JP2005068346A - 高機能生分解性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

高機能生分解性樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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勲征 佐藤
Tetsuhiro Akama
鉄宏 赤間
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岩久保理一
Tsutomu Miyata
剣 宮田
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Abstract

【課題】 澱粉系高分子を含む生物崩壊性樹脂組成物によもぎ乾燥粉末を混合した従来技術における欠点を改善し、使用中の抗菌性及び芳香性を最大限発現させ、使用後土中や堆肥中で完全に分解する高機能生分解性樹脂組成物及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)、あるいは樹脂(A)とL−乳酸及び/又はD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体 (B)からなり、温度40±0.5°C、相対湿度90±2%の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及び、プラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整した樹脂に、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を配合して、高機能生分解性樹脂組成物を得る。

Description

本発明は生分解性樹脂に抗菌性、芳香性等の機能性を付与させた高機能生分解性樹脂組成物及びその製造方法に関する。
近年、廃プラスチックの埋立、焼却処分に関する環境問題や温室効果のある二酸化炭素の発生抑制が注目される中、使用中は通常のプラスチック同様使用でき、使用後は自然界に存在する微生物の働きによって、最終的には水と二酸化炭素に分解される生分解性樹脂の研究開発や用途開発が進められている。
生分解性樹脂は微生物産生系、天然物利用系、化学合成系に大別でき、ポリエチレン等の完全生分解性を有さない樹脂に澱粉を添加した生物崩壊性樹脂とは区別される。生分解性樹脂を成形して成る生分解性プラスチックは、コンポストバックや食品容器に代表されるコンポスト化可能な分野や農林水産業用資材に代表される使用後の回収・再利用が困難な分野に応用されつつある。
生分解性プラスチックは使用中には通常のプラスチックと同等の機能を有し、かつ、使用後廃棄時には自然界に存在する微生物の働きにより速やかに分解される必要がある。
このことから、生分解性プラスチックに様々な機能を付与する提案や使用後廃棄時に速やかに分解する分解速度制御技術の提案がいくつかなされている。生分解性プラスチックに機能を付与させる場合、使用後土中に廃棄することを考慮すると、生分解しない化学合成された物質は土壌汚染を引き起こす可能性があるため、極力使用をさけなければならない。そこで、天然物質による機能性付与することが望ましく、いくつかの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、コーンスターチ、澱粉などの天然高分子物質にポリエチレンやポリプロプレン等を混合した生物崩壊性樹脂組成物に、よもぎ乾燥粉末を混練し、抗菌性を有する生物崩壊性樹脂組成物が開示されている。
特開2002−20536
しかしながら、澱粉系高分子を含む生物崩壊性樹脂組成物によもぎ乾燥粉末を混合する従来の技術では、澱粉を配合しているため、耐水性が低く、使用中における物性の維持ができない。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の生分解性を示さない樹脂を配合しているため、使用後廃棄時に完全に生分解せずに残存する成分がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされてもので、使用中の抗菌性及び芳香性を最大限発現させるとともに、使用後土中や堆肥中で完全に分解する高機能生分解性樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の発明者は、使用中の抗菌性及び芳香性を持たせるとともに使用後土中や堆肥中で完全に分解する高機能生分解性樹脂組成物を得るべく鋭意研究を重ねた結果、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)、あるいは樹脂 (A)とL−乳酸及び/またはD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)のブレンドからなり、温度40±0.5°C、相対湿度90±2 %の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及びプラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整した樹脂に粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を配合することで、使用中における抗菌性及び芳香性を最大限発現させ、使用後土中や堆肥中で完全に分解する高機能生分解性樹脂組成物を見いだし、本発明を成すに至った。
また、本発明は以下のように構成することもできる。
(1)上記において、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)と、L−乳酸及び/又はD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)の重量割合(A):(B)を90:10〜10:90とする。
(2)上記において、配合する粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を平均粒径100μm以下とする。
(3)上記において、配合する粉末状の天然由来の有機系抗菌剤の割合をトータル百分率で40重量%以下とする。
(4)上記において、表面を溶剤及び/又は電磁波によってエッチングし、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を表面に浮き出させる。
本発明に係わる高機能生分解性樹脂組成物及びその製造方法によれば、使用中の抗菌性及び芳香性を持たせ、使用後土中や堆肥中で完全に分解する高機能生分解性樹脂組成物の製造が可能となる。
また、配合する粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を平均粒径100μm以下とし、配合する、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤の割合をトータル百分率で40重量%以下とすることで、機械的特性が低下するのを防ぐことができる。
さらに、上記のようにして生成された高機能生分解性樹脂組成物の表面を溶剤及び/又は電磁波によってエッチングし、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を表面に浮き出させることで、抗菌性および芳香性をより早く発現させることができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
なお、本発明において、「抗菌性」は抗菌性、制菌性、除菌性、殺菌性、抗カビ性、抗ウィルス性を含む広い概念である。
本発明に使用される脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールとしてはポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート共重合体、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンとナイロンの混合体等、ポリブチレンアジペート・テレフタレート共重合体、ポリブチレンサクシネート・アジペート・テレフタレート共重合体、ポリビニルアルコール等の生分解性樹脂の中から適宜選べばよい。
また、本発明で使用される天然由来の有機系抗菌剤としては、よもぎ、ウコン、月桃、熊笹、ヒバチップ、香辛料等があげられる。加工時の熱の影響を考慮すれば、比較的熱に強いよもぎ、熊笹が好ましい。これらの抗菌剤の抗菌性は揮発性や溶出性の抗菌成分による抗菌効果を利用している。これらの抗菌剤は可能な限り粉末状であることが好ましいが、液状のものを使用しても良い。ただし、その際はタルク、炭酸カルシウム等に担持させることが望ましい。
また、本発明で使用される、よもぎ、ウコン、月桃、熊笹、ヒバチップ、香辛料等はポリ乳酸の独特の臭いの除去にも役立つことがわかっている。
脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)、あるいは樹脂(A)とL−乳酸及び/またはD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)のブレンドからなり、温度40±0.5°C、相対湿度90±2 %の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及びプラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整することは抗菌性及び芳香性を発現させるための必要要件である。
透湿度は100〜1000[g/m2 ・24h]が好ましく、100[g/m2 ・24h]未満であると抗菌性の効果が十分に得られないことがあり、5000[g/m2 ・24h]を超えると実質的にフィルム等を安定に生産することが困難になる。
引張弾性率は2000MPa以下であることが好ましく、2500MPaを超えると芳香性の効果が十分に得られない。
樹脂(A)とポリ乳酸重合体(B)の重量割合(A):(B)が90:10〜10:90であることが重要である。(B)の重量割合が90を超えると抗菌性及び芳香性の効果が得られない場合があり、(B)の重量割合が10未満では引張強度等の物性の向上が見られない。好ましくは重量割合(A):(B)が20:80〜80:20である。
また、(A)の重量割合が多くなると、抗菌性及び芳香性に即効性があり、(B)の重量割合を多くすると、持続性がでてくる。
前記天然由来の有機系抗菌剤が平均粒径100μm以下の粉末であることが望ましく、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは15μm以下であり、分級してあることが望ましい。成形する用途に応じて、適宜選べばよい。天然由来の有機系抗菌剤の平均粒径100μmを超えると、機械的特性が著しく低下する。
前記配合する天然由来の有機系抗菌剤の割合がトータル百分率で40重量%以下であることが望ましく、好ましくは5〜0.2重量%であるが、抗菌性、機械的特性を考慮し、適宜選択する。配合する天然由来の有機系抗菌剤の割合がトータル百分率で40重量%を超えると、機械的特性が著しく低下する。
第1の発明に係わる高機能生分解性樹脂組成物は、以下のようにして製造される。
該脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)、あるいは樹脂(A)とL−乳酸及び/またはD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)のブレンドからなり、温度40±0.5°C、相対湿度90±2 %の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及びプラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整した樹脂に粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を所定量配合し、加工温度220 ℃以下で溶融混練する。
上記(A)と(B)のブレンド方法や粉末状の天然由来の有機系抗菌剤の配合方法は加工温度220°C以下で溶融混練し、十分に分散し得る限りは、適宜の方法を採用することができる。
加工温度は200°C以下が好ましく、さらには180°C以下が好ましく、220°Cを超えると天然由来の有機系抗菌剤の熱分解が始まり、抗菌性の効果や十分な芳香性が得られない。例えば、ペレット状の(A)と(B)と所定量の天然由来の有機系抗菌剤をドライブレンドし、二軸押出機を用い溶融混練して高機能生分解性樹脂組成物としても良い。
一旦天然由来の有機系抗菌剤の濃度の高いマスターバッチを作製しても良いが、その場合は(A)の樹脂をもとに作製した方が抗菌性及び芳香性の効果が得られやすい。
上記高機能生分解性樹脂組成物の製造方法によって作製した成形体の表面構造は天然由来の有機系抗菌剤の表面にも非常に薄い樹脂の層ができる。この状況でも本発明に係わる高機能生分解性樹脂組成物であれば十分な効果が発現できるが、強度をあまり必要としない用途において、より即効性を期待する場合はエッチングにより、成形体表面にある樹脂の薄い層を剥ぎ取ることによって、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を表面に浮き出させてもよい。
本発明に使用される溶剤には、アセトン、クロロホルム等の有機溶剤や硫酸、硝酸等の無機溶剤があげられる。
なお、本発明において、「組成物」は成形する前の原料の状態のもののほか、成形後の繊維、不織布、フィルム、シート、成形体、発泡体及びその製品を含む広い概念である。 また、本発明に係わる高機能生分解性樹脂組成物には、必要に応じて、補強材、無機又は有機フィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤、無機系抗菌剤等を添加してもよい。
本発明の成形品の好ましい用途としては、食品用鮮度保持包装材料、生ゴミ袋、抗菌防臭加工繊維などがある。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各種物性の測定は以下の方法により実施した。
(1)透湿度[ g/m2 ・24h]JIS Z 0208防湿包装材料の透湿度試験方法に従って、温度40±0.5°C相対湿度90±2%の条件で測定を行った。
(2)引張強さ[MPa]、引張破断伸び[%]:東洋精機製作所ストログラフV10−Bの引張圧縮試験機を用いて、温度23°C相対湿度50%下で測定を行った。試験片をダンベル形状で打ち抜き、チャック間80mm、引張速度50mm/minで引張試験を行った。
(3)引張弾性率[MPa]:東洋精機製作所ストログラフV10−Bの引張圧縮試験機を用いて、温度23°C相対湿度50%下で測定を行った。試験片をダンベル形状で打ち抜き、チャック間80mm、引張速度50mm/minで引張試験を行い、降伏点強度の1/2の強度とひずみを求めて算出した。
(4)抗菌効果:JIS Z 2081抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果に従って、大腸菌を用い抗菌性試験を行い、抗菌活性値を求め評価した。
(5)芳香効果:天然由来の有機抗菌剤本来の香りの評価は、作製したフィルムを1日放置した後に官能評価を行った。評価基準は○:香りを感じる、△:香りをわずかに感じる、×:香りを感じない、の3段階で比較した。
(6)持続効果:作製したフィルムを40°C水中における一定時間浸漬後の重量変化と官能評価を行った。評価基準は○:重量変化小および香りを感じる、△:重量変化中および香りをわずかに感じる、×:重量変化大および香りを感じない、の3段階で比較した。
脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)として、生分解性脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂であるポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体を使用した。L−乳酸及び/又はD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)としてL−乳酸系のポリ乳酸を使用した。天然由来の有機抗菌剤としてよもぎ、熊笹を使用し、前処理として多段階で粉砕し5μm以下の条件で分級したものを十分乾燥した。
粉末状のよもぎ、熊笹をポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体に対してトータル百分率で10重量%それぞれ計量し、ドライブレンドした後、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い溶融混練してよもぎ、熊笹それぞれのマスターバッチを作製した。
次にポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合が80:20、60:40、40:60、20:80になるようにドライブレンドし、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、加工温度200°Cで溶融混練しブレンド物を得た。
<実施例1>
ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体ペレットによもぎ粉末濃度として5重量%になるように、よもぎ粉末マスターバッチを配合し、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、樹脂温度170°CでTダイ成形を行い、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例2>
ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体のよもぎ粉末マスターバッチをそのまま用い、よもぎ粉末濃度として10重量%になるようにし、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、樹脂温度170°CでTダイ成形を行い、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例3>
ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体ペレットによもぎ粉末濃度として1重量%になるように、よもぎ粉末マスターバッチを配合し、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、樹脂温度170°CでTダイ成形を行い、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例4>
ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体ペレットによもぎ粉末濃度として0. 5重量%になるように、よもぎ粉末マスターバッチを配合し、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、樹脂温度170°CでTダイ成形を行い、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例5>
ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体ペレットに熊笹粉末濃度として1重量%になるように、熊笹粉末マスターバッチを配合し、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、樹脂温度170°CでTダイ成形を行い、75μm厚みのフィルムを作製した。
<比較例1>
粉末状のよもぎをポリ乳酸に対してトータル百分率で10重量%それぞれ計量し、ドライブレンドした後、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い溶融混練してよもぎのマスターバッチを作製した。
ポリ乳酸ペレットによもぎ粉末濃度として5重量%になるように、上記よもぎ粉末マスターバッチを配合し、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、樹脂温度170°CでTダイ成形を行い、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例6>
ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合80:20のブレンド物によもぎ粉末濃度として5重量%になるように、よもぎ粉末マスターバッチを配合し、二軸押出機(HAAKE製レオメックスPTW25p)を用い、樹脂温度170°CでTダイ成形にて75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例7>
同様の方法、条件で、ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合が重量割合60:40のブレンド物によもぎ粉末濃度として5重量%となるように配合し、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例8>
同様の方法、条件で、ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合が重量割合40:60のブレンド物によもぎ粉末濃度として5重量%となるように配合し、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例9>
同様の方法、条件で、ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合が重量割合40:60のブレンド物によもぎ粉末濃度として1重量%となるように配合し、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例10>
同様の方法、条件で、ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合が重量割合40:60のブレンド物によもぎ粉末濃度として0.5重量%となるように配合し、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例11>
同様の方法、条件で、ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合が重量割合40:60のブレンド物に熊笹粉末濃度として1重量%となるように配合し、75μm厚みのフィルムを作製した。
<実施例12>
同様の方法、条件で、ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合が重量割合20:80のブレンド物によもぎ粉末濃度として5重量%となるように配合し、75μm厚みのフィルムを作製した。
<比較例2>
同様の方法、条件で、ポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体とポリ乳酸の重量割合5:95のブレンド物によもぎ粉末濃度として5重量%となるように配合し、75μm厚みのフィルムを作製した。
実施例1〜5、比較例1の結果を表1に、実施例6〜12、比較例2の結果を表2にまとめた。表1、2の抗菌活性値は2.0以上で抗菌効果があるとされる。表1より、本発明の実施例1〜5の透湿度が100以上で弾性率2500MPa以下のフィルムは、比較例1のフィルムに比べ、抗菌活性値に優れ、芳香性も十分発現できていることがわかる。比較例1には樹脂(B)のみによもぎ粉末を配合した実験結果を示したが、透湿度が100より低く弾性率2500MPaより高くなり、抗菌性、芳香性ともに効果を示さない。表2より、本発明の実施例6〜12の透湿度が100以上で弾性率2500MPa以下のフィルムは、比較例2のフィルムに比べ、抗菌活性値に優れ、芳香性も十分発現できていることがわかる。また、ポリ乳酸重合体の配合割合を多くすると、持続性がでてくるのがわかる。なお、樹脂Aのみの場合については、よもぎ粉末の濃度を増やしても持続性は得られなかった。ただし、抗菌性及び芳香性の持続性が必要とせず、短期間での使用の用途になるオムツなどについては、十分適用可能である。
なお、同表でPBATはポリブチレンアジペート・ブチレンテレフタレート共重合体、PLAはポリ乳酸である。
Figure 2005068346
Figure 2005068346
本発明の高機能生分解性樹脂組成物は、使用中は抗菌性及び芳香性を発現させることができ、また、使用後は、土中や堆肥中で完全に分解させることができる。このため、肌着、シーツ、サポーター等の織布製品、オムツ、マスク等不織布製品、食品用鮮度維持袋、生ゴミ袋、害虫忌避フィルム等フィルム製品、食品トレー等成形体、アロマテラピー効果による各種壁紙材や寝具類に応用展開することができ、産業の発展に寄与するところは極めて大きい。

Claims (9)

  1. 脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)からなり、温度40±0.5°C、相対湿度90±2%の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及びプラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C、相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整した樹脂に、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を配合して成ることを特徴とする高機能生分解性樹脂組成物。
  2. 脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)とL−乳酸及び/またはD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)からなり、温度40±0.5°C、相対湿度90±2%の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及びプラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C、相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整した樹脂に、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を配合して成ることを特徴とする高機能生分解性樹脂組成物。
  3. 該脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)とL−乳酸及び/又はD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)の重量割合(A):(B)が90:10〜10:90である
    ことを特徴とする請求項2記載の高機能生分解性樹脂組成物。
  4. 配合する粉末状の天然由来の有機系抗菌剤が平均粒径100μm以下である請求項1または請求項2記載の高機能生分解性樹脂組成物。
  5. 配合する粉末状の天然由来の有機系抗菌剤の割合がトータル百分率で40重量%以下である請求項1、2または請求項3記載の高機能生分解性樹脂組成物。
  6. 表面を溶剤及び/又は電磁波によってエッチングし、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を表面に浮き出させた
    ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4記載の高機能生分解性樹脂組成物。
  7. 該脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)からなり、
    温度40±0.5°C、相対湿度90±2%の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及びプラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C、相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整した樹脂に、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を所定量配合し、加工温度220°C以下で溶融混練する
    ことを特徴とする高機能生分解性樹脂組成物の製造方法
  8. 該脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル・ポリアミド、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコールのうちの1または2以上の組み合わせからなる樹脂(A)とL−乳酸及び/またはD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(B)からなり、
    温度40±0.5°C、相対湿度90±2%の条件における透湿度が100〜5000[g/m2 ・24h]、及びプラスチック試験の標準雰囲気の温度23°C、相対湿度50%において引張弾性率が2500MPa以下に調整した樹脂に、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を所定量配合し、加工温度220°C以下で溶融混練する
    ことを特徴とする高機能生分解性樹脂組成物の製造方法
  9. 請求項7あるいは8によって製造した高機能生分解性樹脂組成物の表面を溶剤及び/又は電磁波によってエッチングし、粉末状の天然由来の有機系抗菌剤を表面に浮き出させることを特徴とする高機能生分解性樹脂組成物の製造方法。
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