JP2000263621A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法および熱可塑性樹脂組成物

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JP2000263621A
JP2000263621A JP11073876A JP7387699A JP2000263621A JP 2000263621 A JP2000263621 A JP 2000263621A JP 11073876 A JP11073876 A JP 11073876A JP 7387699 A JP7387699 A JP 7387699A JP 2000263621 A JP2000263621 A JP 2000263621A
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gas
filler
resin
weight
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Kozo Makino
耕三 牧野
Kouki Deguchi
好希 出口
Toshio Inamori
俊夫 稲守
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より多くの充填材が添加され、かつ、充填材の
性能が十分に発揮される熱可塑性樹脂発泡体およびその
製造方法を提供することを目的としている。 【解決手段】熱可塑性樹脂と充填材とを含み、前記熱可
塑性樹脂100重量部に対し、充填材が50重量部以上
500重量部以下の割合で配合され、発泡倍率が1.5
倍以上10倍以下であるとともに、内部の充填材を外部
雰囲気に暴露可能な連続気泡を備えている構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物、特に、住宅、自動車、船舶、列車、航空機等の内装
材、吸着材、濾過フィルター、エアフィルタ等として好
適に用いられる熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】難燃性、軽量化、吸着性、吸音性、断熱
性、あるいは他の特性を付与するため−、充填材を配合
した熱可塑性樹脂発泡体は公知(たとえば、特開昭58
−98341号公報等参照)である。上記のような従来
の熱可塑性樹脂発泡体は、化学発泡剤を使用して熱可塑
性樹脂と充填剤とを含む樹脂混合物を発泡させて製造さ
れるようになっている。
【0003】しかし、このような化学発泡剤を使用して
発泡させる熱可塑性樹脂発泡体の製造方法では、以下の
ような問題がある。すなわち、可塑性を持たない充填材
を配合した組成物は押出機での混練に際し、充填量が多
いほど粘度が高くなる。
【0004】したがって、粘度の増加が甚だしい場合、
過負荷および過大圧力による押出機の停止を引き起こす
場合がある。また、高粘度の組成物を混練するため、押
出機内の剪断による樹脂混合物自身の発熱が過大に発生
する。このため、樹脂混合物のヤケ、分解および予想外
の化学発泡剤の反応を引き起こす場合がある。このた
め、通常はこれらの問題が発生しない程度に充填材の割
合を制限せざるを得ず、充分に満足できる特性を備えた
熱可塑性樹脂発泡体を得られていないのが現状である。
【0005】また、吸着性、イオン交換性、濾過性、洗
浄性等の機能を有する充填材を用いる場合、組成物の内
部の充填材まで十分に性能を発揮させるためには、高発
泡倍率で孔の壁が薄く、充填材が孔表面に露出し、しか
も、気孔が連続して表層まで続いて充填材が外部の空気
あるいは液体と接触していることが好ましい。しかしな
がら、化学発泡剤を使用する等の従来の製造方法では、
充填材量が多くなると、ガス抜けし、十分な高発泡倍率
のものが得られないと言う問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、より多くの充填材が添加され、かつ、充
填材の性能が十分に発揮される発泡体や非発泡体を含む
熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる熱可
塑性樹脂組成物の製造方法(以下、「請求項1の製造方
法」と記す)は、熱可塑性樹脂と充填材とを含み、前記
熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填材が50重量部
以上500重量部以下の割合で配合され、押出機内で混
合混練された樹脂混合物を押出機から押し出して、押出
成形を行うにあたり、押出機に供給前の樹脂混合物およ
び/または押出機中の樹脂混合物をガスに暴露してガス
を樹脂混合物中に溶解させるガス溶解工程を備えている
構成とした。
【0008】本発明の請求項2に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物の製造方法(以下、「請求項2の製造
方法」と記す)は、請求項1の製造方法において、ガス
を樹脂混合物中に溶解させた状態で押出機から樹脂混合
物を押し出し、押し出された樹脂混合物中に溶解したガ
スの圧力を2MPa/秒以上50MPa/秒以下の減圧
速度で常圧まで戻して溶解しているガスを気化させ、熱
可塑性樹脂を発泡させるようにした。
【0009】本発明の請求項3に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物の製造方法(以下、「請求項3の製造
方法」と記す)は、熱可塑性樹脂と充填材とを含み、前
記熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填材が50重量
部以上500重量部以下の割合で配合された樹脂混合物
を高圧ガス容器中に入れガスを樹脂混合物中に溶解させ
たのち、ガスの圧力を2MPa/秒以上50MPa/秒
以下の減圧速度で常圧まで戻し、溶解しているガスを気
化させて熱可塑性樹脂を発泡させるようにした。
【0010】本発明の請求項4に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物の製造方法(以下、「請求項4の製造
方法」と記す)は、請求項1〜請求項3の製造方法にお
いて、ガスとして二酸化炭素を用いるようにした。
【0011】本発明の請求項5に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物の製造方法(以下、「請求項5の製造
方法」と記す)は、請求項1〜請求項4の製造方法にお
いて、充填材として木質系粉末を用いるようにした。
【0012】本発明の請求項6に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物(以下、「請求項6の組成物」と記
す)は、熱可塑性樹脂と充填材とを含み、前記熱可塑性
樹脂100重量部に対し、充填材が50重量部以上50
0重量部以下の割合で配合され、発泡倍率が1.5倍以
上10倍以下であるとともに、内部の充填材を外部雰囲
気に暴露可能な連続気泡を備えている構成とした。
【0013】本発明の請求項7に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物(以下、「請求項7の組成物」と記
す)は、請求項6の組成物において、熱可塑性樹脂とし
て、ポリオレフィンおよびオレフィン−酢酸ビニル共重
合体の少なくともいずれか1種を用いるようにした。
【0014】本発明の請求項8に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物(以下、「請求項8の組成物」と記
す)は、請求項6または請求項7の組成物において、気
孔径を平均値0.01μm以上50μm以下の範囲にし
た。
【0015】本発明の請求項9に記載の発明にかかる熱
可塑性樹脂組成物(以下、「請求項9の組成物」と記
す)は、請求項6〜請求項8の組成物において、連続気
孔率を50体積%以上100体積%以下にした。
【0016】本発明の請求項10に記載の発明にかかる
熱可塑性樹脂組成物(以下、「請求項10の組成物」と
記す)は、請求項6〜請求項9の組成物において、充填
材として木質系粉末を用いるようにした。
【0017】本発明の請求項11に記載の発明にかかる
熱可塑性樹脂組成物(以下、「請求項11の組成物」と
記す)は、請求項10の組成物において、発泡倍率を2
倍以上10倍以下にするとともに、以下の式(1)で求
められる吸湿率が0.5重量%以上であり、かつ、シー
ト状に成形された状態にした。
【0018】
【数2】
【0019】本発明の請求項12に記載の発明にかかる
熱可塑性樹脂組成物(以下、「請求項12の組成物」と
記す)は、請求項10または請求項11の組成物におい
て、50メッシュの網篩を通過する粒径の木質系粉末を
用いるようにした。
【0020】本発明の請求項1あるいは請求項6に記載
の熱可塑性樹脂とは、特に限定されないが、たとえばポ
リエチレン、ポリプロピレン、EVA(エチレン−酢酸
ビニル共重合体)等のポリオレフィン樹脂、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、A
BS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹
脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ポリス
チレン、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、ポリエステル、アクリル樹脂、セ
ルロース系樹脂、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2−
ポリブタジエン系、フッ素ゴム系の熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系、ポリアセタール系、ポリエステル
系、フッ素系の熱可塑性エンジニアリングプラスチッ
ク、粉末ゴム等が挙げられる。これらは単独で用いても
良いし、組み合わせて用いても良い。また本発明の目的
を損なわない範囲で変性、架橋された樹脂を用いても良
い。
【0021】本発明の請求項1あるいは請求項6に記載
の充填材とは、特に限定されないが、たとえばシリカ、
マイカ、タルク、石粉、珪藻士、クレー、グラファイ
ト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、
アルミナ、アルミニウム粉末、鉄粉、二硫化モリブデ
ン、硫酸バリウム、リチウム石けん、木粉、ガラス、パ
ルプ等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、
組み合わせて用いても良い。
【0022】本発明において、100重量部の熱可塑性
樹脂に対し、充填材の量は、50重量部以上500重量
部以下に限定されるが、好ましくは100重量部以上5
00重量部以下で、より好ましくは150重量部以上5
00重量部以下である。その理由は、充填材が50重量
部未満では、充填材の性能が十分に発揮されず、500
重量部を超えると、熱可塑性樹脂に混合しようとした場
合、組成物の粘度が著しく増大して組成物の混練に大き
な動力が必要になったり、成形体が非常に脆くなり形状
を保てなくなるためである。
【0023】充填材の大きさは、熱可塑性樹脂への混合
度、分散度、あるいは得られる組成物の気泡径を制御す
る上、また、充填材に起因する性能がより発現しやすい
ことを考慮すると、平均で100μm以下が好ましく、
20μm以下がより好ましい。すなわち、充填材が10
0μmを越えると、熱可塑性樹脂への充填材の分散性が
悪く、発泡体としたとき、気孔径が大きく粗くなる恐れ
がある。
【0024】なお、充填材の大きさは、最終的に得られ
る熱可塑性樹脂組成物の段階で上記範囲にあればよい。
すなわち、製造時には特に限定されず、混合前から上記
範囲の大きさであってもよいし、製造プロセス時に粉砕
されて上記範囲となってもよい。
【0025】請求項6〜請求項12の組成物において、
発泡倍率は、1.5倍以上10倍以下に限定されるが、
2倍以上10倍以下がより好ましく、3倍以上8倍以下
が特に好ましい。すなわち、発泡倍率が1.5倍未満で
は、充填材の性能が発揮されず、10倍以上では、強度
等の物性に劣る。
【0026】請求項7の組成物において、熱可塑性樹脂
が、ポリオレフィンおよびオレフィン−酢酸ビニル共重
合体の少なくともいずれか1種に限定されるが、その理
由は、これらはコストが易く、強度等の性能も良好で、
しかも、昨今大きく公害問題として取り上げられている
ダイオキシン、窒素酸化物等の有害物質の原因となる恐
れがないためである。
【0027】請求項8の組成物において、組成物の気孔
径の平均値が、0.01μm以上50μm以下に限定さ
れるが、0.01μm以上30μm以下が好ましく、
0.1μm以上20μm以下がより好ましく、0.1μ
m以上20μm以下が特に好ましい。その理由は、0.
01μm未満では、気孔内の空気の対流が少なく、充填
材の性能が充分に発揮されず、50μmを越えると、組
成物の強度の低下が著しい。
【0028】なお、組成物の気孔径は、組成物の断面の
厚み方向(幅方向)において、表裏および左右層からそ
れぞれ5%の範囲を除いた81%の内部の範囲内の気孔
径で評価する。本発明においては、上記範囲内の一定の
測定面積中に存在する気孔の径を大きなものから測定
し、気孔の断面積の和が上記測定面積の80%以上を占
めるものまで評価し、それらの体積平均径を熱可塑性樹
脂の気孔径の平均値とする。上記測定面積は、その範囲
中で最大の孔の面積の100倍以上あることを条件とし
て任意に決定する。
【0029】個々の気孔の径は、コンピュータによる画
像処理解析、あるいは2軸算術平均径を測定し、その気
孔の代表径とする。また気孔が連続気孔である場合は、
観察できる見掛け上の気孔壁をその気孔の端面とみな
す。
【0030】請求項9の組成物において、連続気孔率が
50体積%以上100体積%以下に限定されるが、75
体積%以上100体積%以下がより好ましく、90体積
%以上100体積%以下が特に好ましい。その理由は、
連続気孔率が50体積%未満では、組成物の気孔内の空
気が外気と変換されにくく、充填材の機能が充分に発揮
されにくいためである。
【0031】なお、連続気孔とは、組成物の気孔のなか
でも外気と連続してる孔のことを示し、その数値は、A
STM D 2856の方法に準拠して求めることがで
きる。
【0032】請求項5の製造方法および請求項10の組
成物において、充填材が木質系粉体に限定されるが、木
質系粉体としては、天然木材、故紙 パルプ等を微粉砕
したものや、セルロース粉末が挙げられ、これらを単独
でまたは複合して用いることができる。なお、ここでい
う天然木材とは、一般に木材として分類されるものであ
れば特に限定されず、廃材等のリサイクル品であっても
構わないし、化学的な処理、熱処理、表面処理がなされ
ていてもよい。また、これらの木質系粉体のうち、吸放
湿性を考慮すると、天然木材を微粉砕した木粉が好まし
い。すなわち、木材を微粉砕した木粉を用いた場合、組
成物は、手触り、自然感に優れ、天然木に似た風合いを
示す。
【0033】さらに、本発明の組成物には、木質系粉末
以外の吸放湿性能を示すとされる公知の材料を本発明の
目的を損なわない範囲で併用して充填することも可能で
ある。このような吸放湿性能を示すとされる公知の材料
としては、無機質吸湿剤であれば、たとえば、シリカゲ
ル、ゼオライト、焼成タルク等が挙げられ、高分子吸湿
剤であれば、ポリビニルアルコール架橋重合体、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体けん化物、デンプン
−アクリロニトリルグラフト重合体、ポリアクリル酸ナ
トリウム架橋体等が挙げられる。
【0034】請求項11の組成物において、吸湿率が
0.5重量%以上に限定されるが、その理由は、吸湿率
が0.5重量%未満の場合、壁材等として使用した場
合、夏場の除湿や冬場の結露防止に対する効果が小さい
ためである。なお、吸湿率は、大きいほど除湿や結露防
止に対する効果が大きいが、上限は木質系粉末自体が吸
湿できる量と、多孔構造(倍率,連続気孔率)および熱
可塑性樹脂組成物の構成に依存して決定される。
【0035】請求項12の組成物において、木質系粉末
が50メッシュの網篩を通過する粒径に限定されるが、
100メッシュの網篩を通過する粒径のものがより好ま
しい。すなわち、50メッシュ未満の網篩を通過する粗
い粒径の木質系粉末であると、熱可塑性樹脂への均一な
充填が困難になるとともに、表面積が小さく吸放湿性が
発揮されにくくなる。
【0036】なお、50メッシュの網篩とは、1インチ
幅に50本の網線を有する網篩でJIS Z 8801
に規定される呼び寸法300μmの標準網篩に相当する
篩である。また、100メッシュの網篩は、呼び寸法1
50μmの標準網篩に相当する篩である。
【0037】本発明の組成物は、上記の熱可塑性樹脂お
よび充填材の他に、滑剤、安定剤、アンチブロッキング
剤、消泡剤、顔料、染料等の添加剤を本発明の目的を損
なわない程度で配合しても構わない。また可塑剤、溶剤
を同様に配合しても構わないが、環境・安全面より使用
しないことが望ましい。
【0038】請求項1の製造方法に用いる押出機として
は、特に限定されないが、たとえば、1軸および2軸以
上、あるいはこれらを組み合わせた押出機で、2軸の場
合スクリューの回転方向がそれぞれの軸で反対のもの、
同じものであっても良く、軸のタイプはパラレルタイプ
でもコニカルタイプでも良い。また押出機を多段に組み
合わせたタンデム方式を用いても良い。
【0039】請求項1に記載のガスとは、常温・常圧で
気体状態の有機あるいは無機物であって、高温・高圧下
で樹脂への吸着性が良好で、樹脂を劣化させないもので
あれば、特に限定されずに使用できる。
【0040】また、このように常温・常圧で気体状態で
あれば、使用後、容易に樹脂から除去することが可能で
あり、たとえば、二酸化炭素、アルゴン、ネオン、ヘリ
ウム、酸素などの無機ガスやフロンガス、低分子量の炭
化水素等の有機ガスが挙げられるが、火災、爆発等の危
険がなく、環境、作業者の健康に対して安全で回収が容
易で樹脂に最も吸着するものが好ましく選択される。
【0041】請求項1の製造方法において、押出機に供
給前の樹脂混合物を超臨界状態のガス中に暴露する方法
としては、ガスを溶解させた状態で熱可塑性樹脂を押出
機に供給できれは特に限定されないが、樹脂中に溶解し
たガスは、常圧下で急速に拡散するため、押出機として
ガス溶解用容器を兼ねる耐圧ホッパを備えた押出機が選
択されることが望ましい。また、樹脂混合物を構成する
熱可塑性樹脂と充填材とは、押出機に投入する前に予め
混合されていても構わないし、押出機に別々に投入し、
押出機内で混合するようにしても構わない。
【0042】押出機中の樹脂混合物をガス中に暴露する
方法としては、樹脂混合物を常圧下で押出機に供給した
後、押出機内に超臨界状態ガスと樹脂混合物を密閉して
混練できれば特に限定しない。この内容を具現化する手
段としては、タンデム方式の押出機を用いて、接続部に
ガスを供給する方法や、押出機内に2カ所の溶融樹脂シ
ールを構成できるスクリューを用いて、樹脂シール間に
ガスを供給する方法が挙げられる。
【0043】熱可塑性樹脂へのガスの溶解量は、樹脂の
溶融粘度を必要量減少できる量であればよく、樹脂の種
類、ガスの種類によって適宣選択することができるが、
樹脂100重量部に対し3〜50重量部のガスを溶解さ
せることが望ましい。また、ガスの溶解は飽和状態であ
ることが最も好ましいが、必ずしも達成される必要は無
い。
【0044】上記ガスの溶解時の圧力は、(ガスの臨界
圧力−3MPa )以上(ガスの臨界圧力+100MP
a)以下が好ましく、(ガスの臨界圧力+3MPa )以
上(ガスの臨界圧力+60MPa)以下がより好まし
く、熱可塑性樹脂にガスを均一に溶解するため、ガスが
超臨界状態であるのが特に好ましい。なお、超臨界状態
とは、臨界温度、臨界圧力以上の状態をいう。たとえ
ば、ガスが二酸化炭素の場合、臨界温度は30.9℃、
臨界圧力は7.4MPa、窒素の場合臨界温度は−14
6.9℃、臨界圧力は3.4MPaである。
【0045】すなわち、(ガスの臨界圧力−3MPa )
未満では、溶解量が少なく発泡倍率が低くなってしま
い、(ガスの臨界圧力+100MPa)を越えると圧力
が高すぎ、設備が大がかりなものとなってしまい、好ま
しくない。また、ガスを熱可塑性樹脂に供給後、十分な
量のガスを溶解させるため、上記温度・圧力は一定時間
保たれることが好ましい。十分ガスが溶解したならば、
飽和する。但し、飽和は必ずしも達成される必要はな
い。また、上記温度・圧力以上に保つ時間は、熱可塑性
樹脂の種類、ガスの種類、あるいは溶解時の条件により
異なり、適当な時間を選択する必要がある。
【0046】請求項2の製造方法において、減圧速度
が、2MPa/秒以上50MPa/秒以下に限定される
が、2MPa/秒以上20MPa/秒以下がより好まし
い。その理由は、減圧速度が2MPa/秒未満であれ
ば、溶融されたガスと周囲の雰囲気との圧力差が小さす
ぎて充分な発泡が起こらず、50MPa/秒を越える
と、圧力差が大きくなりすぎで、一気にガスが開放され
てしまいやはり充分な発泡が起こらないためである。
【0047】なお、上記減圧速度で減圧させる際、同時
に樹脂混合物中の熱可塑性樹脂の圧力も溶解したガスと
平衡状態を保ちながら、略同じ減圧速度で減圧する。
【0048】また、ガスの開放は、樹脂混合物中の熱可
塑性樹脂が良好に発泡する温度で行うことが好ましい。
温度が低すぎる、あるいは高すぎて不適当な場合は良好
な組成物を得ることは困難である。この温度は、熱可塑
性樹脂、充填材の種類、およびこれらの配合量、溶解量
で異なるが、熱可塑性樹脂の融点の±20℃の範囲が好
ましく選択される。上記条件で圧力を開放するため、ガ
スが樹脂混合物中の熱可塑性樹脂を連続気孔率の高い状
態で発泡させ、組成物内部の充填材が性能を十分発揮で
きる構造となる。
【0049】なお、発泡は、インラインの連続押出機を
用いて連続的に行うようしても構わないが、請求項3の
製造方法のように、バッチ式で行ってもよい。バッチ式
で組成物を製造するには、たとえば、樹脂混合物をコッ
ク付きの容器内でガスに暴露してガスを溶解させたの
ち、コックを調整して所定の減圧速度で容器内に充満し
ていたガスを大気中に開放する方法を採用できる。
【0050】インラインの連続押出機を用いて製造する
には、押出機からガス溶解状態の樹脂混合物を押出機先
端で所定の減圧速度で脱圧し、大気中に連続的に押し出
す方法が採用できる。なお、熱可塑性樹脂へのガスの溶
解両、および溶解条件は、請求項1の製造方法で好適な
条件がそのまま適用される。
【0051】請求項4の製造方法は、ガスが二酸化炭素
に限定されるが、その理由は、二酸化炭素は、熱可塑性
樹脂に対する溶解度が高く、環境への影響や火災等の危
険性もなく安全であるからである。
【0052】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明にかか
る熱可塑性樹脂組成物の1つの実施の形態である発泡シ
ートの断面を模式的にあらわしている。
【0053】図1に示すように、この発泡シート1は、
発泡倍率が2倍以上10倍以下で、連続気孔率が50体
積%以上100体積%以下であるとともに、熱可塑性樹
脂としての酢酸ビニル含有量が10〜50重量%のEV
A樹脂2と、充填材としての100メッシュの網篩を通
過する粒径の天然木材粉3とが、EVA樹脂2が100
重量部に対して天然木材粉3が50重量%以上500重
量%以下の割合で含まれ、連続気孔21の気孔径の平均
値が0.01μm以上50μm以下になっている。
【0054】この発泡シート1は、図2に示す押出成形
装置4を使用して以下のようにして製造することができ
る。
【0055】すなわち、まず、押出機5の耐圧ホッパ5
1中にEVA樹脂2´および天然木材粉(図示せず)を
EVA樹脂2´が100重量部に対し、天然木材粉が5
0重量部以上500重量部以下の割合になるように予め
混合して投入し、耐圧ホッパ51中で、ガスボンベ6か
ら加圧ポンプ61を介して送られてくる超臨界状態の二
酸化炭素にEVA樹脂2´を暴露し、EVA樹脂2´に
二酸化炭素を溶解させたのち、耐圧ホッパ51から押出
機5のシリンダ7内に二酸化炭素が溶解したEVA樹脂
2´および天然木材粉を供給する。
【0056】つぎに、スクリュ8でこの供給されたEV
A樹脂2´および天然木材粉3を混練して天然木材粉混
合溶融樹脂(以下、「樹脂混合物」と記す)22としつ
つ排出側に送る間に、固体輸送部に設けられた前流ガス
供給孔71および溶融体輸送部に設けられた後流ガス供
給孔72を介してシリンダ7内にガスボンベ6から加圧
ボンプ62,63を介して送られてくる超臨界状態の二
酸化炭素をシリンダ7内に供給し、さらに二酸化炭素を
溶解させる。
【0057】そして、このようして二酸化酸素がEVA
樹脂に溶解された樹脂混合物をシリンダ7の押出機5の
排出端部に設けられた排出管路74を介して金型9に送
り、金型9内のチョークバー91によって樹脂圧を調整
しながら、金型9内で冷却しつつシート状の賦形物にし
て大気中に連続的に押し出し、2MPa/秒以上50M
Pa/秒以下で溶解したガスを開放してシート状賦形物
を発泡させて発泡シート1を連続的に得るようになって
いる。
【0058】なお、図2中、64,65,66はバル
ブ、81はスクリュ8の駆動装置としてのモータ、82
は減速機である。
【0059】このようにして得られた発泡シート1は、
住宅の壁材や天井材として好適に用いられる。
【0060】すなわち、最近、住宅に関しては、鉄筋コ
ンクリート、プレハプ等の建築物の洋風化により材質の
向上、さらにはドアや窓用金属サッシの発達によって室
内の気密性が向上し、通気性が損なわれ、壁面での結露
が起こりやすいという問題が生じている。また、特に、
生活水準の向上に伴い、冬場では室内暖房器具の使用に
よる水蒸気の発生による結露の問題、さらに湿気の多い
夏場ではエアコンによる除湿費用が高くなるなどの問題
が大きいが、この発泡シート1は、上記のように、EV
A樹脂2が100重量部に対し、天然木材粉3が50重
量%以上500重量%以下の割合で含まれているととも
に、連続気孔率が50体積%以上100体積%以下、か
つ、気孔の平均径が0.01μm以上50μm以下であ
るので、気孔内の空気が対流することなく、シート外部
の空気と変換されやすい。すなわち、シート内部の天然
木材粉も連続気孔を通して外気と常に接触した状態に保
たれ、吸湿率0.5重量%以上の高い吸湿性を示し、結
露の問題を解消することができる。
【0061】さらに、熱可塑性樹脂としてEVA樹脂が
用いられ、充填材として天然木材粉が用いられているの
で、燃焼しても、特公平6−47789号公報に開示さ
れているポリ塩化ビニル製の吸放湿性を有する内装材の
ように有害なガスを発生することがなく、環境汚染の問
題も少ない。しかも、特公平6−47789号公報の内
装材のようにポリ塩化ビニル系のものは、大量の可塑剤
を含んでおり、経時時にこの可塑剤が表面にブリードア
ウトし、ほこりやカバコのヤニ等が付着して表面が汚れ
やすいと言う問題があるが、ブリードアウトの問題もな
い。
【0062】また、EVA樹脂として、酢酸ビニル含有
量が10〜50重量%のものを用いたので、充填材を多
く添加することができるとともに、柔軟で加飾性や接着
性に優れ、壁材や天井材として用いた場合、施工性がよ
い。
【0063】一方、上記製造方法によれば、EVA樹脂
が混練前および混練中に超臨界状態の二酸化炭素をEV
A樹脂中に溶解させるようにしたので、樹脂粘度が低下
し、結果として充填材が混合された樹脂混合物の粘度も
低下する。したがって、ガスを溶解させない一般的な押
出成形と比べて、押出機への負荷が低減され、剪断によ
る樹脂混合物の発熱も低下する。すなわち、従来の技術
では不可能であったレベルまで充填材の割合を増加させ
ること、および、低湿で成形することが可能となる。
【0064】また、熱による充填材の分解律速が抑制さ
れるため、製造条件の自由度が高まり、生産能力を増大
することが可能であるとともに、熱により分解性を示す
木粉なども充填材として使用できるようになる。さら
に、可塑剤、溶剤等を用いて粘度を下げることが不要と
なるため、環境、安全に対する問題がない。
【0065】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0066】(実施例1)各部が以下の寸法の図2に示
すような押出成形装置を用意し、以下に示す成形条件で
発泡シートを連続的に成形した。
【0067】〔押出成形装置〕 ・押出機・・・逆駆動方式押出機(φ40単軸押出機
L/D=30、7.5kwDC) ・金型・・・幅40厚み3mmスリットダイ(樹脂通過
面はPTFE(四フッ化エチレン樹脂)にてコーティン
グ)
【0068】〔成形条件〕 ・押出機・・・スクリュー回転数:5rpm、 温度設定:80〜120℃、 押出量:1.0kg/hr ・金型・・・設定温度:70〜100℃ ・熱可塑性樹脂:EVA樹脂(日本ポリケム社製「ノバ
テックEVA LV660」、酢酸ビニル含有量28重
量%、融点71℃)を粉砕したもの・・・100重量部 ・木粉:三和セルロシン社製(#100メッシュ通過品
(堀場製作所社製のレザー光回折式粒度分布計HORIBA L
A −910を用いて測定した、体積平均径の実測値28
μm)) ・・・100重量部 ・ガス:二酸化炭素(溶解圧力200kgf/cm2 、樹脂へ
の平均溶解量20重量部)
【0069】(実施例2)木粉を200重量部とした以
外は、実施例1と同様にして発泡シートを成形した。
【0070】(比較例1)ガスを溶解させなかった以外
は、実施例1と同様にして発泡シートを成形した。
【0071】(比較例2)ガスを溶解させなかった以外
は、実施例2と同様にして発泡シートを成形した。
【0072】そして、上記実施例1,2および比較例
1,2について、得られた発泡シートのやけの有無、分
解臭、押出機のモータの電流値、押出機から金型に入る
際の樹脂温度をそれぞれ調べ、その結果を表1に示し
た。
【0073】
【表1】
【0074】上記表1から、本発明を用いた場合木粉2
00重量部でも押出可能であるのに対し、ガスを用いな
い比較例では100部の充填量でも発熱が大きく分解が
発生気味で、200部に至っては押出が全く不可能であ
ることが判る。
【0075】(実施例3)EVA樹脂(日本ポリケム社
製「ノバテックEVA LV660」酢酸ビニル含有量28重
量%、融点71℃)100重量部と木粉(三和セルロシ
ン社製100メッシュ通過(堀場製作所社製のレザー光
回折式粒度分布計HORIBA LA −910を用いて測定し
た、体積平均径の実測値28μm))200重量部とを
150℃の温度下、均一に混練し、800μmの平板に
プレスした。
【0076】続いてこの平板をオートクレープの120
℃、二酸化炭素圧力17MPa の条件下で1時間保ち、平
板を形成するEVA樹脂に二酸化炭素を溶解させた。そ
の後、80℃、10MPa まで、温度と圧力を低下させ、
更にこれを3MPa /秒の条件で圧力を開放し、発泡シー
トを得た。
【0077】得られた発泡シートの発泡倍率は4.0倍
で、連続気孔率を測定したところ、95体積%であっ
た。また、気孔径の平均値を電子顕微鏡により観察した
結果から求めたところ、8μmであった。
【0078】(実施例4)脱圧の条件を4.0MPa/秒の
条件に変更した以外は実施例1と同様にして発泡シート
を製造した。得られた発泡シートは、発泡倍率が5.5
倍で、連続気孔率が95体積%、平均気孔径が8μm
(電子顕微鏡観察)であり、風合の良いものであった。
また、吸湿率を評価したところ0.85重量%であっ
た。
【0079】(比較例3)脱圧条件を0.33MPa /秒
の条件に変更した以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造した。得られた組成物の発泡倍率が1.2倍、
連続気孔率が44体積%、平均気孔径が18μm(電子
顕微鏡観察)であり、ほとんど発泡せずに風合いが良く
ないものであった。また、吸湿率を評価したところ、
0.3重量%であった。
【0080】
【発明の効果】以上のように構成されているので、請求
項1の製造方法によれば、従来の押出方法よりも低温
で、且つ従来よりもより多くの充填材を充填させて混練
押出が可能となる。
【0081】請求項2及び請求項3の製造方法によれ
ば、化学発泡剤を使用しないので、化学発泡剤のコスト
が必要ない。また、化学発泡剤の分解残留物による悪影
響の心配もない。また、多量のガスが一気に開放される
ため、熱可塑性樹脂が確実に発泡倍率1.5から10倍
で、連続気孔率50〜100体積%の組成物となる。請
求項4の製造方法によれば、ガスとして二酸化炭素を使
用したので、熱可塑性樹脂に対する溶解度が高く樹脂の
粘度低下効果を大きくすることができるとともに、ガス
が安価でコストを低減できる。また、環境への影響や安
全上の問題が無いため、取り扱いが非常に容易である。
【0082】本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、以
上のように構成されているので、従来より多い充填材が
添加されているとともに、熱可塑性樹脂組成物の気孔中
のガスが外気と置換されやすく、迅速に充填材が性能を
発揮する。したがって、難燃化、軽量化、吸着性等の充
填材に起因する特性を高く発揮させることができる。
【0083】特に請求項7の組成物のようにすれば、焼
却等で有害な物質が出る恐れがなく、環境面で有利であ
るとともに、リサイクル性も向上できる。請求項8およ
び請求項9の組成物のようにすれば、より充填材の添加
効果が高まる。
【0084】請求項10の組成物のようにすれば、外
観、触感、香り等が天然の木材に類似した高級な風合い
を示す。請求項11の組成物のようにすれば、壁材や天
井材として使用すれば、室内の結露などが解消できる。
【0085】請求項12の組成物のようにすれば、木材
粉の表面積が大きくなり、より吸放湿効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の1つの実
施の形態である発泡シートの断面を拡大して模式的にあ
らわす断面図である。
【図2】本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法
に用いる押出成形装置の1例を模式的にあらわす断面図
である。
【符号の説明】 1 発泡シート 2 EVA樹脂(熱可塑性樹脂) 3 木材粉(充填材) 21 連続気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F207 AA01 AA03 AA10 AA18E AB11 AB19 AC04 AG20 AH03 AM28 AR12 AR15 KA01 KA11 KA12 KF04 KK04 4F212 AA03 AA10 AB02 AB11 AB16 AC04 AG20 AH03 AH17 AH18 AH47 UA09 UB01 UC05 UC06 UC08 UN11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂と充填材とを含み、前記熱可
    塑性樹脂100重量部に対し、充填材が50重量部以上
    500重量部以下の割合で配合され、押出機内で混合混
    練された樹脂混合物を押出機から押し出して、押出成形
    を行うにあたり、押出機に供給前の樹脂混合物および/
    または押出機中の樹脂混合物をガスに暴露してガスを樹
    脂混合物中に溶解させるガス溶解工程を備えていること
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】ガスを樹脂混合物中に溶解させた状態で押
    出機から樹脂混合物を押し出し、押し出された樹脂混合
    物中に溶解したガスの圧力を2MPa/秒以上50MP
    a/秒以下の減圧速度で常圧まで戻して溶解しているガ
    スを気化させ、熱可塑性樹脂を発泡させる請求項1に記
    載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂と充填材とを含み、前記熱可
    塑性樹脂100重量部に対し、充填材が50重量部以上
    500重量部以下の割合で配合された樹脂混合物を高圧
    ガス容器中に入れガスを樹脂混合物中に溶解させたの
    ち、ガスの圧力を2MPa/秒以上50MPa/秒以下
    の減圧速度で常圧まで戻し、溶解しているガスを気化さ
    せて熱可塑性樹脂を発泡させる熱可塑性樹脂組成物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】ガスが二酸化炭素である請求項1〜請求項
    3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】充填材が木質系粉末である請求項1〜請求
    項4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂と充填材とを含み、前記熱可
    塑性樹脂100重量部に対し、充填材が50重量部以上
    500重量部以下の割合で配合され、発泡倍率が1.5
    倍以上10倍以下であるとともに、内部の充填材を外部
    雰囲気に暴露可能な連続気泡を備えている熱可塑性樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンおよびオ
    レフィン−酢酸ビニル共重合体の少なくともいずれか1
    種である請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】気孔径の平均値が0.01μm以上50μ
    m以下である請求項6または請求項7に記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】連続気孔率が50体積%以上100体積%
    以下である請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】充填材が木質系粉末である請求項6〜請
    求項9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】発泡倍率が2倍以上10倍以下であると
    ともに、以下の式(1)で求められる吸湿率が0.5重
    量%以上であり、かつ、シート状に成形された請求項1
    0に記載の熱可塑性樹脂組成物。 【数1】
  12. 【請求項12】木質系粉末が50メッシュの網篩を通過
    する粒径である請求項9または請求項11に記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
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