JP3671641B2 - 非磁性一成分現像剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法において電気的潜像を現像するための現像剤、特に、非磁性一成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、現像装置としては二成分現像方式および一成分現像方式が知られているが、帯電性能の低下防止および画像形成装置の小型化の観点から、一成分現像方式がよく採用されている。
【0003】
一成分現像方式には磁性一成分系と非磁性一成分系があるが、磁性一成分現像方式ではトナーに通常黒色の磁性粉を添加する必要があるため、フルカラー画像形成装置に対しては非磁性一成分現像方式が好適である。非磁性一成分現像方式では現像剤担持体に対して現像剤規制部材が当接するように配置されており、非磁性一成分現像剤を、現像剤担持体と現像剤規制部材との間隙を通過させることにより当該担持体上にトナー薄層を形成して荷電を行い、そのまま現像領域まで搬送し、静電潜像担持体上に形成された静電潜像の現像を行っている。
【0004】
一般にトナーには、流動性を向上させるために、流動化剤としてシリカ、チタニア等の無機微粒子が添加(外添)されている。例えば、特開平7−43930号公報では、一成分現像方式においてトナー粒子に粒径0.05μm(50nm)以下の流動化剤を外添させる技術が報告されている。しかしながら、一成分現像方式では、上述したように、現像剤担持体と現像剤規制部材との間隙(規制部)を通過させてトナー粒子を帯電させるため、その際トナーに大きなストレスがかかる。そのため、トナーに外添された流動化剤がトナー粒子に埋め込まれてしまうため、繰り返し使用に対して流動性を確保することができなくなる。また、繰り返し使用により、流動化剤がトナー表面に埋め込まれることに伴って、トナーの表面状態が変化し、安定したトナー特性を維持するのが難しいという問題がある。
【0005】
一方で、トナー粒子への埋め込みが起こりにくい比較的大粒径の無機微粒子を外添する技術も知られているが、無機微粒子のトナー粒子からの脱離が起こり易く、規制部において脱離した無機微粒子が滞留したり凝集したりし、トナー薄層にスジやムラが発生するという問題が生じている。また、これとは別に、カラートナーのように流動性を高く設定する必要のあるものについてはトナー粒子が粉煙となって現像器外へこぼれ出るという問題も生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繰り返して複写しても、トナーの表面状態の変化が小さく、トナー特性を維持できるだけでなく、トナー薄層にスジやムラが発生せず、現像器外への粉煙が発生しない、耐久性に優れた非磁性一成分現像剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともバインダー樹脂および着色剤を含有する負荷電性トナー粒子、平均一次粒径1〜70nmの小粒径無機微粒子、および平均一次粒径100nm〜500nmの大粒径無機微粒子を含有してなる非磁性一成分現像剤であって、小粒径無機微粒子が疎水化剤によって表面処理されており、大粒径無機微粒子がカチオン性基を有する表面処理剤によって表面処理されていることを特徴とする非磁性一成分現像剤に関する。
【0008】
本明細書中、無機微粒子の平均一次粒径は走査型電子顕微鏡(JSM−840A;日本電子社製)により試料を観察し、微粒子の長径の平均を示した。
【0009】
本発明においては、このように特定粒径の小粒径無機微粒子および大粒径無機微粒子を、従来からのトナー粒子に特定量外添することにより、繰り返しの複写によってもトナー薄層にスジやムラが発生しない、耐久性に優れた非磁性一成分現像剤を提供することが可能となったと考えられる。直接的に流動性の向上に寄与する小粒径無機微粒子が繰り返しの複写によってトナー粒子に埋め込まれることに起因して、流動性は低下すると考えられるが、本発明においては、このように大粒径無機微粒子を特定量含有させることにより、トナー粒子同士の接触確率が低減され、現像時の現像剤規制部材による規制や現像器内での撹拌等の外的ストレスが拡散されるため、トナー粒子表面は直接的に外的ストレスの影響を受けにくくなって表面状態が変化しにくくなり、結果として小粒径無機微粒子の埋め込みが緩和され現像剤の耐久性が向上すると考えられる。
【0010】
また、本発明においては、特定粒径の大粒径無機微粒子を含有させ、かつ当該微粒子はカチオン性基を有する表面処理剤で表面処理されているため、当該微粒子は負荷電性トナー粒子との静電気的な引力により、トナー粒子に付着し、一般的に脱離し易いとされる大粒径の無機微粒子の脱離が回避されると考えられる。さらには、大粒径無機微粒子の脱離が起こりにくくなることに伴って、トナー粒子間にも大粒径無機微粒子を介することで静電引力が働くため、高流動性のトナーの場合にも現像器外への粉煙の発生が回避されると考えられる。
【0011】
本発明の現像剤に含有される小粒径無機微粒子は平均一次粒径1〜70nm、好ましくは5〜60nmの無機微粒子である。当該微粒子を含有させてトナー粒子を均一に被覆することにより均一な所望のトナー流動性を得ることができる。平均一次粒径が1nm未満では長期使用によるトナーの帯電の安定性や環境変化に対するトナーの帯電の安定性が不十分となり、70nmを越えると当該無機微粒子のトナー粒子への分散性が著しく低下するため、トナーの流動性および帯電性が不均一となり良好な複写画像が得られない。
【0012】
小粒径無機微粒子に使用される材料としては、従来から流動化剤として用いられている様々な材料を使用することができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア(二酸化チタン)、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。好ましい小粒径無機微粒子はシリカ、チタニアである。
【0013】
本発明において小粒径無機微粒子は疎水化剤で表面処理されている。これは、トナーの環境安定性、特に湿度の影響によるトナー荷電量の変化を抑制するためである。疎水化度は30〜80%、好ましくは40〜80%であることが望ましい。疎水化度が30%より低い場合には耐環境性が劣化しやすく、80%を越えるものは製造上安定して得ることが困難であるためである。
【0014】
疎水化剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコン系オイル、シリコンワニス等の従来から使用されている疎水化剤が使用可能であり、好ましくはシラン系カップリング剤、シリコン系オイル、より好ましくはシラン系カップリング剤を用いる。シラン系カップリング剤としては、例えばトリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能である。
【0015】
シリコンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。
疎水化剤は上記疎水化度を達成できる程度の使用量で使用して、従来の方法により処理すればよい。
【0016】
本発明において、小粒径無機微粒子、特にチタニアからなる小粒径無機微粒子はさらにフッ素系シランカップリング剤またはフッ素系シリコンオイルを併用し、表面処理されていてもよい。これは、トナーが負荷電性であることから、トナーの負荷電性を向上させ、画像カブリを防止するのに有効であるためである。通常、トナーの荷電性の制御にはトナー粒子中に荷電制御剤を含有させることにより行われているが、本発明の係る一成分現像方式においては、現像剤担持体と現像剤規制部材との圧接部の間隙をトナーが通過する際の摩擦帯電によりトナーの荷電が行われるため、トナーの荷電性はトナー粒子表面の荷電性が重要になる。このため荷電性の制御を行う場合に、荷電制御剤の含有量を調整するよりもトナーの外添剤の荷電性を調整するほうがより効果的である。
【0017】
フッ素系シランカップリング剤としては、例えば以下に示すものを単独でまたは混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
・CF3(CH2)2SiCl3
・CF3(CF2)5SiCl3
・CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3
・CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3
・CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3
・CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)Cl2
・CF3(CH2)2Si(OCH3)3
・CF3(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
・CF3(CF2)3(CH2)2Si(OCH3)3
・CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
・CF3(CF2)6CONH(CH2)2Si(OC25)3
・CF3(CF2)6COO(CH2)2Si(OCH3)3
・CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3
・CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
・CF3(CF2)7NH(CH2)3Si(OC25)3
・CF3(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3
【0018】
フッ素系シランカップリング剤は無機微粒子100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部用いることが好ましい。
【0019】
上記表面処理剤(フッ素系カップリング剤またはフッ素系シリコンオイル、疎水化剤)を用いて無機微粒子を表面処理するには、例えば表面処理剤を溶剤で希釈し、無機微粒子に上記希釈液を加えて混合し、この混合物を加熱・乾燥した後、解砕する乾式法、無機微粒子を水系中に分散してスラリー状にした上で表面処理剤を添加混合し、これを加熱・乾燥した後、解砕する湿式法等により行うことができる。特に、無機微粒子に対する疎水化剤の表面処理の均一性、無機微粒子の凝集防止性等の観点から水系中で疎水化処理を行った後、乾式法によってフッ素系カップリング剤またはフッ素系シリコンオイルで表面処理することが好ましい。
【0020】
このようにして表面処理された小粒径無機微粒子は、トナー粒子に対して0.3〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%、より好ましくは1.0〜2.5重量%含有されることが望ましい。その量が0.3重量%未満では所望の流動性を付与することができず、耐久性が悪化し、複写画像に白スジや画像ムラが発生しやすくなる。一方、3.0重量%を越えると機内汚染が起こったり、荷電不良のトナーが増加して複写画像にカブリが生じ、またコスト面でも不利となる。
【0021】
本発明においては、小粒径無機微粒子として平均一次粒径が上記範囲内で異なる2種以上の無機微粒子の混合物を使用してもよい。以下、粒径が小さい方の無機微粒子を第1無機微粒子、大きい方の無機微粒子を第2無機微粒子とし、これら2種類の無機微粒子を上記の小粒径無機微粒子として使用する場合について説明する。
【0022】
本発明において、小粒径無機微粒子として第1無機微粒子および第2無機微粒子の混合物を使用する場合、いずれかの無機微粒子がシリカからなっていることが好ましく、さらに好ましくは他方の無機微粒子がチタニアからなっていることである。このようにシリカおよびチタニア2種類の無機微粒子を使用することにより、耐環境性、帯電性が向上し、特にフルカラー現像剤を調製する場合においてこれらの効果は顕著になる。
【0023】
第1無機微粒子は平均一次粒径が1〜40nm、好ましくは5〜35nm、より好ましくは5〜30nmであることが望ましい。このような粒径の無機微粒子を含有させることにより、所望のトナー流動性をより容易に得ることができる。平均一次粒径が1nm未満では長期使用によるトナーの帯電の安定性や環境変化に対するトナーの帯電の安定性が不十分となり、40nmを越えると流動性向上の効果が得られにくくなる。
【0024】
第2無機微粒子は平均一次粒径が40〜70nm、好ましくは40〜60nmで第1無機微粒子の平均1次粒径より10nm以上大きいことが望ましい。従来から問題となっていた繰り返しの複写によるトナー流動性の低下は第1無機微粒子のような小粒径の無機微粒子がトナー粒子に埋め込まれることに起因するものと考えられるが、第2無機微粒子を含有させることにより、当該埋め込みを緩和して、所望の流動性を確保することができる。平均一次粒径が40nm未満では第1無機微粒子のトナー粒子への埋め込み緩和効果が顕著に低下し易く、70nmを越えると当該無機微粒子のトナー粒子への分散性が著しく低下するため、トナーの流動性および帯電性が不均一となり、良好な複写画像が得られない。
【0025】
第1無機微粒子および第2無機微粒子の含有量については、これらの合計含有量が上記の小粒径無機微粒子の含有量になるよう設定されるが、第1無機微粒子についてはトナー粒子に対して0.1〜2.0重量%、好ましくは0.3〜1.5重量%、第2無機微粒子についてはトナー粒子に対して0.1〜2.5重量%、好ましくは0.3〜2.0重量%の割合で含有されることが望ましい。第1無機微粒子の含有量が0.1重量%未満では所望の流動性が付与されにくく、複写画像に白スジが発生しやすくなり、2.0重量%より多いと機内汚染が起こったり、荷電不良のトナーが増加して複写画像にカブリが生じ易く、またコスト面でも不利となりやすい。第2無機微粒子の含有量が0.1重量%未満では第1無機微粒子の埋め込み緩和効果が得られにくくなり、2.5重量%より多いと機内汚染が起こったり、荷電不良のトナーが増加して複写画像にカブリが生じ易く、またコスト面でも不利となりやすい。
【0026】
本発明の現像剤に含有される大粒径無機微粒子は平均一次粒径が100〜500nm、好ましくは120〜400nm、より好ましくは150〜300nmである。このように大粒径無機微粒子の平均一次粒径は比較的大きいことから、トナー粒子同士の接触確率が低減され、現像時の現像剤規制部材による規制や現像器内での撹拌等の外的ストレスが拡散されるため、トナー粒子表面は直接的に外的ストレスの影響を受けにくくなる。また、大粒径無機微粒子は、小粒径無機微粒子の埋め込み緩和機能を高める機能を有する。さらには、当該微粒子の外添により、感光体の適度な研磨も行われ、クリーニング向上剤としての効果も期待できる。粒径が100nm未満では上記効果が期待できず、また帯電性に大きく影響を与えるため逆チャージ成分の増加等によりカブリ等が発生しやすくなる。一方、500nmを越えるとトナー粒子から脱離し易くなるため、規制部に溜まり易くなり、薄層形成不良や荷電不良を引き起こす。
【0027】
大粒径無機微粒子に使用される材料としては、小粒径微粒子と同様に、従来から流動化剤として用いられている様々な材料を使用することができ、単独あるいは2種以上混合して使用してもよい。好ましい大粒径無機微粒子はチタニア、アルミナ、シリカ、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ジルコン酸マグネシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウムである。
【0028】
本発明において、このような大粒径無機微粒子はカチオン性基を有する表面処理剤で表面処理されている。このため、処理後の大粒径無機微粒子は、負帯電性のトナー粒子への静電気的な付着が効果的に行われ、当該微粒子のトナー粒子からの脱離が回避されて、従来から問題となっていたトナー薄層の形成不良が回避され、良好な複写画像を提供することが可能となる。また、大粒径無機微粒子が脱離しにくくなることにより、負帯電性トナー粒子は当該大粒径無機微粒子を介して、または大粒径無機微粒子に、静電気的に連結され易くなることから、現像器外への粉煙の発生も回避される。
【0029】
カチオン性基を有する表面処理剤としては、例えば、アミノシラン、アンモニウム塩基含有シラン、アミノ変性シリコーンオイルを使用することができる。
【0030】
アミノシランは、いわゆるアミノファンクショナルシランであり、下記一般式で表されるものが使用可能である;
m1SiYn1
(式中、Xはアルコキシ基または塩素原子、m1は1〜3の整数、Yは1〜3級アミノ基を有する炭化水素基、n1は1〜3の整数を表す)。
【0031】
具体的には
【化1】
Figure 0003671641
【0032】
【化2】
Figure 0003671641
【0033】
【化3】
Figure 0003671641
【0034】
アンモニウム塩基含有シランとしては、具体的には
【化4】
Figure 0003671641
【0035】
【化5】
Figure 0003671641
【0036】
また上記オルガノシランのアルコキシ基を他の加水分解性の基や水酸基に置換したものが挙げられ、これらは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
アミノ変性シリコーンオイルとしては下記一般式で表されるものが使用可能である;
【化6】
Figure 0003671641
(ここでR1は水素、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレン基、フェニレン基を表わし、R3、R4は水素、アルキル基或いはアリール基を表わす。但し、上記アルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含有していても良いし、また帯電性を損ねない範囲でハロゲン等の置換基を有していても良い。m2及びn2は正の整数を示す。)
【0038】
具体的には、下記のものが市場から入手可能である。
Figure 0003671641
なお、アミン当量とは、アミン1個あたりの当量(g/eqiv)で、分子量を1分子あたりのアミン数で割った値である。
【0039】
カチオン性基を有する表面処理剤の使用量は無機微粒子100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部が好ましい。
【0040】
上記のようなカチオン性基を有する表面処理剤で無機微粒子を処理するには、そのような表面処理剤をテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンあるいはアセトン、エタノール、塩化水素飽和エタノール等の溶剤を用いて混合希釈し、無機微粉末をブレンダー等で強制的に撹拌しつつ表面処理剤の希釈液を滴下したりスプレーしたりして加え充分混合する。その際、ニーダーコーター、スプレードライヤー、サーマルプロセッサー、流動床等の装置が使用できる。
【0041】
次に得られた混合物をバット等に移してオーブンに入れ加熱し乾燥させる。その後再びミキサー、ジェットミル等にて充分に解砕する。また、必要に応じて分級する事が望ましく、レーザー回折式の乾式法による体積平均粒径(2次凝集粒径)が10μm以下であり、30μm以上の凝集粒子が1体積%以下に押さえられることが好ましい。
【0042】
このような乾式法の他に無機微粉末を表面処理剤の有機溶剤溶液に浸漬し、乾燥させたり、または無機微粉末を水中に分散してスラリー状にしたうえで表面処理剤の水溶液を滴下し、その後無機微粉末を沈降させて加熱乾燥して解砕する、というような湿式による処理法もある。加熱時の温度は100℃以上が好ましい。100℃未満であると無機微粉末と表面処理剤との縮合反応が完結しにくくなる。
【0043】
このようにして表面処理された大粒径無機微粒子の含有量については、トナー粒子に対して0.3〜3.0重量%、好ましくは0.4〜2.0重量%含有されることが望ましい。その量が0.3重量%未満では添加による効果が不十分となる。一方、3.0重量%を越えるとトナー粒子から脱離する大粒径無機微粒子が増加するため、規制部に溜まり易くなり、薄層形成不良を引き起こす。
【0044】
以上の小粒径無機微粒子ならびに大粒径無機微粒子は公知の方法で得られた負荷電性のトナー粒子に外添される。本発明において使用される負荷電性トナー粒子は、少なくともバインダー樹脂および着色剤を含有する。
【0045】
本発明において使用するバインダー樹脂としては、得られるトナー粒子を負荷電性にすることのできる樹脂を用いる。この場合において、後述する荷電制御剤を内添することにより負荷電性に制御できる樹脂であってもよい。また、着色剤のバインダー樹脂中での分散性を向上させるために、1.0〜30.0KOHmg/g、好ましくは1.0〜25.0KOHmg/g、より好ましくは2.0〜20.0KOHmg/gの酸価を有する樹脂を用いることが望ましい。これは酸価が1.0KOHmg/gより小さいと分散性向上の効果が小さくなり、30.0KOHmg/gより大きくなると環境変動による帯電量の変化が大きくなるためである。
【0046】
このようなバインダー樹脂であれば樹脂の種類は限定されず、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂およびその他の公知の樹脂を単独あるいは混合して使用することができ、その用途に応じて好ましいものを適宜選択して使用すればよい。例えば、荷電制御剤を使用することなく負荷電性トナーを調製する場合にはポリエステル系樹脂を、負荷電制御剤を使用して負荷電性トナーを調製する場合にはポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂を、フルカラートナーを調製する場合にはポリエステル系樹脂を、黒色トナーを調製する場合にはポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂を使用することが好ましい。
【0047】
本発明において、好ましいポリエステル樹脂はアルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分として使用し、酸成分としてフタル酸系ジカルボン酸類あるいはフタル酸系ジカルボン酸類と脂肪族ジカルボン酸類を使用して重縮合反応により合成されたものである。
【0048】
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物が好適であり、これらを混合して用いることが好ましい。
【0049】
また、アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物とともに下記ジオールや多価アルコールを若干使用してもよい。このようなアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0050】
フタル酸系ジカルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸等のフタル酸系ジカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル等を使用することができる。
【0051】
また、フタル酸系ジカルボン酸類とともに使用可能な脂肪族ジカルボン酸類としては、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、炭素数4〜18のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0052】
また、トリメリット酸等の多価カルボン酸等を樹脂の酸価を調整するためにトナーの透光性等を損なわない範囲で少量使用してもよい。このような多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、これらの無水物、低級アルキルエステル等を挙げることができる。
【0053】
本発明の負荷電性トナー粒子をフルカラー用トナーとして用いる場合に好ましいバインダー樹脂は、ガラス転移点が55〜75℃、好ましくは58〜70℃、軟化点が95〜120℃、好ましくは100〜118℃、数平均分子量が2500〜6000、好ましくは3000〜5500、重量平均分子量/数平均分子量が2〜8、好ましくは3〜7のものである。ガラス転移点が低くなるとトナーの耐熱性が低下し、また高くなると透光性や混色性が低下する。軟化点が低くなると定着時に高温オフセットが発生し易くなり、高くなると定着強度が低下する。数平均分子量が小さくなると画像を折り曲げた際にトナーが剥離し易くなり、大きくなると定着強度が低下する。また重量平均分子量/数平均分子量が小さくなると高温オフセットが発生し易くなり、大きくなると透光性が低下する。
【0054】
着色剤としてはシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色等の各種の公知の着色剤を使用することができ、その使用量は従来と同様の値を適用することができる。通常、着色剤はバインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部程度添加される。
【0055】
本発明の負荷電性トナー粒子には上記着色剤以外に、荷電制御剤、オフセット防止剤等の所望の添加剤を添加してもよい。
【0056】
荷電制御剤としては、サリチル酸亜鉛錯体等およびその他の公知の負荷電制御剤が使用可能であり、使用目的に応じてその種類を選択すればよい。フルカラー複写用としては無色、白色あるいは薄い黄色の荷電制御剤を使用することが好ましい。黒色複写用としては特に制限されない。荷電制御剤の使用量は使用目的に応じてその量を適宜設定すればよいが通常、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部の範囲で使用される。
【0057】
また、オフセット防止剤としても特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックス等が使用可能である。これは耐オフセット性を向上させるだけではなく、非磁性一成分現像装置における現像剤規制部材や現像剤担持体等に対するトナーの固着の問題を低減させることができる。特に酸価が0.5〜30KOHmg/gのワックスを用いることが上記酸価を有するバインダー樹脂に対する分散性の観点から好ましい。このようなワックスの添加量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜4重量部が好ましい。これは添加量が0.5重量部より少ないと添加による効果が不十分となり、5重量部より多くなると透光性や色再現性が低下するためである。
【0058】
本発明に係るトナー粒子は上記したバインダー樹脂、着色剤をその他の所望の添加剤を使用し、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化分散造粒法、カプセル化法等その他の公知の方法により製造することができる。それらの製造方法の中では、製造コストおよび製造安定性の観点から混練・粉砕法で製造することが好ましい。
【0059】
混練・粉砕法は、樹脂および着色剤等のトナー成分をヘンシェルミキサー等の混合機で混合する工程、この混合物を溶融・混練する工程、この混練物を冷却後粗粉砕する工程、この粗粉砕粒子を微粉砕する工程、得られた微粉砕粒子を分級する工程によりトナー粒子を製造する。本発明のトナー粒子は、体積平均粒径を4〜10μm、好ましくは6〜9μmに調整することが画像の高精細再現性の観点から好ましい。トナー粒子の体積平均粒径は、コールターマルチサイザー(コールターカウンター社製)を用い、アパチャー径100μmで測定した値である。
【0060】
得られたトナー粒子はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて上記の小粒径無機微粒子および大粒径無機微粒子と混合され非磁性一成分現像剤として調製される。
【0061】
このようにして得られた本発明の非磁性一成分現像剤は、着色剤、バインダー樹脂、荷電制御剤、ワックス等を適宜選択することにより、フルカラー用あるいは黒色用、いずれの現像剤としても使用可能であるが、本発明においてはフルカラー現像剤として用いることが有効である。このため、本発明の現像剤は一成分現像方式を採用した現像装置であれば、いかなる現像装置においても使用可能であるが、フルカラー画像形成装置に用いることが特に好ましい。以下、フルカラー画像形成装置の一例として図1を参照しながら説明する。
【0062】
図1において、フルカラーレーザビームプリンタは、概略、矢印a方向に回転駆動される感光体ドラム10と、レーザ走査光学系20と、フルカラー現像装置30と、矢印b方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト40と、給紙部60とで構成されている。感光体ドラム10の周囲には、さらに、感光体ドラム10の表面を所定の電位に帯電させる帯電ブラシ11、および感光体ドラム10上に残留したトナーを除去するクリーナーブレード12aを備えたクリーナー12が設置されている。
【0063】
レーザ走査光学系20はレーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵した周知のもので、その制御部にはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)ごとの印字データがホストコンピュータから転送される。レーザ走査光学系20は各色ごとの印字データを順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光する。これにより、感光体ドラム10上に各色ごとの静電潜像が順次形成される。
【0064】
フルカラー現像装置30はC、M、Y、Bkの非磁性トナーからなる一成分現像剤を収容した4つの色別現像器31C、31M、31Y、31Bkを一体化したもので、支軸81を支点として時計回り方向に回転可能である。各現像器は現像スリーブ(現像剤担持体)32、トナー規制ブレード(現像剤規制部材)34を備えている。現像スリーブ32の回転により搬送されるトナーは、ブレード34と現像スリーブ32との圧接部(規制部)を通過することにより帯電される。
【0065】
中間転写ベルト40は支持ローラ41、42およびテンションローラ43、44に無端状に張り渡され感光体ドラム10と同期して矢印b方向に回転駆動される。中間転写ベルト40の側部には図示しない突起が設けられ、この突起をマイクロスイッチ45が検出することにより、露光、現像、転写等の作像処理が制御される。中間転写ベルト40は回転自在な1次転写ローラ46に押圧されて感光体ドラム10に接触している。この接触部が1次転写部T1である。また、中間転写ベルト40は支持ローラ42に支持された部分で回転自在な2次転写ローラ47が接触している。この接触部が2次転写部T2である。
【0066】
さらに、前記現像装置30と中間転写ベルト40の間のスペースにはクリーナー50が設置されている。クリーナー50は中間転写ベルト40上の残留トナーを除去するためのブレード51を有している。このブレード51及び前記2次転写ローラ47は中間転写ベルト40に対して接離可能である。
【0067】
給紙部60は、画像形成装置本体1の正面側に開放可能な給紙トレイ61と、給紙ローラ62と、タイミングローラ63とから構成されている。記録シートSは給紙トレイ61上に積載され、給紙ローラ62の回転によって1枚ずつ図中右方へ給紙され、タイミングローラ63で中間転写ベルト40上に形成された画像と同期をとって2次転写部へ送り出される。記録シートの水平搬送路65は前記給紙部を含んでエアーサクションベルト66等で構成され、定着器70からは搬送ローラ72、73、74を備えた垂直搬送路71が設けられている。記録シートSはこの垂直搬送路71から画像形成装置本体1の上面へ排出される。
【0068】
ここで、上記フルカラープリンタのプリント動作について説明する。
プリント動作が開始されると、感光体ドラム10および中間転写ベルト40が同じ周速度で回転駆動され、感光体ドラム10は帯電ブラシ11によって所定の電位に帯電される。
【0069】
続いてレーザ走査光学系20によってシアン画像の露光が行われ、感光体ドラム10上にシアン画像の静電潜像が形成される。この静電潜像は直ちに現像器31Cで現像されると共に、トナー画像は1次転写部で中間転写ベルト40上に転写される。1次転写終了直後に現像器31Mが現像部Dへ切り換えられ、続いてマゼンタ画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像器31Yへの切換え、イエロー画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像器31Bkへの切換え、ブラック画像の露光、現像、1次転写が行われ、1次転写ごとに中間転写ベルト40上にはトナー画像が重ねられていく。
【0070】
最終の1次転写が終了すると、記録シートSが2次転写部へ送り込まれ、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラートナー画像が記録シートS上に転写される。この2次転写が終了すると、記録シートSはベルト型接触加熱定着器70へ搬送され、フルカラートナー画像が記録シートS上に定着されてプリンタ本体1の上面に排出される。
本発明を、以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0071】
【実施例】
本実施例中、用いたポリエステル系樹脂A〜Cの製造方法を以下に示す。
(ポリエステル系樹脂A(カラートナー用)の製造)
温度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびテレフタル酸を、モル比5:5:9.5で仕込んだ。さらに重合開始剤(ジブチル錫オキサイド)を添加した後、これらをマントルヒーター中、窒素雰囲気下、220℃で撹拌しながら反応させ、数平均分子量(Mn)4800、重量平均分子量/数平均分子量4.5、軟化点108℃、ガラス転移点66℃、酸価(AV)4.2KOHmg/gのポリエステル樹脂Aを得た。
【0072】
(ポリエステル系樹脂B(黒トナー用)の製造)
温度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレフタル酸およびフマル酸を、重量比82:77:16:32:30で仕込んだ。さらに重合開始剤(ジブチル錫オキサイド)を添加した後、これらをマントルヒーター中、窒素雰囲気下、220℃で撹拌しながら反応させ、軟化点110℃、ガラス転移点60℃、酸価17.5KOHmg/gのポリエステル樹脂Bを得た。
【0073】
(ポリエステル系樹脂C(黒トナー用)の製造)
スチレンおよび2−エチルヘキシルアクリレートを重量比17:3.2に調整し、重合開始剤であるジグミルパーオキサイドとともに滴下ロートに入れた。一方、温度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレフタル酸、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸およびアクリル酸を、重量比42:11:11:11:8:1に調整して重合開始剤(ジブチル錫オキサイド)とともに仕込んだ。これらをマントルヒーター中、窒素雰囲気下、135℃で撹拌しながら、滴下ロートよりスチレン等を滴下した後、昇温して230℃で反応させ、軟化点150℃、ガラス転移点62℃、酸価24.5KOHmg/gのポリエステル樹脂Cを得た。
【0074】
なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(807−IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用して、ポリスチレン換算により分子量を求めた。
【0075】
軟化点については、フローテスター(CFT−500;島津製作所社製)を用い、試料1.0gについて1.0mm×1.0mmのダイを使用し、昇温速度3.0℃/min.、荷重30kgの条件で測定を行い、試料が1/2流出したときの温度を軟化点とした。
【0076】
ガラス転移点は示差走査熱量計(DSC−200;セイコー電子社製)を用いて秤量された試料10mgについて測定し、リファレンスとしてアルミナを用い、30〜80℃の範囲におけるメイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
【0077】
酸価は秤量された試料を適当な溶媒に溶解し、フェノールフタレイン等の指示薬を使用して酸性基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で表した。
【0078】
また、本実施例中、無機微粒子としては以下の無機微粒子を用いた。なお、無機微粒子a〜gについてはその製造方法も示す。
無機微粒子A(疎水性シリカ、疎水化度55%、平均一次粒径7nm、TS500;キャボジル社製)
無機微粒子B(疎水性シリカ、疎水化度48%、平均一次粒径15nm、R974;日本アエロジル社製)
無機微粒子C(疎水性シリカ、疎水化度55%、平均一次粒径50nm、R809;日本アエロジル社製)
【0079】
無機微粒子D(疎水性二酸化チタン、疎水化度55%、平均一次粒径15nmのルチル型二酸化チタン(MT−150W;テイカ社製)をn−ヘキシルトリメトキシシランで表面処理したもの)
無機微粒子E(疎水性二酸化チタン、疎水化度60%、平均一次粒径20nmのアナターゼ型二酸化チタンをn−ヘキシルトリメトキシシランで表面処理したもの)
無機微粒子F(疎水性二酸化チタン、疎水化度57%、平均一次粒径50nmのアナターゼ型二酸化チタンをn−ヘキシルトリメトキシシランで表面処理したもの)
無機微粒子G(疎水性二酸化チタン、疎水化度50%、無機微粒子Fをさらに、フッ素系シランカップリング剤(CF3(CH2)2Si(OCH3)3で表面処理したもの)
【0080】
(無機微粒子a)−平均一次粒径250nmの二酸化チタン(KR−380;チタン工業社製)を下記化学式(I);
【化7】
Figure 0003671641
で表されるアミノシランカップリング剤で表面処理したもの。
【0081】
(無機微粒子b)−平均一次粒径250nmの二酸化チタン(KR−380;チタン工業社製)をアミノ変性シリコンオイル(KF−857;信越化学社製)で表面処理したもの。
【0082】
(無機微粒子c)−平均一次粒径250nmの二酸化チタン(KR−380;チタン工業社製)を下記化学式(II);
【化8】
Figure 0003671641
で表される第4級アンモニウム塩で表面処理したもの。
【0083】
(無機微粒子d)−平均一次粒径200nmの合成球状シリカ(SO−C1;アドマテックス社製)を上記化学式(I)で表されるアミノシランカップリング剤で表面処理したもの。
【0084】
(無機微粒子e)−平均一次粒径1μmの合成球状シリカ(SO−C3;アドマテックス社製)を上記化学式(I)で表されるアミノシランカップリング剤で表面処理したもの。
【0085】
(無機微粒子f)−平均一次粒径1.5μmの二酸化チタン(KR−310;チタン工業社製)を上記化学式(I)で表されるアミノシランカップリング剤で表面処理したもの。
【0086】
(無機微粒子g)−平均一次粒径250nmの二酸化チタン(KR−380;チタン工業社製)をn−ヘキシルトリメトキシシランで表面処理したもの。
【0087】
疎水化度は、200mlのビーカーに純水50mlを入れ、0.2gの試料を添加し、ビーカーを撹拌しながら、ビュレットから無水硫酸ナトリウムで脱水したメタノールを加え液面上に試料がほぼ見られなくなった点を終点として、要したメタノール量から下記式:
疎水化度=[メタノール使用量/(50+メタノール使用量)]×100
により算出した。
【0088】
また、本実施例中、ワックスとして用いた溶融ブレンドポリプロピレンワックスの製造方法を以下に示す。
(溶融ブレンドポリプロピレンワックスの製造)
酸価0KOHmg/gの非酸化型ポリプロピレンワックス(ビスコール550P;三洋化成工業社製)および酸価52KOHmg/gの酸化型ポリプロピレンワックス(ユーメックス1010;三洋化成工業社製)を重量比92:8で混合し、溶融混練した後、冷却して粉砕し、酸価4.0KOHmg/g、160℃における溶融粘度205cps、軟化点150℃の溶融ブレンドポリプロピレンワックスを得た。
【0089】
実施例1
ポリエステル系樹脂Aおよびシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15−3)を重量比7:3で加圧ニーダーに仕込み混練した。得られた混練物を冷却後、フェザーミルにより粉砕し顔料マスターバッチを得た。
【0090】
ポリエステル系樹脂A93重量部、上記顔料マスターバッチ10重量部、ポリプロピレンワックス(ビスコールTS200;三洋化成工業社製;酸価3.5KOHmg/g)2重量部およびサリチル酸亜鉛錯体(E84;オリエント化学工業社製)1.5重量部をボールミルで十分混合し、混合物を2軸押出混練機(PCM−30;池貝鉄工社製)で溶融混練した後、冷却し、その後フェザーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、微粉分級することにより体積平均粒径8.0μmのトナー粒子を得た。
【0091】
得られたトナー粒子100重量部に、無機微粒子A0.5重量部、無機微粒子F0.7重量部および無機微粒子a1.0重量部を添加し、ボールミルにより混合することにより現像剤を得た。
【0092】
実施例2〜11および比較例1〜5
無機微粒子として表1または表2に示すものを表記添加量で用いたこと以外、実施例1と同様にして、現像剤を得た。
【0093】
実施例12
体積平均粒径6.1μmのトナー粒子を調製し、これを用いたこと以外、実施例1と同様にして、現像剤を得た。
【0094】
実施例13
ポリエステル系樹脂B40重量部、ポリエステル系樹脂C60重量部、ポリエチレンワックス(800P;三井石油化学工業社製;160℃における溶融粘度5400cps;軟化点140℃)1重量部、溶融ブレンドポリプロピレンワックス3重量部、酸性カーボンブラック(モーガルL;キャボット社製;pH2.5;平均一次粒径24nm)8重量部およびサリチル酸亜鉛錯体(E84;オリエント化学工業社製)2.5重量部をヘンシェルミキサーで十分混合し、混合物を2軸押出混練機(PCM−30;池貝鉄工社製)で溶融混練した後、冷却し、その後ハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をジェット粉砕機で微粉砕し、微粉分級することにより体積平均粒径8.2μmのトナー粒子を得た。
【0095】
得られたトナー粒子100重量部に、無機微粒子B0.6重量部、無機微粒子C1.0重量部および無機微粒子a1.0重量部を添加し、ボールミルにより混合することにより現像剤を得た。
【0096】
実施例14
無機微粒子として表1に示すものを表記添加量で用いたこと以外、実施例13と同様にして、現像剤を得た。
【0097】
評価
規制ブレードの圧接力を可変に改造した非磁性一成分現像装置を備えた電子写真プリンタ(SP1000;ミノルタ社製)改造機を用いて、常温常湿環境(25℃、45%)において、上記現像剤30gをセットし、白紙モード設定で、連続駆動し、薄層形成および規制ブレードについての評価を行った。
【0098】
(薄層形成)
連続駆動開始から1分、30分および1時間後において駆動を停止して現像剤担持体(スリーブ)上の薄層形成状態を観察し、以下のランク付に従って評価した。
○;形成された薄層にスジまたはムラがなく、かつトナーこぼれまたは粉煙の発生がなかった;
△;形成された薄層にスジまたはムラが一部認められるが、トナーこぼれまたは粉煙の発生がほとんどなく、実用上問題がなかった;
×;形成された薄層にスジまたはムラが発生しており、その部分からトナーこぼれや粉煙が顕著に発生していた。
【0099】
(規制ブレード)
連続駆動開始から1時間後において駆動を停止して現像剤規制部材(規制ブレード)を取り外し、付着しているトナーをかるくエアーで吹き飛ばし、規制ブレードの表面状態を観察し、以下のランク付に従って評価した。
a;ブレード上に異物(粉塵)は存在していなかった;
b;ブレード上における、スリーブ上の薄層のスジまたはムラに相当する部分に白い塊やトナー成分の凝集物が存在していた。
【0100】
以上の評価結果を、上記の実施例および比較例における処理条件とともに、以下の表1および表2で示す。
【0101】
【表1】
Figure 0003671641
【0102】
【表2】
Figure 0003671641
【0103】
【発明の効果】
本発明により、繰り返して複写しても、トナーの表面状態の変化が小さく、トナー特性を維持できるだけでなく、現像器内において粉塵や粉煙が発生しない、耐久性に優れた非磁性一成分現像剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フルカラー画像形成装置の概略構成図を示す。
【符号の説明】
10:感光体ドラム、11:帯電ブラシ、12:クリーナー、20:レーザ走査光学系、30:フルカラー現像装置、32:現像剤担持体(スリーブ)、33:支軸、34:現像剤規制部材(ブレード)、40:中間転写ベルト、41:支持ローラ、42:支持ローラ、43:テンションローラ、44:テンションローラ、46:1次転写ローラ、47:2次転写ローラ、60:給紙部、61:給紙トレイ、62:給紙ローラ、63:タイミングローラ、66:エアーサクションベルト、70:定着器、71:垂直搬送路。

Claims (2)

  1. 少なくともバインダー樹脂および着色剤を含有する負荷電性トナー粒子、平均一次粒径1〜70nmの小粒径無機微粒子、および平均一次粒径100〜500nmの大粒径無機微粒子を含有してなる非磁性一成分現像剤であって、小粒径無機微粒子が疎水化剤によって表面処理されており、大粒径無機微粒子がカチオン性基を有する表面処理剤によって表面処理されており、小粒径無機微粒子の含有量がトナー粒子に対して0.3〜3.0重量%であり、大粒径無機微粒子の含有量がトナー粒子に対して0.3〜3.0重量%であることを特徴とする非磁性一成分現像剤。
  2. 小粒径無機微粒子が、平均一次粒径1〜40nmの第1無機微粒子と、平均一次粒径40〜70nmで第1無機微粒子の平均一次粒径より10nm以上大きい平均一次粒径を有する第2無機微粒子とを含有することを特徴とする請求項1に記載の非磁性一成分現像剤。
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