JP2007206467A - 静電荷像現像用二成分フルカラートナー、トナーを充填した容器、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用二成分フルカラートナー、トナーを充填した容器、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】離型剤を含有するカラートナーであってもトナーの凝集性が良好であり、光沢性が高く、画像ムラが発生せず、粉体ポンプを用いるトナー補給装置でスムーズなトナー補給が可能な静電荷像現像用二成分フルカラートナー、トナーを充填した容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】離型剤の融点をWtm(℃)とし、ポリエステル樹脂のガラス転移点をRtg(℃)としたときに、5<Wtm−Rtg<30の関係にあり、かつ、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数が0.01HzでのWtm℃の測定範囲におけるポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(w)が、1.0×103〜1.0×105Paの範囲にあることを特徴とする静電荷像現像用二成分フルカラートナー、トナーを充填した容器121、プロセスカートリッジ2、及び画像形成装置100を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーのための縮重合系樹脂製造用触媒、前記触媒を含有した縮重合系樹脂組成物を含有した静電荷像現像用二成分フルカラートナー、前記トナーを充填した容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させて可視像を形成した後、前記トナー像を紙等の記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いたコピアやプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行なうものである。従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着する方法としては、平滑な表面を持ったローラやベルトを加熱しトナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。この方法は熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点がある反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後剥離するために、トナー像の一部が定着ローラ表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
このオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラ表面を形成し、さらにその定着ローラ表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が一般に採用されていた。この方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しコスト高になってしまう。このためモノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
しかしながら、前述したようにカラートナーでは色再現性を向上させるために定着画像の表面を平滑にする必要があるため溶融時の粘弾性を低下させねばならず、光沢のないモノクロトナーよりオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。また、トナー中に離型剤を含有させるとトナーの付着性が高まり転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより耐久性が低下するという問題を生じる。
また、従来、カラートナーにはポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の低分子量で光沢が得られ易い結着樹脂が用いられてきたが、これらの樹脂は親水性基を含有するため湿度による帯電量の変化が大きいという欠点を有していた。さらに、最近は高画質を得るためにトナーを小粒径化する傾向にあるが、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂は従来からモノクロトナー用結着樹脂として用いられてきたスチレン系樹脂に比べ粉砕性が劣るという欠点を有している。
このような状況において従来提案されている事柄は、例えば特許文献1では軟化点90〜120℃の線型ポリエステル樹脂とカルナバワックスを用いたトナーが、特許文献2では互いに相溶する軟化点の異なる樹脂とワックスからなるトナーが、特許文献3ではポリエステル樹脂とワックスの溶融粘度を規定したトナーが、特許文献4では軟化点90〜120℃のポリエステル樹脂とライスワックス、カルナバワックス及びシリコーンオイル含有したトナーが 特許文献5ではワックス内包型の重合法トナーが提案されているが、適度な光沢を持たせながら、定着ローラに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とした定着方法でも十分なオフセット防止性があると同時に転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性に優れたトナーとはなっていなかった。
そこで、広域な定着温度幅を得るためにワックスとしてエステルワックスを含有することも提案されている。特許文献6ではポリエステル樹脂とDSCによる吸熱ピークを50〜90℃に有するエステルワックスを含有する非磁性一成分現像剤が提案されており、これにより優れた耐ホットオフセット品質が得られているが、エステルワックスはポリエステル樹脂との相溶性が悪いため、相分離しやすく、複写機現像時においてワックスが遊離してしまい、キャリアスペントやフィルミングが発生し、耐久性が得られない。特許文献7ではポリエステル樹脂とDSCによる吸熱ピークを70〜90℃に有するエステルワックスを含有する現像剤が提案されているがこれも同様に耐久性の改善ができない。特許文献8ではエステルワックスとポリエステル樹脂、ポリエステルとビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を含有し、GPCによる分子量分布Mw/Mnが100以上であるカラートナーが提案されているが、ハイブリッド樹脂を含有することでエステルワックスとポリエステル樹脂との相溶性は改善されるが、Mw/Mnが100以上であるため光沢性が十分には得られず、また、色特性に濁りが生じ、彩度が得られない。特許文献9においては多官能ポリエステル化合物が提案されているが、主なバインダー樹脂としてはビニル系共重合体を使用しており、ポリエステル樹脂との相溶性は改善されていない。
特許文献10ではポリエステル樹脂とオレフィンワックスを含有し、トナーの分子量分布Mw/Mnが50以上であるカラートナーが提案されているが、ポリエステル樹脂はオレフィンワックスと相溶性が良好であるためフィルミングやスペントについては改善されるが、バインダー樹脂との相溶性が良好であるため、定着時のワックスの離型性が不十分となり耐ホットオフセット性を改善するために、Mw/Mnを50以上とする必要があり、やはり光沢性が十分には得られず、また、色特性に濁りが生じ、彩度が得られない。
このようにオイルレスフルカラートナーにおいて、十分な低温定着性と耐ホットオフセット性、光沢性、色の彩度が得られ、かつフィルミングの発生がなく耐久性が十分に得られるトナーとはなっていないという問題点があった。
近年、画像形成装置の小型化・高速化する傾向にある。画像形成装置の高速化によって、多量の補給用トナーを必要するのでトナー収納容器も大きくなり、また、安定して補給されることが求められている。さらに、画像形成装置の小型化の一つの手段として定着装置の小型化が挙げられる。このために、定着装置の離型性を高めるためにシリコーンオイル等を塗布していたが、小型化の妨げとなるシリコーンオイルタンクを除去する必要があった。そこで、定着装置に離型性を持たせるのではなく、トナーにワックス等の離型剤を含有させることで離型性を持たせ、装置の小型化を可能にすることができる。また、画像形成装置の小型化によって現像装置から離れた場所にトナー収納容器を配設されることがある。このために、離れたトナー収納容器から現像装置へスムーズに安定してトナーを供給するために粉体ポンプを用いるトナー補給装置が設けられている。
このため、例えば、特許文献11では、エアポンプのエアー出口からトナー補給路で通路及びトナー移送チューブとの合流部であるエアー接続口までのエアー供給経路が、通路及びトナー移送チューブの重力方向最下位置よりも上方の高さ位置になるように配置されている画像形成装置が開示されている。
また、例えば、特許文献12では、貫通孔が形成されたステータと、前記貫通孔に配置されたロータとを有し、前記ロータの回転により、前記貫通孔の入口開口側から出口開口側へ粉体を移送する粉体移送ポンプにおいて、前記貫通孔の出口開口から排出された粉体に撹拌作用を与える撹拌手段を設けた粉体移送ポンプが開示されている。
しかしながら、トナーにワックス等の離型剤を含有すると、トナーの凝集性が悪化し、安定的に補給できないという問題があった。
特開平8−220808号公報 特開平9−106105号公報 特開平9−304964号公報 特開平10−293425号公報 特開平5−61242号公報 特開2003−156876号公報 特開2000−181120号公報 特開2002−23424号公報 特許第3210174号公報 特開2003−156880号公報 特開2004−037911号公報 特開2002−087592号公報
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、離型剤を含有するカラートナーであってもトナーの凝集性が良好であり、光沢性が高く、画像ムラが発生せず、粉体ポンプを用いるトナー補給装置でスムーズなトナー補給が可能な静電荷像現像用二成分フルカラートナー、前記トナーを充填した容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することである。
前記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明は、結着樹脂が無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂と、少なくとも着色剤と離型剤からなる静電荷像現像用二成分フルカラートナーにおいて、前記静電荷像現像用二成分フルカラートナーは、離型剤の融点をWtm(℃)とし、ポリエステル樹脂のガラス転移点をRtg(℃)としたときに、
5<Wtm−Rtg<30・・・式(1)
の関係にあり、かつ、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数0.01HzでのWtm℃の測定範囲におけるポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(w)が、1.0×103〜1.0×105Paの範囲にあることを特徴とする静電荷像現像用二成分フルカラートナーである。
本発明は、マスターバッチが、着色剤と、無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂と、を混練してなり、混練温度をMt(℃)としたときに、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数0.01HzでのMt℃の測定範囲におけるマスターバッチ用ポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(m)が1.0×102〜5.0×104Paの範囲にある樹脂を使用したマスターバッチであり、前記マスターバッチを使用して作製することを特徴とする。
本発明は、前記無機スズ(II)化合物がオクチル酸スズであることを特徴とする。
本発明は、ポリエステル樹脂が架橋成分を含有しないことを特徴とする。
本発明は、前記トナーのGPCにより測定した重量平均分子量Mwが、5000〜9000の範囲にあることを特徴とする。ここで、GPCとはゲルパーミエーションクロマトグラフィのことである。
また、本発明は、前記記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーが充填されたトナー収納容器であり、少なくともトナー排出口と容器本体とを有し、前記容器本体が可撓性で、減容する体積が60%以上であることを特徴とするトナー収納容器である。
また、本発明は、感光体と、帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、前記現像手段が、トナーを保持し、前記トナーが、前記記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジである。
さらに、本発明は、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給し可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備え、かつ トナーを自動的に供給するポンプ手段と、このポンプ手段に連結して設けられたトナー収納容器と、このトナー収納容器に収納されているトナーを流動化させるための空気供給手段と、を備えるトナー補給装置を備える画像形成装置において、前記記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーを用いることを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、前記解決するための手段によって、離型剤を含有するカラートナーであってもトナーの凝集性が良好であり、光沢性が高く、画像ムラが発生せず、粉体ポンプを用いるトナー補給装置でスムーズなトナー補給が可能な静電荷像現像用二成分フルカラートナー、前記トナーを充填した容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することが可能となった。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
離型剤を含有するカラートナーであってもトナーの凝集性が良好であり、光沢性が高く、画像ムラが発生せず、粉体ポンプを用いるトナー補給装置でスムーズなトナー補給が可能なトナーを得るためには、離型剤の融点とポリエステル樹脂の貯蔵弾性率がある特定の関係にあることにより、達成できることを見出した。つまり、離型剤の融点をWtm(℃)とし、ポリエステル樹脂のガラス転移点をRtg(℃)としたときに、
5<Wtm−Rtg<30・・・式(1)
の関係にあり、かつ、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数が0.01HzでのWtm℃の測定範囲におけるポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(w)が1.0×103〜1.0×105Paの範囲にあることである。
高分子のレオロジー特性におけるゴム域においては、変形の速度に対し、高分子溶融体のふるまいが変化し、短い時間での変形、つまり周波数が高い領域でのふるまいはガラス状固体に対応する高い弾性率を持ち、この領域においては高分子のモノマーの構造による依存性が大きく、分子量にはよらない。一方、ゆっくり変形する変形、つまり周波数が低い変形を加えることにより溶融体は粘性流体のようにふるまい、周波数が低い変形領域においては高分子の分子量、分子量分布、長鎖分岐構造など、分子の全体的な構造に大きく依存する。つまり、周波数が低い変形領域において測定することにより、高分子、つまり樹脂の構造の違いを顕著に検出することができる。
架橋成分を有しない、もしくは含有量の少ないポリエステル樹脂の場合、低周波数においては0.01Hzという低周波数での変形を加えると、樹脂が粘性液化してしまい、貯蔵弾性率の急激な低下が発生し、貯蔵弾性率は1.0×103Pa未満に低下してしまうため、貯蔵弾性率G’(w)が1.0×103〜1.0×105Paの範囲にあるポリエステル樹脂を得るためには、樹脂の架橋成分や架橋度を大幅に増やさなければならない。
しかしながら、カラートナーにおいては架橋成分や架橋度を大幅に増やすと、光沢性が低下し、高光沢性の画像を得ることができない。本発明者はポリエステル樹脂を製造する際に使用される触媒を選択することにより、架橋成分を有しない樹脂においても所望の貯蔵弾性率G’(w)を有するポリエステル樹脂を得ることができるのではないかと検討した結果、無機スズ(II)化合物を触媒として含有することにより、架橋成分の無い、線状のポリエステル樹脂においても、周波数が0.01HzでのWtm℃の測定範囲にて貯蔵弾性率G’(w)が1.0×103〜1.0×105Paの範囲のポリエステル樹脂を得ることができ、これにより、トナー混練工程において、離型剤の融点付近にて、樹脂が所望の貯蔵弾性率を有するため離型剤の分散性が良好となり、さらに混練後の冷却工程において離型剤が凝固する過程にて、離型剤が再凝集せず、樹脂から遊離しないトナーを得ることができることを新たに見出した。
これによりトナーの凝集性が良好であり、光沢性が高く、画像ムラが発生せず、粉体ポンプを用いるトナー補給装置でスムーズなトナー補給が可能なトナーを得ることができる。
線状のポリエステル樹脂において上記の範囲の貯蔵弾性率を有するということは、線状の樹脂であっても分子の熱運動によりからみあい点のような役割を果たす点が存在し、あたかも架橋点のような役割をはたしていると推定されるが、有機スズ触媒を使用した場合、触媒の活性が高いため、樹脂が短分子の直鎖構造となってしまい、からみあい点のような役割を果たす長さまで十分に伸びない。からみあい点のような役割を果たす長さまで十分に伸ばすためには合成の速度を抑えなければならないが、そのために温度を下げたり、触媒量を減らすと、モノマーの酸とアルコールが十分に相溶せず、重合はすすむが、相分離を発生し、組成の不均一性が発生してしまう。無機スズ(II)化合物を触媒として使用することにより、線状のポリエステル樹脂においてもからみあい点のような役割を果たす長さ、または分岐を持ち、所望の上記の範囲の貯蔵弾性率を有し、かつ樹脂の組成の均一性が高い樹脂を得ることができる。その中でとりわけ無機スズ(II)化合物としてオクチル酸スズが有効である。
また、有機スズ触媒は合成の反応終了後、構造の変化が無くそのまま樹脂中に分散して残存するため、樹脂全体の溶解度パラメーター(SP値)に影響を与え、定着紙との親和性を阻害したり、もしくは離型剤の分散性を阻害する。無機スズ(II)化合物は反応後は酸化スズとして残存するため樹脂のSP値に影響を与えない。これにより樹脂のモノマー配合比や構造により狙い通りのトナー特性を得ることができる。無機チタン系、有機チタン系触媒ではチタンは有色のため、カラートナーには適さない。
上記範囲の貯蔵弾性率G’(w)を有するポリエステル樹脂であれば、定着特性と光沢性とのバランスから架橋成分を有する樹脂を含有しても良い。
離型剤の融点をWtm(℃)とし、ポリエステル樹脂のガラス転移点をRtg(℃)としたときに、Wtm−Rtgが5未満であると、混練時に離型剤が融点に達した時に、離型剤はシャープメルト性が高いために瞬時に液化してしまうが、樹脂は十分に溶融しない状態であり、離型剤と樹脂が分離してしまう。Wtm−Rtgが30を超えると、定着性が悪化し、画像の光沢性が低下する。
結着樹脂が無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂と、少なくとも着色剤と離型剤からなるトナーにおいて、離型剤の融点をWtm(℃)とし、ポリエステル樹脂のガラス転移点をRtg(℃)としたときに、
5<Wtm−Rtg<30・・・式(1)
の関係にあり、かつ、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数が0.01HzでのWtm℃の測定範囲におけるポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(w)が1.0×103Pa未満であると、離型剤の分散性が悪化し、画像の光沢性が低下、凝集性の低下が発生する。1.0×105Paを超えると樹脂が高分子量化し、定着性が悪化し、画像の光沢性が低下する。
さらに、顔料の分散性を高め、画像の光沢性、光沢ムラをさらに高めるためには、前記樹脂からなるマスターバッチを使用してトナーを作成することが有効であるが、マスターバッチにおける混練温度をMt(℃)としたときに、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数が0.01HzでのMt℃の測定範囲におけるポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(m)が1.0×102〜5.0×104Paの範囲にあることにより、とりわけ顔料の分散性が良好となる。G’(m)が1.0×102Pa未満であると顔料の分散性が不十分であり、5.0×104Paを超えるとせん断がかかりすぎるため、低分子量化し、ホットオフセット性が悪化する。
トナーのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定した重量平均分子量Mwが5000〜9000の範囲にあることにより十分な低温定着性と耐ホットオフセット性、光沢性が得られる。Mwが5000未満であると耐ホットオフセット性の悪化とともに、現像機内のトナー微粉化が発生し、光沢ムラが発生する。9000を超えると定着性が悪化する。
本発明のトナーはトナーの凝集性が良好であるため、少なくともトナー排出口と容器本体とを有し、その容器本体が可撓性で、減容する体積が60%以上であるトナー収納容器に充填するトナーとして適しており、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給し可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備え、かつ トナーを自動的に供給するポンプ手段と、このポンプ手段に連結して設けられたトナー収納容器と、このトナー収納容器に収納されているトナーを流動化させるための空気供給手段とを備えるトナー補給装置を備える画像形成装置に適している。
図1は、本発明のトナーが用いられるトナー補給装置の構成を示す概略図である。図2は、本発明の画像形成装置を示す図である。
図1及び図2によれば、トナー補給装置120の駆動・制御は、図示しない電源と制御回路により、モーノポンプと呼ばれる粉体ポンプ140の駆動・制御とエアポンプ130の動作・制御を行う。トナー補給装置120の制御は、現像装置5の一部に設けられたトナー濃度センサに基づくトナーとキャリアの混合比の変化を検知しトナー補給量を制御する機構を用いているが、他の機構として感光体1上のトナー像の反射濃度を検知しトナー補給量を制御する等の技術を転用してもよい。図示しないMPUを具備した制御装置によってトナー補給装置120は制御される。すなわち、トナー濃度センサの検知結果がMPUに取り込まれ、検知結果に応じてMPUから粉体ポンプ駆動源または駆動伝達手段(クラッチ等)、エアポンプ130に動作信号が送信されることにより、現像装置5へのトナー補給動作は行われる。MPUは、タイマー機能を有しており、任意のタイミングで駆動モータ、エアポンプ130等を駆動制御することができる。
本発明のトナーは、このようなトナー補給装置120に用いられ、トナー補給装置120では、トナー補給信号が送信されると、同時に粉体ポンプ140のロータ141およびエアポンプ130が所定時間作動し、流動化されたトナーが粉体ポンプ140により移送チューブ115を経て現像装置5に送られる。エアポンプ130は粉体ポンプ140のロータ141が停止した後、さらに所定時間の作動後に停止するようになっている。このようにすることで、移送チューブ115の残存トナーを空気のみによって排出することができるので、トナー移送チューブ115内のトナー詰まりを防止することができる。
移送チューブ115としては、内径が4〜10mmのチューブ状で、フレキシブル性に優れたゴム材料、例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等を用いることが非常に有効である。
また、トナー補給装置120のトナー収納容器121は、袋形状でその下部中央が開口されており、その開口にポリエチレンやナイロン等に樹脂から作られた口金部材122が固定されている。トナー収納容器121としては、フレキシブルで変形可能な袋にし、この袋部121はポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等のフレキシブルなシート材(80〜125μm程度の厚み)を単層または複層構成にして袋状容器形状が好ましい。また、トナー収納容器本体121は60%以上減容されるものが望ましい。トナーの吸引が進むにつれ、そのトナー収納容器121内の容積が減容された場合には、導入される空気により袋状のトナー収納容器121の減容時の局部的変形によるトナー詰まりなどの発生がおさえられると同時に、粉体ポンプ140の吸引効率が高まり、収納されているトナーは袋内に残すことなく排出される。なお、このトナー収納容器121は、この袋形状に限定されず、横型であってもよく、粉体ポンプ140のところまでトナーが搬送されるようになっていれば良い。
また、トナー収納容器121内に空気を送るのみならず、トナー収納容器121に適度な振動や衝撃を与えることは、極度に流動性の悪いトナーを安定して吸引・移送する上で効果的であり、またブリッジ現象を防止し安定的にトナー移送管(チューブ)115にトナーを移送させる効果もある。これらの具体的手段としては、従来周知のカムとレバーによる間欠衝撃付加や、モータやソレノイドなどによる振動付加などの方法を用いればよい。トナーの移送通路は、トナー収納容器121と現像部とを長尺のトナー移送チューブ115で接続することによって形成されるものであり、具体的には、トナー送流手段の一端部とトナー収納容器の排出口との接続部から、トナー移送チューブ115の他の端部と現像装置5との接続部までの間で形成されるものである。
さらに、少なくとも空気流を形成するエアポンプ130とトナー移送チューブ115からなり、このトナー移送チューブ115が細長いものであるため、トナー収納容器121からトナーを排出し現像装置5に供給するために関与し、かつトナー収納容器121と現像装置5の間に存在させて、接続されている。
また、トナー収納容器121の口金部材122は、スリーブ状に形成され、その中空部に粉体ポンプ140が脱着可能に装着されている。粉体ポンプ140は、吐出型の一軸偏芯スクリューポンプであって、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ141と、ゴム等の弾性体で内側に2条スクリュー形状に作られ固定されて設置されるステータ142とを有している。この場合、ステータ142は口金部材122に下方より嵌め込まれており、受け部材123によってその嵌め込まれた位置に保持されている。なお、受け部材123は口金部材122に対し、螺合、係合等によって取り外し可能に固定されるので、この受け部材123を外すことで、図1に示すように、ステータ142およびロータ141をトナー収納容器121から脱着できる。
また、口金部材122には腕等を介してストッパ124が設けられ、このストッパ124は回転によってロータ141が容器内へ入り込むように動くことを防止することができる。なお、ストッパ124にはロータ141を回転自在に支持する軸受を設けても良い。画像形成装置本体に設けられたトナー収納容器121がセットされるセット部150には、図示していない駆動源によって回転駆動され、上下方向に延びる駆動軸151が設けられ、駆動軸151はセット部150の下部部材150aに軸受153を介して回転自在に支持されているとともに、その先端、すなわち上端にはロータ141と係合可能なジョイント152が固定されている。また、駆動軸151は上下動可能に装着され、かつスプリング154によって上方へ付勢されている。したがって、駆動軸151は固定板154aが軸受153に当接する位置で待機し、トナー収納容器121がセットされると、スプリング154の作用に抗して待機した位置より下がった位置で、ジョイント152がロータ141に係合するので、その係合はバネ力によって確実なものとなっている。
セット部150には、粉体ポンプ140によりトナーが吐出される部分が図の左右方向に延びるパイプ状に形成されており、その一端は移送チューブ115を介して現像装置5に接続されている。また、他端にはエア供給手段としてのエアポンプ130とエアパイプ131を介して接続されている。したがって、粉体ポンプ140によって容器から排出されたトナーはエアポンプ130によるエア流によって現像装置5へ移送される。
粉体ポンプ140である1軸偏芯スクリューポンプは、高い固気比で粉体の連続定量移送が可能で、ロータ141の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られることが知られている。したがって、トナー補給量であるトナーの移送量の制御は粉体ポンプ140の回転数と駆動時間を制御すれば良い。粉体ポンプ140は、ロータ141が回転すると、下方向に吐出圧力を発生し、上方向には吸引圧力を発生する。この吐出圧力または吸引圧力の大きさは粉体ポンプ140のロータ141、ステータ142の形状やロータ141の回転数に依存する。
トナー収納容器121に設けた粉体ポンプ140は、停止時には完全密閉する自閉弁の役割をはたし、トナー収納容器121の開口部は密閉され、トナーの粒径が小さくとも、トナーは外部に飛散しない。よって、交換時のトナー飛散、汚染などを確実に防止することができる。さらに、粉体ポンプ140はトナー収納容器121から脱着可能であるため、ポンプ部分は再生・再利用することができる。なお、粉体ポンプ140はゴムからなるステータ142が摩耗すると寿命になるが、この場合もステータ142だけを交換すれば、ロータ141は何度でも使用することができる。トナー収納容器121の下部は、トナー排出孔に向かって漏斗状の形状をなしているので、容器121内のトナーは重力と粉体ポンプ140の上流側の吸引力により容器121内に残留することなく排出される。
このように、トナー補給装置120は、モーノポンプと呼ばれる粉体ポンプ140、エアポンプ130、トナー収納容器121によって、離型剤を含有して流動性が低く、凝集体を形成しやすいトナーであっても、凝集体を形成することなく、安定して現像装置5へトナーを供給することができる。
次に、図2について、説明する。本画像形成装置100は、潜像担持体として4つの感光体ドラム1K,1C,1M,1Yを備えている。各感光体ドラム1K,1C,1M,1Yは、それぞれ表面移動部材としての無端移動部材である中間転写ベルト6aに接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム1K,1C,1M,1Yは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したもので、その外径は30[mm]、内径は28.5[mm]である。なお、本実施形態では、低コスト化、感光体設計の自由度、無公害性等の観点から有機系感光体を用いている。
露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体ドラム1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置4は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置など他の方式の露光装置を採用することもできる。
中間転写体としての中間転写ベルト6aは、3つの支持ローラ6b,6c,6dに無端状に張架され、図中矢印の方向に移動する構成となっている。この中間転写ベルト6a上に、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。本実施形態では、静電転写方式に転写チリの発生が少ない転写ローラを用いた構成を採用している。具体的には、各感光体ドラム1K,1C,1M,1Yと接触する中間転写ベルト6aの部分の裏面に、それぞれ一次転写手段としての一次転写ローラ6eK,6eC,6eM,6eYを配置する。各一次転写ローラ6eK,6eC,6eM,6eYが中間転写ベルト6aに押圧されると、その中間転写ベルト6aの部分と各感光体ドラム1K,1C,1M,1Yとの間に1次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体ドラム1K,1C,1M,1Y上のトナー像を中間転写ベルト6a上に転写する際には、各1次転写ローラ6eK,6eC,6eM,6eYに正極性のバイアスが印加される。これにより、各1次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体ドラム1K,1C,1M,1Y上のトナー像は、中間転写ベルト6a上に静電的に付着し、転写される。
支持ローラ6dに張架された中間転写ベルト6aの部分には、二次転写ローラ6gが接触して配置されている。この中間転写ベルト6aと二次転写ローラ6gとの間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット109内に収容されており、給紙ローラ110、レジストローラ111等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト6a上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ6gに正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト6a上のトナー像が転写紙上に転写される。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての定着装置8が配置されている。この加熱定着装置8は、ヒータを内蔵した加熱ローラと、圧力を加えるための加圧ローラを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。定着後の転写紙は、排紙ローラ112によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
プロセスカートリッジ2は、各感光体ドラム1K,1C,1M,1Yと、その周囲に配置された帯電装置、現像装置5、感光体クリーニング装置とを一体に支持し、プリンタ本体から着脱自在な構成となっている。プロセスカートリッジ2内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ2を交換すればよいため、利便性が向上する。また、トナー収納容器121は、プロセスカートリッジ2とは別に、それぞれが単体で交換できるように、プリンタ本体から着脱自在な構成となっている。このような構成とすることで、トナーが消耗した時にはそのトナーボトルだけを交換すればよく、トナーエンド時にまだ寿命になっていない他の構成部材はそのまま利用することができ、ユーザーの出費を抑えることができる。
トナーはフロー式粒度像分析装置の測定で0.7〜2.0μmが10個数%以下であることが望ましい。駆動連結により可動される部材と、現像剤若しくはトナーが接触をする場合、トナー中の微粉が可動部の間に入り込んでしまう可能性がある。特に、粉体ポンプ140のように、収納容器を画像形成装置本体にセットされることで駆動部が駆動するシステムの場合は、駆動部の信頼性はトナー搬送に多大な影響を与える。駆動部の信頼性が落ちると、トナー詰まりやトナーの融着、異音発生などが生じてしまう。駆動部の信頼性を確保するためには、少なくとも、前記トナーはフロー式粒度像分析装置の測定で0.7〜2μmが10個数%以下、好ましくは、5個数%以下、最も好ましくは、3個数%以下であることが望ましい。
フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、東亜医用電子社(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10mL中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz,50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10-3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06−400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
無機錫(II)化合物としては、Sn−O結合を有する化合物、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物等が好ましく、Sn−O結合を有する化合物がより好ましい。
Sn−O結合を有する化合物としては、オクチル酸酸錫(II)、シュウ酸錫(II)、ジ酢酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジラウリル酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、ジオレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);ジオクチロキシ錫(II)、ジラウロキシ錫(II)、ジステアロキシ錫(II)、ジオレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するジアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(R1COO)Sn(ここでR1 は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)Sn(ここでR2は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるジアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R1COO)Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクチル酸酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)が特に好ましい。
本発明のポリエステル製造用触媒とポリエステルとを含有したポリエステル樹脂組成物は、トナーの結着樹脂として用いることができ、ポリエステルはかかる触媒の存在下でアルコール成分とカルボン酸成分とを、不活性ガス雰囲気中にて180〜250℃の温度で、要すれば減圧下で縮重合することにより製造することができる。
ポリエステルを製造する際の無機錫(II)化合物の使用量は、ポリエステルの原料モノマー100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましい。従って、無機錫(II)化合物を触媒として得られる本発明のポリエステル樹脂組成物における無機錫(II)化合物の含有量も、ポリエステル100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましい。
本発明で用いる離型剤としては、公知のもの全てが使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナバワックス、モンタンワックス、及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することにより、分散効果が高まる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は、10〜30が好ましい。その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。トナーバインダー中に分散させる前の離型剤の体積平均粒径は10〜800μmが好ましい。10μm未満の場合はトナーバインダー中の分散径が小さく離径効果が十分でなくオフセットの不具合を生じた。800μmを超えた場合トナーバインダー中の分散径が大きくなりトナー表面への離型剤の析出が大きくなり流動性および現像機内などへの固着による不具合を生じた。粒径の測定は堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いた。また、トナー体積平均粒径(Dv)が2.5〜7.0μmにおいて細線再現性に優れている。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明のトナーは光沢ムラの発生がなく、定着温度幅が広いため、トナー像の定着方法としては、離型性に優れ平滑な定着面を持った接触加熱定着方法が採用される。離型オイルは塗布しないか、極微量の塗布量で行なう。具体的には表面がフッ素樹脂/ゴムやシリコン樹脂/ゴムといった低表面エネルギー素材からなるローラやベルトを用いた定着方式で行なうことが好ましい。さらにオフセットや記録媒体の巻付きを生じ難くするために定着ニップの形状が定着ローラ或いは定着ベルト側に凹んでいることが好ましい。これはローラ或いはベルトの変形に伴う物理的な離型力が高まることと定着ローラ或いは定着ベルトから大きな剥離角度で排紙されるためである。従って、例えば、定着ローラ或いは定着ベルト或いは定着ベルト支持ローラが弾性体からなり、その硬度が加圧ローラの硬度より低く設計することが好ましい。
本発明において使用されるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との縮重合反応により得られるものである。多価カルボン酸成分としては、2価カルボン酸類及び必要により3価以上のカルボン酸類からなる。2価カルボン酸類の具体例としては、(1)マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸;(2)シクロヘキサンジカルボン酸、メチルメジック酸等の炭素数8〜20の脂環式ジカルボン酸;(3)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸;(4)イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアルキルもしくはアルケニルコハク酸;並びに、これら2価カルボン酸の無水物や低級アルキル(メチル、ブチルなど)エステルが挙げられる。これらの中では上記(1)、(3)、(4)およびこれらジカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルが好ましく、(無水)マレイン酸、フマール酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、n−ドデセニル(無水)コハク酸が更に好ましい。3価以上のポリカルボン酸類の具休例としては、(1)1、2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸;(2)1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の炭素数9〜20の脂環式ポリカルボン酸;(3)1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸および1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸;並びにこれらの無水物や低級アルキル(メチル、ブチル等)エステルが挙げられる。3価以上のポリカルボン酸類を用いる場合、これらの中では(3)およびその無水物や低級アルキルエステルが好ましいが、光沢や透明性が低下する傾向となるため、使用量は少量とすベきである。
また多価アルコール成分としては、2価アルコール類としては、例えば(1)エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜12のアルキレングリコール;(2)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール類;(3)1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の炭素数6〜30の脂環式ジオール:および(4)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;並びに、(5)上記ビスフェノール類のアルキレンオキシド(EO、PO、ブチレンオキシド等)2〜8モル付加物を挙げることができる。(B2)を用いる場合、これらのうち(1)及び(5)が好ましく、(5)が更に好ましい。
また、上記(5)の中では、特にビスフェノールAのEO及び/又はPO2〜4モル付加物がトナーに良好な耐オフセット性を与える点で好ましい。3価以上のアルコール類の具体例としては、(1)ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の炭索数3〜20の脂肪族多価アルコール:(2)1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼン等の炭素数6〜20の芳香族多価アルコール:並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物を挙げることができる。3価以上のアルコール類を用いる場合、これらの中では(1)の化合物が好ましく、その中でも安価な点からグリセロール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールが好ましいが、光沢や透明性が低下する傾向となるため、使用量は少量とすべきである。
本発明のカラートナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を使用することができる。
本発明のカラートナーは必要に応じ荷電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.BasicRed 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクローライド、デシルトリメチルクローライド、等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
本発明のトナーにおいては、シリカや酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子や樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性をさらに向上させることができる。転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すこととトナー表面が微粒子で覆われることにより接触面積が低下することによりこの効果が得られる。これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05〜1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。
上記の無機微粒子と併用して、比表面積20〜50m2/gのシリカや平均粒径が母体トナーの平均粒径の1/100〜1/8である樹脂微粒子のように従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。これはトナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができるためである。
上記した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られるとともに耐久性も向上する。
なお、ここで用いる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も使用可能である。この他クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪属金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
本発明のカラートナーを二成分現像剤用として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる。この場合のキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、ニッケル粉、ガラスビーズ等、及びこれらの表面を樹脂などで被覆処理した物などが挙げられる。キャリアの表面を被覆する樹脂としては、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂等が用いられる。キャリアの粒径は体積平均粒径で25〜200μmが好ましい。またトナーとキャリアの使用割合はそれぞれの粒径にもよるが、通常重量比で1:99〜10:90程度である。
本発明の製造方法は、少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤および顔料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。また顔料の分散性を向上させるために顔料をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理しても良い。
ここでいう製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは、副製品1に対しその他原材料99から、副製品50に対しその他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤および顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、1軸、2軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。
本発明のトナーの製造法は従来公知の方法が適用できるが、トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、2.5〜20μmに粒度調整される。次いで、外添剤の母体トナーへ外添が行われるが、母体トナーと外添剤をミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要である。
トナーのTHF可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布においてピークトップ分子量Mpの測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準とし、以下の条件で行った。
検出器 SHODEX RI−71S
溶剤 テトラヒドロフラン
カラム KF−G+KF−807Lx3+KF800D
流速 1.0mL/分
試料 0.25%THF溶液
本発明のレオロジー特性は以下の方法により測定される。
粘弾性測定装置(レオメーター)RDA−II型(レオメトリックス社製)を用いて測定を行う。
測定治具:直径7.9mmのパラレルプレートを使用する。
測定試料:トナーまたは結着樹脂を加熱,溶融後に直径約8mm,高さ2〜5mmの円柱状試料に成型して使用する。
測定周波数:0.001Hzから100Hzまで
測定歪の設定:初期値を0.1%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
試料の伸長補正:自動測定モードにて調整。
〔樹脂のガラス転移点並びに離型剤の融点及び吸熱量〕
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
(実施例)
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜5に使用の樹脂合成例
線状ポリエステル樹脂L1の合成
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.9モル、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.1モル、イソフタル酸0.9モル、フマル酸2.1モル、ジオレイロキシ錫4gを窒素雰囲気下、230℃で攪拌しつつ、10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ取り出し、室温まで冷却後粉砕した。樹脂L1のガラス転移点は65℃であった。
線状ポリエステル樹脂L2の合成
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モル、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3モル、テレフタル酸1.8モル、フマル酸1.2モル、ジ酢酸錫6gを窒素雰囲気下、230℃で攪拌しつつ、10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ取り出し、室温まで冷却後粉砕した。樹脂L2のガラス転移点は66℃であった。
線状ポリエステル樹脂L3の合成
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.15モル、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.85モル、テレフタル酸1.1モル、アジピン酸1.6モル及びオクチル酸錫7gを窒素雰囲気下、230℃で攪拌しつつ、10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ取り出し、室温まで冷却後粉砕した。樹脂L3のガラス転移点は65℃であった。
線状ポリエステル樹脂L4の合成
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2モル、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2モル、テレフタル酸3.9モル、トリメリット酸0.1モル及びオクチル酸錫5gを窒素雰囲気下、230℃で攪拌しつつ、10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ取り出し、室温まで冷却後粉砕した。樹脂L4のガラス転移点は60℃であった
非線状ポリエステル樹脂H1の合成
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.5モル、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.5モル、テレフタル酸2.0モル、トリメリット酸0.5モル、マレイン酸1.5モル及びオクチル酸錫5gを入れ 230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ、180℃に冷却し、無水トリメリット酸1モルを加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂H1を得た。樹脂H1のガラス転移点は66℃であった。
比較例1〜4の樹脂合成例
線状ポリエステル樹脂LX1の合成
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.2モル、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.8モル、アルケニルコハク酸1.5モル、アジピン酸1.5モル及びジブチル酸錫3gを窒素雰囲気下、230℃で攪拌しつつ、10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ取り出し、室温まで冷却後粉砕した。樹脂LX1のガラス転移点は66℃であった。
マスターバッチの作製
表1の処方にて、線状ポリエステル樹脂を使用して、顔料、ポリエステル樹脂、純水を1:1:0.5の割合で、混合し、2本ロールにより混練した。混練温度Mtは、表1記載の条件にて行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させマスターバッチM1〜M5を予め作製した。
Figure 2007206467
(実施例1)
シアントナー処方:
線状ポリエステル樹脂L1 60部
非線状ポリエステル樹脂H1 10部
マスターバッチ(M1−C) 20部
オリエント化学工業社製E−84(サリチル酸亜鉛(III)錯体) 20部
WE−3(直鎖エステルワックス:日本油脂、融点73℃) 8部
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M1−M)18部とし、線状ポリエステル樹脂L1を62部にした以外はシアントナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M1−Y)20部にした以外はシアントナー処方同一。
ブラックトナー処方:
線状ポリエステル樹脂L1 70部
非線状ポリエステル樹脂H1 10部
カーボンブラック(C60:キャボット) 10部
オリエント化学工業社製E−84(サリチル酸亜鉛(III)錯体) 2部
WE−3(直鎖エステルワックス:日本油脂) 8部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が5.5μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−2000:ワッカー(株)製]2.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度5%で混合し本発明の現像剤を得た。
(実施例2)
シアントナー処方:
マスターバッチを(M1A−C)20部とした以外は実施例1のシアントナー処方同一。
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M1A−M)18部とした以外は実施例1のマゼンタトナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M1A−Y)20部にした以外は実施例1のイエロートナー処方同一。
ブラックトナー処方:実施例1のブラックトナー処方同一。
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が6.5μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−1303VP:ワッカー(株)製]2.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度5%で混合し本発明の現像剤を得た。
(実施例3)
シアントナー処方:
線状ポリエステル樹脂L2 50部
非線状ポリエステル樹脂H1 20部
マスターバッチ(M2−C) 20部
オリエント化学工業社製E−84(サリチル酸亜鉛(III)錯体) 3部
WA−1(アミドエステルワックス:日本油脂、融点95℃) 7部
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M2−M)18部とした以外はシアントナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M2−Y)20部にした以外はマゼンタトナー処方同一。
ブラックトナー処方:
線状ポリエステル樹脂L2 60部
非線状ポリエステル樹脂H1 20部
カーボンブラック(C60:キャボット) 10部
オリエント化学工業社製E−84(サリチル酸亜鉛(III)錯体 ) 3部
WA−1(高純度アミドワックス:日本油脂、融点95℃) 7部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が4.5μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−1303VP:ワッカー(株)製]3.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度7%で混合し本発明の現像剤を得た。
(実施例4)
シアントナー処方:
線状ポリエステル樹脂L3 70部
マスターバッチ(M3−C) 20部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
カルナバワックス(東亜化成、融点80℃) 8部
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M3−M)18部とした以外はシアントナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M3−Y)20部にした以外はマゼンタトナー処方同一。
ブラックトナー処方:
線状ポリエステル樹脂L3 80部
カーボンブラック(C60:キャボット) 10部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
カルナバワックス(東亜化成、融点80℃) 8部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が7.5μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−3004:ワッカー(株)製]1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度4%で混合し本発明の現像剤を得た。
(実施例5)
シアントナー処方:
線状ポリエステル樹脂L4 30部
非線状ポリエステル樹脂H1 40部
マスターバッチ(M3−C) 20部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
カルナバワックス(東亜化成、融点80℃) 8部
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M3−M)18部とした以外はシアントナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M3−Y)20部にした以外はマゼンタトナー処方同一。
ブラックトナー処方:
線状ポリエステル樹脂L3 80部
カーボンブラック(C60:キャボット) 10部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
カルナバワックス(東亜化成、融点80℃) 8部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が7.5μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−3004:ワッカー(株)製]1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度4%で混合し本発明の現像剤を得た。
(比較例1)
シアントナー処方
線状ポリエステル樹脂LX1 70部
マスターバッチ(M5−C) 20部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
カルナバワックス(東亜化成、融点80℃) 8部
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M5−M)18部とした以外はシアントナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M5−Y)20部にした以外はマゼンタトナー処方同一。
ブラックトナー処方:
線状ポリエステル樹脂LX1 80部
カーボンブラック(C60:キャボット) 10部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
カルナバワックス(東亜化成、融点80℃) 8部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が7.0μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−3004:ワッカー(株)製]1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度4%で混合し本発明の現像剤を得た。
(比較例2)
シアントナー処方
線状ポリエステル樹脂LX1 70部
マスターバッチ(M6−C) 20部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
WE−4(分岐エステルワックス、日本油脂、融点70℃) 8部
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M6−M)18部とした以外はシアントナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M6−Y)20部にした以外はマゼンタトナー処方同一。
ブラックトナー処方:
線状ポリエステル樹脂LX1 80部
カーボンブラック(C60:キャボット) 10部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
WE−4(分岐エステルワックス、日本油脂、融点70℃) 8部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が7.0μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−3004:ワッカー(株)製]1.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度4%で混合し本発明の現像剤を得た。
(比較例3)
シアントナー処方
線状ポリエステル樹脂LX1 70部
マスターバッチ(M7−C) 20部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
NP055(三井化学、ポリプロピレン−ポリエチレン共重合体、融点125℃)8部
マゼンタトナー処方:
マスターバッチを(M7−M)18部とした以外はシアントナー処方同一。
イエロートナー処方:
マスターバッチを(M7−Y)20部にした以外はマゼンタトナー処方同一。
ブラックトナー処方:
線状ポリエステル樹脂LX1 80部
カーボンブラック(C60:キャボット) 10部
保土ヶ谷化学工業社製TN−105(サリチル酸ジルコニウム(III)錯体) 2部
NP055(三井化学、ポリプロピレン−ポリエチレン共重合体、融点125℃)8部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、2軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し体積平均粒径が5.0μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[H−3004:ワッカー(株)製]3.0部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナーを得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度7%で混合し本発明の現像剤を得た。
(トナー評価方法)
ホットオフセット発生温度
リコー製カラー複写機リコー製imagio neo C385を改造し、定着ベルトには、オイルを塗布しない条件とした。定着ベルトの温度を5℃づつ変化させ、オフセットの発生し始める温度を測定した。定着紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000<70Wを用いた。評価結果は以下のように表した。
定着ベルトの条件を以下に記載する。
定着ベルト:ベルト径:Φ60、基体:約40μm厚のニッケル、離型層:約150μmのシリコンゴムにPFAを20μm被覆
ベルト張力:1.5kg/片
ベルト速度:180mm/sec
定着ニップ幅:10mm
ヒーター出力:加熱650W、加圧400W
定着圧(全圧):40Kg
光沢度
上記リコー製カラー複写機リコー製imagio neo C385改造機を用いて、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像される様に調整を行ない、定着ベルト表面温度が150℃の時のベタ画像サンプルの光沢度を、日本電色工業株式会社製のグロスメーターを用いて、入射角度60°の条件で計測した。定着紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000<70Wを用いた。
光沢ムラ
上記光沢度測定方法同様の方法にて、は定着ベルト表面温度が150℃の時の値を光沢度とし、光沢ムラとしては定着ベルト表面温度が170℃のときと、150℃のときの比:光沢度(170℃)/光沢度(150℃)の比率をとった。この比が1.0に近いほど、光沢ムラのない均一な画像がえられる。
光沢ムラ評価ランク
◎:優れている 光沢度(170℃)/光沢度(150℃)の比率が1.0〜3.0
○:普通 光沢度(170℃)/光沢度(150℃)の比率が3.1〜5.5
△:悪い 光沢度(170℃)/光沢度(150℃)の比率が5.6〜6.5
×:かなり悪い 光沢度(170℃)/光沢度(150℃)の比率が6.5以上
定着性
ホットオフセット発生温度の評価に用いたリコー製カラー複写機リコー製imagio neo C385改造機を用い、定着ベルトの温度を5℃づつ変化させ、コピーを行い定着画像を得る。
定着後の画像にメンデイングテープ(3M社製)を貼り、一定の圧力を掛けた後、ゆっくり引き剥がす。その前後の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、次式にて定着率を算出する。定着ローラの温度を段階的に下げて、下記式で示す定着率が80%以下となるときの温度を定着温度とする。画像濃度とは、テープ付着前の濃度である。
定着率(%)=テープ引き剥がし後の画像濃度/画像濃度×100
トナー補給性
実施例1〜5、比較例1〜3のトナーを図1記載のトナー収納容器に充填し、図3の画像形成装置に装備して評価した結果を表2に記載した。トナー収納容器としては、ポリエステルフィルムで厚さ90μmの単層構成とした85%減容する袋状容器とした。
(評価方法)
以下の表に示したトナー供給装置とトナーを組み込んだ評価機を50℃24時間の環境下保存後、トナーエンド検知が働くまでまで(トナー供給量がなくなるまで)画像出しを行った。
◎:トナーエンドまで変化無く、トナーエンド時のトナー収納容器に残存しているトナーが1g未満であった。
○:トナーエンドまで変化無いが、トナーエンド時のトナー収納容器に残存しているトナーが1〜5gであった。
△:トナーがまだトナー収納容器に大量に残存しているのにトナーエンドが点灯したが、振ったら回復した。
×:トナーがまだトナー収納容器に大量に残存しているのにトナーエンドが点灯し、振っても回復しなかった。
実施例1〜5、比較例1〜3の結果を表2に示す。
Figure 2007206467
本発明のカラートナーを使用することによって、離型剤を含有するカラートナーであってもトナーの凝集性が良好であり、光沢性が高く、画像ムラが発生せず、粉体ポンプを用いるトナー補給装置でスムーズなトナー補給が可能なトナーを得ることができる。
本発明のトナーが用いられるトナー補給装置の構成を示す概略図である。 本発明の画像形成装置を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 プロセスカートリッジ
4 露光装置
5 現像装置
6a 中間転写ベルト
6b 支持ローラ
6c 支持ローラ
6d 支持ローラ
6e 一次転写ローラ
6f ベルトクリーニング装置
6g 二次転写ローラ
8 定着装置
100 画像形成装置
109 給紙カセット
110 給紙ローラ
111 レジストローラ
112 排紙ローラ
115 移送チューブ
120 トナー補給装置
121 トナー収納容器
122 口金部材
123 受け部材
124 ストッパ
130 エアポンプ
131 エアパイプ
140 粉体ポンプ
141 ロータ
142 ステータ
150 セット部
150a 下部部材
151 駆動軸
152 ジョイント
153 軸受
154 スプリング
154a 固定板

Claims (8)

  1. 結着樹脂が無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂と、少なくとも着色剤と離型剤からなる静電荷像現像用二成分フルカラートナーにおいて、
    前記静電荷像現像用二成分フルカラートナーは、離型剤の融点をWtm(℃)とし、ポリエステル樹脂のガラス転移点をRtg(℃)としたときに、
    5<Wtm−Rtg<30・・・式(1)
    の関係にあり、
    かつ、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数0.01HzでのWtm℃の測定範囲におけるポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(w)が、1.0×103〜1.0×105Paの範囲にある
    ことを特徴とする静電荷像現像用二成分フルカラートナー。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーにおいて、
    前記静電荷像現像用二成分フルカラートナーは、
    マスターバッチが、着色剤と、無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂と、を混練してなり、
    混練温度をMt(℃)としたときに、レオメーターによる周波数掃引法にて周波数0.01HzでのMt℃の測定範囲におけるマスターバッチ用ポリエステル樹脂の貯蔵弾性率G’(m)が1.0×102〜5.0×104Paの範囲にある樹脂を使用したマスターバッチであり、
    前記マスターバッチを使用して作製する
    ことを特徴とする静電荷像現像用二成分フルカラートナー。
  3. 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーにおいて、
    前記静電荷像現像用二成分フルカラートナーは、前記無機スズ(II)化合物がオクチル酸スズである
    ことを特徴とする静電荷像現像用二成分フルカラートナー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーにおいて、
    前記静電荷像現像用二成分フルカラートナーは、ポリエステル樹脂が架橋成分を含有しない
    ことを特徴とする静電荷像現像用二成分フルカラートナー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーにおいて、
    前記静電荷像現像用二成分フルカラートナーは、前記トナーのGPCにより測定した重量平均分子量Mwが、5000〜9000の範囲にある
    ことを特徴とする静電荷像現像用二成分フルカラートナー。
  6. トナー収納容器は、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーが充填されたトナー収納容器であり、
    少なくともトナー排出口と容器本体とを有し、
    前記容器本体が可撓性で、減容する体積が60%以上である
    ことを特徴とするトナー収納容器。
  7. 感光体と、帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、
    前記プロセスカートリッジは、前記現像手段が、トナーを保持し、
    前記トナーが、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーである
    ことを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
  8. 潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナ−を供給し可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備え、かつ トナーを自動的に供給するポンプ手段と、このポンプ手段に連結して設けられたトナー収納容器と、このトナー収納容器に収納されているトナーを流動化させるための空気供給手段と、を備えるトナー補給装置を備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の静電荷像現像用二成分フルカラートナーを用いる
    ことを特徴とする画像形成装置。
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