JP3673900B2 - 高純度不透明石英ガラス及びその製造方法並びにその 用途 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、熱線遮断効果の高い、新規な高純度不透明石英ガラス及びその製造方法、またその用途として、不透明石英ガラスフランジ及び不透明石英ガラス管、更にそれらの製造方法に関する。特に、本発明の高純度不透明石英ガラスは熱線遮断性能に優れ、かつ高純度で汚染の恐れがないことから、半導体製造において使用されるフランジ、治具、断熱フィン、炉心管、均熱管、炉心管、薬液精製筒等の構成材料として利用できる。特に、本発明の高純度不透明石英ガラスからなる不透明石英ガラスフランジは、半導体製造において使用される各種の炉心管、例えばシリコンウェーハの熱処理用の炉心管のフランジ部として有用である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
高純度不透明石英ガラスからなる不透明石英ガラス管及び不透明石英ガラスフランジは、半導体ウェーハ処理装置内の炉心管等に使用するのに適する。その様な半導体ウェーハ処理装置の代表例を図1 に示す。その装置は、ヒーター1 、炉心管2 、半導体ウェーハ3 、ウェーハ支持ボート4 、保温台5 及び基板6 から構成されている。フランジ21は炉心管2 の下部に完全に接着され、シールリング7 はフランジ21と基板6 との間に設置される。炉心管2 とフランジ21は、通常別々に製造され、融着等により接合される。
【0003】
このような用途に使用される不透明石英ガラスは、熱線遮断性に優れていることが知られている。熱線はガラス中に存在する気泡表面で反射されるため、熱線遮断性は気泡の表面積の大きさに左右され、その表面積が大きいほど、熱線遮断性能は高くなる。
【0004】
現在使用されている殆ど不透明石英ガラスは、気泡の平均径が50μm以上で、しかも100 μmを超える気泡が相当数存在し、気泡の数も1 ×106 個/cm3 以下であり、一般的には1 ×104 〜1 ×105 個/cm3 である。一部には、気泡の平均径が50μm以下の不透明石英ガラスもあるが、そのような不透明石英ガラス中の気泡の含有量は1 ×106 個/cm3 以下である。また、気泡の全表面積は1 cm3 当たり50cm2 以下であり、熱線遮断性に限界がある。
【0005】
熱線遮断性は、光、特に近赤外線の透過率との関係が深く、透過率が低いほど優れていると考えられている。現在使用されている不透明石英ガラスは、厚さを3 mmとしたときの900 nmの波長の光の直線透過率が10〜50%程度であり、厚さを1mm としたときの直線透過率が30〜60%(推定)であり、十分な値ではない。
【0006】
従来、不透明石英ガラスはケイ石、水晶等の天然原料を電気炉で溶融する方法や、上記天然原料に炭酸カルシウム等の発泡剤を加えて火炎又は電気炉で溶融する方法によって製造されていた。しかしながら、これらの方法によって製造された不透明石英ガラス、並びにこの不透明石英ガラスからなる不透明石英ガラスフランジ及び不透明石英ガラス管は、Na、Fe等の不純物を1 ppm 以上含有する。また、それらのガラス中の気泡は大きな径を有し、かつその分布が広いため、熱線遮断性が低い。そのため、これらを半導体製造分野等で使用するのは困難であった。
【0007】
また、従来の不透明石英ガラスフランジは、バルク材を機械加工によって成型する方法によって製造されていた。そのため、材料ロスが多く、極めて歩留まりが悪いため、加工に要するコストが高くなるという問題があった。さらに、フランジのシール面は研磨されているために、洗浄処理等の際に、シール面に露出している気泡が削られ、シール面が一部崩壊するという問題があった。
。
【0008】
さらに、従来の不透明石英ガラス管は、ケイ石、水晶などの天然原料を溶融して管引きする方法、あるいは、上記天然原料を回転溶解炉に入れ、溶融ガラスを遠心力で管状に成型する方法によって製造されていた。しかしながら、これらの方法では、管引きや遠心力成型過程等において、溶融ガラスに力が加わり、ガラス中の気泡が細長く伸びたり、分布が不均一になるため、著しく機械強度が低下する等の問題があった。
【0009】
従って、本発明の目的は、既存の不透明石英ガラスよりも、熱線遮断性に優れているとともに純度の高い不透明石英ガラス及びその製造方法を提供することである。また、この高純度不透明石英ガラスからなる平滑性の優れた不透明石英ガラスフランジ及びその製造方法も、本発明に含まれる。更に、この高純度不透明石英ガラスからなる不透明石英ガラス管及びその製造方法も、本発明に含まれる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、微細な高純度アモルファスシリカ粉末を成型し、所定の温度で焼成すれば、得られる不透明石英ガラスの純度が高くなること、またその中に含まれる独立気泡は微細であるとともに、単位体積当たりの含有量が大きく、よって熱線遮断性に優れることを見出した。又、微細な高純度アモルファスシリカ粉末をフランジ形状又は管状に成型して、所定の温度で焼成すれば、得られる不透明石英ガラスからなるフランジ及びガラス管も、純度が高くなること、またその中に含まれる独立気泡は微細であるとともに、単位体積当たりの含有量が大きく、よって熱線遮断性に優れることを見出した。更に、本発明の高純度不透明石英ガラスは、半導体分野で使用される部材として広く使用できることも見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の高純度不透明石英ガラスと、この高純度不透明石英ガラスからなる不透明石英ガラスフランジ及び不透明石英ガラス管は、平均径が20〜40μmの独立気泡を3 ×106 〜9 ×106 個/cm3 含有し、100 μm以上の径を有する独立気泡が全気泡中に占める割合が1 %以下であるとともに、厚さを1mm としたときの900nm の波長の光の直線透過率が5 %以下であることを特徴とする。
【0012】
上記高純度不透明石英ガラスを製造する本発明の方法は、平均粒子径が0.5 〜10μmの粒子であり、かつLi、Na、K、Fe、Ti及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である高純度アモルファスシリカ粉末を成型した後、得られた成型体を1730〜1850℃で焼成することを特徴とする。
また、上記高純度不透明石英ガラスフランジを製造する本発明の方法は、平均粒子径が0.5 〜10μmの粒子であり、かつLi、Na、K、Fe、Ti及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である高純度アモルファスシリカ粉末をフランジ形状に成型した後、得られた成型体を1730〜1850℃で焼成することを特徴とする。
【0013】
さらに、上記高純度不透明石英ガラス管を製造する方法において、平均粒子径が0.5 〜10μmの粒子であり、かつLi、Na、K、Fe、Ti及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である高純度アモルファスシリカ粉末を管状に成型した後、得られた成型体を電気炉又は火炎を熱源として、1730℃以上で焼成することを特徴とする。
【0014】
以下本発明を詳細に説明する。
[1] 不透明石英ガラス
(1) 組成及び形状
本発明の高純度不透明石英ガラスが含有する独立気泡の平均径は20〜40μmである。また、独立気泡の含有量は3 ×106 〜9 ×106 個/cm3 であり、好ましくは、5 ×106 〜9 ×106 個/cm3 である。このように、微細な独立気泡が多量に存在することにより、気泡の全表面積は1 cm3 当たり100 〜200 cm2 程度と非常に大きく、入射する熱線(光)を反射する割合が高いため、熱線遮断性に優れる。一方、通常市販品の独立気泡の含有量は1 ×106 個/cm3 以下で、また、気泡の全表面積は1 cm3 当たり80cm2 以下であるため、十分な熱線遮断性能が達成されない。
【0015】
また、本発明の高純度不透明石英ガラスは、100 μm以上の大きな気泡をほとんど含有しないことも特徴としている。即ち、100 μm以上の大きな気泡が気泡数量に占める割合は1%以下である。この点も、通常市販品との著しい相違であり、大きな気泡を含有しないことが、気泡全表面積の増加に寄与している。
【0016】
本発明の不透明石英ガラスは、厚さを1mm としたときの900nm の波長の光の直線透過率が5 %以下、好ましくは0.1 〜2 %である。既述のように、熱線遮断性は、近赤外線の透過率と深く関係するので、上記のように低い透過率を有する本発明の不透明石英ガラスは、非常に優れた熱線遮断性を有することになる。
【0017】
なお、上記平均径は、表面を酸水素炎で焼き仕上げしたガラス試料の光学顕微鏡写真を撮影し、50個以上の気泡の直径の直径を測定し、平均することにより求めたものであり、気泡含有量は、上記写真内の気泡の総数と光学顕微鏡の焦点深度との関係から求めたものである。
【0018】
さらに、本発明の高純度不透明石英ガラスは、Li、Na、K、Mg,Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn及びAlを不純物として含有するが、その中で、Li、Na、K、Mg,Ti、Cr、Fe、Ni、Cu及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下であるのが好ましい。又、V及びMnの含有量は、各々について0.1 ppm 以下であるのが好ましい。
【0019】
(2) 不透明石英ガラスの製造方法
本発明の高純度不透明石英ガラスを製造する方法を以下説明する。
【0020】
(a) 出発原料
出発原料として高純度であるアモルファスシリカ粉末を用いる。アモルファスシリカ粉末は、通常はケイ酸ナトリウムからナトリウム分を除去する方法や、シリコンアルコキシドを加水分解する方法や、三塩化ケイ素の熱加水分解により得ることができるが、高純度である必要がある。すなわち、本発明で使用されるアモルファスシリカ粉末は、Li、Na、K、Fe、Ti、Alからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である。このアモルファスシリカ粉末は、ボールミル粉砕等の工程により、平均粒子径が0.5 〜10μm、好ましくは3 〜7 μmとなるように微粉化する。粒子径が0.5 μm未満とすると、得られる不透明石英ガラス中の気泡の平均径が20μm未満となる。一方、粒子径10μmを超えると、気泡の平均径が40μmを超えるとともに、生成個数が減少し、十分な熱線遮断性能が得られない。なお、このアモルファスシリカシリカ粉末の平均径は、レーザー回折散乱法により測定した値である。
【0021】
(b) 成型
アモルファスシリカ粉末の成型は、通常の湿式又は乾式成型方法により行う。湿式成型方法としては、例えば、アモルファスシリカ粉末を純水に分散させ、得られたスラリーを石膏型や多孔質性の樹脂型に注入し成型する鋳込み成型法が用いられる。また、乾式成型法としては、冷間静水圧プレス法又は金型プレス法が用いられる。
【0022】
(c) 焼成
得られた成型体を電気炉内において、1730〜1850℃、好ましくは1750〜1800℃で焼成する。1730℃未満とすると、得られる焼成体の表面に結晶が生成し易く、結晶層とガラス層の熱膨張係数の違いから、得られるガラスに割れが生じるおそれがある。一方、1850℃を超えると、微小な気泡が集合し、粗大化した気泡が生成する。
【0023】
焼成時間は、成型体の形状を維持するために、1 〜数10分が好ましく、特に5 〜10分が好ましい。その1730〜1850℃の焼成温度への昇温途中で、1400〜1600℃の温度に2時間以上滞在させることは好ましくない。何故ならば、この温度域では結晶化が促進され、1730℃以上でガラス化するものの、気泡含有量が激減するためである。
【0024】
焼成雰囲気は、特に限定されないが、N2 、Ar又はこれらの混合ガス等が好ましい。カーボン抵抗加熱炉で焼成を行なう場合には、N2 等の非酸化性ガスが好ましい。また、焼成時の圧力は、1 〜2 kgf/cm2 とするのが好ましく、特に1.2 〜1.5 kgf/cm2 とするのが好ましい。真空又は減圧下での焼成は気泡を膨張させる恐れがある。
【0025】
上記焼成により、成型体内のシリカ粒子間の空隙が独立気泡となる。平均粒子径が0.5 〜10μmアモルファスシリカ粉末を使用することにより、その独立気泡の平均径を20〜40μmの範囲内に調整することができる。
【0026】
[2] 不透明石英ガラスフランジ
(1) フランジ
本発明のフランジは、炉芯管等の下端部に設ける環状突出部等であり、「フランジ形状」とは、管等の鍔形状を意味する。例えば、図1 の記号21で示されるものである。
【0027】
(2) 組成及び構造
本発明のフランジは、上記[1] で記載される不透明石英ガラスと同じ高純度の不透明石英ガラスからなる。即ち、その不透明石英ガラスフランジは、平均径が20〜40μmの独立気泡を3 ×106 〜9 ×106 個/cm3 含有し、100 μm以上の径を有する独立気泡が全気泡中に占める割合が1 %以下であるとともに、厚さを1mm としたときの900nm の波長の光の直線透過率が5 %以下である。
【0028】
(3) 製造方法
(a) 出発原料
不透明石英ガラスフランジを製造に使用する出発原料は、[1](2)(a) で記載した高純度アモルファスシリカ粉末と同じである。即ち、平均粒子径が0.5 〜10μmであり、好ましくは3 〜7 μmである。また、Li、Na、K、Fe、Ti、Alからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である。このアモルファスシリカ粉末の平均粒子径は、成型の容易さと密接な関係があり、0.5 μm未満の平均粒子径を有するシリカ粉末を使用すると、乾燥による収縮が大きく、割れなどが発生しやすい。一方、平均粒子径が10μmを超えると、成型体の強度が乏しく、フランジ形状を維持するのが困難である。
【0029】
(b) 成型
成形は、アモルファスシリカ粉末を純水に分散させ、得られたスラリーを型に注入し、フランジ形状に成型する鋳込み成型法によって行う。使用するスラリーは、上記アモルファスシリカ粉末を純水に添加し、超音波分散又はボールミル混合により調製する。この際、一般に使用する有機系の結合剤や分散剤を添加する必要がないため、得られる不透明石英ガラスは、極めて高純度となる。アモルファスシリカ粉末の純水に対する添加量は、50〜75重量%とするのが好ましい。また、ボールミル混合の場合には、汚染を避けるため、プラスチック、石英ガラス、メノウ等からなるのボール及びポットを使用するのが好ましい。
【0030】
また、鋳込み成型に使用する型としては、石膏型、多孔質プラスチック等からなる吸水性の樹脂型等が用いられる。樹脂材質としては、エポキシ系及びアクリル系の樹脂が好ましい。石膏型を使用する場合には、Caの含有量が2 〜3 ppm と増加するが、Caはフランジの性能に何等影響を及ぼさず、他の有害な不純物であるLi、Na、K、Mg、Ti、Fe、Cu、Ni、Cr及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である不透明石英ガラスフランジが得られる。多孔質の樹脂型を使用する場合、得られる不透明石英ガラスフランジは、出発原料のシリカ粉末と同程度の純度となる。
【0031】
(C) 焼成
まず、1000〜1400℃で1 〜20時間、仮焼するのが好ましい。この処理により、成型体組織の均一化が図られ、焼成による収縮が均一に起こり、極めて寸法精度の良い焼成体が得られる。
【0032】
次に、仮焼体を1730〜1850℃、好ましくは1750〜1800℃で焼成する。1730℃未満、例えば、1600℃では、気泡の平均径は約13μmであり、気泡の含有量は7 ×106 個/cm3 程度であるが、十分な不透明性を確保することができない。また、1600℃以上1730℃未満では、しばしば、焼成体の表面上で結晶化が起こり、表面の結晶層と内部のガラス層との間の熱膨張係数の違いから、ガラスに割れが生じる恐れがある。一方、1850℃を超えると、高温粘性による変形のため、フランジの形状を維持することが困難となる。
【0033】
1730〜1850℃の焼成時間は、焼成体のフランジ形状を維持するため、1 〜数10分が好ましく、特に5 〜10分が好ましい。例えば、1850℃では5 分である。また、1400℃からの昇温速度は、300 ℃/hr以上が好ましく、特に500 〜700 ℃/hrが好ましい。焼成時の雰囲気及び圧力は、[1](2)(C) に記載の通りである。
【0034】
[3] 不透明石英ガラス管
(1) 組成及び構造
本発明の不透明石英ガラス管は、上記[1] で記載される不透明石英ガラスと同じ高純度の不透明石英ガラスからなる。即ち、その不透明石英ガラス管は、平均径が20〜40μmの独立気泡を3 ×106 〜9 ×106 個/cm3 含有し、100 μm以上の径を有する独立気泡が全気泡中に占める割合が1 %以下であるとともに、厚さを1mm としたときの900nm の波長の光の直線透過率が5 %以下である。
【0035】
(2) 製造方法
(a) 出発原料
不透明石英ガラス管を製造に使用する出発原料は、[1](2)(a) で記載した高純度アモルファスシリカ粉末と同じである。即ち、平均粒子径が0.5 〜10μmであり、好ましくは3 〜7 μmである。また、Li、Na、K、Fe、Ti、Alからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である。
【0036】
(b) 成型
粉末を成型する方法として、鋳込み成型法、冷間静水圧プレス法、金型プレス法等が挙げられるが、本発明の不透明石英ガラス管の成型には、アモルファスシリカ粉末を純水に分散させ、得られたスラリーを多孔質の樹脂型に注入して成型する鋳込み成型法が好ましい。
【0037】
使用するスラリーは、不透明石英ガラスフランジの場合と同様に、上記アモルファスシリカ粉末を純水に添加し、超音波分散又はボールミル混合により調製する。この際、一般に使用する有機系の結合剤や分散剤を添加する必要がないため、得られる不透明石英ガラスは、極めて高い純度となる。アモルファスシリカ粉末の純水に対する添加量は、50〜75重量%とするのが好ましい。また、ボールミル混合の場合には、汚染を避けるため、プラスチック、石英ガラス、メノウ等からなるのボール及びポットを使用するのが好ましい。
【0038】
得られたスラリーを多孔質の円筒形樹脂型に注ぎ込み、多孔質の型を通して水のみを除去し、シリカ粉末層を型に着肉させることにより、シリカ粉末を管状に成型することができる。また、鋳込み成型に使用する型としては、石膏型、多孔質プラスチック等からなる吸水性の樹脂型等が挙げられる。樹脂材質としては、エポキシ系及びアクリル系の樹脂が好ましい。
【0039】
不透明石英ガラス管の成型に使用する装置の例を図2 に示す。この装置は、外側の多孔質の円筒形樹脂型11、内側の塩化ビニル樹脂製円筒12、円筒形樹脂型11の上下面にゴムシール13a、13bを介してセットされた金属製カバー14a、14b、円筒形樹脂型11と塩化ビニル樹脂製円筒12と金属製カバー14a、14bにより定義されるキャビティー15、そのキャビティー15の上端部と連結管16により接続され、キャビティー15の下端部と連結管17により接続される液溜め18からなる。連結管19から1 〜5 kg/cm2 のガス圧をかけながら、アモルファスシリカ粉末と純水のみからなるスラリー20が、連結管16、17の一方を通じて、液溜め18からキャビティー15に注ぎ込まれる。シリカ粉末層を型へ着肉した後、金属製カバー14a、14b及びゴムシール13a、13bをはずして、余分なスラリーを排出し、成型体を脱離する。
【0040】
上記の成型方法において、均一に固化した成型体を得るために、着肉している間、樹脂型10の上下を一定時間ごとに逆転するのが好ましい。同一方向に樹脂型10を固定したまま着肉を行った場合には、得られる管状成形体の上部の肉厚が下部の肉厚より薄くなる。なお、樹脂型10の上下を逆転するには、例えば、図2 の連結管16及び17をコックで止めて、逆流を防ぎながら、樹脂型10の上下を逆転する。
【0041】
(c) 焼成
得られた成型体の焼成は次に示す二つの焼成方法が好ましい。
一つの方法は、酸水素火炎により、1730℃以上、好ましくは1750〜1800℃で加熱してガラス化する方法である。
【0042】
この方法において、管状成型体をガラス旋盤に固定し、回転させながら、火炎を管状成型体の内側あるいは外側又はその両方から当てるのが好ましい。ガラス旋盤への装着を容易にし、また、火炎による熱衝撃を和らげるため、1730℃以上で焼成する前に、成型体を1000〜1400℃で1 〜20時間、仮焼するのが好ましい。
【0043】
焼成時間は1 〜120 分が好ましく、特に30〜60分が好ましい。なお、焼成時間とは、1730℃を越えてからの保持時間及び昇降温に要する時間の総和である。この方法は、300 mm以上の長いガラス管を製造するのに適する。
【0044】
もう一つの方法は、成型体を電気炉に入れ、1730〜1850℃で1 〜数10分、好ましくは5 〜10分間焼成する方法である。1730℃未満とすると、しばしば仮焼体の表面上で結晶化が起こり、表面の結晶層と内部のガラス層との間の熱膨張係数の相違により、ガラスに割れが生じる恐れがある。一方、1850℃を超えると、高温粘性による変形のため、形状を維持するのが困難となる。
【0045】
また、熱衝撃を和らげるため、1730〜1850℃で焼成する前に、成型体を1000〜1400℃で1 〜20時間、仮焼するのが好ましい。1400℃から上記焼成温度への昇温速度は、300 ℃/hr以上が好ましく、特に500 〜700 ℃/hrが好ましい。焼成時の雰囲気及び圧力は、[1](2)(C) に記載の通りである。この方法は、300 mm以下の比較的短いガラス管を製造するのに適する。
【0046】
上記二つの焼成方法のいずれによっても、成型体内のシリカ粒子間の空隙が独立気泡となる。平均粒子径が0.5 〜10μmアモルファスシリカ粉末を使用することにより、その独立気泡の平均径を20〜40μmの範囲内に調整することができる。
【0047】
本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はそれらに何等限定されるものではない。
【0048】
実施例 1
平均粒子径3.5 μmの合成アモルファスシリカ粉末(ケイ酸ソーダからNa分を除去したケイ酸)を冷間静水圧プレスで2 tの圧力で成型し、外径200 mm、高さ50mmの円柱状の成型体を作成した。その成型体を電気炉に入れ、常圧(1 kgf/cm2 ) のN2 雰囲気中、常温から300 ℃/hrの昇温速度で1800℃まで昇温させ、その温度で5 分間保持して焼成した。放冷後に得られたガラスは、白色不透明であった。
【0049】
この不透明石英ガラスについて化学分析を行い、各種不純物の含有量を測定した。結果を表1に示す。また、不透明石英ガラス中に含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定した。さらに、この不透明石英ガラスを1 mm及び3 mmの厚さに加工し、900 nmの波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。なお、かさ密度はアルキメデス法により測定した。結果を表2 に示す。
【0050】
【0051】
実施例 2
平均粒子径5 μmの合成アモルファスシリカ粉末を水に分散混合させ、樹脂製の型を用いて鋳込成型を行い、外径170 mm、内径 90mm 、高さ 40mm のフランジ形状の成型体を作成した。その成型体を乾燥させた後電気炉に入れ、N2 雰囲気中、常圧(1 kgf/cm2 )で1100℃の温度を10時間保持した後、1.3 kgf/cm2 の圧力下、600 ℃/hrの昇温速度で1800℃まで昇温させ、その温度で5 分間保持して焼成した。放冷後に得られた石英ガラスは白色不透明であった。
【0052】
この不透明石英ガラス中に含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定するとともに、不透明石英ガラスを1 mm及び3 mmの厚さに加工し、900 nmの波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。結果を表2 に示す。また、この不透明石英ガラスの気泡径分布を図3 に示す。
【0053】
比較例 1 〜 2
珪石及び珪砂を原料として電気溶融した市販の不透明石英ガラス(比較例1 )、及び珪石、珪砂を原料とし、炭素を発泡剤として電気溶融した市販の不透明石英ガラス(比較例2 )について、各ガラス中に含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定するとともに、不透明石英ガラスを1 mm及び3 mmの厚さに加工し、900 nmの波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。結果を表2 に示すとともに、各ガラスの気泡径分布を図4 及び図5 に示す。
【0054】
【0055】
表1 から明らかなように、実施例1 の不透明石英ガラスは高純度である。また、表2 及び図3 〜5 から明らかなように、実施例1 及び2 の不透明石英ガラスに含まれる独立気泡は、比較例1 及び2 の不透明石英ガラスに含まれる独立気泡よりも径が微細で、かつ揃っている。また、独立気泡の含有量が大きく、熱線の直線透過率が低い。
【0056】
実施例 3
平均粒径5 μmの合成アモルファスシリカ粉末をケイ酸ソーダ法により調製した。その不純物濃度を測定したところ、表4 に示す通りであった。このアモルファスシリカ粉末2500gを純水1250gに混合し、超音波を印加しながら6 時間撹拌した。得られたスラリ−を樹脂製の型に注入し、圧力3 kg/cm2 を加えて成型し、内径270 mm、外径390 mm、高さ40mmのフランジ形状の成型体を作成した。その成型体を乾燥させた後、電気炉に入れ、窒素雰囲気中、常圧(1 kgf/cm2 ) で1100℃で10時間仮焼した。次いで、1.3 kgf/cm2 の圧力下で、常温から350 ℃/hr昇温速度で1800℃まで昇温させ、1 分間保持して焼成した。放冷後に内径240 mm、外径350 mm、高さ35mmのフランジ形状の不透明石英ガラスを得た。
【0057】
得られた不透明石英ガラスフランジについて、化学分析を行い、各不純物の含有量を測定した。結果を表4 に示す。また、得られた不透明石英ガラスフランジ中にに含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定するとともに、不透明石英ガラスを1mm の厚さに加工し、900nm の波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。結果を表5 に示す。さらに、この不透明石英ガラスフランジをダイヤモンド砥粒によって加工し、その加工面の表面粗さを測定し、水晶の電気融解法により製造された従来品と比較した。この二つの最大表面粗さ( Rmax ) を表3 に示す。
【0058】
【0059】
実施例 4
実施例3 と同様のスラリーを石膏型に注入し、常圧で成型を行ない、内径270 mm、外径390mm 、高さ40mmのフランジ形状の成型体を作成した。得られた成型体をカーボン抵抗加熱炉に入れ、窒素雰囲気中、常圧(1 kgf/cm2 )で1150℃で15時間仮焼した後、1.3 kgf/cm2 の圧力下で、350 ℃/hrの昇温速度で1800℃まで昇温させ、5 分間保持して焼成した。放冷後に内径250mm 、外径360mm 、高さ35mmのフランジ形状の不透明石英ガラスを得た。
【0060】
実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラスの化学分析を行った。結果を表4 に示す。また実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラスフランジ中にに含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定するとともに、不透明石英ガラスを1 mmの厚さに加工し、900 nmの波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。結果を表5 に示す。
【0061】
【0062】
【0063】
表4 及び5 より明らかなように、実施例3 及び4 の不透明石英ガラスフランジは高純度であり、また、直線透過率が低く、熱線遮断性に優れている。さらに、表3 より明らかなように、実施例3 の不透明石英ガラスフランジは、加工面の表面粗さが従来品よりも小さい。これは、実施例3 の不透明石英ガラスフランジ中の気泡が微細な独立気泡を含有するためであると推定される。
【0064】
実施例 5
実施例3 と同様のスラリーを3 kg/cm2 の圧力を加えながら、図2 示す内径230mm 、外径300 mm、高さ300 mmの樹脂型10のキャビティー15内に注ぎ込み、5 分ごとに上下を逆転させながら、80分間着肉させた。残ったスラリ−を排出した後、円筒形状成型体を樹脂型10から脱離し、外径230 mm、内径214 mm、高さ300 mmの成型体を得た。
【0065】
得られた成型体を1100℃で10時間仮焼した後、この仮焼成体をガラス旋盤に固定し、回転させながら、管の外側に2本、内側に1本セットした酸水素炎バ−ナ−で40分焼成した。放冷後、外径207 mm、内径192 mm、高さ270 mmの不透明石英ガラス管を得た。
【0066】
実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラスの化学分析を行った。結果を表6 に示す。また、比較例として、市販の不透明石英ガラス管(東芝セラミック社、T−100)の分析値(カタログ値)を表6 に示す。さらに、実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラス管中にに含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定するとともに、不透明石英ガラスを1 mmの厚さに加工し、900 nmの波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。結果を表7 に示す。
【0067】
実施例 6
実施例3 と同様のスラリ−を円筒形石膏型( 外径200 mm、内径150 mm、高さ400 mm) に注入し、5 分ごとに上下を逆転させながら、常圧(1kgf/cm2 ) で60分間着肉させた。残ったスラリ−を排出した後、円筒形状成型体を円筒形石膏型から脱離し、外径150 mm、内径130 mm、高さ400 mmの成型体を得た。得られた成型体を1200℃で5 時間仮焼した後、実施例5 と同様に酸水素炎バ−ナ−で焼成し、外径135 mm、内径117 mm、高さ370 mmの不透明石英ガラス管を得た。
【0068】
実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラス管の化学分析を行った。結果を表6 に示す。さらに、実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラス管中にに含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定するとともに、不透明石英ガラスを1 mmの厚さに加工し、900 nmの波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。結果を表7 に示す。
【0069】
実施例7
平均粒径3 μmの合成アモルファスシリカ粉末をケイ酸ソーダ法により調製した。このアモルファスシリカ粉末2500gを純水1250gに混合し、超音波を印加しながら6 時間撹拌した。得られたスラリ−を円筒形石膏型( 外径400 mm、内径360 mm、高さ100 mm) に注入し、5 分ごとに上下を逆転させながら、常圧(1kgf/cm2 ) で60分間着肉させた。残ったスラリ−を排出した後、円筒形状成型体を円筒形石膏型から脱離し、外径360 mm、内径340 mm、高さ100 mmの成型体を得た。
【0070】
得られた成型体をカ−ボン抵抗加熱炉に入れ、窒素雰囲気中で、1150℃、15時間焼成した。そのまま350 ℃/hrの昇温速度で1800℃に昇温した後、1分保持した。炉冷後、外径324 mm、内径306 mm、高さ90mmの不透明石英ガラス管を得た。
【0071】
実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラス管の化学分析を行った。結果を表6 に示す。さらに、実施例1 と同様に、得られた不透明石英ガラス管中にに含まれる独立気泡の平均径、含有量、全表面積、100 μm以上の径を有するものの割合及びかさ密度を測定するとともに、不透明石英ガラスを1 mmの厚さに加工し、900 nmの波長を有する光を透過させて、その直線透過率を測定した。結果を表7 に示す。
【0072】
【0073】
【0074】
表6 及び7 より明らかなように、実施例5 、6 及び7 の不透明石英ガラス管は高純度であり、また、直線透過率が低く、熱線遮断性に優れている。
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の不透明石英ガラスは、微細な気泡を多量に含有するため、熱線遮断性に優れており、かつ純度が高いため、特に半導体製造分野で使用される各種の炉芯管、治具類及びベルジャー等の容器類、例えば、シリコンウェーハ処理用の炉芯管やそのフランジ部、断熱フィン、薬液精製筒及びシリコン溶解用ルツボ等の構成材料として好適である。また、蛍光体等の各種粉体を焼成する容器や、熱線反射板の分野においても使用することができる。
特に、このような不透明石英ガラスからなるフランジは、微細な独立気泡を含有するため、従来の問題点( シール面が研磨されている為に、洗浄処理等の際に、シール面に露出している気泡が削られ、フランジのシール面が一部崩壊するという問題) がなく、加工面の平滑性が良い。さらに、フランジ形状の粉末成型体を焼成する本発明の製造方法は、従来の方法と比較して、大幅に加工工程が省略され、加工コストを著しく削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1 】従来の半導体ウェーハ熱処理装置の断面図である。
【図2 】本発明の石英ガラス管の製造に用いる成型装置の断面図である。
【図3 】実施例2 の不透明石英ガラスの気泡径分布を示すグラフである。
【図4 】比較例1 の不透明石英ガラスの気泡径分布を示すグラフである。
【図5 】比較例2 の不透明石英ガラスの気泡径分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ヒーター
2 炉芯管
21 フランジ
3 半導体ウェーハ
4 支持ボート
5 保温台
6 基板
7 シールリング
11 円筒形樹脂型
12 塩化ビニル製円筒
13a ゴムシール
13b ゴムシール
14a 金属製カバー
14b 金属製カバー
15 キャビティー
16 連結管
17 連結管
18 液溜め
19 連結管
20 スラリー
Claims (13)
- 平均径が20〜40μmの独立気泡を3 ×106 〜9 ×106 個/cm3 含有し、100 μm以上の径を有する独立気泡が全気泡中に占める割合が1 %以下であるとともに、厚さを1mm としたときの900nm の波長の光の直線透過率が5 %以下であることを特徴とする高純度不透明石英ガラス。
- 請求項1に記載の高純度不透明石英ガラスにおいて、Li、Na、K、Mg、Ti、Fe、Cu、Ni、Cr及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下であることを特徴とする高純度不透明石英ガラス。
- 請求項1に記載の高純度不透明石英ガラスを製造する方法において、平均粒子径が0.5 〜10μmの粒子であり、かつLi、Na、K、Fe、Ti及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である高純度アモルファスシリカ粉末を原料とし、前記粉末を成型した後、得られた成型体を1730〜1850℃で焼成することを特徴とする方法。
- 請求項1に記載の高純度不透明石英ガラスからなる不透明石英ガラスフランジ。
- 請求項4に記載の高純度不透明石英ガラスフランジを製造する方法において、平均粒子径が0.5 〜10μmの粒子であり、かつLi、Na、K、Fe、Ti及びAlのからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である高純度アモルファスシリカ粉末を原料とし、前記粉末をフランジ形状に成型した後、得られた成型体を1730〜1850℃で焼成することを特徴とする方法。
- 請求項5に記載の不透明石英ガラスフランジを製造する方法において、前記アモルファスシリカ粉末と水のみからなり、有機系の結合剤及び分散剤を全く含まないスラリーを吸水性のある型に流し込むことにより、フランジ形状成型体を得ることを特徴とする方法。
- 請求項5に記載の不透明石英ガラスフランジを製造する方法において、1730〜1850℃で焼成を行う前に、粉末成型体をあらかじめ1000〜1400℃で一定時間仮焼することを特徴とする方法。
- 請求項1に記載の高純度不透明石英ガラスからなる不透明石英ガラス管。
- 請求項8に記載の不透明石英ガラス管を製造する方法において、平均粒子径が0.5 〜10μmの粒子であり、かつLi、Na、K、Fe、Ti及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一個の不純物の含有量が各々1 ppm 以下である高純度アモルファスシリカ粉末を原料とし、前記粉末を管状に成型した後、得られた成型体を電気炉又は火炎を熱源として、1730℃以上で焼成することを特徴とする方法。
- 請求項9に記載の不透明石英ガラス管を製造する方法において、前記アモルファスシリカ粉末と水のみからなるスラリーを円筒形状の型に入れ、型に着肉させた後、型内の余分なスラリーを排出し、管状成型体を得ることを特徴とする方法。
- 請求項10に記載の不透明石英ガラス管を製造する方法において、スラリーを充填した円筒形状の型を立てて、一定時間ごとに上下を逆転させることにより、着肉を均一に行うことを特徴とする方法。
- 請求項9に記載の不透明石英ガラス管を製造する方法において、1730℃以上で焼成する前に、粉末成型体をあらかじめ1000〜1400℃で一定時間仮焼することを特徴とする方法。
- 請求項9に記載の不透明石英ガラス管を製造する方法において、火炎を熱源として焼成するにあたり、粉末成型体を旋盤等の回転装置に設置し、管を回転させながら、管の外側あるいは内側又はその両方から酸水素炎を当て、焼成することを特徴とする方法。
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