JP3672869B2 - 土壌浄化用の樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

土壌浄化用の樹脂発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂発泡体の技術分野に属する。また、ダイオキシン、六価クロム等の有害物質に汚染された土壌を浄化するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ゴミ焼却場から排出される焼却灰の埋立て、排ガス・排水の周辺地域への拡散などに起因して、ダイオキシン、PCB等の有機物質、六価クロム等の重金属化合物などによる土壌の汚染が大きな問題となっている。この問題を解決するため、従来いくつかの方法が提案されている。例えば、特開平7−265461号公報には、芳香族ハロゲン化合物に汚染された固体状の物質(土壌)に、水分が5%以上ある状態で、アルカリ性物質と金属とを添加、混合し、300℃〜450℃に加熱することを特徴とする芳香族ハロゲン化合物の分解方法が開示されている。この方法は、比較的安価に実施可能であるが、土壌に添加、混合する物質が反応させる前に風などによって飛散してしまう恐れがある。また、必要以上に短時間で土壌深くまで浸透してしまうことにより、表層部30cmの範囲に多いといわれる有害物質を分解する効力が得られない可能性もある。さらに、加熱処理が別途必要であるため手間が掛かるという欠点もあった。
したがって、長期間にわたり、ダイオキシン、六価クロムなどの有害物質を効果的に分解でき、さらに加熱処理などの工程も不要な、土壌の浄化方法の開発が望まれていた。
【0003】
ところで近年、環境保護の観点から、断熱材、緩衝材、食品包装容器などに用いる発泡体として、生分解性樹脂を利用したものが種々提案されている。生分解性樹脂とは、使用中は従来のプラスチックと同程度の機能を保ちながら使用後は自然界に存在する微生物の働きにより低分子化合物に分解され、最終的に水や二酸化炭素などの無機物に分解される高分子素材である。例えば、特開平5−320405号公報、特開平6−32928号公報には、セルロースアセテートなどのセルロースエステル誘導体からなる発泡体が開示されている。また、生分解性樹脂としては、上記セルロースエステル誘導体の他にも、アミロースや木粉のエステル誘導体、セルロース−キトサン混合体、ポリヒドロキシン酪酸およびその誘導体、プルラン、ポリエステル−ナイロン共重合体、デンプンとポリエチレンとのブレンド体、ポリ乳酸など種々の生分解性樹脂が知られている。しかしながら、これらの生分解性樹脂を、ダイオキシン等の除去に応用する技術は未だ提案されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記従来の状況に鑑み、生分解性樹脂を利用して、長期間にわたり土壌中にとどまってダイオキシン等の有害物質を効果的に吸着、分解し、さらに土壌の加熱処理などが不要で、容易に実施可能な、土壌浄化用の樹脂発泡体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の土壌浄化用の樹脂発泡体は、請求項1として、発泡した生分解性樹脂に、カーボンナノチューブを担持させたことを特徴とする。
【0006】
上記手段によれば、カーボンナノチューブが風によって飛散することなく、生分解性樹脂発泡体に固定され土壌中に留まるため、効率的に有害物質の無害化を行うことができる。さらに、生分解性樹脂はやがて無機物に分解されるため、土壌中に未反応物質の残留がない。なお、ここでカーボンナノチューブとは、直径数Å〜数nmのチューブ形状の炭素系材料をいうが、一端または両端がホーン(角)状に閉じたいわゆるカーボンナノホーンをも含む概念である。さらに、カーボンナノチューブは純粋である必要はなく、例えばC60等のフラーレンや、不定形炭素を一部含んでいても良い。なお、ここで「担持」とは、発泡体に形成された気泡の内表面にカーボンナノチューブが付着した状態、あるいは発泡体内部にカーボンナノチューブが埋め込まれた状態をいう。
【0007】
また、請求項2は、請求項1記載の樹脂発泡体において、カーボンナノチューブが、一端の開口部の直径が1〜5nm、他端の開口部の直径が0.1〜0.5nmの漏斗形状のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする。
【0008】
上記手段によれば、ダイオキシン等の有害物質を無害化する能力が高い漏斗形状のカーボンナノチューブを含むため、有害物質の無害化能力がより向上する。
【0009】
また、請求項3は、請求項1又は2記載の樹脂発泡体において、カーボンナノチューブの担持される量が、生分解性樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とする。
【0010】
上記手段によれば、発泡体の強度を維持しつつ、有害物質を十分に除去するため、カーボンナノチューブの量が最適化される。
【0011】
また、請求項4は、請求項1〜3のいずれか記載の樹脂発泡体において、生分解性樹脂が、セルロースアセテートであることを特徴とする。
【0012】
上記手段によれば、生分解性、発泡体としたときの強度、コスト等のバランスを考慮して、生分解性樹脂の種類が特定される。
【0013】
また、請求項5は、請求項1〜4のいずれか記載の樹脂発泡体において、カーボンナノチューブに加え、さらに光触媒が担持されたことを特徴とする。
【0014】
上記手段によれば、光触媒によって、発泡体に光分解性が付与され、全体の分解性がより向上する。
【0015】
また、請求項6は、請求項5記載の樹脂発泡体において、光触媒の担持される量が、生分解性樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部であることを特徴とする。
【0016】
上記手段によれば、発泡体の強度を維持し、あるいは発泡性・成形性に支障を生じないように、光触媒の量が最適化される。
【0017】
また、請求項7は、生分解性樹脂と、カーボンナノチューブと、水とを混合し、前記混合物を溶融発泡させる土壌浄化用の樹脂発泡体の製造方法である。
【0018】
上記手段によれば、特別な発泡剤を用いることなく、水の気化による膨張を利用して、カーボンナノチューブを含む発泡体が効率的に製造される。
【0019】
さらに、請求項8は、請求項7記載の製造方法において、さらに光触媒を混合することを特徴とする。
【0020】
上記手段によれば、カーボンナノチューブに加えて、光触媒が担持された発泡体が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂発泡体は、発泡した生分解性樹脂に、カーボンナノチューブを担持させて概略構成される。
【0022】
まず、生分解性樹脂としては、一般に、樹脂自体が完全に分解するタイプと、非分解性の樹脂に分解性の樹脂をブレンドして崩壊性を付与したタイプとが知られているが、本発明ではこのいずれも適用可能である。前者のタイプには、微生物による生産物を利用するもの、天然高分子を利用するもの、石油系原料からの生成品などの種類があり、後者のタイプには、デンプンとのブレンド体、脂肪族ポリエステルとのブレンド体などがある。これらの生分解機構としては、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素による分解、活性汚泥中の微生物による分解、森林、耕作地等の自然環境における土壌による分解などの種々の態様がある。さらに具体的に生分解性樹脂を例示すれば、セルロースやアミロースや木粉のエステル誘導体、セルロースーキトサン混合体、ポリヒドロキシン酪酸およびその誘導体、プルラン、ポリエステルーナイロン共重合体、デンプンとポリエチレンとのブレンド体、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ乳酸等が挙げられる。
【0023】
特に、上記の生分解性樹脂の中でも、セルロースアセテートは、生分解能が高く、コスト的にも優れているため最も好ましく用いられる。また、セルロースアセテートは、耐水性、耐温湿性であり、すなわち、水に濡れたり、60℃/90%RHという高温高湿度下に放置した場合でも、収縮等の形状変化を生じないため、カーボンナノチューブを流出させることなく確実に担持することができる。このセルロースアセテートとしては、セルロースの酢酸エステル化度が、セルロースに結合する酢酸の割合として表される酢化度で45%以上のものが適当であり、47〜60%(セルロース1単位当たりの結合アセチル基の数は1.9〜2.8)のものが特に好ましい。
【0024】
次に、カーボンナノチューブは、炭素6員環が連続したグラファイト層を丸めたようなチューブ状の物質であり、通常は直径数nm、長さ1μm程度の大きさを有する。また、グラファイト層が1層のみのいわゆる単層(Single-walled)カーボンナノチューブと、複数のグラファイト層が同心筒状になった多層(multi-walled)カーボンナノチューブとが知られているが、本発明はいずれも適用可能である。さらに、チューブの端部は開いていても閉じていても良い。なお、本発明では、カーボンナノチューブ1g当たりの表面積が十分に大きいものを用いることが好ましい。具体的には、約1200〜2000cm2程度の表面積を有することが好ましい。
【0025】
また、上記カーボンナノチューブの中でも、一端の開口部の直径が1〜5nm、他端の開口部の直径が0.1〜0.5nmの漏斗形状の構造を有するカーボンナノチューブは特に好ましく用いられる。
【0026】
上述のような種々のカーボンナノチューブが作用して、土壌中の有害物質が除去される機構は未だ定かではないが、有害物質がカーボンナノチューブの細孔に吸着され、活性化した炭素表面により反応して無毒化するためと考えられる。特に、漏斗形状のカーボンナノチューブを用いた場合は、推定される反応機構として、大きい直径の開口部に有害物質が吸着すると、小さい直径の開口部へ向かって有害物質が移動しつつ、最終的に原子サイズにまで分解され放出されるという可能性が考えられ、他の構造のカーボンナノチューブに比べて分解能力が高いことが明らかとなっている。
【0027】
カーボンナノチューブを担持させることにより、土壌中の種々の有害物質を除去することができる。具体的な対象物質としては、例えば、ダイオキシン類、カドミウムおよびその化合物、塩素および塩化水素、フッ素、フッ化水素およびフッ化ケイ素、鉛およびその化合物、窒素酸化物、シアン化合物、有機リン化合物(パラチオン)、メチルパラチオン、メチルジメントン、EPN(エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト)、六価クロム化合物(六価クロムCr6+)、ヒ素およびその化合物、水銀およびアルキル水銀その他の水銀化合物、PCB(ポリクロリネイテッドビフェニル)、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロブロベン、チウラム、シマジン、チオベンカルプ、ベンゼン、セレンおよびその化合物等が挙げられる。
【0028】
カーボンナノチューブを担持させる量は、少な過ぎると有害物質を分解除去する効果が得られないため不適であり、逆に多過ぎると発泡性、成形性に支障をきたす恐れがあるため、これらのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、カーボンナノチューブを、生分解性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部担持させることが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の樹脂発泡体には、必要に応じて、カーボンナノチューブとともに光触媒を担持させることができる。光触媒は、紫外線等の照射によってラジカルを生じ、生分解性樹脂の分解を促進する作用がある。したがって、光触媒を併用することにより、例えば、カーボンナノチューブが有害物質を分解除去してその役目を終えた後は速やかに発泡体全体が分解するように調節することができる。
【0030】
光触媒としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カドミウム・サルファイトなど公知の光触媒を必要に応じて適宜選択して用いることができるが、その中でも酸化チタンが、無害であり、化学的に安定であり、かつ安価であるため最も好ましく用いられる。酸化チタンは、その結晶型としてアナタース型とルチル型のいずれも用いることができるが、アナタース型の方が光触媒能が高いのでより好ましい。
【0031】
光触媒を担持させる量は、特に限定されるものではなく、カーボンナノチューブとのバランス等を考慮して適宜設定される。具体的には、生分解性樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部、就中0.5〜10重量部とすることが好ましい。
【0032】
その他、本発明の樹脂発泡体には、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。例として、可塑剤、発泡調整剤等が挙げられる。可塑剤の例としては、ポリエチレングリコール、ポリメチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、フタル酸ジメチル等のフタル酸エステル、リン酸エステル、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、クエン酸エステル、大豆油、ヒマシ油、樟脳等が挙げられ、特に、分子量20,000以下のポリエチレングリコールは好適に用いられる。なお、可塑剤の量は、生分解性樹脂100重量部中、10〜60重量部が適当である。また、発泡調整剤(発泡核剤、発泡助剤)は、均一かつ高度に発泡させるために用いるものであり、具体例としては、タルク、二酸化ケイ素、酸化チタン(光触媒機能を有する酸化チタンよりはるかに粒径の大きい、一般に顔料、充填剤等として用いられているもの)、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム等の無機系微粒子、セルロース粉末、キチン、キトサン、木粉、ステアリン酸金属塩等の有機系微粒子等が挙げられ、特に、タルクが好適に用いられる。なお、発泡調整剤の配合量は、生分解性樹脂100重量部に対して2〜50重量部の割合が適当である。さらに、オカラ、木粉、麩(フスマ;小麦の皮)、古紙、デンプン、コーンスターチ等を増量剤として加えることもできる。
【0033】
本発明の樹脂発泡体の発泡倍率は、特に限定されるものではないが、倍率が大き過ぎると、担持されているカーボンナノチューブが雨風などで流出する恐れがあるため不適である。また、逆に倍率が小さ過ぎると、表面積が小さくなって有害物質の分解能力が低下し、かつ発泡体の生分解性も低下するので、これらのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、5〜80倍程度とすることが好ましい。また、発泡体の見掛け密度は0.01〜0.2g/cm3程度が適当である。
【0034】
また、樹脂発泡体の形状は、実際の使用形態に応じて適宜決定される。例えば、粒状、チップ状、ロッド状、シート状等が挙げられる。
【0035】
続いて、本発明に係る樹脂発泡体の製造方法について説明する。
本発明の樹脂発泡体は、従来の生分解性樹脂発泡体における一般的な方法に準じて製造することができる。その中でも特に、以下の方法が好ましく採用される。すなわち、生分解性樹脂と、カーボンナノチューブと、水とを混合し、必要に応じて、光触媒や、可塑剤、発泡調整剤等の添加剤をも混合し、その混合物を溶融発泡させる方法である。この製造方法では、水が発泡剤として機能するので、格別の発泡剤を用いることなく、好適に発泡体を製造することができ、また、環境保護の観点からも好ましい。
【0036】
各原料を混合するに際しては、通常の方法で行えば良く、例えば、各原料を種々の押出機に入れ、加熱溶融混練することにより行うことができる。また、発泡剤として水を用いる場合の使用量は、生分解性樹脂100重量部に対して3〜100重量部の割合が適当であり、好ましくは5〜50重量部の割合である。水が3重量部未満の場合には、水による生分解性樹脂の可塑化が不十分となり、流動性が悪くなって溶融混練性が低下し、発泡性も低下する場合がある。一方、水が100重量部を越える場合には、溶融混練時、生分解性樹脂に含浸しきれない過剰の水のバックフローが生じて溶融混練に不都合を生じたり、過剰の水が押出機内で気化して安定して発泡体を形成することが困難となる場合がある。なお、水は、それ単独で原料に加えても良いし、あるいは他の原料との混合物を予め調整し、その混合物の状態で加えても良い。例えば、カーボンナノチューブの水懸濁液を調整しておき、その懸濁液を原料として加える場合を挙げることができる。また、各原料を混合する際の加熱温度は、生分解性樹脂等の各原料が熱分解を起こさない範囲で、かつ各原料が均一に溶融混練される範囲であれば特に限定されず、一般には、120〜250℃が適当であり、好ましくは180〜220℃である。また、押出機は、種々のタイプが適用可能であり、例えば、一軸または二軸のスクリュータイプ押出機が好適に用いられる。
【0037】
そして、各原料の溶融混合物は、押出機に備えられたダイの吐出孔から吐出され、発泡体となる。吐出部のダイの温度は、上記溶融温度と同じで良いが、吐出できる範囲でその温度より低温にすることもできる。また、ダイとしては、樹脂発泡体をロッド状に吐出するタイプ、あるいはシート状で吐出するタイプ等、必要に応じて任意のタイプを選択することができる。なお、ロッド状に吐出するタイプを採用する場合は、吐出孔の形状は、円形、楕円形、四角形、三角形、星形、中空などいずれであっても良い。また、ダイの吐出孔からロッド状に吐出された樹脂発泡体は、所望の大きさに連続して切断し、チップ状等の形状に加工することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)
セルロースアセテート(帝人(株)製テネックス)70重量部、ポリオキシエチレングリコール(日本油脂(株)製PEG#400)30重量部、タルク(富士タルク工業(株)製LMR−200)9重量部、パウダー状の酸化チタン光触媒(石原テクノ(株)製ST−01;X線粒径7nm)1重量部、水20重量部、およびカーボンナノチューブ5重量部を、210℃で溶融混練した。なお、カーボンナノチューブは他の原料と混ぜる前に水と混合し、懸濁液とすることが好ましい。また、このカーボンナノチューブを10億倍の電子顕微鏡で観察したところ、一端の開口部の直径が約2.9nm、他端の開口部の直径が0.2〜0.3nmの漏斗形状のカーボンナノチューブを含んでいることが分かった。
続いて、上記の溶融混練物を、一軸スクリュータイプの押出機により200℃で押し出して発泡させた。なお、ノズル部から成形物が押し出される際に連続して回転刃により切断し、長さ約5cm、直径約2cmの略々円柱状の、目的の樹脂発泡体を得た。また、樹脂発泡体の発泡倍率はおよそ50倍であった。
【0039】
得られた樹脂発泡体を、人工的に調整した汚染土壌(ダイオキシン及び六価クロムを含む焼却灰を土壌に混合したもの)10m2に20kgばらまき、表層部50cmの範囲を混合した。
一ヶ月後、土壌中のダイオキシンの濃度を測定したところ、28%減少したことが明らかとなった。また、六価クロムは検出限界値以下であった。なお、樹脂発泡体は、150日経過時で約72重量%分解された。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明は、有効成分であるカーボンナノチューブが、風などで飛散したりせず、生分解性樹脂の発泡体に固定され、ダイオキシン、六価クロム等の有害物質を効果的に吸着、分解することができる。その際、従来のような加熱処理などの工程が必要なく、容易に実施することができる。
また、本発明の樹脂発泡体は、一定期間で生分解するため、環境的に好ましいものである。

Claims (8)

  1. 発泡した生分解性樹脂に、カーボンナノチューブが担持されてなる土壌浄化用の樹脂発泡体。
  2. 請求項1記載の樹脂発泡体において、カーボンナノチューブが、一端の開口部の直径が1〜5nm、他端の開口部の直径が0.1〜0.5nmの漏斗形状のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする土壌浄化用の樹脂発泡体。
  3. 請求項1又は2記載の樹脂発泡体において、カーボンナノチューブの担持される量が、生分解性樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とする土壌浄化用の樹脂発泡体。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の樹脂発泡体において、生分解性樹脂が、セルロースアセテートであることを特徴とする土壌浄化用の樹脂発泡体。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の樹脂発泡体において、カーボンナノチューブに加え、さらに光触媒が担持されたことを特徴とする土壌浄化用の樹脂発泡体。
  6. 請求項5記載の樹脂発泡体において、光触媒の担持される量が、生分解性樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部であることを特徴とする土壌浄化用の樹脂発泡体。
  7. 生分解性樹脂と、カーボンナノチューブと、水とを混合し、前記混合物を溶融発泡させる土壌浄化用の樹脂発泡体の製造方法。
  8. 請求項7記載の製造方法において、さらに光触媒を混合することを特徴とする土壌浄化用の樹脂発泡体の製造方法。
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