JP3583281B2 - 一成分現像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法において電気的潜像を現像するための現像方法、特に、一成分現像剤を用いた一成分現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、現像装置としては二成分現像方法および一成分現像方法が知られているが、帯電性能の低下防止および画像形成装置の小型化の観点から、一成分現像方法がよく採用されている。
【0003】
一成分現像方法では現像スリーブに対してトナー規制ブレードが当接するように配置されており、一成分現像剤を、現像スリーブとトナー規制ブレードとの間隙に通過させることにより当該スリーブ上にトナー薄層を形成して帯電を行い、そのまま現像領域まで搬送し、静電潜像担持体上に形成された静電潜像の現像を行っている。詳しくは、例えば、図4に示す一成分現像装置を用いて現像は行われている。
【0004】
すなわち、図4の現像装置は、図示しない駆動手段にて図中CCW方向に回転駆動される駆動ローラ91を含み、この駆動ローラに該ローラの外径より若干大きい内径の可撓性の現像スリーブ92を外嵌してあり、該スリーブはその両端部が背後から押圧ガイド93にて駆動ローラ91に圧接される一方、該圧接にて反対側にできたたるみ部分920が静電潜像担持体(本例では感光体ドラム)PCに柔軟に接触している。また、現像スリーブ92には押圧ガイド93と同じ側からトナー規制ブレード94が当接している。
【0005】
現像スリーブ92の背後にはバッファ室95が、さらにその背後にトナー供給室96があり、バッファ室95にはトナー供給回転部材97(CCW方向回転)が、トナー供給室96にはトナー撹拌・供給回転部材98(時計方向CW回転)がそれぞれ配置してある。さらに、現像スリーブ92の下面には、バッファ室95から外部へトナーが漏れることを防止するための下シール部材99が当接している。
【0006】
この現像装置によると、回転部材98の回転にてトナー供給室96からバッファ室95へ送り込まれたトナーTは、トナー供給回転部材97の回転にて順次、トナー供給領域において、現像スリーブ92表面へ供給される。一方、スリーブ92は、駆動ローラ91の駆動回転に摩擦力にて従動回転しており、これに供給されたトナーTはトナー規制ブレード94と現像スリーブ92との間隙を通過することでブレード94の圧力下に摩擦帯電し、且つ、所定厚さの薄層としてスリーブ表面に保持され、感光体ドラムPCに臨む現像領域へ搬送され、ここで電源921による現像バイアスVBのもとに静電潜像の現像に供される。
【0007】
現像後の余剰トナーTは、スリーブ92の回転に伴って、途中、シール部材99と現像スリーブ92との間を通り、バッファ室95へ戻され、バッファ室95へ戻ったトナーはスリーブ92から離れるようになっている。
【0008】
しかしながら、このような一成分現像方法では、現像に使用されなかったスリーブ上の余剰トナーは、トナー規制ブレードにより摩擦帯電されているため、バッファ室中において完全に離れ難いことから、複写の繰り返しによってスリーブ上に蓄積され、何度も規制ブレードによりストレスを受けるため、トナーがスリーブ上になすり付けられてフィルミングが発生したり、ブレードにトナーの固着が起こってトナー薄層形成能が低下して感光体上にカブリが発生し、良好な現像が行われないという問題が生じている。
【0009】
さらには、上記間隙におけるストレスにより、トナーの劣化、すなわちトナー粒子の小径化およびトナー粒子に外添される流動化剤(例えば、シリカ等)の脱落が起こり、流動性が低下するため、黒ベタ追随性が等が悪化するという問題も発生している。また、小粒径トナー粒子は特に、スリーブから離れ難いため、トナー粒子の小径化によりスリーブフィルミングや感光体カブリ等の問題はより顕著となる。
【0010】
また、小粒径粒子の増加に伴い蓄積トナー粒子は増加することから、新たにスリーブへ供給されるトナーは、本来の規制ブレードによる帯電だけでなく、トナー同士の摩擦によっても帯電するため、正規の帯電極性とは逆極性の帯電トナーが増加し、画質の劣化につながるという問題も生じている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スリーブフィルミングや感光体カブリが発生しにくく、スリーブ上にトナー粒子、特に小粒径トナー粒子が蓄積されにくい、耐固着性に優れた一成分現像方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平均形状係数(SF値)が100〜150であるトナーを、トナー搬送部材に供給する工程、
供給されたトナーを、トナー搬送部材とトナー規制部材との間隙を通過させ、トナーを帯電させるとともに、トナー薄層を搬送部材上に形成する工程、
搬送部材上に形成されたトナー薄層を静電潜像の現像に供する工程、および
現像に供されずトナー搬送部材表面に残ったトナーに、トナー搬送部材表面の現像領域より下流側からトナー供給領域に至る間の位置に当接するよう配置された除電部材によりトナー帯電極性と逆極性の電圧50〜100Vを印加して該トナーを除電し、該トナーを回収する工程
からなる一成分現像方法に関する。
【0013】
本発明は、別の表現をすれば、表面が移動する現像スリーブにトナー供給領域で現像トナーを供給し、供給されたトナーを、現像スリーブ表面に当接するトナー規制ブレードと現像スリーブとの間隙に通過させることにより現像スリーブ表面に帯電トナー薄層として保持して現像領域に搬送し、現像に供し、余剰のトナーを現像スリーブ表面に保持したまま再びトナー供給側に戻す一成分現像方法において、
現像スリーブの表面移動方向において現像領域の下流側からトナー供給領域に至る領域内に、現像スリーブ表面移動方向を横切る方向で現像スリーブ表面の一部または全部に当接するよう配置した除電部材に、トナー帯電極性と逆極性の電圧を50〜100V印加し、
トナー粒子の平均形状係数(SF値)が100〜150であるトナーを用いることを特徴とする一成分現像方法に関する。
【0014】
本発明の発明者等は、このように従来からの一成分現像方法において、上記除電部材にトナー帯電極性と逆極性の特定電圧を印加することで現像に用いられなかったスリーブ上の余剰トナーを除電し、かつトナー粒子として特定平均形状係数を有する球形状のものを用いることにより、トナー粒子、特に小粒径トナー粒子のバッファ室でのスリーブからの解離が促進されることを見いだし、これによってスリーブフィルミングや感光体カブリが発生しにくく、スリーブ上に小粒径トナー粒子が蓄積されにくい、耐固着性に優れた一成分現像方法を提供することが可能となった。
【0015】
以下、本発明の一成分現像方法を採用した一成分現像装置の一例である、図1に示す一成分現像装置を用いて本発明を説明する。
【0016】
図1に示す現像装置は、後述する除電部材119を備えた点を除けば、図4に示す従来現像装置と実質上同構成作用のものである。当該現像装置において、101は駆動ローラ、102は該ローラに外嵌した可撓性の現像スリーブ、103は該スリーブを駆動ローラ101に押圧する押圧ガイド、104は現像スリーブ102に当接したトナー規制ブレード、105はバッファ室、106はトナー供給室、107はバッファ室105に配置したトナー供給回転部材、108はトナー供給室106に配置したトナー撹拌・供給回転部材であり、Tは使用トナーである。駆動ローラ101及び部材107は図中CCW方向に、部材108は図中CW方向にそれぞれ図示しない駆動モータにより回転駆動される。現像スリーブ102において、押圧ガイド103の押圧により反対側にできたたるみ部分120はこの例では複写機の感光体ドラムPC表面に柔軟に接触している。また、109はモルトプレーン等の弾性を有する柔軟な材料で形成された下シール部材であり、バッファ室105からトナーTが外部に漏れることを防止する。
【0017】
除電部材119は、現像スリーブ102の表面移動方向CCWを横切る方向全体にわたって、トナー層102t(図2参照)を介して当接している。すなわち、図2に示す一成分現像装置の斜視図において、除電部材119は現像スリーブ102の長手方向においてそのトナー層全体にわたって接触している。しかしながら、現像スリーブ102の両端部では、トナー規制ブレード104(図1参照、図2においては内蔵されている)の押圧力がスリーブ中央部に対するそれと比べて低く、スリーブ102へのトナー付着量を規制する力が弱いので、スリーブ中央部に何等問題が発生しないときでも、端部に限ってトナー異常付着やフィルミングといった問題が発生することがあるため、除電部材は現像スリーブの両端部におけるトナー層にのみ接触させてもよい。
【0018】
また、除電部材の寸法については、適用される現像装置の寸法に依存するため、適宜設定すればよいが、特に厚さは、上記当接圧力を維持できるよう、通常、0.15〜0.25mm、好ましくは0.2〜0.25mmに設定される。
【0019】
図1に示す現像装置では、除電部材119は現像スリーブ102が感光体ドラムPCに臨む現像領域から下シール部材109に至る間の位置に、現像スリーブ102に当接するように設けられているが、これに限定されるものではなく、現像スリーブ102の回転方向において現像領域より下流側からトナー供給領域に至る部位に設置されていればよい。例えば、除電部材は、下シール部材109からトナー供給領域に至る間の位置に、現像スリーブ102に当接するよう設けられても、下シール部材109に代えて該シール部材の機能も発揮するよう、現像スリーブ102に臨んで設けられてもよい。
【0020】
除電部材はトナーTよりも帯電系列上、該トナーの正規帯電極性と同極性側にかたよった材料で形成してあり、且つ、導電性の良い材料を分散させてある。トナーTよりも帯電系列上、該トナーの正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料としては、負帯電性トナーに対しては、四弗化エチレン樹脂等のフッ素系樹脂を例示でき、また、正帯電性トナーに対してはポリアミド(ナイロン)、シリコン系樹脂を例示できる。これら材料に分散させる導電性良好な材料としては、カーボン、各種導電性金属粒子等のほか、適当な荷電制御物質も例示できる。分散させる導電性の良い材料が硬質のものであるときは、それだけ除電部材の摩耗が抑制されるため好ましい。なお、この「分散」は荷電制御物質等を塗布することも含む概念である。
【0021】
上記の導電性の良い材料は、得られる除電部材の表面が表面抵抗102〜106Ω、好ましくは103〜105Ωを有するよう、上記の樹脂中または樹脂表面に、樹脂100重量部に対して10〜30重量部分散されいてる。表面抵抗が106Ωを越えるとスリーブ上の余剰トナー層から除電部材への電荷の移動が円滑に行われず、バッファ室において余剰トナーがスリーブから離れにくくなるため、スリーブフィルミングや感光体カブリが発生しやすくなる。一方、102Ω未満ではリクが発生し、現像バイアスが不安定になって濃度ムラ等が発生する。
【0022】
このような除電部材には除電バイアス電源191が接続され、トナー帯電極性と逆極性の電圧が印加される。印加電圧、すなわち除電バイアス電位VDは50〜100V、好ましくは50〜80Vである。このように、トナー帯電極性と逆極性の上記除電バイアス電位VDを印加することにより、感光体ドラムPC上の静電潜像の現像後なお現像スリーブ102上に消費されずに残っている余剰トナー層から除電部材へ電荷の移動が円滑に行われる。
【0023】
除電バイアス電位VDがその絶対値において50V未満であると、スリーブ上の余剰トナー層から除電部材への電荷の移動が不十分であるため、バッファ室において余剰トナーがスリーブから離れにくく、スリーブフィルミングや感光体カブリが発生しやすくなる。一方、その絶対値において100Vを越えると除電部材からの電荷注入でトナー層に逆荷電トナーが増加し感光体カブリが発生しやすくなる。
【0024】
なお、図2に示すように現像スリーブ102は、通常、その中央部102a(斜線部)をトナー搬送に使用し、そこにトナー層102tを保持し、両端102bは、該両端からのトナー漏れを防止するためにトナー層を形成しない構成がとられている。従って、除電部材が現像スリーブ102の表面移動方向を横切る方向全体にわたる幅を有する場合には、除電部材は中央部102aにおいてはトナー層102tを介して現像スリーブに当接し、両端102bにおいては現像スリーブに直接的に当接する。このように除電部材を現像スリーブに直接接触させ、現像スリーブに印加される現像バイアス電位VBを0にして現像スリーブ電位を除電部材と同電位VDにすることにより、現像スリーブ上の余剰トナーの除電を促進させることができる。さらには、除電部材と現像スリーブとの間の導通をなくしたり、リークを防止するための絶縁部材が不要となるので、コスト安となる。
【0025】
以上説明した現像装置によると、現像スリーブ102表面に保持されて現像領域において現像に供されたトナーTのうち消費残りの余剰トナーTは、該スリーブ102に接触している除電部材119に接触しつつ該部材とスリーブ102との間を通ってバッファ室105へ戻る。余剰トナーは除電部材を接触通過するとき該部材との摩擦により除電又は逆荷電され、バッファ室105へ戻ったときに現像スリーブ102表面から離れ易い状態とされる。
【0026】
また、除電部材には導電性のよい材料を分散させてあるため該部材とこれに接触通過するトナーTとの摩擦により該除電部材に発生する電荷は、該導電性のよい材料を通じて逃がされ、除電部材への電荷の蓄積が防止される。従って、画像形成を多数回繰り返し、除電部材に現像スリーブ上のトナーが何度接触通過しても、その都度、該トナーは除電又は逆荷電される。
【0027】
本発明の方法を採用した一成分現像装置は上記の現像装置に限定されるものではない。例えば、図1の現像装置においては現像スリーブ102として、駆動ローラの外径よりその内径が大きく弛み部分120が形成されるものを使用しているが、このような弛み部分が形成されない構成、即ち駆動ローラの外径と同等の内径を有する現像スリーブも使用可能である。
【0028】
以上のような本発明の方法を採用した現像装置に装填されるトナーは、平均形状係数(SF値)100〜150、好ましくは100〜140のトナー粒子およびその他所望の添加剤からなっている。トナー粒子のSF値が150を越えると、トナー粒子、特に小粒径のトナー粒子がバッファ室でスリーブから顕著に離れにくくなり、スリーブフィルミングや感光体カブリの原因となる。なお、SF値とは粒子の形状を示す1つの尺度であり、以下の式によって算出される。式中の最大長および面積はイメージアナライザ(ルーゼックス5000;日本レギュレータ社製)によって測定された値である。
【0029】
【数1】
【0030】
(式中、面積はトナーの投影面積の平均値を表し、最大長はトナーの投影像における最大長の平均値を表す。)
【0031】
トナー中に含まれる上記トナー粒子は、少なくともバインダー樹脂および着色剤からなっている。トナー粒子に含有されているバインダー樹脂としては、特に限定されず、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂およびその他の公知の樹脂を単独あるいは混合して使用することができ、その用途に応じて好ましいものを適宜選択して使用すればよい。例えば負荷電性トナーに対してはポリエステル系樹脂を、フルカラートナーに対してはポリエステル系樹脂を、黒色トナーに対してはポリエステル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂を使用することが好ましい。
【0032】
本発明の方法で使用される現像剤において、好ましいポリエステル樹脂はアルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分として使用し、酸成分としてジカルボン酸類を使用して重縮合反応させることにより合成されたものであり、さらに好ましくはアルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を80モル%以上使用し、酸成分としてフタル酸系ジカルボン酸類を90モル%以上使用して重縮合反応させることにより合成されたものを使用することである。
【0033】
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物が好適であり、これらを混合して用いることが好ましい。
【0034】
また、アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物とともに下記ジオールや多価アルコールを若干使用してもよい。このようなアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0035】
ジカルボン酸類としては、フタル酸系のものが好ましく、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸等のフタル酸系ジカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル等を使用することができる。
【0036】
また、フタル酸系ジカルボン酸類とともに脂肪族ジカルボン酸類を使用することができる。使用可能な脂肪族ジカルボン酸類としては、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、炭素数4〜18のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0037】
本発明において使用されるトナー粒子に用いられるバインダー樹脂は、ガラス転移点が55〜75℃、好ましくは58〜70℃、軟化点が95〜120℃、好ましくは100〜118℃、数平均分子量が2500〜6000、好ましくは3000〜5500、重量平均分子量/数平均分子量が2〜8、好ましくは3〜7のものである。ガラス転移点が低くなるとトナーの耐熱性が低下し、また高くなると透光性や混色性が低下する。軟化点が低くなると定着時に高温オフセットが発生し易くなり、高くなると定着強度が低下する。数平均分子量が小さくなると画像を折り曲げた際にトナーが剥離し易くなり、大きくなると定着強度が低下する。また重量平均分子量/数平均分子量が小さくなると高温オフセットが発生し易くなり、大きくなると透光性が低下する。
【0038】
また、バインダー樹脂は、着色剤のバインダー樹脂中での分散性向上の観点から、1.0〜30.0KOHmg/g、好ましくは1.0〜25.0KOHmg/g、より好ましくは2.0〜20.0KOHmg/gの酸価を有するものを用いることが望ましい。これは酸価が1.0KOHmg/gより小さいと分散性向上の効果が小さくなり、30.0KOHmg/gより大きくなると負帯電性が強くなるとともに環境変動による帯電量の変化が大きくなるためである。
【0039】
着色剤としてはシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色等の各種の公知の着色剤を使用することができ、その使用量は従来と同様の値を適用することができる。通常、着色剤はバインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部程度添加される。なお、有色の着色剤を用いる場合には、当該着色剤にマスターバッチ処理またはフラッシング処理を施して、その分散性を向上させることが好ましい。
【0040】
本発明において使用されるトナー中のトナー粒子には上記着色剤以外に、荷電制御剤、オフセット防止剤等の所望の添加剤を添加してもよい。
【0041】
荷電制御剤としては、サリチル酸亜鉛錯体等およびその他の公知の荷電制御剤が使用可能であり、使用目的に応じてその種類を選択すればよい。フルカラー複写用としては無色、白色あるいは薄い黄色の荷電制御剤を使用することが好ましい。黒色複写用としては特に制限されない。荷電制御剤の使用量は使用目的に応じてその量を適宜設定すればよいが通常、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部の範囲で使用される。
【0042】
また、オフセット防止剤としても特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックス等が使用可能である。これは耐オフセット性を向上させるだけではなく、非磁性一成分現像装置におけるトナー規制ブレードや現像スリーブ等に対するトナーの固着の問題をさらに低減させることができる。このようなワックスの添加量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重量部が好ましい。これは添加量が0.5重量部より少ないと添加による効果が不十分となり、5重量部より多くなると透光性や色再現性が低下するためである。
【0043】
本発明の方法で使用されるトナー粒子は上記したバインダー樹脂、着色剤およびその他の所望の添加剤を使用し、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化分散造粒法、カプセル化法等その他の公知の方法により製造することができる。これらの製造方法の中で、製造コストおよび製造安定性の観点からは混練・粉砕法が、上記範囲内のSF値を有するトナー粒子の製造容易性の観点からは混練・粉砕法および懸濁重合法が好ましい。
【0044】
混練・粉砕法は、樹脂および着色剤等のトナー粒子成分をヘンシェルミキサー等の混合機で混合する工程、この混合物を溶融・混練する工程、この混練物を冷却後粗粉砕する工程、この粗粉砕粒子を微粉砕する工程、得られた微粉砕粒子を分級する工程によりトナー粒子を製造する。本発明のトナー粒子は、体積平均粒径を4〜10μm、好ましくは6〜9μmに調整することが画像の高精細再現性の観点から好ましい。本明細書中、トナー粒子の体積平均粒径は、コールターマルチサイザー(コールターカウンター社製)を用い、アパチャー径100μmで測定した値である。
【0045】
上記混練・粉砕法によってトナー粒子を製造する際、トナー粒子のSF値を上記範囲内に制御するにあたっては、SF値が上記範囲内に制御されればいかなる手段を採用してもよく、例えば、粉砕工程における粉砕機として機械式粉砕機を使用し、粉砕時間および粉砕処理回数等の処理条件を適宜設定して粉砕してもよいし、また、粒径6〜9μm程度まで一旦微粉砕処理した後、250〜300℃の熱風による表面改質処理またはハイブリダイゼイションによる処理を施してもよい。熱風による表面改質処理とは所望粒径のトナー粒子に、温度が当該粒子主成分のバインダー樹脂の軟化点以上の熱風を瞬間的に吹き付けることにより、当該粒子表面の角状部分を曲面化させて、SF値を制御する手段であり、ハイブリダイゼイションによる処理とは機械式で粒子同士を衝突させて角状部分を曲面化させて、SF値を制御する手段である。
【0046】
例えば、公知の混練・粉砕法によって得られたフェザーミル1mmパスの粗粉砕粒子を、機械式粉砕機(クリプトロンシステムKTMI型;川崎重工業社製)によって8000〜13000rpmで複数回処理するとSF値120〜150、粒径6〜9μmのトナー粒子が得られる。また、上記粗粉砕粒子をジェットミルIDS;日本ニューマチック社製)により微粉砕した後ハイブリダイゼイション処理するとSF値110〜150、粒径6〜9μmのトナー粒子が得られ、上記粗粉砕粒子をジェットミル(IDS;日本ニューマチック社製)により微粉砕した後、さらに熱風により表面改質処理を施すとSF値100〜150、粒径6〜9μmのトナー粒子が得られる。
【0047】
本発明の方法を採用した現像装置に使用されるトナーには、上述のごとく得られた特定範囲のSF値を有するトナー粒子の他、無機微粒子、樹脂微粒子等の添加剤が外添されることが好ましい。さらに好ましくは繰り返しの複写によってもトナー粒子の表面状態が変化しにくく、トナー特性を維持できる、耐久性、特に帯電安定性の向上の観点から、無機微粒子として特定粒径の小粒径無機微粒子およびチタン酸ストロンチウム微粒子が用いられる。
【0048】
小粒径無機微粒子としては平均一次粒径1〜70nm、好ましくは5〜60nmの無機微粒子を用いることが望ましい。小粒径無機微粒子に使用される材料としては、従来から流動化剤として用いられている様々な材料を使用することができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア(二酸化チタン)、酸化錫、酸化ジルコニウム等を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。小粒径無機微粒子の含有量については、トナー粒子に対して0.3〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%含有されることが望ましい。
【0049】
上記トナー粒子に外添される小粒径無機微粒子としては、平均一次粒径が上記範囲内で異なる2種以上の無機微粒子の混合物を使用することが、さらに好ましい。この場合において、耐環境性および帯電性の向上の観点から、小さい方の無機微粒子および大きい方の無機微粒子、いずれかの無機微粒子がシリカからなっていることが好ましく、さらに好ましくは他方の無機微粒子がチタニアからなっていることである。
【0050】
小さい方の無機微粒子は平均一次粒径が1〜30nmであり、大きい方の無機微粒子は平均一次粒径が40〜70nmであることが望ましい。これら無機微粒子の含有量については、これらの合計含有量が上記の小粒径無機微粒子の含有量になるよう設定されればよいが、小さい方の無機微粒子についてはトナー粒子に対して0.1〜2.0重量%、大きい方の無機微粒子についてはトナー粒子に対して0.1〜2.5重量%の割合で含有されることが望ましい。
【0051】
なお、上記小粒径無機微粒子はシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコン系オイル、シリコンワニス等の従来から使用されている疎水化剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤またはフッ素系シリコンオイル等の処理剤で公知の方法により表面処理されていることが好ましい。
【0052】
無機微粒子として外添されるチタン酸ストロンチウム微粒子は平均一次粒径が0.1〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmであることが望ましい。当該微粒子を含有させることにより、トナー規制ブレードと現像スリーブとの間隙でのトナー粒子や小粒径無機微粒子の蓄積が回避され、たとえ蓄積されたとしても当該蓄積物は当該微粒子による研磨作用により除去されるため(以下、リフレッシュ効果という)、従来から問題となっていたトナー粒子等の蓄積によるトナーの帯電性や形成トナー薄層の不均一化が回避され、良好な複写画像を提供することができる。また、当該微粒子は正帯電性であるため、トナー粒子が負帯電性の場合に当該微粒子のトナー粒子への付着は効果的に行われ、特にトナー帯電安定性に対して大きな効果を有する。さらには、当該微粒子の外添により、感光体の適度な研磨も行われ、クリーニング向上剤としての効果も期待できる。
【0053】
また、チタン酸ストロンチウム微粒子は比較的大粒径であることから、トナー粒子同士の接触確率が低減され、現像時のトナー規制ブレードによる規制や現像装置内での撹拌等の外的ストレスが拡散されるため、トナー粒子表面は直接的に外的ストレスの影響を受けにくくなる。
【0054】
本発明においてチタン酸ストロンチウム微粒子は、凝集性および分散性の観点から小粒径無機微粒子と同様に、上記の疎水化剤により表面処理されていることが好ましい。含有量については、トナー粒子に対して0.3〜3.0重量%、好ましくは0.4〜2.0重量%含有されることが望ましい。
【0055】
本発明の方法を採用した前述の一成分系現像装置は、上述のように所定の除電部材と所定のトナーを備えている。実際に画像を形成するにあたっては、当該現像装置は、例えば、図3に示すようなフルカラー画像形成装置(ここでは、現像装置は4つ収容されている)に搭載され、画像の形成が行われる。図3を参照しながら説明する。
【0056】
図3において、フルカラーレーザビームプリンタは、概略、矢印a方向に回転駆動される感光体ドラム10と、レーザ走査光学系20と、フルカラー現像装置30と、矢印b方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト40と、給紙部60とで構成されている。感光体ドラム10の周囲には、さらに、感光体ドラム10の表面を所定の電位に帯電させる帯電ブラシ11、および感光体ドラム10上に残留したトナーを除去するクリーナーブレード12aを備えたクリーナー12が設置されている。
【0057】
レーザ走査光学系20はレーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵した周知のもので、その制御部にはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)ごとの印字データがホストコンピュータから転送される。レーザ走査光学系20は各色ごとの印字データを順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光する。これにより、感光体ドラム10上に各色ごとの静電潜像が順次形成される。
【0058】
フルカラー現像装置30はC、M、Y、Bkの非磁性トナーからなる一成分現像剤を収容した4つの色別現像装置31C、31M、31Y、31Bk(各現像装置は図2の構成をとっている)を一体化したもので、支軸81を支点として時計回り方向に回転可能である。各現像装置は現像スリーブ32、トナー規制ブレード34および除電部材(図示せず)を備えている。現像スリーブ32の回転により搬送されるトナーは、ブレード34と現像スリーブ32との圧接部(規制部)を通過することにより帯電される。
【0059】
中間転写ベルト40は支持ローラ41、42およびテンションローラ43、44に無端状に張り渡され感光体ドラム10と同期して矢印b方向に回転駆動される。中間転写ベルト40の側部には図示しない突起が設けられ、この突起をマイクロスイッチ45が検出することにより、露光、現像、転写等の作像処理が制御される。中間転写ベルト40は回転自在な1次転写ローラ46に押圧されて感光体ドラム10に接触している。この接触部が1次転写部T1である。また、中間転写ベルト40は支持ローラ42に支持された部分で回転自在な2次転写ローラ47が接触している。この接触部が2次転写部T2である。
【0060】
さらに、前記現像装置30と中間転写ベルト40の間のスペースにはクリーナー50が設置されている。クリーナー50は中間転写ベルト40上の残留トナーを除去するためのブレード51を有している。このブレード51及び前記2次転写ローラ47は中間転写ベルト40に対して接離可能である。
【0061】
給紙部60は、画像形成装置本体1の正面側に開放可能な給紙トレイ61と、給紙ローラ62と、タイミングローラ63とから構成されている。記録シートSは給紙トレイ61上に積載され、給紙ローラ62の回転によって1枚ずつ図中右方へ給紙され、タイミングローラ63で中間転写ベルト40上に形成された画像と同期をとって2次転写部へ送り出される。記録シートの水平搬送路65は前記給紙部を含んでエアーサクションベルト66等で構成され、定着器70からは搬送ローラ72、73、74を備えた垂直搬送路71が設けられている。記録シートSはこの垂直搬送路71から画像形成装置本体1の上面へ排出される。
【0062】
ここで、上記フルカラープリンタのプリント動作について説明する(図3参照)。プリント動作が開始されると、感光体ドラム10および中間転写ベルト40が同じ周速度で回転駆動され、感光体ドラム10は帯電ブラシ11によって所定の電位に帯電される。
【0063】
続いてレーザ走査光学系20によってシアン画像の露光が行われ、感光体ドラム10上にシアン画像の静電潜像が形成される。この静電潜像は直ちに現像装置31Cで現像されると共に、トナー画像は1次転写部で中間転写ベルト40上に転写される。1次転写終了直後に現像装置31Mが現像部Dへ切り換えられ、続いてマゼンタ画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像装置31Yへの切換え、イエロー画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像装置31Bkへの切換え、ブラック画像の露光、現像、1次転写が行われ、1次転写ごとに中間転写ベルト40上にはトナー画像が重ねられていく。
【0064】
最終の1次転写が終了すると、記録シートSが2次転写部へ送り込まれ、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラートナー画像が記録シートS上に転写される。この2次転写が終了すると、記録シートSはベルト型接触加熱定着器70へ搬送され、フルカラートナー画像が記録シートS上に定着されてプリンタ本体1の上面に排出される。
本発明を、以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0065】
【実施例】
(トナーAの製造)
温度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびテレフタル酸を、モル比5:5:9.5で仕込んだ。さらに重合開始剤(ジブチル錫オキサイド)を添加した後、これらをマントルヒーター中、窒素雰囲気下、220℃で撹拌しながら反応させ、数平均分子量(Mn)4800、重量平均分子量/数平均分子量4.5、軟化点108℃、ガラス転移点66℃、酸価(AV)4.2KOHmg/gのポリエステル樹脂を得た。
【0066】
なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(807−IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用して、ポリスチレン換算により分子量を求めた。
【0067】
軟化点については、フローテスター(CFT−500;島津製作所社製)を用い、試料1.0gについて1.0mm×1.0mmのダイを使用し、昇温速度3.0℃/min.、荷重30kgの条件で測定を行い、試料が1/2流出したときの温度を軟化点とした。
【0068】
ガラス転移点は示差走査熱量計(DSC−200;セイコー電子社製)を用いて秤量された試料10mgについて測定し、リファレンスとしてアルミナを用い、30〜80℃の範囲におけるメイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
【0069】
酸価は秤量された試料を適当な溶媒に溶解し、フェノールフタレイン等の指示薬を使用して酸性基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で表した。
【0070】
このポリエステル樹脂およびシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15−3)を重量比7:3で加圧ニーダーに仕込み混練した。得られた混練物を冷却後、フェザーミルにより粉砕し顔料マスターバッチを得た。
【0071】
上記のポリエステル樹脂93重量部および顔料マスターバッチ10重量部、ポリプロピレンワックス(ビスコールTS200;三洋化成工業社製;酸価3.5KOHmg/g)2重量部およびサリチル酸亜鉛錯体(E84;オリエント化学工業社製)1.5重量部をボールミルで十分混合し、混合物を2軸押出混練機(PCM−30;池貝鉄工社製)で溶融混練した後、冷却し、その後フェザーミルで粗粉砕して粗粉砕物を得た。
【0072】
この粗粉砕物をジェットミル(IDS;日本ニューマチック社製)で微粉砕した後、熱風による表面改質処理を行い、微粉分級することにより体積平均粒径8.0μm、SF値106のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対して、外添剤として疎水性シリカ(TS500;キャボット社製)0.5重量%および平均一次粒径50nmのアナターゼ型チタニアをn−ヘキサトリメトキシシランで表面処理したもの1重量%を添加し、ミキサーにより混合することによりトナーA(負帯電性トナー)を得た。
【0073】
(トナーBの製造)
トナーAの製造方法と同様にして得られた粗粉砕物をジェットミル(IDS;日本ニューマチック社製)で微粉砕した後、さらにハイブリダイゼーション( NHS−I型;奈良機械社製)で処理し、微粉分級することにより体積平均粒径8.0μm、SF値131のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対して、トナーAと同様の外添剤を添加し、ミキサーにより混合することによりトナーB(負帯電性トナー)を得た。
【0074】
(トナーCの製造)
トナーAの製造方法と同様にして得られた粗粉砕物を機械式粉砕機(クリプトロンシステムKTM−I型;川崎重工業社製)で微粉砕し、微粉分級することにより体積平均粒径8.0μm、SF値143のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対して、トナーAと同様の外添剤を添加し、ミキサーにより混合することによりトナーC(負帯電性トナー)を得た。
【0075】
(トナーDの製造)
トナーAの製造方法と同様にして得られた粗粉砕物をジェットミル(IDS;日本ニューマチック社製)で微粉砕し、微粉分級することにより体積平均粒径8.0μm、SF値162のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対して、トナーAと同様の外添剤を添加し、ミキサーにより混合することによりトナーD(負帯電性トナー)を得た。
【0076】
実施例1
電子写真プリンター(SP1000;ミノルタ社製、システム速度35mm/s)にトナーCを装填し、トナー粒子のブレードへの耐固着性、トナー粒子の感光体へのカブリ、トナー粒子のスリーブへのフィルミング、およびスリーブ上のトナー粒子微粉付着量について評価した。なお、使用した電子写真プリンターに搭載されている現像装置は図1に示す現像装置であり、諸条件は以下の通りである。
【0077】
除電部材
材料;ポリアミド樹脂(ナイロン)にカーボンブラックを25重量%分散させたもの
表面抵抗;103Ω
印加電圧;+50V
圧接圧力;110g/cm2
部材厚さ;0.2mm
【0078】
(耐固着性)
上記電子写真プリンターから感光体を取り外し、20時間スリーブを連続回転させ、回転終了後のスリーブ上のトナー薄層を目視により観察して以下に従いランク付けした。なお、ブレードに固着が起こるとスリーブ上のトナー薄層にスジが発生する。
○;スジは発生していなかった;
△;スジが僅かに発生していたものの、実用上問題はなかった;
×;スジが顕著に発生していた。
【0079】
(感光体カブリ)
B/W比5%の画像を複写し、初期および6000枚複写後の感光体を目視により観察して以下に従いランク付けした。
感光体カブリ評価法
イメージングカートリッジの現像装置にトナーをセットしプリンターに装着した後、D/W5%で5〜10枚印字した後(初期)および6000枚印字した後、白現像(白紙モード)で1枚通紙を行ない、その通紙途中で止める。
止めた後イメージングカートリッジをプリンターからとり出し、感光体カブリを観察する。
○;カブリがほとんど発生していない;
△;若干カブリは発生したが実用上問題なし;
×;カブリ発生。
【0080】
(スリーブフィルミング)
上記電子写真プリンターから感光体を取り外し、20時間スリーブを連続回転させ、回転終了後のスリーブを目視により観察して以下に従いランク付けした。なお、スリーブフィルミングとはトナー粒子の融着等によってスリーブ表面に形成されたトナー粒子成分によるスリーブ上の被膜をいう。
○;フィルミングは発生していなかった;
△;フィルミングが僅かに発生していたものの、実用上問題はなかった;
×;フィルミングが顕著に発生していた。
【0081】
(スリーブ上トナー粒子微粉量)
上記電子写真プリンターから感光体を取り外し、システム速度を75mm/sに改造し、30分間スリーブを連続回転させ、スリーブ上に形成されたトナー薄層中に占める粒径5μm以下のトナー粒子の割合(個数%)を求めた。具体的には、スリーブ上に形成されたトナー薄層を吸いとり、その吸いとったトナーサンプルの個数基準粒径分布を測定し、その時の粒径5μm以下のトナーの個数含有率を確認した。
○;0個数%以上20個数%未満;
△;20個数%以上30個数%未満;
×;30個数%以上。
以上の評価結果を、その他の条件とともに、表1に示した。
【0082】
実施例2
トナーAを使用したこと、およびカーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0083】
実施例3
トナーBを使用したこと、およびカーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0084】
実施例4
カーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0085】
実施例5
除電部材の印加電圧を+100Vにしたこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0086】
実施例6
トナーAを使用したこと、およびカーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと以外、実施例5と同様にして、上記評価を行った。
【0087】
実施例7
トナーBを使用したこと、およびカーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと以外、実施例5と同様にして、上記評価を行った。
【0088】
実施例8
カーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと以外、実施例5と同様にして、上記評価を行った。
【0089】
比較例1
トナーDを使用したこと、カーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと、および除電部材に電圧を印加しなかったこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0090】
比較例2
トナーDを使用したこと、カーボンブラック含有量を13重量%にして表面抵抗を106Ωにした除電部材を使用したこと、および除電部材の印加電圧を+100Vにしたこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0091】
比較例3
トナーDを使用したこと、カーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと、および除電部材の印加電圧を+150Vにしたこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0092】
比較例4
トナーBを使用したこと、カーボンブラック含有量を15重量%にして表面抵抗を105Ωにした除電部材を使用したこと、および除電部材に電圧を印加しなかったこと以外、実施例1と同様にして、上記評価を行った。
【0093】
【表1】
【0094】
【発明の効果】
本発明の一成分現像方法においては、スリーブフィルミングや感光体カブリが発生しにくく、スリーブ上にトナー粒子が蓄積されにくい。また、ブレードにも固着は起こりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を採用した現像装置の一例の概略構成図を示す。
【図2】本発明の方法を採用した現像装置の一例の斜視図を示す。
【図3】フルカラー画像形成装置の概略構成図を示す。
【図4】従来からの現像装置の概略構成図を示す。
【符号の説明】
10:感光体ドラム、11:帯電ブラシ、12:クリーナー、20:レーザ走査光学系、30:フルカラー現像装置、31C、31M、31Y、31Bk:現像器、32:現像スリーブ(スリーブ)、34:トナー規制ブレード(ブレード)、40:中間転写ベルト、41:支持ローラ、42:支持ローラ、43:テンションローラ、44:テンションローラ、46:1次転写ローラ、47:2次転写ローラ、60:給紙部、61:給紙トレイ、62:給紙ローラ、63:タイミングローラ、66:エアーサクションベルト、70:定着器、71:垂直搬送路、81:支軸、91、101:駆動ローラ、92、102:現像スリーブ、120、920:弛み部分、93、103:押圧ガイド、94、104:トナー規制ブレード、95、105:バッファ室、96、106:トナー供給室、97、107:トナー供給回転部材、98、108:トナー撹拌・供給回転部材、99、109:下シール部材、119:除電部材、921、121:電源、191:除電バイアス電源。
Claims (1)
- 平均形状係数(SF値)が100〜150であるトナーを、トナー搬送部材に供給する工程、供給されたトナーを、トナー搬送部材とトナー規制部材との間隙を通過させ、トナーを帯電させるとともに、トナー薄層を搬送部材上に形成する工程、搬送部材上に形成されたトナー薄層を静電潜像の現像に供する工程、および現像に供されずトナー搬送部材表面に残ったトナーに、トナー搬送部材表面の現像領域より下流側からトナー供給領域に至る間の位置に当接するよう配置された除電部材によりトナー帯電極性と逆極性の電圧50〜100Vを印加して該トナーを除電し、該トナーを回収する工程からなる一成分現像方法。
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