JP5112762B2 - 定着方法と装置及び静電荷像現像用トナー - Google Patents

定着方法と装置及び静電荷像現像用トナー Download PDF

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Description

本発明は、内部にヒータを有する中空円筒より成る定着ローラと、これに圧接し、外周に耐熱性ゴム層を有し、内部に加圧軸を有する中空円筒より成る加圧ローラとよりなり、上記の加圧軸に加圧ローラの円筒内面を押圧する環状押圧部材を有する、静電記録のヒートローラ定着方法および定着装置に関する。
電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ等の静電記録装置の定着装置としては、図1に例示する如く、ヒータ(2)を内蔵する定着ローラ(1)と、これに圧接し、外周面に耐熱性ゴム層(3−2)を有する加圧ローラ(3)とよりなるヒートローラ定着装置が広く採用されている。
ところで、特に定着すべき転写紙の幅が広い大サイズの複写機では、定着ローラ、加圧ローラの長さが大きくなるので、重量の軽減、熱容量の低減等の目的から、両ローラの芯金(1−1),(3−1)は図1に示す如く、薄肉中空円筒として構成される場合が多い。しかし、広幅の定着装置になると、ローラの両端軸受間のスパンが長くなるため、両端部で加圧すると、加圧ローラが加圧力によってたわみ、定着ローラ(1)と加圧ローラ(3)との間のニップ幅の長さ方向の分布が図2に示す如く、両端で広く、中央部で狭くなり、その結果転写紙に与えられる熱量が両端部より中央部で少なくなって定着性にムラが出来たり、また用紙の搬送力が中央部と両端部で差が出来てシワが発生したりする。
これを防止するため、中空円筒として形成された定着ローラ(1)および加圧ローラ(3)の芯金(1−1),(3−1)の肉厚を厚くして剛性を大きくすると、芯金の質量が大きくなり、加熱の立上り時間が長くなるという欠点を生ずる。
この問題に対する対策として、例えば特許文献1(実開昭58−154962号公報)には、加圧ローラの形状を両端部で中央部より僅かに径を大きくしたつづみ型の中空円筒とし、その内部に加圧軸を設け、その中央部に1個の軸受を設けて加圧ローラを支持し、加圧軸の両端に印加された押圧力を加圧軸及び該軸受を介して加圧ローラに伝達し、両ローラが全長にわたって概ね均一な押圧力で圧接するようにした定着装置が提案されている。
これらの定着装置では、定着ローラから加圧ローラ芯金に伝えられた熱は軸受を介して加圧軸に伝達されるため、軸受が当接する付近の加圧ローラの表面温度がその近傍の温度に較べて、例えば5℃程度低下し、定着ムラを惹起する原因となる。
さらに、定着装置の加圧ローラが帯電し、このため転写紙が静電気により加圧ローラに巻付いてジャムになったり、画像が散ったりする欠点を免れない。特許文献2(特開平1−250979号公報)においてはこれらの問題を解決するために特定の押圧部材を有する定着装置が提案され、広幅の定着装置においても均一なニップ幅分布が得られているが、定着ローラ劣化により分布の均一性が悪化し、定着不良が発生することが十分に改良できていない。
実開昭58−154962号公報 特開平1−250979号公報
従って、本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、広幅の定着装置においても均一なニップ幅分布が得られ、また定着ローラ劣化により分布の均一性が悪化しても、定着不良が発生しない定着方法及び定着装置を提供することにあり、そのために特に適した荷電調節剤と特定トナーとの組合せを提供することをも包含する。
上記課題は、本発明の(1)「トナーによる画像が転写された記録媒体を、定着部材のニップ部を通過させることにより、前記トナー画像を前記記録媒体に定着させる定着方法において、該定着部材は、定着ローラとこれに当接して前記ニップ部を形成する加圧ローラとを有し、該定着ローラは内部にヒータを有する中空円筒より成り、該加圧ローラは外周に耐熱性ゴムを有し内部に加圧軸を有する中空円筒より成り、前記加圧軸には軸受けを介して前記加圧ローラの円筒内面を押圧する環状押圧部材が2個設けられており、ローラの長さをLとした場合、該2個の押圧部材の加圧ローラ各端面からの距離Sが、1/5L乃至2/5Lの範囲にあるものであり、また、前記トナーは、少なくとも多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られるポリエステル樹脂と荷電制御剤を含有し、該ポリエステル樹脂は前記多価カルボン酸成分としてフマル酸を含有し、該荷電制御剤はジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸又はその塩からなるジルコニウム化合物であり、トナー中の芳香族オキシカルボン酸量が20〜100ppmの範囲にあるものであることを特徴とするトナー像の定着方法」、
(2)「前記多価カルボン酸成分におけるフマル酸の含有量が50〜90モル%であることを特徴とする前記第(1)項に記載の定着方法」、
(3)「前記ポリエステル樹脂が無機スズ(II)化合物を触媒として含有するものであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の定着方法」、
(4)「前記環状押圧部材が断熱性かつ導電性の材料よりなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の定着方法」、
(5)「前記荷電制御剤は、X線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークを有さないものであることを特徴とする前記(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の定着方法」、
(6)「前記荷電制御剤における芳香族オキシカルボン酸又はその塩が3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸である前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の定着方法」、
(7)「前記トナーのトナー粒子は、重量平均粒径が3.0〜8.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.20〜1.40の範囲にある前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の定着方法」、
(8)「前記トナーのトナー粒子は、重量平均粒径が3.0〜5.5μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.20〜1.35の範囲にある前記第(7)項に記載の定着方法」により達成される。
以下の詳細かつ具体的な発明から明らかなように、本発明により、広幅の定着装置においても均一なニップ幅分布が得られ、また定着ローラ劣化により分布の均一性が悪化しても、定着不良が発生しない定着方法並びに装置、及び、そのために特に適した荷電調節剤と特定構成のトナーとの組合せが得られるという優れた効果を奏するものである。
[定着装置]
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図3は、本発明の定着装置のローラ部分を示す斜視図である。定着ローラ(1)はアルミニューム又は鉄などの金属製芯金(1−1)の表面にフッソ樹脂などの耐熱性樹脂をコーティングしたもので、内部にヒーター(2)が設けられ定着ローラ(1)の表面温度は150℃乃至190℃の範囲に制御されている。加圧ローラ(3)は、同じく金属製の芯金(3−1)の上にシリコン系などの耐熱性ゴム層(3−2)を一体的に成型したもので、その内部には加圧軸(4)が設けられている。加圧軸(4)には、スラスト方向が固定されている2個の軸受(5)が取付けられており、加圧軸(4)の両端に加えられる加圧力は、加圧軸(4)から押圧部材としての両軸受(5)により加圧ローラ(3)を介して定着ローラ(1)に伝えられる。また、加圧ローラ(3)の両端部には、すべり軸受(6)を介して位置決めスリーブ(7)が挿入されている。
図4は、定着装置の側面図である。スリーブ(7)には凸部(7−1)が設けられ、これが本体側板(33)の切欠き溝(33−1)の下端の両ローラ(1),(3)の中心を通る直線に平行な切欠き溝(33−2)に嵌合する。又、スリーブ(7)にはタップ(7−2)が設けられ、本体側板の切欠き溝(33−1)の両側の縁に沿って加圧ローラ(3)を案内するスライドシュー(34)が、本体側板(33)を挟んでタップ(7−2)によりスリーブ(7)に固定される。切欠き溝(33−1)の両側縁も、両ローラ(1),(3)の中心を通る直線に平行になっている。このような構造により、加圧ローラ(3)は、側板(33)に位置決め・支持されている定着ローラ(1)の軸心の方向にのみ動くことができる。一方、加圧軸(4)は、加圧スプリング(31)によって付勢される加圧レバー(32)によって定着ローラ(1)の方向に加圧される。そしてその両端は、スリーブ(7)を貫通し、側板(33)の切欠き溝(33−1)の両側縁により加圧力と直角方向の位置が決められている。この結果、両端に加えられる加圧力は同一ベクトル方向になり、加圧力に不均衡が生じない。
次に以上の如き構成の加圧方法による場合の作用について説明する。ローラの両端を支持し、ローラが等分布荷重を受ける時のローラの中央点のたわみをymaxとすると
Figure 0005112762
となる。ここで、wは単位長さ当りの荷重、Lはローラ長さ、Eは縦弾性係数、D1はローラ外径、D2はローラ内径である。一方、機械の立上り時間をtとすると、tは、ローラの熱容量と加熱源容量との関係から、
Figure 0005112762
で与えられる。ここで、Mはローラ質量、ΔTはコールド状態からローラが所定の温度になるまでの温度差、Cpはローラ材料の比熱、Wはヒータのワット数、ηは効率である。以上から、ローラの肉厚を増やし曲げ剛性(EI)を大きくすると、ローラのたわみは小さくなるがローラ質量が増加し立上り時間tが長くなる。
この関係をある定着装置の定着ローラについて計算した結果を図5および図6に示す。図5は、芯金肉厚に対するたわみ量と立上り時間の関係を示し、図6はたわみ量と立上り時間との関係を示す曲線図である。
立上り時間は短い程機械の性能として良いことになるので、ローラの中央部分のニップ巾をとるためにローラの剛性を大きくすることはできない。本実施例では、前述の如く、加圧ローラ(3)の内部に加圧軸(4)を設け、加圧ローラ(3)の中間部分に設けた2個の軸受(5)を介して加圧力を加圧ローラ(3)から定着ローラ(1)に伝える方法を採用している。このようにすれば、軸受(5)の二点で加圧力を加えるので、図7に示す如く、定着ローラ(1)はたわむが加圧ローラ(3)はたわまず、従って定着ローラの肉厚が薄くても定着に必要なニップ巾を得ることができ、良好なニップ分布を達成することができる。
ところで、複写機の扱う用紙のサイズが大きくなり、定着装置のローラの全長が例えば1,000mmにもなった場合は、ローラ自体の振れの影響も無視できなくなる。
図8は、加圧ローラ(3)に0.2mm位の振れがある場合に、加圧位置(矢印位置)を変えたときの加圧ローラ(3)の1/6回転ごとのニップ幅の分布を示す。本実施例の場合、加圧ローラ(3)の全長は1000mm位になるので、加圧ローラの振れを考慮に入れる必要がある。図8(a)は加圧ローラ(3)の中央部を加圧した場合である。この場合には加圧ローラ(3)の振れの影響により、ニップ分布は回転角度によって大きく変化している。特に、角度によっては中央部分のニップ巾が端部より大きくなっているので、中央部の搬送速度が両端部より速くなり紙しわが発生する問題が生ずる。図8(b)乃至(d)は、加圧位置をローラ端部から全長Lの2/5乃至1/5にした場合を示す。この場合には、ニップ分布が角度により大きく変らず、振れの影響が少なくなっている。又、ニップ巾が中央部より両端部で大きくなっているので、中央部より両端部で搬送速度が速くなり、この結果紙しわを伸ばす効果が生じ、これにより定着紙に均一な熱量が与えられ良好な定着品質が得られる。図8(c),(d)のニップ分布の場合には、定着ローラ自体をつづみ形にしたときに生ずる縦方向のしわを伸ばすつづみ効果と同様の効果が得られ、これにより定着紙に均一な熱量が与えられ良好な定着品質が得られる。しかし、その速度差があまり大きくなると用紙の種類によっては、そのストレスにより用紙の後端が跳ね上り、未定着画像が定着入口ガイド板に擦られて画像が乱れたり、肋骨ジワが出る等の問題が発生する。なお図8(d)の場合には中央部分でニップ巾が少なくなっているが実用上許容できる範囲である。以上の観点から、2個の軸受(5)は両端部から1/5L乃至2/5Lの範囲が望ましいといえる。
しかし、広幅の定着装置に対しては、通常の熱や圧力による定着ローラ劣化ばかりではなく、はがきサイズなどの小面積サイズの定着紙の使用が多い場合は、通紙部と非通紙部にて定着ローラの劣化状態に大きく分布が発生し、均一なニップ幅と定着熱量が得られなくなってしまうので、さらにトナーの定着温度幅を広く確保しなければならない。
[トナー及び荷電制御剤]
このような劣化した定着ローラにおいても十分な低温定着性と耐オフセット性を得るためには、トナーが少なくとも多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られるポリエステル樹脂と荷電制御剤を含有し、該ポリエステル樹脂は上記多価カルボン酸成分としてフマル酸を含有し、荷電制御剤はジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸又はその塩からなるジルコニウム化合物であり、トナー中の芳香族オキシカルボン酸量が20〜100ppmの範囲にあることにより達成できることが本発明において判明した。これは、つぎのような複合的理由によるものと推測される。
原料モノマーとしてフマル酸を含有したポリエステルは、他のジカルボン酸と比べて、熱伝導性が高く、定着特性に優れたポリエステル樹脂を得ることが出来るとともに、酸成分としての反応性が高いため、樹脂中のアルコール成分由来の単量体、二量体程度の分子量である低分子量成分が少なくなる。
さらに、荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸又はその塩からなるジルコニウム化合物であることにより、芳香族オキシカルボン酸が溶融混練時のエネルギー熱量により、未反応の酸やアルコール成分と水素結合を発生させることができるので、未反応の低分子量成分の低減化が可能となる。特に未反応のアルコール成分は、粘性が高いので、微量ホットオフセットの発生や定着ローラ固着の要因となるが、本発明のトナーはこれらを改善することができるので、広幅の定着装置においても均一な熱量を発生することができる。荷電制御剤の中心金属としてはジルコニウムであることにより、この効果が顕著に得られる。ジルコニウムは電荷密度が高いので芳香族オキシカルボン酸のイオン性が高まり、未反応の酸やアルコール成分との水素結合を発生させることができるからである。中心金属の電荷密度が低いとアルコール成分との水素結合を発生させることができないので、樹脂としての反応性を高めなければならず、例えば仕込み量を減らして攪拌効率を上げたり、反応時間を長くするなど生産性を落とさざるを得なかったり、又は反応末期にエステル化触媒を添加する工程を追加しなければならない。
本発明のトナー中には未反応として残存したアルコール成分は極めて低減できるが、原料モノマーとしてフマル酸を使用したポリエステル樹脂は上述のように優れた品質のトナーを得ることが出来るが、一方でフマル酸の可塑性により、経時で可塑化が発生し、脆くなることで、耐ホットオフセット性が低下してしまう。
このとき、荷電制御剤に起因するフリーの芳香族オキシカルボン酸が20〜100ppmの範囲にあることにより、フリーの芳香族オキシカルボン酸におけるフェノール基とフマル酸のカルボキシル基が定着時の熱エネルギーにより共有結合し、耐ホットオフセット性を向上することができる。20ppm以下ではこの効果が不十分であり、微量ホットオフセットが発生する。100ppmを超えるとフリーの芳香族オキシカルボン酸が定着ローラの表面層を汚染し耐久性が低下する。20〜100ppmの範囲にあることにより実質的に定着ローラの耐久性に影響せず、耐ホットオフセット性を向上することができる。同時に、フリーの芳香族オキシカルボン酸は定着紙との親和性が向上するので低温定着性に対しても有利となる。上記において、多価カルボン酸成分における、フマル酸の含有量は50〜90モル%であることがよい。50モル%未満であると定着性が不十分であり、90モル%を超えると可塑化が顕著となる。さらにポリエステル樹脂の合成触媒は無機スズ(II)化合物であることによりさらに低温定着性が向上する。無機スズ(II)化合物は合成後、熱分解し、ポリエステル中に酸化スズとして分散するので、熱伝導性が向上するためである。有機スズ触媒は反応熱に対する安定性が高いため、合成後、そのまま有機スズとして分散するため、局部的に粘性が高くなり、微量ホットオフセットの発生や定着ローラ固着の要因となってしまう。他の無機金属触媒では反応活性に劣るので未反応モノマーが残存しやすくなり、同様に微量ホットオフセットの発生や定着ローラ固着の要因となってしまう。
前記荷電制御剤はX線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークを有さない、非結晶性の構造であることがよい。結晶性が高いと荷電制御剤としての帯電能力は高まるが、その分凝集性が高まるのでトナー中の均一分散が困難となる。非結晶性の構造であることにより荷電制御剤そのものの帯電能力は低下するものの、凝集性が低いため混練のエネルギーによりトナー中に均一分散できるので、トナー自体の帯電能力や立ち上がり性をそこなうことが無く、さらに溶融混練時のエネルギー熱量により、効率的に未反応の酸やアルコール成分と水素結合を発生させることができるので、さらなる未反応の低分子量成分の低減化が可能となる。とりわけ荷電制御剤における芳香族オキシカルボン酸又はその塩が3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸であることにより帯電立ち上がり性が向上し、トナー中のサリチル酸量が20〜100ppmの範囲にあることによりフマル酸との定着時の熱エネルギーによる共有結合が効果的でありフマル酸に起因する可塑化を改善し、耐ホットオフセット性を向上することができる。
X線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークを有さない、非結晶性の構造の荷電制御剤を得るためには、芳香族オキシカルボン酸などの主原料を溶媒に十分に溶解後、溶液状態で仕込み、アルカリ成分によりあらかじめpH調整した上で、反応中に段階的にさらにpH調整しながら反応を進めることで結晶化せず、連続層の非結晶な荷電制御剤を得ることができる。また、反応前、反応中にpH調整を行うことにより、荷電制御剤における残芳香族オキシカルボン酸が10000ppm未満の荷電制御剤が得られる。
トナーの粒度分布は重量平均粒径が3.0〜8.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.20〜1.40の範囲にあることにより、さらに良好な定着性を得ることができる。さらに好ましくは重量平均粒径が3.0〜5.5μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.20〜1.35の範囲にあることがよい。またこの粒度分布であることで、600dpi以上の微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。
重量平均粒径(D4)が3μm未満では、定着紙の凹凸に入り込んで、定着加圧が達せず、熱量が伝導されないため、低温定着性が得られなかったり、また、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。重量平均粒径(D4)が8μmを超えると、定着時の熱量が瞬時に伝導されなかったり、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。
(D4/D1)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示すが、1.40を超えると分布が広いことで、均一帯電性が得られず画像のかぶりが発生しやすい。1.20未満では粒径分布がシャープではあるが、特にリサイクルシステムを有する装置においてはリサイクルトナーが混入した場合に選択現像性が発生してしまい、リサイクルトナーがいつまでも現像されず、現像機内で滞留し、キャリアスペントの要因となりやすい。
ポリエステルの樹脂の触媒として使用する無機錫(II)化合物としては、Sn−O結合を有する化合物、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物等が好ましく、Sn−O結合を有する化合物がより好ましい。
Sn−O結合を有する化合物としては、オクチル酸酸錫(II)、シュウ酸錫(II)、ジ酢酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジラウリル酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、ジオレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);ジオクチロキシ錫(II)、ジラウロキシ錫(II)、ジステアロキシ錫(II)、ジオレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するジアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(RCOO)Sn(ここでRは炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(RO)Sn(ここでRは炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるジアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(RCOO)Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクチル酸酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)が特に好ましい。本発明のポリエステル製造用触媒とポリエステルとを含有したポリエステル樹脂組成物は、トナーの結着樹脂として用いることができ、ポリエステルはかかる触媒の存在下でアルコール成分とカルボン酸成分とを、不活性ガス雰囲気中にて180〜250℃の温度で、要すれば減圧下で縮重合することにより製造することができる。
ポリエステルを製造する際の無機錫(II)化合物の使用量は、ポリエステルの原料モノマー100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好ましい。従って、無機錫(II)化合物を触媒として得られる本発明のポリエステル樹脂組成物における無機錫(II)化合物の含有量も、ポリエステル100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好ましい。
本発明で用いる離型剤としては、公知のものが使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナバワックス、モンタンワックス、及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することにより、分散効果が高まる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は、10〜30が好ましい。その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。トナーバインダー中に分散させる前の離型剤の体積平均粒径は10〜800μmが好ましい。10μm未満の場合はトナーバインダー中の分散径が小さく離径効果が十分でなくオフセットの不具合を生じた。800μmを超えた場合トナーバインダー中の分散径が大きくなりトナー表面への離型剤の析出が大きくなり流動性および現像機内などへの固着による不具合を生じた。粒径の測定は堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いた。本発明において使用されるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との縮重合反応により得られるものである。
多価カルボン酸成分としては、フマル酸以外には2価カルボン酸類及び必要により3価以上のカルボン酸類からなる。2価カルボン酸類の具体例としては、(1)マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸;(2)シクロヘキサンジカルボン酸、メチルメジック酸等の炭素数8〜20の脂環式ジカルボン酸;(3)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸;(4)イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアルキルもしくはアルケニルコハク酸;並びに、これら2価カルボン酸の無水物や低級アルキル(メチル、ブチルなど)エステルが挙げられる。これらの中では上記(1)、(3)、(4)およびこれらジカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルが好ましく、(無水)マレイン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、n−ドデセニル(無水)コハク酸が更に好ましい。3価以上のポリカルボン酸類の具休例としては、(1)1、2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸;(2)1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の炭素数9〜20の脂環式ポリカルボン酸;(3)1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸および1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸;並びにこれらの無水物や低級アルキル(メチル、ブチル等)エステルが挙げられる。3価以上のポリカルボン酸類を用いる場合、これらの中では(3)およびその無水物や低級アルキルエステルが好ましいが、光沢や透明性が低下する傾向となるため、使用量は少量とすベきである。また多価アルコール成分としては、2価アルコール類としては、例えば(1)エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜12のアルキレングリコール;(2)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール類;(3)1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の炭素数6〜30の脂環式ジオール:および(4)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;並びに、(5)上記ビスフェノール類のアルキレンオキシド(EO、PO、ブチレンオキシド等)2〜8モル付加物を挙げることができる。(B2)を用いる場合、これらのうち(1)及び(5)が好ましく、(5)が更に好ましい。また、上記(5)の中では、特にビスフェノールAのEO及び/又はPO2〜4モル付加物がトナーに良好な耐オフセット性を与える点で好ましい。3価以上のアルコール類の具体例としては、(1)ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の炭索数3〜20の脂肪族多価アルコール:(2)1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼン等の炭素数6〜20の芳香族多価アルコール:並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物を挙げることができる。3価以上のアルコール類を用いる場合、これらの中では(1)の化合物が好ましく、その中でも安価な点からグリセロール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールが好ましいが、光沢や透明性が低下する傾向となるため、使用量は少量とすべきである。
本発明のカラートナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を使用することができる。
本発明のトナーにおいては、シリカや酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子や樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性をさらに向上させることができる。転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すこととトナー表面が微粒子で覆われることにより接触面積が低下することによりこの効果が得られる。これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05〜1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。
上記の無機微粒子と併用して、比表面積20〜50m/gのシリカや平均粒径が母体トナーの平均粒径の1/100〜1/8である樹脂微粒子のように従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。これはトナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができるためである。
上記した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られれとともに耐久性も向上する。
ここで用いる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニューム系カップリング剤も使用可能である。この他クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪属金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
本発明のカラートナーを二成分現像剤用として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる。この場合のキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、ニッケル粉、ガラスビーズ等、及びこれらの表面を樹脂などで被覆処理した物などが挙げられる。キャリアの表面を被覆する樹脂としては、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂等が用いられる。キャリアの粒径は体積平均粒径で25〜200μmが好ましい。またトナーとキャリアの使用割合はそれぞれの粒径にもよるが、通常重量比で1:99〜10:90程度である。
本発明の製造方法は、少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤および顔料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。また顔料の分散性を向上させるために顔料をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理しても良い。
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤および顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。
本発明のトナーの製造法は従来公知の方法が適用できるが、トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、2.5〜20μmに粒度調整される。次いで、外添剤の母体トナーへ外添が行われるが、母体トナーと外添剤をミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要である。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明によるオキシカルボン酸としては公知のものが使用可能であるが下記の一般式(1)で表される化合物が帯電付与能力の点から好ましい。
Figure 0005112762
(但し、R1、R2及びR3は各々水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、塩素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基のいずれかを表す。)
さらに帯電付与の点から以下の具体例のものが好ましい。
Figure 0005112762
本発明の製造方法は、少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤および顔料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。また顔料の分散性を向上させるために顔料をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理しても良い。
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤および顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。
本発明のトナーの製造法は従来公知の方法が適用できるが、トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、2.5〜20μmに粒度調整される。次いで、外添剤の母体トナーへ外添が行われるが、母体トナーと外添剤をミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要である。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜5に使用の樹脂合成例
[樹脂製造例1;樹脂Aの製造]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3.0モル(1050g)、フマル酸2.7モル(313g)、無水1,2,4ベンゼントリカルボン酸58g(0.3モル)及びオクチル酸錫(エステル化触媒)2.4gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、減圧下210℃で7時間反応させて[樹脂A]を得た。得られた樹脂の軟化点は105℃であった。
[樹脂製造例2;樹脂Bの製造]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを1.1モル(385g)、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.9モル(619g)、フマル酸1.5モル(175g)、イソフタル酸1.0モル(167g)、無水トリメリト酸96g(0.5モル)及びシュウ酸錫(エステル化触媒)2.5gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、減圧下210℃で8時間反応させて[樹脂B]を得た。得られた樹脂の軟化点は108℃であった。
[樹脂製造例3;樹脂Cの製造]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを2.5モル(875g)、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.5モル(163g)、フマル酸2.4モル(280g)、無水トリメリト酸115g(0.6モル)及びオクチル酸錫(エステル化触媒)2.5gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、減圧下210℃で8時間反応させて[樹脂C]を得た。得られた樹脂の軟化点は115℃であった。
[樹脂製造例4;樹脂Dの製造]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを2.5モル(875g)、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.5モル(163g)、フマル酸1.2モル(140g)、コハク酸0.9モル(107g)、無水トリメリト酸173g(0.9モル)及びジオクタン酸錫(エステル化触媒)1.1gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、減圧下210℃で8時間反応させて[樹脂D]を得た。得られた樹脂の軟化点は102℃であった。
[樹脂製造例5;樹脂Eの製造]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを1.5モル(525g)、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.5モル(525g)、フマル酸2.9モル(336g)、無水トリメリト酸20g(0.1モル)及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)1.5gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で8時間反応させた後、減圧下210℃で8時間反応させて[樹脂E]を得た。得られた樹脂の軟化点は112℃であった。
[荷電制御剤(I)の製造]
液(I):5−メトキシサリチル酸30部を40℃の水500ccに溶解して溶解液(I)を作成した。
液(II):液(I)へ30℃の水に溶解した25%苛性ソーダを20cc/秒にて攪拌しながらPH5.5〜6.5になるまで滴下し、液(II)を得た。
液(III):別の容器にてオキシ塩化ジルコニウム25部を50℃の水50部に溶解し、液(III)とした。前述の液(II)に10cc/秒にて液(III)を攪拌しながら全量添加後、追加で50℃の水を添加し総量を1000ccとした。攪拌しながら90℃まで昇温した後で、25%苛性ソーダ水を10分ごとに10ccずつ5回に分けて添加しながら、PH7.5〜8.5に調整後、2時間攪拌して反応した。反応液を30℃/分の速度にて30℃まで冷却後、得られた白色沈殿物を80〜85℃の加温水で水洗、濾過後、乾燥を1サイクル繰り返し、サリチル酸量が5300ppmの[荷電制御剤(I)]を得た。[荷電制御剤(I)]はX線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークを有さなかった。
[荷電制御剤(II)の製造]
液(I)にて5−メトキシサリチル酸30部を3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸50部に変更した以外は[荷電制御剤(I)]と同一の方法で得られた白色沈殿物を80〜85℃の加温水で水洗、濾過後、もう1サイクル水洗、濾過後、乾燥し、サリチル酸量が2500ppmの[荷電制御剤(II)]を得た。[荷電制御剤(II)]はX線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークを有さなかった。[荷電制御剤(II)]のX線回折を図9に示す。また倍率10000倍のSEM像を図10に示す。SEM像では明確な結晶形を有さないことがわかる。
[荷電制御剤(III)の製造]
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸30部と25%苛性ソーダ水30部を水500部に溶解し攪拌しながら50℃に加温し、オキシ塩化ジルコニウム25部を水100部に溶解した溶液を攪拌しながら滴下した。同温度で2時間攪拌後室温3〜5℃/分の速度で30℃まで冷却し、25%苛性ソーダ水8部を加えPH7.5〜8.0に調整した。析出した結晶をろ過、水洗後、もう1サイクル水洗、濾過後乾燥し、サリチル酸量が13500ppmの[荷電制御剤(III)]を得た。[荷電制御剤(III)]はX線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークは2θが27.32°、31.68°、45.40°に3本有していた。[荷電制御剤(III)]のX線回折を図11に示す。また倍率10000倍のSEM像を図12に示す。SEM像では平板な結晶形を有していることがわかる。
[実施例1、2]
<トナー母体処方>
樹脂A 81部
荷電制御剤(II) 1部
WEP−3(直鎖エステルワックス:日本油脂) 7部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 10部
[実施例3、4]
<トナー母体処方>
樹脂B 84部
荷電制御剤(I) 2部
WEP−1(直鎖エステルワックス:日本油脂) 7部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 8部
[実施例5]
<トナー母体処方>
樹脂C 85.2部
荷電制御剤(III) 0.8部
ビスコール660P(ポリプロピレンワックス:三洋化成) 3部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 11部
[実施例6]
<トナー母体処方>
樹脂D 80部
荷電制御剤(II) 3部
カルナウバワックス(東亜化成) 6部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 11部
[実施例7]
<トナー母体処方>
樹脂E 83部
荷電制御剤(II) 2部
ビスコール660P(ポリプロピレンワックス:三洋化成) 5部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 10部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、ニ軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練フィードを10kg/hrにて混練温度150℃にて混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し表1記載の粒度分布を有するトナー粒子を得た。
Figure 0005112762
Figure 0005112762
ついで、トナー粒子100部に対し以下の処方にて添加剤をサンプルミルにて混合後、350メッシュで篩い、本発明のトナー1〜7を得た。本発明のトナーと平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度5%で混合し本発明の現像剤1〜7を得た。
[実施例1]:コロイダルシリカ[H-2000:ワッカー(株)製] 3.0部
[実施例2]:コロイダルシリカ[H-1303VP:ワッカー(株)製] 4.8部
[実施例3]:コロイダルシリカ[H-30:クラリアント(株)製] 1.2部
[実施例4]:コロイダルシリカ[H-30:クラリアント(株)製] 0.7部
[実施例5]:コロイダルシリカ[H-1303VP:ワッカー(株)製] 3.8部
[実施例6]:コロイダルシリカ[H-1303VP:ワッカー(株)製] 2.5部
[実施例7]:コロイダルシリカ[R-972:アエロジル(株)製] 1.5部
[定着方法の実施]
リコー製Imagio neo400Wに本発明の図3に記載の定着装置を表1のS、Lの条件に設定して装備して、得られたトナーを投入し、以下の画像評価方法に従い評価を行なった。結果を表1に示す。
画像性の評価は、常温・常湿環境(25℃,60%)で100000枚後画像評価を行なった。
・文字シャープ性・・・約2mm角の「電」の文字を約30倍に拡大し、図13の評価基準に従って判定した。ランク2,4はそれぞれランク1と3,3と5の中間レベルとする。
・画像濃度・・・直径3cm黒べた円の濃度をマクベス濃度計より10点測定し、その平均値とした。
画像濃度・・・直径3cm黒べた円の濃度をマクベス濃度計より10点測定した。
・かぶりは目視評価した。
A:かぶりなし。
B:わずかにかぶり発生するが実用上問題なし。
C:悪い。かぶりひどい。
定着率とホットオフセット性評価方法
上述と同複写装置にてヒーター温度を振ってコピーを行い定着画像を得る。
定着後の画像(トナー付着量:0.85±0.05mg/cm)にメンデイングテープ(3M社製)を貼り、一定の圧力(2Kg)を掛けた後、ゆっくり引き剥がす。その前後の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、次式にて定着率を算出する。定着ローラの温度を段階的に下げて、下記式で示す定着率が80%以下となるときの温度を定着温度とする。(画像濃度=テープ付着前)なお、定着評価を実施する場所としては定着ローラの両端と中央の3ヶ所とした。
Figure 0005112762
同時に直径3cm黒べた円が定着ローラ一周のサイクルでホットオフセットが発生しているかどうかを目視評価した。
<荷電制御剤のX線回折測定条件>
(株)マック・サイエンス製X線回折装置 MXP18を用い、CuKα線を用い次の条件により測定を行う。
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:30mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
発散スリット:0.50deg.
散乱スリット:0.50deg.
受光スリット:0.3mm
走査範囲:2゜〜46゜
X線回折測定はすべて同一条件で実施した。
<トナー及び荷電制御剤中の芳香族オキシカルボン酸定量条件>
試料10gをソックスレーで、THF200mlを用いて3時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートし、真空乾燥機で1時間乾燥後、得られた固形分に蒸留水/アセトニトリル=50/50vol%水溶液2mlを添加し、超音波をかけた後、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、通過液をLC−MSで測定した。
流速:0.2ml/分、
注入量:10マイクロリットル
イオン源 :EI 70eV
検出器 :ブリロッド付円筒四重極 オフアキシス2次電子倍増管
質量 範囲:M/Z 29〜700
カラム :DB−5
L=30m I.D=0.25mm Film=0.25μm
カラム温度:50℃(hold=1min)〜300℃、10℃/min昇温
気化室温度:350℃
カラム圧力:He 100(hold=1min)〜150kPa、2kPa/min昇圧
[比較例1、2]
表2記載の定着装置の条件にてS、Lを設定し、実施例1のトナーを用いて評価した。
[比較例3]
<トナー母体処方>
樹脂B 81.5部
荷電制御剤(II) 0.5部
WEP-3(直鎖エステルワックス:日本油脂) 8部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 10部
[比較例4]
<トナー母体処方>
樹脂C 81部
荷電制御剤(III) 1部
WEP-3(直鎖エステルワックス:日本油脂) 8部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 10部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、ニ軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練フィードを10kg/hrにて混練温度150℃にて混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し表2記載の粒度分布を有するトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に対し以下の処方にてコロイダルシリカを加えサンプルミルにて混合後、350メッシュで篩い、比較例1のトナーを得た。平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度5%で混合し比較例3、4の現像剤3、4を得た。
[比較例3]:コロイダルシリカ[H-2000:ワッカー(株)製] 3.3部
[比較例4]:コロイダルシリカ[H-2000:ワッカー(株)製] 2.8部
[比較例5]
<樹脂製造例;[樹脂L]の製造>
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを1.5モル(525g)、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.5モル(525g)、コハク酸1モル(118g)、マロン酸1.5モル(160g)、無水1,2,4ベンゼントリカルボン酸97g(0.5モル)及びオクチル酸錫(エステル化触媒)2.4gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、減圧下210℃で7時間反応させて[樹脂L]を得た。得られた樹脂の軟化点は101℃であった。
<トナー母体処方>
樹脂L 80部
荷電制御剤(II) 3部
WEP-1(直鎖エステルワックス:日本油脂) 7部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 10部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、ニ軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練フィードを10kg/hrにて混練温度150℃にて混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し表2記載の粒度分布を有するトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に対しコロイダルシリカ[R−972:アエロジル(株)製] 2.5部を加えサンプルミルにて混合後、350メッシュで篩い、比較例5のトナーを得た。平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度5%で混合し比較例5の現像剤5を得た。
[比較例6]
<荷電制御剤(IV)の製造>
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸25.0gを2%NaOH水溶液200mlに溶解させて70℃に昇温させた。一方、硫酸亜鉛七水和物14.4g(0.05mol)を水200mlに溶解させ、この硫酸亜鉛の水溶液を前記3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の水溶液に対し約30分間かけて滴下した。次いで70乃至80℃で2時間反応させた後、pHを7.0±0.5に調整し、反応を終了させ、析出した結晶をろ過、水洗、を3サイクル繰り返し乾燥し、サリチル酸量が9200ppmの[荷電制御剤(IV)]を得た。[荷電制御剤(IV)]はX線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークは2θが5.7°、8.7°及び15.4°に検出された。[荷電制御剤(IV)]のX線回折を図14に示す。
<トナー母体処方>
樹脂L 82部
荷電制御剤(IV) 1部
WEP-1(直鎖エステルワックス:日本油脂) 7部
カーボンブラック(C44 三菱化学) 10部
上記処方と同じになるように材料をへンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、ニ軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練フィードを10kg/hrにて混練温度150℃にて混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し表2記載の粒度分布を有するトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に対しコロイダルシリカ[R−972:アエロジル(株)製] 1.3部を加えサンプルミルにて混合後、350メッシュで篩い、比較例5のトナーを得た。平均粒径50μmのシリコーンコートキャリアをトナー濃度5%で混合し比較例6の現像剤6を得た。
Figure 0005112762
Figure 0005112762
従来のヒートローラ定着装置の概略構成を示す説明図である。 図1の従来装置の別の説明図である。 本発明の実施例である定着装置のローラ部の斜視図である。 定着装置の側面図である。 ローラ芯金肉厚によるローラのたわみ量と立上り時間の関係を示す曲線図である。 たわみ量と立上り時間の関係を示す曲線図である。 ローラ部のニップ分布を示す曲線図である。 加圧ローラに振れがある場合の加圧位置によるニップ分布を示す曲線図である。 荷電制御剤(II)のX線回析を示した図である。 荷電制御剤(II)の倍率10000倍のSEM像を示した図である。 荷電制御剤(III)のX線回析を示した図である。 荷電制御剤(III)の倍率10000倍のSEM像を示した図である。 実施例で用いた文字のシャープ性の評価基準を示した図である。 荷電制御剤(III)のX線回析を示した図である。
符号の説明
1 定着ローラ
1−1 ローラの芯金
2 ヒーター
3 加圧ローラ
3−1 ローラの芯金
3−2 耐熱性ゴム層
4 加圧軸
5 軸受
6 すべり軸受
7 位置決めスリーブ
7−1 凸部
7−2 タップ
31 加圧スプリング
32 加圧レバー
33 本体側板
33−1 切欠き溝
33−2 切欠き溝
34 スライドシュー

Claims (8)

  1. トナーによる画像が転写された記録媒体を、定着部材のニップ部を通過させることにより、前記トナー画像を前記記録媒体に定着させる定着方法において、該定着部材は、定着ローラとこれに当接して前記ニップ部を形成する加圧ローラとを有し、該定着ローラは内部にヒータを有する中空円筒より成り、該加圧ローラは外周に耐熱性ゴムを有し内部に加圧軸を有する中空円筒より成り、前記加圧軸には軸受けを介して前記加圧ローラの円筒内面を押圧する環状押圧部材が2個設けられており、ローラの長さをLとした場合、該2個の押圧部材の加圧ローラ各端面からの距離Sが、1/5L乃至2/5Lの範囲にあるものであり、また、前記トナーは、少なくとも多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られるポリエステル樹脂と荷電制御剤を含有し、該ポリエステル樹脂は前記多価カルボン酸成分としてフマル酸を含有し、該荷電制御剤はジルコニウムと芳香族オキシカルボン酸又はその塩からなるジルコニウム化合物であり、トナー中の芳香族オキシカルボン酸量が20〜100ppmの範囲にあるものであることを特徴とするトナー像の定着方法。
  2. 前記多価カルボン酸成分におけるフマル酸の含有量が50〜90モル%であることを特徴とする請求項1に記載の定着方法。
  3. 前記ポリエステル樹脂が無機スズ(II)化合物を触媒として含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の定着方法。
  4. 前記環状押圧部材が断熱性かつ導電性の材料よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着方法。
  5. 前記荷電制御剤は、X線回折におけるブラッグ角2θが3〜46°の範囲において、半値幅が0.8度以下の結晶性ピークを有さないものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着方法。
  6. 前記荷電制御剤における芳香族オキシカルボン酸又はその塩が3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸である請求項1乃至5のいずれかに記載の定着方法。
  7. 前記トナーのトナー粒子は、重量平均粒径が3.0〜8.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.20〜1.40の範囲にある請求項1乃至6のいずれかに記載の定着方法。
  8. 前記トナーのトナー粒子は、重量平均粒径が3.0〜5.5μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が1.20〜1.35の範囲にある請求項7に記載の定着方法。
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