行したステップS104では増圧回数カウンタni を“0”にクリアし、次いでステップS109に移行して緩増圧開始制御フラグF2iを“0”にリセットし、次いでステップS110に移行して流出弁デューティ比DAVi を“100”%に設定出力し、次いでステップS111に移行して流入弁デューティ比DEVi を“100”%に設定出力してからメインプログラムに復帰する。
【0037】
また、前記設定された制御モードが緩増圧モードでもない,即ち保持圧モードであるとして移行したステップS107では増圧回数カウンタni を“0”にクリアし、次いでステップS112に移行して緩増圧開始制御フラグF2iを“0”にリセットし、次いでステップS113に移行して流出弁デューティ比DAVi を“0”%に設定出力し、次いでステップS114に移行して流入弁デューティ比DEVi を“100”%に設定出力してからメインプログラムに復帰する。
【0038】
一方、前記設定された制御モードが緩増圧モードであるとして移行したステップS106では流出弁デューティ比DAVi を“0”%に設定出力する。
次にステップS115に移行して、増圧サイクルタイマTPEViをインクリメントする。
次にステップS116に移行して、流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViが“1”のセット状態であるか否かを判定し、当該デューティ比減少許可フラグFDEViが“1”のセット状態である場合にはステップS117に移行し、そうでない場合にはステップS118に移行する。
【0039】
前記ステップS118では、前記増圧回数カウンタni が“0”のクリア状態であるか否かを判定し、当該増圧回数カウンタni が“0”である場合にはステップS119に移行し、そうでない場合にはステップS120に移行する。
前記ステップS119では、前記緩増圧開始制御フラグF2iが“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該緩増圧開始制御フラグF2iが“0”である場合にはステップS121に移行し、そうでない場合には前記ステップS120に移行する。
【0040】
前記ステップS121では、流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViを“1”にセットしてからステップS122に移行する。
前記ステップS122では、流入弁開側規制デューティ比DLEViを前記開側所定デューティ比DLEV0i に設定し、これを前記記憶装置20cに更新記憶してからステップS123に移行する。
【0041】
前記ステップS123では、増圧時間TLEViを予め設定された所定増圧時間TLEV0i に設定し、これを前記記憶装置20cに更新記憶してから前記ステップS117に移行する。
前記ステップS117では、流入弁デューティ比DEVi を前記開側所定デューティ比DLEViに設定出力してからステップS124に移行する。
【0042】
前記ステップS124では、増圧タイマTEVi が予め設定された増圧時間TLEViに等しくないか否か,即ちカウントアップ値である当該増圧時間TLEViでカウントアップしていないか否かを判定し、両者が等しくない場合にはステップS125に移行し、両者が等しい場合にはステップS126に移行する。
前記ステップS125では、増圧タイマTEVi をインクリメントしてからメインプログラムに復帰する。
【0043】
また、前記ステップS126では、流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViを“0”にリセットしてからステップS127に移行する。
前記ステップS127では、緩増圧開始制御フラグF2iを“1”にセットしてからステップS128に移行する。
前記ステップS128では、流入弁デューティ比DEVi を前記中間所定デューティ比DMEViに設定出力してからメインプログラムに復帰する。
【0044】
一方、前記ステップS120では、流入弁デューティ比DEVi が前記閉側所定デューティ比DHEVi以上であるか否かを判定し、当該流入弁デューティ比DEVi が前記閉側所定デューティ比DHEVi以上である場合にはステップS129に移行し、そうでない場合にはステップS130に移行する。
前記ステップS130では、前回の流入弁デューティ比DEVi に予め設定された正値のデューティ比所定増加量ΔDEV0iを和して今回の流入弁デューティ比DEVi を算出設定及び出力してからメインプログラムに復帰する。
【0045】
一方、前記ステップS129では、流入弁デューティ比DEVi を前記閉側所定デューティ比DHEViに設定出力してからステップS131に移行する。
前記ステップS131では、前記増圧サイクルタイマTPEViが、予め設定された増圧所定間隔に相当する所定増圧カウントアップ値TdEVi以上であるか否かを判定し、当該増圧サイクルタイマTPEViが所定増圧カウントアップ値TdEVi以上である場合にはステップS132に移行し、そうでない場合にはステップS133に移行する。
【0046】
前記ステップS132では、流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViを“1”にセットしてからステップS134に移行する。
前記ステップS134では、増圧サイクルタイマTPEViを“0”にクリアしてからステップS135に移行する。
【0047】
前記ステップS135では、前記増圧回数カウンタni をインクリメントしてからステップS136に移行する。
前記ステップS136では、前記増圧回数カウンタni が予め設定された所定増圧回数値n0 に等しいか否かを判定し、当該増圧回数カウンタni が所定増圧回数値n0 に等しい場合にはステップS137に移行し、そうでない場合には前記ステップS133に移行する。
【0048】
前記ステップS137では、前記記憶装置20cに更新記憶されている増圧時間TLEViに予め設定された増圧時間所定増加量ΔTLEV0i を和し、これを新たな増圧時間TLEViとして当該記憶装置20cに更新記憶してからステップS139に移行する。
前記ステップS139では、前記記憶装置20cに更新記憶されている流入弁開側規制デューティ比DLEViに予め設定された負値の規制デューティ比所定減少量ΔDLEV0i を和し、これを新たな流入弁開側規制デューティ比DLEViとして当該記憶装置20cに更新記憶してから前記ステップS133に移行する。
【0049】
前記ステップS133では、前記増圧タイマTEVi を“0”にクリアしてからメインプログラムに復帰する。
以上の構成において、本実施形態は、本発明のうち請求項1及び2に係るアンチスキッド制御装置を実施化したものであり、図4の演算処理のステップS135が本発明のアンチスキッド制御装置の増圧回数検出手段に相当し、以下同様に、図4の演算処理のステップS128,ステップS120,ステップS130がデューティ比設定手段に相当し、図4の演算処理のステップS137,ステップS139が指令信号調整手段に相当し、図4の演算処理全体がPWM制御手段に相当し、図3の演算処理及び図4の演算処理全体がアクチュエータ制御手段に相当する。
【0050】
次に、前記図4のアクチュエータ制御信号出力演算処理及び前記図3のアンチスキッド制御演算処理の作用について説明する。
まず、各車輪1FL〜1Rのスリップ率Si (i=FL〜R)が基準スリップ率Si0未満であり、且つ制御フラグAS及び減圧タイマTが共に“0”であり、または車輪加減速度V'wi が予め設定された負の加減速度閾値α及び正の加減速度閾値βの間,即ちα<V'wi <βである非制動時及び制動初期時には、図3の演算処理のステップS9,S11又はS15,S17,S19を経て,S13でアクチュータ6FL〜6Rの圧力をマスタシリンダ5の圧力に応じた圧力とする急増圧モードに設定する。この急増圧モードでは、当該図3の演算処理で制御モードフラグF1iが“0”に設定されるから、図4の演算処理ではステップS101からステップS102に移行して各アクチューエータ6FL〜6Rの流出弁9に対して“0”%の流出弁デューティ比DAVi が出力され、また、次のステップS108では各アクチューエータ6FL〜6Rの流入弁8に対して“0”%の流入弁デューティ比DEVi が出力される。ところが、この図4の演算処理は前記図3の演算処理よりも大幅に短いサンプリング時間毎に実行されるから、結果的に前記流出弁9は完全閉状態に継続して制御され、流入弁8は完全開状態に継続して制御されている。
【0051】
そして、制動状態となると車輪速Vwi が徐々に減少し、これに応じて図6の曲線に示すように車輪スリップ率Si の増加に伴って、車輪加減速度V'wi が負の方向に減少して負の加減速度閾値αを越えると,図3の演算処理のステップS17からステップS18に移行し、ホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧を一定値に保持する高圧側の保持モードとなる。この高圧側の保持モードでは、図3の演算処理において制御モードフラグF1iが“3”に設定されるから、図4の演算処理ではステップS101からステップS103,S105を経てステップS107に移行する。このステップS107では後述する増圧回数カウンタni がクリアされ、また次のステップS112では同じく後述する緩増圧開始制御フラグF2iがリセットされる。また、次のステップS113では各アクチューエータ6FL〜6Rの流出弁9に対して“0”%の流出弁デューティ比DAVi が出力され、また、次のステップS114では各アクチューエータ6FL〜6Rの流入弁8に対して“100”%の流入弁デューティ比DEVi が出力される。これにより、各アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8は完全閉状態に,流出弁9は完全閉状態に夫々継続制御され、ホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧はその直前の圧力に保持される。
【0052】
この保持モードによって、図6の曲線に示すように車輪加減速度V'wi が減少すると共に、スリップ率Si が増加して基準スリップ率Si0を越え,且つ車輪加減速度V'wi が正の加減速度閾値β未満を維持しているときには、図3の演算処理のステップS4からステップS5を経てステップS8に移行して,減圧タイマTを予め設定された所定値T0 にセットすると共にアンチスキッド制御フラグASを“1”にセットし、これに応じて論理値“1”の制御中信号MRを出力してアクチュエータ6FL〜6Rの油圧ポンプ10を作動状態とする。このため、同演算処理ではステップS12からステップS14に移行し、アクチュエータ6FL〜6Rの圧力を徐々に減圧する減圧モードとなる。この減圧モードでは、前記図3の演算処理において制御モードフラグF1iが“1”に設定されるから、図4の演算処理ではステップS101からステップS103を経てステップS104に移行する。このステップS104及び次のステップS109では、前記保持圧モードと同様に増圧回数カウンタni のクリア及び緩増圧開始制御フラグF2iのリセットが実行され、次いでステップS110では各アクチューエータ6FL〜6Rの流出弁9に対して“100”%の流出弁デューティ比DAVi が出力され、また、次のステップS111では各アクチューエータ6FL〜6Rの流入弁8に対して“100”%の流入弁デューティ比DEVi が出力される。これにより、各アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8は完全閉状態,流出弁9は完全開状態とされ、ホイールシリンダ2FL〜2RRに保持されている圧力を流出弁9,油圧ポンプ10及び逆止弁11を介してマスタシリンダ5側に戻し、ホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧を減少させる。
【0053】
この減圧モードにより、図6の曲線に示すように車輪加減速度V'wi が正方向に増加して正の加減速度閾値β以上となると、前記図3の演算処理のステップS4からステップS5を経てステップS7に移行する。このステップS7では、減圧タイマTを“0”にリセットしてから前記ステップS9に移行する。従って、ステップS12の判定でT=0となるのでステップS15に移行し、V'wi ≧βであるのでステップS16に移行し、制御フラグAS=1であるのでステップS20に移行し、アクチュエータ6FL〜6Rの圧力を低圧側で保持する低圧側の保持モードに移行する。この低圧側の保持モードでも、前記高圧側の保持モードと同様に、図3の演算処理で制御モードフラグF1iが“3”に設定されるから、図4の演算処理ではステップS105からステップS104に移行するフローが実行され、前記高圧側の保持モードと同様にホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧をその直前の圧力に保持する。
【0054】
この低圧側の保持モードにより、図6の曲線に示すように車輪加減速度V'wi が正の加減速度閾値β未満となると、図3の演算処理のステップS15からステップS17に移行し、V'wi >αであるのでステップS19に移行し、制御フラグASが未だ“1”であるのでステップS21に移行する。このステップS21では、マスタシリンダ5からの圧力作動油を間欠的にホイールシリンダ2FL〜2RRに供給し,当該ホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧がステップ状に増圧されて緩増圧モードとなる。なお、前記アクチュエータ6FL〜6Rへの制御信号により流入弁8が開弁状態となってステップ状に増圧する一回のホイールシリンダ圧Pi の増圧量ΔPは、流体圧の脈動を考えないときは基本的に、そのときのホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧とマスタシリンダ圧PMCとの差分及びデューティ比及び開弁時間に比例する。
【0055】
この緩増圧モードでは、前記図3の演算処理において制御モードフラグF1iが“1”に設定されるから、図4の演算処理ではステップS105からステップS106に移行して、各アクチュータ6FL〜6Rの流出弁9に対して“0”%の流出弁デューティ比DAVi が出力され、以後、緩増圧モードで制御モードフラグF1iが“1”に設定され続ける限り、このフローが繰返されるから、各アクチュータ6FL〜6Rの流出弁9に対して“0”%の流出弁デューティ比DAVi が出力され続ける。
【0056】
一方、これまでの間に、流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViは“0”にリセットされ且つ増圧回数カウンタni はクリアされ且つ緩増圧開始制御フラグF2iはリセットされているために、続くステップS115で増圧サイクルタイマTPEViをインクリメントした後、ステップS116からステップS118,S119を経てステップS121に移行し、流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViを“1”にセットしてからステップS122,S123に移行し、流入弁開側規制デューティ比DLEViを前記開側所定デューティ比DLEV0i に、増圧時間TLEViを予め設定された所定増圧時間TLEV0i に設定してからステップS117に移行する。
【0057】
このステップS117では、前記ステップS122で開側所定デューティ比DLEV0i に設定された流入弁開側規制デューティ比DLEViが出力されるから、前記図3の演算処理によって緩増圧モードが選択された直後に、図7に実線で示すように当該流入弁デューティ比DEVi は前記開側所定デューティ比DLEV0i まで一気に減少して流入弁8は開又は略開状態となる。そして、前記ステップS125でインクリメントされる増圧タイマTEVi が、前記ステップS123で所定増圧時間TLEV0i に設定された増圧時間TLEViとなって、同ステップS124でカウントアップするまでの間、前記ステップS116からステップS117に直接移行するフローが繰返され、流入弁デューティ比DEVi は開側規制デューティ比DLEVi(=DLEV0i )に維持されるから、流入弁8は開又は略開状態に維持されてホイールシリンダ圧Pi は当該開側規制デューティ比DLEVi及び増圧時間TLEViに見合った分だけ増圧される。
【0058】
そして、増圧タイマTEVi が前記増圧時間TLEVi(=TLEV0i )でカウントアップすると、図4の演算処理のステップS124からステップS126,S127に移行し、流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViを“0”にリセットすると共に緩増圧開始制御フラグF2iを“1”にセットし、次のステップS128で前記中間所定デューティ比DMEViを流入弁デューティ比DEVi として出力する。そして、次に図4の演算処理が実行されるとステップS118又はステップS119からステップS120に移行し、未だ流入弁デューティ比DEVi は前記閉側所定デューティ比DHEViより小さいからステップS130に移行し、前回の流入弁デューティ比DEVi に予め設定された前記デューティ比所定増加量ΔDEV0iを和したデューティ比を今回の流入弁デューティ比DEVi として出力し、次第に増加する流入弁デューティ比DEVi が前記ステップS120で前記閉側所定デューティ比DHEVi以上と判定されるまでの間、このフローが繰返される。従って、図7に実線で示すように、前記増圧時間TLEVi経過後に、流入弁デューティ比DEVi は一旦,前記中間所定デューティ比DMEViまで一気に増加して、開閉状態の中間のような中庸状態になり、その後、デューティ比制御信号は前記中間所定デューティ比DMEViから閉側所定デューティ比DHEViまで、ミクロ的には前記所定サンプリング時間ΔTEVi 毎に前記デューティ比所定増加量ΔDEV0iずつ大きくなり、マクロ的には前記デューティ比可変制御範囲内で前記中庸状態から閉方向へと次第に移行される。なお、このときの傾き,即ち閉弁動作速度は比較的小さく、当該流入弁8はその閉動作時に相応にゆっくりと閉じられることになる。
【0059】
やがて、増加される流入弁デューティ比DEVi が前記閉側所定デューティ比DHEViまで大きくなると、図4の演算処理のステップS120からステップS129に移行して、この閉側所定デューティ比DHEViを流入弁デューティ比DEVi として出力し、次いでステップS131で前記インクリメントされ続ける増圧サイクルタイマTPEViが所定増圧カウントアップ値TdEVi以上となるまでの間、ステップS133で増圧タイマTEVi をクリアしてからメインプログラムに復帰するフローが繰返され、前記増圧サイクルタイマTPEViが所定増圧カウントアップ値TdEViまで大きくなると、ステップS131からステップS132に移行して流入弁デューティ比減少許可フラグFDEViを“1”にセットし、次のステップS134で増圧サイクルタイマTPEViをクリアし、次のステップS135で増圧回数カウンタni をインクメントし、少なくとも増圧回数カウンタni が同ステップS136で前記所定増圧回数値n0 以上となるまでの間は、前記ステップS116からステップS117に直接移行して流入弁デューティ比DEVi を前記開側規制デューティ比DLEViに設定出力するフローに戻る。従って、この間、図7に実線で示すように、前記流入弁デューティ比DEVi の減少を開始してから前記所定増圧カウントアップ値TdEViが経過するまで、流入弁デューティ比DEVi は閉側所定デューティ比DHEViに維持されるから、流入弁8は閉又は略閉状態に維持されてホイールシリンダ圧Pi は保持され、前記増圧サイクルタイマTPEViが前記所定増圧カウントアップ値TdEViでカウントアップする時間毎に、前記流入弁デューティ比DEVi の増減或いは保持設定が繰り返されて、当該ホイールシリンダ圧Pi はマスタシリンダ圧PMCに向けて次第に増圧設定される。
【0060】
このため、各アクチュエータ6iの流出弁9が閉状態を維持するが、流入弁8は前記図4のアクチュエータ制御信号出力演算処理によって通常は閉状態に維持され且つ所定時間毎に前記増圧時間TLEViだけ開状態となり、マスタシリンダ5側の作動流体がホイールシリンダ2i内に供給され、これによってホイールシリンダ2iのシリンダ圧が増圧開始され、その後は、前記所定増圧カウントアップ値TdEViに相当する時間毎に保持圧と増圧とを繰り返してステップ状に増圧されてゆく。
【0061】
このバルブ制御信号によれば、少なくとも流入弁8が完全に閉状態となる直前の閉弁動作速度がゆっくりとなって特に前記閉弁後のホイールシリンダ圧の脈動が抑制されると共に、ホイールシリンダ圧の脈動がさほど大きくない開弁動作時には、当該流入弁が速やかに開状態となるから、ホイールシリンダ圧の増圧制御応答性を確保し易くなる。また、特に閉弁後のホイールシリンダ圧の脈動にはさほど影響のない、閉弁動作途中(前記中庸状態)までは一気にバルブが閉動作するために、その分だけホイールシリンダ圧の増圧制御精度を向上することができる。
【0062】
従って、この緩増圧モードになると、ホイールシリンダ2FL〜2RRの圧力上昇が緩やかとなるので、車輪1FL〜1RRに対する制動力が徐々に増加し、図6の曲線に示すように車輪1FL〜1RRが減速状態となって車輪速Vwi も減少する。その後、車輪加減速度V'wi が負の加減速度閾値α未満となると,前述と同様に高圧側の保持モードとなり、その後、各輪のスリップ率Si が基準スリップ率Si0以上となると,減圧モードとなり、然る後、低圧保持モード、緩増圧モード、高圧保持モード、減圧モードが繰り返され、アンチスキッド効果を発揮することができる。
【0063】
なお、車両の速度がある程度低下したときには、減圧モードにおいてスリップ率Si が基準スリップ率Si0未満に回復する場合があり、このときには前記ステップS4からステップS6に移行し、前記したように減圧モードを設定するステップS8で減圧タイマTが所定値T0 にセットされているので、ステップS10に移行して減圧タイマTの所定設定値を“1”だけ減算してからステップS9に移行することになる。従って、このステップS6からステップS10に移行する処理を繰り返して減圧タイマTが“0”となると,ステップS9〜S19を経てステップS21に移行して緩増圧モードに移行し、次いで高圧側の保持モードに移行してから減圧モードに移行する,即ち図6に破線で示すように制動圧制御が実行されることになる。
【0064】
そして、車両が停止近傍の速度になったとき、例えば緩増圧モードの増圧回数が所定値以上となったとき等の制御終了条件を満足する状態となったときには,ステップS9の判断によって制御終了と判断されるので、このステップS9からステップS11に移行して減圧タイマT及び制御フラグASを夫々“0”にリセットしてからステップS13に移行して、急増圧モードとしてからアンチスキッド制御を終了する。
【0065】
次に、前記図5の流入弁に対するアクチュエータ制御信号出力演算処理によるホイールシリンダ圧脈動抑制効果について、図8,図9を用いて簡潔に説明する。同図8aは、前記図4の演算処理による流入弁に対する制御信号出力のデューティ比パターンであり、同図8bは、このデューティ比パターンによるホイールシリンダ圧の増圧状態を実験により採取したものである。これに対して、図9aは従来の完全矩形波状のバルブ制御信号出力のデューティ比パターンであり、同図9bはそれによるホイールシリンダ圧の増圧状態である。まず、図9から明らかなように、この完全矩形波状のバルブ駆動信号では、前述のようにバルブ開時にもバルブ閉時にも大きな脈圧が発生し、特に閉弁後の前記配管系共振による脈圧は振幅も大きく且つ収束性もよくない。これに対して本実施形態の開弁デューティ比パターン制御では、特に閉弁時の脈圧が大幅に低減されていることが明らかであり、特に閉弁時の傾き,即ちバルブの閉方向への移行速度を小さくすることによって、急激な開弁時に発生する脈圧までが抑制されている。従って、本実施形態のアクチュエータ制御信号出力制御では、特にバルブ閉時の作動流体の流量変化を小さくすることによって、その圧力変動入力を抑制防止し、脈圧が発生する原因そのものを抑制することから、前述した従来のような流体圧ディバイスを低減し或いは必要とせず、ホイールシリンダ圧制御の応答性を確保することができる。また、特にホイールシリンダ圧の脈動が大きい閉弁直前の閉弁動作速度のみを遅くして前述のようなバルブ閉弁後のホイールシリンダ圧脈動を抑制すると共に、それ以外の開弁動作速度及び閉弁動作速度が速くなるから、当該ホイールシリンダ圧の増減圧制御応答性や精度を確保することができる。
【0066】
以上は、前記本出願人が先に提案した特願平7−106369号に記載される発明の内容と同様又はほぼ同様である。一方、本実施形態のアンチスキッド制御装置では、図4の演算処理において、緩増圧制御モードにおける増圧回数の増加に伴って、そのステップS136でインクリメントされる増圧回数カウンタni が前記所定増圧回数値n0 となると、同ステップS136からステップS137に移行して、それまでの前記増圧時間TLEViに所定の増圧時間所定増加量ΔTLEV0i を和して新たな増圧時間TLEViを設定し、次のステップS139で、それまでの流入弁開側規制デューティ比DLEViに所定の負値の規制デューティ比所定減少量ΔDLEV0i を和して新たな流入弁開側規制デューティ比DLEVi(ここでは、その値が0%になるように設定した)を設定する。従って、継続される緩増圧制御モードの増圧回数が前記所定増圧回数値n0 +1回以後は、流入弁8に出力される制御信号のデューティ比パターンは図7に二点鎖線で示すように、増圧制御信号の出力と共に流入弁デューティ比DEVi は、前記新たに設定された比較的小さな流入弁開側規制デューティ比DLEViまで一気に減少されて、当該流入弁8は大きく開弁され(ここではデューティ比“0”%であって完全開状態となる)、この大きな開弁状態を、前記新たに設定された比較的長い増圧時間TLEViだけ継続してから、前述と同様に一旦,前記中間所定デューティ比DMEViまで一気に増加して、開閉状態の中間のような中庸状態になり、その後、デューティ比制御信号は前記中間所定デューティ比DMEViから閉側所定デューティ比DHEViまで、前記所定サンプリング時間ΔTEVi 毎に前記デューティ比所定増加量ΔDEV0iずつ大きくなり、当該流入弁8は前記デューティ比可変制御範囲内で前記中庸状態から閉方向へと次第に移行され、しかしながら前記増圧サイクルタイマTPEViが前記所定増圧カウントアップ値TdEViでカウントアップする時間は変わらないから、当該流入弁8は所定増圧カウントアップ値TdEViに相当する時間毎に、より大きく長く開弁されることになる。この間のホイールシリンダ圧Pi の増圧量は、後述するマスタシリンダ圧との差圧を除くと、前述のように流入弁の開度とその開弁時間とに応じて増加するから、ここでは例えば図7に実線で示す増圧信号デューティ比パターンの内側面積と同じく二点鎖線で示す増圧信号デューティ比パターンの内側面積との面積比が、それまでのホイールシリンダ圧Pi の増圧量の増加比であり、同時にそれが増圧ゲインの増加量であると考えられる。つまり、ここでは本発明のアンチスキッド制御装置に提唱される流入電磁弁の開弁側のデューティ比制限値をより開方向に変更設定することと、当該電磁弁を開状態とするデューティ比の継続時間を延長する方向に変更設定することの双方が同時に実行されることになる。
【0067】
さて、前述のように増圧ゲインを増加しない増圧信号デューティ比パターン,即ち図7に実線で示すようなデューティ比パターンの増圧信号でホイールシリンダ圧の緩増圧制御を実行した場合、図10に示すようにマスタシリンダ圧(M/C圧)が高く且つホイールシリンダ圧(W/C圧)が低い場合には、前述のようにホイールシリンダ圧の増圧ゲインを司る両者の差圧が大きいから、一回の増圧信号出力当たり十分な増圧ゲインが得られる。即ち、例えばアンチスキッド制御による作動流体圧(図では液圧)制御が頻繁に実行されると考えられる低μ路面での制御液圧領域が図10に網掛けされたような比較的低い液圧領域であっても、短い緩増圧時間で十分な制動力を得て後述のようにアンチスキッド制御装置としての制御性能を確保することができる。しかしながら、マスタシリンダ圧(M/C圧)が低い場合には、ホイールシリンダ圧との差圧が小さいから一回の増圧信号出力時の増圧ゲインを十分に確保することができない。従って、前述のような低μ路面での緩増圧制御で十分なホイールシリンダ圧の増圧量を確保することができず、これが後述のようにアンチスキッド制御装置としての制御性能を低下してしまう。
【0068】
これを前記図3の演算処理によるアンチスキッド制御の実際にあててみたのが図11である。そして、マスタシリンダ圧(M/C圧)が高い場合には、同図11aに示すように、緩増圧制御の一回の増圧制御によってホイールシリンダ圧(W/C圧)の適切な増圧量を得ることができるから、前述の低μ路面での制御液圧領域では、増圧回数を適正回数(図では3〜4回程度)としてアンチスキッド制御の液圧制御サイクルを満足し、もってアンチスキッド制御装置としての制御性能が確保されているのが分かる。一方、マスタシリンダ圧(M/C圧)が低い場合には、図11bに示すように緩増圧制御の一回の増圧制御によるホイールシリンダ圧(W/C圧)の増圧量が小さいから、この緩増圧制御が継続され、その増圧制御が多数回に渡って繰返される。ところが、前記図3のような通常のアンチスキッド制御では、緩増圧制御の増圧回数が所定回数値以上となると、一旦,アンチスキッド制御を終了して、前述の急増圧モードに設定してしまうため、ホイールシリンダ圧(W/C圧)がマスタシリンダ圧(M/C圧)近傍まで一気に増圧されて制動力が急速に大きくなり、これに伴って車輪のスリップ率が大きくなり過ぎると、再び前記アンチスキッド制御の減圧モード制御によってホイールシリンダ圧を大きく減圧してしまう。このようになると、アンチスキッド制御装置としての本来の制御性能が低下する。
【0069】
そこで、本実施形態のアンチスキッド制御装置では、前記図4の演算処理により、図12bに示すように、増圧回数(n)が所定値(n0 =4)になると、次回以後の増圧制御(n=5)における増圧ゲインを増加させることにより、同図12aに示すようにホイールシリンダ圧(W/C圧)の増圧量を確保し、もって適正な緩増圧制御中の制動力を達成してアンチスキッド制御装置としての制御性能を確保することができる。
【0070】
次に、本発明のアンチスキッド制御装置の第2実施形態について図13乃至図15を用いて説明する。
まず、本実施形態のアンチスキッド制御装置の車両構成は、アクチュエータやコントロールユニットを含めて前記第1実施形態のものと同様又はほぼ同様であるために、その詳細な説明を省略する。また、コントロールユニット内のマイクロコンピュータで実行される主となるアンチスキッド制御の演算処理内容も、前記図3の演算処理の第1実施形態のものと同様又はほぼ同様であるためにその詳細な説明を省略する。
【0071】
そして、このアンチスキッド制御に基づくアクチュエータ制御信号出力演算処理が、前記第1実施形態の図4のフローチャートに示すものから図13のフローチャートに示すうものへと変更されているが、その大部分は同じであり、具体的には前記図4の演算処理のステップS136,S137,S139が図13では夫々ステップS136’,S137’,S139’に変更され、更にステップS137,S138,S140,S141が追加されているだけで、その他のステップについては同様又はほぼ同様であるために同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。
【0072】
そして、前記ステップS136’では、前記増圧回数カウンタni が予め設定された比較的小さい第1所定増圧回数値n1 に等しいか否かを判定し、当該増圧回数カウンタni が第1所定増圧回数値n1 に等しい場合にはステップS137’に移行し、そうでない場合にはステップS138に移行する。
前記ステップS137’では、前記記憶装置20cに更新記憶されている増圧時間TLEViに予め設定された第1増圧時間所定増加量ΔTLEV1i を和し、これを新たな増圧時間TLEViとして当該記憶装置20cに更新記憶してからステップS139’に移行する。
【0073】
前記ステップS139’では、前記記憶装置20cに更新記憶されている流入弁開側規制デューティ比DLEViに予め設定された負値の第1規制デューティ比所定減少量ΔDLEV1i を和し、これを新たな流入弁開側規制デューティ比DLEViとして当該記憶装置20cに更新記憶してから前記ステップS133に移行する。一方、前記ステップS138では、前記増圧回数カウンタni が予め設定された比較的大きい第2所定増圧回数値n2 に等しいか否かを判定し、当該増圧回数カウンタni が第2所定増圧回数値n2 に等しい場合にはステップS140に移行し、そうでない場合にはステップS133に移行する。
【0074】
前記ステップS140では、前記記憶装置20cに更新記憶されている増圧時間TLEViに予め設定された第2増圧時間所定増加量ΔTLEV2i を和し、これを新たな増圧時間TLEViとして当該記憶装置20cに更新記憶してからステップS141に移行する。
前記ステップS141では、前記記憶装置20cに更新記憶されている流入弁開側規制デューティ比DLEViに予め設定された負値の第2規制デューティ比所定減少量ΔDLEV2i を和し、これを新たな流入弁開側規制デューティ比DLEViとして当該記憶装置20cに更新記憶してから前記ステップS133に移行する。
【0075】
以上の構成において、本実施形態は、本発明のうち請求項1乃至3の全てに係るアンチスキッド制御装置を実施化したものであり、図13の演算処理のステップS135が本発明のアンチスキッド制御装置の増圧回数検出手段に相当し、以下同様に、図13の演算処理のステップS128,ステップS120,ステップS130がデューティ比設定手段に相当し、図4の演算処理のステップS137’〜ステップS141が指令信号調整手段に相当し、図13の演算処理全体がPWM制御手段に相当し、図3の演算処理及び図13の演算処理全体がアクチュエータ制御手段に相当する。
【0076】
次に、前記図13のアクチュエータ制御信号出力演算処理の作用について簡潔に説明する。なお、前記図13の演算処理のステップS135でインクリメントされる増圧回数カウンタni が前記第1所定増圧回数値n1 以上となるまでは、前記図4の演算処理の基本的な制御信号出力の作用と同様又はほぼ同様であるためにその詳細な説明を割愛する。
【0077】
この図13の演算処理では、緩増圧制御モードにおける増圧回数の増加に伴って、そのステップS136でインクリメントされる増圧回数カウンタni が前記比較的小さい第1所定増圧回数値n1 となると、同ステップS136からステップS137’に移行して、それまでの前記増圧時間TLEViに所定の第1増圧時間所定増加量ΔTLEV1i を和して新たな増圧時間TLEViを設定し、次のステップS139’で、それまでの流入弁開側規制デューティ比DLEViに所定の負値の第1規制デューティ比所定減少量ΔDLEV1i を和して新たな流入弁開側規制デューティ比DLEViを設定する。従って、継続される緩増圧制御モードの増圧回数が前記第1所定増圧回数値n1 +1回以後は、流入弁8に出力される制御信号のデューティ比パターンは図14に一点鎖線で示すように、増圧制御信号の出力と共に流入弁デューティ比DEVi は、前記新たに設定された比較的小さな流入弁開側規制デューティ比DLEViまで一気に減少されて、当該流入弁8は大きく開弁され、この大きな開弁状態を、前記新たに設定された比較的長い増圧時間TLEViだけ継続してから、前述と同様に一旦,前記中間所定デューティ比DMEViまで一気に増加して、開閉状態の中間のような中庸状態になり、その後、デューティ比制御信号は前記中間所定デューティ比DMEViから閉側所定デューティ比DHEViまで、前記所定サンプリング時間ΔTEVi 毎に前記デューティ比所定増加量ΔDEV0iずつ大きくなり、当該流入弁8は前記デューティ比可変制御範囲内で前記中庸状態から閉方向へと次第に移行され、しかしながら前記増圧サイクルタイマTPEViが前記所定増圧カウントアップ値TdEViでカウントアップする時間は変わらないから、当該流入弁8は所定増圧カウントアップ値TdEViに相当する時間毎に、より大きく長く開弁されることになる。
【0078】
また、インクリメントされ続ける増圧回数カウンタni が前記比較的大きい第2所定増圧回数値n2 となると、同ステップS138からステップS140に移行して、それまでの前記増圧時間TLEViに所定の第2増圧時間所定増加量ΔTLEV2i を和して新たな増圧時間TLEViを設定し(ここでは、その値が前記図4の演算処理のステップS137で設定される増圧時間TLEViに等しくなるように設定した)、次のステップS141で、それまでの流入弁開側規制デューティ比DLEViに所定の負値の第2規制デューティ比所定減少量ΔDLEV2i を和して新たな流入弁開側規制デューティ比DLEViを設定する(ここでは、その値が0%になるように設定した)。従って、継続される緩増圧制御モードの増圧回数が前記第2所定増圧回数値n0 +1回以後は、前記第1実施形態と同様に、流入弁8に出力される制御信号のデューティ比パターンは図14に二点鎖線で示すように、所定増圧カウントアップ値TdEViに相当する時間毎に、更により大きく長く開弁されることになる。
【0079】
従って、本実施形態のアンチスキッド制御装置では、前記図13の演算処理により、図15bに示すように、増圧回数(n)が前記第1所定値(n0 =4)になると、次回以後の増圧制御(n=5)における増圧ゲインを増加させることにより、同図15aに示すようにホイールシリンダ圧(W/C圧)の増圧量を増加するが、そのままではホイールシリンダ圧(W/C圧)の増加量が確保できないような場合には、増圧回数(n)が前記第2所定値(n0 =6)になると、次回以後の増圧制御(n=7)における増圧ゲインを更に増加させることにより、ホイールシリンダ圧(W/C圧)の増圧量を確保し、もって適正な緩増圧制御中の制動力を達成してアンチスキッド制御装置としての制御性能を確保することができる。
【0080】
なお、前記実施形態では、緩増圧制御のきめ細かさの要求に基づいて設定された増圧サイクルタイムに相当する増圧カウントアップ値TdEViの下で、例えば流入弁開側所定デューティ比DLEV0i や閉側所定デューティ比DHEViやデューティ比所定増加量ΔDEV0iなどは以下の理由によって適宜設定したり選定したりすることができる。まず、前述のように一般にデューティ弁と称される電磁弁の前記デューティ比可変有効範囲は個体ばらつきや発熱等の動作環境によって異なるために、少なくとも前記流入弁開側所定デューティ比DLEV0i や閉側所定デューティ比DHEViは各車両に応じて設定する必要がある。また、デューティ比所定増加量ΔDEV0i,は、その絶対値を小さく設定するほど、ホイールシリンダ圧の脈動抑制効果は高い。しかし、これを小さくし過ぎるとバルブの開状態から閉状態又は閉状態から開状態への移行時間が長くなり、十分な増圧時間TLEViが確保できなくなる。よって、車両に要求されるホイールシリンダ圧制御の応答性並びにホイールシリンダ圧の脈動抑制効果(例えば音振の抑制効果等)に照らしてこれらを設定する必要がある。そして、前記流入弁開側所定デューティ比DLEV0i 及びデューティ比所定増加量ΔDEV10i を総合的に考慮して増圧時間TLEViを設定する。実車にあっては当該ホイールシリンダ圧Pi の増減圧量を設定するにあたっても、車体速や路面μなどを考慮すべきである。更に、前記デューティ比の増減変化率に関与するフリーランタイマ割込のサンプリング時間やメインとなる図4の演算処理のサンプリング時間等についても十分に考慮する必要がある。
【0081】
また、前記各実施形態では、流入電磁弁の開側規制デューティ比をより開方向に変更設定することと、当該流入電磁弁を開状態とするデューティ比の継続時間を延長する方向に変更設定することの双方を同時に実行することで、緩増圧制御時の増圧ゲインを大きくする場合についてのみ詳述したが、これらの増圧ゲイン増加効果は、何れか一方だけでも相応の効果があるから、必要に応じて採用する制御態様を選定すればよい。
【0082】
また、例えば本発明のうち請求項4に係るアンチスキッド制御装置のように、前記緩増圧制御の増圧回数だけでなく、例えば車輪のスリップ状態を検出又は推定し、その状態量に応じて前記各変数を変更設定することで、増圧ゲインの増加をより確実なものとすることができる。例えば、前記増圧回数が所定回数値以上となっても、車輪のスリップ量が大きくなる傾向にある場合には、流入電磁弁の開側規制デューティ比をより開方向に変更設定する量や、当該流入電磁弁を開状態とするデューティ比の継続時間を延長する方向に変更設定する量を小さくすることで、制動用シリンダへの作動流体圧が急激に増加するのを抑制防止し、もって当該車輪のスリップ量がそれ以上に大きくなるのを抑制防止することができる。
【0083】
また、前記実施形態では、作動流体圧を保持圧から所定時間毎に増圧する緩増圧のみを行うアンチスキッド制御装置についてのみ説明したが、作動流体圧の増圧と減圧とを所定時間毎に繰り返す場合の制御信号にも同様に展開することができる。
また、前記実施形態においては後輪側の車輪速を共通の車輪速センサで検出する3チャンネルアンチスキッド制御装置の場合についてのみ詳述したが、これに限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサを設け、これに応じて左右のホイルシリンダに対して個別のアクチュエータを設ける,所謂4チャンネルのアンチスキッド制御装置にも展開可能である。
【0084】
また、本発明のアンチスキッド制御装置は,後輪駆動車,前輪駆動車,四輪駆動車等のあらゆる車両に適用可能である。
また、前記各実施形態はコントロールユニットとしてマイクロコンピュータを適用した場合について説明したが、これに代えてカウンタ,比較器等の電子回路を組み合わせて構成することもできる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のアンチスキッド制御装置によれば、制動用シリンダへの作動流体圧を増圧調整する電磁弁の閉動作時に次第に閉状態に移行するようにすることで、作動流体圧の脈圧や振動,騒音を抑制防止すると共に、緩増圧制御中の増圧回数が所定回数以上となったときに、当該作動流体圧の増圧調整を行う電磁弁の開側規制デューティ比をより開方向に変更設定したり、当該電磁弁を開状態とするデューティ比の継続時間を延長する方向に変更設定したりすることによって、制動用シリンダの作動流体圧の増圧量が所定量だけ又は所定量ずつ増加する方向に指令信号のデューティ比を調整することで、一回の作動流体圧の増圧ゲインを増加せしめ、もってマスタシリンダ圧が低い場合等の増圧ゲインの小さい場合でも十分な制動力を発揮できるようにすることでアンチスキッド制御装置としての制御性能を確保することができる。
【0086】
また、前記緩増圧制御時の増圧回数の増加に応じて、前記制動用シリンダへの作動流体圧の増圧ゲインが段階的に増加するようにすることで、状況に応じた適切な制動力を発揮してアンチスキッド制御装置としての制御性能を確実にすることができる。
また、前記緩増圧制御の増圧回数だけでなく、例えば車輪のスリップ状態を検出又は推定し、その状態量に応じて前記各変数を変更設定することで、制動用シリンダへの作動流体圧の増圧ゲインの増加をより確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の一例を示す車両概略構成図である。
【図2】図1のアクチュエータの一例を示す概略構成図である。
【図3】図1のコントロールユニットで実行される基本的なアンチスキッド制御の演算処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1のコントロールユニットで実行されるアクチュエータ制御信号出力演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図5】デューティ比制御される電磁弁のデューティ比有効範囲の説明図である。
【図6】図3の演算処理による制動用シリンダの作動流体圧制御パターンの説明図である。
【図7】図4の演算処理によって制動用シリンダへの作動流体圧の緩増圧制御時に出力される制御信号デューティ比パターンの説明図である。
【図8】図7の制御信号デューティ比パターンによるホイールシリンダ圧の脈動の説明図である。
【図9】従来の矩形波駆動信号によるホイールシリンダ圧の脈動の説明図である。
【図10】図7の制御信号デューティ比パターンで制御ゲインを増加しない場合の作動流体圧の状態を示す説明図である。
【図11】図10の作動流体圧状態をアンチスキッド制御の実際に当てはめてみた場合の説明図である。
【図12】図7の制御信号デューティ比パターンで制御ゲインを増加する場合の説明図であり、(a)はアンチスキッド制御で発生する作動流体圧状態を示す説明図であり、(b)は制御信号デューティ比パターンの説明図である。
【図13】図1のコントロールユニットで実行されるアクチュエータ制御信号出力演算処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図14】図13の演算処理によって制動用シリンダへの作動流体圧の緩増圧制御時に出力される制御信号デューティ比パターンの説明図である。
【図15】図14の制御信号デューティ比パターンで制御ゲインを増加する場合の説明図であり、(a)はアンチスキッド制御で発生する作動流体圧状態を示す説明図であり、(b)は制御信号デューティ比パターンの説明図である。
【図16】電磁弁の一例の構造説明図である。
【図17】開弁信号によって発生する作動流体圧変動の説明図である。
【符号の説明】
1FL〜1RRは車輪
2FL〜2RRはホイールシリンダ(制動用シリンダ)
3FL〜3Rは車輪速センサ
4はブレーキペダル
5はマスタシリンダ
6FL〜6Rはアクチュエータ
8は流入電磁弁(増圧調整を行う電磁弁)
9は流出電磁弁
10はポンプ
15FL〜15Rは車輪速度演算回路
16は前後加速度センサ
20はマイクロコンピュータ
22aFL〜22cRはPWM駆動回路
EGはエンジン
Tは変速機
DGはディファレンシャルギヤ
CRはコントロールユニット

Claims (4)

  1. 指令信号により開閉動作する複数の電磁弁を備えて構成されて、各車輪の制動用シリンダの作動流体圧を各電磁弁への指令信号に応じて各々増減圧調整するアクチュエータと、車輪のスリップ状態に基づいて、少なくとも作動流体圧制御中は前記各車輪の制動用シリンダの作動流体圧に対して所定の減圧を行った後、所定時間毎に制限された増圧を繰返すことにより当該作動流体圧を緩増圧するために、前記アクチュエータの電磁弁の開閉動作を電流値によって制御するための指令信号を出力するアクチュエータ制御手段とを備え、前記アクチュエータ制御手段は、各制動用シリンダへの作動流体圧制御時に前記電磁弁への電流値を制御するための指令信号をPWM制御するPWM制御手段を備え、当該PWM制御手段は、前記作動流体圧の緩増圧制御中の制限された増圧回数を検出する増圧回数検出手段と、少なくとも前記制動用シリンダへの作動流体圧を増圧調整する電磁弁が、少なくともその閉動作時に次第に閉状態に移行するように、当該電磁弁への指令信号のデューティ比を次第に変更設定するデューティ比設定手段と、前記増圧回数検出手段で検出された増圧回数検出値が所定増圧回数値以上となったときに、前記作動流体圧制御中の各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の増圧量が所定量だけ又は所定量ずつ増加する方向に、当該作動流体圧を増圧調整する電磁弁への前記PWM制御される指令信号のデューティ比を調整する指令信号調整手段とを備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 前記指令信号調整手段は、前記作動流体圧制御中の各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の増圧量を増加するときに、前記各制動用シリンダへの作動流体圧を増圧調整する電磁弁の開弁側のデューティ比制限値をより開方向に変更設定するか、又は当該作動流体圧を増圧調整する電磁弁を開状態とするデューティ比の継続時間を延長する方向に変更設定するかの何れか一方又は双方を行うことを特徴とする請求項1に記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 前記指令信号調整手段は、前記増圧回数検出手段で検出された増圧回数検出値の増加に伴って、段階的に各制動用シリンダへの作動流体圧の増圧量が増加する方向に、当該作動流体圧を増圧調整する電磁弁へのPWM制御される指令信号のデューティ比を変更設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 前記指令信号調整手段は、前記増圧回数検出手段で検出された増圧回数検出値に応じて調整された指令信号のデューティ比に対して、前記各車輪のスリップ状態に応じた補正を加えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のアンチスキッド制御装置。
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