JPWO2017110799A1 - 微小な気泡を含有するガラス及びその製造方法 - Google Patents

微小な気泡を含有するガラス及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、気泡を含有するガラスであって、前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が1.0×102個/mm2以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が50μm以下であり、アスペクト比が1.25以下であるガラスに関する。本発明のガラスは、気泡を含有しながらも、任意の方向からの外観性が良好である。

Description

本発明は、微小な気泡を含有するガラスおよびその製造方法に関する。
ガラス中の泡(気泡)は、通常は欠点として認識される。したがって、通常は、泡を含まないガラスが望まれている。
一方で、従来から、多孔質ガラスや発泡ガラスといった、ガラス中に細孔や泡が内在するガラス及びその製造方法も提案されている。
例えば、特許文献1には、ホウ硅酸ガラスを分相させた後、酸処理を施すことにより、ガラス中に細孔を有する多孔質ガラスが得られることが記載されている。
また、特許文献2には、微粉砕したガラスにSiC等の発泡剤を混入させた後、それらを成型及び焼成して発泡ガラスを得ることが記載されている。
米国特許第2106744号明細書 米国特許第3975174号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の多孔質ガラス中の細孔はアスペクト比が大きいため、当該多孔質ガラスは異方性を有する。したがって、当該多孔質ガラスを外部から視認した際に、視認する方向によっては細孔が肉眼で観察されるため、気泡が視認されることが好ましくない用途には不向きである。また、当該多孔質ガラスを製造するには酸処理が必要となるため、分相ガラス中の酸に溶出する相が溶出する際に、多量の酸の使用や廃液処理が必要であり、また、酸に溶出する相を溶出させるために要する時間が長く、生産性の面でも課題がある。
また、特許文献2に記載の発泡ガラスでは、得られる発泡ガラス中の気泡のアスペクト比はほぼ1であるが、当該発泡ガラスの製造方法では、気泡径や気泡分布の制御が困難であり、気泡が視認されない外観性の良好なガラスを得ることは困難である。
前記従来の課題を鑑みて、本発明は、気泡を含有しながらも、任意の方向からの外観性が良好であるガラス及びその製造方法を提供することを目的とする。なお、本明細書において、「外観性が良好であるガラス」とは、外部から肉眼で観察した際に気泡が視認されないガラスを意味する。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下のガラスにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、気泡を含有するガラスであって、前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が1.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が50μm以下であり、アスペクト比が1.25以下であるガラスを提供する。
また、本発明は、0.2〜100MPaに加圧しながらガラスを溶解させる溶解工程、溶解された前記ガラスを冷却する冷却工程、及び、冷却された前記ガラスを徐冷する徐冷工程を備えるガラスの製造方法をも提供する。
本発明のガラスに含有される、気泡径が50μm以下かつアスペクト比が1.25以下の気泡は、任意の方向からの肉眼による観察では視認されない微小な気泡である。したがって、前記構成を備える本発明のガラスは、気泡を含有しながらも、任意の方向から気泡が視認されず、外観性が良好である。
また、本発明のガラスは、前記気泡の気泡径、アスペクト比及び個数を適宜調整することにより、軽量性、断熱性、遮音性、電気的絶縁性、熱電効果、光散乱制御性等の種々の特性を発現しうる。したがって、光学素子、電気的素子、熱電変換素子、音響素子、軽量断熱材等の種々の用途への応用が期待される。光学素子として具体的には、波長選択フィルターや発光素子、太陽電池などが、電気的素子として具体的には絶縁体やキャパシター、2次電池などが挙げられる。
また、本発明のガラスの製造方法によれば、複雑な工程を要することなく、本発明のガラスを効率よく製造することができる。
図1は、例1(実施例)に係るガラスの断面SEM画像である。 図2は、例2(実施例)に係るガラスの断面SEM画像である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<ガラス>
本発明のガラスは、気泡を含有するガラスであって、前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が1.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が50μm以下であり、アスペクト比が1.25以下である。
なお、以下においては、気泡径が50μm以下であり、かつアスペクト比が1.25以下である気泡を、「ファインバブル」ということがある。
ここで、本発明における気泡の気泡径とは、ガラスを切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して得られるSEM画像から読み取られる気泡径を表す。
また、本発明における気泡のアスペクト比とは、ガラスを切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して得られるSEM画像から、気泡の長径と短径を読み取り、長径/短径として算出される値を表す。
気泡径が50μm以下かつアスペクト比が1.25以下の気泡(ファインバブル)は、任意の方向からガラスを肉眼で観察した際に視認されることがない。本発明のガラスは、その断面を観察したときに、前記断面におけるファインバブルの個数が1.0×10個/mm以上であり、気泡を含有しながらも、任意の方向からの外観性が良好である。
なお、気泡の気泡径、気泡のアスペクト比、及び気泡の個数は、本発明のガラスを製造する際の、ガラスの溶解時の加圧条件、溶解温度、発泡剤、雰囲気、冷却時の冷却速度、徐冷条件等の各条件を適宜調整することにより、調整することができる。
本発明のガラスにおいて、任意の方向からの良好な外観性を得る観点から、ファインバブルの気泡径は50μm以下であり、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは500nm以下であり、特に好ましくは200nm以下である。また、ファインバブルの気泡径の下限は特に限定されるものではないが、種々の特性発現と気泡密度の観点からは、例えば、1nm以上である。
また、本発明のガラスにおいて、任意の方向からの良好な外観性を得る観点から、ファインバブルのアスペクト比は1.25以下であり、好ましくは1.2以下であり、より好ましくは1.15以下であり、さらに好ましくは1.1以下であり、あるいはファインバブルは真円(アスペクト比が1)であってもよい。
また、本発明のガラスにおいて、ガラスの断面を観察したときの、当該断面におけるファインバブルの個数(以下、泡密度ともいう)は、1.0×10個/mm以上であり、好ましくは1.0×10個/mm以上であり、より好ましくは5.0×10個/mm以上である。また、前記泡密度の上限は特に限定されるものではないが、製造上の観点からは、例えば、1.0×1012個/mm以下である。
また、本発明のガラスは、ファインバブルの気泡径、アスペクト比及び個数を適宜調整することにより、軽量性、断熱性、遮音性、電気的絶縁性、熱電効果、光散乱制御性等の種々の特性を発現しうる。
たとえば、本発明のガラスの好適な一態様として、前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における気泡の個数が5.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が500nm以下であるガラスは、平均自由工程が小さくなるために、ガラスの熱伝導率が低く、高い断熱性を有する。本態様においては、気泡径が200nm以下、かつ泡密度が5.0×10個/mm以上であることがより好ましく、気泡径が100nm以下、かつ泡密度が1.0×10個/mm以上であることがさらに好ましい。なお、本態様においては、気泡のアスペクト比は、前記した範囲内である。
また、本発明のガラスの別の好適な一態様として、前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における気泡の個数が2.0×10個/mm以上であり、かつ前記気泡の気泡径が20μm以下であるガラスは、気孔率が大きいために、ガラスの比重が小さく、軽量である。本態様においては、気泡径が1μm以下、かつ気泡の個数が5.0×10個/mm以上であることがより好ましく、気泡径が500nm以下、かつ泡密度が2.0×10個/mm以上であることがさらに好ましい。なお、軽量かつ透明なガラスを得たい場合、気泡径は小さく、泡密度は大きいほど望ましいが、気孔率に対し、気泡径は3乗で効くために気泡径が小さくなるほどより多くの気泡を導入する必要が生じ、製造の観点でも非効率である。典型的には、気泡径は20nm以上、かつ泡密度は2.0×10個/mm以下である。なお、本態様においては、気泡のアスペクト比は、前記した範囲内である。
また、本発明のガラスの別の好適な一態様として、前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が1.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が15μm以下であり、アスペクト比が1.2以下であるガラスは、その気泡径に応じて紫外光から赤外光に対し、所定の波長で散乱効率を高めることができるため、光学素子として好適である。本態様において、より好ましくは、気泡径が10μm以下、かつアスペクト比が1.1以下であり、かつ泡密度が2.0×10個/mm以上である。例えば紫外光をカットしたければ、ガラスの屈折率に応じて、気泡径を100〜550nmの範囲から、かつ泡密度を2.0×10〜1.0×10個/mmの範囲から選択すればよい。また、赤外を透過するガラスにおいて、中赤外(3〜5μm)以下の波長をカットしたければ、気泡径が7μm以下であり、かつ泡密度が2.0×10個/mm以上であることが好ましい。
本発明のガラスは、好ましくは、気泡径が50μm以下であり、かつアスペクト比が1.25以下である気泡以外の気泡を含有しない。このような気泡を含有すると、ガラスを任意の方向から肉眼で観察した際に当該気泡が視認されるおそれがあり、その結果、ガラスの外観性が悪くなるおそれがある。
また、本発明のガラスに用いられるガラスの種類は特に限定されず、公知の各種ガラスから適宜選択して適用することができる。たとえば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、リン酸ガラス、フツリン酸ガラス、ハライドガラス、カルコゲナイトガラス等が例示される。
また、本発明のガラスの形状は特に制限されるものではなく、適用される用途等に応じて、板状、ブロック状、管状、ファイバ状等の種々の形状をとりうる。
また、本発明のガラスには、化学強化処理、物理強化処理等の強化処理を適宜施してもよい。強化処理の手法としては、公知の手法を特に制限なく採用することができる。強化処理を施した強化ガラスは、軽量高断熱窓ガラス、自動車用窓ガラス等に用いることができる。
<ガラスの製造方法>
本発明のガラスの製造方法は、0.2〜100MPaに加圧しながらガラスを溶解させる溶解工程、溶解された前記ガラスを冷却する冷却工程、及び、冷却された前記ガラスを徐冷する徐冷工程を備える。本発明のガラスの製造方法を実施することにより、本発明のガラスを容易に製造することが可能である。
溶融ガラスの表面張力σは比較的大きく、溶融ガラス中に小さい泡径Dの気泡が発生した場合、気泡内部と気泡周囲との圧力差ΔPが大きいことにより、小さい泡径Dの気泡は、ヤングラプラスの式(ΔP=4σ/D)に従い、瞬時に圧壊される。
ここで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、所定の圧力で加圧しながらガラスを溶解させることにより、溶融ガラス中に発生した小さい泡径の気泡(特にファインバブル)を圧壊させることなく、所定の気泡個数で所定の気泡径で所定のアスペクト比のファインバブルを溶融ガラス中に維持させ、内在させることができることを見出した。
(溶解工程)
本発明のガラスの製造方法においては、まず、0.2〜100MPaに加圧しながらガラスを溶解させる。溶解工程の際の圧力が0.2MPa以上であると、ガラス融体中に効率的にファインバブルを含有させることができる。当該圧力は、0.3MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることがより好ましい。一方、溶解工程の際の圧力が100MPaより大きいと、製造時の耐圧容器が限定されコストも莫大となるおそれがある。当該圧力は、50MPa以下であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましい。
加圧しながらガラスを溶解する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、ガラス原料を、石英管等の適宜な容器中に封入する。この際、真空排気しながら封入してもよい。封入時に真空排気を行う場合の圧力は、例えば10〜30Paである。
つづいて、ガラス原料を封入した容器を、封入されたガラス原料の溶解温度よりも高い温度まで加熱した状態で、所定時間保持する。保持時間は、例えば2〜48時間である。このようにすると、温度上昇に伴ってガラス原料が溶解され、ガラス原料中から蒸気が生成して、各原料の蒸気圧に応じて容器内の内圧が上昇する。この状態を所定時間保持することにより、溶解したガラス中にファインバブルが内包された状態となる。
あるいは、あらかじめ一般的な溶解手法でガラスを溶解し、冷却してカレットを作製後、そのカレットを耐圧容器に入れ、昇温してガラスが融液に達してから所望のガスを導入して加圧させてもよい。さらに加圧を促進するため、所望の蒸気圧の高い発泡剤を添加してもよい。所望のガスや発泡剤とは、例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、リン酸ガラスなどに対し、ガスであれば酸素、二酸化炭素、硫酸ガス等が、発泡剤として炭酸塩、硫酸塩、フッ化物、塩化物等が挙げられる。発泡剤であれば、ガラス全質量を100質量%として、0.1〜10質量%の範囲で添加するのが好ましい。より好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。また、フツリン酸ガラス、ハライドガラス、カルコゲナイドガラスに対し、ガスであればハライドガス、不活性ガスやカルコゲンガスが、発泡剤としてフッ化物、塩化物、カルコゲンが挙げられる。
溶解温度は特に限定されないが、好ましくは600〜1700℃の範囲である。溶解温度の上限温度は、容器の耐熱温度以下であることが好ましい。容器に石英管を使用する場合は、1000℃以下が好ましい。より好ましくは950℃以下、さらに好ましくは900℃以下である。一方、製造するガラスが失透しないことを考慮すると、溶解温度は、そのガラスの失透温度以上であることが好ましい。
(冷却工程)
溶解工程につづいて、ファインバブルを含む溶解したガラスを冷却する冷却工程を行う。これにより、溶解したガラスがファインバブルを内包した状態で冷却固化され、ファインバブルがガラス内部に保持される。冷却工程としては、公知の手法を適宜採用することができる。
冷却工程における冷却速度は、特に限定されるものではないが、溶解ガラスがファインバブルを内包した状態を良好に保持しながらガラスを冷却固化させるためには、冷却速度は100℃/min以上であることが好ましく、300℃/min以上であることがより好ましい。なお、冷却速度の上限も特に限定されるものではないが、溶解設備や耐圧容器への負荷低減の観点からは、好ましくは6000℃/min以下であり、より好ましくは1000℃/min以下である。
(徐冷工程)
冷却工程につづいて、ガラスの歪みを除去するために、ガラスを徐冷する徐冷工程を行う。徐冷工程としては、公知の手法を適宜採用することができる。徐冷工程における冷却速度は、特に限定されるものではないが、ガラスの残留歪を除去し、破損を防ぐ観点からは、好ましくは100℃/min以下であり、より好ましくは10℃/min以下である。
(その他の工程)
なお、本発明のガラスの製造方法は、上記溶解工程、冷却工程及び徐冷工程に加えて、その他の工程をさらに備えていてもよい。たとえば、溶解工程と冷却工程の間に、ガラスを所望の形状に成形する成形工程や、ガラスの清澄工程を適宜備えていてもよい。なお、成形工程や清澄工程としては、公知の手法を適宜採用することができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により特に限定されるものではない。以下において、例1〜3及び6は実施例であり、例4及び7は比較例であり、例5は参考例である。
(例1)
原子%表記で、Ge 4%、Sb 10%、S 86%の組成(以下、ガラス組成1ともいう)となるようにガラス原料を混合し、10gの原料バッチを得た。また、内径8mmの石英管の片端を酸水素バーナーで加熱して封止して石英ガラスアンプルを作製した後、イソプロピルアルコール(IPA)で洗浄し、600℃で減圧乾燥を行った。
つづいて、石英ガラスアンプル中に前記原料バッチを入れて押圧した後、10〜30Paで真空排気しながら開口部を酸水素バーナーで加熱して、石英ガラスアンプルを封管した。
原料バッチが封入された石英ガラスアンプルを予め200℃に昇温されている溶融炉内に入れ、2℃/minの昇温速度で800℃まで昇温させることによりガラス原料を溶解させ、1時間保持した。ここで、硫黄の蒸気圧曲線から類推される石英管内の内圧は、約8MPaであった。
次に、封管された石英ガラスアンプルを大気放冷することにより、石英ガラスアンプル中の溶融ガラスを冷却固化させた。冷却速度は約3000℃/minであった。
つづいて、封管された石英ガラスアンプルを230℃に昇温されている電気炉に入れ、−0.5℃/minの降温速度で室温まで徐冷して、例1のガラスを作製した。
次に、封管された石英ガラスアンプルから取り出したガラスを切断し、研磨することにより、厚み約1mmの板状のガラスサンプルを3枚作製した。さらに、3枚の板状のガラスサンプルを取り出した後のガラスの一部を粉砕して得られたガラス粉末のガラス転移点Tgを、示差熱分析計(リガク社製、商品名:TG8110)を使用して測定したところ、225℃であった。
(例2)
例2においては、ガラス原料の原料バッチが封入された石英ガラスアンプルを予め200℃に昇温されている溶融炉内に入れ、2℃/minの昇温速度で700℃まで昇温させることによりガラス原料を溶解させ、2時間保持した以外は例1と同様にして、例2のガラスを作製した。ここで、硫黄の蒸気圧曲線から類推される石英管内の内圧は、約3MPaであった。
また、例2のガラスからも、例1と同様にして厚み約1mmの板状のガラスサンプルを3枚作製した。さらに、例1と同様にして例2のガラスのガラス転移点Tgを測定したところ、224℃であった。
(例3)
原子%表記で、P 14.3%、Mg 0.5%、Ca 0.5%、Sr 2.8%、Ba 8.2%、Li 16%、Al 7.2%、Y 0.5%、O 32.8%、F 17.2%の組成(以下、ガラス組成2ともいう)となるように、600gのガラス原料を混合した。これを白金坩堝中に入れた後、電気炉で900℃まで加熱してガラス原料を溶融させ、さらに融液を回転ロールで急冷して、ガラスリボンを形成した。得られたガラスリボンをボールミルで粉砕し、目開き150μmの網目を有する篩にかけ、ガラス粉末を得た。なお、このガラス粉末のガラス転移点Tgは372℃であった。
得られたガラス粉末を10g秤量し、さらにBaFを0.1g添加してから例1と同様の石英ガラスアンプルに真空排気せずに封管し、2℃/minの昇温速度で900℃まで昇温させることによりガラス粉末を溶解させ、1時間保持した。ここで、Fの臨界圧力から類推される石英管内の内圧は、約5MPaであった。
次に、封管された石英ガラスアンプルを大気放冷することにより、石英ガラスアンプル中の溶融ガラスを冷却固化させた。冷却速度は約3000℃/minであった。さらに、封管された石英ガラスアンプルを400℃に昇温されている電気炉に入れ、−1℃/minの降温速度で室温まで徐冷して、例3のガラスを作製した。
また、例3のガラスからも、例1と同様にして厚み約1mmの板状のガラスサンプルを3枚作製した。
(例4)
例3と同様にして得られたガラス粉末を200g秤量して白金坩堝に入れ、さらにBaFを2g添加してから電気炉で900℃まで昇温してガラス粉末を溶解させ、30分保持した。次に、白金スターラーを用いて500rpmの回転速度で撹拌し、10分清澄した後、白金坩堝ごと400℃に昇温されている電気炉に入れて−1℃/minの降温速度で室温まで徐冷して、例4のガラスを作製した。
また、例4のガラスからも、例1と同様にして厚み約1mmの板状のガラスサンプルを3枚作製した。
(例5)
例3と同様にしてガラス原料を300g混合して白金坩堝中に入れた後、電気炉で900℃に加熱してガラス原料を溶解させ、1時間清澄させた。次に、白金坩堝ごと400℃に昇温されている電気炉に入れて−1℃/minの降温速度で室温まで徐冷し、例5のガラスを作製した。
また、例5のガラスからも、例1と同様にして厚み約1mmの板状のガラスサンプルを3枚作製した。
(例6)
例3と同様にして得られたガラス粉末を10g秤量し、さらにBaFを0.1g、Euを0.25g添加してから例1と同様の石英ガラスアンプルに真空排気せずに封管し、2℃/minの昇温速度で800℃まで昇温させることによりガラス粉末を溶解させ、1時間保持した。ここで、Fの臨界圧力から類推される石英管内の内圧は、約5MPaであった。
次に、封管された石英ガラスアンプルを大気放冷することにより、石英ガラスアンプル中の溶融ガラスを冷却固化させた。冷却速度は約3000℃/minであった。さらに、封管された石英ガラスアンプルを400℃に昇温されている電気炉に入れ、−1℃/minの降温速度で室温まで徐冷して、例6のガラスを作製した。
また、例6のガラスからも、例1と同様にして厚み約1mmの板状のガラスサンプルを4枚作製した。
(例7)
例3と同様にして得られたガラス粉末200gを秤量して白金坩堝に入れ、さらにBaFを2g、Euを5g添加してから電気炉で800℃まで昇温してガラス粉末を溶解させ、30分保持した。次に、白金スターラーを用いて500rpmの回転速度で撹拌し、10分清澄した後、白金坩堝ごと400℃に昇温されている電気炉に入れて−1℃/minの降温速度で室温まで徐冷して、例7のガラスを作製した。
また、例7のガラスからも、例1と同様にして厚み約1mmの板状のガラスサンプルを4枚作製した。
各例のガラスについて、ガラスを切断、研磨して得られた3枚の板状の各ガラスサンプル表面の任意の3箇所を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、合計9つのSEM画像を撮像した。
気泡の個数(泡密度)は、上記9つのSEM画像のそれぞれにおいて気泡の個数を数え、その平均を1mmあたりの気泡の個数に換算することにより算出した。その結果を表1および2に示す。
また、気泡径(泡分布)として、上記9つのSEM画像において観察された気泡径の最小値と最大値を測定した。その結果を表1および2に示す。
アスペクト比は、気泡の長径と短径をSEM画像から読み取り、長径/短径を算出して求めた。その結果を表1および2に示す。
さらに、ガラスを任意の方向から肉眼で観察した際に、気泡が視認されるかどうかについて、表1および2にあわせて示した。
図1に、例1のガラスから得られた板状のガラスサンプル表面のSEM画像の一つを示す。また、図2に、例2のガラスから得られた板状のガラスサンプル表面のSEM画像の一つを示す。
例1〜5のガラスについて、比重をアルキメデス法により測定した。その結果を表1に示す。
例1〜5のガラスについて、φ5±0.02mm、厚み1±0.01mmの精度でガラスを加工した後、京都電子工業社製のレーザーフラッシュ法熱物性測定装置LFA−502を用いて熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2017110799
表1より明らかなように、例1〜3では、石英封管内で温度上昇に伴う蒸気圧上昇によってガラス融液が加圧され、2.5×10個/mm以上の泡密度でファインバブルを内在したガラスが得られた。また、これらの結果より、ガラス系によらず、ガラス融液を3MPa以上に加圧することで、ファインバブルをガラスに内在させることが可能であることが示された。そして、例1〜3のガラスは、肉眼で観察した際に気泡が視認されず、良好な外観性を有していた。
一方で、例4は常圧溶解であり、500rpmの回転速度で撹拌して気液混合させても、泡密度は小さく、また気泡径も大きいものしか得られなかった。そして、例4のガラスは、肉眼で観察した際に気泡が視認され、外観性に劣るものであった。
なお、例5においては、板状のガラスサンプルのSEM観察では気泡は観察されなかった。
表1より明らかなように、気泡径が小さく、泡密度が大きくなるに従って、熱伝導率が低くなることがわかった。特に、ガラス組成が同じである例3のガラスと例4のガラスを比較すると、例3のガラスの熱伝導率(0.62W/m・K)は例4のガラスの熱伝導率(0.72W/m・K)に対して有意に低いものであった。また、ガラス組成が同じである例3のガラスと例5のガラスを比較すると、気泡が観察されなかった例5のガラスの熱伝導率(0.71W/m・K)に対しても、例3のガラスの熱伝導率(0.62W/m・K)は有意に低いものであった。
例6および7のガラスについて、加工、研磨して得られた外径8mm、厚さ1mmのサンプルを絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製、商品名:Quantauru−QY)を使用して、励起光波長380nmにて量子変換収率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2017110799
表2より明らかなように、2.5×10個/mm以上の泡密度でファインバブルを内在した例6のガラスは、例7のガラスと比較して大きな量子変換収率を示し、蛍光ガラスとしても特性向上に寄与することが確認できた。
また、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、リン酸ガラス、フツリン酸ガラス、ハライドガラス、カルコゲナイトガラス等において、上記実施例同様に、本発明のファインバブルガラスが得られる。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2015年12月24日付けで出願された日本特許出願(特願2015−251367)に基づいており、その全体が引用により援用される。
本発明のガラスは、気泡を含有しながらも、任意の方向からの外観性が良好である。
また、本発明のガラスは、前記気泡の気泡径、アスペクト比及び個数を適宜調整することにより、軽量性、断熱性、遮音性、電気的絶縁性、熱電効果、光散乱制御性等の種々の特性を発現しうる。したがって、光学素子、電気的素子、熱電変換素子、音響素子、軽量断熱材等の種々の用途への応用が期待される。

Claims (7)

  1. 気泡を含有するガラスであって、
    前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が1.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が50μm以下であり、アスペクト比が1.25以下であるガラス。
  2. 前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が2.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が20μm以下である請求項1に記載のガラス。
  3. 前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が5.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が500nm以下である請求項1または2に記載のガラス。
  4. 前記ガラスの断面を観察したときの、前記断面における前記気泡の個数が1.0×10個/mm以上であり、かつ、前記気泡の気泡径が15μm以下であり、アスペクト比が1.2以下である請求項1に記載のガラス。
  5. 0.2〜100MPaに加圧しながらガラスを溶解させる溶解工程、溶解された前記ガラスを冷却する冷却工程、及び、冷却された前記ガラスを徐冷する徐冷工程を備えるガラスの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のガラスを製造する方法であって、
    0.2〜100MPaに加圧しながらガラスを溶解させる溶解工程、溶解された前記ガラスを冷却する冷却工程、及び、冷却された前記ガラスを徐冷する徐冷工程を備えるガラスの製造方法。
  7. 前記冷却工程における冷却速度が100℃/min以上である請求項5または6に記載のガラスの製造方法。
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